JP2009252909A - 磁気抵抗効果素子、及び磁気ランダムアクセスメモリ - Google Patents

磁気抵抗効果素子、及び磁気ランダムアクセスメモリ Download PDF

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Abstract

【課題】垂直磁化膜を用いた電流誘起磁壁移動現象を利用したMRAMについて、容易に磁壁を導入し、また磁壁のピニング力の過剰な増大を防ぎ、書き込み電流を充分に低減するための技術を提供する。
【解決手段】本発明の磁気抵抗効果素子は、垂直磁気異方性を有する強磁性体により構成される第1強磁性層10を具備する。第1強磁性層10は、第1の方向に固定された磁化を有する磁化固定領域11aと、前記第1の方向と反平行方向に固定された磁化を有する磁化固定領域11bと磁化固定領域11a、11bに接合された、反転可能な磁化を有する磁化自由領域12とを備える。磁化固定領域11aは、その上面11aTが磁化自由領域12の上面12Tよりも基板垂直方向において高い位置に形成され、磁化固定領域11aの下面11aBは、磁化自由領域12の下面12Bよりも基板垂直方向において低い位置に形成される。
【選択図】図1A

Description

本発明は、磁気抵抗効果素子、及び磁気ランダムアクセスメモリに関する。特に本発明は磁壁移動方式の磁気抵抗効果素子、及び磁気ランダムアクセスメモリに関する。
磁気ランダムアクセスメモリ(Magnetic Random Access Memory;MRAM)は高速動作、および無限回の書き換えが可能な不揮発性メモリとして期待され、盛んな開発が行われている。MRAMでは記憶素子として磁性体を用い、磁性体の磁化の向きに対応させてデータを記憶する。この磁性体の磁化をスイッチングさせる方法としていくつかの方式が提案されているが、いずれも電流を使う点では共通している。MRAMを実用化する上では、この書き込み電流をどれだけ小さくできるかが非常に重要であり、非特許文献1によれば0.5mA以下への低減、さらに好ましくは0.2mA以下への低減が求められている。
MRAMへのデータの書き込み方法のうちで最も一般的なのは、磁性記憶素子の周辺に書き込みのための配線を配置し、この配線に電流を流すことで発生する磁場によって磁性記憶素子の磁化の方向をスイッチングさせる方法である。この方法は磁場による磁化反転となるため、原理的には1ナノ秒以下での書き込みが可能であり、高速MRAMを実現する上では好適である。しかしながら熱安定性、外乱磁場耐性が確保された磁性体の磁化をスイッチングするための磁場は一般的には数10Oe(エールステッド)程度となり、このような磁場を発生させるためには数mA程度の電流が必要となる。この場合、チップ面積が大きくならざるを得ず、また書き込みに要する消費電力も増大するため、他のランダムアクセスメモリと比べて競争力で劣ることになる。これに加えて、素子が微細化されると、書き込み電流はさらに増大してしまい、スケーリングの点でも好ましくない。
近年、このような問題を解決する手段として、以下の2つの方法が提案されている。一つ目はスピン注入磁化反転である。これは反転可能な磁化を有する第1の磁性層と、それに電気的に接続され、磁化が固定された第2の磁性層から構成された積層膜において、第2の磁性層と第1の磁性層の間で電流を流したときのスピン偏極した伝導電子と第1の磁性層中の局在電子との間の相互作用を利用して第1の磁性層の磁化を反転する方法である。スピン注入磁化反転はある電流密度以上のときに起こることから、素子のサイズが小さくなれば、書き込みに要する電流は低減される。すなわちスピン注入磁化反転方式はスケーリング性に優れていると言うことができる。しかしながら、一般的に第1の磁性層と第2の磁性層の間には絶縁層が設けられ、書き込みの際には比較的大きな電流をこの絶縁層に流さなければならず、書き換え耐性や信頼性が課題となる。また、書き込みの電流経路と読み出しの電流経路が同じになることから、読み出しの際の誤書き込みも懸念される。このようにスピン注入磁化反転はスケーリング性には優れるものの、実用化にはいくつかの障壁がある。
一方で、二つ目の方法である電流誘起磁壁移動現象を利用した磁化反転方法は、スピン注入磁化反転の抱える上述のような問題を解決することができる。電流誘起磁壁移動現象を利用したMRAMは例えば特許文献1で開示されている。電流誘起磁壁移動現象を利用したMRAMは、一般的には反転可能な磁化を有する第1の磁性層において、その両端部の磁化が互いに略反平行となるように固定されている。このような磁化配置のとき、第1の磁性層内には磁壁が導入される。ここで、非特許文献2で報告されているように、磁壁を貫通する方向に電流を流したとき、磁壁は伝導電子の方向に移動することから、第1の磁性層内に電流を流すことにより書き込みが可能となる。電流誘起磁壁移動もある電流密度以上のときに起こることから、スピン注入磁化反転と同様にスケーリング性があると言える。これに加えて、電流誘起磁壁移動を利用したMRAM素子では、書き込み電流が絶縁層を流れることはなく、また書き込み電流経路と読み出し電流経路は別となるため、スピン注入磁化反転で挙げられるような上述の問題は解決されることになる。
非特許文献2では、電流誘起磁壁移動に必要な電流密度として1×10[A/cm]程度を要している。この場合、例えば磁壁移動の起こる層の幅を100nm、膜厚を10nmとした場合の書き込み電流は1mAとなる。これは前述の書き込み電流に関する条件を満たすことができない。しかし非特許文献3で述べられているように、電流誘起磁壁移動が起こる強磁性層として垂直磁気異方性を有する材料を用いることによって、書き込み電流を十分小さく低減できることが報告されている。このようなことから、電流誘起磁壁移動を利用してMRAMを製造する場合、磁壁移動が起こる層としては垂直磁気異方性を有する強磁性体を用いることが好ましいと言える。非特許文献4においては垂直磁化膜における電流誘起磁壁移動の観測が報告されている。また垂直磁化膜を用いてMRAMを製造する場合、磁壁移動が起こる層に磁壁を導入する必要があるが、非特許文献4ではこの方法として磁壁移動が起こる層に段差を設けることによって磁壁を導入している。
しかしながら非特許文献4で用いられているような単純な段差によって磁壁を導入した場合には、書き込みに要する電流密度が十分に低減されないことが懸念される。これは、図7を用いて後に説明されるように段差付近では膜面方向の磁束によって生ずる磁場が磁壁にかかり、この磁場が磁壁のピニング力となるためである。このような段差によって生ずる面内方向の磁場に起因したピニング力は計算によれば過度に大きくなり、これは書き込み電流の低減の障害となりうる。
特開2005−191032号公報 IEEE Journal of Solid-State Circuits, vol. 42, p.830 (2007). Physical Review Letters, vol. 92, number 7, p.077205, (2004). 52nd Annual Conference on Magnetism and Magnetic Materials, Abstracts, FE-06, p.352, (2007). Applied Physics Express, vol. 1, p.011301,(2008).
したがって、本発明の目的は、垂直磁化膜を用いた電流誘起磁壁移動現象を利用したMRAMについて、容易に磁壁を導入し、また磁壁のピニング力の過剰な増大を防ぎ、書き込み電流を充分に低減するための技術を提供することにある。
本発明の磁気抵抗効果素子は、垂直磁気異方性を有する強磁性体により構成される第1強磁性層を具備する。前記第1強磁性層は、第1の方向に固定された磁化を有する第1磁化固定領域と、前記第1の方向と反平行方向に固定された磁化を有する第2磁化固定領域と前記第1及び第2磁化固定領域に接合された、反転可能な磁化を有する磁化自由領域とを備える。前記第1磁化固定領域と前記磁化自由領域のうちの一方の上面は他方の上面よりも基板垂直方向において高い位置に形成され、前記第1磁化固定領域と前記磁化自由領域のうちの前記一方の下面は前記他方の下面よりも基板垂直方向において低い位置に形成される。
本発明によれば、垂直磁化膜を用いた電流誘起磁壁移動現象を利用したMRAMについて、容易に磁壁を導入し、また磁壁のピニング力の過剰な増大を防ぎ、書き込み電流を低減することができる。
添付図面を参照して、本発明の磁気ランダムアクセスメモリを説明する。一般に、磁気ランダムアクセスメモリは、アレイ状に配置された複数の磁気メモリセルを有しており、各磁気メモリセルは磁気抵抗効果素子を有している。以下では、磁気抵抗効果素子の様々な好適な形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1A〜図1Cは、本発明の第1の実施形態の磁気抵抗効果素子の第1強磁性層10(データが書き込まれる強磁性層)の構造を模式的に示している。図1Aは斜視図であり、図1B、図1Cは、図1Aに示されるx−y−z座標系におけるx−y平面図、x−z断面図である。なお、図において、z軸は基板に垂直方向であるものと定義されており、x軸、y軸は基板に平行方向であるものと定義されている。
第1強磁性層10は、磁化自由領域12と、複数の磁化固定領域11とを具備する。本実施形態では、2つの磁化固定領域11が設けられており、以下では、その一方を磁化固定領域11a、他方を磁化固定領域11bと記載する。磁化自由領域12の一方の端部に磁化固定領域11aが接続されており、他方の端部に磁化固定領域11bが接続されている。
磁化固定領域11a、11bのうちの少なくとも一方は、その上面が、磁化自由領域12の上面12Tよりも高い位置に形成されており、その下面が磁化自由領域12の下面12Bよりも低い位置に形成されている。本実施形態では、磁化固定領域11a、11bの両方にこのような構造が採用されている。即ち、磁化固定領域11aの上面11aTは磁化自由領域12の上面12Tよりも高い位置に形成され、磁化固定領域11aの下面11aBは磁化自由領域12の下面12Bよりも低い位置に形成されている。同様に、磁化固定領域11bの上面11bTは磁化自由領域12の上面12Tよりも高い位置に形成され、磁化固定領域11bの下面11bBは磁化自由領域12の下面12Bよりも低い位置に形成されている。
第1強磁性層10は、垂直磁気異方性を有する強磁性体から構成される。詳細には、図2に示されているように、磁化固定領域11aは上方向の固定磁化を有し、磁化固定領域11bは下方向の固定磁化を有している。一方、磁化自由領域12の磁化は、上下方向に反転可能である。このような磁化配置の場合、磁化自由領域12の磁化方向に応じて、磁化自由領域12と磁化固定領域11a又は11bとの境界で磁壁が形成される。磁化自由領域12の磁化方向が、磁気抵抗効果素子に記憶されるデータに対応する。第1強磁性層10に用いることのできる材料としては、Co−Pt系の合金が例示される。
このような構造の第1強磁性層10は様々な方法によって形成することができる。例えば、溝を形成後に強磁性膜を成膜し、更に、成膜した強磁性膜をパターニングすることにより第1強磁性層10を形成することができる。また他の方法として、強磁性膜の成膜後にパターニングして磁化固定領域11の一部を形成し、形成された一部分を埋め込んだ後、CMPやミリングなどの方法で頭出しを行い、その後、磁化固定領域11残りの部分を成膜、パターニングすることによっても第1強磁性層10を形成することができる。
次に、本実施形態における第1強磁性層10へのデータの書き込み方法について図3A、図3Bを用いて説明する。第1強磁性層10には、磁化自由領域12の磁化方向に応じた場所に磁壁が形成される。本実施形態の磁気抵抗効果素子においては、この磁壁を電流によって駆動することによりデータの書き込みを行う。図3A、図3Bはその方法の一例を示している。本実施形態では、磁化固定領域11a、11bにそれぞれ電極層40a、40bが接合され、これらの電極層40a、40bを用いて磁壁を駆動する電流が供給される。
以下においては、図3Aに示されるように、磁化固定領域11aの磁化が上向きに固定され、磁化固定領域11bの磁化が下向きに固定され、また磁化自由領域12の磁化が下方向を向いている状態を“0”状態と定義する。また、図3Bに示されるように、磁化自由領域12の磁化が上方向を向いている状態を“1”状態と定義する。図3Aは“0”状態の第1強磁性層10にデータ“1”を書き込む方法を示しており、図3Bは“1”状態の第1強磁性層10にデータ“0”を書き込む方法を示している。ただし“0”状態、“1”状態の定義についてはこの限りではないことは、当業者には容易に理解されよう。
詳細には、図3Aの“0”状態においては、磁化固定領域11aと磁化自由領域12の境界に磁壁(DW)が形成されている。ここで図3Aに点線で示されるように、磁化固定領域11bから磁化自由領域12を経由して磁化固定領域11aに向かう方向に書き込み電流を導入すると、伝導電子は磁化固定領域11aから磁化自由領域12を経由して磁化固定領域11bへと向かう方向に流れる。この伝導電子によって電流誘起磁壁移動が起こり、磁壁(DW)は磁化固定領域11aと磁化自由領域12の境界から磁化固定領域11bと磁化自由領域12の境界へと移動する。この結果、図3Bに示されるような磁化配置が現れる。このようにしてデータ“1”の書き込みが行われる。なお、磁壁(DW)が磁化固定領域11bと磁化自由領域12の境界で停止するメカニズムについては後述される。
一方、図3Bの“1”状態においては磁化固定領域11bと磁化自由領域12の境界に磁壁(DW)が形成されている。ここで図3Bに点線で示されるように、磁化固定領域11aから磁化自由領域12を経由して第2磁化固定領域11bに向かう方向に書き込み電流を導入する。このとき伝導電子は第2磁化固定領域11bから磁化自由領域12を経由して第1磁化固定領域11aへと向かう方向に流れ、この伝導電子によって電流誘起磁壁移動が起こり、磁壁(DW)は第2磁化固定領域11bと磁化自由領域12の境界から第1磁化固定領域11aと磁化自由領域12の境界へと移動し、図3Aに示されるような磁化配置となる。このようにして“0”書き込みが行われる。
図示はされていないが、上記の書き込み動作によれば、オーバーライト(データを変化させない書き込み動作)も可能であることに留意されたい。即ち、“0”状態の第1強磁性層10へのデータ“0”の書き込み、及び“1”状態へのデータ“1”の書き込みも可能である。
書き込みの際には、磁壁が磁化固定領域11と磁化自由領域12との境界を通り越して、磁化固定領域11の内部へは侵入できないことに留意されたい。これは、磁化固定領域11においては、磁化自由領域12よりも電流密度が減少するためである。具体的には、以下のように説明される。書き込み電流が電極層40a、40bの間で流されると、電流方向と垂直方向の断面積が磁化固定領域11と磁化自由領域12の境界よりも外側では増加する。従って、磁化固定領域11における電流密度は小さくなる。磁化固定領域11のz軸方向の厚さを、磁化固定領域11における電流密度が電流誘起磁壁移動に必要な閾値電流密度よりも小さくなるように調節すれば、磁化固定領域11では磁壁移動が起こらず、磁壁は、磁化固定領域11と磁化自由領域12との境界で停止することになる。
このような断面積の増加による電流密度の低減は、x−y平面形状によってもコントロールすることができる。例えば磁化固定領域11の幅を磁化自由領域12の幅に比べて広く設定することにより、磁化固定領域11と磁化自由領域12の境界よりも外側での電流密度を低減することができる。このための好適な形状については後述にて示される。
磁化固定領域11と磁化自由領域12の境界で停止した磁壁は、安定してその場にとどまり続けることができる。それは、垂直磁気異方性を有する材料においては、無数のピニングサイトが存在し、それらが十分大きな熱安定性を有するためである。
(読み出し方法)
次に、本実施形態における磁気抵抗効果素子からのデータの読み出し方法について図4A、図4Bを用いて説明する。前述のように本実施形態の磁気抵抗効果素子においては、第1強磁性層10の磁化自由領域12の磁化方向に応じてデータが記憶される。本実施形態の磁気抵抗効果素子においては、磁化自由領域12の磁化を、磁気抵抗効果を用いて検出することによりデータの読み出しを行う。
図4A、図4Bは、データの読み出しの方法の一例を示している。本実施形態では、データを読み出すために、第1非磁性層20と第2強磁性層30とが設けられる。第2強磁性層30は、第1強磁性層10の磁化自由領域12と対向するように設けられており、第1非磁性層20は、第2強磁性層30と第1強磁性層10の磁化自由領域12の間に設けられている。第1強磁性層10、第1非磁性層20、第2強磁性層30により磁気トンネル接合(Magnetic Tunnnel Junction;MTJ)が形成される。
第1非磁性層20は非磁性、且つ、絶縁性の材料から形成される。第1非磁性層20の具体的な材料としては酸化アルミニウム(AlO)が例示される。その代わりに、第1非磁性層20は、非磁性の半導体や金属材料によって形成されてもよい。この場合、第1強磁性層10、第1非磁性層20、第2強磁性層30は、GMR効果(Giant Magnetoresistance effect)を示すGMR素子を構成することになる。
第2強磁性層30は、垂直磁気異方性を有する強磁性体から構成される。第2強磁性層30の磁化は、少なくともその一部分において実質的に一方向に固定されている。なお、第2強磁性層30は、図4A、図4Bでは単層の強磁性層として図示されているが、実際には複数の強磁性層からなる積層膜で形成されてもよく、それらの間には非磁性層が挿入されてもよい。また隣り合う強磁性層は中間に配置される非磁性層によって反平行方向に磁気的に結合してもよい。更には、第2強磁性層30に反強磁性層を接合させることによって磁化をより強固に固定することもできる。第2強磁性層30の積層構成としてはCo−Pt/Ru/Co−Pt/PtMnが例示される。
図4Aは、“0”状態の第1強磁性層10からのデータ読み出しの方法を示しており、図4Bは“1”状態の第1強磁性層10からのデータ読み出しの方法を示している。いま、図4A、図4Bに示されるように、第2強磁性層30の磁化(あるいは第2強磁性層30のうちの第1非磁性層20との界面付近の部分の磁化)が下方向に固定されているものとする。データ読み出しは、第1強磁性層10、第1非磁性層20、第2強磁性層30を貫通する方向に電流を導入することによって行われる。
図4Aに示されるように、第1強磁性層10にデータ“0”が記憶されているときには(即ち、磁化自由領域12が下方向に磁化しているときには)、磁化自由領域12と第2強磁性層30の磁化が平行であるため、この場合のMTJの抵抗は、(相対的に)低くなる。一方、図4Bに示されるように、第1強磁性層10にデータ“1”が記憶されているときには(即ち、磁化自由領域12が上方向に磁化しているときには)、第1強磁性層10と第2強磁性層30の磁化は反平行であるため、この場合のMTJの抵抗は、(相対的に)高くなる。このようにMTJを貫通する方向に電流を流したときの抵抗の差を検出することにより、磁化自由領域12の磁化方向を検出することができ、磁気抵抗効果素子からのデータの読み出しを行うことができる。
次に、本実施形態の磁気抵抗効果素子のメモリ状態の初期化方法について図5A、図5Bを用いて説明する。前述のように、本実施形態の磁気抵抗効果素子においては、第1強磁性層10の磁化固定領域11a、11bのうちの一方を上向きに向け、他方を下向きに向ける必要がある。このような磁化状態は以下のようなステップにより実現することができる。
まず図5Aに示されるような第1強磁性層10において、磁化固定領域11aの保磁力(即ち、磁化固定領域11aの磁化の反転に必要な磁場)をHc_11aとし、磁化固定領域11bの保磁力をHc_11bとし、また磁化自由領域12の保磁力をHc_12とする。ここで、保磁力Hc_11a、Hc_11b、Hc_12の間で、
Hc_11a>Hc_11b,
Hc_11a>Hc_12
が成り立つものと仮定する。また保磁力Hc_11b、Hc_12の大小関係は任意であるが、以下では、
Hc_11b>Hc_12
が成り立つものとする。
このとき、はじめに上方向に
>Hc_11a
なる磁場Hを印加することによって、図5Aに示されるように全領域の磁化を上方向に揃えることができる。次に、
Hc_11a>H>Hc_11b(>Hc_12)
なる磁場Hを下方向に印加すると、磁化自由領域12と第2磁化固定領域11bの磁化のみ反転し、図5Bに示されるように、第1強磁性層10は、“0”状態へ初期化される。
なお、磁化固定領域11a、11bの保磁力が異なっていれば、磁化固定領域11a、11b、磁化自由領域12の保磁力の大小関係については任意であることに留意されたい。磁化固定領域11aと磁化固定領域11bの閾値磁場が異なってさえいれば、上述のような2段階の磁場の印加によって、磁化固定領域11aと磁化固定領域11bの磁化を反平行方向に向けることができる。
本実施形態の磁気抵抗効果素子の一つの特徴は、磁化固定領域11a、11bの少なくとも一方が、上面が磁化自由領域12の上面12Tよりも高い位置に形成され、下面が磁化自由領域12の上面12Tよりも低い位置に形成された構造を採用していることにある。以下では、このような構造の利点と、その利点が得られる原理について説明する。
垂直磁化膜に磁壁を導入する方法としては、非特許文献4に記載されているように、垂直磁化膜に段差を設けることが知られている。非特許文献4で用いられているような段差によって磁壁を導入する方法を磁壁移動型の素子に適用した場合の一般的な構造を図6A、図6Bに示す。図6Aは斜視図を、図6Bは図6Aに示されるx−y−z座標系におけるx−z断面図を示している。
しかしながら、図6A、図6Bのような構成においては、磁化固定領域11と磁化自由領域12の境界において磁壁が過大にピニングされることが懸念される。図7はこのことを模式的に示している。図7において、磁化固定領域11aのうちの磁化自由領域12とは同一高さにない領域に斜線が施されている。またこの領域が上向きに磁化しているときの周辺に発生する磁場が矢印13で示されている。図6A、図6Bに示されているように、端部効果により、磁化自由領域12と磁化固定領域11aの境界14では右向きの磁場が発生する。発明者の計算によれば、この磁場は局所的には1kOe以上になり得る。このような局所磁場によって磁壁がピニングされた場合、垂直磁化膜において電流誘起磁壁移動に必要なイントリンシックな閾値電流密度ではデピンできず、これよりも大きな電流密度を要してしまうことがマイクロマグネティクス計算からわかった。すなわち磁壁移動が起こる層に垂直磁気異方性材料を用いても、図6A、図6Bに示されるような単純な段差を有する構造を用いた場合には、書き込み電流密度の低減はある範囲にとどまってしまう。
本実施形態の第1強磁性層10の構造によれば上述のような問題は解決され、十分に低減された電流密度によってデータの書き込みを行うことのできる磁気ランダムアクセスメモリを提供することができる。図8はそれを模式的に示している。本発明においては、少なくとも一方の磁化固定領域11の上面は磁化自由領域12の上面よりも高い位置に形成され、かつ当該少なくとも一方の磁化固定領域11の下面は磁化自由領域12の下面よりも低い位置に形成される。これは、磁化固定領域11においては、磁化自由領域12よりも上側に突出した領域と下側に突出した領域を有すると言い換えることもできる。図8では磁化固定領域11aのうちの上側に突出した領域と下側に突出した領域に斜線が施されている。さらに図8においては、この斜線を施した領域によって形成される磁場が模式的に矢印13で示されている。図8からわかるように図7とは異なり、磁化自由領域12と磁化固定領域11の境界14において、斜線を施した領域からの磁場の面内成分は上下領域間で相殺され、ゼロ、もしくは小さな大きさにコントロールできることがわかる。これによって上述のような過度なピニング力は発生しなくなるため、書き込み電流の上昇を抑えることができる。
次に、本実施形態の磁気抵抗効果素子を備えた磁気メモリセルの回路構成の例を説明する。図9は、本実施形態における磁気メモリセルの1ビット分の回路の構成例を示している。図9に示されるように、第2強磁性層30は読み出しのためのグラウンド線101に接続される。一方、磁化固定領域11aは、MOSトランジスタ100aの一方のソース/ドレインに接続される。MOSトランジスタ100aの他方のソース/ドレインは書き込みのためのビット線102aに接続される。同様に、磁化固定領域11bは、MOSトランジスタ100aの一方のソース/ドレインに接続される。MOSトランジスタ100aの他方のソース/ドレインは書き込みのためのビット線102bに接続される。MOSトランジスタ100a、100bのゲート電極は、共通のワード線103に接続される。磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)は、図9に示した磁気メモリセルがメモリアレイに行列に配置され、そのメモリアレイは周辺回路へと接続されて構成される。
図9に示された磁気メモリセルの、書き込み動作、読み出し動作は、以下の通りである。書き込み動作を行う場合には、ワード線103が“High”レベルにプルアップされ、これにより、MOSトランジスタ100a、100bが“ON”にされる。またビット線102a、102bの一方が“High”レベルにプルアップされ、他方が“Low”レベルにプルダウンされる。ビット線102a、102bのどちらを“High”レベルにし、どちらを“Low”レベルにするかで第1強磁性層10を流れる電流の方向が変わり、これにより、所望のデータを当該磁気抵抗効果素子に書き込むことができる。
また、読み出し動作の際には、ワード線103が“High”レベルにプルアップされ、これにより、MOSトランジスタ100a、100bが“ON”にされる。またビット線102aがハイインピーダンス状態に設定されると共に、ビット線102bが“High”レベルにプルアップされる。これにより、ビット線102bから磁気抵抗効果素子を貫通する電流が第1強磁性層10、第1非磁性層20、第2強磁性層30を経由してグラウンド線101へと流れるため、磁気抵抗効果を利用した高速での読み出しが可能となる。
図9に示された磁気メモリセルはアレイ状に配置され、これらが周辺回路へと接続され、磁気ランダムアクセスメモリが形成される。
ただし、図9に示された回路、及びここで述べられた回路の動作は、本発明を実施する方法の一例に過ぎず、他の回路構成による実施も可能である。
次に、本実施形態の磁気抵抗効果素子の各層の材料について例示する。なお、ここで示される材料は全て例であり、実際には前述のような磁化状態が実現できればいかなる材料を用いても構わない。
第1強磁性層10及び第2強磁性層30は、Fe、Co、Niのうちから選択される少なくとも一つの材料を含む強磁性体により構成される。またPtやPdを含むことにより垂直磁気異方性を安定化することができる。これに加えてB、C、N、O、Al、Si、P、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Ag、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Au、Smなどを添加することによって所望の磁気特性が発現されるように調整することができる。具体的にはCo、Co−Pt、Co−Pd、Co−Cr、Co−Pt−Cr、Co−Cr−Ta、Co−Cr−B、Co−Cr−Pt−B、Co−Cr−Ta−B、Co−V、Co−Mo、Co−W、Co−Ti、Co−Ru、Co−Rh、Fe−Pt、Fe−Pd、Fe−Co−Pt、Fe−Co−Pd、Sm−Co、Gd−Fe−Co、Tb−Fe−Co、Gd−Tb−Fe−Coなどが例示される。この他、Fe、Co、Niのうちから選択されるいずれか一つの材料を含む層を、異なる層と積層させることにより垂直方向の磁気異方性を発現させることもできる。具体的にはCo/Pd、Co/Pt、Co/Ni、Fe/Auの積層膜などが例示される。
第1非磁性層20は、非磁性且つ絶縁性の材料により構成されることが好ましい。具体的にはMg−O、Al−O、Al−N、Ni−O、Hf−Oなどが例示される。ただし、磁気抵抗効果素子をGMR素子として構成する場合には、第1非磁性層20として半導体や金属材料を用いてもよい。この場合、第1非磁性層20は、例えば、Al、Cr、Cuなどで構成される。
前述のように、第2強磁性層30に反強磁性層を隣接させることで磁化の固定をより強固にすることができる。具体的な反強磁性材料としては、Pt−Mn、Ir−Mn、Fe−Mnなどが例示される。
(第2の実施形態)
図10A、図10Bは、本発明の第2の実施形態の磁気抵抗効果素子の第1強磁性層10の構造を模式的に示している。第2の実施形態は、磁化固定領域11a、11bの構造に関する。図10Aは斜視図であり、図10Bは図10Aに示されるx−y−z座標系におけるx−z断面図を示している。
図10A、図10Bに示されているように、磁化固定領域の上面が磁化自由領域12の上面12Tよりも高い位置に形成され、下面が磁化自由領域12の上面12Tよりも低い位置に形成されている構造は、磁化固定領域11a、11bの一方にのみ採用されることが可能である。図10A、図10Bでは、第1磁化固定領域11aの上面11aTが磁化自由領域12の上面12Tよりも高い位置に形成され、また第1磁化固定領域11bの下面12Bよりも低い位置に形成される一方で、第2磁化固定領域11bの上面11bTと第2磁化固定領域11bの下面11bBはそれぞれ磁化自由領域12の上面12T、下面12Bと同じ高さに形成される。この場合でも、磁化固定領域11aと磁化自由領域12の境界に過度なピニング力は発生しなくなるため、書き込み電流の上昇を抑えることができる。
また図10A、図10Bに示される構造においても、図10Cに示されるように磁化固定領域11bに隣接させて電極層40bを設けることによって、前述の電流密度の減少によって、書き込みの際に磁壁は磁化自由領域12と第2磁化固定領域11bの境界で停止させることができる。また、第2磁化固定領域11bの電流密度をより積極的に減少させるためには、(図20A、図20Bを用いて後述されるように)、第1強磁性層10の平面形状、特に幅の変化を持たせることも有効である。加えて、磁壁をより安定して停止させるためには、図19Aを用いて後述されるように、第1強磁性層10に局所的な形状の変化を持たせてもよい。
(第3の実施形態)
図11A、11B、図12A、12Bは、本発明の第3の実施形態の磁気抵抗効果素子の第1強磁性層10の構造を模式的に示している。第3の実施形態は、磁化固定領域11の積層構成に関する。図11A、図12Aは斜視図であり、図11B、図12Bは図11A、図12Aに示されるx−y−z座標系におけるx−z断面図を示している。
第1、第2の実施形態では、第1強磁性層10が垂直磁気異方性を有する強磁性体から構成されることを述べたが、実際には第1強磁性層10が、その内部に非磁性体層を含んでもよい。図11A、図11B、図12A、図12Bは、第1強磁性層10が第2非磁性層15a、15bを含む例を示している。第2非磁性層15の位置には任意性がある。図11A、図11Bではこのうち磁化自由領域12の高さよりも低い位置に第2非磁性層15が設けられる例が示されており、図12A、12Bには磁化自由領域12の高さよりも高い位置に第2非磁性層15が設けられる例が示されている。
即ち、図11A、図11Bに図示される第1強磁性層10では、磁化固定領域11aが、強磁性膜16aと、第2非磁性層15aと、強磁性部分17aと、強磁性膜18aとを備えている。同様に、磁化固定領域11bは、強磁性膜16bと、第2非磁性層15bと、強磁性部分17bと、強磁性膜18bとを備えている。強磁性部分17a、17bは、磁化自由領域12と一体に形成される部分であり、強磁性部分17a、17bは、磁化自由領域12と同一の工程で形成される。第2非磁性層15aは、強磁性膜16aと強磁性部分17aの間に、強磁性部分17aの下面に接合して設けられている。同様に、第2非磁性層15bは、強磁性膜16bと強磁性部分17bの間に、強磁性部分17bの下面に接合して設けられている。
一方、図12A、図12Bに図示されている第1強磁性層10では、第2非磁性層15aが、強磁性膜16aと強磁性部分17aの間に、強磁性部分17aの上面に接合して設けられている。同様に、第2非磁性層15bは、強磁性膜16bと強磁性部分17bの間に、強磁性部分17bの上面に接合して設けられている。
図12Cに示されているように、磁化自由領域12の上に第1非磁性層20と第2強磁性層30が設けられ、第1強磁性層10、第1非磁性層20、及び第2強磁性層30によってMTJ(又はGMR素子)が形成される。
第2非磁性層15a、15bが第1強磁性層10内に設けられても、本発明における磁壁のピニング力のコントロールによる書き込み電流の低減の効果は得られる。これは、図8を用いて説明した原理は、第1強磁性層10内において、図8で斜線を施された領域が磁化自由領域12から離れた位置にあったとしても同様に当てはまるためである。
第2非磁性層15を第1強磁性層10内に設けることによって、製造が容易となる上、より好ましい材料特性も発現し易くなる。前述のように第1強磁性層10を形成するためには、いくつかのステップを経る必要があるが、この際製造プロセスの都合から非磁性層を挿入した方が、製造が容易になる場合がある。例えば、垂直磁気異方性を有する強磁性体層の下地層やキャップ層、保護層として非磁性層を用いた場合、インテグレーションの過程でこれらは第1強磁性層10内に残ってしまうことが考えられるが、このような場合でも、過度なピニング力の抑制の効果を得ることができる。
第2非磁性層15の位置や膜厚は、様々に変更可能である。さらに磁化自由領域12の上側、下側の両側に第2非磁性層15が設けられてもよい。
第2非磁性層15の材料は、様々に選択可能である。Ta、W、Ti、Ti−N、Zr−Nなどの導電性材料や、SiO2、SiN、Al−O、Mg−Oなどの絶縁性の材料などを用いることができる。また図12Cに示されるように、第2非磁性層15aは第1非磁性層20と同一高さに形成されてもよい。これによってMTJのトンネルバリアと同一プロセスで形成することが可能となり、製造プロセスが簡略化される。
(第4の実施形態)
図13A〜図13Cは、本発明の第4の実施形態の磁気抵抗効果素子の構造を模式的に示している。第4の実施形態は、第1強磁性層10からのデータ読み出しに関する。図13Aは斜視図であり、図13B、図13Cはそれぞれ図13Aに示されるx−y−z座標系におけるx−y平面図、x−z断面図を示している。
第4の実施形態では、データが記憶される第1強磁性層10とは別にMTJが設けられ、そのMTJがデータ読み出しに使用される。より具体的には、第4の実施形態では、第1強磁性層10の他に、第3強磁性層210、第3非磁性層220、及び第4強磁性層230が設けられる。第3強磁性層210と第1強磁性層10とは、コンタクト層240によって接続されている。第3非磁性層220は、第3強磁性層210と第4強磁性層230の間に設けられている。第3強磁性層210、第3非磁性層220、第4強磁性層230は、磁気トンネル接合(MTJ)を形成している。
第3強磁性層210の重心は第1強磁性層10の磁化自由領域12の重心に対してx−y面内でずれて設けられる。いまこのずれの方向を「ずれ方向」と定義する。
第3強磁性層210及び第4強磁性層230は面内方向に磁気異方性を有する強磁性体から構成される。第3強磁性層210の磁気異方性の方向は、面内方向において任意である。一方、第4強磁性層230の磁化は実質的に一方向に固定されている。この方向は「ずれ方向」に平行方向であることが望ましい。
第4の実施形態では、第1強磁性層10の磁化自由領域12の垂直方向の磁化の方向として記憶されたデータが、第3強磁性層210、第3非磁性層220、第4強磁性層230から構成される面内磁化を有するMTJを用いて読み出される。詳細には、第1強磁性層10の磁化自由領域12が第3強磁性層210に磁気的に結合されており、第1強磁性層10の磁化自由領域12の垂直方向の磁化の方向が、第3強磁性層210の面内方向の磁化の方向となって現れる。第3強磁性層210の面内方向の磁化の方向が、MTJの抵抗の変化として検知され、MTJの抵抗の変化からデータが識別される。
第4の実施形態における読み出し動作の原理を、図14A、図14Bを用いて詳細に説明する。図14Aは、第1強磁性層10が“0”状態にある場合の各層の磁化の状態を示しており、図14Bは、第1強磁性層10が“1”状態にある場合の磁化の状態を示している。なお、磁化固定領域11a、磁化固定領域11b、第4強磁性層230の磁化はそれぞれz軸の正方向、負方向、y軸負方向に固定されているものとして描かれているが、第1磁化固定領域11a、第2磁化固定領域11b、第4強磁性層230の磁化の方向には任意性がある。この任意性は、当業者には自明であろう。
いま、図14Aに示されるように、第1強磁性層10が、磁化自由領域12が下方向に磁化した“0”状態にある場合、第3強磁性層210の磁化は、磁化自由領域12の下方向の磁化によって生ずる漏れ磁束によってy軸負方向を向く。これは第3強磁性層210が磁化自由領域12の下側(z軸負の方向)に配置され、かつ第3強磁性層210の重心が磁化自由領域12に対してy軸の負の方向にずれて設けられているためである。これによって第3強磁性層210、第4強磁性層230の磁化は平行となり、MTJは低抵抗状態となる。
一方、図14Bに示されるように、第1強磁性層10が、磁化自由領域12が上方向に磁化した“1”状態にある場合、第3強磁性層210の磁化は、磁化自由領域12の上方向の磁化によって生ずる漏れ磁束によってy軸正方向を向く。これによって第3強磁性層210、第4強磁性層230の磁化は反平行となり、MTJは高抵抗状態となる。
かくして磁化自由領域12の垂直方向の磁化として記憶されたデータは、面内磁化を有する第3強磁性層210の磁化に伝達され、第3強磁性層210、第3非磁性層220、第4強磁性層230から構成されるMTJによって読み出される。
面内磁化を有する強磁性層によって構成されるMTJでは一般的に高い磁気抵抗効果比(MR比)を得ることができる。したがって、第4の実施形態の磁気抵抗効果素子では、大きな読み出し信号を得ることができる。
なお、図13A〜図13Cでは第3強磁性層210、第3非磁性層220、第4強磁性層230は第1強磁性層10に対して下側(z軸負方向)に配置されるものとして描かれているが、この位置には任意性があり、例えば上側であっても構わない。また第3強磁性層210の重心の磁化自由領域12の重心からのずれの方向である「ずれ方向」は、図ではy軸負の方向であるものとして描かれているが、これについても任意性があり、y軸正方向でもよく、或いはx成分を含んでいてもよい。
(第5の実施形態)
図15A、図15Bは本発明に係る磁気抵抗効果素子の第5の実施形態の構造を模式的に示している。第5の実施形態は磁化固定領域の構成に関する。図15Aは斜視図であり、図15Bは図15Aに示されるx−y−z座標系におけるx−z断面図を示している。
いま、図15Bに示されるように第1磁化固定領域11aのうちの磁化自由領域12と同一高さに位置する領域を領域11a−0、それよりも高い位置の領域を11a−1、低い領域を領域11a−2と定義する。同様に第2磁化固定領域11bのうちの磁化自由領域12と同一高さに位置する領域を領域11b−0、それよりも高い位置の領域を領域11b−1、低い領域を領域11b−2と定義する。このとき、領域11b−1、領域11b−2の材料、特性、膜厚は、様々に変更可能である。例えば、領域11b−1、領域11b−2とで膜厚は異なっていてもよく、また材料や特性(例えば磁化)も異なっていてもよい。
一例として、領域11a−1の磁化が領域11a−2の磁化に比べて大きい場合について図16で示されている。図16では領域11a−1、領域11a−2の磁化が領域11a−0及び磁化自由領域12に形成する磁場が、矢印13で模式的に示されている。図16のように領域11a−1、領域11a−2の磁化の大きさが異なる場合、磁化自由領域12の第1磁化固定領域11aとの境界14では、有限な磁場が残ることになる。このように意図的に膜厚や材料特性を調整することによって、磁壁のピニング力を調整することができる。
(第6の実施形態)
図17A、17Bは、本発明の第6の実施形態の磁気抵抗効果素子の構造を模式的に示している。第6の実施形態も磁化固定領域の構成に関する。図17Aは斜視図であり、図17Bは、図17Aに示されるx−y−x座標系におけるx−z断面図を示している。
第6の実施形態では、第1の実施形態とは異なり、磁化固定領域11a、11bのうちの少なくとも一方が、上面が磁化自由領域12の上面12Tよりも高い位置に形成されており、下面が磁化自由領域12の下面12Bよりも低い位置に形成される構造を採用している。第6の実施形態では、磁化固定領域11a、11bの両方にこのような構造が採用されている。即ち、磁化固定領域11a、磁化固定領域11bの上面11aT、11bTが磁化自由領域12の上面12Tよりも低い位置に形成される一方、磁化固定領域11a、第2磁化固定領域11bの下面11aB、11bBが磁化自由領域12の下面12Bよりも高い位置に形成されている。
図17A、図17Bに示した構成においても、図8を用いて説明した本発明の効果と同等の効果を得ることができる。図18はその様子を模式的に示している。図18では第1磁化固定領域11aの磁化がその周囲に形成する磁場が矢印13で示されている。図18のように磁化自由領域12と第1磁化固定領域11aの境界14においては、x軸の正方向と負方向の磁場が発生し、これらが相殺することによって大きな磁壁のピニング力とならないことがわかる。
なお、磁化固定領域11a、11bの一方は、第1の実施形態の構造(即ち、上面が、磁化自由領域12の上面12Tよりも高い位置に形成されており、下面が磁化自由領域12の下面12Bよりも低い位置に形成される構造)で形成される一方、他方が、第6の実施形態の構造(即ち、上面が、磁化自由領域12の上面12Tよりも低い位置に形成されており、下面が磁化自由領域12の下面12Bよりも高い位置に形成される構造)で形成されてもよい。
なお、書き込みの際はこの境界14にて磁壁を停止させる必要があるが、これはここに前述のような電極層40a、40bを設ける、或いは後述されるように第1強磁性層10の平面形状を調整することによって実現することができる。
(第7の実施形態)
図19A〜19E、20A、20B、及び21A、21Bは、本発明の第7の実施形態の磁気抵抗効果素子の第7の実施形態の構造を模式的に示している。第7の実施形態は、第1強磁性層10の平面形状に関する。
図1A〜1Cでは、第1強磁性層10がx−y面内において長方形であるものとして描かれているが、図19A〜19E、20A、20B、及び21A、21Bに示されているように、第1強磁性層10の平面形状は、様々に変更可能である。図19A〜19E、図20A、図20B、図21Bはx−y平面図を示している。また図21Aは、図21Bのような平面形状を有する第1強磁性層10の斜視図を示している。
図19Aに示されるように、第1強磁性層10にノッチ(切り欠き)が設けられてもよい。このノッチは、第1磁化固定領域11aと磁化自由領域12の境界、及び第2磁化固定領域11bと磁化自由領域12の境界に設けられる。これにより、磁壁のピニング位置を明確に規定することができる。ノッチの代わりに突出部が設けられることも可能である。
また、図19B〜19Eに示されるように、第1強磁性層10は、中央部が太くなるように形成されてもよい。磁壁は系全体のエネルギーを下げるために、なるべく細い部分に動く性質があるが、図19B〜図19Eに示されるように中央部を太く形成することによって、中央部で磁壁が止まりにくくなり、安定した2値状態が実現される。
また、図20A、図20Bに示されるように、第1強磁性層10は、磁化固定領域11の幅が磁化自由領域12の幅に比べて太くなるように形成されてもよい。図20Aは、磁化固定領域11a、磁化固定領域11bの両方が太く形成される例が示されており、図20Bでは磁化固定領域11bのみが太く形成される例が示されている。磁化固定領域11の幅を磁化自由領域12に比べて太く形成することによって、磁壁が磁化自由領域12を通り越して磁化固定領域11に侵入することを防ぐことができる。これは磁化固定領域においては、幅が広がるため、電流密度が下がるためである。
また、図21A、図21Bに示されるように、第1強磁性層10は、Y字型に形成されてもよい。図21A、図21Bの構造においては、第1強磁性層10はx方向に延伸して設けられる磁化自由領域12と、その一方の端部(−x側)に接続して設けられる磁化固定領域11aと、同じく一方の端部に接続して設けられる磁化固定領域11bにより形成される。すなわち第1強磁性層10が、三叉路を形成する。この場合も磁化固定領域11aと磁化固定領域11bの磁化は、垂直方向で互いに反平行方向に固定される。また磁化自由領域12の磁化は垂直方向で上下に反転可能である。
第1強磁性層10が図21A、図21Bに示されるようなY字型の形状を有する場合の書き込み方法について図22A、図22Bを用いて説明する。図22Aは、第1強磁性層10が“0”状態にある場合にデータ“1”を書き込む動作を模式的に示しており、図22Bは、第1強磁性層10が“1”状態にある場合にデータ“0”を書き込む動作を示している。
図22Aに示されるように、第1強磁性層10が、磁化自由領域12が下向きに磁化した“0”状態にある場合、磁化固定領域11aと磁化自由領域12の境界に磁壁(DW)が形成される。ここで図22Aの点線の方向に電流を流せば、電流誘起磁壁移動現象により磁壁(DW)は磁化自由領域12の磁化固定領域11aと接続される端部とは反対側へと移動し、第1強磁性層10が、図22Bに示されるような“1”状態へと遷移する。同様に、第1強磁性層10が、図22Bに示されるような磁化自由領域12が上向きに磁化した“1”状態にある場合、第2磁化固定領域11bと磁化自由領域12の境界に磁壁(DW)が形成される。ここで図22Bの点線の方向に電流を流せば、電流誘起磁壁移動現象により磁壁(DW)は磁化自由領域12の第2磁化固定領域11bと接続される端部とは反対側へと移動し、第1強磁性層10が、図22Aに示されるような“0”状態へと遷移する。このようにしてデータの書き換えが可能である。
第1強磁性層10が図21A、図21Bに示されるような三叉路形状に形成されることによって、磁壁が磁化自由領域12の端部に抜かれることによって書き込みが行われる。このような書き込みプロセスによって、より安定した書き込み動作を実現することができる。
上記には本発明の実施形態が様々に記載されているが、本発明は、上述の実施形態に限定して解釈されてはならない。本発明は、上述の実施形態から様々に変更されて実施され得ることは当業者には自明的であろう。なお、矛盾しない限り、上述の実施形態の構造のうちの複数が、一の磁気抵抗効果素子に組み合わせて採用されてもよいことに留意されたい。
図1Aは、本発明の第1の実施形態の磁気抵抗効果素子の構成を示す斜視図である。 図1Bは、第1の実施形態の磁気抵抗効果素子の構成を示す平面図である。 図1Cは、第1の実施形態の磁気抵抗効果素子の構成を示す断面図である。 図2は、図1の磁気抵抗効果素子の磁化配置を示す断面図である。 図3Aは、第1の実施形態の磁気抵抗効果素子の書き込み動作を概念的に示す断面図である。 図3Bは、第1の実施形態の磁気抵抗効果素子の書き込み動作を概念的に示す断面図である。 図4Aは、第1の実施形態の磁気抵抗効果素子の読み出し動作を概念的に示す断面図である。 図4Bは、第1の実施形態の磁気抵抗効果素子の読み出し動作を概念的に示す断面図である。 図5Aは、第1の実施形態の磁気抵抗効果素子の初期化動作を概念的に示す断面図である。 図5Bは、第1の実施形態の磁気抵抗効果素子の初期化動作を概念的に示す断面図である。 図6Aは、強磁性層に段差が設けられた磁気抵抗効果素子の構造を示す斜視図である。 図6Bは、強磁性層に段差が設けられた磁気抵抗効果素子の構造を示す断面図である。 図7は、図6A、図6Bに示された構造の強磁性層に発生する磁場を示す概念図である。 図8は、第1の実施形態の磁気抵抗効果素子の第1強磁性層に発生する磁場を示す概念図である。 図9は、第1の実施形態の磁気抵抗効果素子が集積化された磁気メモリセルの回路構成を示す回路図である。 図10Aは、本発明の第2の実施形態の磁気抵抗効果素子の構成を示す斜視図である。 図10Bは、第2の実施形態の磁気抵抗効果素子の構成を示す平面図である。 図10Cは、第2の実施形態の磁気抵抗効果素子の構成を示す断面図である。 図11Aは、本発明の第3の実施形態の磁気抵抗効果素子の構成を示す斜視図である。 図11Bは、本発明の第3の実施形態の磁気抵抗効果素子の構成を示す断面図である。 図12Aは、第3の実施形態の磁気抵抗効果素子の構成を示す斜視図である。 図12Bは、第3の実施形態の磁気抵抗効果素子の構成を示す断面図である。 図12Cは、第3の実施形態の磁気抵抗効果素子の構成を示す断面図である。 図13Aは、第4の実施形態の磁気抵抗効果素子の構成を示す斜視図である。 図13Bは、第4の実施形態の磁気抵抗効果素子の構成を示す平面図である。 図13Cは、第4の実施形態の磁気抵抗効果素子の構成を示す断面図である。 図14Aは、第4の実施形態の磁気抵抗効果素子の読み出し動作を概念的に示す断面図である。 図14Bは、第4の実施形態の磁気抵抗効果素子の読み出し動作を概念的に示す断面図である。 図15Aは、本発明の第5の実施形態の磁気抵抗効果素子の構成を示す斜視図である。 図15Bは、本発明の第5の実施形態の磁気抵抗効果素子の構成を示す断面図である。 図16は、第5の実施形態の磁気抵抗効果素子の第1強磁性層に発生する磁場を示す概念図である。 図17Aは、第6の実施形態の磁気抵抗効果素子の構成を示す斜視図である。 図17Bは、第6の実施形態の磁気抵抗効果素子の構成を示す断面図である。 図18は、第6の実施形態の磁気抵抗効果素子の第1強磁性層に発生する磁場を示す概念図である。 図19Aは、第7の実施形態の磁気抵抗効果素子の第1強磁性層の平面形状の一例を示す平面図である。 図19Bは、第7の実施形態の磁気抵抗効果素子の第1強磁性層の平面形状の他の例を示す平面図である。 図19Cは、第7の実施形態の磁気抵抗効果素子の第1強磁性層の平面形状の他の例を示す平面図である。 図19Dは、第7の実施形態の磁気抵抗効果素子の第1強磁性層の平面形状の他の例を示す平面図である。 図19Eは、第7の実施形態の磁気抵抗効果素子の第1強磁性層の平面形状の他の例を示す平面図である。 図20Aは、第7の実施形態の磁気抵抗効果素子の第1強磁性層の平面形状の他の例を示す平面図である。 図20Bは、第7の実施形態の磁気抵抗効果素子の第1強磁性層の平面形状の他の例を示す平面図である。 図21Aは、第7の実施形態の磁気抵抗効果素子の構成の他の例を示す斜視図である。 図21Bは、図21Aに図示された磁気抵抗効果素子の構成の平面形状を示す平面図である。 図22Aは、図21A、図21Bに図示された磁気抵抗効果素子への書き込み動作を概念的に示す平面図である。 図22Bは、図21A、図21Bに図示された磁気抵抗効果素子への書き込み動作を概念的に示す平面図である。
符号の説明
10:第1強磁性層
11、11a、11b:磁化固定領域
11aT、11bT:上面
11aB、11bB:下面
11a−0、11a−1、11a−2:領域
11b−0、11b−1、11b−2:領域
12:磁化自由領域
12T:上面
12B:下面
13:矢印
14:境界
15、15a、15b:第2非磁性層
16a、16b:強磁性膜
17a、17b:強磁性部分
18a、18b:強磁性膜
20:第1非磁性層
30:第2強磁性層
40a、40b:電極層
100a、100b:MOSトランジスタ
101:グラウンド線
102a、102b:ビット線
103:ワード線
210:第3強磁性層
220:第3非磁性層
230:第4強磁性層
240:コンタクト層

Claims (11)

  1. 垂直磁気異方性を有する強磁性体により構成される第1強磁性層を具備し、
    前記第1強磁性層は、
    第1方向に固定された磁化を有する第1磁化固定領域と、
    前記第1方向と反平行方向に固定された磁化を有する第2磁化固定領域と、
    前記第1及び第2磁化固定領域に接合された、反転可能な磁化を有する磁化自由領域
    とを備え、
    前記第1磁化固定領域と前記磁化自由領域のうちの一方の上面は他方の上面よりも基板垂直方向において高い位置に形成され、
    前記第1磁化固定領域と前記磁化自由領域のうちの前記一方の下面は前記他方の下面よりも基板垂直方向において低い位置に形成される
    磁気抵抗効果素子。
  2. 請求項1に記載の磁気抵抗効果素子であって、
    前記第1磁化固定領域は、その上面が前記磁化自由領域の上面よりも基板垂直方向において高い位置に形成され、その下面が前記磁化自由領域の下面よりも基板垂直方向において低い位置に形成される
    磁気抵抗効果素子。
  3. 請求項1又は2に記載の磁気抵抗効果素子であって、
    前記磁化自由領域に対向するように設けられた第2強磁性層と、
    前記第2強磁性層と前記磁化自由領域の間に設けられた第1非磁性層
    とを備え、
    前記第2強磁性層は、少なくともその一部分において垂直方向に固定された磁化を有する
    磁気抵抗効果素子。
  4. 請求項1又は2に記載の磁気抵抗効果素子であって、
    前記第1強磁性層に磁気的に結合して設けられる第3強磁性層と、
    前記第3強磁性層に対向するように設けられた第4強磁性層と、
    前記第3強磁性層と前記第4強磁性層との間に設けられた第2非磁性層
    とを備え、
    前記第3強磁性層の重心は前記磁化自由領域の重心に対して面内方向である第2方向にずれて設けられ、
    前記第3強磁性層は、面内方向に反転可能な磁化を有し、
    前記第4強磁性層は、前記第2方向に略平行に固定された磁化を有する
    磁気抵抗効果素子。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子であって、
    前記第1磁化固定領域が、前記磁化自由領域の一方の端部に接合され、
    前記第2磁化固定領域が、前記磁化自由領域の他方の端部に接合された
    磁気抵抗効果素子。
  6. 請求項1乃至4のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子であって、
    前記第1磁化固定領域が、前記磁化自由領域の一方の端部に接合され、
    前記第2磁化固定領域が、前記磁化自由領域の前記一方の端部に接合された
    磁気抵抗効果素子。
  7. 請求項1乃至4のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子であって、
    前記第1及び第2磁化固定領域の少なくとも一方が、面内方向において前記磁化自由領域よりも幅が広く形成された
    磁気抵抗効果素子。
  8. 請求項2に記載の磁気抵抗効果素子であって、
    前記第1磁化固定領域は、
    前記磁化自由領域よりも基板垂直方向において高い位置に位置する第1領域と、
    前記磁化自由領域よりも基板垂直方向において低い位置に位置する第2領域
    とを備え、
    前記第1領域と前記第2領域は、磁化と膜厚の少なくとも一方が異なる
    磁気抵抗効果素子。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子であって、
    前記第1及び前記第2磁化固定領域の少なくとも一方が電極層に接合される
    磁気抵抗効果素子。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子であって、
    前記第1及び前記第2磁化固定領域の少なくとも一方は、非磁性層を含む
    磁気抵抗効果素子。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の磁気抵抗効果素子を備える
    磁気ランダムアクセスメモリ。
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