JP2009253472A - 画像処理装置およびその方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電子写真方式のプリンタに適用可能なハーフトーンスクリーンを作成する。
【解決手段】 二値化部22は、入力画像の注目画素を二値化する。誤差検出器27は、二値化による誤差を計算する。誤差配分マトリクス25は、誤差拡散マトリクスに基づき、注目画素から所定距離だけ離れた、環状に位置する未二値化画素に誤差を拡散する。
【選択図】 図3
【解決手段】 二値化部22は、入力画像の注目画素を二値化する。誤差検出器27は、二値化による誤差を計算する。誤差配分マトリクス25は、誤差拡散マトリクスに基づき、注目画素から所定距離だけ離れた、環状に位置する未二値化画素に誤差を拡散する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、ハーフトーンスクリーンの作成およびハーフトーンスクリーンを用いる画像処理に関する。
●AM変調方式
電子写真方式の印刷装置は、安定した階調再現性のために網点や線スクリーンによる階調再現法を利用する。これは、網点によるAM変調は、網点の格子間隔によって基本周波数が一定になり、空間周波数特性の変動に弱い電子写真方式の弱点を回避した階調再現が得られるからである。反面、カラー印刷においては、CMYK各色のトナーを重ねることでモアレが発生し易い。
電子写真方式の印刷装置は、安定した階調再現性のために網点や線スクリーンによる階調再現法を利用する。これは、網点によるAM変調は、網点の格子間隔によって基本周波数が一定になり、空間周波数特性の変動に弱い電子写真方式の弱点を回避した階調再現が得られるからである。反面、カラー印刷においては、CMYK各色のトナーを重ねることでモアレが発生し易い。
モアレを抑えるには、色成分ごとにスクリーン角を変え、色成分の間で生じるモアレビートの周波数を高周波数域に追いやり、モアレが視覚的に目立たないようにする。例えば、Yのスクリーン角を30度、C、M、Kのスクリーン角を0度または60度に設定して、色成分の重なりによるモアレを抑制する。
また、ディジタルハーフトーン処理においては、ディジタル画像の解像度が離散的であるためスクリーン角を任意に取ることができない。しかし、色成分ごとに最適かつ離散的なスクリーン角を選択すれば、モアレを抑制することができる。
ただし、スクリーン角を導入し最適化しても、モアレビートを高周波数域に追いやるだけで、色成分の重なりによって生じる独特のパターンが残る。これが所謂ロゼッタパターンであり、高画質な画像を出力する場合の障害になる。とくに、高画質の写真画像を出力する場合、銀塩プロセスの写真のように滑らかな画質再現が求められ、ロゼッタパターンは大きな障害である。
●誤差拡散法
AM変調方式の問題を回避する階調再現法として、インクジェット方式のプリンタを始めとして、多くの印刷装置が用いる誤差拡散法がある。誤差拡散法は、モアレを回避すると同時に、局所的な濃度を保存し、かつ、解像度や画像の先鋭さにも優れるため、階調を良好に再現することができる。
AM変調方式の問題を回避する階調再現法として、インクジェット方式のプリンタを始めとして、多くの印刷装置が用いる誤差拡散法がある。誤差拡散法は、モアレを回避すると同時に、局所的な濃度を保存し、かつ、解像度や画像の先鋭さにも優れるため、階調を良好に再現することができる。
このような誤差拡散法を施した画像の空間周波数特性は、低周波数域のスペクトル強度が低下した所謂ブルーノイズ特性を示す。ブルーノイズ特性は、一般に、空間周波数特性が高周波数域まで延びていて、解像度特性に優れ、かつ、二値化によって生じる誤差を再利用するため、画像の濃度が局所的に保存され、良好な階調再現性を呈す。従って、誤差拡散法は、インクジェット方式の印刷装置にはよく用いられる。しかし、電子写真方式の印刷装置には、後述する理由から、安定した出力が得られず実用的ではない。
電子写真方式の印刷装置は、光ビームを走査して、有機光導電体(OPC)やアモルファスシリコンなどの感光ドラムの一様に帯電された表層から電荷を除電する露光過程を有する。この露光過程は非線形性を有する。また、現像、転写、定着などの電子写真プロセスの複雑さも非線形性の要因になる。
この非線形特性により、印刷ドットの間で干渉が生じ、階調性が著しく損なわれる。例えば、独立した1ドットを印刷しようとしてもドットは記録され難く、数ドットのクラスタ状態(以下、クラスタドット)になると確実にドットが記録される。このため高周波特性が低下すると同時に、画像のハイライト域の階調性が劣化する。
また、ドット間の距離が小さいとトナーが移動してドットがつながることがある。なお、インクジェット方式のように、インク滴をメディアに付着させてドットを記録するプロセスは、インクとメディアの間のミクロ現象はあるが、印刷ドットの間の干渉は生じ難く、確実にドットを記録することができる。
言い換えれば、このような非線形性のために、電子写真方式の印刷装置は、ドットをクラスタ化したハーフトーンスクリーンを用いて、画像の空間周波数をある帯域に制限し、高周波数成分を低下させて画像を記録する。
本発明は、電子写真方式のプリンタに適用可能なハーフトーンスクリーンを作成することを目的とする。
また、モアレの発生を抑制し、良好な階調再現が得られるハーフトーンスクリーンを作成することを他の目的とする。
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本発明にかかる画像処理は、入力画像の注目画素を二値化し、前記二値化による誤差を計算し、誤差拡散マトリクスに基づき、前記注目画素から所定距離だけ離れた、環状に位置する未二値化画素に前記誤差を拡散することを特徴とする。
本発明によれば、電子写真方式のプリンタに適用可能なハーフトーンスクリーンを作成することができる。
また、モアレの発生を抑制し、良好な階調再現が得られるハーフトーンスクリーンを作成することができる。
以下、本発明にかかる実施例の画像処理を図面を参照して詳細に説明する。
[装置の構成]
図1は実施例の画像処理装置の構成例を示すブロック図である。
図1は実施例の画像処理装置の構成例を示すブロック図である。
スキャナ11と、電子写真方式のプリンタ12を有する複合機(MFP)10は、内蔵するコントローラ13によって、その機能が制御される。
コントローラ13のCPU17は、RAM15をワークメモリとして、ROM14やハードディスクドライブ(HDD)16に格納されたオペレーティングシステム(OS)や各種プログラムを実行する。HDD16は、制御プログラム、画像処理プログラムなどのプログラムや画像データを記憶する。
CPU17は、表示部18にユーザインタフェイスを表示して、表示部18のソフトウェアキーや、操作パネル19のキーボードからユーザ指示を入力する。例えば、ユーザ指示がコピーを示す場合、スキャナ11によって読み取った原稿画像をプリンタ12によって印刷する(コピー機能)。
通信部20は、図には示さないが、公衆回線やネットワークに接続する通信インタフェイスである。CPU17は、ユーザ指示がファクシミリ送信を示す場合、スキャナ11によって読み取った原稿画像を、通信部20を制御してユーザが指定する相手先にファクシミリ送信する(ファクシミリ機能)。また、ユーザ指示がプッシュスキャンを示す場合、スキャナ11によって読み取った原稿画像を、通信部20を制御して指定のサーバ装置に送信する(プッシュスキャン機能)。また、通信部20がファクシミリ画像を受信した場合、CPU17は、受信画像をプリンタ12で印刷する(ファクシミリ機能)。また、通信部20が印刷ジョブを受信した場合、CPU17は、印刷ジョブに従いプリンタ12で画像を印刷する(プリンタ機能)。また、通信部20がプルスキャンジョブを受信した場合、CPU17は、スキャンジョブに従いスキャナ11によって読み取った原稿画像を指定のサーバ装置やクライアント装置に送信する(プルスキャン機能)。
●ドットジェネレータ
図2はクラスタハーフトーンスクリーンを生成するドットジェネレータの構成例を示すブロック図である。なお、ドットジェネレータは、コントローラ13の一部として構成される。
図2はクラスタハーフトーンスクリーンを生成するドットジェネレータの構成例を示すブロック図である。なお、ドットジェネレータは、コントローラ13の一部として構成される。
同期信号入力部30は、同期信号として、プリンタ12から1ラインの走査タイミングを示す水平同期信号Hsync、一頁の走査タイミングを示す垂直同期信号Vsync、および、画素クロックVclockを入力する。これら同期信号は、順次、RAM15に割り当てられた画像メモリ31に入力され、図示しない感光ドラムの走査位置に対応する画像データが出力される。
また、同期信号は、順次、二値化処理部33に入力される。二値化処理部33は、画像メモリ31から入力される画像データを二値化処理する。
レーザドライバ34は、二値化処理部33が出力する二値信号に従いビーム光源35を駆動して、ビーム光源35の発光を制御する。例えば、二値信号が‘1’の場合はビーム光源35に光ビーム36を出力させ(レーザオン)、‘0’の場合はビーム光源35に光ビーム36を出力させない(レーザオフ)。
電子写真プロセスの詳細は省略するが、光ビームはプリンタ12の感光ドラムを走査して、感光ドラム上に静電潜像を形成(光露光)する。静電潜像はトナーによって現像され、トナー像として記録紙に転写される。カラー画像を形成する場合は各色成分のトナー像が記録紙に重畳転写される。その後、記録紙は、定着器に送られてトナー像が記録紙に定着された後、プリンタ12外へ排出される。
●二値化処理部
図3は二値化処理部33の構成例を示す図である。
図3は二値化処理部33の構成例を示す図である。
二値化部22は、N番目の入力画素データX[n]を二値化して、出力画素データY[n]を出力する。誤差検出器27は、入力画素データX[n]の二値化によって生じた誤差(差分)を誤差データYe[n]として出力する。誤差配分マトリクス25は、誤差データYe[n]を未二値化画素(これから二値化される画素)に配分する。加算器21は、誤差配分マトリクス25から出力される配分データXe[n]を、誤差を配分すべき未二値化画素の画素データに加算する。
図4は未二値化画素と配分強度(拡散率)の関係を示す図である。
記号×で示す画素は二値化の注目画素であり、xは記録の主走査方向を、yは記録の副走査方向を表す。注目画素×の上方に配したハッチング部は既二値化画素(二値化後の画素)を示し、注目画素×の下方が未二値化画素である。未二値化画素に付した数字は配分比率で、例えば、xおよびy方向に注目画素×と隣接する画素には誤差データYe[n]の7/48が配分され、注目画素×の斜め右下および左下の画素には誤差データYe[n]の5/48が配分される。
図5は画像データ120〜140の一様な中間調画像を二値化した場合の二次元FFTによる空間周波数特性を示す図である。白い領域は強度が大きいスペクトルを示す。図6は図5に示すスペクトルパターンの縦軸Y-Y'に沿った断面のスペクトル強度を示す図である。
このように、誤差拡散法により二値化された中間調画像の空間周波数特性は、中心部(低周波数域)のスペクトル強度が低下していることが分かる。零周波数(図6の横軸における128の位置)を中心に低周波数域でスペクトル強度が低下し、中周波数域、高周波数域でスペクトル強度が強い、所謂ブルーノイズ特性を示す。このブルーノイズ特性は、前述したように、電子写真方式と誤差拡散法の組み合わせが、電子写真方式の非線形性により安定した階調画像が得られないことを表している。
●誤差拡散マトリクスと空間周波数特性
図7は誤差配分マトリクスと二値化結果の特性を評価するための階調チャートを示す図で、図7(a)に示すように4×4の16のパッチから構成され、図5(b)に示すように各パッチは画像データ0〜255を等間隔に割った画像データ(輝度値)を有する。
図7は誤差配分マトリクスと二値化結果の特性を評価するための階調チャートを示す図で、図7(a)に示すように4×4の16のパッチから構成され、図5(b)に示すように各パッチは画像データ0〜255を等間隔に割った画像データ(輝度値)を有する。
図8は誤差拡散法の基本特性を調べるために階調チャートを二値化した結果を示す図である。図8(b)は、その際の誤差拡散マトリクス(誤差配分マトリクス)を示し、×印で示す注目画素の主走査方向に右と、副走査方向に下の二つの未二値化画素に誤差を1/2ずつ配分(拡散)する。上から二、三行目の領域(以下、領域2、3)の中間調濃度が細かいドットで表現され、ブルーノイズ特性を呈する。また、テクスチャ構造が目立ち、高画質な出力は期待できない。
図9は誤差拡散法の基本特性を調べるために階調チャートを二値化した結果を示す図である。図9(b)は、その際の誤差拡散マトリクスを示し、×印で示す注目画素の主走査方向に右の一画素と、副走査方向に下の三画素に誤差を1/4ずつ拡散する。図8(a)の二値化結果と比べると、領域2、3のクラスタドットが多少大きくなり、高周波数域のスペクトル強度が多少減衰することが分かる。
図10は誤差拡散法の基本特性を調べるために階調チャートを二値化した結果を示す図である。図10(b)は、その際の誤差拡散マトリクスを示し、×印で示す注目画素の主走査方向に右の二画素と、副走査方向に下の四画素に誤差を1/6ずつ拡散する。図8(a)の二値化結果と比べると、領域2、3のクラスタドットがさらに大きくなり、高周波数域のスペクトル強度がさらに減衰することが分かる。
図11は誤差拡散法の基本特性を調べるために階調チャートを二値化した結果を示す図である。図11(b)は、その際の誤差拡散マトリクスを示し、×印で示す注目画素の主走査方向に右の二画素と、副走査方向に下の八画素に誤差を1/10ずつ拡散する。図8(a)の二値化結果と比べると、領域2、3のクラスタドットがさらに大きくなり、高周波数域のスペクトル強度がさらに減衰することが分かる。
図8(a)から図11(a)に示す二値化結果を観察すると、図12に示す誤差の拡散分布のように、「0」で示す注目画素からある距離離れると拡散量が急激に低減するローパスフィルタのような特性を示す。そして、図8(b)に示す誤差拡散マトリクスから、図11(b)に示す誤差拡散マトリクスへの変化は、ローパスフィルタのカットオフ周波数が高周波数域に移動するような振る舞いを呈する。つまり、図11(b)の誤差拡散マトリクスのように誤差拡散係数を広い範囲に配置することは、注目画素の誤差を広範囲に配分することになり、空間的に拡大されたローパスフィルタで画像データを処理していると解釈される。このため二値化後の画像は大きいクラスタドットで表現され、低周波数方向にシフトしたスペクトル分布になる。
印刷装置によっては、より大きいクラスタドット(空間周波数をより低周波数域にシフトさせる誤差拡散マトリクス)が要求されるが、誤差拡散マトリクスサイズの拡大は、ハードウェアやソフトウェアに対する負担を大きくし、得策とは言えない。副走査方向への誤差拡散マトリクスサイズの拡大は、ラインバッファのメモリサイズの拡大を意味し、とくに負担が大きい。そこで、図11(b)に示す誤差拡散マトリクスサイズ(5×3)を超えない範囲で、空間周波数をより低周波数数域にシフト可能な手法を検討する。
●低周波数域へのシフト
図9(b)に示す誤差拡散マトリクスは、注目画素から一画素以内の画素に誤差を拡散する例である。言い換えれば、注目画素からの距離をr画素とすれば、ある画素について誤差を拡散するか否かを次のように表すことができる。
if (r ≦ √2)
誤差を拡散する;
else
誤差を拡散しない; …(1)
図9(b)に示す誤差拡散マトリクスは、注目画素から一画素以内の画素に誤差を拡散する例である。言い換えれば、注目画素からの距離をr画素とすれば、ある画素について誤差を拡散するか否かを次のように表すことができる。
if (r ≦ √2)
誤差を拡散する;
else
誤差を拡散しない; …(1)
図13は階調チャートを二値化した結果を示す図である。図13(b)に示す誤差拡散マトリクスは、次のアルゴリズムで設定されている。
if (√2 ≦ r ≦ 2)
誤差を拡散する;
else
誤差を拡散しない; …(2)
if (√2 ≦ r ≦ 2)
誤差を拡散する;
else
誤差を拡散しない; …(2)
図9(a)と図13(a)を比べると、誤差を拡散する画素の数はどちらも四つだが、図13(a)に示す二値化結果の方がクラスタドットが大きく、空間周波数が低周波数域にシフトしている。さらに、六画素に拡散する図10(a)と比べても、図13(a)の二値化結果の方が低周波数域にシフトしていることが分かる。
図14は階調チャートを二値化した結果を示す図である。図14(b)に示す誤差拡散マトリクスは、次のアルゴリズムで設定されている。
if (2 ≦ r ≦ √5)
誤差を拡散する;
else
誤差を拡散しない; …(3)
if (2 ≦ r ≦ √5)
誤差を拡散する;
else
誤差を拡散しない; …(3)
図13(a)と図14(a)を比べると、図14(a)においては、空間周波数がさらに低周波数域にシフトしている。
図9(a)、図13(a)、図14(a)に示す二値化結果を観察すると、図15に示す誤差の拡散分布のように、「0」で示す注目画素から所定の距離離れた位置にピークをもつバンドパスフィルタにのような特性を示す。図15に示すような特性をもつ誤差拡散マトリクスを利用すれば、空間周波数の高周波数域と低周波数域をカットし、中間周波数域のみを通過させるフィルタ特性、所謂グリーンノイズ特性が得られる。なお、グリーンノイズとは、ホワイトノイズやブルーノイズに対して、分布帯域が中間周波数に存在するために名付けられたものである。
●円フィルタと環フィルタ
誤差拡散処理は、注目画素に関する情報が周囲画素に影響を及ぼす。その結果、画像は平滑化されるため、誤差拡散処理は平滑化フィルタ処理とも考えられる。注目画素を中心に、図16に示すように、距離aの範囲(半径aの円内)で平滑化を行う平滑化フィルタ(以下、円フィルタ)を考える。なお、円内の誤差拡散係数はすべて同一である。円フィルタの特性は次式で表すことができる。
if (0 ≦ r ≦ a)
f(x) = 1/n;
else
f(x) = 0; …(4)
ここで、nは誤差を拡散する画素数。
誤差拡散処理は、注目画素に関する情報が周囲画素に影響を及ぼす。その結果、画像は平滑化されるため、誤差拡散処理は平滑化フィルタ処理とも考えられる。注目画素を中心に、図16に示すように、距離aの範囲(半径aの円内)で平滑化を行う平滑化フィルタ(以下、円フィルタ)を考える。なお、円内の誤差拡散係数はすべて同一である。円フィルタの特性は次式で表すことができる。
if (0 ≦ r ≦ a)
f(x) = 1/n;
else
f(x) = 0; …(4)
ここで、nは誤差を拡散する画素数。
円フィルタの周波数特性は次式で表される。
F(f) = c×J1(f)/f …(5)
ここで、J1は第一種の零次ベッセル関数、
fは空間周波数、
cは定数。
F(f) = c×J1(f)/f …(5)
ここで、J1は第一種の零次ベッセル関数、
fは空間周波数、
cは定数。
図17は円フィルタの周波数特性を示す図で、横軸は空間周波数、カーブAは振幅分布を、カーブBは強度(振幅の二乗)分布を表す。
次に、注目画素を中心に、図18に示すように、距離e・a(0<e<1)から距離aの範囲(半径e・aの円と半径aの円の間の環状部分)で平滑化を行う平滑化フィルタ(以下、環フィルタ)を考える。なお、環内の誤差拡散係数はすべて同一である。環フィルタの特性は次式で表すことができる。
if (e・a ≦ r ≦ a)
f(x) = 1/n;
else
f(x) = 0; …(6)
ここで、0 < e < 1。
if (e・a ≦ r ≦ a)
f(x) = 1/n;
else
f(x) = 0; …(6)
ここで、0 < e < 1。
環フィルタの周波数特性は次式で表される。
F(f) = c×{J1(f)/f - e2×J1(e・f)/e・f} …(7)
F(f) = c×{J1(f)/f - e2×J1(e・f)/e・f} …(7)
つまり、環フィルタは、未二値化画素に対する誤差の拡散率を、注目画素に隣接する未二値化画素において零にし、隣接する二値化画素の外側に位置する未二値化画素において有限値にする。そして、注目画素に隣接する未二値化画素の外側に位置する、注目画素から所定距離だけ離れた複数の未二値化画素に、同じ拡散率で誤差を拡散する。
図19は係数eをパラメータとして環フィルタの周波数特性(振幅)を示す図、図20は係数eをパラメータとして環フィルタの周波数特性(強度)を示す図である。なお、e=0の場合の周波数特性は図17と同じである。
係数eを大きくするに従い環の幅が狭まり、周波数0における振幅、強度が急激に低下する。一方、一次のピーク値は、係数eを変化させても、殆ど変化しない。例えば、e=0とe=0.8の場合の周波数0における振幅、強度と、一次のピーク値を比較すると次のようになる。
│周波数0 │一次のピーク値│ 比率
─┬─────┼────┼───────┼────
振│円フィルタ│ 1 │ 0.132 │ 0.132
幅│環フィルタ│ 0.36 │ 0.14 │ 0.39
─┼─────┼────┼───────┼────
強│円フィルタ│ 1 │ 0.0175 │ 0.0175
度│環フィルタ│ 0.13 │ 0.0198 │ 0.1523
─┴─────┴────┴───────┴────
│周波数0 │一次のピーク値│ 比率
─┬─────┼────┼───────┼────
振│円フィルタ│ 1 │ 0.132 │ 0.132
幅│環フィルタ│ 0.36 │ 0.14 │ 0.39
─┼─────┼────┼───────┼────
強│円フィルタ│ 1 │ 0.0175 │ 0.0175
度│環フィルタ│ 0.13 │ 0.0198 │ 0.1523
─┴─────┴────┴───────┴────
このように、環フィルタは、ある周波数帯域を通過させるバンドパス特性を示すことが分かる。また、図17、19から分かるように、一次のピーク位置が低周波数域にシフトしている環フィルタの方が、より平滑化作用が強い。
このように、同一のカーネルサイズ(誤差の拡散範囲)を有する場合でも、バンドパス特性を示す環フィルタの方が、低周波数域の特定の空間周波数にクラスタドットの空間周波数を設定することができる点で、ローパス特性を示す円フィルタよりも有利である。つまり、環フィルタを利用すれば、電子写真方式の印刷装置において、階調画像を安定に形成することが可能になる。
●環フィルタによる誤差拡散
図21は図14(b)に示す環フィルタ特性の誤差拡散マトリクスを用いて写真画像を二値化した結果を示す図である。図21に示すように、ドットのクラスタ化が進み、粒状性が強いハーフトーンドットが形成されている。
図21は図14(b)に示す環フィルタ特性の誤差拡散マトリクスを用いて写真画像を二値化した結果を示す図である。図21に示すように、ドットのクラスタ化が進み、粒状性が強いハーフトーンドットが形成されている。
図22は、図5と同様に、画像データ120〜140の一様な中間調画像を図14(b)に示す環フィルタ特性の誤差拡散マトリクスを用いて二値化した結果を示す図である。また、図23は図22に示す画像の二次元FFTによる空間周波数特性を示す図、図24は図23に示すスペクトルパターンの縦軸に沿った断面のスペクトル強度を示す図である。
図14(b)に示す環フィルタ特性の誤差拡散マトリクスを用いれば、図23、図24から分かるように、ドーナツ状の、ある空間周波数にスペクトルが集中し、低周波数域と高周波数域のスペクトル強度が低下したグリーンノイズ特性を示す。
このように、環フィルタ特性の誤差拡散マトリクスを用いれば、ドットをクラスタ化するハーフトーンスクリーンを用いて、空間周波数成分を、低周波数域と高周波数域で低減し、電子写真方式に適した所定の帯域に制限することができる。その結果、階調画像を安定に形成可能なハーフトーンスクリーンを得ることができる。その上、ドットの周期構造がないため、当然、モアレも発生しない。さらに、電子写真方式の非線形性や電子写真プロセスの環境や時間に対する変動要因に対しても、ある特定の空間周波数帯域のみを用いるため、安定した階調再現を実現して画質が良好な階調画像を再現することができる。
以下、本発明にかかる実施例2の画像処理を説明する。なお、実施例2において、実施例1と略同様の構成については、同一符号を付して、その詳細説明を省略する。
図14(b)に示す環フィルタ特性の誤差拡散マトリクスを用いることで、良好な階調画像を得ることができる。しかし、上から一、四行目の領域(以下、領域1、4)でクラスタドットの劣化(アーティファクト)が観察される。実施例2では、この劣化を改善した、画像の全領域でより良好なクラスタドットを生成するクラスタハーフトーンスクリーンを説明する。
●グリーンノイズ法
上記の劣化を改善する方式として、グリーンノイズ法を併用することが考えられる。グリーンノイズ法は、Daniel L. Lau、Gonzalo R. Arce著「Modern Digital Halftoning (Signal Processing and Communications)」や、米国特許6,798,537号公報で詳述されている。
上記の劣化を改善する方式として、グリーンノイズ法を併用することが考えられる。グリーンノイズ法は、Daniel L. Lau、Gonzalo R. Arce著「Modern Digital Halftoning (Signal Processing and Communications)」や、米国特許6,798,537号公報で詳述されている。
図25はグリーンノイズ法による信号処理手順を説明する図である。
二値化部22は、N番目の入力画素データX[n]を二値化して、出力画素データY[n]を出力する。誤差検出器27は、入力画素データX[n]の二値化によって生じた誤差(差分)を誤差データYe[n]として出力する。誤差配分マトリクス25は、誤差データYe[n]を未二値化画素に配分する。加算器21は、誤差配分マトリクス25から出力される配分データXe[n]を、誤差を配分すべき未二値化画素の画素データに加算する。ここまでは、図3に示す誤差拡散法と同じである。
演算部23は、複数の既二値化画素(以下、参照画素)の値を取得し、所定の演算を施す。ゲイン調整器24は、演算部23が出力するデータに所定のゲインhを乗じたデータXh[n]を計算する。加算器26は、加算器21が出力する画素データにデータXh[n]を加算する。二値化部22は、誤差およびデータXh[n]が加算された画素データXk[n](フィードバック量)を入力する。
図26は参照画素と参照強度の関係を示す図である。
図4と同様に、記号×で示す画素は二値化の注目画素であり、xは記録の主走査方向を、yは記録の副走査方向を表す。注目画素×の上方に配したハッチング部は既二値化画素を示す。a0、a1、a2、a3で示す既二値化画素は参照画素であり、値a0、a1、a2、a3は参照強度を示す。なお、参照画素は、注目画素×の近傍の既二値化画素であり、参照画素の選定によって画質は大きく変化する。また、参照強度ai=0は、対応する既二値化画素のデータを参照しないことを表し、Σai=1になるように参照強度は正規化されている。ゲイン調整器24の出力は下式で表される。
Xh[n] = h×Σi(ai×Yi) …(8)
ここで、hはゲイン係数、
Yiはi番目の参照画素の値(0 or 255)。
Xh[n] = h×Σi(ai×Yi) …(8)
ここで、hはゲイン係数、
Yiはi番目の参照画素の値(0 or 255)。
●グリーンノイズ法による二値化結果
図27は、図5、図22と同様に、画像データ120〜140の一様な中間調画像をグリーンノイズ法により二値化した結果を示す図である。図27(b)は誤差拡散マトリクスを示し、図27(c)は参照画素マトリクスを示す。また、ゲイン係数はh=0.2である。なお、図27(b)に示す誤差拡散マトリクスはJarvisマトリクスと呼ばれ、注目画素から離れるに従い拡散量が単調減少する分布(以下、集中型)を呈す。
図27は、図5、図22と同様に、画像データ120〜140の一様な中間調画像をグリーンノイズ法により二値化した結果を示す図である。図27(b)は誤差拡散マトリクスを示し、図27(c)は参照画素マトリクスを示す。また、ゲイン係数はh=0.2である。なお、図27(b)に示す誤差拡散マトリクスはJarvisマトリクスと呼ばれ、注目画素から離れるに従い拡散量が単調減少する分布(以下、集中型)を呈す。
図27(a)に示す二値化結果は、図22に示す環フィルタ特性の誤差拡散マトリクスによる二値化結果よりも、さらに低周波数域にシフトしたクラスタドットを呈する。参照画素(既二値化画素)のデータは0か255であり、それをh倍した値(0 or 255×h)が注目画素のデータに加算される。その結果、注目画素の二値化は、参照画素の特性に倣う確率が高くなり、参照画素が白の場合は白、黒の場合は黒に二値化される確率が高い。従って、出力画像のドットパターンは、参照画素の方向につながったパターンが主になる。
図28は図27(a)に示す画像の二次元FFTによる空間周波数特性を示す図、図29は図28に示すスペクトルパターンの縦軸に沿った断面のスペクトル強度を示す図である。図28、図29から分かるように、ドーナツ状の、ある空間周波数にスペクトルが集中し、低周波数域と高周波数域のスペクトル強度が低下したグリーンノイズ特性を示す。
●グリーンノイズ法の最適化
グリーンノイズ法を用いて、上述した領域1、4の劣化の改善を図るが、グリーンノイズ法は誤差拡散法をベースにするため、二値化結果は、誤差拡散マトリクスの影響が大きい。そこで、まず、領域1、4において比較的良好な画質を呈す誤差拡散マトリクスを探索する。
グリーンノイズ法を用いて、上述した領域1、4の劣化の改善を図るが、グリーンノイズ法は誤差拡散法をベースにするため、二値化結果は、誤差拡散マトリクスの影響が大きい。そこで、まず、領域1、4において比較的良好な画質を呈す誤差拡散マトリクスを探索する。
図30、図31は異なる誤差拡散マトリクスを用いて図7に示す階調チャートを二値化した結果を示す図である。図30(b)、図31(b)に示すように、図30(a)はJarvisのマトリクスを用いた結果を、図31(a)はやはり集中型のStickiのマトリクスを用いた結果を示している。図30(a)と図31(a)を比較すると、Stickiのマトリクスの方が領域1、4において良好な画質を示す。従って、以下では、Stickiのマトリクスを使用することにする。
図32、図33はStickiのマトリクスを用いてグリーンノイズ法により図7に示す階調チャートを二値化した結果を示す図である。参照画素マトリクスは図27(c)と同様であり、ゲイン係数はそれぞれh=0.2、h=0.4である。
ゲイン係数hを大きくすると、クラスタドットが大きくなり、空間周波数が低周波数域にシフトする。しかし、領域2、3の画質が劣化し、特定の方向に流れるようなパターンを呈する。このため、ある空間周波数の周期構造を帯び、モアレが発生する問題がある。一方、領域1、4の画質はあまり劣化せず、グリーンノイズ特性が保持されていることが分かる。
図34はゲイン係数をh=0.6に増加した場合の二値化結果を示す図である。ここまでゲイン係数を増加すると、領域1、4においても画質の劣化が生じる。さらに、図35は参照画素マトリクスを変更した場合の二値化結果を示す図である。図35(b)は参照画素マトリクスを示している。ゲイン係数はh=0.6であるが、図35(a)においては、領域1、4における画質の劣化が回避されている。従って、ゲイン係数h=0.4を基本として、クラスタドットの大きさが不足する場合にゲイン係数h=0.6を用いるようにする。
また、図27(c)に示す参照画素マトリクスを用いるか、図35(b)に示す参照画素マトリクスを用いるかは、クラスタハーフトーンスクリーンのプロファイルをどのように設定するかによって決まる。印刷装置の基本解像度は高くなる傾向にある。電子写真方式で安定に階調画像を形成することができる200〜300線/インチのクラスタハーフトーンスクリーンを形成するには、基本解像度1200dpiの印刷装置では6×6画素程度のクラスタドットを形成する必要がある。勿論、基本解像度2400dpiの印刷装置になれば、より大きなクラスタドットを形成する必要がある。言い換えれば、大きなゲイン係数hの利用を可能にする用意が必要である。
●二値化処理部
図36は実施例2の二値化処理部33の構成例を示す図である。
図36は実施例2の二値化処理部33の構成例を示す図である。
実施例2の二値化処理部33は、グリーンノイズ法と誤差拡散法を適応的に用いて画像の全領域で良好なクラスタハーフトーンスクリーンを実現するハイブリッド方式である。図25に示す構成と異なるのは、制御部29が入力画素データX[n]の値に応じて、誤差配分マトリクス25の誤差拡散マトリクスと演算部23の参照マトリクスなどを制御する点である。
図37は図36に示す制御部29の動作を説明するフローチャートである。
制御部29は、ラスタ順に入力画素データX[n]を入力し(S40)、入力画素データX[n]が図38に示す領域1(0≦X<63)に含まれるか否かを判定する(S41)。そして、領域1に含まれる場合は処理1(詳細は後述する)になるように誤差配分マトリクス25の誤差拡散マトリクスと演算部23の参照マトリクスを制御する(S44)。また、領域1に含まれなければ領域2(0≦X<63)に含まれるか否かを判定し(S42)、領域2に含まれる場合は処理2(詳細は後述する)になるように誤差配分マトリクス25の誤差拡散マトリクスと演算部23の参照マトリクスを制御する(S45)。このように入力画素データX[n]の値に応じた処理(図38の例では四種類の処理)を設定し、ステップS43の判定により、入力画像の全画素の処理が終わるまで上記の処理を繰り返す。
図38は注目画素データの値の領域分けを示す図である。つまり、注目画素の値Xが領域1(0≦X<63)に含まれる場合は処理1、領域2(63≦X<128)に含まれる場合は処理2、領域3(128≦D<192)に含まれる場合は処理3、領域4(192≦X<256)に含まれる場合は処理4を実行する。このように注目画素の値Xに応じて処理を分ければ、図7に示す階調チャートの各行に相当する領域1〜4ごとに適切な誤差拡散マトリクスと参照画素マトリクスを使用して二値化を行うことができる。処理を簡素化する場合は、領域1と4(0≦X<63 and 192≦X<256)に対して処理1、領域3と4(63≦X<192)に対して処理2を適用する。
図39は領域1と4に適用する処理1と領域3と4に適用する処理2の誤差拡散マトリクス、参照画素マトリクス、ゲイン係数の一例を示す図である。
処理1は、Stickiのマトリクスを用いた誤差拡散法と、グリーンノイズ法(h=0.6)によって二値化処理を行う。また、処理2は、環フィルタ特性の誤差拡散マトリクスを用いた誤差拡散法によって二値化処理を行う。
図40はハイブリッド方式の二値化処理部33による図7に示す階調チャートの二値化結果を示す図で、領域1〜4においてドットのクラスタ化が一様に行われている。
図42は図41に示す写真画像をシンプルな誤差拡散マトリクスを用いて二値化した結果を示す図で、図42(b)に誤差拡散マトリクスを示す。図43は図41に示す写真画像をハイブリッド方式の二値化処理部33によって二値化した結果を示す図である。図42と図43に示す画像を比べると、図43においてドットがクラスタ化され、空間周波数の中心が低周波数域にシフトしている。
このように、環フィルタ特性の誤差拡散マトリクスとグリーンノイズ法を組み合わせたハイブリッド方式により、画像データに応じて誤差拡散マトリクス、参照画素マトリクス、ゲイン係数を制御する。これにより、安定した階調再現の実現して良好な階調画像を再現するとともに、上述したクラスタドットの劣化(アーティファクト)を改善することができる。
以下、本発明にかかる実施例3の画像処理を説明する。なお、実施例3において、実施例1、2と略同様の構成については、同一符号を付して、その詳細説明を省略する。
実施例1、2で説明した画像処理(二値化)方法を様々な印刷装置に適用するには、クラスタドットの主空間周波数を、プリンタエンジンが安定に階調画像を形成可能な空間周波数に設定する必要がある。そこで、実施例3においては、様々な印刷装置のプリンタエンジンに応じて上述したハイブリッド方式のパラメータを制御する。
図44は実施例3の二値化処理部33の構成例を示す図である。
実施例3の二値化処理部33は、図36に示す実施例2のハイブリッド方式の二値化処理部33に、データベース(DB)28を追加して、ハイブリッド方式のパラメータを選択可能にしたものである。つまり、DB28には、様々なプリンタエンジンに対応するハイブリッド方式のパラメータが格納されている。例えば、サービスマンまたはユーザは操作パネル19を操作して選択的にパラメータを設定する。つまり、コントローラ13に組み合わせるプリンタ12のプリンタエンジンに対応するハイブリッド方式のパラメータをDB28から選択し、誤差配分マトリクス25および演算部23に設定する。
図45は処理1と処理2の誤差拡散マトリクス、参照画素マトリクス、ゲイン係数の一例を示す図で、クラスタドットのサイズをやや小さくするパラメータの一例を示している。
図45に示すように、処理2の誤差拡散マトリクスの環フィルタの半径aは、図39に示す誤差拡散マトリクスの環フィルタの半径aより小さい。従って、階調チャートの領域2、3に対応する輝度(濃度)域のクラスタドットのサイズは、図39に示すパラメータを用いた場合よりも小さい。これを考慮して、処理1の誤差拡散マトリクスと参照画素マトリクスを決める必要がある。図45に示す処理1の誤差拡散マトリクスと参照画素マトリクスは、実験的に求めたもので、誤差拡散マトリクスとしてStickiのマトリクスを用い、三画素を参照する参照画素マトリクスを用いる。同様に、実験結果からゲイン係数はh=0.2にする。
図46は図45に示すパラメータを用いて図7に示す階調チャートの二値化した結果を示す図で、領域1〜4においてドットのクラスタ化が一様に行われる。また、図46と図40に示す画像を比較すると、図46の画像の全領域においてクラスタドットのサイズがやや小さいことが分かる。
図47は図45に示すパラメータを用いて図41に示す写真画像を二値化した結果を示す図である。図47と図43に示す画像を比較すると、図47の画像においてクラスタドットのサイズがやや小さいことが分かる。
なお、添付する図に示す画像は、理解を容易にするために、クラスタドットのサイズを拡大して表現した。実際に印刷装置が形成するクラスタドットのサイズはもっと小さくなることは言うまでもない。
[他の実施例]
なお、本発明は、複数の機器(例えばコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置、制御装置など)に適用してもよい。
なお、本発明は、複数の機器(例えばコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置、制御装置など)に適用してもよい。
また、本発明の目的は、上記実施例の機能を実現するコンピュータプログラムを記録した記憶媒体をシステムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータ(CPUやMPU)が前記コンピュータプログラムを実行することでも達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたソフトウェア自体が上記実施例の機能を実現することになり、そのコンピュータプログラムと、そのコンピュータプログラムを記憶する、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体は本発明を構成する。
また、前記コンピュータプログラムの実行により上記機能が実現されるだけではない。つまり、そのコンピュータプログラムの指示により、コンピュータ上で稼働するオペレーティングシステム(OS)および/または第一の、第二の、第三の、…プログラムなどが実際の処理の一部または全部を行い、それによって上記機能が実現される場合も含む。
また、前記コンピュータプログラムがコンピュータに接続された機能拡張カードやユニットなどのデバイスのメモリに書き込まれていてもよい。つまり、そのコンピュータプログラムの指示により、第一の、第二の、第三の、…デバイスのCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、それによって上記機能が実現される場合も含む。
本発明を前記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応または関連するコンピュータプログラムが格納される。
Claims (10)
- 入力画像の注目画素を二値化する二値化手段と、
前記二値化による誤差を計算する計算手段と、
誤差拡散マトリクスに基づき、前記注目画素から所定距離だけ離れた、環状に位置する未二値化画素に前記誤差を拡散する拡散手段とを有することを特徴とする画像処理装置。 - さらに、参照画素マトリクスに基づき、前記二値化後の画素を参照して前記注目画素に加算する値を演算し、前記演算した値を前記注目画素に加算する演算手段を有することを特徴とする請求項1に記載された画像処理装置。
- さらに、プリンタエンジンに対応する誤差拡散マトリクスと参照画素マトリクスを格納する格納手段と、
前記格納手段に格納された誤差拡散マトリクスと参照画素マトリクスを選択的に前記拡散手段および前記演算手段に設定する設定手段を有することを特徴とする請求項2に記載された画像処理装置。 - さらに、前記注目画素の値に応じて、前記拡散手段の誤差拡散マトリクスおよび前記演算手段の参照画素マトリクスを制御する制御手段を有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載された画像処理装置。
- 前記制御手段は、前記注目画素の値に応じて、前記演算手段のゲイン係数を制御することを特徴とする請求項4に記載された画像処理装置。
- 前記拡散手段の前記未二値化画素に対する誤差の拡散率は、前記注目画素に隣接する未二値化画素が零、前記隣接する未二値化画素の外側に位置する未二値化画素が有限値であることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載された画像処理装置。
- 前記拡散手段は、前記注目画素に隣接する未二値化画素の外側に位置する複数の未二値化画素に、同じ拡散率で誤差を拡散することを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載された画像処理装置。
- 入力画像の注目画素を二値化し、
前記二値化による誤差を計算し、
誤差拡散マトリクスに基づき、前記注目画素から所定距離だけ離れた、環状に位置する未二値化画素に前記誤差を拡散することを特徴とする画像処理方法。 - 画像処理装置を制御して、請求項1から請求項7の何れか一項に記載された画像処理装置の各手段として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
- 請求項9に記載されたコンピュータプログラムが記録されたことを特徴とするコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20110607 |