JP2010116962A - 防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】弁体の被装着部分への組み付け精度を容易且つ確実に安定させること。
【解決手段】振動発生部及び振動受部のいずれか一方に連結される外筒、及び他方に連結される内筒と、これらの両筒を弾性的に連結する弾性体と、外筒内の液室を、弾性体を壁面の一部とする一方側の主液室17と他方側の副液室とに区画する仕切部材16と、を備えると共に、これらの両液室を連通する制限通路22が形成された装置であって、外筒の内部には、長さ方向の一端が固定端とされ、他端が主液室若しくは副液室の液圧を受けることで弾性的に撓み変形する弁体28が配設され、この弁体の長さ方向の一端は、外筒の内部に形成された被装着部分30に固定され、弁体及び被装着部分それぞれにおいて、互いに当接する各表面32、33が平坦面に形成されている防振装置を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば自動車や産業機械等に適用され、エンジン等の振動発生部の振動を吸収及び減衰する防振装置に関する。
この種の防振装置として、下記特許文献1に示されるように、振動発生部及び振動受部のいずれか一方に連結される外筒、及び他方に連結される内筒と、これらの両筒を弾性的に連結する弾性体と、外筒内の液室を、弾性体を壁面の一部とする一方側の主液室と他方側の副液室とに区画する仕切部材と、を備える構成が知られている。
この仕切部材には、主液室と副液室とを連通する制限通路が形成されており、振動が入力された際に、液室内に封入された液体が制限通路を通って主液室と副液室との間で往来する。そして、制限通路を流通する液体に液柱共振が生じて振動が減衰される。
また、この仕切部材には、主液室に開口する制限通路の主液室側連通口から、制限通路の流路方向に沿って副液室側に離れた位置に、制限通路と主液室とを連通する途中開口が形成されていると共に、この途中開口を開閉する弁体が設けられている。この弁体は、弓形に湾曲された板バネであり、その長さ方向の一方側が、仕切部材の被装着部分に固定されている。なお、弁体及び被装着部分それぞれにおいて、互いに当接する各表面がいずれも曲面に形成されている。
この防振装置では、振動入力時における液室の液圧を受けた弁体が弾性変形することにより途中開口が開閉され、制限通路の流路長が変化される。
特開2007−239824号公報
しかしながら、前記従来の防振装置では、弁体及び被装着部分の前記各表面がいずれも曲面に形成されているので、弁体の被装着部分への組み付け精度を安定させるのが困難で、弁体が被装着部分に対してがたついてしまい、例えば弁体が撓み変形したときの姿勢が安定しなくなる等の恐れがあった。
なお、弁体を被装着部分に精度良く組み付けるためには、前記各表面の曲率半径を高精度に等しく形成する必要があるが、一般に曲面を高精度に形成するのは困難である。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、弁体の被装着部分への組み付け精度を容易且つ確実に安定させることができる防振装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る防振装置は、振動発生部及び振動受部のいずれか一方に連結される外筒、及び他方に連結される内筒と、これらの両筒を弾性的に連結する弾性体と、前記外筒内の液室を、前記弾性体を壁面の一部とする一方側の主液室と他方側の副液室とに区画する仕切部材と、を備えると共に、これらの両液室を連通する制限通路が形成された液体封入型の防振装置であって、前記外筒の内部には、長さ方向の一端が固定端とされ、他端が前記主液室若しくは前記副液室の液圧を受けることで弾性的に撓み変形する弁体が配設され、この弁体の長さ方向の一端は、前記外筒の内部に形成された被装着部分に固定され、前記弁体及び前記被装着部分それぞれにおいて、互いに当接する各表面が平坦面に形成されていることを特徴とするものである。
本発明に係る防振装置によれば、弁体及び被装着部分の前記各表面がいずれも平坦面に形成されているので、弁体の被装着部分への組み付け精度を容易かつ確実に安定させることができる。従って、弁体が被装着部分に対してがたつくのを抑制することが可能になり、弁体が撓み変形したときの姿勢を長期に亘って安定させることができる。
また、本発明に係る防振装置では、前記弁体は、前記主液室の液圧が上昇する方向に荷重が入力された場合に、前記制限通路を狭窄しうるように撓み変形することが好ましい。
この場合、防振装置に主液室の液圧を上昇させる方向の荷重(以下「正荷重」と称する)が入力されて弁体が制限通路を狭窄すると、制限通路の流路抵抗が増加するので、制限通路が目詰まりした状態になる。その結果、主液室から制限通路に液体が流入し難くなり、主液室内の正圧が大きくなる。このためその後、主液室の液圧が下降する方向の荷重(以下「負荷重」と称する)が入力されたとしても、主液室内の負圧が大きくなるのを抑えることが可能となり、主液室の液体の一部が気化して気泡が発生するキャビテーションが生じるのを抑制することができる。
また、弁体が制限通路を閉塞することなく狭窄するので、この弁体が別部材に衝突することがなく、この衝突に起因した異音の発生及び弁体の被装着部分に対するがたつきの発生を防ぐことができる。
また、弁体の撓み変形時の姿勢が安定することから、弁体による制限通路に対する狭窄の程度を安定させることが可能となり、弁体が制限通路を狭窄する液圧を高精度にすることができる。これにより、例えばシェイク振動時に弁体が制限通路を狭窄するのを容易に防ぐことが可能となり、減衰性能の低下を防止することができる。
なお、前記特許文献1に記載された従来の防振装置では、大きな正荷重が入力された場合であっても、制限通路が狭窄されることなく主液室から制限通路に液体が流れ込むため、主液室の正圧は大きくならない。このためその後、大きな負荷重が入力されると主液室の負圧が大きくなってしまい、キャビテーションの発生を抑制するのに限界がある。
また、前記従来の防振装置では、シェイク振動の入力時に入力される負荷重によっても、弁体が撓み変形して制限通路が途中開口を通して主液室に連通され、制限通路の液柱共振周波数が変化してしまい、シェイク振動に対する減衰性能が十分に発揮できなくなる恐れがある。
また、本発明に係る防振装置では、前記仕切部材には、筒状の仕切部材本体が備えられ、前記制限通路は、前記仕切部材本体の外周面に形成されると共にその周方向に沿って延在し、前記主液室及び前記副液室に各別に開口する前記制限通路の両端開口部のうちの少なくとも一端側の開口部は、前記主液室側に開口し、前記被装着部分は、前記仕切部材本体において前記制限通路の一端側の開口部に前記制限通路の流路方向に沿った副液室側から連なる部分に位置していることが好ましい。
この場合、制限通路が、仕切部材本体の外周面に形成されると共にその周方向に沿って延在し、被装着部分が、仕切部材本体において制限通路の一端側の開口部に前記流路方向に沿った副液室側から連なる部分に位置しているので、制限通路の一端側の開口部を通って主液室と副液室との間で液体が流通する際、液体の流れが乱れにくく、液体がスムーズに一端側の開口部を通過し易い。従って、弁体を設けることに起因して、減衰性能が低下するのを抑えることができる。
また、本発明に係る防振装置では、前記弁体は、この弁体及び前記被装着部分を該弁体の板厚方向の両側から挟みこむ固定部材により前記被装着部分に固定され、前記弁体及び前記被装着部分それぞれにおいて、前記表面と反対側の裏面が平坦面に形成されていることが好ましい。
この場合、弁体及び被装着部分それぞれの前記裏面がいずれも平坦面に形成されているので、固定部材の挟み込みによる固定を強固なものとすることができる。これにより、弁体のがたつきを一層抑制することができる。
また、本発明に係る防振装置では、前記固定部材は、リベットであることが好ましい。
この場合、固定部材としてリベットを用いるので、弁体と被装着部分との組み付け精度を確保しつつ、両者を容易に組み付けることができる。なお、制限通路の一端側の開口部が仕切部材本体の内周面に形成されており、且つリベットを、弁体及び被装着部分に対して仕切部材本体の半径方向の外側から打ち込んで組み付けた場合、スペース上の制約が生じにくくなり、両者の組み付けをより容易に行うことができる。
また、リベットを、互いに間隔をあけて複数設けた場合には、弁体を被装着部分に一層強固に固定することができるので、弁体のがたつきをより一層抑制することができる。更にこの場合、弁体及び被装着部分それぞれの前記裏面がいずれも平坦面に形成されているので、各リベットの打ち込み方向を互いに平行にすることができるため、例えば複数のリベットを同時に打ち込むことが容易となる。従って、組み付け作業を容易とした上で、弁体のがたつきを一層抑制することができる。
本発明に係る防振装置によれば、弁体の被装着部分への組み付け精度を容易且つ確実に安定させることができる。
以下、本発明に係る防振装置の一実施形態を、図1及び図2を参照して説明する。この防振装置1は、自動車における振動発生部であるエンジンを、振動受部である車体へ支持するエンジンマウントである。
図1に示すように、防振装置1は、外筒2と、柱状に形成され外筒2の径方向の内側に配置された内筒3と、これら両筒2、3を弾性的に連結する弾性体4と、を備えている。
なお、図示の例では、外筒2及び内筒3は、それぞれの中心軸線が共通軸上に位置された状態で配設されている。以下、この共通軸を軸線Oと称する。また、図1の紙面において下側をバウンド側、つまり防振装置1を設置した際に静荷重(初期荷重)が入力される方向とし、図1の紙面において上側をリバウンド側、つまり前記静荷重の入力方向の反対側とする。以下の説明においてバウンド側を下側、リバウンド側を上側とそれぞれ称する。
外筒2には、上端部に筒状の大径部5が形成されると共に、下端側に大径部5に対して小径とされた筒状の小径部6が形成されている。大径部5と小径部6との間には、径方向の内側へ縮径された絞り部7が全周に亘って形成されている。小径部6は車体側ブラケット(図示せず)の筒状部の内側に嵌合され、外筒2は車体側ブラケットを介して車体側に固定されている。
内筒3は、軸線O方向に沿って延在すると共に、外筒2の上方に配置されている。内筒3の下部は、下方に向かうに従い漸次縮径された先細り形状をなしている。また、内筒3の上部には、内筒3の上端面の中心から軸線O方向の下側に向けて延びるネジ孔3aが穿設されている。このネジ孔3aには、エンジン側ブラケット(図示せず)のボルト3bが捻じ込まれて固定され、内筒3はエンジン側ブラケットを介してエンジン側に固定される。また、内筒3における軸線O方向の中間部分には、径方向の外側に突出したアンカ部8が形成されている。
弾性体4は、加硫ゴムからなる弾性体であり、外筒2の上側の開口部を閉塞している。図示の例では、弾性体4の下側部分の外周面が外筒2の大径部5及び絞り部7の内周面に加硫接着されている。また、図示の例では、弾性体4の上側部分には、上方に開口すると共に軸線O方向の下側に向けて延びる凹部が形成されており、この凹部の内周面が内筒3の下端部の外周面に加硫接着されている。
弾性体4には、外筒2と内筒3との間に配置されたインナーリング9が埋設されている。また、弾性体4の上端部には、アンカ部8を覆うゴム被覆体10が一体に形成されており、このゴム被覆体10及びアンカ部8によってリバウンドストッパが形成されている。更に、弾性体4の下端部には、小径部6の内周面を被覆するゴム膜11が一体的に形成されている。なお、弾性体4としては、ゴム以外にも合成樹脂等からなる弾性体を用いることも可能である。
また、この防振装置1には、外筒2の下側の開口部を閉塞するダイヤフラム12が備えられている。図示の例では、ダイヤフラム12は、外筒2の小径部6内に嵌挿されており、筒状に形成されたダイヤフラムリング13と、ダイヤフラムリング13の内側を閉塞するダイヤフラムゴム14と、を備えている。ダイヤフラムゴム14は、椀状に形成され、その外縁部がダイヤフラムリング13の内周面に加硫接着されている。また、図示の例では、ダイヤフラム12は、ダイヤフラムリング13の下端部と外筒2の小径部6の下端部とが共に全周に亘って径方向の内側に加締められることによって固定されている。なお、ダイヤフラムリング13の外周面と外筒2の小径部6の内周面との間には、前記ゴム膜11が介在されている。これにより、ダイヤフラムリング13と外筒2との嵌合箇所では水密性が確保されている。
また、外筒2の内部には、弾性体4及びダイヤフラム12によって外部と仕切られ、エチレングリコールや水等の液体が封入された液室15が設けられている。この液室15は、外筒2の内部に配設された仕切部材16によって、上側の主液室17と下側の副液室18とに区画されている。
主液室17は、弾性体4を隔壁の一部とし、且つ弾性体4の変形により内容積が変化する。副液室18は、隔壁の一部が変形可能に形成されている。本実施形態では、副液室18の隔壁の一部が前記ダイヤフラム12で構成されており、このダイヤフラム12のダイヤフラムゴム14が液圧の変化に応じて変形し、副液室18の内容積が拡縮可能となっている。
仕切部材16は、外筒2の小径部6の内側に嵌合されている。仕切部材16には、円筒状の仕切部材本体19が備えられ、この仕切部材本体19の外周面に、主液室17と副液室18とを連通する制限通路22が形成されている。更に、仕切部材16は、仕切部材本体19の下方に配設されたメンブラン20と、このメンブラン20を収容するメンブラン収容部材21と、を備えている。
制限通路22は、図1及び図2に示すように、仕切部材本体19の周方向に沿って延在している。この制限通路22は、仕切部材16が外筒2の内側に嵌合されることで、仕切部材本体19の半径方向の外側から前記ゴム膜11によって閉塞されている。また、図2に示すように、主液室17及び副液室18に各別に開口する制限通路22の両端開口部24、25のうちの少なくとも一端側の開口部は、仕切部材本体19の内周面に形成されている。図示の例では、主液室17に開口する主液室側連通口(制限通路の一端側の開口部)24が、主液室17の隔壁の一部を構成する仕切部材本体19の内周面に形成され、副液室18に開口する副液室側開口部25が、仕切部材本体19の底板部19aに形成されている。
前述した制限通路22は、車両におけるシェイク振動に対応するシェイクオリフィスであり、制限通路22の流路長及び流路断面積(すなわち流路抵抗)は、シェイク振動の周波数(例えば、8〜12Hz程度)において液柱共振が生じるように設定(チューニング)されている。
また、仕切部材本体19の底板部19aには、複数の貫通孔26が形成されている。
メンブラン収容部材21は、図1に示すように、有底筒状に形成されて軸線Oと同軸に配設される共に、その周壁部21aの上端に径方向の外側に向けてフランジ部21bが延設されている。図示の例では、このフランジ部21bが、仕切部材本体19の底板部19aの外周部にビス等で固定されている。また、フランジ部21bにおいて仕切部材本体19の副液室側開口部25と対応する部分に、図示されない貫通孔が形成されている。また、メンブラン収容部材21の底板部21cには、複数の貫通孔27が形成されている。
メンブラン20は、弾性変形可能な円盤状のゴム板であり、仕切部材本体19の底板部19aと、メンブラン収容部材21の周壁部21aと、メンブラン収容部材21の底板部21cと、で囲まれた空間に収容されている。
また、仕切部材16には、図2に示すように、主液室側開口部24に配置された板状の弁体28が設けられている。図示の例では、弁体28は、ステンレス等の金属薄板からなる板バネであり、その板厚方向に弾性的に撓み変形可能となっている。また、弁体28は、その長さ方向の一方側が、仕切部材本体19の被装着部分30に固定されて、その長さ方向の他方側が、主液室17の液圧を受けることで前記半径方向に向けて弾性的に撓み変形するように構成されている。
本実施形態では、前記被装着部分30は、仕切部材本体19において主液室側開口部24に制限通路22の流路方向に沿った副液室18側から連なる部分に位置している。また、図示の例では、この被装着部分30において前記半径方向の内側を向く面に、弁体28の前記長さ方向における一方側に位置する部分である固定部29が固定されている。なお、被装着部分30において前記半径方向の内側を向く面は、仕切部材本体19の内周面の一部となっている。
また、弁体28における前記長さ方向の他方側に位置する部分である可動部31は、前記半径方向の外側に向けて湾曲されて、仕切部材16の平面視において円弧形状をなしており、被装着部分30から主液室側開口部24側に向けて延在されている。図示の例では、可動部31は、防振装置1に振動が入力されていない通常時には、主液室側開口部24を開放する開位置に配置されており、正荷重が入力された場合には、図示2点鎖線に示すように、制限通路22における前記流路方向の主液室17側の端部を狭窄しうるように、前記半径方向の外側に向けて撓み変形する。
そして、本実施形態では、固定部29及び被装着部分30それぞれにおいて、互いに当接する各表面32、33がそれぞれ平坦面に形成されている。以下では、固定部29における前記表面を装着面32と称し、被装着部分30における前記表面を被装着面33と称する。図示の例では、装着面32及び被装着面33は、軸線Oの垂直面に対して垂直な平面に形成されている。
また、固定部29及び被装着部分30それぞれにおいて、装着面32若しくは被装着面33と反対側の裏面が平坦面に形成されている。以下では、固定部29における装着面32の裏面を第1固定面34と称し、被装着部分30における被装着面33の裏面を第2固定面35と称する。なお、第2固定面35は、制限通路22を画成する壁面の一部となっている。図示の例では、固定部29は装着面32と第1固定面34とが互いに平行に形成される共に、被装着部分30は被装着面33と第2固定面35とが互いに平行な板状に形成されており、その結果、第1固定面34と第2固定面35とが互いに平行になっている。
また、弁体28は、その固定部29及び被装着部分30を該弁体28の板厚方向の両側から挟みこむリベット(固定部材)36により被装着部分30に固定されている。図示の例では、リベット36は、前記流路方向に互いに間隔をあけて複数(図示の例では2つ)設けられている。また、全てのリベット36の打ち込み方向は、第1固定面34及び第2固定面35に直交する方向となっている。
次に、上記した構成からなる防振装置1において、仕切部材本体19に弁体28を組み付ける方法の一例について説明する。以下では、予め形成された仕切部材本体19及び弁体28を、仕切部材本体19を外筒2に嵌合する前に組み付ける場合について説明する。
まず、仕切部材本体19の被装着部分30に弁体28の固定部29を、装着面32と被装着面33とが互いに当接するように配置する。この際、固定部29及び被装着部分30それぞれには、第1固定面34若しくは第2固定面35に直交する方向(前記板厚方向)にリベット36を挿通させるリベット挿通孔が、打ち込むリベット36に対応する数、対応する位置に予め形成されている。そして、装着面32と被装着面33とを互いに当接させながら、固定部29に形成されたリベット挿通孔を被装着部分30に形成されたリベット挿通孔に対して位置決めして、固定部29を被装着部分30に配置する。なお、前記リベット挿通孔は、固定部29を被装着部分30に配置した後に形成しても良い。
次に、リベット36を打ち込み、被装着部分30に弁体28を固定する。この際、例えば図示しない打込治具等を用いて、リベット36を、被装着部分30において前記半径方向の外側を向く面である第2固定面35側から、制限通路22における前記半径方向の外側を向いた開放部分を通して打ち込んで組みつけてもよい。この場合、作業時にスペース上の制約が生じにくくなり、両者の組み付けを容易に行うことができる。また、全てのリベット36を同時に打ち込んでもよい。この場合、第1固定面34及び第2固定面35がいずれも平坦面に形成されているので、各リベット36の打ち込み方向を互いに平行にすることができるため、同時に打ち込むことが容易となる。
以上により、仕切部材本体19に弁体28を組み付けることができる。
次に、前述した構成からなる防振装置1の作用について説明する。
この防振装置1は、内筒3がエンジン側ブラケット(図示せず)を介してエンジン(図示せず)に連結されると共に、外筒2が車体側ブラケット(図示せず)を介して車体(図示せず)に連結されることにより、エンジンと車体との間に介装される。
この際、防振装置1には下向きの静荷重(エンジン荷重)が作用し、内筒3が下方に移動して弾性体4が下方に向けて弾性変形し、この弾性体4の弾性変形に伴い主液室17の内容積が縮小して主液室17の液圧が上昇する。このとき、主液室17と副液室18との間に内圧差が生じ、その内圧差により主液室17内の液体が制限通路22や前述の貫通孔26、27を通って副液室18に流入し、その結果、ダイヤフラム12が下方に膨出して副液室18の内容積が増大する。なお、以上の過程で弁体28は変形せず、前記開位置に位置している。
そして、前述したエンジンがアイドル回転すると、その振動がエンジン側ブラケットを介して防振装置1の内筒3に伝達され、防振装置1には、小振幅かつ高周波数域(例えば13Hz〜40Hz)のアイドル振動が入力される。
この場合、液室15内の液体は、制限通路22を流通するのではなく、メンブラン20がメンブラン収容部材21内で入力振動に応じて上下に振動させられることで、前述の貫通孔26、27を通って主液室17と副液室18との間を流通する。これにより、主液室17の内容積が変動するものの、主液室17の液圧変動、つまり防振装置1の動的ばね定数の変動が抑えられ、車体側に伝達される振動が低減される。このとき、弁体28は、前記開位置で停止しているか、或いは、制限通路22の特性に影響が出ない程度に微振動する。
また、前述したエンジンが稼動すると、その振動がエンジン側ブラケットを介して防振装置1の内筒3に伝達され、防振装置1には、比較的周波数が低い振動、つまり前述した高周波数域よりも大振幅で小さい周波数(例えば8Hz〜15Hz)のシェイク振動が入力される。
この場合、シェイク振動により内筒3が上方及び下方に交互に繰り返し移動するのに伴い、液室15の液圧が変動し、主液室17と副液室18との間に内圧差が生じる。この際、メンブラン20は、仕切部材本体19の底板部19a又はメンブラン収容部材21の底板部21cに密接した状態となり、仕切部材本体19の底板部19aの貫通孔26又はメンブラン収容部材21の底板部21cの貫通孔27が閉塞される。これにより、液室15内の液体は、制限通路22のみを通って主液室17と副液室18との間で往来する。
このとき、制限通路22が、仕切部材本体19の外周面に形成されると共にその周方向に沿って延在し、被装着部分30が、仕切部材本体19において主液室側開口部24に前記流路方向に沿った副液室18側から連なる部分に位置しているので、液体の流れが乱れにくく、液体がスムーズに主液室側開口部24を通過し易い。従って、弁体28を設けることに起因して、減衰性能が低下するのを抑えることができる。
また、制限通路22は、その流路長及び流路断面積がシェイク振動に対応するようにチューニングされているので、制限通路22を流通する液体に共振現象(液柱共振)が生じてシェイク振動が減衰され、車体側に伝達される振動が低減される。このとき、弁体28は、前記開位置で停止しているか、或いは制限通路22の特性に影響が出ない程度に微振動する。これにより、主液室17と制限通路22との間における液体の流通を阻害することがないので、制限通路22の液柱共振を所定周波数で発生させることが可能になる。
また、路面の凹凸等により、エンジンと車体とが大きく相対変位した場合、防振装置1に、シェイク振動よりも大振幅の大振動が入力されることがある。例えば、内筒3が外筒2に対して相対的に下方に大きく移動した場合、防振装置1に正荷重が入力され、主液室17の内容積が縮小されて主液室17の液圧が急激に上昇する。
この場合、弁体28において前記半径方向の内側を向く面に主液室17の液圧が作用し、図2の二点鎖線で示すように、弁体28の可動部31が前記半径方向の外側に向かって弾性的に撓み変形する。すると、この可動部31と、制限通路22を画成する前記半径方向の外側の周壁部である前記ゴム膜11との間隔が狭くなり、制限通路22が狭窄される。これにより、制限通路22の流路抵抗が増加するため、制限通路22が目詰まりした状態になり、主液室17から制限通路22に液体が流入し難くなるので、主液室17の正圧が大きくなる。なおこの際、狭窄された制限通路22は、可動部31の先端と前記ゴム膜11との隙間が最も狭窄され、前記流路方向の副液室18側に向かうに従い漸次拡幅されている。
このように、弁体28は、制限通路22を閉塞することなく狭窄するので、弁体28が外筒2の内周面側に位置する前記ゴム膜11に衝突することがなく、この衝突に起因した異音の発生及び弁体28の被装着部分30に対するがたつきの発生を防ぐことができる。
その後、内筒3が外筒2に対して相対的に上方に大きく移動すると、防振装置1に負荷重が入力され、主液室17の内容積が拡大され、主液室17の液圧が急激に低下する。
この際、前述したように正荷重が加えられたときに弁体28により制限通路22が狭窄されたことで主液室17の正圧が大きくなっているため、主液室17の液圧が急激に低下しても主液室17の負圧が大きくなるのを抑えることが可能となり、キャビテーションが生じるのを抑制することができる。しかも、主液室17の液圧が低下すると、弁体28の可動部31には、弾性復元力と共に主液室17の負圧が作用するため、この可動部31は、元の開位置よりも主液室側開口部24から前記半径方向の内側に離間する。これにより、液体が副液室18から制限通路22を通って主液室17に流入しやすくなり、主液室17の液圧低下がより一層抑えられる。
以上に示した防振装置1によれば、装着面32及び被装着面33がいずれも平坦面に形成されているので、弁体28の被装着部分30への組み付け精度を容易かつ確実に安定させることができる。従って、弁体28が被装着部分30に対してがたつくのを抑制することが可能になり、弁体28が撓み変形したときの姿勢を長期に亘って安定させることができる。
また、弁体28の撓み変形時の姿勢が安定することから、弁体28による制限通路22に対する狭窄の程度を安定させることが可能となり、弁体28が制限通路22を狭窄する液圧を高精度にすることができる。これにより、例えばシェイク振動時に弁体28が制限通路22を狭窄するのを容易に防ぐことが可能となり、減衰性能の低下を防止することができる。
また、第1固定面34及び第2固定面35がいずれも平坦面に形成されているので、リベット36の挟み込みによる固定を強固なものとすることができる。これにより、弁体28のがたつきを一層抑制することができる。加えて、リベット36を用いるので、弁体28と被装着部分30との組み付け精度を確保しつつ、両者を容易に組み付けることができる。
また、リベット36を、互いに間隔をあけて複数設けているため、弁体28を被装着部分30に一層強固に固定することができるので、弁体28のがたつきをより一層抑制することができる。
なお、本発明の技術的範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、主液室17の隔壁の一部を構成する仕切部材本体19の内周面に主液室側開口部24が形成され、弁体28が主液室17内に設けられた構成を示したが、これに代えて、仕切部材本体19の内周面が副液室18の隔壁の一部を構成し、この内周面に副液室側開口部25が形成され、弁体28が副液室18内に設けられた構成を採用してもよいし、或いは、仕切部材本体19の内周面を軸線O方向に沿って2つに区画し、これら区画された各部分に、主液室17及び副液室18それぞれの隔壁の一部を構成させると共に、主液室側開口部24、副液室側開口部25を各別に形成して、主液室17及び副液室18の双方に弁体28を設けてもよい。
また、上記実施形態では、弁体28は、被装着部分30において前記半径方向の内側を向く面(被装着面33)に固定されているとしたが、被装着部分30において前記半径方向の外側を向く面(第2固定面35)に固定されていても構わない。この構成において、弁体28の可動部31は、制限通路22において前記流路方向の主液室17側の周端部内に位置させても良いし、或いは前記半径方向の内側に向けて屈曲させつつ仕切部材本体19の周方向に沿って延在させて、主液室側開口部24から主液室17内に突出させて位置させても良い。
また、上記実施形態では、被装着部分30は、仕切部材本体19において主液室側開口部24に前記流路方向に沿った副液室18側から連なる部分に位置しているとしたが、被装着部分30の位置はこれに限られない。
また、上記実施形態では、弁体28を仕切部材16の被装着部分30に固定するための固定部材としてリベット36を用いたが、ボルト及びロックナットを用いても良い。
また、上記実施形態では、リベット36が複数設けられているものとしたが、一つでも構わない。
また、上記実施形態では、第1固定面34及び第2固定面35がいずれも平坦面であるとしたが、平坦面でなくてもよい。
また、上記実施形態では、正荷重が入力されたときに弁体28の可動部31が制限通路22を狭窄する構成を示したが、これに限らず例えば、弁体28の可動部31を、前記ゴム膜11及び仕切部材本体19の内周面等に当接させることで制限通路22を閉塞する構成としても良い。
また、上記実施形態では、弁体28は、防振装置1に正荷重が入力された場合に制限通路22を狭窄しうる正圧弁として機能しているが、これに限られない。例えば、大振動が入力されていない状態において制限通路22を狭窄し、防振装置1に負荷重が入力された場合に制限通路22を広げる負圧弁として機能する弁体28でもよい。
また、上記実施形態では、防振装置1として圧縮式を示したが、主液室17が下側に位置し且つ副液室18が上側に位置するように取り付けられて用いられる吊り下げ式の防振装置1にも本発明は適用可能である。
また、本発明に係る防振装置1は、車両のエンジンマウントを製造する場合に限定されるものではなく、エンジンマウント以外に防振装置1に適用することも可能である。例えば、建設機械に搭載された発電機のマウントにも適用してもよく、或いは、工場等に設置される機械のマウントにも適用してもよい。
また、上記実施形態では、仕切部材16に制限通路22が形成されているが、これに限られず、仕切部材16以外に制限通路22が形成されていても良い。例えば、外筒2の一部に溝加工して制限通路22を形成しても良い。また、制限通路22を仕切部材16に形成する場合であっても、制限通路22を仕切部材本体19の外周面とは異なる場所に形成しても良い。
また、上記実施形態では、仕切部材16は、筒状の仕切部材本体19を備えるものとしたが、これに限られない。例えば、仕切部材本体19は板状や柱状等であっても良い。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、上記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
本発明に係る一実施形態の防振装置の縦断面図である。 図1に示す防振装置に設けられた仕切部材の横断面図である。
符号の説明
1 防振装置
2 外筒
3 内筒
4 弾性体
16 仕切部材
17 主液室
18 副液室
19 仕切部材本体
22 制限通路
24 主液室側開口部(一端側の開口部)
25 副液室側開口部(開口部)
28 弁体
30 被装着部分
32 装着面(弁体の表面)
33 被装着面(被装着部分の表面)
34 第1固定面(弁体の裏面)
35 第2固定面(被装着部分の裏面)
36 リベット(固定部材)

Claims (5)

  1. 振動発生部及び振動受部のいずれか一方に連結される外筒、及び他方に連結される内筒と、
    これらの両筒を弾性的に連結する弾性体と、
    前記外筒内の液室を、前記弾性体を壁面の一部とする一方側の主液室と他方側の副液室とに区画する仕切部材と、を備えると共に、
    これらの両液室を連通する制限通路が形成された液体封入型の防振装置であって、
    前記外筒の内部には、長さ方向の一端が固定端とされ、他端が前記主液室若しくは前記副液室の液圧を受けることで弾性的に撓み変形する弁体が配設され、
    この弁体の長さ方向の一端は、前記外筒の内部に形成された被装着部分に固定され、
    前記弁体及び前記被装着部分それぞれにおいて、互いに当接する各表面が平坦面に形成されていることを特徴とする防振装置。
  2. 請求項1に記載の防振装置において、
    前記弁体は、前記主液室の液圧が上昇する方向に荷重が入力された場合に、前記制限通路を狭窄しうるように撓み変形することを特徴とする防振装置。
  3. 請求項2に記載の防振装置において、
    前記仕切部材には、筒状の仕切部材本体が備えられ、
    前記制限通路は、前記仕切部材本体の外周面に形成されると共にその周方向に沿って延在し、
    前記主液室及び前記副液室に各別に開口する前記制限通路の両端開口部のうちの少なくとも一端側の開口部は、前記主液室側に開口し、
    前記被装着部分は、前記仕切部材本体において前記制限通路の一端側の開口部に前記制限通路の流路方向に沿った副液室側から連なる部分に位置していることを特徴とする防振装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の防振装置において、
    前記弁体は、この弁体及び前記被装着部分を該弁体の板厚方向の両側から挟みこむ固定部材により前記被装着部分に固定され、
    前記弁体及び前記被装着部分それぞれにおいて、前記表面と反対側の裏面が平坦面に形成されていることを特徴とする防振装置。
  5. 請求項4に記載の防振装置において、
    前記固定部材は、リベットであることを特徴とする防振装置。
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