JP5145195B2 - 防振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば自動車や産業機械等に適用され、エンジン等の振動発生部の振動を吸収および減衰する防振装置に関するものである。
この種の防振装置として、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される外筒、および他方に連結される内筒と、これらの両筒同士を弾性的に連結する弾性体と、前記外筒の内部を、前記弾性体を隔壁の一部とする一方側の主液室、および他方側の副液室に区画する仕切り部材と、が備えられ、前記仕切り部材には、筒状の仕切り部材本体が備えられ、この仕切り部材本体の外周面に、その周方向に沿って延在し主液室と副液室とを連通する制限通路が形成された構成が知られている。
この防振装置においては、主液室内の液圧が上昇する方向の荷重(以下、「正荷重」という)が入力され、次いで主液室の液圧が下降する方向の荷重(以下、「負荷重」という)が入力されて、主液室内で急激に圧力が変動した場合に、瞬間的に主液室内が負圧になる。これにより、主液室内の液体の一部が気化して気泡が発生する、つまりキャビテーションが発生する。そして、その負圧が解消され気泡が消滅する際に、異音が発生するという問題がある。
このような問題を解決するための手段として、例えば下記特許文献1に示されるように、仕切り部材本体の内周面において、制限通路の両周端開口部のうち主液室に開口する一方の周端開口部から、前記周方向に沿った制限通路の内側に離れた位置に、制限通路と主液室とを連通する途中開口が形成されるとともに、仕切り部材本体の半径方向に弾性変形可能な板状に形成されて前記途中開口を開閉する弁体が設けられた構成が提案されている。
この防振装置では、主液室内が負圧になったときに、弁体が前記半径方向の内側に向けて弾性変形させられ前記途中開口を開放させることにより、キャビテーションの発生が抑制されるようになっている。
特開2007−239824号公報
しかしながら、前記従来の防振装置では、大きな正荷重が入力されると、前記一方の周端開口部を通して主液室から制限通路に液体が流れ込むため、主液室の正圧は大きくならない。このため、次に大きな負荷重が入力されたときに、制限通路が前記途中開口を通して主液室に連通されたとしても、主液室全体の負圧を小さく抑えることが困難で、キャビテーションの発生を抑制するのに限界があった。
本発明は、前記の課題に鑑みてなされたもので、キャビテーションの発生を抑制することが可能な防振装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の防振装置は、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される外筒、および他方に連結される内筒と、これらの両筒同士を弾性的に連結する弾性体と、前記外筒の内部を、前記弾性体を隔壁の一部とする一方側の主液室、および他方側の副液室に区画する仕切り部材と、が備えられ、前記仕切り部材には、筒状の仕切り部材本体が備えられ、この仕切り部材本体の外周面に、その周方向に沿って延在し主液室と副液室とを連通する制限通路が形成された液体封入型の防振装置であって、前記主液室および副液室に各別に開口する前記制限通路の両周端開口部のうちの一方の周端開口部は、主液室の隔壁の一部を構成する前記仕切り部材本体の内周面に形成され、この仕切り部材本体において、前記一方の周端開口部に前記周方向に沿った制限通路の内側から連なる被装着部分に、前記周方向に沿った制限通路の外側に向けて延びる板状の弁体が前記半径方向に弾性変形可能に設けられ、前記主液室の液圧が上昇する方向の荷重が入力されたときに、前記弁体の先端側部分が、前記半径方向の外側に向けて弾性変形させられて、前記制限通路を狭窄若しくは閉塞する構成とされ、前記弁体は、前記先端側部分が前記被装着部分上に位置する基端側部分よりも前記半径方向の外側に位置するように屈曲していることを特徴とする。
この発明では、弁体の前記先端側部分が制限通路を狭窄すると、制限通路の流路抵抗が増大するため、制限通路が目詰まりした状態になる。このため、主液室内の液体が制限通路内に流入し難くなり、主液室内の正圧を大きくすることができる。
また、弁体の前記先端側部分が制限通路を閉塞すると、主液室と制限通路との連通が遮断されて、主液室内の液体が制限通路内に流入しなくなり、主液室内の正圧を大きくすることができる。
以上より、次に主液室の液圧を下降させる荷重が入力されても、この主液室内の負圧を小さく抑えることが可能になり、キャビテーションの発生を抑制することができる。
さらに、弁体において前記先端側部分が前記基端側部分よりも前記半径方向の外側に位置しているので、制限通路を前述のように狭窄若しくは閉塞するのに要する弁体の変形量を少なく抑えることが可能になる。したがって、弁体の曲げ剛性を高くすることが可能になり、弁体の耐久性を確実に向上させることができるとともに、前述のように狭窄する場合には、弁体の前記半径方向の変形量つまり狭窄の程度を容易に調整することもできる。
なお、弁体の前記先端側部分で制限通路を狭窄する場合には、弁体の前記先端側部分を別部材に衝突させることなく、前述のようにキャビテーションの発生を抑えられることから、この衝突に起因した異音の発生や弁体の耐久性の低下を防ぐことができる。
また、前記半径方向に弾性変形する弁体を採用することで、既存の防振装置に対して簡単に弁体を付加することができる。
ここで、前記制限通路において、前記一方の周端開口部およびこの周端開口部に前記半径方向の外側から連なる一方の周端部を、前記仕切り部材本体の軸方向外側から閉塞する両壁部のうち、主液室側に位置する一方の壁部における前記半径方向の内側の端縁は、当該仕切り部材本体の平面視において前記弁体の先端側部分に沿って延在してもよい。
この場合、前記一方の壁部における前記半径方向の内側の端縁が、仕切り部材本体の平面視において弁体の先端側部分に沿って延在しているので、弁体の先端側部分を前記半径方向に僅かに弾性変形させるだけで、この先端側部分を前記一方の壁部における前記半径方向の内側の端縁から前記半径方向に離間させることが可能になる。
したがって、弁体の先端側部分を前記半径方向の外側に僅かに弾性変形させるだけで、主液室内から前記一方の周端開口部を通して制限通路内へ流入する液体の量を効果的に減少させることが可能になる一方、前記半径方向の内側に僅かに弾性変形させるだけで、制限通路内から前記一方の周端開口部を通して主液室内へ流入する液体の量を効果的に増大させることが可能になる。
これにより、主液室の液圧が上昇する方向の荷重が入力されたときに、主液室内の正圧を確実に大きくすることが可能になるとともに、主液室の液圧が下降する方向の荷重が入力されたときに、主液室内全体の負圧を小さく抑えることができる。
以上より、弁体の変形量を抑えつつ、キャビテーションの発生を確実に抑制することができる。
また、制限通路における一方の周端開口部および一方の周端部が、前記軸方向の両側から閉塞されていると、主液室で前記一方の周端開口部に到達した液体、若しくは制限通路内で他方の周端開口部側から前記一方の周端開口部に到達した液体を、前記軸方向に分散させ難くすることが可能になる。したがって、前記一方の周端開口部に到達した液体を、その流れを乱すことなく速やかに制限通路内および主液室内に流入させることが可能になり、液体を両液室間の双方向で良好に流通させることができる。これにより、防振装置の減衰性能を向上させることができる。
また、前記仕切り部材本体の内周面において、前記一方の周端開口部に、前記周方向に沿った制限通路の外側から連なる導入部分は、他の部分よりも前記半径方向の外側に膨出し、前記弁体の先端は、前記導入部分に前記周方向に沿った制限通路の内側から対向してもよい。
この場合、主液室内の液体が、仕切り部材本体の内周面に沿って導入部分を通り一方の周端開口部に向けて流れる過程で、前記導入部分を通過したときに、この液体の流動方向を前記半径方向の外側に傾けさせることが可能になり、主液室内の液体が、前記一方の周端開口部から制限通路内に効率よく流入することになり、防振装置の減衰性能を向上させることができる。
また、弁体の先端が、導入部分に前記周方向に沿った制限通路の内側から対向しているので、弁体の先端と仕切り部材本体の内周面との間の前記周方向に沿った距離を大きく確保することが可能になり、弁体を設けたことで、両液室間の双方向で液体の良好な流通が阻害されるのを防ぐこともできる。
さらにまた、このように弁体の先端と仕切り部材本体の内周面との間の前記周方向に沿った距離を大きく確保することが可能になることから、制限通路内の液体が主液室内に流入したときに、この弁体の先端付近で流速が高められるのを抑えることが可能になり、主液室内でキャビテーションが発生するのを確実に抑制することができる。
さらに、前記制限通路の両周端面のうち、前記一方の周端開口部を画成する一方の周端面は、前記半径方向の外側から内側に向かうに従い漸次、前記周方向に沿った制限通路の外側に向けて延び、かつ前記周方向に沿った制限通路の内側に向けて凸の曲面状に形成されてもよい。
この場合、前記一方の周端面が、前記半径方向の外側から内側に向かうに従い漸次、前記周方向に沿った制限通路の外側に向けて延びているので、主液室内の液体を前記一方の周端開口部から制限通路内に、より一層効率よく流入させることが可能になる。
またこのように、前記一方の周端面が前記半径方向の外側から内側に向かうに従い漸次、前記周方向に沿った制限通路の外側に向けて延びていることから、制限通路内に他方の周端開口部から流入した液体が、一方の周端開口部から主液室内に流入するときに、前記一方の周端面に衝突することでその流れが乱れるのを抑えることが可能になる。
さらに、前記一方の周端面が前記半径方向の外側から内側に向かうに従い漸次、前記周方向に沿った制限通路の外側に向けて延びていることから、制限通路内の液体が、前記一方の周端部から一方の周端開口部を通って主液室内に流入する過程で、流路断面積が漸次大きくなり、この液体の流速を漸次低下させることが可能になり、また、主液室内の液体が一方の周端開口部から制限通路内に流入する過程では、流路断面積が漸次小さくなり、この液体の流速を漸次増大させることができる。
したがって、制限通路内の液体が主液室内に流入したときに、その流速が急激に低下すること、および主液室内の液体が制限通路内に流入したときに、その流速が急激に増大することの双方を抑えることが可能になり、液体を両液室間の双方向でより一層良好に流通させることができる。
さらにまた、前述のように主液室内の液体が制限通路内に流入したときの流速の急激な増加を抑えられることから、制限通路内でキャビテーションが発生するのを抑制することができる。
また、前記一方の周端面が前述のように凸の曲面状に形成されているので、弁体の先端側部分が前記半径方向の外側に向けて弾性変形して、この弁体の先端が前記一方の周端面に前記周方向に沿った制限通路の内側から対向したときに、弁体の先端と前記一方の周端面との間の前記周方向に沿った距離を即座に狭くすることが可能になり、主液室の液圧が上昇する方向の荷重が入力されたときに、主液室内の正圧を確実に大きくすることができる。
また、前記一方の周端開口部を画成する壁面のうち、前記周方向に沿った制限通路の内側の端部に位置する内端面と、前記被装着部分と、の接続部分は、前記周方向に沿った制限通路の外側に向けて凸の曲面状に形成されてもよい。
この場合、一方の周端開口部を画成する内端面と前記被装着部分との接続部分が前記凸の曲面状に形成されているので、弁体の先端側部分が前記半径方向の外側に向けて弾性変形したときに、弁体における先端側部分と基端側部分との連結部分に作用する応力を抑制することが可能になり、この弁体の耐久性をさらに確実に向上させることができる。
この構成において、前記制限通路において、前記一方の周端開口部およびこの周端開口部に前記半径方向の外側から連なる一方の周端部を前記仕切り部材本体の軸方向外側から閉塞する両壁部のうち、主液室側に位置する一方の壁部における前記半径方向の内側の端縁は、この仕切り部材本体の平面視において前記接続部分に沿って延在してもよい。
この場合、前記一方の壁部における前記半径方向の内側の端縁が、仕切り部材本体の平面視で前記接続部分に沿って延在しているので、この仕切り部材本体を例えば金型装置を用いて製作する場合に、この金型装置を複雑にしなくても脱型に際し中子を容易に抜き出すことが可能になる。
この発明によれば、キャビテーションの発生を抑制することができる。
以下、本発明に係る防振装置の一実施形態を、図1から図3を参照しながら説明する。この防振装置10は、図1に示されるように、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される外筒11、および他方に連結される内筒12と、これらの両筒11、12同士を弾性的に連結するゴム弾性体(弾性体)13と、外筒11の内部を、ゴム弾性体13を隔壁の一部とする一方側の主液室17、および他方側の副液室18に区画する仕切り部材15と、を備えている。
なお、これらの各部材はそれぞれ、上面視円形状若しくは円環状に形成されるとともに、それぞれの中心軸線が共通軸上に位置させられた状態で配設されている。以下、この共通軸を軸線Oという。
そして、この防振装置10が例えば自動車に装着された場合、内筒12が振動発生部としてのエンジン側に連結される一方、外筒11が振動受部としての車体側に連結されることにより、エンジンの振動が車体に伝達するのを抑えられるようになっている。
外筒11は、前記軸線O方向の一端側部分が大径部11aとされるとともに、前記軸線O方向の他端側部分が大径部11aよりも小径に形成された小径部11bとされて、これら11a、11bがこの取付け部材11の径方向の内側に向けて絞られた絞り部11cを介して連結されて構成されている。
以下、外筒11において前記軸線O方向に沿って大径部11a側を上側といい、小径部11b側を下側という。
なお、絞り部11cは、外筒11の全周にわたって連続して延在している。また、この外筒11は、大径部11aが図示されない車体側ブラケットの筒状部内に嵌合されることで車体側ブラケットを介して車体側に連結される。
内筒12は柱状に形成されている。内筒12の下側部分は下方に向かうに従い漸次縮径され、その下端部は下方に向けて凸の曲面状に形成されている。内筒12の上端面には、前記軸線Oと同軸上に雌ねじ部12aが形成されている。また、内筒12の前記軸線O方向における中間部には前記径方向の外側に向けて突出したアンカ部12bが形成されている。そして、この内筒12は、雌ねじ部12aにボルト24が螺着されることで図示されないエンジン側ブラケットに固定され、このブラケットを介してエンジン側に連結される。
また、この内筒12は、外筒11の大径部11aにおける径方向内側にこの大径部11aの上端開口面から上方に突出した状態で配置されている。
ゴム弾性体13は、外筒11の上端開口部を閉塞している。図示の例では、ゴム弾性体13は、外筒11の大径部11aおよび絞り部11cの各内周面と、内筒12の下側部分の外周面と、に加硫接着されている。ここで、アンカ部12bはゴム被覆体27で覆われ、外筒11の小径部11bの内周面はゴム膜28で覆われており、これらのゴム被覆体27およびゴム膜28はゴム弾性体13と一体に形成されている。なお、ゴム被覆体27およびアンカ部12bによってリバウンドストッパが構成されている。また、ゴム弾性体13には、前記軸線Oと同軸上にインナーリング13aが埋設されている。
ここで、外筒11の下端開口部は、ダイヤフラム14で閉塞されている。図示の例では、ダイヤフラム14は、円筒状のダイヤフラムリング30と、ダイヤフラムリング30の内側を閉塞するダイヤフラムゴム31と、を備えている。ダイヤフラムゴム31は椀状に形成され、その外縁部がダイヤフラムリング30の内周面に加硫接着されている。このような構成のダイヤフラム14は、外筒11の小径部11b内に嵌合された状態で、小径部11bの下端部とともにダイヤフラムリング30の下端部が全周にわたって径方向内側に加締られることによって固定されている。なお、ダイヤフラムリング30の外周面と外筒11の小径部11bの内周面との間には、上記したゴム膜28が介在されている。
以上のようにゴム弾性体13およびダイヤフラム14によって閉じられた外筒11の内部には、例えばエチレングリコールや水等の液体が封入されている。また、この外筒11の内部は、仕切り部材15によって、上側の主液室17と下側の副液室18とに区画されている。主液室17は、ゴム弾性体13を隔壁の一部に有しこのゴム弾性体13の変形により内容積が変化し、副液室18は、ダイヤフラム14を隔壁の一部に有しダイヤフラム14のダイヤフラムゴム31の変形により内容積が変化する。
なお図示の例では、この防振装置10は、主液室17が鉛直方向上側に位置しかつ副液室18が鉛直方向下側に位置するように取り付けられて用いられる圧縮式となっている。
仕切り部材15は、外筒11の小径部11b内に嵌合されている。仕切り部材15は、円筒状の仕切り部材本体41と、仕切り部材本体41の下方に配設されたメンブラン42と、そのメンブラン42を収容するメンブラン収容部材43と、を備えている。
仕切り部材本体41には底板部41bが備えられ、この底板部41bに複数の貫通孔46が形成されている。また、仕切り部材本体41の外周面には、その周方向に沿って延在し主液室17と副液室18とを連通する制限通路40が形成されている。制限通路40はオリフィスを構成している。図示の例では、制限通路40はその全周にわたって、仕切り部材本体41の外周面において前記軸線O方向における同一の位置に形成されている。また、制限通路40は、仕切り部材本体41の外周面において前記軸線Oを中心とした360°未満(図示の例では約300°)の領域に形成されている。
制限通路40において主液室17に開口する一方の周端開口部44は、主液室17の隔壁の一部を構成する仕切り部材本体41の内周面41aに形成されている。制限通路40において副液室18に開口する他方の周端開口部45は、図3に示されるように、制限通路40を下側から閉塞する下側壁部41gに形成されている。これにより図示の例では、一方の周端開口部44は、主液室17に前記半径方向の内側に向けて開口し、他方の周端開口部45は、副液室18に下側に向けて開口している。
なお、制限通路40は、仕切り部材本体41の半径方向の外側から前記ゴム膜28によって閉塞されている。また、仕切り部材本体41における底板部41bの下面と下側壁部41gの下面とは面一となっている。
なお、図示の例では、制限通路40は、車両におけるシェイク振動に対応するシェイクオリフィスであり、制限通路40の流路長および流路断面積、つまり流路抵抗が、シェイク振動の周波数(例えば、8〜12Hz程度)において液柱共振が生じるようにチューニングされている。
メンブラン収容部材43は、図1に示されるように、有底筒状に形成されるとともに仕切り部材本体41の下側に取り付けられている。また、メンブラン収容部材43の周壁部43bにおける上端開口縁にはフランジ部43cがその全周にわたって突設されており、このフランジ部43cの上面が仕切り部材本体41に取り付けられている。さらに、メンブラン収容部材43の底板部43aには複数の貫通孔47が形成されている。なお、仕切り部材15は、仕切り部材本体41の外周縁部およびメンブラン収容部材43のフランジ部43cが外筒11の絞り部11cとダイヤフラム14のダイヤフラムリング30とにより前記軸線O方向に挟み込まれて固定されている。また、メンブラン収容部材43のフランジ部43cにおいて前記他方の周端開口部45と対応する位置に、この他方の周端開口部45とほぼ同形同大の図示されない孔が形成されている。
メンブラン42は、円形状のゴム板であり、仕切り部材本体41の底板部41bと、メンブラン収容部材43の周壁部43bおよび底板部43aと、で囲まれた空間に収容されている。
ここで、仕切り部材本体41の内周面41aにおいて、前記一方の周端開口部44に、前記周方向に沿った制限通路40の外側から連なる導入部分41fは、図2および図3に示されるように、他の部分よりも前記半径方向の外側に膨出している。図示の例では、導入部分41fの平面視形状は、前記他の部分よりも曲率半径が小さい円弧状となっている。なお、導入部分41fの周長は、制限通路40の周長の10分の1程度となっている。また、仕切り部材本体41の内周面41aは導入部分41fを含む全体が、上方から下方に向かうに従い漸次、前記半径方向の内側に向けて延びる凹曲面状に形成されている。さらに、図2に示されるように、リング状に形成された仕切り部材本体41の上端面のうち、導入部分41fに連なる部分は、後述する閉塞部分41iを除く他の部分と比べて、導入部分41fの前記半径方向の外側に向けた膨出量と対応して前記半径方向における大きさが小さくなっている。そして、仕切り部材本体41の内周面41aにおける上端縁は導入部分41fを含む全体が、仕切り部材本体41の上端面の内周縁に連なっている。
また、仕切り部材本体41の内周面41aにおいて、前記一方の周端開口部44に前記周方向に沿った制限通路40の内側から連なる被装着部分41cに、前記周方向に沿った制限通路40の外側に向けて延びる板状の弁体48が、この仕切り部材本体41の半径方向に弾性変形可能に設けられている。この弁体48は、例えばステンレス鋼等の金属材料で形成された薄板からなるバネ板であり、その板厚方向に弾性的に撓み変形可能な部材である。
そして、防振装置10に荷重が入力されて主液室17の液圧が上昇したときに、弁体48において前記一方の周端開口部44に前記半径方向の内側から対向する先端側部分48aが、図3の二点鎖線で示されるように、前記半径方向の外側に向けて弾性変形させられて制限通路40を狭窄するように構成されている。すなわち、弁体48の先端側部分48aは、防振装置10に荷重が入力されていない通常時では、図2および図3に示されるように、制限通路40を開放しており、防振装置10に荷重が入力されて主液室17の液圧が上昇したときに、一方の周端開口部44から一方の周端部40d内に進入して制限通路40を狭窄するように構成されている。
前記被装着部分41cは、前記軸線Oに平行な平坦面となっている。また、弁体48において前記被装着部分41c上に位置する基端側部分48bは平面状に形成されており、例えばリベット等の固定部材49により前記被装着部分41cに固定されている。なお、固定部材49は、仕切り部材本体41の周方向に間隔をあけて複数配設されている。
さらに、図3に示されるように、前記一方の周端開口部44を画成する壁面のうち、前記周方向に沿った制限通路40の内側の端部に位置する内端面41eと、前記被装着部分41cと、の接続部分32は、前記周方向に沿った制限通路40の外側に向けて凸の曲面状に形成されている。
また、仕切り部材本体41の内周面41aにおいて、導入部分41fにおける前記周方向に沿った制限通路40の外側の端部と、被装着部分41cにおける前記周方向に沿った制限通路40の内側の端部と、の間に位置する部分は、その平面視で単一の円弧形状を呈している。
そして本実施形態では、弁体48は、前記先端側部分48aが基端側部分48bよりも前記半径方向の外側に位置するように屈曲している。図示の例では、前記先端側部分48aは、前記半径方向の外側に向けて凸の曲面状をなして前記基端側部分48bよりも前記半径方向の外側に位置している。なお、前記先端側部分48aは先端48cを含めた全体が、前記基端側部分48bよりも前記半径方向の外側に位置している。
ここで、制限通路40は、副液室18に開口する前記他方の周端開口部45と、制限通路40の両周端部のうち前記他方の周端開口部45に上方から連なる他方の周端部40eと、を除く全域が前記軸線O方向の両側から閉塞されている。そして、図2および図3に示されるように、制限通路40を上側から閉塞する上側壁部41hにおいて、前記一方の周端開口部44およびこの周端開口部44に前記半径方向の外側から連なる一方の周端部40dを上側から閉塞する閉塞部分(一方の壁部)41iにおける前記半径方向の内側の端縁は、当該仕切り部材本体41の平面視において、弁体48の先端側部分48aに沿って延在している。なお、上側壁部41hの上面は、前述した仕切り部材本体41の上端面の一部を構成している。
ここで、一方の周端開口部44は前記周方向に沿って長い長方形状に形成されており、その上端縁は、制限通路40を画成する壁面のうち前記半径方向の外側を向く壁面と上側壁部41hの下面との境界に位置し、下端縁は、制限通路40を画成する壁面のうち前記半径方向の外側を向く壁面と下側壁部41gの上面との境界に位置している。
図示の例では、弁体48の先端側部分48aは、仕切り部材本体41の平面視において、上側壁部41hの閉塞部分41iにおける前記半径方向の内側の端縁に、前記半径方向の内側から近接している。つまり、弁体48の先端側部分48aは、前記一方の周端開口部44よりも前記半径方向の内側に位置して、一方の周端開口部44を開放している。また、前記閉塞部分41iにおいて前記周方向に沿った制限通路40の内側の端部における前記半径方向の内側の端縁は、この仕切り部材本体41の平面視において、前記接続部分32に沿って延在している。すなわち、上側壁部41hの前記閉塞部分41iにおいて前記周方向に沿った制限通路40の内側の端部における前記半径方向の内側の端縁は、前記接続部分32の上端縁と一致している。
また、上側壁部41hにおいて前記閉塞部分41iに前記周方向に沿った制限通路40の内側から連なる部分における前記半径方向の内側の端縁は、この仕切り部材本体41の平面視において、前記被装着部分41cに沿って延在している。すなわち、上側壁部41hにおいて前記閉塞部分41iに前記周方向に沿った制限通路40の内側から連なる部分における前記半径方向の内側の端縁は、前記被装着部分41cの上端縁と一致している。さらに図示の例では、前記閉塞部分41iの前記半径方向における大きさは、前記周方向に沿って制限通路40の内側から外側に向かうに従い漸次小さくなっている。
さらに本実施形態では、図3に示されるように、制限通路40の両周端面40b、40cのうち、一方の周端開口部44を画成する一方の周端面40bは、前記半径方向の外側から内側に向かうに従い漸次、前記周方向に沿った制限通路40の外側に向けて延び、かつ前記周方向に沿った制限通路40の内側に向けて凸の曲面状に形成されて、前記導入部分41fに接続されている。なお、一方の周端面40bは、前記導入部分41fに前記周方向に沿った制限通路40の内側から段差なく滑らかに連なっている。また、一方の周端面40bは、上方から下方に向かうに従い漸次、前記周方向に沿った制限通路40の内側に向けて延びる凹曲面状に形成されている。
そして、前記弁体48の先端48cは、導入部分41fにおける前記一方の周端面40bとの接続部分に、前記周方向に沿った制限通路40の内側から対向している。また、弁体48は、その先端側部分48aが前記半径方向に弾性変形するときに、例えば前記一方の周端面40b、仕切り部材本体41の内周面41a、上側壁部41h、下側壁部41gおよびゴム膜28等とは接触しないように設計されている。なお、弁体の先端48cと一方の周端面40bおよび仕切り部材本体41の内周面41a(導入部分41f)との前記周方向における各大きさは、弁体48と上側壁部41hの下面および下側壁部41gの上面との前記軸線O方向における各大きさよりも大きくなっている。
次に、上記した構成からなる防振装置10の作用について説明する。
上述した構成からなる防振装置10は、内筒12が図示せぬエンジン側ブラケットを介してエンジン側に連結されるとともに、外筒11が図示せぬ車体側ブラケットを介して車体側に連結されることにより、エンジンと車体との間に介装される。これにより、防振装置10には下向きにエンジンの静荷重が作用し、内筒12が外筒11に対して下方に移動し、この移動に伴いゴム弾性体13が弾性変形させられ、このゴム弾性体13の弾性変形に伴い主液室17の内容積が縮小して主液室17の液圧が上昇する。この際、主液室17と副液室18との間に内圧差が生じ、その内圧差により主液室17内の液体が制限通路40や前述の貫通孔46、47を通って副液室18に流入し、その結果、ダイヤフラム14が図1に示すように下方に膨出して副液室18の内容積が増大する。なお、以上の過程で、弁体48は変形せず、制限通路40を開放させた開位置に位置している。
そして、上記したエンジンがアイドル回転すると、その振動がエンジン側ブラケットを介して防振装置10の内筒12に伝達され、防振装置10には、小振幅かつ高周波数域(例えば13Hz〜40Hz)のアイドル振動が入力される。この場合、液体は、制限通路40を通らず、メンブラン42がメンブラン収容部材43内で入力振動に応じて上下に振動させられることで、前述の貫通孔46、47を通って主液室17と副液室18との間を流通する。これにより、主液室17の内容積が変動するものの、主液室17の液圧変動、つまり防振装置10の動的ばね定数の変動が抑えられ、車体側に伝達される振動が低減される。このとき、弁体48は、上記した開位置で停止しているか、或いは、制限通路40の特性に影響が出ない程度に微振動する。
また、上記したエンジンの駆動が開始すると、その振動がエンジン側ブラケットを介して防振装置10の内筒12に伝達され、防振装置10には、周波数が比較的低い振動、つまり、前述した高周波数域よりも大振幅で小さい周波数(例えば8Hz〜15Hz)のシェイク振動が入力される。この場合、シェイク振動により内筒12が外筒11に対して上方および下方に交互に繰り返し移動するのに伴い、主液室17の液圧が変動し、主液室17と副液室18との間に内圧差が生じる。この場合、メンブラン42が、仕切り部材本体41の底板部41bまたはメンブラン収容部材43の底板部43aに密接することとなり、制限部材41の底板部41bの貫通孔46またはメンブラン収容部材43の底板部43aの貫通孔47が閉塞される。これにより、液体は、制限通路40のみを通って主液室17と副液室18との間を流通する。また、制限通路40は、その流路長および流路断面積がシェイク振動に対応するようにチューニングされているので、制限通路40を流通する液体に共振現象(液柱共振)が生じてシェイク振動が減衰され、車体側に伝達される振動が低減される。このとき、弁体48は、上記した開位置で停止しているか、あるいは、制限通路40の特性に影響が出ない程度に微振動する。
また、路面の凹凸等により、エンジンと車体とが大きく相対変位した場合、防振装置10に、シェイク振動よりも大振幅の振動が入力される場合がある。例えば、内筒12が外筒11に対して相対的に下方に大きく移動すると、防振装置10に正荷重(バウンド方向への荷重)が入力されて主液室17の内容積が縮小され、主液室17の液圧が急激に上昇する。このとき、弁体48に主液室17の液圧が作用し、図3の二点鎖線で示すように、弁体48の先端側部分48aが前記半径方向の外側に向けて弾性変形する。
このように弁体48の先端側部分48aが前記半径方向の外側に向けて弾性変形すると、この先端側部分48aが一方の周端開口部44から一方の周端部40d内に進入し、弁体48の先端側部分48aと前記ゴム膜28との前記半径方向に沿った距離、および弁体48の先端側部分48aと一方の周端面40bとの前記周方向に沿った距離が狭くなり、制限通路40が狭窄される。したがって、制限通路40における一方の周端開口部44および一方の周端部40dの流路抵抗が増加する。このため、制限通路40が目詰まりした状態になり、主液室17から制限通路40に液体が流入し難くなるので、主液室17の正圧が大きくなる。
ここで、弁体48は、前記ゴム膜28および一方の周端面40bに当接することなく、つまり制限通路40を閉塞することなく狭窄する。
続いて、内筒12が外筒11に対して相対的に上方に大きく移動すると、防振装置10に負荷重(リバウンド方向への荷重)が入力され、主液室17の内容積が拡大され、主液室17の液圧が急激に低下する。このとき、上述したように主液室17の正圧が大きくなっているため、主液室17の液圧が急激に低下しても主液室17の負圧は大きくならず小さく抑えられる。
さらにこのように、主液室17内の液圧が低下すると、弁体48の先端側部分48aには、弾性復元力とともに主液室17内の負圧が作用するため、この先端側部分48aは、元の開位置よりも前記半径方向の内側に向けて弾性変形させられて、一方の周端開口部44から前記半径方向の内側に離間する。これにより、液体が副液室18から制限通路40を通って主液室17に流入し易くなり、主液室17の液圧低下がより一層抑えられる。
以上説明したように、本実施形態による防振装置10によれば、弁体48が備えられているので、シェイク振動よりも大振幅の振動が入力されて、この装置10に正荷重が入力された後、負荷重が入力されても、主液室17内の負圧を小さく抑えることが可能になり、キャビテーションの発生を抑制することができる。
また、弁体48において先端側部分48aが基端側部分48bよりも前記半径方向の外側に位置しているので、制限通路40を前述のように狭窄するのに要する弁体48の変形量を少なく抑えることが可能になる。したがって、弁体48の曲げ剛性を高くすることが可能になり、弁体48の耐久性を確実に向上させることができるとともに、弁体48による制限通路40の狭窄の程度を容易に調整することもできる。
さらに、弁体48の先端側部分48aを別部材に衝突させることなく、前述のようにキャビテーションの発生を抑えられることから、この衝突に起因した異音の発生や弁体48の耐久性の低下を防ぐことができる。
また、前記半径方向に弾性変形する弁体48を採用することで、既存の防振装置に対して簡単に弁体48を付加することができる。
さらに、本実施形態では、前記閉塞部分41iにおける前記半径方向の内側の端縁が、仕切り部材本体41の平面視において弁体48の先端側部分48aに沿って延在しているので、弁体48の先端側部分48aを前記半径方向に僅かに弾性変形させるだけで、この先端側部分48aを前記閉塞部分41iにおける前記半径方向の内側の端縁から前記半径方向に離間させることが可能になる。したがって、弁体48の先端側部分48を前記半径方向の外側に僅かに弾性変形させるだけで、主液室17内から一方の周端開口部44を通して制限通路40内へ流入する液体の量を効果的に減少させることが可能になる一方、前記半径方向の内側に僅かに弾性変形させるだけで、制限通路40内から一方の周端開口部44を通して主液室17内へ流入する液体の量を効果的に増大させることが可能になる。
これにより、主液室17の液圧が上昇する方向の荷重が入力されたときに、主液室17内の正圧を確実に大きくすることが可能になるとともに、主液室17の液圧が下降する方向の荷重が入力されたときに、主液室17内全体の負圧を小さく抑えることができる。
以上より、弁体48の変形量を抑えつつ、キャビテーションの発生を確実に抑制することができる。
また、制限通路40における一方の周端開口部44および一方の周端部40dが、上側壁部40hおよび下側壁部40gにより前記軸線O方向の両側から閉塞されているので、主液室17で一方の周端開口部44に到達した液体、若しくは制限通路40内で他方の周端開口部45側から一方の周端開口部44に到達した液体を、前記軸線O方向に分散させ難くすることが可能になる。したがって、一方の周端開口部44に到達した液体を、その流れを乱すことなく速やかに制限通路40内および主液室17内に流入させることが可能になり、液体を両液室17、18間の双方向で良好に流通させることができる。これにより、防振装置10の減衰性能を向上させることができる。
さらに、仕切り部材本体41の内周面41aに導入部分41fが形成されているので、主液室17内の液体が、仕切り部材本体41の内周面41aに沿って導入部分41fを通り一方の周端開口部44に向けて流れる過程で、導入部分41fを通過したときに、この液体の流動方向を前記半径方向の外側に傾けさせることが可能になり、主液室17内の液体が、一方の周端開口部44から制限通路40内に効率よく流入することになり、防振装置10の減衰性能を向上させることができる。
また、弁体48の先端48cが、導入部分41fに前記周方向に沿った制限通路40の内側から対向しているので、弁体48の先端48cと仕切り部材本体41の内周面41aとの間の前記周方向に沿った距離を大きく確保することが可能になり、弁体48を設けたことで、両液室17、18間の双方向で液体の良好な流通が阻害されるのを防ぐこともできる。
さらにまた、このように弁体48の先端48cと仕切り部材本体41の内周面41aとの間の前記周方向に沿った距離を大きく確保することが可能になることから、制限通路40内の液体が主液室17内に流入したときに、この弁体48の先端48c付近で流速が高められるのを抑えることが可能になり、主液室17内でキャビテーションが発生するのを確実に抑制することができる。
さらに、制限通路40における一方の周端面40bが、前記半径方向の外側から内側に向かうに従い漸次、前記周方向に沿った制限通路40の外側に向けて延びているので、主液室17内の液体を一方の周端開口部44から制限通路40内に、より一層効率よく流入させることが可能になる。
またこのように、一方の周端面40bが前記半径方向の外側から内側に向かうに従い漸次、前記周方向に沿った制限通路40の外側に向けて延びていることから、制限通路40内に他方の周端開口部45から流入した液体が、一方の周端開口部44から主液室17内に流入するときに、一方の周端面40bに衝突することでその流れが乱れるのを抑えることが可能になる。
さらに、一方の周端面40bが前記半径方向の外側から内側に向かうに従い漸次、前記周方向に沿った制限通路40の外側に向けて延びていることから、制限通路40内の液体が、一方の周端部40dから一方の周端開口部44を通って主液室17内に流入する過程で、流路断面積が漸次大きくなり、この液体の流速を漸次低下させることが可能になり、また、主液室17内の液体が一方の周端開口部44から制限通路40内に流入する過程では、流路断面積が漸次小さくなり、この液体の流速を漸次増大させることができる。
したがって、制限通路40内の液体が主液室17内に流入したときに、その流速が急激に低下すること、および主液室17内の液体が制限通路40内に流入したときに、その流速が急激に増大することの双方を抑えることが可能になり、液体を両液室17、18間の双方向でより一層良好に流通させることができる。
さらにまた、前述のように主液室17内の液体が制限通路40内に流入したときの流速の急激な増加を抑えられることから、制限通路40内でキャビテーションが発生するのを抑制することができる。
また、一方の周端面40bが前述のように凸の曲面状に形成されているので、弁体48の先端側部分48aが前記半径方向の外側に向けて弾性変形して、この弁体48の先端48cが一方の周端面48bに前記周方向に沿った制限通路40の内側から対向したときに、弁体48の先端48cと一方の周端面40bとの間の前記周方向に沿った距離を即座に狭くすることが可能になり、主液室17の液圧が上昇する方向の荷重が入力されたときに、主液室17内の正圧を確実に大きくすることができる。
さらに、一方の周端開口部44を画成する内端面41eと前記被装着部分41cとの接続部分32が前記凸の曲面状に形成されているので、弁体48の先端側部分48aが前記半径方向の外側に向けて弾性変形したときに、弁体48における先端側部分48aと基端側部分48bとの連結部分に作用する応力を抑制することが可能になり、この弁体48の耐久性をさらに確実に向上させることができる。
さらにまた、前記閉塞部分41iにおける前記半径方向の内側の端縁が、仕切り部材本体41の平面視で前記接続部32分に沿って延在しているので、この仕切り部材本体41を例えば金型装置を用いて製作する場合に、この金型装置を複雑にしなくても脱型に際し中子を容易に抜き出すことが可能になる。
以上、本発明に係る防振装置の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、前記実施形態では、防振装置10として圧縮式を示したが、主液室17が鉛直方向下側に位置しかつ副液室18が鉛直方向上側に位置するように取り付けられて用いられる吊り下げ式の防振装置にも適用可能である。
また、本発明に係る防振装置は、車両のエンジンマウントに限定されるものではなく、例えば、建設機械に搭載された発電機のマウントに適用することも可能であり、あるいは、工場等に設置される設備のマウントに適用することも可能である。
また、制限通路40は、前記実施形態に代えて、仕切り部材本体41の外周面にその周方向に沿って螺旋状に形成し、前記軸線O回りに360°よりも長く延在させてもよい。
また、前記閉塞部分41iの前記半径方向における内側の端縁を、弁体48の先端側部分48aおよび前記接続部分32に沿って延在させなくてもよい。
また、図4に示されるように、仕切り部材本体41の内周面41aに導入部分41fを形成せず、仕切り部材本体41の内周面41aのうち被装着部分41cを除く全体の、この仕切り部材本体41の平面視形状を単一の円弧形状にしてもよい。
また、弁体48の先端48cを、前記周方向に沿った制限通路40の内側から導入部分41fに対向させなくてもよく、例えば一方の周端面40bと対向させてもよい。
また、前記接続部分32を凸曲面状に形成しなくてもよく、例えば傾斜面状等に形成してもよい。
また、前記閉塞部分41iを有しない上側壁部41hを採用してもよい。
また、前記実施形態では、主液室17の液圧が上昇する方向の荷重が入力されたときに、弁体48の先端側部分48aが制限通路40を狭窄する構成を示したが、これに代えて例えば、弁体48の先端側部分48aを、上側壁部41h、下側壁部41g、前記ゴム膜28、仕切り部材本体41の内周面41aおよび一方の周端面40bのうちの少なくとも1つに当接させることで、制限通路40を閉塞してもよい。
また、前記実施形態では、弁体48の基端側部分48bを、仕切り部材本体41の内周面41aに形成された被装着部分41cに取り付けたが、これに代えて例えば、制限通路40を画成する壁面のうち前記半径方向の外側を向く壁面に前記被装着部分を形成し、この被装着部分に弁体48の基端側部分48bを取り付けてもよい。この構成において、弁体48の先端側部分48aは、制限通路40の一方の周端部40d内に位置させてもよいし、あるいは前記半径方向の内側に向けて屈曲させつつ前記周方向に沿って延在させて一方の周端開口部44から主液室17内に突出させて位置させてもよい。
また、前記被装着部分41cおよび弁体48の基端側部分48bを平坦に形成しなくてもよい。
また、前記実施形態では、外筒11および内筒12を互いに連結する弾性体としてゴム弾性体13を示したが、これに代えて例えば合成樹脂製等の弾性体を採用してもよい。
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
キャビテーションの発生を抑制することができる。
本発明に係る一実施形態として示した防振装置の縦断面図である。 図1に示す仕切り部材の平面図である。 図1に示す仕切り部材の横断面図である。 本発明に係る他の実施形態として示した防振装置の仕切り部材の一部破断平面図である。
符号の説明
10 防振装置
11 外筒
12 内筒
13 ゴム弾性体
15 仕切り部材
17 主液室
18 副液室
32 接続部分
40 制限通路
40b 一方の周端面
40c 他方の周端面
40d 一方の周端部
40e 他方の周端部
41 仕切り部材本体
41a 仕切り部材本体の内周面
41c 被装着部分
41e 内端面
41f 導入部分
41i 閉塞部分(一方の壁部)
44 一方の周端開口部
45 他方の周端開口部
48 弁体
48a 先端側部分
48b 基端側部分
48c 先端

Claims (6)

  1. 振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される外筒、および他方に連結される内筒と、
    これらの両筒同士を弾性的に連結する弾性体と、
    前記外筒の内部を、前記弾性体を隔壁の一部とする一方側の主液室、および他方側の副液室に区画する仕切り部材と、が備えられ、
    前記仕切り部材には、筒状の仕切り部材本体が備えられ、この仕切り部材本体の外周面に、その周方向に沿って延在し主液室と副液室とを連通する制限通路が形成された液体封入型の防振装置であって、
    前記主液室および副液室に各別に開口する前記制限通路の両周端開口部のうちの一方の周端開口部は、主液室の隔壁の一部を構成する前記仕切り部材本体の内周面に形成され、
    この仕切り部材本体において、前記一方の周端開口部に前記周方向に沿った制限通路の内側から連なる被装着部分に、前記周方向に沿った制限通路の外側に向けて延びる板状の弁体が前記半径方向に弾性変形可能に設けられ、
    前記主液室の液圧が上昇する方向の荷重が入力されたときに、前記弁体の先端側部分が、前記半径方向の外側に向けて弾性変形させられて、前記制限通路を狭窄若しくは閉塞する構成とされ、
    前記弁体は、前記先端側部分が前記被装着部分上に位置する基端側部分よりも前記半径方向の外側に位置するように屈曲していることを特徴とする防振装置。
  2. 請求項1記載の防振装置であって、
    前記制限通路において、前記一方の周端開口部およびこの周端開口部に前記半径方向の外側から連なる一方の周端部を、前記仕切り部材本体の軸方向外側から閉塞する両壁部のうち、主液室側に位置する一方の壁部における前記半径方向の内側の端縁は、当該仕切り部材本体の平面視において前記弁体の先端側部分に沿って延在していることを特徴とする防振装置。
  3. 請求項1または2に記載の防振装置であって、
    前記仕切り部材本体の内周面において、前記一方の周端開口部に、前記周方向に沿った制限通路の外側から連なる導入部分は、他の部分よりも前記半径方向の外側に膨出し、前記弁体の先端は、前記導入部分に前記周方向に沿った制限通路の内側から対向していることを特徴とする防振装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の防振装置であって、
    前記制限通路の両周端面のうち、前記一方の周端開口部を画成する一方の周端面は、前記半径方向の外側から内側に向かうに従い漸次、前記周方向に沿った制限通路の外側に向けて延び、かつ前記周方向に沿った制限通路の内側に向けて凸の曲面状に形成されていることを特徴とする防振装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の防振装置であって、
    前記一方の周端開口部を画成する壁面のうち、前記周方向に沿った制限通路の内側の端部に位置する内端面と、前記被装着部分と、の接続部分は、前記周方向に沿った制限通路の外側に向けて凸の曲面状に形成されていることを特徴とする防振装置。
  6. 請求項5記載の防振装置であって、
    前記制限通路において、前記一方の周端開口部およびこの周端開口部に前記半径方向の外側から連なる一方の周端部を前記仕切り部材本体の軸方向外側から閉塞する両壁部のうち、主液室側に位置する一方の壁部における前記半径方向の内側の端縁は、この仕切り部材本体の平面視において前記接続部分に沿って延在していることを特徴とする防振装置。
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