JP5114799B2 - 防振装置 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば自動車や一般産業用機械等において、エンジン等の振動を生じる部分と車体等の振動を受ける部分との間に適用され、これら振動を生じる部分から振動を受ける部分へ伝達される振動を減衰及び吸収する防振装置に関する。
振動発生源となる自動車用エンジンや一般産業用機械の原動機等を、その振動を車体や機械本体へ伝達させないように支持する防振装置としては、例えば、特許文献1に開示されている液体封入式のものが知られている。この特許文献1に示されている防振装置には、外筒、ゴム弾性体及びダイヤフラムにより外部から密封された液室空間が形成されており、この液室空間は、振動入力方向に互いに離間かつ対向して配置された2つの内部隔壁により、ゴム弾性体を隔壁の一部とする主液室と、ダイヤフラムを隔壁の一部とする副液室とに仕切られ、これら主液室と副液室とは、制限通路を介して連通され、これら主液室、副液室及び制限通路内には、水又はエチレングリコール等の液体が充填されている。この防振装置では、2つの内部隔壁間に円柱状の空間である収納室が形成されており、その収納室より外周側には制限通路が形成されている。それぞれの内部隔壁には、開口部が形成され、収納室内は、かかる開口部を通じで主液室及び副液室にそれぞれ連通している。さらにこの防振装置では、入力振動の振動方向に沿って振動可能とされた円板状の可動プレート(流通制御板)が収納室内に配置されている。
このように構成された防振装置では、振動入力時にゴム弾性体が弾性変形することにより振動が減衰吸収される。このとき、入力振動の周波数が所定の値よりも低い低周波振動の場合には、流通制御板が2つの内部隔壁にそれぞれ形成された開口部を交互に塞ぐ状態となるので、液体が収納室内を通って主液室と副液室の間を実質的に流通することがなく、その結果、制限通路のみを通じて主液室と副液室との間で液体が相互に流通し、これにより制限通路内を流通する液体に共振現象(液柱共振)が生じて入力振動は減衰される。一方、入力振動の周波数が所定の値よりも高い高周波振動の場合には、制限通路が実質な目詰まり状態となるが、流通制御板が収納室内で入力振動に同期して振動することにより、収納室、特には上記開口部を通じて主液室と副液室との間で液体の流通が生じるので、主液室内の液圧上昇に伴うゴム弾性体の動ばね定数の上昇は抑制され、その結果、ゴム弾性体の弾性変形等により高周波振動もまた効果的に減衰される。
特開平1−193425号公報
しかしながら、上述したような従来の防振装置では、流通制御板は、高周波振動の入力時に収納室内にて入力振動の振幅方向に沿って振動し、収納室(内部隔壁)内の内壁面に入力振動の周波数に対応する周期で繰り返し衝突する。これにより、このような防振装置が適用された車両では、防振装置における流通制御板と内部隔壁との衝突に起因する打音が高周波振動の入力時に、具体的には、車両のアイドリング運転時に発生し、この打音が車体を通して車内へ不快な異音として伝達されることがある。
それゆえ、この発明は、これらの問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、流通制御板により収納室を介して主液室と副液室との間の液体の流通を制御することにより広い周波数域の入力振動を効果的に減衰可能とすることを前提に、流通制御板と内部隔壁の内壁面との衝突に起因する異音の音圧を低減可能な防振装置を提供することにある。
前記の目的を達成するため、この発明は、振動入力方向で相互に所定の距離を隔てて配置された第1及び第2の支持体と、これら第1の支持体と第2の支持体との間に介装されたゴム弾性体と、液体が封入され、前記ゴム弾性体を隔壁の一部として該ゴム弾性体の変形に伴い内容積が変化する主液室と、液体が封入され、液圧変化に応じて内容積が拡縮可能とされた副液室と、前記主液室と前記副液室との間を連通する制限通路と、振動入力方向で所定の距離を隔てて相互に対向して配置されて中空状の収納室を構成する、樹脂で構成した第1及び第2の内部隔壁と、前記収納室内に配置され、前記第1及び第2の支持体への所定の入力振動に同期して振動するとともに、該収容室内を浮遊する流通制御板と、前記第1の内部隔壁を弾性支持する弾性部材と、を具える防振装置である。
かかる構成を採用することにより、支持体への振動入力時にゴム弾性体が弾性変形することにより振動が減衰吸収される。また、入力振動の振幅が所定の値よりも大きい場合には、流通制御板が該入力振動に同期して振動して主液室と副液室との間の液体の流通を制限する結果、液体は制限通路のみを介して主液室と副液室との間を流通するので、制限通路内を流通する液体に共振現象(液柱共振)が生じ、この液柱共振の作用によって入力振動は効果的に減衰される。
一方、入力振動の振幅が所定の値よりも小さい場合には、制限通路が実質的に目詰まり状態となり、この制限通路を介して液体の流通は行われ難くなるものの、流通制御板が収納室内で入力振動に同期して振動することにより、収納室内を通って主液室と副液室との間で液体の流通が生じるので、主液室内の液圧上昇に伴う動ばね定数の上昇は抑制される。従って、振幅が小さい振動の入力時もゴム弾性体の動ばね定数は低く維持されることから、当該ゴム弾性体の弾性変形等により振動は効果的に減衰される。
さらに、この防振装置は、第1の内部隔壁を弾性支持する弾性部材を具えることから、弾性支持された内部隔壁においては、振動入力時に流通制御板が収納室内で振動しかかる内部隔壁の内壁面に衝突しても、その衝突により生じる衝撃は弾性部材により吸収される。従って、流通制御板が収納室内で振動し内部隔壁の内壁面に衝突することにより生じる打音の音圧は低減されるとともに、かかる衝撃が車体や機械本体等の振動受側へ伝達されることがない。
また、この発明の防振装置においては、第1及び第2の内部隔壁より外周側に制限通路を配置する。そしてここでは、前記第1及び第2の内部隔壁のうちの第1の内部隔壁だけを、前記弾性部材により弾性支持させる。
さらに、この発明の防振装置においては、弾性部材は、第1の内部隔壁を弾性支持する。
さらに、この発明の防振装置においては、流通制御板は、収納室内に浮遊するものとする
なお、この発明の防振装置においては、第1の内部隔壁及び第2の内部隔壁を樹脂で構成する。
この発明の防振装置によれば、流通制御板により収納室を介して主液室と副液室との間の液体の流通を制御することにより広い周波数域の入力振動を効果的に減衰可能とすることを前提に、流通制御板と内部隔壁の内壁面との衝突に起因する異音の音圧を低減することが可能となる。
以下、本発明の実施形態に係る防振装置について図面を参照しつつ詳細に説明する。ここで、図1は、この発明の実施形態に係る防振装置の断面図であり、図2は、この実施例の防振装置に適用される後述のオリフィス複合体の断面図であり、図3は、図2に示すオリフィス複合体の分解斜視図である。
図1に示すように、防振装置10は、振動入力方向(図1で示す軸線Sと同一方向であり、以下、「軸方向」という。)で相互に所定の距離を隔てて配置された第1及び第2の支持体として、円筒状の内筒金具12とその径方向外側に同軸で配置された円筒状の外筒金具14とを具える。内筒金具12は振動発生側であるエンジン側に連結され、外筒金具14は振動受側である車体側へ連結される。これら内筒金具12と外筒金具14との間には、吸振主体となるゴム弾性体16が配置されている。内筒金具12は、その上端側(図1では上側)が外筒金具14内へ挿入されつつその下端側(図1では下側)が外筒金具14の下端側の開口部を通って外筒金具14の下方まで突出している。外筒金具14には、その軸方向中間部に設けられた段差部18に対して上端側の部分に下端側の部分よりも直径が拡大された拡径部20が形成されている。また外筒金具14には、その下端部に下方へ向って直径がテーパ状に縮小するテーパ部22が屈曲形成されるとともに、拡径部20の上端部に装置の組立時に内周側へ屈曲されるかしめ部24が形成されている。
外筒金具14は、その下端側が略カップ状の連結筒26内に嵌挿固定されており、この連結筒26は、その下端側が有底円筒状のホルダ金具28内に嵌挿固定されている。外筒金具14は、その下端部が連結筒26の下側隔壁部材に当接するまで連結筒26内へ挿入されている。またホルダ金具28には、その外周面に複数の脚部30、32が溶接等により固定されており、この脚部30、32の先端側に形成された連結穴33を挿通するボルト(図示省略)により、ホルダ金具28は車体側へ締結固定される。その結果、外筒金具14が、連結筒26及びホルダ金具28を介して車体側へ連結固定される。
内筒金具12の下端側は、連結筒26の底板部に形成された開口部27を通って連結筒26の下方まで突出しており、この内筒金具12の下端部には、ボルト34によりエンジン連結用のブラケット36の基端部が締結固定されている。このブラケット36は、ホルダ金具28の側面部に形成された開口部(図示省略)を通って径方向外側へ延出しており、ブラケット36の先端側にはボルト等によりエンジン(図示省略)が締結固定される。またブラケット36の基端部は、ストッパゴム38でその周囲を被覆されており、このストッパゴム38の上面部は連結筒26の底板部に圧接している。これにより、ブラケット36は軸方向に沿って過大に変位することがなく、また大荷重の入力によりブラケット36が連結筒26又はホルダ金具28へ衝突した際にも衝突音の発生が防止される。
ゴム弾性体16は、外筒金具14内へ挿入された内筒金具12の上端側に加硫接着されるとともに、外筒金具14の下端側に加硫接着されており、内筒金具12と外筒金具14とを弾性的に連結している。またゴム弾性体16には、外筒金具14の内周面に沿って延び該内周面を被覆する薄肉状の被覆部40が一体的に形成されている。
図1に示すように、外筒金具14内には、オリフィス複合体100(図2に詳細を示す)が挿入されており、このオリフィス複合体100下面における外周部は、被覆部40を介して段差部18に当接している。そして、このオリフィス複合体100が外筒金具14内に挿入された後に、軸方向上側に向けて凸状に形成されるとともに外周側に支持リング42が埋設されたゴム製のダイヤフラム44が同様に外筒金具14内に挿入され、円筒状であったかしめ部24及び支持リング42は内周側へテーパ状に屈曲される。その結果、オリフィス複合体100は外筒金具14内にて段差部18とかしめ部24との間に固定されるとともに、ダイヤフラム44はオリフィス複合体100とかしめ部24との間に固定されることになる。
ここでオリフィス複合体100は、図2及び図3に示すように、略筒状に形成されるとともにその外周面に周方向へ延在する凹状の溝部46が設けられた第1オリフィス構造体48を具える。溝部46は軸線Sを中心とする周方向に沿ってC字状に延在しており、第1オリフィス構造体48には、溝部46の一端部から下方へ向って溝部46の下部側が切り欠かれて連通口50が形成されるとともに、溝部46の他端部から上方へ向って溝部46の上部側が切り欠かれて連通口52が形成されている。溝部46は、図1に示すように、その外周側が被覆部40を介して外筒金具14の内周面により閉止されることにより、後述する主液室56と副液室58とを連通させる制限通路60を構成する。
防振装置10内には、外筒金具14、ゴム弾性体16及びダイヤフラム44により外部から密閉された液室空間が形成されており、この液室空間は、オリフィス複合体100によりゴム弾性体16を隔壁の一部とする主液室56と、ダイヤフラム44を隔壁の一部とする副液室58とに仕切られている。防振装置10では、副液室58の隔壁の一部を形成するダイヤフラム44の外側が大気空間とされており、これにより、ダイヤフラム44は、副液室58内の液圧変化に応じて副液室58の内容積を拡縮するように変形可能とされている。また主液室56は、その内容積がゴム弾性体16の弾性変形に伴って拡縮する。
主液室56、副液室58及び制限通路60内には、水、エチレングリコール等の液体が充填されており、この液体は制限通路60を通して主液室56と副液室58との間で流通可能とされている。ここで、制限通路60は、その路長及び断面積がシェイク振動の振幅及び周波数に適合するように設定(チューニング)されている。
第1オリフィス構造体48には、図2に示すように、その上端部付近から径方向内側及び軸方向上側に向かって延びる突出部62が形成され、さらに第1オリフィス構造体48の上面部であって突出部62の径方向外側には平面状のフランジ面64が形成されている。突出部62の径方向内方には、第1の内部隔壁として、第1オリフィス構造体48の内径よりも僅かに小さい直径を有する略円板状の下側隔壁部材66が配置されている。そして、これら下側隔壁部材66と第1オリフィス構造体48とは弾性部材68を介して連結されており、弾性部材68は、図示のように下側隔壁部材66の上面全体を覆いつつその側部をも包み込めるように形成され、弾性部材68の外周面は第1オリフィス構造体48の内周面に例えば接着剤等を用いて固着されている。これにより、下側隔壁部材66は第1オリフィス構造体48に弾性的に支持されることとなる。弾性部材68は、ゴムの他、熱可塑性エラストマー等の材料で構成することができる。
下側隔壁部材66の軸方向上方には、下側隔壁部材66に対して所定の距離離間し、かつ対向するよう第2の内部隔壁としての上側隔壁部材70が配置されている。上側隔壁部材70には、第1オリフィス構造体48の突出部62に対応する円形凸状の外嵌部72が形成されると共に、この外嵌部72の下端部から径方向外側へ延出する環状のフランジ部74が一体的に形成されている。図2に示すように、オリフィス複合体100では、上側隔壁部材70のフランジ部74を第1オリフィス構造体48のフランジ面64に当接させることにより、主液室56及び副液室58から仕切られた収納室76が形成される。収納室76内には、軸方向に沿った距離が略一定とされた円柱状の空間が形成される。また上側隔壁部材70のフランジ部74には、図3に示すように、外周端から径方向内側へ向って略矩形状に切り欠かれた切欠部78が形成されており、この切欠部78を通して、制限通路60の連通口52は副液室58へ連通している。
図3に示すように、上側隔壁部材70には、径方向外側へ向かうに連れて周方向に沿った寸法が広がる扇状の開口部80が複数個(この実施例では、4個)穿設されている。この開口部80を通して収納室76は副液室58と互いに連通している。同様に、下側隔壁部材66にも上側隔壁部材70の開口部80と同様の形状及び開口面積を有する開口部82が弾性部材68を貫通して複数個(この実施例では、4個)穿設されている。この開口部82を通して収納室76は主液室56と互いに連通している。
図2及び3に示すように、収納室76内にはゴム、樹脂等を素材として円板状に形成された流通制御板としての可動板84が配置されている。この可動板84は、例えば、全体として厚さが略一定の薄肉円板状に形成されており、その外径が収納室76の内径よりも若干小さくなっている。なお、流通制御板は、入力振動に同期して振動し、開口部80、82を交互に開閉し得ればどのようなものでも良く、図示例のような可動板84の他、例えば、柔軟な薄肉円板状の弾性膜(図示省略)を用いても良い。この場合、弾性膜を、その外周縁を、上側隔壁部材70又は下側隔壁部材66に接着させ、あるいは上側隔膜部材70のフランジ部74と第1オリフィス部材50のフランジ面64との間に挟み込ませることにより収容室76内に固定することができる。
可動板84は、その厚さt(図2参照)が収納室76の軸方向に沿った離間距離t(図2参照)よりも所定寸法短くなっている。具体的には、可動板84の厚さtと収納室76の離間距離tとの差は、入力振動のうち相対的に低周波数の振動であるシェイク振動の振幅よりも短く、かつ相対的に高周波数の振動であるアイドル振動の振幅よりも長くなるように設定されている。これにより、収納室76内では、可動板84と下側隔壁部材66及び上側隔壁部材70との間に軸方向に沿って低周波振動と高周波振動との振幅差に対応する幅の隙間が形成される。これにより、収納室76内に収納された可動板84は、低周波振動と高周波振動との振幅差に対応する振幅で軸方向に沿って往復移動(振動)することが可能になる。これら上側隔壁部材70、下側隔壁部材66、開口部80、82及び可動板84により第2オリフィス構造体が構成されている。
かかる実施例の防振装置10にあっては、エンジン又は車体側からの振動入力時に、この振動により吸振主体であるゴム弾性体16が弾性変形する。これにより、ゴム弾性体16の内部摩擦等によって入力振動が減衰吸収される。また防振装置10では、エンジン又は車体側からの振動入力時に、この振動入力に同期してゴム弾性体16が弾性変形すると、主液室56の内容積が拡縮すると共に液圧が変化する。この液圧変化に伴って、制限通路60を通して主液室56と副液室58との間に液体が相互に流通すると共に、主液室56に連通した収納室76内に収納された可動板84には、入力振動に同期して周期的に変化する液圧(圧力波)が作用し、この圧力波を受けた可動板84は、収納室76内で軸方向に沿って振動し、その上面部及び下面部を上側隔壁部材50の下側隔壁部材に対して当接及び離間する動作を繰り返す。可動板84が下方へ移動して下側隔壁部材66に当接すると、可動板84の下面部により下側隔壁部材72に開口する開口部82が閉塞され、可動板84が下側隔壁部材72から上方へ離間すると、開口部82が開放される。また可動板84がさらに上方へ移動して上側隔壁部材70に当接すると、可動板84の上面部により上側隔壁部材70に開口する開口部80が閉塞される。
防振装置10では、入力振動の周波数が低く、その振幅が所定値以上の場合、具体的には、入力振動の周波数がシェイク振動の周波数(例えば、8〜12Hz)以下である場合、主液室56内の液圧が副液室58内に液圧に対して変化している期間には、可動板84により開口部80,82の一方が閉塞される。これにより、シェイク振動の入力時には、収納室76内を通って液体が主液室56と副液室58との間を実質的に流通することがなくなり、制限通路60のみを通して主液室56と副液室58との間で液体が相互に流通する。この結果、防振装置10によれば、入力振動が特にシェイク振動である場合には、制限通路60を流通する液体に共振現象(液柱共振)が生じ、この液柱共振の作用によって入力振動を特に効果的に減衰できる。
一方、入力振動の周波数がシェイク振動の周波数よりも高く、その振幅が小さい場合、例えば、入力振動がアイドル振動(例えば、20〜30Hz)である場合には、シェイク振動に適合するようにチューニングされた制限通路60が目詰まり状態となり、制限通路60には液体が流れ難くなるが、可動板84が収納室76内で入力振動に同期して振動することにより、主液室56内の液圧が副液室58内の液圧に対して実質的に変化している期間に、可動板84と下側隔壁部材66及び上側隔壁部材70の一方との間に隙間が形成され、開口部80,82が交互に開放された状態となるので、収納室76を通って主液室56と副液室58との間で液体の流通が生じる。この結果、主液室56内の液圧上昇が抑制され、ひいては主液室56内の液圧上昇に起因する装置の動ばね定数の上昇が抑制されることから、このような高周波振動の入力時もゴム弾性体16の動ばね定数を低く維持し、このゴム弾性体16の弾性変形により高周波振動も効果的に吸収できる。
また防振装置10では、可動板84から下側隔壁部材66に加わった衝撃力を弾性部材68の弾性作用により効果的に緩衝できるので、装置への振動入力時に主液室56内からの圧力波を受けた可動板84が収納室76内で振動し、入力振動に同期して可動板84が収納室76の内壁(上側隔壁部材70及び下側隔壁部材66)に繰り返し衝突する現象が生じても、弾性部材68により可動板84から下側隔壁部材66に加わった衝撃力を緩衝でき、かかる衝突により生じる打音の音圧を低減することができるとともに、この衝撃力が車体や機械本体等の振動受側へ伝達されることを抑制できる。
制限通路60は、上側隔壁部材70及び下側隔壁部材66より内周側に配置することもできるが、この実施例の防振装置10のように、制限通路60は、上側隔壁部材70及び下側隔壁部材66の外周側に配置することが好ましい。前述のように、防振装置10ではシェイク振動の振幅及び周波数に適合するよう制限通路60の長さ及び断面積を設定する必要があり、このように制限通路60を、上側隔壁部材70及び下側隔壁部材66の外周側に配置することで装置を大型化することなく比較的容易に制限通路60の必要長さを確保することができるからである。
さらにこの実施例の防振装置10によれば、下側隔膜部材66が弾性部材68を介して、特に軸方向に変位可能に支持されていることから、過大な振動の入力により主液室56内に所定以上の負圧が生じたときに、主液室56内に面する下側隔膜部材66が主液室56側に変位し、これにより主液室56内の負圧が緩和されるので、主液室56内におけるキャビテーションの発生を低減することができる。
さらにこの実施例の防振装置10によれば、可動板84は収納室76内を浮遊していることから、振動に対する可動板84の応答性を向上させることができる。また、低周波振動の入力時には可動板84は確実に開口部80、82を閉鎖することができる。
なお、防振装置10では、上側隔膜部材70及び下側隔膜部材66を金属等で形成することができるが樹脂で形成することが好ましい。防振装置10を軽量化することができるとともに腐食等のおそれがなく耐久性に優れるからである。従来、上側隔膜部材70及び下側隔膜部材66を樹脂で構成することは、特に組立時に径方向内側に向けて防振装置10の外部から圧力負荷が加わることから強度の観点で難しいとされていたが、この防振装置10では弾性部材68にかかる圧力負荷を吸収させることができるので上側隔膜部材70及び下側隔膜部材66を樹脂で構成することができる。
また、防振装置10では弾性部材68は下側隔膜部材66と第1オリフィス構造体48との間に設けられているが、上側隔膜部材70と第1オリフィス構造体48との間に設けられていても良い。さらにいえば、弾性部材68を下側隔膜部材66と第1オリフィス構造体48との間、及び上側隔膜部材70と第1オリフィス構造体48との間の両方に設けることが好ましい。これによれば、弾性部材68が可動板84から下側隔壁部材66及び上側隔壁部材70の双方に加わった衝撃力を緩衝するので、可動板84の収納室76の内壁への衝突よる打音の音圧をより一層低減することができる。
なお、上述したところは、この発明の実施形態の一部を示したに過ぎず、この発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を相互に組み合わせたり種々の変更を加えたりすることができる。例えば、弾性部材68は、下側隔壁部材68及び/又は上側隔壁部材70を少なくとも軸方向に弾性変位可能に支持できればどのような構成としても良く、弾性部材68は実施例に限定されず、ベローズやばね等で構成することができる。また弾性部材68は図示例と異なる形状及び配置としても良い。
以上の説明から明らかなように、この発明によって、流通制御板により収納室を介して主液室と副液室との間の液体の流通を制御することにより広い周波数域の入力振動を効果的に減衰可能とすることを前提に、流通制御板と内部隔壁の内壁面との衝突に起因する異音の音圧を低減可能な防振装置を提供することが可能となった。
この発明の実施形態に係る防振装置の断面図である。 この実施例の防振装置に適用されるオリフィス複合体の断面図である。 図2に示すオリフィス複合体の分解斜視図である。
符号の説明
10 防振装置
12 内筒金具
14 外筒金具
16 ゴム弾性体
44 ダイヤフラム
48 第1オリフィス構造体
56 主液室
58 副液室
60 制限通路
66 下側隔壁部材
68 弾性部材
70 上側隔壁部材
76 収納室
80、82 開口部
84 可動板

Claims (1)

  1. 振動入力方向で相互に所定の距離を隔てて配置された第1及び第2の支持体と、
    これら第1の支持体と第2の支持体との間に介装されたゴム弾性体と、
    液体が封入され、前記ゴム弾性体を隔壁の一部として該ゴム弾性体の変形に伴い内容積が変化する主液室と、
    液体が封入され、液圧変化に応じて内容積が拡縮可能とされた副液室と、
    前記主液室と前記副液室との間を連通する制限通路と、
    振動入力方向で所定の距離を隔てて相互に対向して配置されて中空状の収納室を構成する、樹脂で構成した第1及び第2の内部隔壁と、
    前記収納室内に配置され、前記第1及び第2の支持体への所定の入力振動に同期して振動するとともに、該収納室内を浮遊する流通制御板と、
    前記第1の内部隔壁を弾性支持する弾性部材と、を具え
    前記第1及び第2の内部隔壁より外周側に前記制限通路を配置し、
    前記第1及び第2の内部隔壁のうちの第1の内部隔壁だけを、前記弾性部材により弾性支持してなることを特徴とする防振装置。
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