JP2009245773A - リチウム二次電池及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】充放電サイクル経過に伴う負極内の集電性の低下を抑制し、エネルギー密度高く、かつ充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供する。
【解決手段】負極活物質粒子として、メディアン径が3μm以上6μm以下、かつ粒径2μm以上7μm以下の範囲に60体積%以上存在する粒度分布を有する、ケイ素及び/またはケイ素合金を含む粒子Aと、メディアン径が9μm以上15μm以下、かつ粒径7μm以上17μm以下の範囲に60体積%以上存在する粒度分布を有する、ケイ素及び/またはケイ素合金を含む粒子Bとを、重量比(粒子A:粒子B)10:90〜25:75の範囲で混合した混合粒子を用い、以下に示す構造を有するポリイミド樹脂を、負極バインダーとして用いる。
Figure 2009245773

【選択図】図1

Description

本発明は、リチウム二次電池及びその製造方法に関するものである。
最近、リチウム二次電池においては、高エネルギー密度化を目的として、現在実用化されている黒鉛材料に代わり、リチウムとの合金化反応によってリチウムを吸蔵するAl、Sn、Siなどの元素の合金材料が、新たな負極活物質の候補として検討されている。
しかしながら、リチウムと合金化する材料を活物質として用いた電極では、リチウムの吸蔵・放出時の活物質の体積変化が大きいため、活物質の微粉化や集電体からの離脱が生じ易く、電極内の集電性が低下して、充放電サイクル特性が悪くなるという問題がある。
そこで、電極内に高い集電性を与えるため、ケイ素を含む材料からなる活物質とバインダーとを含む合剤層を非酸化性雰囲気下で焼結して配置することにより得られた負極が、良好な充放電サイクル特性を示すことが見出されている(特許文献1)。
さらに、ケイ素活物質粒子の粒径を制御することにより、サイクル特性がさらに改善されることが見出されている(特許文献2〜5)。
しかしながら、充放電サイクル特性をさらに改善することが求められている。
特開2002−260637号公報 特開2004−22433号公報 特開2006−278124号公報 特開2007−73334号公報 特開2007−234336号公報
本発明の目的は、充放電サイクル経過に伴う負極内の集電性の低下を抑制し、エネルギー密度が高く、かつ充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、負極活物質粒子及び負極バインダーを含む負極活物質層が負極集電体の表面上に形成された負極と、正極と、非水電解質とを備えるリチウム二次電池であって、メディアン径(D50)が3μm以上6μm以下であり、かつ粒径2μm以上7μm以下の範囲に60体積%以上存在する粒度分布を有する、ケイ素及び/またはケイ素合金を含む粒子Aと、メディアン径(D50)が9μm以上15μm以下であり、かつ粒径7μm以上17μm以下の範囲に60体積%以上存在する粒度分布を有する、ケイ素及び/またはケイ素合金を含む粒子Bとを、重量比(粒子A:粒子B)10:90〜25:75の範囲で混合した混合粒子を、負極活物質粒子として用い、以下に示す構造を有するポリイミド樹脂を、負極バインダーとして用いることを特徴としている。
Figure 2009245773
本発明に従い、ケイ素及び/またはケイ素合金を含む粒子Aと、ケイ素及び/またはケイ素合金を含む粒子Bとを、上記重量比の範囲で混合した混合粒子を負極活物質粒子として用い、上記構造を有するポリイミド樹脂を負極バインダーとして用いることにより、充放電サイクル経過に伴う負極内の集電性の低下を抑制し、エネルギー密度が高く、かつ充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池とすることができる。
このような本発明の作用効果が得られる理由は、以下の通りである。
本発明に従い、相対的に大きな活物質粒子に対して相対的に小さな活物質粒子を少ない割合で混合することにより、負極合剤層内において、相対的に大きな活物質粒子の間の隙間に、相対的に小さな活物質粒子が入り込んだ充填性の高い構造とすることができる。このため、活物質間の接触割合が増加し、負極合剤層内の電子伝導性が増加する。
さらに、相対的に大きな活物質粒子に対する相対的に小さな活物質粒子の混合比を、上記重量比の範囲内に制御することにより、大きな活物質粒子間の隙間に小さな活物質粒子が適切量存在した構造になる。上記重量比において、粒子Aの割合が10未満であると、小さな活物質粒子(粒子A)の量が少な過ぎるため、活物質間の接触割合の増加が図れず、集電性が向上しない。また、粒子Aの重量比が25より多くなると、サイクル経過に伴う劣化(膨化、変質)が生じ易い小さな活物質粒子(粒子A)が多過ぎるため、サイクル特性が低下する。小さな活物質粒子は、大きな活物質粒子に比べ、質量当たりの表面積が大きいので、電解液との接触面積が多く、活物質表面の電解液との副反応も生じ易くなっており、活物質の劣化を生じ易い。
また、負極バインダーとして、上記構造を有するポリイミド樹脂を用いることにより、充放電時に負極活物質粒子の体積変化が生じた際にも、活物質粒子間の配置が保持され、高い集電性が保持される。これは、上記ポリイミド樹脂がケイ素と高い密着性を有し、かつ機械的強度に優れるためである。バインダーのケイ素負極活物質粒子との密着性や機械的強度が低い場合には、充放電に伴ってケイ素活物質粒子の体積変化が生じた際に、負極合剤層の構造が破壊されるため、小さな活物質粒子を混合することによる効果が十分に得られない。
本発明の負極活物質粒子は、結晶子サイズが、100nm以下であることが好ましい。この場合、粒子径に対する結晶子サイズの小ささから、粒子内に多くの結晶子が存在する。従って、粒子表面では、多くの結晶子の面が現れることとなるため、表面に細かな凹凸が存在している。このため、バインダーと負極活物質粒子とのアンカー効果がより大きく得られるため、より高い密着性を得ることが可能となる。従って、充放電後においても、大きな活物質粒子間の隙間に小さな活物質粒子が入り込んだ充填性の高い負極合剤層構造の安定性がさらに高まり、より高い集電性が得られる。
また、このアンカー効果は、バインダーであるポリイミド樹脂のガラス転移温度である300℃を超える温度で熱処理を行うことにより、さらに促進することができる。ガラス転移温度以上での熱処理により、ポリイミド樹脂が可塑性領域となるため、ポリイミドの活物質粒子表面の凹凸内への入り込みがさらに大きく生じ、ポリイミドの熱融着効果が発現される。このため、さらに大きな密着性を得ることができる。
負極の熱処理の温度の上限温度としては、450℃が好ましい。450℃を超える温度では、本発明のバインダーである上記ポリイミド樹脂の熱分解が多く生じ、バインダーの強度が大きく低下するので、密着性が低下し、充放電特性が低下する場合がある。
本発明の負極活物質粒子は、上記粒子Aと上記粒子Bを上記重量比で混合することにより、メディアン径(D50)が9μm以上14μm以下であり、粒径2μm以上7μm以下の範囲に9体積%以上20体積%以下、粒径7μm以上17μm以下の範囲に61体積%以上86体積%以下存在する粒度分布を負極活物質粒子が有していることが好ましい。これにより、上記の活物質粒度の制御による充填性の向上、及び上記ポリイミド樹脂をバインダーとして使用することによる密着性の向上の効果がさらに効果的に発現し、充放電に伴う負極活物質の体積変化が生じた際にも、負極合剤層内の高い集電性が保持され、優れた充放電サイクル特性を得ることができる。
なお、本発明の負極活物質粒径制御による電子伝導性向上効果は、黒鉛活物質系においても同様に得ることが可能であるが、本発明のようなバインダー性能への依存度は非常に低い。これは、黒鉛材料ではリチウムの吸蔵・放出時の体積変化がケイ素材料に比べて小さく、またその材料自身の電子伝導性も高いため、本発明のように機械的強度が高くかつ活物質との密着性に優れるバインダーを使用しなくとも、リチウムの吸蔵・放出時の活物質粒子間の接触性を保持できるためである。
以下、本発明における負極、正極、及び非水電解質についてさらに説明する。
(負極活物質)
本発明の負極活物質は、ケイ素及び/またはケイ素合金を含む粒子であるが、ケイ素合金としては、ケイ素と他の1種以上の元素との固溶体、ケイ素と他の1種以上の元素との金属間化合物、ケイ素と他の1種以上の元素との共晶合金などが挙げられる。
また、本発明の負極活物質粒子としては、ケイ素及び/またはケイ素合金を含む粒子の表面を金属等で被覆したものを用いてもよい。被覆方法としては、無電解めっき法、電解めっき法、化学還元法、蒸着法、スパッタリング法、化学気相成長法などが挙げられる。
また、本発明の負極活物質粒子としては、ケイ素単体の粒子も好ましく用いることができる。
結晶子サイズが100nm以下であるケイ素及び/又はケイ素合金の粒子は、熱分解法または熱還元法で作製することができる。熱分解法とは、三塩化シラン(SiHCl)、モノシラン(SiH)、ジシラン(Si)等のシラン化合物を含む材料を熱分解することによって生成されるケイ素を析出させる方法である。熱還元法とは、三塩化シラン(SiHCl)、モノシラン(SiH)、ジシラン(Si)等のシラン化合物を含む材料を還元雰囲気下で熱分解することによって生成されるケイ素を析出させる方法である。
結晶子サイズのより小さなケイ素粒子を熱分解法または熱還元法で作製するには、シラン化合物を熱分解する温度が可能な限り低いことが好ましい。温度が低いほど、結晶子サイズが小さな粒子が生成される可能性が高くなる。熱分解法、熱還元法の原料として、三塩化シラン(SiHCl)を用いた際には、ケイ素を適切に析出できる熱分解に必要な最低温度は900〜1000℃程度となるが、モノシラン(SiH)を用いた際には、600〜800℃程度であり、より低い温度でのケイ素の析出が可能となる。従って、本発明に適した結晶子サイズの小さいケイ素粒子の作製には、モノシラン(SiH)を原料とすることが好ましい。
また、本発明のケイ素粒子及びケイ素合金粒子は、熱分解法や熱還元法で作製されたケイ素の塊を粉砕、分級することにより、作製することが好ましい。例えば、粉砕及び分級の度合いを変えることにより、メディアン径(D50)及び粒度分布の異なるケイ素粒子及びケイ素合金粒子を得ることができ、本発明の粒子A及び粒子Bを得ることができる。
(負極バインダー)
本発明に用いる負極バインダーは、上記化学構造を有するポリイミド樹脂である。重量平均分子量としては、30000〜200000の範囲であることが好ましい。上述のように、負極合剤層を形成した後、負極バインダーであるポリイミド樹脂のガラス転移温度(300℃)を超える温度で熱処理することが好ましい。これにより、活物質粒子の表面の凹凸内にポリイミド樹脂が入り込み、さらに大きな密着性を得ることができる。この熱処理温度は、上述のように、負極バインダーの熱分解が生じないように、450℃以下であることが好ましい。
本発明のリチウム二次電池における負極バインダーの量は、負極合剤層の総重量の5重量%以上、バインダーの占める体積が負極活物質層の総体積の5%以上であることが好ましい。ここで、負極活物質層の総体積とは、活物質層内に含まれる活物質やバインダーなどの材料それぞれの体積を総和したものであり、活物質層内に空隙が存在する場合にはこの空隙が占める体積を含まないものとする。
(負極集電体)
本発明の負極集電体としては導電性金属箔が好ましく用いられ、負極活物質層が配置される面の表面粗さRaが0.2μm以上10μm以下であることが好ましい。このような表面粗さRaを有する導電性金属箔を負極集電体として用いることにより、集電体の表面凹凸部分に負極バインダーが入り込み、バインダーと集電体間にアンカー効果が発現して高い密着性が得られため、リチウム吸蔵、放出に伴うケイ素活物質粒子の体積変化を生じても、活物質層の集電体からの剥離が抑制される。集電体の両面に負極活物質層を配置する場合には、集電体の両面において、表面粗さRaが0.2μm以上であることが好ましい。
上記の表面粗さRaと局部山頂の平均間隔Sは、100Ra≧Sの関係を有することが好ましい。表面粗さRa及び局部山頂の平均間隔Sは、日本工業規格(JIS B 0601−1994)に定められており、例えば、表面粗さ計により測定することができる。
導電性金属箔の表面粗さRaを0.2μm以上とするためには、導電性金属箔に粗面化処理を行う方法が好ましい。このような粗面化処理としては、めっき法、気相成長法、エッチング法、及び研磨法などが挙げられる。
また、本発明における負極集電体は、上記のように、負極バインダーの熱融着による密着性向上のための負極の熱処理を行う場合、熱処理による軟化性が小さい、すなわち耐熱性が高いものが好ましい。軟化により機械的強度が低下した場合、充放電時のケイ素活物質の体積変化に伴い、集電体の変形が生じるため、充放電サイクル特性が低下する。
このような高い機械的強度及び耐熱性を有する導電性金属箔としては合金箔が挙げられ、特に、銅、ニッケル、鉄、チタン、コバルト、マンガン、錫、ケイ素等の元素またはこれらの組み合わせからなる合金箔が好ましい。
(負極導電剤)
本発明の負極においては、活物質層内に導電剤として導電性粉末を混合してもよい。導電性粉末を混合することにより、活物質粒子の周囲に導電性粉末による導電性ネットワークが形成されるので、電極内の集電性を更に向上させることができる。導電性粉末としては、黒鉛粉末などの導電性炭素材料粉末、銅、ニッケル、鉄、チタン、コバルト、マンガン等の金属またはこれらの組み合わせからなる合金粉末なとが挙げられる。
導電性粉末の平均粒径は、1μm以上10μm以下であることが好ましい。
(負極作製方法)
本発明の負極は、負極バインダーの溶液中に負極活物質粒子を均一に混合、分散させたスラリーを負極集電体の表面上に塗布し、負極合剤層を配置することにより作製することが好ましい。このように作製することにより、負極活物質層中に負極バインダーが均一に存在することによって、負極バインダーによる結着効果が有効に発現され、負極内に高い密着性が得られる。
また、本発明の負極は、上記に述べたように、負極バインダーとして熱可塑性ポリイミド樹脂を用いた場合、バインダーの熱融着による更なる結着性向上のために、負極合剤層を負極集電体上に配置した状態で、負極バインダーのガラス転移温度以上、熱分解開始温度以下で、熱処理を行うことにより作製することが好ましい。また、この熱処理を行う場合で、負極集電体として銅元素を含む箔を使用した場合に、200℃以上で熱処理を行うことにより、負極集電体中の銅元素が負極活物質層中のケイ素負極活物質に拡散することにより、焼結効果が得られ、更に高い密着性を得ることができる。この熱処理を行う雰囲気としては、真空下または窒素雰囲気下またはアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下や、水素雰囲気などの還元性雰囲気下が好ましい。
(正極活物質)
本発明の正極活物質としては、化学式LiNiMnCo(0≦a≦1.1、x+y+z=1で、且つ0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)で表される層状構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物が好ましく用いられる。このようなものとしては、LiCoO、LiNiO、LiMn、LiMnO、Li Ni0.5Co0.5、Li Ni0.7Co0.3、Li Ni0.8Co0.2、LiNi0.33Co0.33Mn0.34などが例示されるが、特には、Li Ni0.8Co0.2とLiCoOとを好ましく用いることができる。また、リチウム遷移金属複合酸化物には、チタン、マグネシウム、ジルコニウム、アルミニウムから成る群から選択される少なくとも1種の元素が添加されていてもよい。
また、リチウム遷移金属複合酸化物の平均粒子径(二次粒子の平均粒子径)は、20μm以下であることが好ましい。平均粒子径が20μmを超える場合、リチウム遷移金属複合酸化物粒子内のリチウムイオンの移動距離が大きくなるため、充放電特性が低下する。
正極導電剤としては、公知の様々な導電剤を用いることができ、例えば、導電性の炭素材料を好ましく用いることができ、特には、アセチレンブラックやケッチェンブラックを好ましく用いることができる。
正極バインダーとしては、公知の様々なバインダーにおいて、本発明における非水電解質の溶媒に溶解しないものであれば制限なく用いることができ、例えば、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアクリロニトリルなどを好ましく用いることができる。
正極集電体としては導電性金属箔が好ましく用いられる。このようなものとしては、充放電時に正極に加わる電位において、非水電解質に溶解せず安定に存在するものであれば制限なく用いることができ、特にアルミニウム箔を好ましく用いることができる。
(非水電解質)
本発明のリチウム二次電池における非水電解質の溶媒は、特に限定されるものではないが、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネートや、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの鎖状カーボネートや、フルオロエチレンカーボネートなどのフッ素化カーボネートや、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル類や、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,2−ジオキサン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル類や、アセトニトリル等の二トリル類や、ジメチルホルムアミド等のアミド類などを用いることができ、これらを単独または複数組み合わせて使用することができる。特に、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合溶媒を好ましく用いることができる。
また、本発明における非水電解質の溶質としては、特に限定されるものではないが、LiPF、LiBF、LiAsFなどの化学式LiXF(式中、XはP、As、Sb、B、Bi、Al、Ga、またはInであり、XがP、AsまたはSbのときyは6であり、XがB、Bi、Al、Ga、またはInのときyは4である)で表されるものや、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CFSO)(CSO)、LiC(CFSO、LiC(CSO、LiClO、Li10Cl10、Li12Cl12などのリチウム化合物を用いることができる。これらの中でも、特にLiPFを好ましく用いることができる。
更に、本発明における非水電解質としては、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリルなどのポリマー電解質に電解液を含浸したゲル状ポリマー電解質や、LiI、LiNなどの無機固体電解質が挙げられる。
本発明の非水電解質は、CO及び/またはフルオロエチレンカーボネートを含有していることが好ましい。COや、F元素を含む炭酸エステル(フルオロエチレンカーボネート等)は、充放電時のケイ素活物質表面でのリチウムとの反応を円滑に生じさせる効果がある。これより、反応均一性が向上し、ケイ素活物質の膨化が抑制されるので、優れた充放電サイクル特性を得ることができる。
本発明における非水電解質は、リチウムイオン導電性を発現させる溶質としてのリチウム化合物と、これを溶解、保持する溶媒が電池の充放電時あるいは保存時に分解しない限り、制約なく用いることができる。
本発明によれば、充放電サイクル経過に伴う負極内の集電性の低下を抑制し、エネルギー密度が高く、かつ充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池とすることができる。
また、本発明の製造方法によれば、上記本発明のリチウム二次電池を効率良く製造することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
<実験1>
(実施例A1)
〔ケイ素負極活物質の作製〕
熱還元法により、多結晶ケイ素塊を作製した。具体的には、金属反応炉(還元炉)内に設置されたケイ素芯を通電加熱して800℃まで上昇させ、これに精製した高純度モノシラン(SiH)ガスの蒸気と、精製した水素とを混合したガスを流すことにより、ケイ素芯の表面に多結晶ケイ素を析出させ、これにより太い棒状の多結晶ケイ素塊を作製した。
次に、この多結晶ケイ素塊を粉砕し、分級することにより、純度99%の、粒度が異なる4種類の多結晶ケイ素粒子a1、a2、a3及びa4を作製した。作製した多結晶ケイ素粒子a1、a2、a3及びa4の粒度分布を図1及び表1に示す。また、各多結晶ケイ素粒子のメディアン径(D50)を、表1に示す。メディアン径は、レーザー回折法により測定した。
また、これらの多結晶ケイ素粒子においては、結晶子サイズは、32nmであった。結晶子サイズは、粉末X線回折パターンにおけるケイ素の(111)ピークの半値幅を用いて、scherrerの式により算出した。
Figure 2009245773
〔負極合剤スラリーの作製〕
分散媒としてのNMP(N−メチル−2−ピロリドン)に、上記の多結晶ケイ素粒子a1とa3を、10:90の重量比で混合した。この混合粒子と、負極導電剤としての平均粒径3.5μmの黒鉛粉末と、負極バインダーとしての上記(化1)で示される分子構造を有する熱可塑性ポリイミド樹脂A(ガラス転移温度300℃、重量平均分子量50000)の前駆体ワニス(溶媒;NMP、濃度;熱処理後(ポリマー化+イミド化後)のポリイミド樹脂の量で47重量%)とを、負極活物質粉末と負極導電剤粉末とイミド化後のポリイミド樹脂との質量比が100:3:8.6となるように混合し、負極合剤スラリーとした。
ポリイミド樹脂Aの前駆体のワニスは、以下の(化2)に示すm−フェニレンジアミンと、以下の(化3)に示す3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジエチルエステルとから作製することができる。また、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジエチルエステルは、以下の(化4)に示す3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸に無水物二NMPの存在下、2当量のエタノールを反応させることにより作製することができる。
Figure 2009245773
Figure 2009245773
Figure 2009245773
〔負極の作製〕
上記の負極合剤スラリーを、厚さ18μmの銅合金箔(C7025合金箔、組成;Cu96.2重量%、Ni3重量%、Si0.65重量%、Mg0.15重量%)の両面を粗面化した負極集電体の表面上に、25℃の空気中で塗布し、120℃の空気中で乾燥した後、25℃の空気中で圧延した。なお、銅合金箔の粗面化は、めっき法により電解銅層を表面に形成することにより行い、表面粗さRa(JIS B0601−1994)が0.25μm、平均山間隔S(JIS B0601−1994)が0.85μmとなるように粗面化した。
圧延処理した後、負極合剤層を設けた集電体を、長さ380mm、幅52mmの長方形に切り抜いた後、アルゴン雰囲気下で400℃10時間熱処理し、負極集電体の表面に負極活物質層が形成された負極を作製した。負極集電体上の負極合剤層の量は、5.6mg/cmであり、合剤層を両面に形成した負極集電体の厚みは56μmであった。
負極の端部に、負極集電タブとしてのニッケル板を接続し、負極を完成した。
〔非水電解液の作製〕
エチレンカーボネート(EC)と、ジエチルカーボネート(DEC)とを、体積比3:7となるように混合した混合溶媒に、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットル溶解させた後、この溶液に、0.4重量%の二酸化炭素ガス、及び10重量%のフルオロエチレンカーボネートを添加し、非水電解液を作製した。
〔リチウム遷移金属複合酸化物の作製〕
LiCOとCoCOとを、LiとCoのモル比が1:1の割合となるように乳鉢で混合した後、空気雰囲気中にて、800℃で24時間熱処理した後、粉砕して、平均粒子径11μmのLiCoOで表わされるリチウムコバルト複合酸化物の粉末を得た。得られた正極活物質粉末のBET比表面積は、0.37m/gであった。
〔正極の作製〕
分散媒としてのNMPに、上記の正極活物質粉末と、正極導電剤としての平均粒子径30nmの炭素粉末と、正極バインダーとしてのポリフッ化ビニリデンとを、活物質と導電剤とバインダーとの重量比が95:2.5:2.5となるように加えた後、混練し、正極合剤スラリーとした。
この正極合剤スラリーを、正極集電体としての厚み15μm、長さ402mm、幅50mmのアルミニウム箔の表面に、塗布部が表面で長さ340mm、幅50mm、裏面で長さ270mm、幅50mmとなるように塗布し、乾燥した後、圧延した。集電体の活物質層量及び正極の厚みは、両面に活物質が形成されている部分で、それぞれ45mg/cm、及び143μmであった。
なお、正極の端部にある正極合剤層を塗布していない部分には、正極集電タブとしてアルミニウム板を接続した。
〔電極体の作製〕
上記正極を1枚、上記負極を1枚、厚さ20μm、長さ450mm、幅54.5mmであるポリエチレン製微多孔膜のセパレータを2枚用いて、正極と負極とをセパレータを介して対向させ、正極タブ及び負極タブが最外周になるようにして、直径18mmの巻芯で、渦巻き状に巻回した。巻回後、巻芯を引き抜いて、渦巻き状の電極体を作製した。この渦巻き状の電極体を押し潰して、扁平型の電極体を得た。
図3は、作製した扁平型の電極体を示す斜視図である。電極体3からは、正極集電タブ1及び負極集電タブ2が外部に引き出されている。
〔電池の作製〕
上記の扁平型の電極体及び上記の電解液を、25℃1気圧のCOの雰囲気下で、アルミニウムラミネート製の外装体内に挿入及び注入し、扁平型の本発明電池A1を作製した。
図4は、作製した扁平型の本発明電池A1を示す平面図(a)及び断面図(b)である。断面図(b)は、平面図(a)のA−A線に沿う断面図である。
図4に示すように、本発明電池A1は、アルミニウムラミネート製の外装体4内に、扁平型電極体3を挿入した後、電解液を外装体4内に入れ、ヒートシール閉口部5の部分で熱溶着することにより封着して形成されている。
(実施例A2〜12及び比較例B1〜B12)
表2に示すように、ケイ素粒子Aとケイ素粒子Bを表2に示す所定の混合比に混合して得られた混合粒子を負極活物質として用いる以外は、上記本発明電池A1と同様にして負極スラリーを作製し、この負極スラリーを用い、上記本発明電池A1と同様にして、本発明電池A2〜A12及び比較電池B1〜B12を作製した。
〔充放電サイクル特性の評価〕
上記の本発明電池A1〜A12及び比較電池B1〜B12について、下記の充放電サイクル条件で、充放電サイクル特性を評価した。容量維持率(nサイクル目の放電容量を、1サイクル目の放電容量で除した値)が80%になったときのサイクル数をサイクル寿命とした。
(充放電サイクル条件)
・1サイクル目の充電条件
45mAの電流で4時間定電流充電を行った後、180mAの電流で電池電圧が4.2Vになるまで定電流充電を行い、さらに4.2Vの電圧で電流値が45mAとなるまで定電圧充電を行った。
・1サイクル目の放電条件
180mAの電流で電池電圧が2.75Vになるまで定電流充電を行った。
・2サイクル目以降の充電条件
900mAの電流で電池電圧が4.2Vになるまで定電流充電を行い、さらに4.2Vの電圧で電流値が45mAとなるまで定電圧充電を行った。
・2サイクル目以降の放電条件
900mAの電流で電池電圧が2.75Vとなるまで定電流放電を行った。
本発明電池A1〜12及び比較電池B1〜B12のサイクル寿命を表2に示す。なお、本発明電池A1〜A12及び比較電池B1〜B12のサイクル寿命は、本発明電池A1のサイクル寿命を100とした指数である。
Figure 2009245773
表2に示すように、本発明に従い、ケイ素粒子Aとケイ素粒子Bを、重量比(粒子A:粒子B)が10:90〜25:75となるように混合した混合粒子を負極活物質粒子として用い、本発明のポリイミド樹脂からなるバインダーを用いた本発明電池A1〜A12は、比較電池B1〜B12に比べ優れたサイクル特性を示している。これは、以下のような作用効果に基づくものと思われる。
すなわち、本発明電池A1〜A12においては、粒度分布が特定された大小2種類の活物質粒子を用い、大きな活物質粒子に対して小さな活物質粒子が少ない割合となるように混合し、かつケイ素との密着性を高く機械的強度に優れるバインダーを用いている。これにより、充放電に伴ってケイ素活物質粒子の体積変化が生じた際にも、負極合剤層において、大きな活物質粒子間の隙間に小さな活物質粒子が入り込む充填性の高い、すなわち粒子間の接触割合が高く、集電性の高い構造が保持されているためであると考えられる。
図5〜図8は、ケイ素粒子Aとケイ素粒子Bを所定の割合で混合した混合粒子の粒度分布を示す図である。
図5〜図8において、100/0、95/5、90/10、80/20、75/25、及び70/30は、それぞれケイ素粒子B/ケイ素粒子Aのそれぞれの重量%の混合比を示している。
図5は、メディアン径9.6μmのケイ素粒子Bと、メディアン径3.5μmのケイ素粒子Aの混合粒子の粒度分布を示している。図6は、メディアン径9.6μmのケイ素粒子Bと、メディアン径が5.7μmのケイ素粒子Aの混合粒子の粒度分布を示し、図7は、メディアン径14.1μmのケイ素粒子Bと、メディアン径3.5μmのケイ素粒子Aの混合粒子の粒度分布を示し、図8は、メディアン径14.1μmのケイ素粒子Bと、メディアン径5.7μmのケイ素粒子Aの混合粒子の粒度分布を示している。
図5〜図8から明らかなように、本発明に従い混合した混合粒子の粒度分布においては、ケイ素粒子Bに基づくピークと、ケイ素粒子Aに基づくピークまたはショルダーが観察される。
(比較例B13〜B36)
負極バインダーとして、以下の(化5)に示される分子構造を有するポリイミド樹脂Bを用いる以外は、上記実施例A1〜A12及び比較例B1〜B12と同様にして、比較電池B13〜B36を作製した。
Figure 2009245773
ポリイミド樹脂Bのガラス転移温度は195℃であり、重量平均分子量は50000である。また、ポリイミド樹脂Bの形成には、ポリイミド樹脂Bのワニス(溶媒;NMP、濃度18重量%)を用いた。また、負極活物質粉末と負極導電剤粉末とポリイミド樹脂Bとの重量比は100:3:8.6となるように混合し、負極合剤スラリーを作製した。
比較電池B13〜B36について、上記と同様にして充放電サイクル特性の評価を行い、評価結果を表3に示した。
Figure 2009245773
表3に示すように、ケイ素粒子Aとケイ素粒子Bを、本発明の範囲である重量比10:90〜25〜75の範囲で混合した混合粒子を負極活物質として用いても、バインダーとして、本発明のポリイミド樹脂以外のポリイミド樹脂を用いた場合には、充放電サイクル特性の向上が認められないことがわかる。
これは、(化5)に示す構造のバインダーが、(化1)に示す構造のバインダーに比べて、ケイ素との密着性が低いために、充放電に伴ってケイ素活物質粒子の体積変化が生じた際に、負極合剤層構造の破壊が生じ、負極活物質の粒度制御による集電性の向上の効果が得られないためであると考えられる。
<実験2>
〔ケイ素負極活物質の作製〕
金属ケイ素塊を粉砕し、分級することにより、純度98%(Al;500重量ppm、Fe;200重量ppm)の、粒度が異なる金属ケイ素粒子b1、b2、b3及びb4を作製した。金属ケイ素粒子b1、b2、b3及びb4の粒度分布を図2及び表4に示す。表4には、メディアン径(D50)を示す。
なお、これらの金属ケイ素粒子は、上記粒度においては、全て単結晶状態である。従って、結晶子サイズは、粒子径と同じサイズである。
Figure 2009245773
(実施例C1〜C12及び比較例D1〜D12)
表5に示すように、上記の金属ケイ素粒子b1、b2、b3及びb4を、ケイ素粒子Aまたはケイ素粒子Bとして用い、これらを表5に示す所定の混合比で混合した粒子を、負極活物質として用いる以外は、実験1における本発明電池または比較電池と同様にして、本発明電池C1〜C12及び比較電池D1〜D12を作製した。
〔充放電サイクル特性の評価〕
本発明電池C1〜C12及び比較電池D1〜D12について、実験1と同様にして、充放電サイクル特性を評価し、サイクル寿命を求めた。評価結果を表5に示す。なお、サイクル寿命は、本発明電池A1のサイクル寿命を100とした指数である。
Figure 2009245773
表5に示す結果から明らかなように、本発明に従い、ケイ素粒子Aとケイ素粒子Bを重量比90:10〜25:75の範囲で混合した混合粒子を負極活物質として用い、かつ(化1)に示す構造を有するポリイミド樹脂Aを負極バインダーとして用いた本発明電池C1〜C12は、比較電池D1〜D12に比べ、優れたサイクル特性を示している。
しかしながら、本発明電池C1〜C12と、結晶子サイズが32nmと小さい多結晶ケイ素粒子を負極活物質として用いた本発明電池A1〜A12とを比較すると、結晶子サイズが32nmである多結晶ケイ素粒子を用いた本発明電池A1〜A12の方が充放電サイクル特性の向上が著しいことがわかる。これは、結晶子サイズが32nmと小さい多結晶ケイ素粒子では、表面に凹凸が多く存在するため、バインダーとのアンカー効果がより大きく得られるのに対し、結晶子サイズが粒子径とほぼ同じである金属ケイ素粒子では、表面に凹凸が少ないため、アンカー効果が小さく、多結晶ケイ素活物質の場合のような負極合剤層構造の安定性が得られなかったためであると考えられる。
図9〜図12は、単結晶の金属ケイ素粒子b、b2、b3及びb4を所定の割合で混合した混合粒子の粒度分布を示す図である。
図5〜図8と同様に、100/0、95/5、90/10、80/20、75/25及び、70/30は、それぞれ、粒子径の大きい粒子B/粒子径の小さい粒子Aの混合割合を示している。
図9は、メディアン径10.3μmの粒子b3と、メディアン径3.0μmの粒子b1とを混合した混合粒子の粒度分布を示しており、図10は、メディアン径10.3μmの粒子b3と、メディアン径5.9μmの粒子b2との混合粒子の粒度分布を示しており、図11は、メディアン径15.3μmの粒子b4と、メディアン径3.0μmの粒子b1との混合粒子の粒度分布を示しており、図12は、メディアン径15.3μmの粒子b4と、メディアン径5.9μmの粒子b2との混合粒子の粒度分布を示している。
図9〜図12から明らかなように、本発明に従う混合粒子においては、相対的に粒径が大きい粒子Bに基づくピークと、相対的に粒径が小さい粒子Aに基づくピークまたはショルダーが認められる。
(比較例D13〜D36)
表6に示すように、ケイ素粒子A及びケイ素粒子Bとして、金属ケイ素粒子b1、b2、b3及びb4を用い、かつ負極バインダーとして、比較例B13〜B36と同様に、ポリイミド樹脂Bを用い、上記と同様にして、比較電池D13〜D36を作製し、充放電サイクル特性を評価した。評価結果を表6に示す。
Figure 2009245773
表6に示すように、ケイ素粒子として単結晶の金属ケイ素粒子を用いた場合にも、負極バインダーとして、本発明の範囲外であるポリイミド樹脂Bを用いた場合には、負極活物質の粒度制御による充填性向上の効果が得られないことがわかる。これは、上述のように、ポリイミド樹脂Bは、ケイ素との密着性が低いため、充放電に伴ってケイ素活物質粒子の体積変化が生じた際に、負極合剤層構造の破壊が生じるためであると思われる。
本発明に従う実施例において作製した多結晶ケイ素粒子の粒度分布を示す図。 本発明に従う実施例において作製した単結晶金属ケイ素粒子の粒度分布を示す図。 本発明に従う実施例において作製した電極体を示す斜視図。 本発明に従う実施例において作製したリチウム二次電池を示す平面図(a)及び断面図(b)。 本発明に従う実施例及び比較例における混合粒子の粒度分布を示す図。 本発明に従う実施例及び比較例における混合粒子の粒度分布を示す図。 本発明に従う実施例及び比較例における混合粒子の粒度分布を示す図。 本発明に従う実施例及び比較例における混合粒子の粒度分布を示す図。 本発明に従う実施例及び比較例における混合粒子の粒度分布を示す図。 本発明に従う実施例及び比較例における混合粒子の粒度分布を示す図。 本発明に従う実施例及び比較例における混合粒子の粒度分布を示す図。 本発明に従う実施例及び比較例における混合粒子の粒度分布を示す図。
符号の説明
1…正極集電タブ
2…負極集電タブ
3…電極体
4…外装体
5…外装体のヒートシール閉口部

Claims (4)

  1. 負極活物質粒子及び負極バインダーを含む負極活物質層が負極集電体の表面上に形成された負極と、正極と、非水電解質とを備えるリチウム二次電池であって、
    メディアン径(D50)が3μm以上6μm以下であり、かつ粒径2μm以上7μm以下の範囲に60体積%以上存在する粒度分布を有する、ケイ素及び/またはケイ素合金を含む粒子Aと、メディアン径(D50)が9μm以上15μm以下であり、かつ粒径7μm以上17μm以下の範囲に60体積%以上存在する粒度分布を有する、ケイ素及び/またはケイ素合金を含む粒子Bとを、重量比(粒子A:粒子B)10:90〜25:75の範囲で混合した混合粒子を、前記負極活物質粒子として用い、
    以下に示す構造を有するポリイミド樹脂を、前記負極バインダーとして用いることを特徴とするリチウム二次電池。
    Figure 2009245773
  2. 前記負極活物質粒子の結晶子サイズが、100nm以下であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池。
  3. 前記負極活物質粒子のメディアン径(D50)が9μm以上14μm以下であり、粒径2μm以上7μm以下の範囲に9体積%以上20体積%以下、粒径7μm以上17μm以下の範囲に61体積%以上86体積%以下存在する粒度分布を前記負極活物質粒子が有することを特徴とする請求項1または2に記載のリチウム二次電池。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウム二次電池を製造する方法であって、
    ケイ素及び/またはケイ素合金を含む前記粒子Aと、ケイ素及び/またはケイ素合金を含む前記粒子Bとを前記重量比で混合して前記混合粒子を調製する工程と、
    前記混合粒子を前記負極活物質として用い、前記ポリイミド樹脂を前記負極バインダーとして用いて前記負極を作製する工程と、
    前記負極、前記正極、及び前記非水電解質を用いてリチウム二次電池を作製する工程とを備えることを特徴とするリチウム二次電池の製造方法。
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