JP4659118B2 - プラズマディスプレイパネルとその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマディスプレイパネルとその製造方法に関し、特に主に酸化マグネシウムからなる保護層を備えるプラズマディスプレイパネルとその製造方法に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、PDP)はフラットパネルディスプレイ(FPD)の中でも高速表示が可能であり、かつ大型化が容易であることから、映像表示装置および広報表示装置などの分野で広く実用化されている。
図10は、一般的なAC型PDPにおける放電単位である放電セル構造の模式的組図である。当図10に示すPDP1xはフロントパネル2及びバックパネル9を貼り合わせてなる。フロントパネル2は、フロントパネルガラス3の片面に、走査電極5及び維持電極4を一対とする表示電極対6が複数対にわたり配設され、当該表示電極対6を覆うように、誘電体層7および保護層8が順次積層されてなる。走査電極5、維持電極4は、それぞれ透明電極51、41及びバスライン52、42を積層して構成される。
誘電体層7は、ガラス軟化点が550℃〜600℃程度の範囲の低融点ガラスから形成され、AC型PDP特有の電流制限機能を有する。
表面層8は、上記誘電体層7及び表示電極対6をプラズマ放電のイオン衝突より保護すると共に、二次電子を効率よく放出し、放電開始電圧を低下させる役目をなす。通常、当該表面層8は二次電子放出特性、耐スパッタ性、光学透明性に優れる酸化マグネシウム(MgO)を用いて、真空蒸着法(特許文献1、2)や印刷法(特許文献3)で厚み0.5μm〜1μm程度で成膜される。なお表面層8と同様の構成は、誘電体層7及び表示電極対6を保護する他に、二次電子放出特性の確保を目的とした保護層として設けられることもある。
他方、バックパネル9は、バックパネルガラス10上に画像データを書き込むための複数のデータ(アドレス)電極11が前記フロントパネル2の表示電極対6と直交方向で交差するように併設される。バックパネルガラス10には、データ電極11を覆うように低融点ガラスからなる誘電体層12が配設される。誘電体層12において隣接する放電セル(図示省略)との境界上には、低融点ガラスからなる所定の高さの隔壁(リブ)13が放電空間15を区画するように、井桁状等のパターン部1231、1232を組み合わせて形成される。誘電体層12表面と隔壁13の側面には、R、G、B各色の蛍光体インクが塗布及び焼成されてなる蛍光体層14(蛍光体層14R、14G、14B)が形成されている。
フロントパネル2とバックパネル9は、表示電極対6とデータ電極11とが放電空間15をおいて互いに直交するように配置され、その各周囲で封着される。この際に内部封止された放電空間15には、放電ガスとしてXe−Ne系あるいはXe−He系等の希ガスが約数十kPaの圧力で封入される。以上でPDP1xが構成される。
ところで、PDPで画像表示するためには、1フィールドの映像を複数のサブフィールド(S.F.)に分割する階調表現方式(例えばフィールド内時分割表示方式)が用いられる。
近年では、PDPの高精細化(フルスペックハイビジョンTV等)や高速駆動化が必要とされており、放電特性の向上に対する研究が広く行われている。研究の重要な課題項目には「放電遅れ」の防止・抑制が挙げられる。
「放電遅れ」とは駆動パルスの幅を狭くして高速駆動を行う際に、パルスの立ち上がりから遅れて放電が行われる現象を指す。「放電遅れ」が顕著になると、印加されたパルス幅内で放電が終了する確率が低くなり、本来点灯すべきセルに書き込み等ができずに点灯不良を生じる。高精細なセル構造において、放電遅れの問題は高速駆動を行う場合に特に顕在化するおそれがあり、早急な対策が望まれている。
「放電遅れ」の原因は、主に保護層の特性に起因すると考えられている。従って現在では、MgOにFe、Cr、V等や、Si、Al等の元素をドーパントとして添加して、当該ドーパントにより保護層の放電特性を改善する試みが講じられている(特許文献1、2)。一方、誘電体層の上に直接、或いは薄膜法で作製したMgO膜を介して、気相酸化法で作製したMgOの単結晶微粒子を層状に配置し、保護層表面の放電特性を改善する試みも行われている(特許文献3)。この特許文献3の方法によれば、低温時における放電遅れ低減については一定の改善が図られるとされている。
特開平8−236028号公報 特開平10−334809号公報 特開2006−173018号公報 特開2006−147417号公報 特開昭64−28273号公報
しかしながら現在では、上記いずれの特許文献に記載された従来技術においても、放電遅れに関する問題を十分に解決するには至っていない現状にある。
例えば特許文献3には、気相酸化法で作製されたMgO微粒子(粉体)が用いられているが、気相酸化法で作成された粒子は粒径に比較的バラツキがあり、粒径の大きい粒子に対し、多数の微細粒子が含まれている。このような多数の微細粒子には、実質的に放電遅れの防止・抑制に貢献しない微粒子が含まれている。従って、PDPにおいては、比較的多くのMgO微粒子を分散させて用いないと、実用的な放電遅れの抑制効果が得られない。
一方、大量のMgO微粒子を誘電体層や表面層に対して配設すると、蛍光体で生じた可視光を散乱させてしまい、可視光透過率が減少してしまうデメリットがある。
これらの問題を解決するために、分級によって粒径の小さいMgO微粒子を取り除く方法が提案されている(特許文献4)。しかしながら、その場合は分級工程という新たな工程を行う必要が生じ、工程数が増えて製造効率を低下させるほか、大がかりな分級装置を要する問題がある。さらに、分級工程後に使用できない無駄なMgO材料が発生するなど、実際上、製造コスト面での各種問題が発生する。
以上のように、PDPにおいて実用的に放電遅れの増大を効果的に解決するには至っていないと考えられる。また、この問題は、フルスペックハイビジョンTV等の高精細なセル構造において、高速駆動を行う場合に特に顕在化するおそれがあるため、早急な対策が望まれている。
本発明は以上の課題に鑑みなされたものであって、保護層における放電特性を改善することにより放電遅れの発生を抑制し、高精細セル構造でも優れた画像表示性能を発揮することが可能なPDPとその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、電極と誘電体層とが配設された第1基板が、放電空間を介して第2基板と対向配置され、当該第1及び第2両基板の周囲が封着されたプラズマディスプレイパネルであって、前記第1基板の表面には、前記放電空間に臨むように、ハロゲン原子を含む酸化マグネシウム微粒子からなる酸化マグネシウム微粒子群が配設され、前記酸化マグネシウム微粒子中において、前記ハロゲン原子は前記マグネシウム原子に対し、6.12atm%以上21.99atm%以下の割合で含まれている構成とした。
また、前記ハロゲン原子のマグネシウム原子に対する割合が、6.12atm%以上19.30atm%以下の範囲とすることもできる。
ここで前記誘電体層の放電空間側には、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化バリウム(BaO)、酸化ストロンチウム(SrO)の群より選ばれた少なくとも一つの金属酸化物を含む表面層が設けられ、前記酸化マグネシウム微粒子群は、前記表面層の放電空間側に配設された構成とすることもできる。
また前記ハロゲン原子は、少なくとも前記酸化マグネシウム微粒子の表面から当該表近傍の深さ領域に含めることができる。
ここで前記「表面近傍の領域」とは、酸化マグネシウム微粒子の表面から内部に向かって、少なくとも4nm以内の領域を指す。
さらに前記ハロゲン原子には、具体的にはフッ素原子或いは塩素原子を用いることができる。
ここで、酸化マグネシウム微粒子群は、誘電体層に対して1.0%以上31.5%以下の投影面積比で被覆するように構成することもできる。
さらに本発明は、電極と誘電体層とが配設された第1基板に対し、前記誘電体層の表面に酸化マグネシウム微粒子を配設する酸化マグネシウム微粒子配設工程と、第1基板と第2基板とを対向配置させて封着する工程とを有するラズマディスプレイパネルの製造方法であって、酸化マグネシウム微粒子配設工程では、酸化マグネシウム前駆体に対して、フッ化マグネシウム、塩化マグネシウム、フッ化アルミニウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、塩化ナトリウムの中の1種以上を焼結助剤として添加してなる材料を、焼成することで得た酸化マグネシウム微粒子を用いるものとした。
また本発明は、電極と誘電体層とが配設された第1基板に対し、前記誘電体層の表面に表面層を形成する表面層形成工程と、第1基板と第2基板とを対向配置させて封着する工程とを有するプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、表面層形成工程と封着工程との間において、表面層の表面に酸化マグネシウム微粒子を配設する酸化マグネシウム微粒子配設工程を有し、表面層形成工程では、誘電体層の表面に対し、MgO、CaO、BaO及びSrOの群より選ばれた少なくとも一つの金属酸化物を含む材料で表面層を形成し、酸化マグネシウム微粒子配設工程では、酸化マグネシウム前駆体に対して、フッ化マグネシウム、塩化マグネシウム、フッ化アルミニウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、塩化ナトリウムの中の1種以上を焼結助剤として添加してなる材料を、焼成することで得た酸化マグネシウム微粒子を用いるものとした。
以上の構成を有する本発明のPDPでは、ハロゲン原子を含むMgO微粒子が、MgOのみを含む微粒子に比べて高い二次電子放出係数γを有している。このため、本発明のPDPの駆動時には、当該MgO微粒子から放電空間内に向けて豊富な二次電子放出がなされる。その結果、従来のPDPと同様の放電開始電圧で放電を開始しつつ、放電遅れの発生を適切に抑制することができる。
この放電遅れの抑制効果は、MgO微粒子の表面から数百pmの非常に浅い領域における材料特性によって発揮されるものである。
また、本発明では、表面層或いは誘電体層に対するMgO微粒子層の被覆率をそれほど高めなくても、上記効果が純分に得られる。従って、MgO微粒子層の厚みを十分に薄くでき、その分、フロントパネルの適度な可視透過率が確保される。これにより、放電遅れの抑制効果と相まって、優れた画像表示性能が発揮されるようになっている。
また、本発明では、MgO前駆体の焼成により従来に比して均一な粒径でMgO微粒子を得ているので、放電遅れの防止・抑制に貢献しない微粒子を除くための分級工程が不要であって、そのまま生成されたMgO微粒子を利用できる。このため、分級工程を省略して工程の簡略化が図れ、製造効率及びコストの面で大きなメリットを有するほか、従来の一般的なセラミック粉体の製造工程でも実施でき、製造コストの効果的な抑制が期待できる。
以下に、本発明の実施の形態及び実施例を説明するが、当然ながら本発明はこれらの形式に限定されるものでなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲で適宜変更して実施することができる。
<実施の形態1>
(PDPの構成例)
図1は、本発明の実施の形態1に係るPDP1のxz平面に沿った模式的な断面図である。当該PDP1は保護層周辺の構成を除き、全体的には従来構成(前述の図10)と同様である。なお、図1では説明のため、表面層8の表面に配設されるMgO微粒子層16を実際よりも大きく、模式的に表している。
PDP1は、ここでは42インチクラスの1024×768(画素数)のNTSC仕様としているが、本発明は当然ながらXGAやSXGA等、この他の仕様例に適用してもよい。HD(High Definition)以上の解像度を有する高精細なPDPとしては、例えば、次の規格を例示できる。すなわちパネルサイズが37、42、50インチの各サイズの場合、同順に1024×720(画素数)、1024×768(画素数)、1366×768(画素数)に設定できる。そのほか、当該HDパネルよりもさらに高解像度のパネルを含めることができる。HD以上の解像度を有するパネルとしては、1920×1080(画素数)を備えるフルHDパネルを含めることができる。
図1に示すように、PDP1の構成は互いに主面を対向させて配設された第1基板(フロントパネル2)および第2基板(バックパネル9)に大別される。
フロントパネル2の基板となるフロントパネルガラス3には、その一方の主面に所定の放電ギャップ(75μm)をおいて配設された一対の表示電極対6(走査電極5、維持電極4)がx軸方向を長手方向としてy軸方向に複数対にわたり形成されている。各表示電極対6は、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO2)等の透明導電性材料からなる帯状の透明電極51、41(厚さ0.1μm、幅150μm)に対して、Ag厚膜(厚み2μm〜10μm)、Al薄膜(厚み0.1μm〜1μm)またはCr/Cu/Cr積層薄膜(厚み0.1μm〜1μm)等からなるバスライン52、42(厚さ7μm、幅95μm)が積層されてなる。このバスライン52、42によって透明電極51、41のシート抵抗が下げられる。
ここで、「厚膜」とは、導電性材料を含むペースト等を塗布した後に焼成して形成する各種厚膜法により形成される膜をいう。また、「薄膜」とは、スパッタリング法、イオンプレーティング法、電子線蒸着法等を含む、真空プロセスを用いた各種薄膜法により形成される膜をいう。
表示電極対6を配設したフロントパネルガラス3には、その主面全体にわたり、酸化鉛(PbO)または酸化ビスマス(Bi23)または酸化燐(PO4)を主成分とする低融点ガラス(厚み約30μm)の誘電体層7が、スクリーン印刷法等によって形成されている。
誘電体層7は、AC型PDP特有の電流制限機能を有し、DC型PDPに比べて長寿命化を実現する要素になっている。
誘電体層7の放電空間側の面には、膜厚約1μmの表面層8と、当該表面層8の表面にMgO微粒子層16が配設されている。この表面層8及びMgO微粒子層16の組み合わせにより、誘電体層7に対する保護層17が構成されている。
表面層8は、誘電体層7及び表示電極対6をプラズマ放電のイオン衝突より保護すると共に、二次電子を効率よく放出し、放電開始電圧を低下させる役目をなす薄膜であって、耐スパッタ性及び二次電子放出係数γに優れるMgO材料からなる。当該材料は、さらに良好な光学透明性、電気絶縁性を有する。一方、MgO微粒子層16は、MgO成分を主体とし、ハロゲン原子としてフッ素原子を含むMgO微粒子16aで構成されている。このMgO微粒子層16については詳細を後述する。
バックパネル9の基板となるバックパネルガラス10には、その一方の主面に、Ag厚膜(厚み2μm〜10μm)、Al薄膜(厚み0.1μm〜1μm)またはCr/Cu/Cr積層薄膜(厚み0.1μm〜1μm)等のいずれかからなるデータ電極11が、幅100μmで、x方向を長手方向としてy方向に一定間隔毎(360μm)でストライプ状に並設される。そして、各々のデータ電極11を内包するように、バックパネルガラス9の全面にわたって、厚さ30μmの誘電体層12が配設されている。
誘電体層12の上には、さらに隣接するデータ電極11の間隙に合わせて井桁状の隔壁13(高さ約110μm、幅40μm)が配設され、放電セルが区画されることで誤放電や光学的クロストークの発生を防ぐ役割をしている。
隣接する2つの隔壁13の側面とその間の誘電体層12の面上には、カラー表示のための赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各々に対応する蛍光体層14が形成されている。各種組成として、青色蛍光体(B)には、既知のBAM:Eu、赤色蛍光体(R)には(Y,Gd)BO3:EuやY23:Eu等、緑色蛍光体(G)にはZn2SiO4:Mn、YBO3:Tbおよび(Y,Gd)BO3:Tb等が利用できる。
なお、誘電体層12は必須ではなく、データ電極11を直接蛍光体層14で内包するようにしてもよい。
フロントパネル2とバックパネル9は、データ電極11と表示電極対6の互いの長手方向が直交するように対向配置され、両パネル2、9の外周縁部がガラスフリットで封着されている。この両パネル2、9間にはHe、Xe、Ne等を含む不活性ガス成分からなる放電ガスが所定圧力で封入される。
隔壁13の間は放電空間15であり、隣り合う一対の表示電極対6と1本のデータ電極11が放電空間15を挟んで交叉する領域が、画像表示にかかる放電セル(「サブピクセル」とも言う)に対応する。放電セルピッチはx方向が675μm、y方向が300μmである。隣り合うRGBの各色に対応する3つの放電セルで1画素(675μm×900μm)が構成される。
走査電極5、維持電極4及びデータ電極11の各々には、図2に示すようにパネルxy方向端部付近において、駆動回路として走査電極ドライバ111、維持電極ドライバ112、データ電極ドライバ113が電気的に接続される。ここで、維持電極4は一括して維持電極ドライバ112に接続され、各走査電極5と各データ電極11は、それぞれ独立して走査電極ドライバ111或いはデータ電極ドライバ113に接続される。
(PDPの駆動例)
PDP1は、各ドライバ111〜113を含む公知の駆動回路(不図示)によって、駆動時には各表示電極対6の間隙に数十kHz〜数百kHzのAC電圧が印加される。これにより任意の放電セル内で放電が発生し、励起Xe原子による波長147nm主体の共鳴線と励起Xe分子による波長172nm主体の分子線を含む紫外線(図1の点線及び矢印)が蛍光体層14に照射される。蛍光体層14は励起されて可視光発光する。そして当該可視光はフロントパネル2を透過して前面に発光される。
この駆動方法の一例としては、フィールド内時分割階調表示方式が採られる。当該方式は、表示するフィールドを複数のサブフィールド(S.F.)に分け、各サブフィールドをさらに複数の期間に分ける。1サブフィールドは更に、(1)全放電セルを初期化状態にする初期化期間、(2)各放電セルをアドレスし、各放電セルへ入力データに対応した表示状態を選択・入力していく書込期間、(3)表示状態にある放電セルを表示発光させる維持期間、(4)維持放電により形成された壁電荷を消去する消去期間という4つの期間に分割されてなる。
各サブフィールドでは、初期化期間で画面全体の壁電荷を初期化パルスでリセットした後、書込期間で点灯すべき放電セルのみに壁電荷を蓄積させる書込放電を行い、その後の放電維持期間ですべての放電セルに対して一斉に交流電圧(維持電圧)を印加することによって一定時間放電維持することで発光表示する。
ここで図3は、フィールド中の第m番目のサブフィールドにおける駆動波形例である。図3が示すように、各サブフィールドには、初期化期間、アドレス期間、維持期間、消去期間がそれぞれ割り当てられる。
初期化期間とは、それ以前の放電セルの点灯による影響(蓄積された壁電荷による影響)を防ぐため、画面全体の壁電荷の消去(初期化放電)を行う期間である。図3に示す駆動波形例では、走査電極5にデータ電極11および維持電極4に比べて高い電圧(初期化パルス)を印加し放電セル内の気体を放電させる。それによって発生した電荷はデータ電極11、走査電極5および維持電極4間の電位差を打ち消すように放電セルの壁面に蓄積されるので、走査電極5付近の表面層8及びMgO微粒子層16の表面には、l負の電荷が壁電荷として蓄積される。またデータ電極11付近の蛍光体層14表面および維持電極4付近の表面層8及びMgO微粒子層16の表面には、正の電荷が壁電荷として蓄積される。この壁電荷により、走査電極5―データ電極11間、走査電極5―維持電極4間に所定の値の壁電位が生じる。
アドレス期間(書込期間)は、サブフィールドに分割された画像信号に基づいて選択された放電セルのアドレッシング(点灯/不点灯の設定)を行う期間である。当該期間では、放電セルを点灯させる場合には走査電極5にデータ電極11および維持電極4に比べ低い電圧(走査パルス)を印加させる。すなわち、走査電極5―データ電極11には前記壁電位と同方向に電圧を印加させると共に走査電極5―維持電極4間に壁電位と同方向にデータパルスを印加させ、アドレス放電(書込放電))を生じさせる。これにより蛍光体層14表面、維持電極4付近の表面層8及びMgO微粒子層16の表面には、負の電荷が蓄積され、走査電極5付近の表面層8及びMgO微粒子層16の表面には、正の電荷が壁電荷として蓄積される。以上で維持電極4―走査電極5間には所定の値の壁電位が生じる。
維持期間は、階調に応じた輝度を確保するために、書込放電により設定された点灯状態を拡大して放電を維持する期間である。ここでは上記壁電荷が存在する放電セルで、一対の走査電極5および維持電極4の各々に維持放電のための電圧パルス(例えば約200Vの矩形波電圧)を互いに異なる位相で印加する。これにより表示状態が書き込まれた放電セルに対し電圧極性の変化毎にパルス放電を発生せしめる。
この維持放電により、放電空間における励起Xe原子からは147nmの共鳴線が放射され、励起Xe分子からは173nm主体の分子線が放射される。この共鳴線・分子線が蛍光体層14表面に照射され、可視光発光による表示発光がなされる。そして、RGBの各色ごとのサブフィールド単位の組み合わせにより、多色・多階調表示がなされる。なお、表面層8に壁電荷が書き込まれていない非放電セルでは、維持放電が発生せず表示状態は黒表示となる。
消去期間では、走査電極5に漸減型の消去パルスを印加し、これによって壁電荷を消去させる。
(保護層17の構成)
PDP1における保護層17は、誘電体層7に積層された表面層8と、その上に配設されたMgO微粒子層16で構成されている。
表面層8は、厚さ約1μmのMgO薄膜であって、誘電体層7上に真空蒸着法、イオンプレーティング法等公知の薄膜形成法で成膜されてなる。なお、当該表面層8の材料はMgOに限らず、MgO、CaO、BaO及びSrOの群より選ばれた少なくとも一つの金属酸化物を含むように構成できる。
MgO微粒子層16は、比較的に均一な粒径分布を持ち、MgO微粒子16aを平面的に分散・凝結させて構成される。MgO微粒子16aは、ハロゲン原子(フッ素原子)を表面近傍において一定範囲で含む構成を有している。その態様は、例えば一部のハロゲン原子が酸素原子と置換し、これによりMgOの結晶構造中において部分的にMgF2の結晶構造が混在しているものと考えられる。このようなハロゲン原子は、各々のMgO微粒子16aにおいて、少なくとも表面から表面近傍の領域、具体的には表面から粒子内部に向けて深さ4nm以内の範囲を主として含まれている。
発明者らの検討によれば、MgO微粒子16aによる表面層8の被覆量としては、表面層8に対して1.0%以上の投影面積比で被覆させるのが好適である。しかしながら、本発明はこれに限定するものではなく、表面層8の任意の領域に対して部分的に、所定の被覆率で設けることも可能である。或いは例えば、大型のMgO微粒子16aを、各放電セル内の表面層8に数個乃至数百個程度設けることもできる。
以上のMgO微粒子層16を持つPDP1では、表面及び表面近傍の領域にハロゲン原子が存在することにより、二次電子放出係数γが増大されたMgO微粒子16aが、放電空間15に臨むように表面層8に分散配置されているので、PDPの駆動時に放電空間15内で発生した放電による紫外線を受けると、各MgO微粒子16aの表面から放電空間15内に向けて豊富に二次電子放出がなされる。その結果、PDP1では駆動初期における放電開始電圧Vfを従来と同様に抑えつつ、より良好に放電を開始でき、放電遅れを抑制することができる。
ここにおいてPDP1では、MgO微粒子層16aの配設に際し、表面層8に対してそれほど多くのMgO微粒子16aを被着させることなく、平面的に分散させて配設されており、当該MgO微粒子層16による表面層8の被覆率が低く抑えられている。、このため、フロントパネル2ではディスプレイとして適度な可視透過率が確保される一方、放電遅れの発生に対しても十分な抑制効果が図られ、結果として優れた画像表示性能が発揮されるようになっている。
一般的に、二次電子放出係数γの増大させることは、放電遅れの改善に対して効果的に作用する。二次電子放出係数γを増大させるためには、特許文献1または2のように、結晶格子中に酸素欠陥やドーパントを導入して、エネルギーバンド中の局在準位を増大させる手法が知られている。しかし、この方法ではMgO膜の構成が経時的に不安定であり、放電時間が増すに従い構造劣化を生じ、放電特性が変化してしまうおそれがある。
そこで本発明のMgO微粒子16aの製造方法では、後述するように各種ハロゲン化物を焼結助剤として使用し、且つ焼結後は、結晶中の酸素原子の一部をハロゲン原子であるフッ素原子で置換させる構成としている。この製造方法では、従来の酸素欠陥で局在準位を作る方法とは異なり、結晶中に原子化制御によって局在準位を形成する。このため、経時的に安定な結晶構造が維持され、且つ、良好且つ安定的に二次電子放出係数γを増大させることによって、放電遅れを改善する作用を期待できるものである。
なお、上記した本発明のハロゲン原子の導入による放電遅れの改善効果は、MgO微粒子の粒子表面からの電子放出を制御することにより具現化される。すなわち、上記した二次電子の放出は、粒子表面から深さ数百pmの非常に浅い領域で主として起こる物理現象であるため、MgO粒子表層の構成が放電遅れの特性に寄与する最大要因と考えられる。本願発明者らはこの点に着眼し、鋭意検討して本発明をなしたものであって、特にMgO粒子表面及び当該表面近傍の構成を工夫したものである。
このように本発明では、ハロゲン原子をMgO粒子中に積極的に残存させることで、一定の効果を得るものであり、単にハロゲン原子を焼成工程に際してフラックスとして用い、ハロゲン原子の残存は望ましくないとする従来技術(特許文献5)とは異なる特徴を持つものである。
なお、ここではハロゲン原子としてフッ素原子を用いる例を示したが、この他に塩素原子など、ハロゲン属の各種原子を用いることも可能である。
また、特開2006−202765号公報には、ハロゲン原子を含むMgO結晶膜からなる保護層の構成が記載されているが、当該保護層では、放電空間に臨むMgO膜の一様な表面付近がハロゲン原子を含む構成であり、粒子の表面近傍を取り巻くようにハロゲン原子が含まれるMgO微粒子16aを用いたものとは異なっている。また、本発明では表面層8の任意の領域にMgO微粒子16aを配設することができ、ハロゲン原子の使用量や使用領域を精密にコントロールできるといったメリットがあるので、本発明はこの点においても当該従来技術にはない利点を有するものである。
さらに、当該従来技術では、EB法によりMgO膜を成膜するとともに、フッ素原子を導入するためのプラズマ処理を同一の真空チャンバーで実施できるものとしているが、当該製造方法は実際的なものではなく、製造コスト等の面から著しく量産性に乏しいと考えられる。これに対し本発明のMgO微粒子16aは、後述するように酸化マグネシウム前駆体に、ハロゲン原子成分を含む焼成助剤を添加して焼成することで製造されるため、従来と同様の製造施設を利用して実現が可能であり、製造コストを含めた実現性の面において、非常に高い効果を有している。
<実施の形態2>
本発明の実施の形態2のPDP1aについて、実施の形態1との差異を中心に説明する。
図4は、実施の形態2に係るPDPの構成を示す断面図である。
PDP1aの特徴は、表面層8を用いず、誘電体層7の上に直接MgO微粒子層16を配設し、これを保護層とした点にある。MgO微粒子層16をなすMgO微粒子16aは、実施の形態1と同様である。
このような構成を持つPDP1aによっても、PDP1と同様の効果が奏される。すなわち、誘電体層表面に配設されたMgO微粒子層16によって、PDPの駆動時には、ハロゲン原子の添加により二次電子放出係数γが増大されたMgO微粒子16aから放電空間15内に向けて豊富に二次電子放出がなされ、放電開始電圧Vfを従来と同様に抑えつつ、放電遅れを抑制できる。またMgO微粒子層16による誘電体層7の被覆率が低く抑えられているため、適度な可視透過率の確保と放電遅れの発生抑制が両立され、優れた画像表示性能が発揮される。
さらにPDP1aでは、表面層の省略により、当該表面層を成膜するための工程(スパッタリング法、イオンプレーティング法、電子線蒸着法等を含む薄膜プロセス)が全く不要である。従って、その分、工程を省略でき、且つ、製造コストを低減できるという有効且つ大きなメリットがある。
<PDPの製造方法>
次に、各実施の形態におけるPDP1、1aの製造方法例について説明する。PDP1、1aとの違いは、主として保護層付近の構成にあり、その他の製造工程については共通する。
(バックパネルの作製)
厚さ約2.6mmのソーダライムガラスからなるバックパネルガラス10の表面上に、スクリーン印刷法によりAgを主成分とする導電体材料を一定間隔でストライプ状に塗布し、厚さ数μm(例えば約5μm)のデータ電極11を形成する。データ電極11の電極材料としては、Ag、Al、Ni、Pt、Cr、Cu、Pd等の金属や、各種金属の炭化物や窒化物等の導電性セラミックスなどの材料やこれらの組み合わせ、あるいはそれらを積層して形成される積層電極も必要に応じて使用できる。
ここで、作製予定のPDP1を40インチクラスのNTSC規格もしくはVGA規格とするためには、隣り合う2つのデータ電極11の間隔を0.4mm程度以下に設定する。
続いて、データ電極11を形成したバックパネルガラス10の面全体にわたって鉛系あるいは非鉛系の低融点ガラスやSiO2材料からなるガラスペーストを厚さ約20〜30μmで塗布して焼成し、誘電体層12を形成する。
次に、誘電体層12面上に所定のパターンで隔壁13を形成する。この隔壁13は、低融点ガラス材料ペーストを塗布し、サンドブラスト法やフォトリソグラフィ法を用い、隣接放電セル(図示省略)との境界周囲を仕切るように、放電セルの複数個の配列を行および列を仕切る井桁形状のパターンで形成する。
隔壁13が形成できたら、隔壁13の壁面と、隔壁13間で露出している誘電体層12の表面に、AC型PDPで通常使用される赤色(R)蛍光体、緑色(G)蛍光体、青色(B)蛍光体のいずれかを含む蛍光インクを塗布する。これを乾燥・焼成し、それぞれ蛍光体層14とする。
適用可能なRGB各色蛍光の化学組成例は以下の通りである。
赤色蛍光体;(Y、Gd)BO3:Eu、Y23:Eu
緑色蛍光体;Zn2SiO4:Mn、YBO3:Tbおよび(Y,Gd)BO3:Tb
青色蛍光体;BaMgAl1017:Eu
各蛍光体材料は、平均粒径2.0μmのものが好適である。
上記蛍光体インクは、例えば体積平均粒径2μmの青色蛍光体30質量%と、質量平均分子量約20万のエチルセルロース4.5質量%と、ブチルカルビトールアセテート65.5質量%とを混合して作製する。また、隔壁30に対するインクの付着力を高めるため、粘度を最終的に2000〜6000cps(2〜6Pas)程度に調整する。そして例えばメニスカス法やラインジェット法などの公知の塗布方法により、蛍光体インクをポンプを用い、径60μmのノズルから隔壁13間に噴射させて塗布する。このとき、パネルを隔壁13の長手方向に移動させ、ストライプ状に蛍光体インクを塗布する。塗布したインクは500℃で10分間焼成することにより、蛍光体層14を形成する。
以上でバックパネル9が完成される。
(フロントパネル2の作製)
厚さ約2.6mmのソーダライムガラスからなるフロントパネルガラス3の面上に、表示電極対6を作製する。ここでは印刷法によって表示電極対6を形成する例を示すが、これ以外にもダイコート法、ブレードコート法等で形成することができる。
まず、ITO、SnO2、ZnO等の透明電極材料を最終厚み約100nmで、ストライプ等所定のパターンでフロントパネルガラス上に塗布し、乾燥させる。これにより透明電極41、51が作製される。
一方、Ag粉末と有機ビヒクルに感光性樹脂(光分解性樹脂)を混合してなる感光性ペーストを調整し、これを前記透明電極41、51の上に重ねて塗布し、形成するバスラインのパターンに合わせた開口部を有するマスクで覆う。そして、当該マスク上から露光し、現像工程を経て、590〜600℃程度の焼成温度で焼成する。これにより透明電極41、51上に最終厚みが数μmのバスライン42、52が形成される。このフォトマスク法によれば、従来は100μmの線幅が限界とされていたスクリーン印刷法に比べ、30μm程度の線幅までバスライン42、52を細線化することが可能である。バスライン42、52の金属材料としては、Agの他にPt、Au、Al、Ni、Cr、また酸化錫、酸化インジウム等を用いることができる。バスライン42、52は上記方法以外にも、蒸着法、スパッタリング法などで電極材料を成膜したのち、エッチング処理して形成することも可能である。
次に、表示電極対6の上から、軟化点が550℃〜600℃の鉛系あるいは非鉛系の低融点ガラスやSiO2材料粉末とブチルカルビトールアセテート等からなる有機バインダーを混合したペーストを塗布する。そして550℃〜650℃程度で焼成し、最終厚みが膜厚数μm〜数十μmの誘電体層7を形成する。
(ハロゲン原子を含むMgO微粒子16aの製造方法)
MgO微粒子層16に用いられるハロゲン原子を含むMgO微粒子16aは、酸化マグネシウムの前駆体と、焼結助剤を混合してなる材料を、焼成することによって得る。
酸化マグネシウム前駆体としては、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、マグネシウムのアルコキシド、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウムの内の1種以上を用いることができる。
焼結助剤としては、フッ化マグネシウム(MgF2)、塩化マグネシウム(MgCl2)、フッ化アルミニウム(AlF3)、フッ化カルシウム(CaF2)、フッ化リチウム(LiF)、塩化ナトリウム(NaCl)等のハロゲン化合物の内の1種以上を用いることができる。なお、焼成後の残留元素としてマグネシウム以外の元素が含まれる場合、元素種によっては放電特性に好ましくない影響を及ぼす恐れがある。従って、良好な放電特性の確保のためにはマグネシウムハロゲン化物が好適である。このように焼結助剤は適宜使い分けることができる。
原料の混合方法は、溶媒を用いた湿式混合、或いは乾燥粉体を用いた乾式混合のいずれで行ってもよい。
湿式混合を行う場合は、溶媒として、水以外に、エチルアルコール、メチルアルコール、iso―プロピルアルコール、n―プロピルアルコール、n―ブトキシアルコール、sec―ブトキシアルコール、tert―ブトキシアルコール等のアルコールや、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸メチル、2―メトキシ酢酸エチル等の酢酸エステルや、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトンを用いることができ、特に限定されるものではない。
乾式混合を行う場合は、工業的に通常用いられるボールミル、媒体撹拌ミル、遊星型ボールミル、振動ミル、ジェットミル、V型混合機等を用いることができる。なお、原料中の粗大な粒子は、放電特性に悪影響を及ぼすので、粒度を揃えるため分級を実施しておくことが好ましい。
MgO前駆体と焼結助剤の混合粉体は、600℃〜1800℃、好ましくは900℃〜1500℃で15分〜10時間焼成することによりMgO微粒子16aが得られる。
焼成温度と焼成時間は、用いる前駆体の粒子径や分級条件、焼結助剤の添加量、混合粉体量など、様々な条件により適宜調整する必要がある。また、所望の放電特性を得るために、焼成時の雰囲気を酸化、あるいは還元雰囲気制御することもできる。焼成粉体量によっては、焼結助剤との混合の均質性を高めるため、本焼成前に仮焼工程を経ることが好ましい。
仮焼工程は大気中で700〜1000℃で15分〜5時間焼成して行うが、本焼成工程と同様に焼成温度と焼成時間は、上述した様な条件の違いによって適宜調製する必要がある。仮焼工程により得られる粉体は解砕、混合した後、本焼成工程で処理する。この際の仮焼粉の混合方法も湿式混合及び乾式混合のいずれでもよいが、湿式混合の場合は、例えば水のように、MgOの溶解を伴う溶媒は使用できないため留意する。各焼成工程で利用する焼成炉は、工業的に通常用いられる炉、例えばをプッシャー炉等の連続式、またはバッチ式の電気炉や、ガス炉等を用いることができる。
さらに、本焼成工程で得られたMgO微粒子16aは、ボールミルやジェットミルなどを用いて再度解砕し、必要に応じて分級することにより、MgO微粒子16aの粒度分布や流動性を調整することができる。
ここで、一般に気相酸化法で作製されるMgO微粒子は、粒径に比較的バラツキがあるため、良好かつ均一な放電特性を得るためには一定の粒径範囲の粒子を選別する分級工程が必要である。
これに対し本発明では、気相酸化法ではなく、上記のようにMgO前駆体の焼成方法を採っている。この前駆体焼成法によれば、前駆体の種類を候補(材料種、粒子径、粒度分布等の各条件の違いを含む候補)の中から選定し、且つ、その焼成条件(焼成温度、焼成雰囲気、焼成時間等の焼成に必要な各条件)を適宜制御することにより、適切にMgO微粒子の粒度分布を制御できる。従って、当該方法で得られるMgO微粒子16aは、気相酸化法で作製される粒子よりも粒径を均一にして、且つ、一定の粒径範囲(100nm〜8μm、特に500nm〜1μmの範囲)に収めるように制御することができる。
この理由で本発明では、前駆体焼成法を用いることで基本的に分級工程を行う必要はなく、そのままMgO微粒子16aを利用することが可能である。このため分級工程を省略して工程の簡略化が図れ、製造効率及びコストの面で非常に有利である。さらに本発明は、気相酸化法のように専用の装置を必要とせず、従来の一般的なセラミック粉体の製造工程でも実施できるメリットがあるため、製造コストの効果的な抑制が期待できるものである。
一方、本発明の製造方法では、気相酸化法で作製された微粒子よりも比表面積(BET)が小さい粒子が得られる。ここで比表面積が小さいことは、MgO微粒子16aが不要なガス吸着を生じにくい耐吸着性に優れることを意味するので、良好な電子放出性能と均一な放電特性の発揮が可能なMgO微粒子16aが得られることとなる。
なお、本焼成及び仮焼成を含め、焼成工程において焼成炉中の雰囲気において過度のガスの流通があると、焼結助剤として添加されているハロゲン成分が流通ガスとともに焼去されてしまい、最終生成物である酸化マグネシウム微粒子中のハロゲン濃度が低下する場合がある。このようなハロゲン濃度の低下は、MgO微粒子表面のハロゲン濃度の調整の妨げとなる。従って、このようなハロゲン成分の焼去を防止する対策を行うことが望ましい。例えば材料成分を高純度のアルミナ製るつぼの中に入れ、蓋をする等の適度な密閉対策を施した上で、焼成炉中で焼成工程を施すことが好適である。
また、本発明ではハロゲン原子をMgO微粒子に添加することにより、MgO微粒子の結晶性を向上させるとともに、焼成温度を低減できるメリットも奏される。MgOの焼成温度としては、従来は2000℃以上が一般的であるが、ハロゲン原子を材料に添加することによって、焼成温度を約500℃低減(すなわち約1500℃以下まで低減)することができる。
<MgO微粒子表面近傍の元素分析について>
MgO微粒子の表面近傍におけるハロゲン元素の定量性については、X線光電子分光法(XPS)により測定が可能である。XPSは、試料表面に波長既知のX線(例えば、Al Kα線、エネルギー値1487eV)を照射し、試料から飛び出す光電子のエネルギーを測定する表面分析手法であり、試料表面約4nm程度の情報を選択的に得ることができる。各元素それぞれに相対感度因子が明らかになっており、XPSによる試料表面の金属元素組成比の測定は確立した技術と言える。
なお、本発明におけるMgO微粒子の表面近傍とは、XPSにより測定される範囲を指し、MgOの表面から中心方向に約4nm程度の領域をさす。
ここで前述したように、本発明のMgO微粒子が持つ二次電子放出特性は、主として粒子表面から深さ数百pmにわたる非常に浅い領域の特性によって実現されるため、XPSを用いて当該粒子の特性を分析する手法は最適であると言える。
一例として、市販されているXPS測定装置(アルバックファイ社製 走査型X線光電子分光分析装置Quantera SXM)を用いれば、Mg2p、F1sに起因するピークの強度比(ピークの面積比)からマグネシウム(Mg)に対するフッ素(F)の原子比を算出できるので、当該算出結果をatm%等の単位で表すことが可能である。なお、この原子比の算出の際には、Shirley法によりバックグラウンドを除去するとともに、ピークのフィッティングにガウス関数を用いることができる。
(保護層形成工程)
次に、バックパネル上に保護層を形成する。ここで実施の形態1の保護層17を形成する場合には、誘電体層7上に、MgO材料を用いて真空蒸着法やイオンプレーティング法等の公知の薄膜形成法により、最終厚み約1μmになるように表面層8を形成する。
なお、当該表面層8の材料は耐スパッタ性及び二次電子放出係数γに優れる各種材料、例えばアルカリ土類金属酸化物であるCaO、SrO、BaO、MgOの内の少なくとも1種類以上から構成することができる。
次に、形成した表面層8の表面上に、上記作製したハロゲン原子を含むMgO微粒子16aを、スプレー法や静電塗布法、スリットコート法、ドクターブレード法、ダイコート法で平面的に凝結させるように塗布する。当該塗布用法は限定するものではなく、前記いずれかの方法またはこれ以外の方法でもよい。製造コストを考慮すると、厚膜形成技術として工業的に広く用いられているスクリーン印刷法を用いるのが一般的である。当該印刷法は、使用するインクの固形分比率やスクリーンメッシュの仕様により、容易に塗着量を制御できる点でも優れている。
なお、MgO微粒子16aの塗着量は、MgO微粒子層16の成膜前後でフロントパネルの直線透過光の変化量(可視光)を測定した値より定義される「被覆率」に基づいて設定することができる。
この被覆率は、具体的に以下の式で表すことができる。

被覆率(%)=(MgO微粒子層16の成膜前のフロントパネル直線透過光量)/(MgO微粒子層16の成膜後のフロントパネル直線透過光量)×100

MgO微粒子16aを表面層8に塗布した後は、溶媒を乾燥・除去して各粒子を定着させる。これによりMgO微粒子層16が配設され、実施の形態1の保護層17が完成する。
一方、実施の形態2の保護層を形成する場合には、誘電体層7の表面に対して直接、MgO微粒子16aをスクリーン印刷法やスプレー法で定着させる。これによりMgO微粒子層16が配設され、実施の形態2の保護層が形成される。
以上の手順で保護層を形成すると、フロントパネル2が完成する。
(PDPの完成)
作製したフロントパネル2とバックパネル9を、データ電極11と表示電極対6とが直交するように配置し、フロントパネル2とバックパネル9の外周縁部を封着領域として、封着部材(フリットガラス)を用いて貼り合わせる。その後、放電空間15の内部を高真空(1.0×10−4Pa)程度に排気し、大気や不純物ガスを取り除く。そして当該内部に所定の圧力(通常6.7×104〜1.0×105Pa程度)でNe−Xe系やHe−Ne−Xe系、Ne−Xe−Ar系等のXe混合ガスを放電ガスとして封入する。混合ガス中のXe濃度は15%〜100%とする。
以上の工程を経ることにより、PDP1又は1aが完成する。
なお、上記方法例ではフロントパネルガラス3およびバックパネルガラス10をソーダライムガラスからなるものとしたが、これは材料の一例として挙げたものであって、これ以外の材料で構成してもよい。
(測定評価試験)
次に、本発明の実施例を比較例とともに作製して、本発明の性能評価試験を行った。なお、当然ながら実施例の構成及び性能評価試験の方法は、本発明を何ら限定するものではない。
フッ素を全く含ませず、各焼成温度のいずれかで焼成した試料を比較例1〜4とした。このうちMgF2を添加せず(0.00mol%)、1000℃で焼成したものを比較例1とした。また、フッ素を所定料で含有し、各焼成温度のいずれかで焼成した試料を実施例1〜14とした。
比較例1〜4、実施例1〜14の作成方法としては、MgO前駆体として純度99.99%、平均粒子径3μmの水酸化マグネシウムを用いた。実施例1〜14には、さらに焼結助剤として純度99.9%のフッ化マグネシウムを用いた。これらを所望の組成に秤量し、遊星型ボールミル及びジルコニアビーズを用い、純水中で湿式混合した。この混合物を乾燥した後、乳鉢で解砕し、高純度のアルミナるつぼ中で焼成した。
ここで前述したように、混合粉体量が多い場合には仮焼行程を経る必要があるが、比較例1〜4、実施例1〜14では焼成炉能力(容積、電力)に対して十分少量で行ったため、仮焼行程を経なかった。焼成条件は1000℃、1050℃、1100℃、1200℃、1300℃のいずれかとし、それぞれを最高温度として15分間維持して焼成させた。
以上の合成条件の一覧表として表1を示す。
<表1>
Figure 0004659118
焼成後の各MgO微粒子は、ボールミルを用いて乾式粉砕し、ナイロン製メッシュを通過させて粗大粒子を取り除くことで分級した。
次に、予めフロントパネルガラスに形成された表面層の上に、スクリーン印刷法を用いてMgO微粒子層を成膜した。その際、前記被覆率が4.5%になるようにMgO微粒子と溶剤、樹脂の混合比を調整し、三本ロールミルを用いて、スクリーン印刷用インクとした。成膜後は、100℃で1時間乾燥した後、500℃で3時間焼成して有機成分を焼去した。
こうして得たフロントパネルを用いて、<PDPの製造方法>で説明したものと同様の交流面放電型PDP(比較例1〜4、実施例1〜14)を作製した。
完成したPDPに対して、放電遅れ時間を評価した。具体的方法として、各PDPにおける任意の1画素に対して、データパルスおよび走査パルスを繰り返し印加するごとに、パルスを印加してから放電が発生するまでの時間(放電遅れ時間)を100回測定し、測定した放電遅れ時間の最大値と最小値の平均を算出した。遅れ時間は、放電に伴う蛍光体の発光を光センサーモジュールにより受光し、印加したパルス波形と受光信号波形をデジタルオシロスコープで観察した。
測定値は、比較例1の放電遅れ時間を100とした場合の値で規格化した。その際、各PDPの放電遅れ時間を相対値Aとした。この相対値Aが小さいほど、放電遅れ時間が短いことが示される。この評価に関し、ここでは放電遅れ時間の相対値Aが40%以下に収まった場合に、放電遅れの有効な低減効果があると判断した。さらに放電遅れ時間の相対値Aが20%以下であれば、極めて有効な低減効果があると判断した。
このような手法による測定評価の結果を(表2)に示す。当該表2では、表1の各比較例1〜4及び実施例1〜14のMgO微粒子をXPSによって組成分析し、Mg原子の検出量で規格化したF原子の検出量を示した。

<表2>
Figure 0004659118
表2に示された結果では、比較例1〜4を、MgF2を添加せずに作製したにもかかわらず、僅かなF原子の存在が検出された。この原因は定かではないが、XPS法による測定誤差か、製造工程において、焼成炉の壁から揮散するF成分や、るつぼからの混入等による非定常的な要因によるものと考えられるので、実質的な評価に影響するものではない。
表2から明らかなように、比較例1に対して、本発明の実施例1〜14では、放電遅れ時間の相対値が40%以下にまで低減されている。さらにこの中で、実施例1〜12では前記相対値が20.3%以下にまで低減されており、より顕著な効果が発揮されているのが確認できる。
従って、表2に示された結果によれば、放電遅れの低減効果は、Mg量に対するF量が6.12atm%以上21.99atm%以下の範囲が好適であると言える。また、より好ましく範囲は、6.12atm%以上19.30atm%以下の範囲であるといえる。
一方、比較例1〜4では、いずれもMg量に対するF量が1.00atm%未満の構成であり、このうち比較例2、4においてはある程度の放電遅れの改善が見られる。しかしながら、比較例3においては、このような放電遅れの改善効果は見られない。この結果から、Mg量に対するF量が1.00atm%未満であれば、多少の放電遅れの改善を得られることもあるが、安定した放電特性は得られないことが伺える。
次に、表2の実験結果において最も良好な放電特性を示したPDP(実施例9)を基に、MgO微粒子による表面層の被覆率を変えた各種パネルを作製した。前記被覆率は、スクリーン印刷用インクに含まれるMgO微粒子量や印刷回数を調節して所望値とした。またPDPの全体的な製造方法は、上述した製造方法に基づくものとした。
被覆率は約0.1%〜30%の範囲で変化させ、上記放電特性の評価を行うものとした。また、比較例5としてMgO微粒子層を具備しないPDPを作製し、評価に供した。さらに、比較例6、7、8として、気相合成により作製された市販のMgO微粒子で構成されるMgO微粒子層を具備するPDP(被覆率約17%〜75%)を作製し、評価に供した。
放電遅れ時間の評価は、比較例5における放電遅れ時間を100とした場合の相対値を放電遅れ時間の相対値Bとして行った。この際の評価に関し、放電遅れ時間の相対値Bが15%以下に低下した場合に一定の効果があると判断した。さらに、より好ましくは放電遅れ時間の相対値Bが5%以下であれば、極めて効果的であると判断した。
その結果を表3に示す。

<表3>
Figure 0004659118
表3に示すように、本発明の実施例15〜20では、いずれも放電特性の改善が確認できる。また、このうち実施例17〜20においては、当該放電特性がより顕著になることが確認できる。
一方、気相酸化法で作成されたMgOを用いた比較例6〜8では、例えば比較例6において被覆率が5.8%の場合に放電遅れの相対値が83.33%となり、放電遅れの改善効果が十分に得られない。なお、比較例8のように、被覆率が75%に至ると放電遅れ時間は十分に短縮されるが、このような構成は以下の別の問題が生じるので好ましくない。
すなわち、一般にフロントパネル側から観察される蛍光体からの可視光は、前記被覆率に反比例して遮断されるため、被覆率は、基本的には小さく抑えるべきである。従って比較例8のPDPでは、放電遅れについては一定の改善効果が得られるものの、可視光発光が低くって輝度低下を招き、画像表示性能に影響を生じる可能性があり、好ましくない。
ここで本発明では、ハロゲン原子を含む酸化マグネシウム微粒子で形成した酸化マグネシウム微粒子層を利用することにより、比較的小さい被覆率でありながら放電遅れの良好な防止効果が得られる。従って、本発明の構成では、放電遅れ時間が比較例と同様か、若干低めではあっても、被覆率が低く抑えられることにより良好な可視光発光量が確保され、結果として放電遅れ時間の低減と良好な輝度の両立により、優れた画像表示性能が発揮できる点で、大きな優位性があると言える。
以上の各考察から、従来のPDPに対し、本発明の優位性が確認された。
本発明のPDPは、特に高精細画像表示を低電圧で駆動できるガス放電パネル技術として、交通機関及び公共施設、家庭などにおけるテレビジョン装置及びコンピュータ用の表示装置等に利用することが可能である。
本発明の実施の形態1に係るPDPの構成を示す断面図である。 各電極とドライバとの関係を示す模式図である。 PDPの駆動波形例を示す図である。 本発明の実施の形態2に係るPDPの構成を示す断面図である。 従来の一般的なPDPの構成を示す組図である。
1、1a、1x PDP
2 フロントパネル
3 フロントパネルガラス
4 サステイン電極
5 スキャン電極
6 表示電極対
7、12 誘電体層
8 表面層
9 バックパネル
10 バックパネルガラス
11 データ(アドレス)電極
13 隔壁
14 蛍光体層
15 放電空間
16a MgO微粒子
16 ハロゲン原子を含むMgO微粒子からなるMgO微粒子層
17 保護層

Claims (9)

  1. 電極と誘電体層とが配設された第1基板が、放電空間を介して第2基板と対向配置され、当該第1及び第2両基板の周囲が封着されたプラズマディスプレイパネルであって、
    前記第1基板の表面には、前記放電空間に臨むように、ハロゲン原子を含む酸化マグネシウム微粒子からなる酸化マグネシウム微粒子群が配設され、
    前記酸化マグネシウム微粒子中において、前記ハロゲン原子は前記マグネシウム原子に対し、6.12atm%以上21.99atm%以下の割合で含まれている
    プラズマディスプレイパネル。
  2. 前記ハロゲン原子のマグネシウム原子に対する割合が、6.12atm%以上19.30atm%以下の範囲である
    請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 前記誘電体層の放電空間側には、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ストロンチウムの群より選ばれた少なくとも一つの金属酸化物を含む表面層が設けられ、前記酸化マグネシウム微粒子群は、前記表面層の放電空間側に配設されている
    請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  4. 前記ハロゲン原子は、少なくとも前記酸化マグネシウム微粒子の表面から当該表近傍の深さ領域に含まれている
    請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  5. 前記表面近傍は、酸化マグネシウム微粒子の表面から内部に向かって、4nm以内の領域である
    請求項に記載のプラズマディスプレイパネル。
  6. 前記ハロゲン原子は、フッ素原子或いは塩素原子である
    請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  7. 酸化マグネシウム微粒子群は、誘電体層に対して1.0%以上31.5%以下の投影面積比で被覆されている
    請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  8. 電極と誘電体層とが配設された第1基板に対し、前記誘電体層の表面に酸化マグネシウム微粒子を配設する酸化マグネシウム微粒子配設工程と、第1基板と第2基板とを対向配置させて封着する工程とを有するラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
    酸化マグネシウム微粒子配設工程で用いる酸化マグネシウム微粒子は、
    酸化マグネシウム前駆体に対して、フッ化マグネシウム、塩化マグネシウム、フッ化アルミニウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、塩化ナトリウムの中の1種以上を焼結助剤として添加してなる材料を焼成して得られるものであり、且つ、
    前記酸化マグネシウム微粒子中において、前記ハロゲン原子は、前記マグネシウム原子に対し、6.12atm%以上21.99atm%以下の割合で含まれている
    プラズマディスプレイパネルの製造方法。
  9. 電極と誘電体層とが配設された第1基板に対し、前記誘電体層の表面に表面層を形成する表面層形成工程と、第1基板と第2基板とを対向配置させて封着する工程とを有するプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
    表面層形成工程と封着工程との間において、表面層の表面に酸化マグネシウム微粒子を配設する酸化マグネシウム微粒子配設工程を有し、
    表面層形成工程では、誘電体層の表面に対し、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ストロンチウムの群より選ばれた少なくとも一つの金属酸化物を含む材料で表面層を形成し、
    酸化マグネシウム微粒子配設工程で用いる酸化マグネシウム微粒子は、
    酸化マグネシウム前駆体に対して、フッ化マグネシウム、塩化マグネシウム、フッ化アルミニウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、塩化ナトリウムの中の1種以上を焼結助剤として添加してなる材料を、焼成して得られるものであり、且つ、
    前記酸化マグネシウム微粒子中において、前記ハロゲン原子は、前記マグネシウム原子に対し、6.12atm%以上21.99atm%以下の割合で含まれている
    プラズマディスプレイパネルの製造方法。
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