JP5002457B2 - 防振装置 - Google Patents
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Description
12 取付金具(取付部材)
16 弾性体
20 外筒部材
56 主液室
56 挿通穴
58 メンブラン
60 負圧室
62 連通管(内部管路)
63 内部管路
68 隔膜部材
70 ダイヤフラム部
72 弁体部
74 シール突起(摺動シール部)
76 主液室
78 副液室
84 シェイクオリフィス(第1の制限通路)
88 アイドルオリフィス(第2の制限通路)
90 バルブ機構
92 可動壁
102 チャンバー室
104 コイルスプリング
106 配管接続部(駆動圧供給路)
110 吸排気管(駆動圧供給路)
112 切換弁(駆動圧供給源)
130 インテークマニホールド(駆動圧供給源)
図1には本発明に係る防振装置の実施形態が示されている。この防振装置10は、自動車等の車両における振動発生部であるエンジンを、振動受部である車体に支持するエンジンマウントとして適用されるものである。
なお、図1にて符合Sが付された一点鎖線は装置の軸心を示しており、この軸心Sに沿った方向を装置の軸方向として以下の説明を行う。
外筒部材20は、その内径が取付金具12の外径よりも大径とされており、その外周側に配置されるブラケット金具(図示省略)を介して車体側へ連結固定される。
これにより、取付金具12と外筒部材20とは弾性体16により弾性的に連結される。
また弾性体16には、その下面中央部に、軸直角方向に沿った断面形状が円形凹状とされた凹部18が形成されている。この凹部18は、その軸方向に沿った断面形状が略円錐台状とされている。
上端フランジ部22は、外筒部材20を内周側へ嵌挿した、図示しない、連結用のブラケット金具の上端に当接して、その外筒部材20を、軸方向に沿って所定位置に位置決めする。
また防振装置10には、外筒部材20の下端を閉塞する円板状の底板部材26が設けられ、この底板部材26には、その外周部に、上方へ屈曲されたかしめ部28が全周に亘って形成されている。外筒部材20の下端フランジ部24は、それをかしめ部28の内周側に挿入すると共に、その下端を底板部材26の上面に当接させた状態で、かしめ部28の上端部を、内周側へ折り曲げることにより、底板部材26にかしめ固定され、これにより、その底板部材26は、外筒部材20の下端側を閉塞する。
また外筒部材20には、その上端寄りの部位に内周側に向かって凹溝状に変形された縮径部32が全周に亘って形成されており、この縮径部32に沿って被覆部30の一部も内周側へ突起状となって突出している。
また防振装置10には、支持筒36の下端部内周側に略円筒状の連結金具38が嵌挿されている。連結金具38の下端には、外周側へ延出するフランジ状の挟持部40が屈曲形成されており、この挟持部40の上面を支持筒36の下端に当接させると共に、それの外周面を下端フランジ部24に当接させている。これにより、連結金具38は、その挟持部40が下端フランジ部24と底板部材26との間に、被覆部30を介して挟持されて外筒部材20に固定される。
また仕切部材34には、陥没部44の中央部から仕切部材34の下面側へ貫通する貫通穴48が軸心Sに沿って形成されている。貫通穴48には、その上端側に、断面円形とされた圧入部50が設けられると共に、この圧入部50の下端側に、内径が拡大された大径部52が設けられている。
そしてまた、仕切部材34には、その下面中央部に肉厚円板状に形成された延長部材54が固定されており、この延長部材54には、貫通穴大径部52と略同一内径を有する挿通穴56が軸心Sに沿って貫通しており、この挿通穴56は貫通穴48の大径部52に連通している。
延長部材54には、挿通穴56の内周面から軸心S側へ延出する複数本(例えば、2本又は3本)のステー部66が形成されており、これら複数本のステー部66の先端はそれぞれ、連通管62の外周面に接着等により固着されている。これにより、連通管62は、仕切部材34及び延長部材54に同軸的に固定される。
弁体部72は、中央部に円形の中央開口73が設けられた平らな円板状に形成されており、連通管62の外周側に配置されている。弁体部72は、連通管62の外周面により軸方向に沿って移動可能に支持されており、軸方向へは、後述する可動壁92を介して連通管62の鍔部64と当接する位置(開放位置)と延長部材54の下面と当接する位置(閉塞位置)との間で移動可能となっている。
この場合、弁体部72の形成素材は、ゴムに限定する必要はなく、例えば、樹脂、金属材料等を素材とすることもできる。またシール突起74も、弁体部72とは別体の部品として形成しても良く、例えば、弁体部72の中央開口73の内周面に環状の溝部を形成し、この溝部内にゴム等からなるOリングを嵌挿固定して、連通管62の外周面へ圧接するシール突起とすることもできる。
このアイドルオリフィス88は、その路長がシェイクオリフィス84の路長よりも短くされると共に、断面積がシェイクオリフィス84の断面積よりも大きくされており、これにより、アイドルオリフィス88による液体の流動抵抗は、シェイクオリフィス84による流動抵抗よりも小さくなっている。またアイドルオリフィス88の路長及び断面積に基づく液体の流動抵抗は、アイドル振動の周波数(例えば、20〜30Hz)及び振幅に適合するように設定(チューニング)されている。
防振装置10内では、主液室76、副液室78及びオリフィス84,88内に、水、エチレングリコール等の液体が充填されており、シェイクオリフィス84又はアイドルオリフィス88を通して主液室76と副液室78との間で液体が流動可能とされている。
バルブ機構90には、下端側を開口端とする略カップ状に形成された可動壁92が設けられている。この可動壁92には、その上端側を閉止する頂板部94が形成されると共に、この頂板部94の中央に円形の挿通開口96が形成されている。可動壁92の挿通開口96内には、連通管62の下端側が下方へ突出するように挿通されており、連通管62の鍔部64が可動壁92内に配置されている。ここで、鍔部64の外径は、挿通開口96の内径よりも大きくなっている。また可動壁92は、その頂板部94の上面で隔膜部材68の弁体部72の下面に、加硫接着等によって固着されており、それら両者は、軸方向に一体的に変位することができる。
またバルブ機構90には、可動壁92の外周端部と、連結金具38の内周面とにそれぞれ加硫接着されたリング状の外周シール材100が設けられている。この外周シール材100も、内周シール材98と同様に、加硫ゴムにより形成されており、その径方向中間部が軸方向に沿って撓み変形可能とされている。
これにより、可動壁92は、シール材98,100を撓み変形させつつ、連通管62の外周側で軸方向に沿って移動可能になり、このとき、可動壁92は、頂板部94を、内周シール材98を介して鍔部64に当接させる位置(開放位置)と、弁体部72を介して延長部材54の下面へ当接する位置(閉塞位置)との間で移動可能になる。
なおここでは、シール材98,100を加硫接着させる場合について述べたが、それらの接着を、接着剤等による接着に適宜変更できることはもちろんである。
バルブ機構90には、可動壁92の頂板部94と底板部材26との間に圧縮状態とされたコイルスプリング104が介装されている。これにより、可動壁92は、コイルスプリング104の復元力により常に閉塞方向へ付勢される。またチャンバー室102は、連通管62の内部管路63を通して仕切部材34の負圧室60と連通している。
ここで、切換弁112は、電磁力により駆動する3ポート2位置切換型の電磁弁として構成されており、その第1ポート116がエンジンの吸気部分であるインテークマニホールド130と繋がる接続パイプ120に連結されると共に、第2ポート118が大気空間へ開放されている。
また負圧室60は、内部管路63を通してチャンバー室102と連通していることから、その内圧は、チャンバー室102の内圧と実質的に等しい空気圧(大気圧)となる。これにより、メンブラン58は、負圧室60の内壁面から離間した状態となり、主液室76の内圧変化に応じて主液室76の内容積を拡縮するように弾性変形することが可能になる。
また負圧室60は、その内圧がチャンバー室内圧と実質的に等しい負圧となる。これにより、メンブラン58は、負圧室60内の負圧の作用により主液室76の容積拡張方向へ弾性変形して内壁面に密着した状態となり、主液室76の内圧が変化しても主液室76の内容積を拡縮するように弾性変形することが阻止される。
これにより、制御回路122は、車速センサ124及びエンジン回転数センサ126からの信号に基づいて、シェイク振動発生時かアイドル振動発生時かの判断、すなわち車両の停止時か走行時かの判断ができるようになっている。従って、制御回路122により、切換弁112への駆動電圧の通電及び通電停止が制御されて、チャンバー室102の内圧が大気圧と負圧との間で切り換えられる。
取付金具12が連結されたエンジンが作動すると、エンジンの振動が取付金具12を介して弾性体16に伝達される。弾性体16は吸振主体として作用し、弾性体16の弾性変形に基づく吸振機能によって振動を吸収することができる。
さらに、この弾性体16の変形に伴って、主液室76の内容積が変化(拡縮)して液圧が変化すると共に、シェイクオリフィス84又はアイドルオリフィス88の一方を通って主液室76と副液室78との間で液体が行き来する。
このとき、副液室78内の液圧変化は、オリフィス84,88を介した液体の流入又は流出に伴って、ダイヤフラム部70が小さい抵抗で変形することになるため、主液室76の液圧変化に対して十分に小さいものになる。
例えば車両が走行すると、シェイク振動が生じる。制御回路122は、車速センサ124及びエンジン回転数センサ126によりシェイク振動発生時であると判断し、切換弁112によりチャンバー室102内を大気空間に連通させる。
この場合、弁体部72によりアイドルオリフィス88の、副液室78に面した一方の開口端が閉塞されることになり、防振装置10は、主液室76と副液室78とがシェイクオリフィス84のみによって連通する状態(シェイクモード)になる。
またメンブラン58は負圧室60の内壁面から離間することにより、主液室76内の液圧変化に応じてメンブラン58が主液室76の容積の拡縮方向へ弾性変形可能になる。
またメンブラン58は負圧室60の内壁面に密着した状態となり、主液室76内の液圧が変化してもメンブラン58が主液室76の容積の拡縮方向へ弾性変形することが阻止される。
なおこの場合、内周シール材98は、その外周面を加硫接着等させた、可動壁92の、断面形状が鈎状をなす切欠き窪み内に丁度納まった状態で、可動壁頂板部94および連通管鍔部64のそれぞれに密着するので、内周シール材98は、それの内外周面のいずれの固着部にも、それを解離する方向の力の作用なしに、本来のシール機能を十分に発揮することができ、併せて、優れた接着耐久性を発揮することもできる。
Claims (9)
- 振動発生部又は振動受部の一方側に連結される外筒部材と、
前記外筒部材の内周側に配置され、振動発生部又は振動受部の他方側に連結される取付部材と、
前記外筒部材と前記取付部材との間に配置された弾性体と、
液体が封入され、前記弾性体を隔壁の一部として該弾性体の変形に伴い内容積が変化する主液室と、
液体が封入され、隔壁の少なくとも一部がダイヤフラムにより形成されて拡縮可能とされた副液室と、
前記主液室と前記副液室とを互いに連通する第1の制限通路と、
前記主液室と前記副液室とを互いに連通すると共に、前記第1の制限通路とは液体の流動抵抗が異なる第2の制限通路と、
前記主液室の隔壁の他の一部を形成し、該主液室の内容積を拡縮する拡縮方向へ弾性変形可能とされた膜状のメンブランと、
前記メンブランを介して前記主液室の外側に設けられ、負圧の供給時に前記メンブランを内壁に吸着して、該メンブランの前記拡縮方向への変形を拘束し、大気圧供給時に前記メンブランを内壁から解放する負圧室と、
前記第2の制限通路を開放する開放位置と閉塞する閉塞位置との間で弁体を移動可能に支持すると共に、該弁体の開閉方向に沿って移動可能とされた可動壁を隔壁の一部とするチャンバー室が設けられ、前記チャンバー室への負圧の供給時に前記可動壁により前記弁体を前記開放位置へ移動させ、前記チャンバー室への大気圧の供給時に前記可動壁により前記弁体を前記閉塞位置へ移動させるバルブ機構と、
前記外筒部材の内周側に配置され、前記負圧室と前記チャンバー室とを互いに連通する内部管路と、
前記負圧室又は前記チャンバー室の一方を、装置外部における負圧又は大気圧の一方を選択的に供給する駆動圧供給源に連通する駆動圧供給路と、
を有することを特徴とする防振装置。 - 前記内部管路は、前記弁体及び前記可動壁を貫通するように設けたことを特徴とする請求項1に記載の防振装置。
- 前記弁体をリング状に形成すると共に、前記内部管路の外周側に前記開閉方向に沿って摺動可能に配置し、前記弁体の内周部に前記内部管路の外周面との間を液密状態にシールすると共に、前記内部管路の外周面に沿って前記開閉方向へ摺動可能とされた環状の摺動シール部を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の防振装置。
- 前記可動壁をリング状に形成すると共に、前記内部管路の外周側に前記開閉方向に沿って移動可能に配置し、
前記可動壁の内周部と前記内部管路の外周面とにそれぞれ固着されて該可動壁と該内部管路との間を液密状態にシールすると共に、前記開閉方向へ弾性的に変形可能とされた環状の内周シール部を設けたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の防振装置。 - 前記可動壁の外周部と、前記外筒部材の内周側とにそれぞれ固着されて該可動壁と該外筒部材との間を液密状態にシールすると共に、前記開閉方向へ弾性的に変形可能とされた環状の外周シール部を設けたことを特徴とする請求項4項に記載の防振装置。
- 前記外筒部材の内周側における前記弾性体と前記ダイヤフラムとの間に形成される空間を前記主液室と前記副液室とに区画する仕切部材を有し、
前記メンブラン及び前記負圧室を前記仕切部材に配置したことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の防振装置。 - 前記メンブランをゴム材料により構成すると共に、該メンブランの外周部を全周に亘って前記仕切部材に加硫接着したことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の防振装置。
- 前記バルブ機構は、前記可動壁を介して前記弁体を前記閉塞位置側へ付勢するバネ部材を有することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の防振装置。
- 前記バネ部材をコイルスプリングにより構成し、該コイルスプリングを前記チャンバー室内に圧縮状態として配置したことを特徴とする請求項8に記載の防振装置。
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