JP4768548B2 - 防振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、自動車、一般産業用機械等に適用され、エンジン等の振動発生部から車体等の振動受部へ伝達される振動を吸収する防振装置に関する。
自動車には、エンジンと車体(フレーム)との間にエンジンマウントとして防振装置が配置されている。このようなエンジンマウントとして適用される防振装置の一例としては、特許文献1に示されている液体封入式のものが知られている。この特許文献1に示された防振装置には、振動発生部及び振動受部の一方へ連結される支持台(第2取付部材)と、振動発生部及び振動受部の他方へ連結される筒状の外筒(第1取付部材)と、支持台に連結され外筒の一方の開口部を閉塞し振動発生時に変形するゴム弾性体と、外筒の他方の開口部を閉塞する第1ダイヤフラムと、外筒の内壁面に密着して配設され内部空間を仕切る仕切部材と、外筒内でゴム弾性体と仕切部材との間に設けられる拡縮可能な主液室と、外筒内で第1ダイヤフラムと仕切部材との間に設けられる第1副液室と、仕切部材に設けられ主液室と第1副液室とを連結する第1制限通路と、外筒に設けられ仕切部材に面して配置される第2副液室と、第2副液室の隔壁の一部を構成する第2ダイヤフラムと、第2ダイヤフラムの第2副液室側とは反対側に配置されて内部が負圧にされた際に第2ダイヤフラムを内壁面に密着させて第2ダイヤフラムの移動を阻止する負圧室と、負圧室の内部を負圧にする負圧手段と、仕切部材に設けられ主液室と第2副液室とを連通する第2制限通路とがそれぞれ設けられている。
上記のように構成された特許文献1記載の防振装置では、入力振動の周波数が所定周波数未満の時には、負圧手段により負圧室の内部を負圧にして第2副液室の隔壁を構成する第2ダイヤフラムを負圧室の内壁に密着固定する。これにより、第2ダイヤフラムの変形が拘束されて第2副液室の内容積が拡縮不能となるので、液体は第2制限通路を流れず、第1の制限通路のみを流れ第1の制限通路を通過する際の抵抗及び液柱共振で所定周波数未満の振動が効果的に吸収される。
また、振動の周波数が所定周波数以上の時には、負圧室の内部を負圧手段により負圧とせず大気圧に維持することにより、第2ダイヤフラムが負圧室の内壁面から離間して変形可能となるので、第2副液室の内容積が拡縮可能となる。この結果、液体は第2の制限通路を流れることができ、液体が第2の制限通路を通過する際の液柱共振で所定周波数範囲の振動が吸収される。
すなわち、特許文献1記載の防振装置では、入力振動の周波数に応じて、負圧室内を負圧及び大気圧の何れかに制御することにより、液体が流通する制限通路を第1制限通路及び第2制限通路の一方に切り替えることができるので、例えば、第1制限通路を流通する液体の液柱共振によりシェイク振動を効果的に吸収でき、また第2制限通路を流通する液体の液柱共振によりアイドル振動を効果的に吸収できる。
特開平5−60171号広報
特許文献1記載の防振装置には、外筒の内部に第2副液室及び負圧室が設けられると共に、外筒の内周側に嵌挿される仕切部材に第1制限通路及び第2制限通路が形成されている。このため、この防振装置では、外筒の内周面と外周面との間に第2副液室及び負圧室を配置するためのスペースを確保するために、外筒の径方向に沿った肉厚を厚くする必要があると共に、仕切部材の上端面と下端面との間に第1制限通路及び第2制限通路を配置するためのスペースを確保するために、仕切部材の軸方向に沿った肉厚を厚くする必要がある。ここで、第2制限通路は、その内径が第1制限通路の内径よりも太いものになっていることから、第2制限通路を仕切部材に配置するためには、仕切部材の肉厚を第2制限通路の内径に応じて厚いものにする必要がある。
この結果、特許文献1記載の防振装置では、外筒の肉厚及び仕切部材の肉厚をそれぞれ厚くする必要があることから、装置の径方向及び軸方向に沿った寸法がそれぞれ増加して装置が大型化してしまう。
本発明の目的は、上記事実を考慮して、入力振動の周波数に応じて、負圧室内に負圧及び大気圧の一方を供給し、液体が流通する制限通路を第1制限通路及び第2制限通路の一方に切り替える防振装置において、第2制限通路、第2副液室及び負圧室を設けることによる装置の大型化を効果的に抑制できる防振装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る防振装置は、振動発生部及び振動受部の一方に連結される筒状の第1取付部材と、前記第1取付部材の内周側に配置され、振動発生部及び振動受部の他方に連結される第2取付部材と、前記第1取付部材と前記第2取付部材との間に配置され、前記第1取付部材と前記第2取付部材とを弾性的に連結したゴム弾性体と、液体が封入され、前記第1取付部材の内周側であって前記第2取付部材の軸方向内側に配置されると共に、前記ゴム弾性体を隔壁の少なくとも一部として、該ゴム弾性体の変形に伴い内容積が変化する主液室と、液体が封入され、隔壁の少なくとも一部が第1ダイヤフラムにより形成され、液圧変化に応じて内容積が拡縮可能とされた第1副液室と、前記主液室と前記第1副液室とを互いに連通する第1制限通路と、前記ゴム弾性体を介して前記主液室の反対側に配置されると共に、液体が封入され、第2ダイヤフラムにより隔壁の少なくとも一部が形成され、液圧変化に応じて内容積が拡縮可能とされた第2副液室と、前記ゴム弾性体の径方向中心部を貫通するように設けられると共に、前記主液室と前記第2副液室とを互いに連通し、前記第1制限通路に対して液体の流通抵抗が小さくされた第2制限通路と、前記ゴム弾性体を介して前記主液室の反対側に配置されると共に、前記第2ダイヤフラムを介して前記第2副液室に隣接するように設けられ、負圧供給時に前記第2ダイヤフラムを内壁面上に吸着して該第2ダイヤフラムの変形を拘束し、大気圧供給時に前記第2ダイヤフラムを内壁面から解放する負圧室と、前記負圧室を、装置外部における負圧及び大気圧の一方を選択的に供給する駆動圧供給手段に連通する駆動圧供給路と、前記駆動圧供給路の一部を構成し、一端部が前記負圧室に接続されると共に、他端部が装置外部へ向って開口した内部接続路と、前記駆動圧供給路の他の一部を構成し、一端部が前記内部接続管の他端部に接続される外部接続管と、基端側が前記第2取付部材に固定されると共に、先端側が振動発生部及び振動受部の他方に固定されたブラケット部材と、前記ブラケット部材を貫通するように形成され、前記内部接続路の少なくとも一部を構成するブラケット貫通穴と、を有することを特徴とする。
上記請求項1に係る防振装置では、第2ダイヤフラムを介して第2副液室に隣接するように設けられた負圧室が、負圧供給時に第2ダイヤフラムを内壁面上に吸着してダイヤフラムの変形を拘束し、また大気圧供給時に第2ダイヤフラムを内壁面から解放することにより、駆動圧供給手段により負圧室内へ負圧を供給すれば、液圧が変化しても第2副液室の内容積が一定に保たれて拡縮不能になるので、第1取付部材又は第2取付部材に振動が入力してゴム弾性体が弾性変形した際に、第2制限通路を実質的に閉塞させ、第1制限通路のみを通じて液体を主液室と第1副液室との間で行き来させることができ、また駆動圧供給手段により負圧室内へ大気圧を供給すれば、液圧変化に応じて変形する第2ダイヤフラムにより第2副液室の内容積が拡縮可能になるので、第1取付部材又は第2取付部材に振動が入力してゴム弾性体が弾性変形した際に、第2制限通路に対して液体の流通抵抗が大きい第1制限通路を実質的に閉塞させ、第2制限通路のみを通じて液体を主液室と第2副液室との間で行き来させることができる。
また請求項1に係る防振装置では、第2副液室及び、この第2副液室と第2ダイヤフラムを介して隣接する負圧室が、それぞれゴム弾性体を介して主液室の反対側に配置されると共に、主液室と第2副液室とを連通する第2制限通路が、ゴム弾性体を貫通するように設けられていることにより、第2副液室及び負圧室を、ゴム弾性体における軸方向外側の端部と第2取付部材との間に配置できると共に、第2制限通路をゴム弾性体の内周側に配置することができるので、従来の防振装置ではデッドスペースとなっていた領域に第2副液室及び負圧室を配置できると共に、ゴム弾性体における振動に対する吸収性能に実質的に影響を与えない径方向中心部に第2制限通路を配置できる。
この結果、請求項1に係る防振装置によれば、第2副液室及び負圧室を設けることによる装置の寸法増加を効果的に抑制できると共に、第2制限通路を設けることによる装置の寸法増加も効果的に抑制できるので、入力振動の周波数に応じて、負圧室内に負圧及び大気圧の一方を供給し、液体が流通する制限通路を第1制限通路及び第2制限通路の一方に切り替える制限通路の切替機能を有する防振装置において、第2制限通路、第2副液室及び負圧室を設けることによる装置の大型化を効果的に抑制できる。
また本発明の請求項2に係る防振装置は、請求項1記載の防振装置において、前記第2副液室及び前記負圧室を、前記第2取付部材と前記ゴム弾性体との間に配置したことを特徴とする。
また本発明の請求項3に係る防振装置は、請求項2記載の防振装置において、前記第2取付部材と前記ゴム弾性体との間に配置され、前記第2副液室における内壁面の一部である拘束面を前記第2ダイヤフラムに対向するように形成した内壁部材を有し、前記負圧室は、負圧供給時に前記第2ダイヤフラムを前記拘束面上に吸着して該ダイヤフラムの変形を拘束し、大気圧供給時に前記第2ダイヤフラムを拘束面から解放することを特徴とする。
振装置は、請求項1乃至3の何れか1項項記載の防振装置において、前記駆動圧供給路を構成し、前記第2取付部材を貫通して一端部が前記負圧室に接続されると共に、他端部が駆動圧供給手段に接続された配管部材と、基端側が前記第2取付部材に固定されると共に、先端側が振動発生部及び振動受部の他方に固定されるブラケット部材と、前記ブラケット部材を貫通するように形成された連通路と、を有し、前記配管部材を、前記連通路内を挿通して装置外部へ延出するように配置したことを特徴とする。
振装置は、請求項4記載の防振装置において、前記連通路は、前記ブラケット部材における基端部を貫通するように形成された連通開口と、前記連通開口から前記ブラケット部材の先端側へ向って延在する凹状の連通溝と、を有することを特徴とする。
以上説明したように本発明に係る防振装置によれば、入力振動の周波数に応じて、負圧室内に負圧及び大気圧の一方を供給し、液体が流通する制限通路を第1制限通路及び第2制限通路の一方に切り替える防振装置において、第2制限通路、第2副液室及び負圧室を設けることによる装置の大型化を効果的に抑制できる。
以下、本発明の参考形態に係る防振装置について図面を参照して説明する。
参考形態
参考形態の構成)
図1〜図3には、参考形態に係る防振装置が示されている。この防振装置10は、自動車等の車両におけるエンジンを車体へ支持するエンジンマウントとして適用されるものである。なお、図2及び図3にて符合Sが付された一点鎖線は装置の軸心を示しており、この軸心Sに沿った方向を装置の軸方向として以下の説明を行う。
図2に示されるように、防振装置10には、下端側に略円柱状に形成された防振本体12が設けられている。防振本体12には、図2に示されるように、外周側に薄肉円筒状に形成された外筒部材14が設けられると共に、上端側に全体として略円錐台状に形成された取付部材16が設けられている。取付部材16には、下端側に略円筒状に形成されたアンカ金具18が設けられると共に、このアンカ金具18の上端部に円板状の連結金具20が配置されている。
外筒部材14には、上端側に下端側の小径部22に対して内外径が拡大した大径部24が形成されており、小径部22と大径部24との間には、小径部22及び大径部24よりに内径が小さくなるように縮径された縮径部26が形成されている。また外筒部材14には、大径部24の上端部から外周側へ延出する環状のフランジ部28が形成されると共に、小径部22の下端部に下側へ向って内径がテーパ状に縮径するかしめ部30が形成されている。
防振装置10には、外筒部材14の内周側に肉厚円筒状のオリフィス金具32が略同軸的に配置されている。このオリフィス金具32の上端寄りの外周側には取付部材16のアンカ金具18が配置されている。オリフィス金具32は、軸方向に沿って下端側が外筒部材14内へ挿入されると共に、上端側が外筒部材14に対して上方へ突出するように配置されている。防振装置10には、外筒部材14とオリフィス金具32との間にゴム弾性体34が配置されている。
ここで、オリフィス金具32は下端側の一部をゴム弾性体34の下端面に対して下方まで突出させており、その中心部には軸方向に沿って貫通する貫通穴36が形成されている。またオリフィス金具32には、外周面における上端部に外周側へ延出するフランジ状の延出部38が一体的に形成されている。
ゴム弾性体34は、全体として頂面側に対し底面側が大径とされた略円錐台状に形成されており、外筒部材14における大径部24の内周面及びオリフィス金具32における外周面の上端側にそれぞれ加硫接着されている。ゴム弾性体34には、下端面中央部に上方へ向って窪んだ凹部40が形成されると共に、この凹部40の外周側から下方へ延出する薄肉円筒状の被覆部42が一体的に形成されている。被覆部42は、外筒部材14の内周面に加硫接着されて、縮径部26及び小径部22の内周側を覆っている。
ゴム弾性体34には、外周部に外筒部材14のフランジ部28上に配置されるクッション部44が一体的に形成されている。クッション部44は、ゴム弾性体34の外周部から外周側へ延出しており、フランジ部28の上面部における後述するエンジンブラケット132との対向領域を覆うように加硫接着されている。
防振装置10は、外筒部材14における小径部22の内周側に仕切部材46が嵌挿されている。仕切部材46は、内周側に軸方向へ貫通する中空部を有する略肉厚円筒状に形成されており、仕切部材46には、中央部の上端側に円形凹状の逃げ部48が形成されると共に、この逃げ部48の下側に円形凹状の嵌挿部50が形成されている。逃げ部48内には、オリフィス金具32の下端部が挿入さえている。嵌挿部50の上端は逃げ部48の下端に接続されており、嵌挿部50及び逃げ部48は仕切部材46を軸方向に沿って貫通している。仕切部材46の内周面には、逃げ部48と嵌挿部50との間に段差部52が全周に亘って形成されており、この段差部52の下面外周側には凹状の係合溝54が全周に亘って形成されている。
仕切部材46には外周面に断面矩形状の周溝56が形成されており、この周溝56は、軸心Sを中心とする周方向に対して所定角度、傾斜したスパイラル方向に沿って仕切部材46の外周面を1周以上に亘って周回している。仕切部材46には、周溝56の一端部と仕切部材46の上端面との間を貫通する上側連通路58が形成されると共に、周溝56の他端部と仕切部材46の内周面下端部との間を貫通する下側連通路60が形成されている。
防振装置10には、仕切部材46の内周側に配置される円板状のメンブラン62及び押え金具64が設けられている。メンブラン62はゴム材料により形成されており、後述する主液室80及び第1副液室82の容積をそれぞれ拡縮する拡縮方向へ弾性変形可能とされている。メンブラン62には、内周側に肉厚が略一定の円板状とされた受圧部63が形成されると共に、この受圧部63の外周面下端部から外周側へ延出するフランジ部66が環状に形成されている。フランジ部66の上面外周部には、上方へ向って突出する断面半円状の突起部68が全周に亘って形成されている。
メンブラン62は、突起部68を仕切部材46の係合溝54内へ嵌挿すると共に、フランジ部66を仕切部材46の段差部52の下面側へ当接させている。また押え金具64は略ハット状に形成されており、中央側に上端が円板状の頂板部71により閉止された円筒状の押え部70が形成されると共に、この押え部70の下端部から外周側へ延出するフランジ部72が一体的に形成されている。押え金具64の頂板部には、径方向に沿った中間部付近に軸方向へ貫通する複数個の連通口74が形成されている。
押え金具64は、押え部70を仕切部材46の下端側から嵌挿部50内へ嵌挿しており、頂板部164における外周側をメンブラン62のフランジ部66に圧接させると共に、フランジ部72を仕切部材46の下端面へ当接させている。これにより、メンブラン62は、仕切部材46における逃げ部48と嵌挿部50との間を閉塞するように固定される。
図2に示されるように、防振装置10では、メンブラン62及び押え金具64がそれぞれ組み付けられた仕切部材46が外筒部材14における小径部22の内周側に嵌挿される。このとき、仕切部材46は、被覆部42を介して上端面の外周縁部を段差部52に圧接させると共に、外周面全体を小径部22内周面に圧接させる。これにより、仕切部材46の上方への移動が拘束されると共に、周溝56の外周側が被覆部42を介して小径部22の内周面により閉塞される。
防振装置10には、小径部22の内周側における仕切部材46の下側に支持金具76が配置されている。支持金具76は軸方向に沿った幅が狭い円筒状に形成されており、その内周面には第1ダイヤフラム78の外周側の端部が全周に亘って加硫接着されている。第1ダイヤフラム78はゴム材料により膜状に形成されており、中央側が下方へ向って開口する略皿状に形成され、支持金具76に対して上方(頂板部△△側)へ突出している。
支持金具76は、その上端部を第1ダイヤフラム78の外周縁部を介し、押え金具64のフランジ部72に当接するように小径部22内へ嵌挿される。防振装置10では、小径部22内に支持金具76が嵌挿されると、内外径が一定であった外筒部材14のかしめ部30が内周側へテーパ状となるようにかしめられる。これにより、外筒部材14の小径部22内へ嵌挿された仕切部材46及び支持金具76がそれぞれ固定される。
防振装置10では、外筒部材14内におけるゴム弾性体34と仕切部材46との間に外部から区画された空間が形成され、この空間は水、エチレングリコール等の液体が充填されて、ゴム弾性体34の弾性変形に伴って内容積が拡縮する主液室80とされる。また防振装置10では、仕切部材46内における押え金具64と第1ダイヤフラム78との間に外部から区画された空間が形成され、この空間は、主液室80内と同一の液体が充填されて、充填された液体の液圧変化に応じて第1ダイヤフラム78が軸方向(拡縮方向)へ変形することにより、内容積が拡縮可能となる第1副液室82とされる。
また防振装置10では、取付部材16の周溝56、上側連通路58及び下側連通路60内に形成される細長い空間がシェイクオリフィス84として構成されており、このシェイクオリフィス84は、主液室80と第1副液室82とを互いに連通させている。ここで、シェイクオリフィス84の断面積及び路長、すなわち液体の流通抵抗は、シェイク振動の周波数、(例えば、8〜12Hz)及び振幅に適合するように設定(チューニング)されている。
アンカ金具18には、下端側に下方へ向ってテーパ状に内外径が縮小する筒状に形成された筒部88が形成されると共に、上端部に断面形状が内周側へ向って開いた略コ字状とされたかしめ部90が形成されている。またアンカ金具18には、筒部88の上端部とかしめ部90の下端部との間に断面形状が上方へ向って開いた略U字状とされた係合部92が形成されている。一方、連結金具20には、内周側に下方へ向って開いた略皿状のホルダ部94が形成されると共に、このホルダ部94の下端部から外周側へ延出する環状のフランジ部96が形成されている。またホルダ部94の頂面部には、円形の挿通穴98が軸方向へ貫通するように形成されており、この挿通穴98には下方から連結ボルト100が挿入されている。連結ボルト100は、その頭部をホルダ部94の下面側へ当接させ、ねじ部先端側をホルダ部94上方へ突出させている。
防振装置10では、連結金具20がアンカ金具18へ固定される前には、かしめ部90の上端側が内周側に屈曲されておらず円筒状になっている。連結金具20をアンカ金具18へ固定する際には、かしめ部90の内周側に連結金具20を挿入した後、かしめ部90の上端側を内周側へ屈曲する。これにより、連結金具20におけるフランジ部96がかしめ部90に固定されて、連結金具20によりアンカ金具18の上端側が閉止される。
防振装置10では、アンカ金具18の筒部88がゴム弾性体34におけるオリフィス金具32の外周側に埋設されてゴム弾性体34と連結されている。これにより、取付部材16は、ゴム弾性体34を介して外筒部材14と弾性的に連結される。またアンカ金具18の内周側には、連結金具20とゴム弾性体34の上端面との間に外部から区画された空間が形成される。
連結金具20のホルダ部94内には、全体として略円板状に形成された内壁部材102が嵌挿されている。内壁部材102には、上面中央部に円形凹状の座ぐり部104が形成されると共に、外周縁部に内周側に対して薄肉とされた押え部106が全周に亘って形成されている。防振装置10では、内壁部材102がホルダ部94内に嵌挿された状態で、連結ボルト100の頭部が座ぐり部104内に収納される。内壁部材102下面における押え部106の内周側の領域は拘束面108とされており、この拘束面108の中央部には凸状の湾曲面が形成されている。内壁部材102は、押え部106の上面側を連結金具20におけるフランジ部96の下面側へ当接させている。
防振装置10には、内壁部材102とアンカ金具18の係合部92との間にゴム材料により膜状に形成された第2ダイヤフラム110が配置されている。第2ダイヤフラム110は、外周縁部に円筒状の連結部111が一体的に形成されており、この連結部111の内周側が下方へ向って突出するように緩やかに湾曲する椀状に形成されている。第2ダイヤフラム110は、連結部111の下端側をアンカ金具18の係合部92内へ嵌挿しており、内壁部材102は、押え部106の下面側を連結部111の上端部へ圧接させている。これにより、連結部111が係合部92と押え部106との間に挟持され、第2ダイヤフラム110が内壁部材102とゴム弾性体34との間に形成された空間を軸方向に沿って2個の小空間に区画する。
防振装置10では、図2に示されるように、第2ダイヤフラム110の下側に形成された小空間が主液室80と同一の液体が充填されて第2副液室112とされると共に、図3に示されるように、第2ダイヤフラム110の上側に形成された小空間が負圧室114とされる。ここで、オリフィス金具32の貫通穴36内の軸方向へ細長い空間は、第2副液室112と主液室80とを互いに連通させるアイドルオリフィス86を構成する。このアイドルオリフィス86の路長及び断面積、すなわち液体の流通抵抗は、アイドル振動の周波数(例えば、20〜30Hz)及び振幅に適合するように設定(チューニング)されている
防振装置10には、負圧室114を装置外部へ連通させる内部配管116が設けられている。内部配管116は、全体としてL字状に屈曲したパイプにより構成されており、その長さ方向中間部に湾曲部118が形成されると共に、この湾曲部118を介して一端側及び他端側にそれぞれ下側ストレート部120及び上側ストレート部122が形成されている。下側ストレート部120の先端側は、軸方向に沿って連結金具20のホルダ部94及び内壁部材102の外周側を貫通しており、下側ストレート部120の先端部(開口端)は負圧室114内に面して開口している。また湾曲部118は、下側ストレート部120によりホルダ部94の上方に支持されており、上側ストレート部122は、湾曲部118から径方向に沿って外周側へ直線的に延出するように、湾曲部118により片持ち状態で支持されている。
図1に示されるように、防振装置10には、外筒部材14の外周側に嵌挿されるシャーシブラケット124が設けられている。シャーシブラケット124には、内周側に略肉厚円筒のブラケット本体126が設けられると共に、このブラケット本体126の径方向両端部からそれぞれ外周側へ延出する一対のステー部128(図1では、一方のステー部128のみを表示している。)が一体的に形成されている。ブラケット本体126は外筒部材14の外周側へ嵌挿されおり、その上端部を外筒部材14のフランジ部28へ当接させている。ステー部128には先端側に軸方向へ貫通する連結穴130が穿設されている。
また防振装置10には、連結金具20の上面側に連結されるレバー状のエンジンブラケット132が設けられている。エンジンブラケット132には、図2に示されるように、基端側に先端部に対して肉厚が薄いプレート状の防振取付部134が設けられると共に、先端部に防振取付部134よりも肉厚とされたプレート状のエンジン取付部136が設けられている。またエンジンブラケット132には、防振取付部134とエンジン取付部136との間にプレート状の中間連結部138が設けられており、この中間連結部138の肉厚はエンジン取付部136と略等しくなっている。中間連結部138の先端側には下方へ向ってクランク状に曲がった段差部140が形成されており、これにより、エンジン取付部136は、中間連結部138を介して防振取付部134よりも軸方向下側へ支持される。
図2に示されるように、エンジン取付部136には、上面中央部に凹状の座ぐり部142が形成されると共に、この座ぐり部142の底面中央部と防振取付部134の下面部との間に軸方向へ貫通する円形の挿通穴144が穿設されている。この挿通穴144には、連結金具20の挿通穴98を通って上方へ突出する連結ボルト100のねじ部が挿入される。連結ボルト100はねじ部の先端側を座ぐり部142底面の上方まで突出させる。連結ボルト100のねじ部の先端側にはナット146が捻じ込まれ、このナット146は、座ぐり部142底面と当接した状態で、所定の締結トルクが発生するまで連結ボルト100のねじ部へ捻じ込まれる。これにより、防振取付部134が連結金具20の頂面上に締結固定される。
エンジンブラケット132には、エンジン取付部136にそれぞれ軸方向へ貫通する複数個(本参考形態では、3個)の連結穴148が穿設されると共に、軸方向へ貫通する嵌挿穴150が穿設されている。嵌挿穴150内には、ロッド状の位置決めピン152が圧入固定されており、位置決めピン152は先端側をエンジン取付部136の下面から突出させている。エンジンブラケット132は、位置決めピン152をエンジン側に設けられた位置決め穴(図示省略)へ挿入すると共に、複数の連結穴148をそれぞれ挿通するボルト(図示省略)を介してエンジンへ締結固定される。
エンジンブラケット132には、防振取付部134における挿通穴144の外周側に軸方向へ貫通する連通開口154が形成されている。連通開口154は、下端側がホルダ部94から突出する内部配管116に面して開口すると共に、上端側が座ぐり部104底面へ開口している。内部配管116は、連通開口154を通して下側ストレート部120の上端側をホルダ部94頂面から座ぐり部104内まで突出させている。またエンジンブラケット132には、径方向に沿って座ぐり部104の内周面から外周側へ延出する凹状の連通溝156が形成されている。この連通溝156は、中間連結部138上面を径方向に沿って横断し、その先端部が段差部140の上面側へ開口している。
防振装置10では、内部配管116の湾曲部118が座ぐり部104内の外周側に収納されると共に、上側ストレート部122が座ぐり部104内を通って先端部を連通溝151内まで延出させる。また防振装置10には、上側ストレート部122の先端部に接続される耐圧ホース158が設けられており、この耐圧ホース158は、連通溝156内を通って段差部140の外周側へ延出している。
図1に示されるように、防振装置10には、シャーシブラケット124における一対のステー部128の上側にストッパ金具160が配置されている。ストッパ金具160には、下方へ向って開いた略コ字状に屈曲されたプレート状のストッパ本体162が設けられている。ストッパ本体162には、上端部に径方向を長手方向とする略長方形の頂板部164が設けられると共に、頂板部164の長手方向両端部からそれぞれ下方へ延出するプレート状の脚部166が形成されている。脚部166の下端部には、径方向外側へ延出するフランジ部168が屈曲形成されており、フランジ部168には軸方向へ貫通する円形の連結穴170が穿設されている。
ストッパ金具160は、一対のフランジ部168をシャーシブラケット124における一対のステー部128の上面側へそれぞれ当接させると共に、フランジ部168の連結穴170をステー部128における連結穴130とそれぞれ一致させるように、シャーシブラケット124上に載置される。防振装置10では、フランジ部168の連結穴170及びステー部128の連結穴130をそれぞれ挿通したボルト(図示省略)を介して、ストッパ金具160がシャーシブラケット124へ固定されると共に、シャーシブラケット124が車体側に締結固定される。
図2に示されるように、防振装置10には、エンジンブラケット132における防振取付部134の外周側に筒状のクッションゴム176が配置されている。クッションゴム176は断面が略矩形状とされており、図1に示されるように、防振取付部134の外周側に嵌挿されて密着している。
クッションゴム176には、図2に示されるように、頂板部の中央側に軸方向へ貫通する上側開口部178が形成されると共に、底板部の中央側に軸方向へ貫通する下側開口部180が形成されている。連結金具20は、ホルダ部94の頂部を下側開口部180内へ挿入しつつ、ホルダ部94の頂面を防振取付部134の下面へ当接させている。クッションゴム176は、上側開口部178の周縁部をストッパ金具160における頂板部164の下面側へ圧接させると共に、下側開口部180の周縁部を連結金具20のフランジ部72の上面側へ圧接させている。またクッションゴム176は、断面形状が略二等三角形に形成された一対の側板部を備えており、一対の側板部の頂部付近をそれぞれストッパ金具160における一対の脚部166の内側面へ当接させている。
防振装置10では、エンジンブラケット132が防振本体12に対して軸方向に沿って相対変位すると、クッションゴム176がエンジンブラケット132とストッパ金具160の頂板部164又は連結金具20のフランジ部28との間で圧縮されて復元力を発生させる。これにより、エンジンブラケット132の防振本体12に対する軸方向に沿った相対変位がクッションゴム176の復元力により弾性的に制限される。また防振装置10では、エンジンブラケット132が防振本体12に対して軸心Sを中心とする周方向に沿って相対変位すると、クッションゴム176がエンジンブラケット132とストッパ金具160における脚部166との間で圧縮されて復元力を発生させる。これにより、エンジンブラケット132の防振本体12に対する周方向に沿った相対変位がクッションゴム176の復元力により弾性的に制限される。
防振装置10には、耐圧ホース158及び内部配管116を通して負圧室114に接続された切換弁190が設けられている。切換弁190は、電磁力により駆動する3ポート2位置切換型の電磁弁として構成されており、吸排気ポート192、大気圧ポート194及び負圧ポート196を備えている。吸排気ポート192には、一端部が内部配管116に接続された耐圧ホース158の他端部が接続されている。負圧ポート196は、負圧配管206を通して車両における負圧発生源であるインテークマニホールド198と接続されている。また大気圧ポート194は大気空間へ開放されている。
切換弁190は、駆動電圧が印加されていないオフ状態では、吸排気ポート192を大気圧ポート194へ連通させる。これにより、負圧室114内には、切換弁190、耐圧ホース158及び内部配管116を通して大気圧の空気が供給される。また切換弁190は、駆動電圧が印加されているオン状態では、吸排気ポート192を負圧ポート196連通させる。
防振装置10では、負圧室114内に負圧が供給されると、図2に示されるように、負圧の作用により第2ダイヤフラム110が内壁部材102の拘束面108に密着した状態となり、第2ダイヤフラム110の変形が拘束面108により拘束される。また防振装置10では、負圧室114内に大気圧が供給されると、図3に示されるように、第2ダイヤフラム110が内壁部材102の拘束面108から解放され、第2ダイヤフラム110が第2副液室112内の液圧変化に応じて拡縮方向へ変形可能になる。
切換弁190には、車両の運転状況を判断して印加電圧をオン・オフする制御手段である制御回路200にケーブル等を介して接続されている。制御回路200は車両電源によって駆動され、少なくとも車両の運転状況を判断する車速センサ202及びエンジン回転数センサ204からの検出信号を受け、車速及びエンジン回転数をそれぞれ検出する。これにより、制御回路200は、車速センサ202及びエンジン回転数センサ204からの検出信号に基づいて、シェイク振動発生時かアイドル振動発生時かの判断、すなわち車両のエンジン作動状態での停止時(アイドリング時)か所定速度での走行時かの判断ができるようになっている。制御回路200は、車両のアイドリング時には、切換弁190への駆動電圧の通電を停止し、また車両の所定速度での走行時には、切換弁190へ駆動電圧を通電する。
参考形態の作用)
次に、上記のように構成された本参考形態に係る防振装置10の動作及び作用を説明する。
エンジンブラケット132を介して取付部材16と連結されたエンジンが作動すると、エンジンの振動が取付部材16を介してゴム弾性体34に伝達される。このとき、ゴム弾性体34は吸振主体として作用し、ゴム弾性体34の弾性変形に基づく吸振機能によって入力振動が吸収される。さらに、このゴム弾性体34の変形に伴って、主液室80の内容積が変化(拡縮)して液圧が変化すると、シェイクオリフィス84及びアイドルオリフィス86の何れか一方を通って主液室80と副液室82、112との間で液体が行き来する。このとき、オリフィス84、86を通して液体が流入又は流出する副液室82、112は、液体の流入及び流出に伴ってダイヤフラム78、110が小さい抵抗で拡縮方向へ変形することにより、液圧変化が主液室80の液圧変化に対して十分に小さいものになる。
この結果、防振装置10では、取付部材16を介してエンジン側からの振動が伝達されると、ゴム弾性体34の変形により振動が吸収されると共に、主液室80と副液室82、112とを互いに連通するオリフィス84、86内の液柱共振等に基づく吸収作用により振動が吸収されて、車体側に振動が伝達され難くなる。
以下に、本参考形態に係る防振装置10の動作及び作用を更に具体的に説明する。
例えば、車両が所定の速度で走行すると、シェイク振動が生じる。制御回路200は、車速センサ202及びエンジン回転数センサ204により車両がシェイク振動の発生時にあると判断すると、切換弁190へ駆動電圧を通電して切換弁190における吸排気ポート192を負圧ポート196に連通させる。これにより、インテークマニホールド198から負圧室114内に負圧が供給されて、図2に示されるように、負圧の作用により第2ダイヤフラム110が内壁部材102の拘束面108に吸着され、第2ダイヤフラム110の拡縮方向への変形が阻止されるので、第2副液室112の内容積が一定に保たれて拡縮不能になる。
防振装置10は、負圧室114内へ負圧が供給されて第2副液室112の内容積が拡縮不能になると、取付部材16又は外筒部材14を介して振動が入力してゴム弾性体34が弾性変形した際に、アイドルオリフィス86が実質的に閉塞され、シェイクオリフィス84のみを通じて液体が主液室80と第1副液室82との間で行き来する状態(シェイクモード)になる。
この結果、防振装置10では、シェイクモードになると、入力振動がシェイク振動である場合に、シェイクオリフィス84のみを通って主液室80と第1副液室82との間を相互に流通する液体に共振現象(液柱共振)が生じるので、この液柱共振に伴ってシェイクオリフィス84を流通する液体の流通抵抗や液圧変化により入力振動(シェイク振動)を特に効果的に吸収できる。
またシェイクモード時に、車両がシェイク振動の発生ピークとなる速度よりも高速で走行して、防振装置10へ伝達される振動がアイドル振動よりも高い周波数域の振動であって、振幅が小さいこもり音等の高周波振動になると、防振装置10では、シェイク振動に適合するようにチューニングされたシェイクオリフィス84が目詰まり状態となり、シェイクオリフィス84には液体が流れ難くなるが、メンブラン62が入力振動に同期して主液室80の内容積を拡縮するように弾性変形することにより、主液室80内の液圧上昇を抑制できるので、主液室80内の液圧上昇に起因する装置の動ばね定数の上昇を抑えることができ、このようなこもり音等の高周波振動の入力時もゴム弾性体34の動ばね定数を低く維持し、このゴム弾性体34の弾性変形により高周波振動も効果的に吸収できる。
一方、例えば車両が停止すると、エンジンがアイドリング運転となって振動の周波数がシェイク振動よりも高いアイドル振動が生じる。この場合にも、シェイクオリフィス84が目詰まり状態となるが、この際、制御回路200は、車速センサ202及びエンジン回転数センサ204により車両がアイドル振動の発生時にあると判断すると、切換弁190への駆動電圧の通電を停止して切換弁190における吸排気ポート192を大気圧ポート194に連通させる。これにより、負圧室114内に大気圧が供給されて、図3に示されるように、第2ダイヤフラム110が内壁部材102の拘束面108から離れて、第2ダイヤフラム110が拡縮方向へ変形可能になるので、第2ダイヤフラム110の変形に伴って第2副液室112の内容積が拡縮可能になる。
防振装置10は、第2ダイヤフラム110の変形に伴って第2副液室112の内容積が拡縮可能になると、ゴム弾性体34が変形して主液室80内の液圧が変化した際に、シェイクオリフィス84が実質的に閉塞され、シェイクオリフィス84に対して液体の流通抵抗が小さいアイドルオリフィス86を優先的に通って主液室80と第2副液室112との間で液体が行き来する状態(アイドルモード)になる。
この結果、防振装置10では、アイドルモードになると、入力振動がアイドル振動である場合に、シェイクオリフィス84が目詰まり状態となって、シェイクオリフィス84を通って主液室80と第1副液室82との間に実質的に液体が流れなくなるが、アイドルオリフィス86を通って主液室80と第2副液室112との間に液体が行き来するようになる。このとき、アイドル振動の入力に伴い、アイドルオリフィス86を通って主液室80と第2副液室112との間を相互に流通する液体に共振現象(液柱共振)が生じるので、この液柱共振に伴うアイドルオリフィス86を流通する液体の流通抵抗や液圧変化により入力振動(アイドル振動)を特に効果的に吸収できる。
以上説明した本参考形態に係る防振装置10では、第2副液室112及び、この第2副液室112と第2ダイヤフラム110を介して隣接する負圧室114が、それぞれゴム弾性体34を介して主液室80の反対側に配置されると共に、主液室80と第2副液室112とを連通するアイドルオリフィス86が、ゴム弾性体34を貫通するように配置されたオリフィス金具32に設けられていることにより、第2副液室112及び負圧室114を、ゴム弾性体34における上端面と取付部材16との間に配置できると共に、アイドルオリフィス86をゴム弾性体34の径方向中心部に配置することができるので、従来の防振装置ではデッドスペースとなっていた領域に第2副液室112及び負圧室114をそれぞれ配置できると共に、ゴム弾性体における振動に対する吸収性能に実質的に影響を与えない径方向中心部にアイドルオリフィス86を配置できる。
この結果、本参考形態に係る防振装置10によれば、第2副液室112及び負圧室114を設けることによる装置の寸法増加をそれぞれ効果的に抑制できると共に、アイドルオリフィス86を設けることによる装置の寸法増加も効果的に抑制できるので、入力振動の周波数に応じて、負圧室114内に負圧及び大気圧の一方を供給し、液体が流通するオリフィスをシェイクオリフィス84及びアイドルオリフィス86の一方に切り替えるオリフィスの切替機能を有する防振装置10において、アイドルオリフィス86、第2副液室112及び負圧室114を設けることによる装置の大型化を効果的に抑制できる。
また防振装置10では、負圧室114を切換弁190に連通する駆動圧供給路が配管部材である内部配管116及び耐圧ホース158により構成され、一端部が負圧室114に接続された内部配管116の他端側がエンジンブラケット132の連通開口154及び座ぐり部142を通って連通溝156内まで延出し、この連通溝156内において内部配管116に耐圧ホース158が接続されていることから、負圧室114及び第2副液室112をゴム弾性体34の上端面と取付部材16との間に配置した場合でも、エンジンブラケット132からの干渉を受けることなく、すなわち取付部材16の上側に配置されたエンジンブラケット132に邪魔されることなく、内部配管116を負圧室114から装置外部へ面する部位まで延出させ、かつ内部配管116の他端部に耐圧ホース158の一端部を接続することができる。
また防振装置10では、内部配管116の連結金具20からの突出部分(他端側)全体がエンジンブラケット132における連通開口154、座ぐり部142及び連通溝156内に収納されているので、防振装置10の運搬時や車両への組付作業時に、内部配管116の他端側に作業者、工具等の物体が当たることを効果的に防止でき、内部配管116に折損、曲がり等の損傷が生じることを防止できる。
なお、本参考形態に係る防振装置10では、ゴム弾性体34の中心を貫通するように肉厚円筒状のオリフィス金具32をゴム弾性体34内へ埋設し、このオリフィス金具32の中心部を軸方向へ貫通する貫通穴36内の空間をアイドルオリフィス86としたが、図4に示されるように、ゴム弾性体34の中心部に軸方向に沿って貫通する貫通穴206を穿設し、この貫通穴206内の空間をアイドルオリフィス86としても良い。
実施形態
図5には、本発明の実施形態に係る防振装置が示されている。本実施形態に係る防振装置210が参考形態に係る防振装置10と異なる点は、防振装置10では負圧室114を切換弁190に連通する駆動圧供給路が内部配管116及び耐圧ホース158により構成されていたのに対し、防振装置210では、駆動圧供給路が内部接続路212、ニップル214及び耐圧ホース158により構成されている点である。なお、本実施形態に係る防振装置210では、参考形態に係る防振装置10と基本的に同一の部分については同一符号を付して説明を省略する。
内部接続路212には、図5に示されるように、エンジンブラケット132における防振取付部134及び中間連結部138を貫通する貫通穴216が設けられている。貫通穴216は、一端側がエンジン取付部136の下面側に開口すると共に、他端側が段差部140の上面側へ開口している。貫通穴216の他端側には、パイプ状のニップル214の一端側が圧入固定されている。また内部接続路212には、連結金具20のホルダ部94及び内壁部材102の外周側を軸方向へ貫通する貫通穴218が設けられている。貫通穴218は一端側が負圧室114内へ面して開口すると共に、他端側がエンジンブラケット132の貫通穴216の一端側に接続されている。
エンジンブラケット132には、防振取付部134の下面側における貫通穴216の外周側に環状の溝部220が形成されると共に、この溝部220内にOリング222が嵌挿されている。これにより、貫通穴216と貫通穴218との接続部がOリング222により気密状態にシールされる。
防振装置10では、ニップル214の他端側に耐圧ホース158の一端部が接続されている。これにより、負圧室114は、内部接続路212、ニップル214及び耐圧ホース158を通して切換弁190に連通している。
上記のように構成された本実施形態に係る防振装置210における、振動入力時の動作及び作用については、基本的に参考形態に係る防振装置10と同じなので説明を省略する。
また本実施形態に係る防振装置210では、参考形態に係る防振装置10と同様に、第2副液室112及び、この第2副液室112と第2ダイヤフラム110を介して隣接する負圧室114が、それぞれゴム弾性体34を介して主液室80の反対側に配置されると共に、主液室80と第2副液室112とを連通するアイドルオリフィス86が、ゴム弾性体34を貫通するように配置されたオリフィス金具32に設けられていることにより、第2副液室112及び負圧室114を設けることによる装置の寸法増加をそれぞれ効果的に抑制できると共に、アイドルオリフィス86を設けることによる装置の寸法増加も効果的に抑制できるので、オリフィスの切替機能を有する防振装置10において、アイドルオリフィス86、第2副液室112及び負圧室114を設けることによる装置の大型化を効果的に抑制できる。
一方、本実施形態に係る防振装置210では、駆動圧供給路の一部がエンジンブラケット132に穿設された貫通穴216及び連結金具20及び内壁部材102に穿設された貫通穴218により構成されていることにより、負圧室114及び第2副液室112をゴム弾性体34の上端面と取付部材16との間に配置した場合でも、取付部材16の上側に配置されたエンジンブラケット132を回避することなく、負圧室114を切換弁190に連通させるための内部接続路212を装置に設けることができ、かつ参考形態に係る防振装置10と比較し、装置の構成部品としての内部配管116を不要にできるので、装置の部品点数を減少できると共に組立作業も簡略化できる。
本発明の参考形態に係る防振装置の構成を示す斜視図である。 図1に示される防振装置がシェイクモードにある状態を示す側面断面図である。 図1に示される防振装置がアイドルモードにある状態を示す側面断面図である。 本発明の参考形態に係る防振装置の側面断面図であり、アイドルオリフィスをゴム弾性体の貫通穴により構成した場合を示している。 本発明の実施形態に係る防振装置の構成を示す側面断面図である。
符号の説明
10 防振装置
12 防振本体
14 外筒部材(第1取付部材)
16 取付部材(第2取付部材)
18 アンカ金具(第2取付部材)
20 連結金具(第2取付部材)
32 オリフィス金具
34 ゴム弾性体
78 第1ダイヤフラム
80 主液室
82 第1副液室
84 シェイクオリフィス(第1制限通路)
86 アイドルオリフィス(第2制限通路)
102 内壁部材
108 拘束面
110 第2ダイヤフラム
112 第2副液室
114 負圧室
116 内部配管(駆動圧供給路)
132 エンジンブラケット(ブラケット部材)
154 連通開口(連通路)
156 連通溝(連通路)
158 耐圧ホース(駆動圧供給路)
190 切換弁(駆動圧供給源)
198 インテークマニホールド(駆動圧供給源)
210 防振装置
212 内部接続路
214 ニップル
216 貫通穴(ブラケット貫通穴)
218 貫通穴

Claims (3)

  1. 振動発生部及び振動受部の一方に連結される筒状の第1取付部材と、
    前記第1取付部材の内周側に配置され、振動発生部及び振動受部の他方に連結される第2取付部材と、
    前記第1取付部材と前記第2取付部材との間に配置され、前記第1取付部材と前記第2取付部材とを弾性的に連結したゴム弾性体と、
    液体が封入され、前記第1取付部材の内周側であって前記第2取付部材の軸方向内側に配置されると共に、前記ゴム弾性体を隔壁の少なくとも一部として、該ゴム弾性体の変形に伴い内容積が変化する主液室と、
    液体が封入され、隔壁の少なくとも一部が第1ダイヤフラムにより形成され、液圧変化に応じて内容積が拡縮可能とされた第1副液室と、
    前記主液室と前記第1副液室とを互いに連通する第1制限通路と、
    前記ゴム弾性体を介して前記主液室の反対側に配置されると共に、液体が封入され、第2ダイヤフラムにより隔壁の少なくとも一部が形成され、液圧変化に応じて内容積が拡縮可能とされた第2副液室と、
    前記ゴム弾性体の径方向中心部を貫通するように設けられると共に、前記主液室と前記第2副液室とを互いに連通し、前記第1制限通路に対して液体の流通抵抗が小さくされた第2制限通路と、
    前記ゴム弾性体を介して前記主液室の反対側に配置されると共に、前記第2ダイヤフラムを介して前記第2副液室に隣接するように設けられ、負圧供給時に前記第2ダイヤフラムを内壁面上に吸着して該第2ダイヤフラムの変形を拘束し、大気圧供給時に前記第2ダイヤフラムを内壁面から解放する負圧室と、
    前記負圧室を、装置外部における負圧及び大気圧の一方を選択的に供給する駆動圧供給手段に連通する駆動圧供給路と、
    前記駆動圧供給路の一部を構成し、一端部が前記負圧室に接続されると共に、他端部が装置外部へ向って開口した内部接続路と、
    前記駆動圧供給路の他の一部を構成し、一端部が前記内部接続管の他端部に接続される外部接続管と、
    基端側が前記第2取付部材に固定されると共に、先端側が振動発生部及び振動受部の他方に固定されたブラケット部材と、
    前記ブラケット部材を貫通するように形成され、前記内部接続路の少なくとも一部を構成するブラケット貫通穴と、
    を有することを特徴とする防振装置。
  2. 前記第2副液室及び前記負圧室を、前記第2取付部材と前記ゴム弾性体との間に配置したことを特徴とする請求項1記載の防振装置。
  3. 前記第2取付部材と前記ゴム弾性体との間に配置され、前記第2副液室における内壁面の一部である拘束面を前記第2ダイヤフラムに対向するように形成した内壁部材を有し、
    前記負圧室は、負圧供給時に前記第2ダイヤフラムを前記拘束面上に吸着して該ダイヤフラムの変形を拘束し、大気圧供給時に前記第2ダイヤフラムを拘束面から解放することを特徴とする請求項2記載の防振装置。
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