JP2009254650A - 高周波処置具 - Google Patents
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Abstract
【課題】高周波処置具の第1の電極としての棒状電極の先端に設けられ、前後に電気絶縁部材を挟んで他の電極を設けたヘッド部が、処置を実行している間に分離して、電気絶縁部材が第1の電極から脱落するのを防止する。
【解決手段】可撓性シース2内に設けた棒状電極13にはヘッド部14が連結されており、ヘッド部14は耐熱性に優れ、剛性を有する電気絶縁部材から構成され、基端面が平坦面で、先端部は曲面形状となっており、また基端側からねじ孔15が設けられ、棒状電極13の先端部分に設けたおねじ部13aが螺挿され、ヘッド部14の周胴面には円環状の凹溝16が形成されて、この凹溝16内には第2の電極部材17が装着され、凹溝16の溝底部にねじ孔15と連通する連通孔18が穿設され、この連通孔18に挿通した導電ワイヤ19により棒状電極13と第2の電極部材17とが電気的に接続される。
【選択図】図3
【解決手段】可撓性シース2内に設けた棒状電極13にはヘッド部14が連結されており、ヘッド部14は耐熱性に優れ、剛性を有する電気絶縁部材から構成され、基端面が平坦面で、先端部は曲面形状となっており、また基端側からねじ孔15が設けられ、棒状電極13の先端部分に設けたおねじ部13aが螺挿され、ヘッド部14の周胴面には円環状の凹溝16が形成されて、この凹溝16内には第2の電極部材17が装着され、凹溝16の溝底部にねじ孔15と連通する連通孔18が穿設され、この連通孔18に挿通した導電ワイヤ19により棒状電極13と第2の電極部材17とが電気的に接続される。
【選択図】図3
Description
本発明は、内視鏡の処置具挿通チャンネル等のガイド手段を介して体腔内等に挿入されて、粘膜を切開して剥離する処置を好適に行うことができるようにした内視鏡用高周波処置具に関するものである。
内視鏡検査によって、食道,胃,十二指腸,大腸等の体腔内壁における粘膜部分に腫瘍等といった病変部が発見されると、病変粘膜を切除する処置が施される。この処置のひとつとして、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD:Endoscopic Submucosal Dissection)と呼ばれる処置がある。このESD処置は、粘膜のうち、切除しようとする部位をマーキングして、局注により病変粘膜の部位を膨隆させ、次いで高周波処置具を用いてマーキング領域に沿って粘膜を切開して、粘膜下層を構成する線維を切断して粘膜を筋層から剥離するようにして行われる。
以上のESD処置に用いられる高周波処置具として、粘膜部分の切開を行うための高周波処置具として、例えば特許文献1に示された構成としたものが開発され、実用化されている。特許文献1によれば、高周波処置具は、電気絶縁部材からなる挿入部から処置用電極部を所定の長さ突出させるように装着し、この処置用電極部の先端に電気絶縁部を連結して設ける構成としたものである。そして、この電気絶縁部は、その外径は処置用電極部より大きいものであり、先端は凸球面形状となっている。
特開2007−21024号公報
前述した高周波処置具において、その処置用電極部を粘膜に押し当て、電流を流すことによって、病変した粘膜を切開する処置が行われる。ここで、処置用電極部を用いて行われる粘膜の切開は、切除すべき病変粘膜の部位に限定して行われる。処置用電極部の先端に設けた電気絶縁部は、処置用電極部が粘膜下層から筋層に当接するのを防止する機能を発揮するものであり、もって処置の安全性及び確実性が図られる。
ところで、粘膜の切開が行われただけでは、処置が完了するのではなく、切開された粘膜を剥離しなければならない。粘膜の下部に位置する粘膜下層は線維質のものであって、線維は粘膜と筋層とに結着している。従って、この粘膜下層の線維を切断しなければ、病変粘膜を切除することができない。つまり、粘膜の切開後に粘膜剥離を行わなければならない。しかしながら、先端が膨出している電気絶縁部に連結した細い直径を有する処置用電極部を粘膜下層に押し当てて粘膜剥離を行うのは不可能であるか、若しくは極めて困難な作業である。
処置用電極部を構成する棒状電極の先端に連結される先端部材にも電極を設ける構成とすれば、棒状電極が切開用電極部材となり、先端部材に設けた電極を剥離用電極部材として構成すれば、高周波処置具を粘膜の切開から剥離までの処置を単一の高周波処置具で行うことができるものとなる。これによって、粘膜の切開を行った後、粘膜剥離を行うために、高周波処置具の入れ替える操作を行う必要がなくなる結果、処置の効率性,迅速性が確保される。
ただし、高周波処置具の最先端部分は凸曲面形状の電気絶縁部とする必要があり、また切開用電極部材と剥離用電極部材との間を電気的に離隔させるために、剥離用電極部材の基端側にも電気絶縁部が配置されていなければならない。従って、棒状の切開用電極部材の先端に大径の先端部材からなるヘッド部を設けるが、このヘッド部は基端側が電気絶縁部材で、中間に剥離用電極部材が設けられ、さらに最先端部に電気絶縁部材を設けるというように、剥離用電極部材を挟んだ両側に電気絶縁部材を配置したサンドイッチ構造としなければならない。従って、ヘッド部は基端側の電気絶縁部材と、電極部と、先端側の電気絶縁部材との3層積層構造となり、このために切開用電極部材と剥離用電極部材とを別部材で形成されて、切開用電極部材と剥離用電極部材との間を電気的に導通させるようにする。
ところで、基端側の電気絶縁部材,電極部及び先端側の電気絶縁部材からなる積層体は相互に接着による貼り合わせ構造になるが、高周波処置具を作動させている間は、特に剥離用電極部材を作動させている間は、この剥離用電極部材とその前後に貼り合わせた電気絶縁部材との間が高温状態になり、しかも体腔内という高湿雰囲気下に置かれていることから、剥離用電極部材と前後の電気絶縁部材との間の接着強度が低下する可能性がある。その結果、先端側の電気絶縁部材が体腔内で脱落する不都合が生じるおそれがある。
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、高周波処置具の棒状の電極の先端に設けられ、前後に電気絶縁部材を挟んで他の電極を設けたヘッド部が、処置を実行している間に分離して、電気絶縁部材が棒状の電極から脱落するのを確実に防止できるようにすることにある。
前述した目的を達成するために、本発明は、操作手段に連結した可撓性シース内に挿通させた棒状の第1の電極と、この第1の電極の先端を覆うように設けられ、周胴部が前記第1の電極より大径で、先端が凸曲面形状となったヘッド部とを備えた高周波処置具であって、前記ヘッド部の前記周胴部には、閉鎖ループ状の凹溝を形成して、この凹溝に第2の電極を前記周胴部から非突出状態にして嵌合させて設け、また前記第1の電極を前記絶縁ヘッドに連結するために、この絶縁ヘッドの基端側から有底の挿入孔を設け、前記凹溝の溝底から前記挿入孔内に貫通する連通孔を設けて、この連通孔を介して前記第2の電極と前記第1の電極との間を電気的に接続する構成としたことを特徴としている。
棒状となった第1の電極の先端にヘッド部を設けるが、このヘッド部は電気絶縁部材から構成し、その周胴部に第2の電極を設ける。第1の電極は、例えば切開用電極部材とし、また第2の電極を剥離用電極として機能させることができる。ヘッド部の先端部分は体腔内壁と直接接触する部位であり、先端部はなだらかな曲面形状、例えば凸球面形状とする。ヘッド部の外周面は電気絶縁性を有するものであり、凸曲面形状の先端から周胴部の所定の位置までは第1の電気絶縁領域で、基端側には第2の電気絶縁領域が形成されている。そして、第2の電極はこれら第1,第2の電気絶縁領域の間に配置されている。ここで、ヘッド部は電気絶縁部材から構成されるが、その材質としては、耐熱性を有する硬質の合成樹脂またはセラミック等で構成される。
ヘッド部には、その基端面から所定の深さに至る挿入孔を設けて、この挿入孔に棒状電極を挿入して固定する。この挿入孔は有底のもの、つまりヘッド部を貫通しないものとする。第1の電極は挿入孔に挿入された状態に固定させる。連結強度を高くするためには螺挿によるものとする。また、この螺挿部に接着剤を塗布しておくと、連結状態でより安定的に保持される。ヘッド部には第2の電極は少なくとも1箇所設けるが、この第2の電極の幅寸法との関係から、2箇所以上装着することもできる。特に、細い幅の第2の電極を複数設けると、広い範囲にわたって円滑な処置を施すことができる。
第2の電極は凹溝の溝底部に設けた連通孔を介して第1の電極と電気的に接続される。このために、第1の電極が挿入されるヘッド部の挿入孔はこの連通孔を通過して、先端側にまで延在させる。連通孔には、例えば導電ペーストを充填することによって、またばね性を有する導電ピンを第2の電極から連通孔内に挿入すること等によって棒状電極と第2の電極部材とを電気的に接続できる。また、連通孔内に導電ワイヤを挿通させて、この導電ワイヤの両端をそれぞれ第1の電極及び第2の電極に接続する構成としても良い。
ループ状の凹溝に装着される第2の電極は、ヘッド部における周胴部の外面とほぼ同じ面とするか、またはそれより僅かに落とし込んだ状態とする。従って、装着状態では、第2の電極はリング状の部材となる。この第2の電極には、少なくとも1箇所切れ目が形成されており、この切れ目はヘッド部に組み込んだ状態で溶接やはんだ付け若しくはろう付け等により接合・固着する。切れ目は2箇所乃至それ以上であっても良いが、この第2の電極部材の形状に応じて切れ目の数及び個所が異なってくる。
ヘッド部の周胴部は断面が円形のものであっても良いが、一部にコーナ部を有する形状とすることもできる。特に剥離用電極部材として用いる場合には、コーナ部を形成して、このコーナ部を粘膜下層に当接させることによって、より円滑に剥離を行うことができる。例えば、断面が四角形,三角形等の多角形の形状としたり、楕円形状としたりすることもできる。ただし、コーナ部は曲面形状となし、尖った角隅部が生じないようにする。このようにして形成される第2の電極はヘッド部の周胴部の断面形状に応じて切れ目の数が異なってくる。例えば、概略四角形状とした場合には、2箇所の切れ目を形成することができる。勿論、この場合も、当然、切れ目の部分は溶接やはんだ付け等により連結状態に固定する。
単一の高周波処置具によって、第1の電極による処置と、その先端にヘッド部に設けた第2の電極による処置とを行うことができ、かつこの第2の電極に設けた先端側の電気絶縁部材が処置を実行している間に脱落するのを確実に防止できる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。まず、図1に高周波処置具の全体構成を示し、図2にその要部拡大断面を示す。これらの図において、1は高周波処置具である。高周波処置具1は長尺の可撓性シース2を有し、この可撓性シース2の基端部は接続部材3に挿嵌させることにより連結されており、この連結部は接着剤を用いて固着されている。また、接続部材3の他端には操作手段4を螺合させるようにして連結している。操作手段4は接続部材3に連結した本体軸4aと、この本体軸4aに嵌合させて軸線方向に摺動可能に設けたスライダ4bとから構成される。
スライダ4bには処置具本体10を構成するケーブル11の基端部が連結されている。ケーブル11は導電線の外周をフッ素樹脂でコーティングする等により電気絶縁部材で被覆したものから構成されており、その基端部はスライダ4bへの連結部から所定長さ突出して、接点部12が設けられている。従って、この接点部12は図示しない高周波電源装置に着脱可能に接続されることになる。そして、ケーブル11の先端には高周波ナイフを構成する第1の電極としての棒状電極13が設けられている。この棒状電極13は可撓性シース2の先端に設けた電気絶縁性を有するセラミック等から構成された先端リング5を介してこの可撓性シース2の先端から導出されている。
棒状電極13の先端部にはヘッド部14が連結されている。ヘッド部14は合成樹脂やセラミック等であって、耐熱性に優れ、かつ剛性を有する電気絶縁部材から構成されている。図3に棒状電極13とヘッド部14との連結部の断面図を示し、また図4にその分解図を示す。ヘッド部14は、その基端面が平坦面で、先端部は曲面形状、好ましくは凸球面形状となっている。基端面の中心部には、挿入孔としてのねじ孔15が設けられている。一方、棒状電極13の先端部分にはねじ孔15に螺挿されるおねじ部13aが形成されている。
ヘッド部14の周胴面には円環状の凹溝16が形成されている。この凹溝16内には第2の電極部材17が装着されている。この第2の電極部材17は導電性を有し、弾性を備えた金属部材に1箇所切れ目17aを設けることによって、概略C字形状に曲成したものから構成され、第1の電極としての棒状電極13に対する第2の電極となっている。この第2の電極部材17の厚み寸法は、凹溝16の深さ寸法と同じかまたは僅かに薄いものとなっており、従って第2の電極部材17はヘッド部14の周胴面から非突出状態にして装着される。
凹溝16の溝底部には、ねじ孔15と連通する連通孔18が穿設されている。この連通孔18は棒状電極13と第2の電極部材17とを電気的に接続するためのものであり、この電気的接続は、棒状電極13に固着した導電ワイヤ19を連通孔18を介して凹溝16側に導出させて、この凹溝16の溝底部に所定回数分だけ巻き付けるようにしたものから構成されている。そして、第2の電極部材17は、凹溝16に巻き付けた導電ワイヤ19と当接させ、またその間をはんだ付けする等の手段によって接合状態に固着している。さらに、第2の電極部材17における切れ目17aの部分は溶接若しくははんだ付けまたはろう付け等の手段で固着されている。
従って、ヘッド部14は、先端部から周胴部における凹溝16の形成部までの部位が第1の絶縁領域14aとなり、この第1の絶縁領域14aの基端側に第2の電極部材17が形成されており、さらにこの第2の電極部材17の基端側が第2の絶縁領域14bとなっている。第1の絶縁領域14aは棒状電極13または第2の電極部材17による処置を行っている間に、処置箇所以外の部位に通電するのを防止し、もって生体組織にダメージを与えないようになし、また第2の絶縁領域14bは、棒状電極13と第2の電極部材17との間を電気的に区画形成するために設けられている。
以上の構成を有する高周波処置具1は、図5に示したように、内視鏡50を介して例えば食道,胃,十二指腸,大腸等といった体腔内に導入されて、この体腔内壁を構成する粘膜部分に病変の有無を検査し、病変部と判断されたときには、病変粘膜部分に限定して、切開して除去する処置、つまりESD処置が行われる。内視鏡50は、本体操作部51に体腔内への挿入部52を連結して設けたものであり、挿入部52は、本体操作部51への連結部から所定の長さ分は軟性部52aで、この軟性部52aの先端には湾曲部52b、湾曲部52bの先端には先端硬質部52cとなっており、先端硬質部52cには、照明部及び観察部からなる内視鏡観察手段が装着されている。
図6に挿入部52の先端部分の断面を示す。この断面位置では観察部の構成が示されており、照明部は、通常、この観察部の左右両側に設けられる。観察部53は、周知のように、対物光学系53a、プリズム53b及び固体撮像素子53cから大略構成される。また、図6には処置具挿通チャンネル54も示されている。処置具挿通チャンネル54は、その先端部が先端硬質部52cの先端面に処置具導出口54aとして開口しており、さらに処置具挿通チャンネル54の基端部は本体操作部51に設けた処置具導入部54bに通じている。内視鏡50の処置具挿通チャンネル54は、処置具を挿通させる通路として機能するものであるが、吸引経路としても利用される。このために、本体操作部51内において、処置具挿通チャンネル54には分岐部が形成されており、この分岐部からは処置具導入部54bに向かう通路の部分と、吸引源に接続した吸引路55に向かう通路の部分となっている。
以上のように構成される内視鏡50及び高周波処置具1において、内視鏡50の挿入部52の先端硬質部52cを体腔内に挿入し、観察部53により体腔内の観察を行っている間に病変部が発見されると、この病変粘膜を除去する処置が行われる。このために、処置具挿通チャンネル54に、処置具導入部54bから高周波処置具1を挿入する。処置具導出口54aから高周波処置具1の先端部が導出されると、高周波処置具1の操作手段4を操作して、棒状電極13及び第2の電極部材17に高周波電流を印加することによって病変粘膜の部位を切開し、その後切開部分を剥離する。
前述した切開及び剥離の前段階として、処置を安全に、また正確に行うために、除去すべき部位に、例えばヒアルロン酸ナトリウム等を局注して膨出させると共に、病変粘膜の部位の外周部をマーキングすることによって、より正確に処置を行うことができる。このマーキングは、図7に示したように、可撓性シース20内に先端が棒状となった電極21を挿通させた高周波処置具22を用いて行う。また、マーキングに次いで切開を開始すべき部位の粘膜を穿孔する。この穿孔部は、高周波処置具1のヘッド部14を粘膜に貫通させるためのものである。
病変粘膜部の切開は高周波処置具1を用いて行うが、このために内視鏡50の処置具挿通チャンネル54には、高周波処置具22に代えて、この高周波処置具1を挿通させ、処置具導出口54aから可撓性シース2を粘膜Aに近接する位置まで導出させる。そして、操作手段4によってヘッド部14を可撓性シース2の先端から突出させて、図8に示したように、粘膜Aにおける穿孔した部位の内部に導くようにする。ここで、粘膜Aの下部には粘膜下層Bを介して筋層Cが位置しており、ヘッド部14は、粘膜下層Bを押動して、このヘッド部14と可撓性シース2との間に位置する棒状電極13が粘膜Aと対面する状態となる。
そこで、棒状電極13に高周波電流を流すことによって、粘膜Aが切開される。また、高周波電流は第2の電極部材17にも流れるが、ヘッド部14における第2の電極部材17の位置より先端側は第1の絶縁領域14aとなっているので、筋層Cと接触する部位には高周波電流が流れることはなく、従って筋層Cを穿孔するおそれはない。しかも、第2の電極部材17と棒状電極13との間には第2の絶縁領域14bが介在しているので、棒状電極13と粘膜Aとの接触部に十分高い電流密度が得られる。従って、棒状電極13をマーキングに沿って移動させることによって、円滑に、しかも安全に切開を行うことができる。
前述のようにして切開が行われた後には、図9に示したようにして、粘膜下層Bを焼灼することによって、粘膜Aの剥離を行う。この粘膜Aの剥離を行うのも、高周波処置具1で行うことができる。即ち、ヘッド部14には、第1,第2の絶縁領域14a,14bの間に円環状となった第2の電極部材17が介装されているので、この第2の電極部材17が剥離を行うために用いられる。好ましくは、図9に示したように、ヘッド部14をほぼ鉛直状態にして、高周波処置具1が挿通されている内視鏡50の挿入部52の湾曲部52bを左右に振りながら挿入部52の全体を前方に進行させることによって、粘膜下層Bを構成する線維が切断されて、病変粘膜部が剥離される。この処置も、筋層Cにダメージを与えることなく、安全に行うことができる。しかも、切開から処置具の交換を行うことなく、高周波処置具1を処置具挿通チャンネル54に挿通させたままで行うことができる点からも、処置を迅速かつ効率的に行うことができる。
この粘膜剥離を行う際には、ヘッド部14全体が高温状態となり、しかも体腔内は湿潤な雰囲気下にあるが、電気絶縁部材からなるヘッド部14に設けた凹溝16内に第2の電極部材17は、切れ目の部位を固着してループ状としているので、この第2の電極部材17が脱落するおそれはない。また、棒状電極13はヘッド部14に螺挿されているが、この棒状電極13には導電ワイヤ19が固着して設けられ、この導電ワイヤ19は凹溝16の溝底部に巻回されているので、たとえ棒状電極13とヘッド部14との螺挿部が緩んだとしても、導電ワイヤ19により規制されて、その間が分離するようなこともない。
このように、粘膜下層Bの線維を切断することにより行う剥離を行うのはヘッド部14に設けた第2の電極部材17であるが、この処置を効率的に行うために、第2の電極部材17の幅寸法を大きくすることが望ましい。ただし、第2の電極部材17を幅広なものとすると、電流密度が低下することになる。そこで、図10に示した高周波処置具30のように、可撓性シース31の先端から導出させた棒状電極32の先端に設けられるヘッド部33には、僅かな間隔を置いて、前後2箇所に円環状の凹溝34,34を形成し、これら各凹溝34に細いC字状の弾性を有する導電性リングからなる第2の電極部材35,35を装着する。そして、各凹溝34の溝底部には棒状電極32のおねじ部32aが螺挿されるねじ孔36に通じる連通孔37を設けるようになし、棒状電極32には2本の導電ワイヤ38,38を接続しておき、これら両導電ワイヤ38を各凹溝34の溝底部に巻回しておくことによって、これら2つの第2の電極部材35は棒状電極32と電気的に接続される。なお、第2の電極部材35は位置を違えて2箇所設けられているので、導電ワイヤ35,35をそれぞれ異なる極性を有するものと接続することによって、バイポーラ式の高周波電極を構成することもできる。
また、図11及び図12に示したように、ヘッド部40の周胴部40aは断面円形とするのではなく、コーナ部を有する非円形のものとすることもできる。このヘッド部40の周胴部40aに全周に及ぶ凹溝41を形成し、この凹溝41に第2の電極部材42を装着する。この場合、第2の電極部材42は、図12に仮想線で示したように、2分割した概略コ字状の電極構成体42a,42aで構成し、その端部を凹溝41内で溶接またははんだ付け若しくはろう付けにより閉ループを構成するようにして、凹溝41内に固定するように構成しても良い。これによって、ヘッド部40の外周部には、4箇所のコーナ部が形成されるが、これら各コーナ部は曲面形状となし、鋭利な部分がないようにする。
このように、コーナ部を有する第2の電極部材42を用いることによって、粘膜剥離の効率性が向上する。即ち、いずれかのコーナ部を前方に位置させることによって、左右の両側の部位にもコーナ部が位置することになる。従って、粘膜下層の線維を切断して、粘膜剥離を行う際に、ヘッド部40を前進させる際にも、また左右に揺動させる際にも、コーナ部が剥離領域に向けて進行することになるので、処置の効率化、高速化が図られる。
1,22,30 高周波処置具
2,20,31 可撓性シース
3 接続部材 4 操作手段
10 処置具本体 11,11C 可撓性コード
13,32 棒状電極 14,33,40 ヘッド部
15,36 ねじ孔 16,34 凹溝
17,35,42 第2の電極部材 18,37 連通孔
19,38 導電ワイヤ 50 内視鏡
52 挿入部 54 処置具挿通チャンネル
2,20,31 可撓性シース
3 接続部材 4 操作手段
10 処置具本体 11,11C 可撓性コード
13,32 棒状電極 14,33,40 ヘッド部
15,36 ねじ孔 16,34 凹溝
17,35,42 第2の電極部材 18,37 連通孔
19,38 導電ワイヤ 50 内視鏡
52 挿入部 54 処置具挿通チャンネル
Claims (5)
- 操作手段に連結した可撓性シース内に挿通させた棒状の第1の電極と、この第1の電極の先端を覆うように設けられ、周胴部が前記第1の電極より大径で、先端が凸曲面形状となったヘッド部とを備えた高周波処置具であって、
前記ヘッド部の前記周胴部には、閉鎖ループ状の凹溝を形成して、この凹溝に第2の電極を前記周胴部から非突出状態にして嵌合させて設け、
また前記第1の電極を前記絶縁ヘッドに連結するために、この絶縁ヘッドの基端側から有底の挿入孔を設け、
前記凹溝の溝底から前記挿入孔内に貫通する連通孔を設けて、この連通孔を介して前記第2の電極と前記第1の電極との間を電気的に接続する
構成としたことを特徴とする高周波処置具。 - 前記第1の電極は前記挿入孔内に螺挿され、かつ接着剤によって固着される構成としたことを特徴とする請求項1記載の高周波処置具。
- 前記連通孔には、前記第2の電極と前記第1の電極とに接続した導電ワイヤを挿通させる構成としたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の高周波処置具。
- 前記ヘッド部の前記周胴部は少なくとも1箇所の曲面形状のコーナ部を有する断面が非円形状のものとなし、前記第2の電極はこのヘッド部のコーナ部形状に対応するコーナ部を有するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の高周波処置具。
- 前記第2の電極は少なくとも1箇所の切れ目を有するものであり、この切れ目は溶接またははんだ付けにより接合する構成としたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の高周波処置具。
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