JP4974925B2 - 防振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、防振装置に関するものである。
車両の振動発生部であるエンジンと、振動受け部である車体との間には、エンジンの振動が車体に伝達されるのを抑制する防振装置として、エンジンマウントが配設されている。エンジンマウントは、エンジンに連結される内筒と、車体に連結される外筒と、内筒および外筒を連結しつつ外筒の一方端部を閉塞する弾性体と、外筒の他方端部を閉塞するダイヤフラムと、外筒の内部を弾性体側の主液室とダイヤフラム側の副液室とに仕切る仕切部材と、主液室および副液室を連通するオリフィスと、を有している。
上述した従来のエンジンマウントでは、主液室の液圧が上昇する方向の荷重(以下「正荷重」という。)が入力され、続けて主液室の液圧が下降する方向の荷重(以下「負荷重」という。)が入力されて、主液室内に急激な圧力変動が作用した場合に、瞬間的に主液室内が負圧になる。これにより、主液室の液体の一部が気化して気泡が発生する(キャビテーション)。そして、その負圧が解消され気泡が消滅する際に、異音が発生するという問題がある。
この点、特許文献1には、オリフィス通路の壁部の少なくとも一部において受圧室に開口する開口窓が形成されると共に、弾性を有する蓋プレート部材が該開口窓を閉塞するように配設されて、該蓋プレート部材がその弾性によって該開口窓を覆蓋する状態で保持されている一方、該蓋プレート部材における該オリフィス通路の平衡室への開口部側が固定的に支持されていると共に、該蓋プレート部材における該受圧室への開口部側が該開口窓に対して相対的に変位可能とされて開口するようになっており、振動入力時に該受圧室の圧力変動に基づいて該蓋プレート部材が弾性変形することにより該開口窓が開口せしめられて、該オリフィス通路が該開口窓を通じて該受圧室に連通されるようになっている流体封入式防振装置が開示されている。
特開2007−239824号公報 特開2007−107712号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、大きな正荷重が入力された場合に、受圧室からオリフィス通路に液体が流れ込むため、受圧室の正圧は大きくならない。そのため、次に大きな負荷重が入力された場合に、オリフィス通路が開口窓を通じて受圧室に連通されたとしても、受圧室の負圧が大きくなる。したがって、キャビテーション発生の抑制には限界があるという問題がある。
また特許文献1に記載された技術では、シェイク振動の入力時に受圧室に惹起される負圧によっても、オリフィス通路が受圧室に連通されることになる。この場合、シェイク振動の振幅によってオリフィス通路の液柱共振周波数が変化するので、通常時においてシェイク振動に対する防振性能が十分に発揮できなくなるという問題がある。
本発明は、前記の課題に鑑みてなされたもので、キャビテーションの発生を抑制することが可能な防振装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係る防振装置は、振動発生部および振動受部のいずれか一方に連結され、略筒状に形成された第1取付部材と、前記振動発生部および前記振動受部のいずれか他方に連結され、前記第1取付部材の内周側に配置された第2取付部材と、前記第1取付部材と前記第2取付部材との間を弾性的に支持する弾性体と、隔壁の一部が前記弾性体で構成され、液体が封入された主液室と、隔壁の一部がダイヤフラムで構成されるとともに液体が封入され、液圧の変化に応じて内容積が拡縮可能な副液室と、前記主液室と前記副液室との間に設けられた仕切部材と、前記主液室と前記副液室とを連通するオリフィス通路と、を有し、前記主液室の液圧が上昇する方向の荷重が入力された場合に、前記主液室の半径方向に移動して前記オリフィス通路を狭窄しうる弁体を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、弁体がオリフィス通路を狭窄すると、オリフィス通路の流路抵抗が増加するため、液柱共振周波数が低周波側にシフトする。その結果、キャビテーションを発生させる振動が入力された場合に、オリフィス通路が目詰まりした状態になる。これにより、主液室の液圧が上昇する方向の荷重が入力されても、主液室からオリフィス通路に液体が流入し難くなるので、主液室内の正圧が大きくなる。そのため、次に主液室の液圧が下降する方向の荷重が入力されても、主液室内の負圧は大きくならない。したがって、キャビテーションの発生を抑制することができる。
また、主液室の半径方向に移動する弁体を採用することで、既存の防振装置に対して簡単に弁体を付加することができる。さらに、通常時において主液室とオリフィス通路との間における液体の流通を阻害することがないので、オリフィス通路の液柱共振を所定周波数で発生させることが可能になり、防振特性を十分に発揮することができる。
これに加えて、オリフィス通路を閉塞することなく狭窄する弁体を採用することで、弁体が別部材に当接して異音が発生するのを防止することができる。
前記オリフィス通路は、前記主液室の半径方向に向けて開口する開口部を備え、前記弁体が、前記開口部を開放するように付勢されていることを特徴とする。
この構成によれば、通常時において、主液室とオリフィス通路との間で液体を円滑に流通させることが可能になり、防振特性を十分に発揮することができる。
前記弁体は板ばねで構成され、前記板ばねの一方端部が、前記開口部の周囲に固定されるとともに、前記板ばねの他方端部が、前記開口部から離間配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、板ばねの他方端部が、通常時には開口部を開放するように付勢され、主液室の液圧が上昇する方向の荷重が入力された場合には主液室の半径方向に移動してオリフィス通路を狭窄することができる。これにより、別途付勢手段を設ける必要がなくなり、製造コストを低減することができる。
本発明によれば、弁体によりオリフィス通路を狭窄することで、キャビテーション振動に対してオリフィス通路が目詰まりするので、主液室内の正圧が大きくなる。そのため、続けて主液室の液圧が下降する方向の荷重が入力されても、主液室内の負圧は大きくならない。したがって、キャビテーションの発生を抑制することができる。
以下、本発明に係る防振装置の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、エンジンマウントの中心軸に垂直な断面における主液室の半径方向を、単に「半径方向」という場合がある。
(エンジンマウント)
図1は、本実施形態におけるエンジンマウントの全体構成を示す断面図である。
図1に示すように、エンジンマウント(防振装置)10は、自動車における振動発生部であるエンジンを、振動受け部である車体へ支持するものである。なお、以下の説明において、図中の符号Sはエンジンマウント10の軸心を示しており、この軸心Sに沿った方向をエンジンマウント10の軸方向とする。
エンジンマウント10は、筒状の外筒部材(第1取付部材)14と、外筒部材14の内周側の上方に略同軸的に配置された内筒部材(第2取付部材)16と、外筒部材14と内筒部材16との間を弾性的に支持するゴム材料等からなる弾性体18とを備えている。
外筒部材14には、上端部に筒状の大径部28が形成されるとともに、下端側に大径部28に対して小径とされた筒状の小径部60が形成されている。大径部28と小径部60との間には、内周側へ縮径された絞り部62が全周に亘って形成されている。
内筒部材16は砲弾形状の部材であって、その上部には軸心Sに沿って延びる連結部22が形成されている。この連結部22の中心部にねじ孔24が穿設されている。このねじ孔24にボルト26が捻じ込まれてエンジン側ブラケット(不図示)が固定され、内筒部材16はエンジン側ブラケットを介してエンジン側に締結固定される。一方、内筒部材16の下側には、下方に向けて先細るテーパ部21が形成されている。そして、連結部22とテーパ部21との間には、内筒部材16の径方向外側に張り出すアンカ部20が形成されている。
弾性体18は、外周面が外筒部材14における大径部28及び絞り部62の内周側に加硫接着されるとともに、内周面が内筒部材16におけるテーパ部21の外周側に加硫接着されている。これにより、内筒部材16と外筒部材14とが弾性的に連結されている。外筒部材14と内筒部材16との間には、内筒部材16におけるテーパ部21の周囲を囲むように弾性体18を貫通するインナーリング65が内装されている。また、弾性体18の内周面の上端部がアンカ部20を包み込むように延設されて、リバウンドストッパ機構が形成されている。
一方、外筒部材14の小径部60の内周側には、円筒形状のダイヤフラム支持部材80が嵌挿されている。ダイヤフラム支持部材80の内周側には、ゴム等の弾性材料からなる椀状のダイヤフラム82が加硫接着されている。ダイヤフラム支持部材80は、外筒部材14の小径部60を径方向内側に加締ることによって固定されている。これにより、外筒部材14の内部が密閉封止され、その内部には液体が封入されている。なお、外筒部材14の内部に充填される液体としては、エチレングリコールや水等が用いられる。
外筒部材14の内部には、仕切部材130が設けられている。仕切部材130は、ダイヤフラム支持部材80と外筒部材14の絞り部62との間に挟持されている。そして、仕切部材130と弾性体18との間に主液室15Aが形成され、仕切部材130とダイヤフラム82との間に副液室15Bが形成されている。すなわち仕切部材130は、主液室15Aと副液室15Bとの間に設けられている。なおダイヤフラム82を備えた副液室15Bは、液圧の変化に応じて内容積が拡縮可能になっている。
仕切部材130は、樹脂材料やアルミニウム合金等により一体成型されている。仕切部材130は、下板部31、底筒部32および上板部33を備えている。仕切部材130の周縁部に沿って、径方向外側に開口する断面視U字状のオリフィス通路34が形成されている。
本実施形態のエンジンマウント10では、オリフィス通路34によりシェイクオリフィスが形成されている。シェイクオリフィスの路長及び断面積(すなわち流路抵抗)は、車両におけるシェイク振動の周波数(例えば、8〜12Hz程度)において液柱共振が生じるように設定(チューニング)されている。この液柱共振によりシェイク振動を減衰させることで、エンジンマウント10が防振性能を発揮しうるようになっている。
下板部31の中央には開口部が形成され、その開口部を閉塞するようにメンブラン部材50が設けられている。メンブラン部材50は、ゴム等の弾性材料により膜状に形成されている。シェイク振動より高い周波数の振動がエンジンマウントに入力された場合には、オリフィス通路34が目詰まりするので主液室の圧力が上昇することになる。この場合、主液室と副液室との圧力差に応じてメンブラン部材50がたわみ変形することにより、主液室の圧力上昇を緩和して動的ばね定数の増加を抑制できるようになっている。
(第1実施形態)
図2は第1実施形態の仕切部材の説明図であり、図2(a)は上方からの斜視図であり、図2(b)は図2(a)のA−A線における側面断面図である。図2に示すように、仕切部材130の外周には、下板部31、底筒部32および上板部33を壁面とするオリフィス通路34が形成されている。オリフィス通路34の一方端部において底筒部32に貫通孔が形成され、オリフィス通路34の主液室15A側の開口部35Aが形成されている。またオリフィス通路34の他方端部において下板部31に切り欠きが形成され、オリフィス通路34の副液室15B側の開口部35Bが形成されている。開口部35A,35Bを挟んでオリフィス通路34の反対側には、オリフィス通路34の短絡を阻止する閉塞部36が設けられている。
底筒部32の内周側には、弁体として機能する板ばね40が設けられている。板ばね40は、ステンレス等の金属薄板により短冊状に形成されている。板ばね40は主に、底筒部32に固定された一方端部40aと、開口部35Aに対向配置された他方端部40cとで構成されている。
板ばね40の一方端部40aは、底筒部32の内周面における開口部35Aの周囲に、複数のリベット44等により固定されている。リベット44により固定した場合には、図2(b)に示すようにリベット44の頭部がオリフィス通路34に突出する。しかしながら、底筒部32には半径方向内側に凹んだ平面部が形成され、この平面部に板ばね40の一方端部40aが配置されてリベット44により固定されているので、リベット44の頭部がオリフィス通路34を狭めることはない。また、平面部にリベット44を配置することで、リベット44のがたつきを防止することができる。
板ばね40の他方端部40cは、半径方向外側に向かって弓なりに反った円弧形状とされている。他方端部40cの外側面の曲率半径は、底筒部32の内周面の曲率半径より小さく形成されている。これにより他方端部40cは、開口部35Aから半径方向内側に離間配置され、開口部35Aを開放するように付勢されている。
図3は、図2(a)のP矢視における側面図である。図3に示すように、板ばね40の他方端部40cの幅hは、オリフィス通路34の開口部35Aの幅Hより小さくなっている。また他方端部40cの長さdは、開口部35Aの長さDより小さくなっている。これにより、他方端部40cが半径方向外側に撓み変形した場合に、他方端部40cが開口部35Aからオリフィス通路34に侵入し、開口部35Aおよびオリフィス通路34の流路を狭窄しうるようになっている。
(作用)
次に、第1実施形態に係るエンジンマウントの作用を説明する。
図6はエンジンマウントの作用のフローチャートである。
従来技術に係るエンジンマウントでは、路面の凹凸等により、主液室の液圧が上昇する方向の荷重(以下「正荷重」という。)が入力されると(S10,S12)、主液室内の液圧が上昇する(S14)。これにより、液体がオリフィス通路を通って副液室に移動するため(S16)、主液室内の正圧は大きくならず、大気圧にとどまる(S18)。そのため、次に主液室の液圧が下降する方向の荷重(以下「負荷重」という。)が入力されると、主液室の負圧が大きくなる(S20)。これにより、主液室の液体の一部が気化して気泡が発生する(キャビテーション:S22)。そして、再び正荷重が入力されて主液室の液圧が上昇し(S24)、気泡が消滅する際に、異音が発生するという問題がある(S26)。
なお、特許文献2に記載された発明のように負圧弁を採用した場合には、主液室内の負圧が大きくなると(S20)、主液室と副液室との間に配設された負圧弁が開いて(S30)、主液室と副液室とが短絡する(S32)。これにより、主液室内の負圧が緩和され、キャビテーションの発生を抑止しうるとされている(S34)。その後、再び正荷重が入力されると、主液室内の液圧が上昇し(S36)、負圧弁が閉じて(S36)、初期状態に復帰する(S40)。このように、特許文献2に記載された負圧弁は、負荷重が入力され主液室が負圧となった場合に動作する。
しかしながら、特許文献2に記載された発明では、シェイク振動の入力時に主液室に惹起される負圧によっても、若干ながら短絡路が連通状態になる。この場合、オリフィス通路に液体が流入し難くなり、防振性能が十分に発揮できなくなるという問題がある。
これに対して、本実施形態では、正荷重が入力され主液室が正圧となった場合に動作する正圧弁(狭窄弁)を採用している。
図4は、本実施形態に係るエンジンマウントに正荷重が入力された場合の動作説明図であり、図2(b)に相当する断面図である。図4に示すように、本実施形態に係るエンジンマウントでは、大きな正荷重が入力され、主液室の液圧が急激に上昇すると(S14)、板ばね40の内面に液圧が作用し、板ばね40の他方端部40cが半径方向外側に向かって撓み変形する(S50)。これにより、他方端部40cが開口部35Aからオリフィス通路34に侵入し、オリフィス通路34の流路断面積を狭窄する(S52)。なお、他方端部40cの先端とオリフィス通路34の外径との隙間Wが、最も狭窄された流路になる。このように板ばね40は正圧弁(狭窄弁)として機能する。
図7は、オリフィス通路の狭窄に伴う動特性変化を示すグラフである。図7において破線で示すように、オリフィス通路の液柱共振周波数は、シェイク振動の周波数(例えば、8〜12Hz程度)にチューニングされている。そのオリフィス通路が狭窄された場合には、流路抵抗が増加するため、図7において実線で示すように、液柱共振周波数は低周波側にシフトする(S54)。ここで、上述したキャビテーションを発生させる振動の周波数は、シェイク振動の周波数と同等(例えば、8〜15Hz程度)である。すなわち、本実施形態に係るエンジンマウントにキャビテーションを発生させる振動が入力されると、オリフィス通路が目詰まりした状態になる(S56)。そのため、大きな正荷重が入力されても、主液室内の液体はオリフィス通路に流入しない。したがって、本実施形態に係るエンジンマウントでは、従来技術に比べて主液室の正圧が大きくなる(S58)。
次に負荷重が入力されると、主液室内の液圧はまず正圧から大気圧に低下し、さらに負荷重が入力されると、液圧は大気圧から負圧に低下する。そのため、本実施形態に係るエンジンマウントでは、従来技術に比べて主液室の負圧が小さくなる。したがって、キャビテーションの発生を抑制することができる(S60)。
続けて負荷重が入力され、主液室内の液圧が低下すると(S62)、図4に示す板ばね40が半径方向内側に向かって撓み変形し、開口部35Aおよびオリフィス通路34を開放して(S64)、図2(b)に示す初期状態に復帰する(S66)。
本実施形態の板ばね40は、主液室の液圧が所定値を超えた場合にのみオリフィス通路34を狭窄するように設定されている。その所定値は、シェイク振動が入力された場合における主液室の液圧より高く設定されている。そのため、シェイク振動が入力された場合には、主液室の液圧が所定値を超えないので、板ばね40がオリフィス通路34を狭窄しない。これにより、シェイク振動の入力時には、オリフィス通路34において液体を円滑に流通させることが可能になり、所定周波数で液柱共振を発生させることができる。したがって、エンジンマウントは良好な防振性能を発揮することができる。
なお図2(b)に示すように、板ばね40の一方端部40aがオリフィス通路34の形成領域に固定されているので、板ばね40の他方端部40cは、開口部35Aを挟んだ反対側において底筒部32の内周面から離間配置される。この場合、破線矢印90で示すように、主液室内の液体が板ばね40の他方端部40cの外側面に沿って開口部35Aに流入した後、流れ方向を反転させることなくオリフィス通路34に流入する。オリフィス通路34から主液室に液体が流出する場合も同様である。これにより、シェイク振動の入力時において、主液室とオリフィス通路34との間における液体の流通抵抗が小さくなる。そのため、板ばね40の追加に伴う防振性能の低下を、最小限に抑制することができる。
以上に詳述したように、図2に示す本実施形態に係るエンジンマウントは、大きな正荷重が入力された場合に、半径方向外側に移動してオリフィス通路34を狭窄しうる板ばね40を備えている構成とした。
この構成によれば、板ばね40によりオリフィス通路34を狭窄することで、キャビテーションを発生させる振動に対してオリフィス通路34が目詰まりした状態になる。これにより、主液室15Aからオリフィス通路34に液体が流入しないので、主液室15A内の正圧が大きくなる。そのため、続けて大きな負荷重が入力されても、主液室15A内の負圧は大きくならない。したがって、キャビテーションの発生を抑制することができる。これに伴って、気泡の消滅に伴う異音の発生を防止することができる。
また、主液室15Aの半径方向に移動する板ばね40を採用することで、既存のエンジンマウントに対して簡単に正圧弁を付加することができる。さらに、シェイク振動の入力時において主液室とオリフィス通路34との間における液体の流通を阻害することがないので、オリフィス通路の液柱共振を所定周波数で発生させることが可能になり、防振特性を十分に発揮することができる。
これに加えて、オリフィス通路34を閉塞することなく狭窄する板ばね40を採用することで、板ばね40が仕切部材130や外筒などに当接して異音が発生するのを防止することができる。
特に本実施形態では、板ばね40が、底筒部32の半径方向内側に配置されている。この場合、板ばね40の他方端部40cを開口部35Aの半径方向内側に配置して、開口部35Aを広く開放することができる。これにより、主液室とオリフィス通路との間における液体の流通抵抗を低減することが可能になる。したがって、本実施形態に係るエンジンマウントは、防振性能を十分に発揮することができる。
(第2実施形態)
図5は第2実施形態の仕切部材の説明図であり、図2のA−A線に相当する部分における断面図である。なお図5(a)は無負荷状態であり、図5(b)は正荷重が入力された状態である。図5に示す第2実施形態では、板ばね40が、底筒部32の半径方向外側に固定されている点で、半径方向内側に固定されている第1実施形態とは相違している。なお第1実施形態と同様の構成となる部分については、その詳細な説明を省略する。
第2実施形態では、板ばね40の一方端部40aが、底筒部32の半径方向外側に固定されている。板ばね40の他方端部40cは、底筒部32の半径方向外側から開口部35Aを通って半径方向内側に延設されている。そして他方端部40cは、開口部35Aを開放するように、主液室の半径方向内側に向けて付勢されている。
本実施形態に係るエンジンマウントの作用につき、図5および図6を用いて説明する。本実施形態に係るエンジンマウントにおいても、第1実施形態と同様に、大きな正荷重が入力され、主液室の液圧が急激に上昇すると(S14)、図5に示す板ばね40の他方端部40cの内面に液圧が作用し、他方端部40cが半径方向外側に向かって撓み変形する(S50)。これにより、他方端部40cがオリフィス通路34の流路断面積を狭窄する(S52)。なお、他方端部40cの先端とオリフィス通路34の外径との隙間Wが、最も狭窄された流路になる。これにより、オリフィス通路34の流路抵抗が増加するため、液柱共振周波数が低周波側にシフトする(S54)。その結果、キャビテーションを発生させる振動が入力された場合に、オリフィス通路34が目詰まりした状態になる(S56)。そのため、大きな正荷重が入力されても、主液室内の液体はオリフィス通路34に流入しない。したがって、本実施形態に係るエンジンマウントでは、従来技術に比べて主液室の正圧が大きくなる(S58)。
次に負荷重が入力されると、主液室内の液圧はまず正圧から大気圧に低下し、さらに負荷重が入力されると、液圧は大気圧から負圧に低下する。そのため、本実施形態に係るエンジンマウントでは、従来技術に比べて主液室の負圧が小さくなる。したがって、キャビテーションの発生を抑制することができる(S60)。
このように、本実施形態に係るエンジンマウントでは、第1実施形態と同様にキャビテーションの発生を抑制することが可能であり、これに伴って気泡の消滅に伴う異音の発生を防止することができる。
特に本実施形態では、板ばね40が、底筒部32の半径方向外側に固定されている。この場合には、底筒部32の半径方向内側に固定されている場合と比べて、板ばね40の他方端部40cが半径方向外側に撓み変形し易くなる。そのため、大きな正荷重が入力された場合に、オリフィス通路34を狭窄し易くなり、主液室内の液体が開口部35Aに流入し難くなる。したがって、本実施形態に係るエンジンマウントは、キャビテーションを効果的に抑制することができる。
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な材料や構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、前記実施形態では取付部材の上方にエンジンが固定されるエンジンマウントを例にして説明したが、これとは逆に取付部材の下方にエンジンが固定される、いわゆる吊り下げ型のエンジンマウントに本発明を適用することも可能である。
また、前記実施形態では主液室と副液室との圧力差に応じてたわみ変形するメンブラン部材を採用したが、圧力差に応じて所定範囲内で自在に移動しうるガタ部材や、両者の機能を併有するガタメンブラン部材等を、仕切部材に追加することも可能である。
エンジンマウントの側面断面図である。 第1実施形態の仕切部材の説明図である。 図2(a)のP矢視における側面図である。 正荷重が入力された場合の動作説明図である。 第2実施形態の仕切部材の説明図である。 エンジンマウントの作用のフローチャートである。 オリフィス通路の狭窄に伴う動特性変化を示すグラフである。
符号の説明
10…エンジンマウント 14…外筒部材(第1取付部材) 15A…主液室 15B…副液室 16…内筒部材(第2取付部材) 18…ゴム弾性体(弾性体) 34…オリフィス通路 35A…開口部 40…板ばね(弁体) 40a…一方端部 40c…他方端部 82…ダイヤフラム 130…仕切部材

Claims (3)

  1. 振動発生部および振動受部のいずれか一方に連結され、略筒状に形成された第1取付部材と、
    前記振動発生部および前記振動受部のいずれか他方に連結され、前記第1取付部材の内周側に配置された第2取付部材と、
    前記第1取付部材と前記第2取付部材との間を弾性的に支持する弾性体と、
    隔壁の一部が前記弾性体で構成され、液体が封入された主液室と、
    隔壁の一部がダイヤフラムで構成されるとともに液体が封入され、液圧の変化に応じて内容積が拡縮可能な副液室と、
    前記主液室と前記副液室との間に設けられた仕切部材と、
    前記主液室と前記副液室とを連通するオリフィス通路と、を有し、
    前記主液室の液圧が上昇する方向の荷重が入力された場合に、前記主液室の半径方向に移動して前記オリフィス通路を狭窄しうる弁体を備えていることを特徴とする防振装置。
  2. 前記オリフィス通路は、前記主液室の半径方向に向けて開口する開口部を備え、
    前記弁体が、前記開口部を開放するように付勢されていることを特徴とする請求項1に記載の防振装置。
  3. 前記弁体は板ばねで構成され、
    前記板ばねの一方端部が、前記開口部の周囲に固定されるとともに、
    前記板ばねの他方端部が、前記開口部から離間配置されていることを特徴とする請求項2に記載の防振装置。
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