JP2009243666A - 防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高さ方向に寸法が小でコンパクトなストッパ機構を備えた防振装置を提供する。
【解決手段】防振装置を、ゴム弾性体を主要素として有する防振マウントと、エンジン側のブラケット10と、車体側のブラケット12と、防振マウントを圧入により保持する、ブラケット10の筒状のホルダ部を上側から覆うゴム製のカバー部材14とで構成する。そのゴム製のカバー部材14には前後方向のゴムストッパ部150-1,150-2を設けておき、これらゴムストッパ部150-1,150-2と、ブラケット10,12における対応する部分によって径方向の前後方向のストッパ機構を構成する。
【選択図】 図1

Description

この発明はエンジンを防振支持する防振装置に関する。
エンジンを防振支持する防振装置として、インナ側の第1取付金具と、アウタ側の筒状の第2取付金具と、それら第1取付金具と第2取付金具とを弾性連結するゴム弾性体とを備えた防振マウントを有し、その防振マウントの弾性変形に基づいて振動吸収するものが従来公知である。
ところでこのような防振装置には、過大な変位を規制するためのストッパ機構が設けられる。
上記の防振マウントを有する防振装置において、通常このストッパ機構は第1取付金具の側に設けられる。
例えば下記特許文献1に、ストッパ機構をインナ側である第1取付金具の側に設けた形態の防振装置が開示されている。
この特許文献1に開示のものでは、第1取付金具にゴムストッパ部を設ける一方、そのゴムストッパ部を外側から覆う筒状のストッパ金具を防振マウントに設けてこれを高く立ち上げ、そのストッパ金具に第1取付金具に設けたゴムストッパ部を当接させ、ストッパ作用させるようになしてあり、このためストッパ機構を設けることによって防振装置の高さが高くなってしまう。
その他下記特許文献2,特許文献3にも、インナ側の第1取付金具の側にストッパ機構を設けた防振装置が開示されており、これらについても上記と同様の問題を内包している。
車両によっては高さ方向に十分な取付スペースを確保できない場合があり、そうした場合にインナ側の第1取付金具の側にストッパ機構を設けた防振装置の場合取付けが困難である。
尚、本発明に関連した先行技術として下記特許文献4,特許文献5,特許文献6,特許文献7に開示されたものがある。
これらは何れもカバー部材を備えたものである。但しこれら特許文献に開示のものはカバー部材の用い方が本発明とは異なっており、何れも本発明とは別異のものである。
特開平9−89037号公報 特許第3507928号公報 実公平6−33228号公報 実開平5−71491号公報 特開2002−257182号公報 特開2004−98806号公報 特開2000−257664号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、高さ方向に寸法が小でコンパクトな、ストッパ機構を備えた防振装置を提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1のものは、(イ)インナ側の第1取付金具と、アウタ側の筒状の第2取付金具と、それら第1取付金具と第2取付金具とを弾性連結するゴム弾性体とを備えた防振マウントと、(ロ)該防振マウントの前記第2取付金具を圧入させて保持する筒状のホルダ部と、該ホルダ部から延出した、エンジン側及び車体側の一方に締結され、連結される連結部とを備えた剛性の第1取付ブラケットと、(ハ)該第1取付ブラケットにおける前記ホルダ部の、前記第1取付金具とは反対側の開口部を覆う蓋部と、該ホルダ部の外周面に外嵌状態に被さる周壁部とを備えた、ゴム弾性体により構成してあるカバー部材と、(ニ)該カバー部材とは反対側で前記第1取付金具を固定するマウント固定部と、前記エンジン側及び車体側の他方に締結され、連結される連結部とを備えた剛性の第2取付ブラケットと、を有しており、前記第1取付ブラケットの前記ホルダ部の外周面には前後方向の一対の内側ストッパ面が形成してあり、また前記第2取付ブラケットには該ホルダ部の径方向の外側において、それら内側ストッパ面に対向する壁部が設けられていて、該壁部の内面に該一対の内側ストッパ面に対応した一対の外側ストッパ面が形成してあるとともに、前記カバー部材の周壁部は、それら一対の内側ストッパ面と外側ストッパ面との間の部分が前後方向の一対のゴムストッパ部とされていて、該一対の該ゴムストッパ部がそれぞれ該外側ストッパ面に対してストッパクリアランスを隔てて径方向に対向させてあり、前記周壁部若しくは該周壁部からの延出部には、該一対のゴムストッパ部の少なくとも一方に隣接した位置に貫通の引掛用の開口部が設けてある一方、前記第1取付ブラケットには、該開口部を外側に突き抜けて該開口部の縁部を引掛け、前記カバー部材を前記ホルダ部から抜け防止する、先端部に屈曲形状の爪を備えた引掛部が設けてあることを特徴とする。
請求項2のものは、請求項1において、前記防振マウントは前記第1取付金具とは軸方向の反対側にダイヤフラム膜を備えており、前記カバー部材が該ダイヤフラム膜を軸方向外側で覆っていることを特徴とする。
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記前後方向のゴムストッパ部は前記蓋部よりも厚肉に構成してあることを特徴とする。
請求項4のものは、請求項1〜3の何れかにおいて、前記引掛用の開口部及び前記引掛部が、前記一対のゴムストッパ部のそれぞれに対応して各ゴムストッパ部にそれぞれ隣接した各位置に一対設けてあることを特徴とする。
請求項5のものは、請求項1〜4の何れかにおいて、前記引掛部の爪は少なくとも一部が前記第1取付金具の側に向けて屈曲していることを特徴とする。
請求項6のものは、請求項1〜5の何れかにおいて、前記カバー部材の前記周壁部には、前記第1取付ブラケットの前記連結部との干渉回避用の切欠部が設けてあることを特徴とする。
請求項7のものは、請求項1〜6の何れかにおいて、前記カバー部材の内面には前記ホルダ部の被係合部に対して係合し、該カバー部材を位置ずれ防止する係合部が設けてあることを特徴とする。
請求項8のものは、請求項2において、前記カバー部材における前記蓋部の内面にはエア逃し溝が設けてあることを特徴とする。
請求項9のものは、請求項1〜8の何れかにおいて、前記カバー部材の前記蓋部は、中央部が軸方向外方に膨出したドーム形状をなしていることを特徴とする。
請求項10のものは、請求項1〜9の何れかにおいて、前記カバー部材を上向きとした状態で前記第1取付ブラケットがエンジン側に、前記第2取付ブラケットが車体側に締結されるエンジン吊下式のものであることを特徴とする。
請求項11のものは、請求項10において、前記第2取付ブラケットには前記カバー部材の上方で該カバー部材の側に延出し、該カバー部材に対し上下方向に対向するリバウンド方向のストッパ片が設けてあることを特徴とする。
発明の作用・効果
以上のように本発明のものは、インナ側の第1取付金具,アウタ側の筒状の第2取付金具、及びそれらを弾性連結するゴム弾性体を備えた防振マウントと、防振マウントの第2取付金具を圧入させて保持する第1取付ブラケットと、第1取付ブラケットにおける筒状のホルダ部の、第1取付金具と反対側の開口部を覆う蓋部及びそのホルダ部の外周面に外嵌状態に被さる周壁部を備えたゴム製のカバー部材と、カバー部材とは反対側で第1取付金具を固定する第2取付ブラケットとを備えて防振装置を構成したものである。
ここでカバー部材は、防振マウントにおけるアウタ側の筒状の第2取付金具側の端部を覆った状態として、同端部にオイルや水がかかったりするのを防ぐ役割をなすものである。
特にアウタ側の第2取付金具を上に、またインナ側の第1取付金具を下にして防振マウントが取り付けられる場合、筒状をなす第2取付金具の内側にオイルや雨水が浸入してそこに溜まってしまい、これにより第2取付金具に錆を発生させたり、凍結によりマウントに損傷を発せさせてしまう恐れが生ずる。
特に防振マウントがダイヤフラム膜をその第2取付金具側、即ち第1取付金具とは軸方向の反対側に備えている場合、そのダイヤフラム膜は外周端部において金具のかしめによって防振マウントに固定状態に設けられていることが多く、この場合にはダイヤフラム膜の固定のためのかしめ部が錆びてしまうと、そのことがダイヤフラム膜の脱落の原因となってしまう恐れが生ずる。
しかるに本発明ではカバー部材がこれを軸方向の外側から覆って保護するため、そうした不具合の発生を防止することができる。
尚本発明は、第2取付金具を下に、第1取付金具を上にして防振マウントが取り付けられる場合も含むもので、その場合においてもカバー部材は第2取付金具への水やオイル等の跳ねかかりや付着を防止する働きを有する。
本発明は、カバー部材が第1取付ブラケットの筒状のホルダ部ごと、防振マウントの第2取付金具側を覆う点を特徴としている。
そしてそのことによって、カバー部材に前後方向のゴムストッパ部としての働きを持たせることが可能となる。
詳しくは、本発明では第1取付ブラケットの筒状のホルダ部の外周面に前後方向の一対の内側ストッパ面を形成する一方、第2取付ブラケットには、そのホルダ部の径方向の外側においてそれら内側ストッパ面に対向する壁部を設けてその壁部の内面に一対の内側ストッパ面に対応した一対の外側ストッパ面を形成し、そしてカバー部材の周壁部の一部を、それら一対の内側ストッパ面と外側ストッパ面との間の前後方向のゴムストッパ部とし、そのゴムストッパ部を外側ストッパ面に対しストッパクリアランスを隔てて径方向に対向させるようになしている。
本発明では、ゴム弾性体により構成してあるカバー部材の周壁部を利用して、前後方向のストッパ機構を、第1取付ブラケットのホルダ部と第2取付ブラケットとにまたがって径方向に構成し、第1取付ブラケットのホルダ部と一体に前後方向に移動するゴムストッパ部を、その径方向の外側に位置する第2取付ブラケットの壁部、詳しくはその内面に形成した外側ストッパ面に当接させ、ストッパ作用させるようになしてあるため、前後方向のストッパ機構を設けることに起因して防振マウントの寸法が上下方向に大寸法、即ち上下方向に背の高いものになるといったことを特に生じず、従って上下方向の限られた狭い取付スペースの下でも容易に防振装置を取り付けることが可能となる。
尚、カバー部材をこのようにゴムストッパ部として利用するようになした場合、ストッパ作用時の荷重の入力によってカバー部材が第1取付ブラケットの筒状のホルダ部から軸方向外方に外れ、抜けてしまう恐れが生ずる。
ここにおいて本発明は、カバー部材における周壁部若しくは周壁部からの延出部に、一対のゴムストッパ部の少なくとも一方に隣接した位置に貫通の引掛用の開口部を設け、また一方第1取付ブラケットにはその開口部を外側に突き抜けて開口部の縁部を引掛け、カバー部材を第1取付ブラケットのホルダ部から抜け防止する、先端部に屈曲形状の爪を備えた引掛部を設けており、これによりストッパ作用の度に荷重が繰返しゴムストッパ部に入力した場合においても、カバー部材がホルダ部から外れ、抜けてしまうのを有効に防止することができる。
本発明は、上記防振マウントが第1取付金具とは軸方向の反対側にダイヤフラム膜を備えている場合に適用して特に有効なもので、カバー部材がダイヤフラム膜を軸方向外側で覆うことによって、ダイヤフラム膜を固定している金具のかしめ部に錆が発生し、ダイヤフラム膜の脱落の原因になってしまう恐れを解消できる効果を奏する(請求項2)。また、カバー部材がない場合に浸入・蓄積した水が凍結し、その凍結した氷の鋭利な角部がダイヤフラム膜を傷つけてしまい、耐久性の向上が難しかった問題も改善できる。
本発明では、カバー部材に設けてあるゴムストッパ部をカバー部材の蓋部よりも厚肉に構成しておくことができる(請求項3)。
そのようにすることによって、所望のストッパ特性を持たせることができる。
また本発明では、カバー部材の引掛用の開口部及び第1取付ブラケットの引掛部を、一対のゴムストッパ部のそれぞれに対応して各ゴムストッパ部にそれぞれ隣接した各位置に一対設けておくのが好適である(請求項4)。
このようにすることで、ストッパ作用の繰返しによるカバー部材の脱落をより確実に防止することができる。
本発明ではまた、引掛部の爪の少なくとも一部を第1取付金具の側に向けて、即ちカバー部材の抜け方向と逆方向に向けて屈曲させておくことができる(請求項5)。
これにより、カバー部材の抜けをより効果的に防止することができる。
尚、一対の引掛用の開口部及び引掛部を設ける場合において、それぞれの引掛部の爪の少なくとも一部を第1取付金具、つまりカバー部材の抜け方向と逆方向に向けて屈曲させておくことができる。
またカバー部材の周壁部には、第1取付ブラケットにおける上記のエンジン側又は車体側への連結部との干渉回避用の切欠部を設けておくことができる(請求項6)。
更にカバー部材の内面には、第1取付ブラケットのホルダ部の被係合部に係合し、カバー部材を位置ずれ防止する係合部を設けておくことができる(請求項7)。
次に請求項8は、請求項2に従ってダイヤフラム膜を備える場合において、カバー部材の蓋部の内面にエア逃し溝を設けるようになしたものである。
このようなエア逃し溝を設けておくことで、ダイヤフラム膜の良好な可撓変形を確保することができる。
またカバー部材は、蓋部の中央部を軸方向外方に膨出したドーム形状となしておくことができる(請求項9)。
本発明は、防振装置を、カバー部材を上向きとした状態で第1取付ブラケットをエンジン側に、第2取付ブラケットを車体側にそれぞれ連結し、エンジンを吊下式に支持するものとなしておくことができる(請求項10)。
この場合において第2取付ブラケットには、カバー部材の上方でカバー部材の側に延出し、カバー部材に対して上下方向に対向するリバウンド方向のストッパ片を設けておくことができる(請求項11)。
この場合単に第2取付ブラケットの一部をカバー部材の上方に延出させるだけで、リバウンド方向のストッパ機構を構成することができ、またこのようにしてリバウンド方向のストッパ機構を設けた場合、かかるストッパ機構を設けることによって防振装置が特に上下方向に大寸法化するといったこともなく、防振装置の上下方向の寸法をコンパクトに維持することができる。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10はエンジン側に締結され連結される金属製の剛性のエンジン側のブラケット(第1取付ブラケット)で、12は車体側に締結され連結される金属製の剛性の車体側のブラケット(第2取付ブラケット)である。
ここでエンジン側のブラケット10は、ここではアルミニウム合金製とされ、また車体側のブラケット12は鉄製(鋼製)とされている。
また14はゴム弾性体により構成してあるカバー部材である。
後述の防振マウント16(図3参照)は、これらエンジン側のブラケット10,車体側のブラケット12を介してエンジンと車体との間に介装される。
尚図1において、Xは車両前方向,Xは車両後方向,Yは車両右方向,Yは車両左方向である。また図中上方向が車両の上方向,下方向が車両の下方向である。
即ちこの防振装置は、エンジンの左側に配置されてこれを防振支持する左側の防振装置である。またこの実施形態の防振装置はエンジンを吊下式に防振支持するものである。
図3に、防振マウント16の構成が具体的に示してある。
この防振マウント16は、エンジンからの荷重(厳密にはパワーユニットからの荷重)を弾性支持し防振作用する主体となる部分で、図中下側のインナ金具(第1取付金具)18と、図中上側のアウタ金具(第2取付金具)20と、それらを弾性連結するゴム弾性体22とを有している。
ここでゴム弾性体22は、インナ金具18及びアウタ金具20に対し一体に加硫接着されている。
インナ金具18は、図5(B)に示しているように平面形状が概略円形状をなしており、周方向に180°隔たった2個所に平坦な切落し形状の係合面24が設けられている。
ここで一対の係合面24は、互いに平行な面をなしている。
またその中心部には雌ねじ孔26が図中上向きに設けられている。
アウタ金具20は、大部分が円筒部28とされており、その上端部が径方向の内向きに曲げられ、後述のダイヤフラム膜49をかしめ固定している。図中30はそのかしめ部を表している。
このアウタ金具20は、図中下端部に径方向外方に突出した環状のフランジ部32を有しており、またそのフランジ部32と円筒部28の下端部との間の部分が、内向きに湾曲した環状の湾曲部34とされている。
ゴム弾性体22は、断面形状が逆ハの字状に図中上向きに開いた形態の周方向に環状をなすゴム支持部36を有している。
防振マウント16は、このゴム支持部36を下側の壁として、その上側に液室38を備え、そこに非圧縮性の液体Lが封入されている。ここで液体Lとして水やアルキレングリコール,ポリアルキレングリコール,シリコーン油等を用いることができる。
40は、仕切プレート42とオリフィス部材44とから成る仕切部材で、この仕切部材40によって、液室38が図中下側の主液室46と上側の副液室48とに区画されている。
49はゴム製のダイヤフラム膜で、このダイヤフラム膜49と仕切部材40とによって副液室48が区画形成されている。
50はオリフィス部材44と仕切プレート42とによって形成されたオリフィス通路で、このオリフィス通路50は、開口52を通じて主液室46と連通し、また開口54を通じて副液室48と連通している。
オリフィス通路50の内部の液Lは、開口52を通じて主液室46との間で移動可能とされ、また開口54を通じて副液室48との間で移動可能となっている。
56は、仕切プレート42とオリフィス部材44とによって形成された、ゴム製の可動板58を収容する収容室で、そこに可動板58がフローティング状態に収容されている。
この収容室56は開口60を通じて主液室46と連通し、また開口62を通じて副液室48と連通している。
またこの可動板58と収容室56との間には、液Lが流通可能な微小な隙間が形成されている。
尚、64はゴム支持部36に連続して上向きに延出形成された円筒形状のゴム壁で、このゴム壁64に対し、上記のダイヤフラム膜49が、外周部に固着された金属製(鉄製)のリング66を介して接触せしめられている。
ここでリング66とゴム壁64とは、アウタ金具20の上端部が縮径方向に絞り加工されることで、ゴム壁64の変形を伴って互いに水密に密着接触せしめられている。
この防振マウント16では、低周波数の上下方向の振動入力に対しては液Lがオリフィス通路50を通じて主液室46から副液室48に若しくはその逆に流動し、その際の粘性流動に基くエネルギー吸収によって入力振動を効果的に減衰する。
その減衰作用は液Lが液柱共振を生じる際に最も高く、この例ではその液柱共振の周波数は、シェイク等の10〜20Hz程度の低周波数の振動入力に対してチューニングされている。
一方高周波数の振動入力が加わったとき、オリフィス通路50は実質的に液Lが流動しない状態、即ちオリフィス通路50が実質的に閉鎖された状態となり、このときには高周波数の振動入力に対しては、主液室46内の液Lと副液室48内の液Lとが収容室56内の微小通路、即ち可動板58の外周側の通路を通じて一方から他方に若しくは他方から一方に流通し、その際の液Lの流動に基づいて高周波数の振動入力を減衰し制振する。
尚、低周波数且つ大振幅の振動入力の際には可動板58が上向き又は下向きに押し付けられた状態となって、収容室56を通じての主液室46と副液室48との間での液Lの流通は遮断され、液Lはオリフィス通路50を通じてのみ、主液室46と副液室48との間で流動せしめられる。
図3に示しているように、防振マウント16にはバウンド側のゴムストッパ部80が、ゴム支持部36に連続して設けられている。
このバウンド側のゴムストッパ部80は、アウタ金具20における円筒部28よりも径方向外方に突出しており、またその平面形状は、図5(B)に示しているようにエンジン側のブラケット10における後述の筒状のホルダ部68に沿って所定周長を有する円弧形状をなしている。
尚この円弧形状をなすバウンド側のゴムストッパ部80は、エンジン側のブラケット10における後述の連結部70とは反対側、即ち上記の車体側のブラケット12の側に設けられている。
上記エンジン側のブラケット10は、図2及び図3に示しているように円筒形状をなすホルダ部68と、これから径方向に延出したエンジン側への連結部70とを有しており、そして図3に示しているようにそのホルダ部68に防振マウント16のアウタ金具20が上向きに圧入されて固定され、ホルダ部68にて保持されている。
尚このホルダ部68には、その上端部に径方向内向きに突出した環状のフランジ部74が設けられている。
このフランジ部74には、図2に示しているように周方向に180°隔たった2個所に、略半円形状の嵌込孔(被係合部)76が設けられている。
一方図2に示しているように、連結部70には複数個所に締結孔72が設けられ、それら締結孔72においてエンジン側に締結され、連結されるようになっている。
このブラケット10における筒状のホルダ部68の外周面には直径方向の2個所、即ち周方向に180°隔たった2個所に平坦な前後方向のストッパ面(内側ストッパ面)78-1,78-2がそれぞれ形成されている。
ここでストッパ面78-1は車両前後方向において最も前部に、またストッパ面78-2は車両前後方向において最も後部に設けられている。
またこれら一対のストッパ面78-1,78-2は互いに平行な面をなしている。
上記車体側のブラケット12は、図2に示しているように防振マウント16のインナ金具18を固定するマウント固定部84と、車体側に締結され、連結される連結部86とを備えている。
この連結部86には、複数個所に締結孔88,90,92が設けられ、それら締結孔88,90,92において車体側に締結されるようになっている。
ここで締結孔88はブラケット12の後述の壁部102自体に設けられ、また締結孔90,92は壁部102,104に形成された突出部94,96にそれぞれ設けられている。
ブラケット12には、底部98と、これから図中上向きに起立する三方の壁部100,102,104とが設けられている。
底部98には挿入溝106が設けられており、そこに防振マウント16におけるインナ金具18の下端部が図中左方向に挿入されるようになっている。
108は、この挿入溝106に沿って上向きに突出形成されたガイドで、その内面は互いに平行をなす係合面110とされている。これら係合面110は、インナ金具18における上記の係合面24に互いに係合し、インナ金具18を挿入案内するとともに、挿入状態でインナ金具18を回転方向に位置決めする。即ち防振マウント16の回転方向の位置を規定する。
この挿入溝106を含むマウント固定部84は、底部98を貫通する固定孔112を有しており、図3に示しているようにこの固定孔112において、インナ金具18がボルト114にてマウント固定部84に締結固定されるようになっている。
ここでマウント固定部84は、底部98に設けられた凹部116の内側に形成されている。
上記防振マウント16は、このマウント固定部84への固定状態において、インナ金具18及びゴム支持部36の下部が、この凹部116内に収容される。
この車体側のブラケット12において、壁部100は組付状態でエンジン側のブラケット10におけるストッパ面78-1に対し径方向外側且つ車両前後方向の前側に位置し、また壁部104は同じく組付状態でブラケット10におけるストッパ面78-2に対し径方向外側且つ車両前後方向の後側に位置し、また壁部102は同じく組付状態でブラケット10におけるホルダ部68に対し図中左側、即ち車両左右方向における左側に位置する。
而して壁部100には、ブラケット10のストッパ面78-1に対して対向する前側位置にストッパ面(外側ストッパ面)118-1が形成され、また壁部104にはストッパ面78-2に対して対抗する後側位置にストッパ面(外側ストッパ面)118-2が形成されている。
これらストッパ面118-1,118-2もまた平坦且つ互いに平行な面とされている。
尚、壁部102には開口120が設けられ、その開口120の周りの部分の内面が車両左右方向、詳しくはブラケット10が左方向に相対変位したときに変位規制する円弧形状のストッパ面(外側ストッパ面)122とされている。
尚ブラケット10のホルダ部68には、これに対応した円弧形状のストッパ面(内側ストッパ面)124(図2参照)が形成されている。
尚、ブラケット12の底部98には、図3に示しているように防振マウント16のバウンド方向のゴムストッパ部80に対し、即ちホルダ部68の下面(軸方向の一端面)に対し上下に対向する位置において、バウンド方向のストッパ面(外側ストッパ面)156が設けられている。
このストッパ面156もまた水平方向に平坦な面とされている。
ブラケット12にはまた、その上部に、カバー部材14の上方位置でカバー部材14の側に向って水平に突出し、カバー部材14に対して上下方向に対峙する、リバウンド方向のストッパ片126が一体に形成されている。
このストッパ片126の下面は、図3に示しているようにホルダ部68の上面(軸方向の端面)に対して対向するストッパ面(外側ストッパ面)128とされている。
一方ホルダ部68の上面は、その一部がこれに対応したストッパ面(内側ストッパ面)130とされている。
ゴム弾性体を用いて構成した上記カバー部材14は、図3及び図6に示しているように、ブラケット10における筒状のホルダ部68の上端の開口部を覆う蓋部132と、ホルダ部68の外周面に外嵌状態に被さる周壁部134とを有している。
ここで周壁部134は、図6に示しているように周方向の一部が切り欠かれている。図中149はその切欠部を表している。
この切欠部149は、図1に示しているようにブラケット10における連結部70との干渉回避のためのものである。
蓋部132は、ホルダ部68の上端の開口部142の径方向内方に位置する中央部が、図中上向きに部分球状に膨出したドーム形状部136とされており、そしてこのドーム形状部136よりも外周側の部分が、ホルダ部68の上面に着座する平坦且つ水平な着座部138とされている。
この蓋部132の下面には、ドーム形状部136の外周部に沿って下向きに立下がるリング状部(係合部)140が一体に形成されている。
カバー部材14は、このリング状部140がホルダ部68の開口部(被係合部)142に内嵌状態に弾性嵌合することで、ホルダ部68への組付位置が規定される。
このリング状部140には、周方向に180°隔たった2個所に径方向外方に突出する断面半円形状の嵌込部(係合部)144が一体に形成されており、そしてこれら嵌込部144がホルダ部68の上記の被係合部としての嵌込孔76に弾性的に嵌められている。
カバー部材14は、これらリング状部140と嵌込部144とがそれぞれ開口部142,嵌込孔76にそれぞれ嵌め込まれることで、ホルダ部68に対しずれ防止されている。
リング状部140にはまた、周方向に所定間隔で複数(ここでは4つ)の切欠146が設けられ、更にこの切欠146に連続して、蓋部132の下面(内面)にエア逃し溝148が設けられている。
ここで切欠146及びエア逃し溝148が蓋部132の下面に設けてあるのは次の理由による。
リング状部140を周方向に全周に亘り連続した環状となしておいて、これをホルダ部68の開口部142に内嵌状態に嵌め込んでしまうと、防振マウント16におけるダイヤフラム膜49とカバー部材14との間にエアが閉じ込められた状態となり、防振マウント16がゴム支持部36を弾性変形させ、また液室38内の液Lを流動させて防振作用する際、ダイヤフラム膜49の円滑な可撓変形が妨げられてしまう恐れがある。
そこでここではこのような切欠146及びエア逃し溝148を設け、カバー部材14の蓋部132とダイヤフラム膜49との間に形成される空間のエアを外部に逃すようにし、ダイヤフラム膜49の良好な可撓変形を確保するようにしている。
カバー部材14は、上記の周壁部134が蓋部132から図中下向きに長く延びている。具体的にはホルダ部68の実質全高に亘って下向きに延びている。
この周壁部134はその一部、即ちエンジン側のブラケット10におけるストッパ面78-1と車体側のブラケット12におけるストッパ面118-1との間に位置する部分が、対応する前後方向のゴムストッパ部150-1(図4,図6,図7参照)とされ、またブラケット10のストッパ面78-2とブラケット12のストッパ面118-2との間に位置する部分が、対応する前後方向のゴムストッパ部150-2とされている。
ここでゴムストッパ部150-1,150-2は、それぞれブラケット10におけるホルダ部68の外周面に弾性的に嵌合しており、ブラケット12のストッパ面118-1,118-2のそれぞれに対して径方向且つ前後方向に、所定のストッパクリアランスを隔てて対向している。
図6及び図7に示しているように、ゴムストッパ部150-1はストッパ面78-1,118-1に対応して平坦な板状に構成されている。
同様にゴムストッパ部150-2もまた、ストッパ面78-2,118-2に対応して平坦な板状に構成されている。
ここでゴムストッパ部150-1,150-2は、カバー部材14における蓋部132の肉厚よりも厚く形成されている。
具体的には、蓋部132の肉厚が3mmであるのに対し、ゴムストッパ部150-1は肉厚が6mmとされ、またゴムストッパ部150-2は肉厚が8mmとされている。
尚、カバー部材14における周壁部134の他の部分はこれよりも肉厚が薄くされている。具体的にはその肉厚は3mmである(但し後述の一部を除いて)。
カバー部材14には、図6に示すようにゴムストッパ部150-1に隣接した位置に引掛用の貫通の開口部152-1が設けられている。
またゴムストッパ部150-2に隣接した位置において、カバー部材14には図1にも示すようにエンジン側のブラケット10における連結部70に沿って延出した延出部154が設けられていて、その延出部154に引掛用の貫通の開口部152-2が設けられている。
尚この延出部154は、図1に示しているように断面逆L字形状をなしている。
ここで周壁部134は、開口部152-1を設けた部分がゴムストッパ部150-1と同じ6mmの肉厚で形成され、また延出部154も同じ肉厚6mmで形成されている。
一方エンジン側のブラケット10には、図2,図4に示しているように開口部152-1に対応してフック形状の引掛部158-1が、また開口部152-2に対応してフック形状の引掛部158-2がそれぞれ突出形状で設けられている。
ここで引掛部158-1は、開口部152-1を内側から外側に突き抜ける挿通部160と、その先端且つ周壁部134の外側で下向きに、即ち防振マウント16のインナ金具18側に屈曲し、突出した爪部162とを有している。
引掛部158-2も同様に、開口部152-2を内側から外側に突き抜ける挿通部164と、その先端且つ延出部154の外側で下向きに屈曲した爪部166とを有している。
ここでそれぞれの爪部162,166は、開口部152-1,152-2の下端よりも更に下向きに大きく突出している。
カバー部材14はまた、図3に示しているように周壁部134の一部、即ちブラケット12における左右方向のストッパ面122と、ブラケット10におけるホルダ部68のストッパ面124との間に位置する部分が、左右方向のゴムストッパ部168とされている。
但しこの例においてゴムストッパ部168は、ブラケット10と12との直接的な当接による金属的な当り音の発生を防ぐための緩衝部として主として用いられる。
カバー部材14はまた、図3に示しているように蓋部132における着座部138のうち、ブラケット12に設けられたストッパ片126の下面のストッパ面128と、ブラケット10のホルダ部68のストッパ面130との間に位置している部分が、リバウンド方向のゴムストッパ部170とされている。
このゴムストッパ部170は、蓋部132における他部と同様に肉厚3mmとされている。
尚上記の左右方向のゴムストッパ部168もまた、同様に肉厚3mmとされている。
この実施形態の防振マウント16では、エンジン側のブラケット10が車体側のブラケット12に対して相対的に車両前方向に大きく変位しようとしたとき(図4中右方向)、カバー部材14における前側のゴムストッパ部150-1が、車体側のブラケット12におけるストッパ面118-1に当接してストッパ作用し、過大な変位を規制する。
また一方ブラケット10がブラケット12に対し相対的に車両後方に大きく相対変位しようとしたとき、カバー部材14における後側のゴムストッパ部150-2が、ブラケット12の対応するストッパ面118-2に当接してストッパ作用をなし、過大な変位を規制する。
またブラケット10がブラケット12に対し図3中下向きに大きく変位しようとしたとき、防振マウント16に設けたゴムストッパ部80が、ブラケット12の対応するストッパ面156に当接してストッパ作用し、ブラケット10の図中下向きの過大な変位を規制する。
一方逆にブラケット10がブラケット12に対し上方向に相対変位しようとしたとき、カバー部材14におけるゴムストッパ部170が、ブラケット12に設けたストッパ片126の下面のストッパ面128に当接してストッパ作用し、ブラケット10の上向きの過大な変位を規制する。
尚、図3は防振装置を車両への取付前の状態で表しており、車両への取付状態でストッパ片126とゴムストッパ部170との間には、図に示すよりも大きなストッパクリアランスが生じている。
尚ブラケット10がブラケット12に対し図中左方向、即ち車両の左方向に大きく相対変位しようとしたとき、カバー部材14におけるゴムストッパ部168がブラケット12のストッパ面122に当接して、ブラケット10と12との直接的な当接による当り音の発生を防止し、また併せて同方向への過大な変位を規制する。
図8はカバー部材14における前側のゴムストッパ部150-1,後側のゴムストッパ部150-2がストッパ作用する際の、開口部152-1,152-2及びこれに対応したブラケット10の引掛部158-1,158-2の作用を模式的に表している。
例えば後側のゴムストッパ部150-2のストッパ作用時に、このゴムストッパ部150-2に対して荷重が水平方向に入力したとき、即ちゴムストッパ部150-2に対して面直角方向に荷重が入力したとき、カバー部材14をホルダ部68から抜き出す方向の力は特に発生しない。
これに対し、図8(A)に示しているように荷重が図中矢印で示す斜め上方向に入力したとき、ゴムストッパ部150-2に対して図中上向きの力が作用し、この力がカバー部材14をホルダ部68から抜き出す方向の力として作用する。
しかしながらこの実施形態では、その際に引掛部158-2による開口部152-2に対する引掛作用により、ゴムストッパ部150-2が図中上方向に大きくずれるのを阻止し、従って図中矢印方向の荷重の入力によってカバー部材14がホルダ部68から抜けてしまう恐れはない。
一方、図8(B)に示しているように荷重入力が図中矢印で示す斜め下方向に加わったとき、ゴムストッパ部150-2とは反対側に位置している前側のゴムストッパ部150-1に対し、これを図中上向きに引き上げようとする力が作用する。
その際、このゴムストッパ部150-1の開口部152-1を突き抜けて開口部152-1に係止している引掛部160がその動きを阻止し、カバー部材14がホルダ部68から外れるのを防止する。
尚、ゴムストッパ部150-1に対して荷重が斜め上方向或いは斜め下方向に作用した場合においても、上記と同様の理由によってカバー部材14がホルダ部68から抜け防止される。
以上のような本実施形態においては、カバー部材14が防振マウント16における上部のアウタ金具20の上端の開口部を覆っているため、アウタ金具20の開口部にオイルや雨水等が浸入してそこに溜まるのを防止することができる。
従ってまたその溜まった水によって、ダイヤフラム膜49をかしめ固定している部分が錆を発生してしまうのを防止でき、従ってその錆の発生によりダイヤフラム膜49が脱落する恐れを解消することができる。
また本実施形態では、ゴム弾性体22により構成してあるカバー部材14の周壁部134を利用して、前後方向のストッパ機構を、ブラケット10のホルダ部68とブラケット12とにまたがって径方向に構成し、ブラケット10のホルダ部68と一体に前後方向に移動するゴムストッパ部150-1,150-2を、その径方向の外側に位置するブラケット12の壁部100,104、詳しくはその内面に形成した外側ストッパ面118-1,118-2に当接させ、ストッパ作用させるようになしてあるため、前後方向のストッパ機構を設けることに起因して防振装置の寸法が上下方向に大寸法、即ち上下方向に背の高いものになるといったことを特に生じず、従って上下方向の限られた狭い取付スペースの下でも容易に防振装置を取り付けることができる。
また本実施形態ではカバー部材14における周壁部134、周壁部134からの延出部154に貫通の引掛用の開口部152-1,153-2を設け、また一方ブラケット10にはその開口部152-1,152-2を外側に突き抜けて開口部152-1,152-2の縁部を引掛け、カバー部材14をブラケット10のホルダ部68から抜け防止する、先端部に屈曲形状の爪162,166を備えた引掛部158-1,158-2を設けているため、ストッパ作用の度に荷重が繰返しゴムストッパ部150-1,150-2に入力した場合においても、カバー部材14がホルダ部68から外れ抜けてしまうのを有効に防止することができる。
更に本実施形態では、カバー部材14に設けてあるゴムストッパ部150-1,150-2を部分的に厚肉に構成してあるため、それらに所望のストッパ特性を持たせることができる。
この実施形態では、ブラケット12に、カバー部材14の上方でカバー部材14側に水平に延出し、カバー部材14に対して上下方向に対向するリバウンド方向のストッパ片126を設け、カバー部材14の一部をリバウンド方向のゴムストッパ部170として、それらを含んでリバウンド方向のストッパ機構を構成してあり、この場合、単にブラケット12の一部をカバー部材14の上方に延出させるだけで、リバウンド方向のストッパ機構を構成することができ、またこのようにしてリバウンド方向のストッパ機構を設けた場合、かかるストッパ機構を設けることによって防振装置が特に上下方向に大寸法化するといったこともなく、防振装置の上下方向の寸法をコンパクトに維持することができる。
図9〜図11は本発明の他の実施形態を示している。
これらの図に示しているようにこの実施形態は、ホルダ部68の上部且つ内周部に上向きに突出したボス部172を設けて、そこに雌ねじ孔174を形成する一方、図11に示しているようにカバー部材14の着座部138に対応する嵌合孔176を設け、この嵌合孔176をボス部172に嵌め合せる状態に、着座部138をホルダ部68の上面に着座させ、そしてその状態でボス部172の雌ねじ孔174にワッシャ178を介してボルト180をねじ込み、着座部138をホルダ部68に締結固定するようになしたものである。
尚着座部138には、周方向に沿って円弧状の補強用の金属プレート182が埋設してある。この金属プレート182の周方向の両端部にはボス部172を嵌め入れる貫通の穴が設けられている。
この実施形態によれば、カバー部材14がホルダ部68から外れ抜けるのをより確実に防止することができる。また、ボス部172の高さ内に、カバー部材14と金属プレート182を収容できるので、ボルト180の高さをカバー部材14と金属プレート182の高さ分、下げることができる。
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示である。
例えば本発明においては、インナ金具18を上側に、アウタ金具20を下側にして車両に組み込むことも可能であるし、また上記実施形態はエンジンを吊下状態に防振支持する場合の例であるが、インナ金具18を上側にして、更にその上に直接エンジンを載せるように防振装置を車両に組み付けるようになすことも可能である。
また上記実施形態では、前後の一対のゴムストッパ部150-1,150-2にそれぞれ隣接して引掛用の開口部152-1と152-2とを設け、またそれに対応して引掛部158-1と158-2とを設けているが、例えば何れか一方の開口部及び引掛部のみを設けておくといったことも場合により可能である。
また上記例示した引掛部の形状はあくまで一例であって、図12に示す形状その他様々な形状でこれを構成することも可能である。
ここで図12において、(A)に示すものは引掛部184の爪部186を、引掛用の開口部188の外側で左右方向に屈曲させた例であり、また(B)の例は、引掛部184における爪部186を、開口部188の外側で且つ開口部188に対する正面視において、左右方向と上下方向とのそれぞれに屈曲させた例である。
また(C)の例は、引掛部184を正面視円形状として、開口部188から上方向と下方向及び右方向と左方向とのそれぞれに屈曲した爪部186を形成した例である。
その他本発明においては開口部の形状及び引掛部の形状を他の様々な形状となすことが可能である。
また上記実施形態では、防振マウント16におけるアウタ側の第2取付金具を保持する第1取付ブラケットをエンジン側のブラケットとして構成し、また防振マウント16におけるインナ側の第1取付金具の固定される第2取付ブラケットを車体側のブラケットとして構成しているが、これとは逆に第1取付ブラケットを車体側の取付ブラケットとして、また第2取付ブラケットをエンジン側の取付ブラケットとして構成することも可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
本発明の一実施形態の防振装置を外観状態で示した斜視図である。 同実施形態の防振装置を分離した状態(カバー部材は省略)で示した斜視図である。 同実施形態の防振装置の断面図である。 同実施形態の防振装置を一部切り欠いて示した平面図である。 同実施形態の防振装置の側面図及び底面を示した斜視図である。 同実施形態におけるカバー部材の斜視図である。 図6のカバー部材の底面図である。 同実施形態の作用説明図である。 本発明の他の実施形態の要部の斜視図である。 同実施形態におけるカバー部材の図である。 同実施形態におけるカバー部材とホルダ部の要部を示した断面図である。 同実施形態における引掛部の変形例を示した図である。
符号の説明
10,12 ブラケット
14 カバー部材
16 防振マウント
18 インナ金具
20 アウタ金具
22 ゴム弾性体
49 ダイヤフラム膜
68 ホルダ部
76 嵌込孔(被係合部)
78-1,78-2,130 ストッパ面(内側ストッパ面)
118-1,118-2,128 ストッパ面(外側ストッパ面)
126 ストッパ片
132 蓋部
134 周壁部
136 ドーム形状部
142 開口部
144 嵌込部
146 切欠
148 エア逃し溝
149 切欠部
150-1,150-2 ゴムストッパ部
152-1,152-2 開口部
154 延出部
158-1,158-2 引掛部
162,166 爪部

Claims (11)

  1. (イ)インナ側の第1取付金具と、アウタ側の筒状の第2取付金具と、それら第1取付金具と第2取付金具とを弾性連結するゴム弾性体とを備えた防振マウントと、
    (ロ)該防振マウントの前記第2取付金具を圧入させて保持する筒状のホルダ部と、該ホルダ部から延出した、エンジン側及び車体側の一方に締結され、連結される連結部とを備えた剛性の第1取付ブラケットと、
    (ハ)該第1取付ブラケットにおける前記ホルダ部の、前記第1取付金具とは反対側の開口部を覆う蓋部と、該ホルダ部の外周面に外嵌状態に被さる周壁部とを備えた、ゴム弾性体により構成してあるカバー部材と、
    (ニ)該カバー部材とは反対側で前記第1取付金具を固定するマウント固定部と、前記エンジン側及び車体側の他方に締結され、連結される連結部とを備えた剛性の第2取付ブラケットと、
    を有しており、前記第1取付ブラケットの前記ホルダ部の外周面には前後方向の一対の内側ストッパ面が形成してあり、また前記第2取付ブラケットには該ホルダ部の径方向の外側において、それら内側ストッパ面に対向する壁部が設けられていて、該壁部の内面に該一対の内側ストッパ面に対応した一対の外側ストッパ面が形成してあるとともに、
    前記カバー部材の周壁部は、それら一対の内側ストッパ面と外側ストッパ面との間の部分が前後方向の一対のゴムストッパ部とされていて、該一対の該ゴムストッパ部がそれぞれ該外側ストッパ面に対してストッパクリアランスを隔てて径方向に対向させてあり、
    前記周壁部若しくは該周壁部からの延出部には、該一対のゴムストッパ部の少なくとも一方に隣接した位置に貫通の引掛用の開口部が設けてある一方、前記第1取付ブラケットには、該開口部を外側に突き抜けて該開口部の縁部を引掛け、前記カバー部材を前記ホルダ部から抜け防止する、先端部に屈曲形状の爪を備えた引掛部が設けてあることを特徴とする防振装置。
  2. 請求項1において、前記防振マウントは前記第1取付金具とは軸方向の反対側にダイヤフラム膜を備えており、前記カバー部材が該ダイヤフラム膜を軸方向外側で覆っていることを特徴とする防振装置。
  3. 請求項1,2の何れかにおいて、前記前後方向のゴムストッパ部は前記蓋部よりも厚肉に構成してあることを特徴とする防振装置。
  4. 請求項1〜3の何れかにおいて、前記引掛用の開口部及び前記引掛部が、前記一対のゴムストッパ部のそれぞれに対応して各ゴムストッパ部にそれぞれ隣接した各位置に一対設けてあることを特徴とする防振装置。
  5. 請求項1〜4の何れかにおいて、前記引掛部の爪は少なくとも一部が前記第1取付金具の側に向けて屈曲していることを特徴とする防振装置。
  6. 請求項1〜5の何れかにおいて、前記カバー部材の前記周壁部には、前記第1取付ブラケットの前記連結部との干渉回避用の切欠部が設けてあることを特徴とする防振装置。
  7. 請求項1〜6の何れかにおいて、前記カバー部材の内面には前記ホルダ部の被係合部に対して係合し、該カバー部材を位置ずれ防止する係合部が設けてあることを特徴とする防振装置。
  8. 請求項2において、前記カバー部材における前記蓋部の内面にはエア逃し溝が設けてあることを特徴とする防振装置。
  9. 請求項1〜8の何れかにおいて、前記カバー部材の前記蓋部は、中央部が軸方向外方に膨出したドーム形状をなしていることを特徴とする防振装置。
  10. 請求項1〜9の何れかにおいて、前記カバー部材を上向きとした状態で前記第1取付ブラケットがエンジン側に、前記第2取付ブラケットが車体側に締結されるエンジン吊下式のものであることを特徴とする防振装置。
  11. 請求項10において、前記第2取付ブラケットには前記カバー部材の上方で該カバー部材の側に延出し、該カバー部材に対し上下方向に対向するリバウンド方向のストッパ片が設けてあることを特徴とする防振装置。
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