JP2010169236A - 防振装置 - Google Patents

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勝己 染谷
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正明 大橋
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Abstract

【課題】弁体が破損しにくく、耐久性の高い防振装置を提供することを目的としている。
【解決手段】振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される外筒11、および他方に連結される内筒12と、外筒11と内筒12とを弾性的に連結する弾性体13と、外筒11内の液室16を、弾性体13を壁面の一部とする一方側の主液室17と他方側の副液室18とに区画する仕切り部材15と、を備えるとともに、主液室17と副液室18とを連通する制限通路40が形成された液体封入型の防振装置において、外筒11の内部には、長手方向の一端を固定端として長手方向の他端を制限通路40における主液室17側の開口部44に位置する自由端とし、液室16内の液圧で弾性変形する弁体48が配設され、弁体48は、固定端側から自由端側に向けて受圧面積が減少する形状である。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車や産業機械等に適用され、エンジン等の振動発生部の振動を吸収および減衰する防振装置に関する。
上記した防振装置として、従来、例えば下記特許文献1に示されているように、振動発生部および振動受部のいずれか一方に連結される外筒と、振動発生部および振動受部のいずれか他方に連結される内筒と、外筒及び内筒を弾性的に連結するとともに外筒の軸方向一方側の開口部を閉塞する弾性体と、外筒の軸方向他方側の開口部を閉塞するダイヤフラムと、外筒内の液室を、弾性体を隔壁の一部とする主液室とダイヤフラムを隔壁の一部とする副液室とに区画する仕切り部材と、を備える液体封入型の構成が知られている。上記した仕切り部材には、主液室と副液室とを連通する制限通路(オリフィス)が形成されており、振動が入力された際に、液室内に封入された液体が制限通路を通って主液室と副液室との間で往来する。そして、制限通路を流通する液体に液柱共振が生じて振動が減衰される。なお、制限通路は、車両における大振幅かつ低周波数域(例えば8Hz〜15Hz)の共振振動であるシェイク振動の周波数及び振幅に対応するようにチューニングされている。
また、上記した制限通路の内周壁部には、制限通路の主液室側の開口部の周方向の隣りに、制限通路と主液室とを連通する開口が形成されているとともに、この開口を開閉する弁体が設けられている。この弁体は、矩形板状のバネ板を弓形に湾曲させた板バネ状の弁体である。そして、弁体は、一端が自由端で他端が固定端となっている。これにより、上記弁体が振動入力時における液室内の液圧を受けて弾性変形することにより前記開口が開閉され、制限通路の流路長が変化される。
特開2007−239824号公報
しかしながら、上記した従来の防振装置では、弁体が開閉動作する際に固定端部分に応力が集中するため、弁体が繰り返し開閉動作することによって、弁体が固定端部分で破損するおそれがあり、防振装置の耐久性が低いという問題がある。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、弁体が破損しにくく、耐久性の高い防振装置を提供することを目的としている。
本発明に係る防振装置は、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される外筒、および他方に連結される内筒と、前記外筒と前記内筒とを弾性的に連結する弾性体と、前記外筒内の液室を、前記弾性体を壁面の一部とする一方側の主液室と他方側の副液室とに区画する仕切り部材と、を備えるとともに、前記主液室と前記副液室とを連通する制限通路が形成された液体封入型の防振装置において、前記外筒の内部には、長手方向の一端を固定端として長手方向の他端を前記制限通路における主液室側の開口部に位置する自由端とし、前記液室内の液圧で弾性変形する弁体が配設され、該弁体は、固定端側から自由端側に向けて受圧面積が減少する形状であることを特徴としている。
このような特徴により、防振装置に振動が入力されて主液室の液圧が変動すると、主液室又は副液室と制限通路の内圧差によって弁体に液圧が作用し、弁体が弾性変形して弁体が動作する。このとき、弁体の受圧面積が固定端側から自由端側に向けて減少しているので、弁体に作用する力は自由端側にいくに従い小さくなる。したがって、弁体が液室内の液圧を受けたときに固定端部分に作用する応力が小さく抑えられる。
また、本発明に係る防振装置は、前記弁体が、前記主液室側の開口部を開放する位置に配置されており、前記主液室の液圧が上昇する方向に荷重が入力された場合に前記制限通路を狭窄しうる弁体であることが好ましい。
これにより、弁体が制限通路を狭窄すると、制限通路の流路抵抗が増加するため、制限通路を流通する液体の液柱共振周波数が低周波側にシフトする。その結果、大振動が入力された場合に、制限通路が目詰まりした状態になる。これにより、主液室の液圧が上昇する方向の荷重が入力されても、主液室から制限通路に液体が流入し難くなるので、主液室内の正圧が大きくなる。そのため、次に主液室の液圧が下降する方向の荷重が入力されても、主液室内の負圧が大きくならない。
また、連通口を開放する位置に弁体が配置されており、通常時において主液室と制限通路との間における液体の流通を阻害することがないので、制限通路の液柱共振を所定周波数で発生させることが可能になる。
さらに、制限通路を閉塞することなく狭窄する弁体を採用することで、弁体が外筒等の別部材に当接しない。
一方、上記した特許文献1に記載された従来の防振装置では、大きな正荷重が入力された場合に、主液室から制限通路に液体が流れ込むため、主液室の正圧は大きくならない。そのため、次に大きな負荷重が入力された場合に、制限通路が開口を通じて主液室に連通されたとしても、主液室の負圧が大きくなる。これにより、主液室の液体の一部が気化して気泡が発生するキャビテーションが生じ、その負圧が解消され気泡が消滅する際に、異音が発生する。
また、シェイク振動の入力時に主液室に惹起される負圧によっても、制限通路が主液室に連通されることになる。この場合、シェイク振動の振幅によって制限通路の液柱共振周波数が変化するので、通常時においてシェイク振動に対する防振性能が十分に発揮できなくなる。
また、本発明に係る防振装置は、前記制限通路が、前記外筒の内周面に沿って該外筒の周方向に沿って延在されており、前記制限通路における主液室側の開口部は、前記外筒の径方向内側に向けて開口されており、前記弁体は、その固定端が前記主液室側の開口部の周囲の壁面のうちの前記制限流路の流路方向の副液室側開口部側の壁面に固定され、前記径方向に向けて弾性変形することが好ましい。
これにより、主液室側の開口部を通って主液室と制限通路との間で液体が流通する際、液体の流れが乱れることなく、液体がスムーズに開口部を通過し易く、抵抗が生じにくい。
また、本発明に係る防振装置は、前記弁体が、固定端側から自由端側にいくに従い漸次縮幅された形状を成していることが好ましい。
これにより、弁体の受圧面積が自由端側にいくに従い小さくなり、弁体に作用する力は自由端側にいくに従い小さくなり、その結果、弁体が液室内の液圧を受けたときに固定端部分に作用する応力が小さく抑えられる。
また、本発明に係る防振装置は、前記弁体に、前記長手方向に複数の開口が配設されており、該複数の開口が、固定端側から自由端側にいくに従い面積が拡大されていることが好ましい。
これにより、弁体の受圧面積が自由端側にいくに従い小さくなり、弁体に作用する力は自由端側にいくに従い小さくなり、その結果、弁体が液室内の液圧を受けたときに固定端部分に作用する応力が小さく抑えられる。
なお、本発明における「開口」には、弁体に開けられた「孔」の他に、弁体の縁部を切り欠いた「切り欠き部」も含む概念とする。
本発明に係る防振装置によれば、弁体が液室内の液圧を受けたときに固定端部分に作用する応力が小さく抑えられるので、弁体が液室内の液圧を受けて繰り返し撓み変形しても弁体の固定端部分が破損しにくく、防振装置の耐久性を向上させることができる。
本発明の第1の実施の形態を説明するための防振装置の縦断面図である。 本発明の第1の実施の形態を説明するための仕切り部材の横断面図である。 本発明の第1の実施の形態を説明するための弁体の平面図である。 本発明の第2の実施の形態を説明するための弁体の平面図である。
以下、本発明に係る防振装置の実施の形態について、図面に基いて説明する。
[第1の実施の形態]
図1は本実施形態における防振装置10を軸心Sに沿って切断した縦断面図であり、図2は後述する仕切り部材15を軸心Sに対して垂直に切断した横断面図であり、図3は後述する弁体48を表した平面図である。
なお、図1に示す符号Sは防振装置10の中心軸線を示しており、以下、単に「軸心S」と記す。また、軸心Sに沿った方向を「軸方向」とし、軸心Sに垂直な方向を「径方向」とし、軸心S回りの方向を「周方向」とする。
さらに、図1における下側がバウンド側、つまり防振装置10を設置した際に静荷重(初期荷重)が入力される方向であり、図1における上側がリバウンド側、つまり前記静荷重の入力方向の反対側であり、以下の説明においてバウンド側を下側とし、リバウンド側を上側とする。
まず、本実施の形態における防振装置10の構成について説明する。
図1に示すように、防振装置10は、自動車における振動発生部であるエンジンを、振動受け部である車体へ支持するエンジンマウントである。なお、以下の説明において、図中の符号Sは防振装置10の軸心を示しており、この軸心Sに沿った方向を防振装置10の軸方向とする。
防振装置10は、外筒11と、外筒11の内周側の上方に略同軸的に配置された内筒12と、外筒11と内筒12との間を弾性的に連結する弾性体13と、を備えている。
外筒11には、上端部に筒状の大径部20が形成されるとともに、下端側に大径部20に対して小径とされた筒状の小径部21が形成されている。大径部20と小径部21との間には、内周側へ縮径された絞り部22が全周に亘って形成されている。小径部21は、図示せぬ車体側ブラケットの筒状部の内側に嵌合され、外筒11は車体側ブラケットを介して車体側に固定されている。
内筒12は、軸方向に延在する柱状部材である。内筒12の下部は下方に向かうに従い漸次縮径された先細り形状を成している。また、内筒12の上部には、内筒12の上端面の中心から軸方向に延びるねじ孔23が穿設されている。このねじ孔23には、図示せぬエンジン側ブラケットのボルト24が捻じ込まれて固定され、内筒12はエンジン側ブラケットを介してエンジン側に固定される。また、内筒12の軸方向の中間部分には、径方向外側に突出したアンカ部25が形成されている。
弾性体13は、外筒11の上側の開口部を閉塞する加硫ゴムであり、閉塞外周面が外筒11の大径部20及び絞り部22の内周面に加硫接着されるとともに、内周面が内筒12の下部の外周面に加硫接着されている。弾性体13には、外筒11と内筒12との間に配置されたインナーリング26が埋設されている。また、弾性体13の上端部には、アンカ部25を覆うゴム被覆体27が一体形成されており、このゴム被覆体27及びアンカ部25によってリバウンドストッパが形成されている。また、弾性体13の下端部には、小径部21の内周面を被覆するゴム膜28が一体形成されている。なお、弾性体13としては、ゴム以外にも合成樹脂等の弾性体を用いることも可能である。
一方、防振装置10には、外筒11の下側の開口部を閉塞するダイヤフラム14が備えられている。ダイヤフラム14は、外筒11の小径部21の内側に嵌挿される蓋体であり、その概略構成としては、略円筒形状のダイヤフラムリング30と、ダイヤフラムリング30の内側を閉塞する膜状のダイヤフラムゴム31と、を備えている。ダイヤフラムゴム31は、椀状のゴム膜であり、その外縁部がダイヤフラムリング30の内周面に加硫接着されている。このような構成のダイヤフラム14は、外筒11の小径部21の内側に嵌合された状態で、小径部21の下端部とともにダイヤフラムリング30の下端部が全周にわたって径方向内側に加締ることによって固定されている。なお、ダイヤフラムリング30の外周面と外筒11の小径部21の内周面との間には、上記したゴム膜28が介在されており、これにより、ダイヤフラム14と外筒11との嵌合箇所の水密性が確保されている。
また、上記した外筒11の内側には、エチレングリコールや水等の液体が封入された液室16が形成されている。この液室16は、上記した弾性体13及びダイヤフラム14によって密閉封止されている。この液室16は、外筒11の内側に配設された仕切り部材15によって、上側の主液室17と下側の副液室18とに区画されている。主液室17は、弾性体13を隔壁の一部として形成された液室であり、弾性体13の変形により内容積が変化する。副液室18は、ダイヤフラム14を隔壁の一部とする液室であり、ダイヤフラム14のダイヤフラムゴム31の変形により内容積が変化する。
仕切り部材15は、外筒11の小径部21の内側に嵌合されている。仕切り部材15は、主液室17と副液室18とを連通する制限通路40が形成された制限通路部材41と、制限通路部材41の下方に配設されたメンブラン42と、そのメンブラン42を収容するメンブラン収容部材43と、を備えている。
図2に示すように、制限通路部材41は、外周面に制限通路40となる周溝が形成された有底筒状の円形部材である。制限通路部材41の周溝の外周側の開放部分は、仕切り部材15が外筒11の内側に圧入嵌合されることで、外筒11の内周面に被覆されたゴム膜28によって閉塞されている。これにより、外筒11の内周面に沿って周方向に延在する制限通路40が形成されている。この制限通路40は、オリフィスであり、特に車両におけるシェイク振動に対応するシェイクオリフィスである。制限通路40の流路長及び断面積(すなわち流路抵抗)は、シェイク振動の周波数(例えば、8〜12Hz程度)において液柱共振が生じるように設定(チューニング)されている。また、この制限通路部材41には、制限通路40の流路方向一端部と主液室17とを連通する主液室側開口部44と、制限通路40の流路方向他端部と副液室18とを連通する副液室側開口部45と、がそれぞれ形成されている。主液室側開口部44は、制限通路部材41の内周壁部41aに形成されており、径方向内側に向けて開口されている。副液室側開口部45は、制限通路部材41の底板部41bの外周部分に形成されており、軸方向下側に向けて開口されている。また、制限通路部材41の底板部41bには、仕切り部材15の平面視において、内周壁部41aの内側の位置に複数の貫通孔46が形成されている。
図1に示すように、メンブラン収容部材43は、逆ハット形状の円形部材であり、制限通路部材41の底面に取り付けられている。このメンブラン収容部材43は、軸心Sに対して垂直に配設された円盤状の底板部43aと、底板部43aの外縁部から立設された円筒状の周壁部43bと、周壁部43bの上端から径方向外側に向けて突出されたフランジ部43cと、を備えており、フランジ部43cが制限通路部材41の底面外周部にリベット等で固定されている。また、底板部43aには、複数の貫通孔47が形成されている。
メンブラン42は、弾性変形可能な円盤状のゴム板であり、制限通路部材41の底板部41bと、メンブラン収容部材43の周壁部43bと、メンブラン収容部材43の底板部43aと、で囲まれた空間に収容されている。
また、仕切り部材15には、上記した主液室側開口部44に配置された弁体48が備えられている。弁体48は、ステンレス等の金属薄板からなる板バネであり、その板厚方向に弾性的に撓み変形可能な部材である。この弁体48は、主液室17の液圧を受けて径方向に向けて撓み変形するような向きに配設されている。つまり、弁体48は、軸心Sの垂直面に対して垂直な向きに配置されている。また、弁体48は、その長手方向(周方向)の一端を固定端として長手方向の他端を自由端とする弁体であり、この弁体48の固定端は、主液室側開口部44の周囲の壁面のうちの制限通路40の流路方向の副液室側開口部45側に固定され、弁体48の自由端は、主液室側開口部44に位置している。詳しく説明すると、制限通路部材41の内周壁部41aの径方向内側の壁面には、軸心Sの垂直面に対して垂直な平面部41cが形成されている。この平面部41cは、主液室側開口部44の側方(制限通路40の流路方向における副液室側開口部45側)に配設されており、主液室側開口部44に対して周方向に隣接する位置に形成されている。そして、弁体48の長手方向の一端側の部分(固定部48a)は、平面形状を成しており、上記した平面部41cに重ね合わせて例えばリベット等の固定部材49により固定されている。固定部材49は、弁体48の長手方向(周方向)に並べて複数配設されている。一方、弁体48の長手方向の他端側の部分(可動部48b)は、仕切り部材15の平面視において、径方向外側に向かって弓形に反った円弧形状を成しており、上記した平面部41cから主液室側開口部44側に向けて延在され、主液室側開口部44の内側に配置されている。そして、この可動部48bは、通常時(防振装置10に振動が入力されていない時)において、主液室側開口部44を開放する位置に配置されており、主液室17の液圧が上昇する方向に荷重が入力された場合(バウンド時)に制限通路40の流路方向一端部を狭窄しうるように、径方向外側に向けて撓み変形する。
また、上記した弁体48の可動部48bは、図3に示すように、弁体48の平面視において、固定端側から自由端側に向けて受圧面積が減少する形状を成している。具体的に説明すると、弁体48の可動部48bは、固定端側から自由端側にいくに従い漸次縮幅された台形状(三角形状)を成している。なお、ここでいう「幅」は、軸方向の長さ寸法をいい、図3における縦方向の長さを指す。
次に、上記した構成からなる防振装置10の作用について説明する。
上述した構成からなる防振装置10は、内筒12が図示せぬエンジン側ブラケットを介して図示せぬエンジンに連結されるとともに、外筒11が図示せぬ車体側ブラケットを介して図示せぬ車体に連結されることにより、エンジンと車体との間に介装される。これにより、防振装置10には下向きの静荷重(エンジン荷重)が作用し、内筒12が下方に移動して弾性体13が下方に向けて弾性変形し、この弾性体13の弾性変形に伴い主液室17の内容積が縮小して主液室17の液圧が上昇する。一方、副液室18は、ダイヤフラム14が変形可能であるため、副液室18の液圧は一定に保たれる。したがって、主液室17と副液室18との間に内圧差が生じ、その内圧差により主液室17内の液体が制限通路40を通って副液室18に流入し、その結果、ダイヤフラム14が図1に示すように下方に膨出して副液室18の内容積が増大する。また、このとき、弁体48は、制限通路40を狭窄してなく、主液室側開口部44を開放させた位置(以下、開位置と記す。)に配置されている。
そして、上記したエンジンがアイドル回転すると、その振動がエンジン側ブラケットを介して防振装置10の内筒12に伝達され、防振装置10には、小振幅かつ高周波数域(例えば13Hz〜40Hz)のアイドル振動が入力される。この場合、防振装置10では、制限通路40を通って主液室17から副液室18に液体が流通せず、メンブラン42がメンブラン収容部材43内で入力振動に同期してアイドル振動に対応する振幅で上下に振動する。これにより、主液室17の内容積が変動し、主液室17の液圧変動が抑えられ、防振装置10の動的ばね定数の増加が抑制され、車体側に伝達される振動が低減される。このとき、弁体48は、上記した開位置で停止しているか、或いは、制限通路40の特性に影響が出ない程度に微振動する。
また、上記したエンジンが稼動すると、その振動がエンジン側ブラケットを介して防振装置10の内筒12に伝達され、防振装置10には、比較的に周波数が低い振動、つまり、前述した高周波数域よりも大振幅で小さい周波数(例えば8Hz〜15Hz)のシェイク振動が入力される。この場合、シェイク振動による内筒12の上下方向への繰り返し移動(バウンド側への移動とリバウンド方向への移動を交互に繰り返す運動)に伴い主液室17の液圧が変動し、主液室17と副液室18との間に内圧差が生じる。この場合、メンブラン42が、制限通路部材41の底板部41b又はメンブラン収容部材43の底板部43aに密接した状態となり、制限通路部材41の底板部41bの貫通孔46又はメンブラン収容部材43の底板部43aの貫通孔47が閉塞される。これにより、主液室17内の液体は、制限通路40のみを通って主液室17と副液室18との間で往来する。このとき、主液室側開口部44を通って主液室17と制限通路40との間で液体が流通する際、液体の流れが乱れることなく、液体がスムーズに主液室側開口部44を通過し易く、抵抗が生じにくい。また、制限通路40は、その流路長及び断面積がシェイク振動に対応するようにチューニングされているので、制限通路40を流通する液体に共振現象(液柱共振)が生じてシェイク振動が減衰され、車体側に伝達される振動が低減される。このとき、弁体48は、上記した開位置で停止しているか、或いは、制限通路40の特性に影響が出ない程度に微振動する。このため、主液室17と制限通路40との間における液体の流通を阻害することがないので、制限通路40の液柱共振を所定周波数で発生させることが可能になる。
また、路面の凹凸等により、エンジンと車体とが大きく相対変位した場合、防振装置10に、シェイク振動よりも大振幅の大振動が入力される場合がある。例えば、内筒12が外筒11に対して相対的に下方に大きく移動すると、防振装置10に正荷重(バウンド方向への荷重)が入力され、主液室17の内容積が縮小され、主液室17の液圧が急激に上昇する。このとき、弁体48の内面(仕切り部材15の径方向内側に向いた面)に主液室17の液圧が作用し、図2の二点鎖線で示すように、弁体48の可動部48bが径方向外側に向かって弾性的に撓み変形する。このとき、弁体48の可動部48bは、固定端側から自由端側に向かうに従い漸次縮幅されており、弁体48の受圧面積が固定端側から自由端側にいくに従い小さくなっているので、弁体48に作用する力は自由端側にいくに従い小さくなる。したがって、弁体48が主液室17内の液圧を受けたときに弁体48の固定端部分(固定部48aと可動部48bとの連結部分)に作用する応力が小さく抑えられる。
上述したように弁体48の可動部48bが径方向外側に向かって弾性的に撓み変形すると、可動部48bと制限通路40の外周面(ゴム膜28)との間隔が狭くなり、制限通路40の流路断面積が狭窄する。このように制限通路40が狭窄された場合には、流路抵抗が増加し、制限通路40を流通する液体の液柱共振周波数が低周波側にシフトする。このため、制限通路40が目詰まりした状態になり、主液室17から制限通路40に液体が流入し難くなるので、主液室17の正圧が大きくなる。なお、制限通路40は、可動部48bの先端と制限通路40の外周面との隙間Wが最も狭窄された流路になり、液体流通方向の副液室側開口部45側に向かうに従い漸次拡幅されている。このように、弁体48は、制限通路40を閉塞することなく狭窄するので、弁体48が外筒11の内周面(ゴム膜28)に当接することがない。
続いて、内筒12が外筒11に対して相対的に上方に大きく移動すると、防振装置10に負荷重(リバウンド方向への荷重)が入力され、主液室17の内容積が拡大され、主液室17の液圧が急激に低下する。このとき、上述したように主液室17の正圧が大きくなっているため、主液室17の液圧が急激に低下しても主液室17の負圧は大きくならず、小さく抑えられる。また、主液室17内の液圧が低下すると、弁体48の可動部48bに作用している液圧が小さくなるため、弁体48の弾性力によって、弁体48の可動部48bが元の位置に戻り、制限通路40の主液室側開口部44側の端部は、元の流路断面に戻る。その結果、制限通路40の流路抵抗が減少し、制限通路40を通って副液室18から主液室17に液体が流通し、主液室17の液圧低下が抑えられる。
上記した構成からなる防振装置10によれば、弁体48が主液室17内の液圧を受けたときに固定端部分に作用する応力が小さく抑えられるので、弁体48が主液室17内の液圧を受けて繰り返し撓み変形しても弁体48の固定端部分が破損しにくく、防振装置10の耐久性を向上させることができる。
また、上記した構成からなる防振装置10によれば、防振装置10に大振動が入力されて、防振装置10に正荷重が入力された後、負荷重が入力されても、主液室17内の負圧が大きくならないため、キャビテーションの発生を抑制することができ、キャビテーションによる異音の発生を防止することができる。
また、上記した構成からなる防振装置10によれば、防振装置10にシェイク振動が入力された際に、弁体48が主液室17と制限通路40との間における液体の流通を阻害することがないので、制限通路40の液柱共振を所定周波数で発生させることが可能であり、シェイク振動の減衰性能を十分に発揮することができる。
さらに、上記した弁体48は、制限通路40を閉塞することなく狭窄するものであり、弁体48が外筒11の内周面(ゴム膜28)に当接しないので、弁体48が外筒11に当接することで発生する異音を防止することができる。
また、上記した構成からなる防振装置10によれば、主液室側開口部44を通って主液室17と制限通路40との間で液体が流通する際、液体の流れが乱れることなく、液体がスムーズに主液室側開口部44を通過し易く、抵抗が生じにくいので、主液室17と制限通路40との間で液体を円滑に流通させることが可能であり、振動の減衰特性を向上させることができる。
[第2の実施の形態]
上述した第1の実施の形態では、図3に示すように、固定端側から自由端側にいくに従い漸次縮幅された形状の弁体48が備えられているが、図4に示すように、長手方向に複数の開口(切り欠き部149A〜149C)が形成された弁体148を用いることも可能である。詳しく説明すると、図4に示すように、弁体148の幅方向両側の縁部には、複数の円弧形状の切り欠き部149A〜149Cが長手方向に等間隔で配設されている。これら複数の切り欠き部149A〜149Cは、自由端側にいくに従い切り込み長さD1〜D3が長くなっており、自由端側の切り欠き部149A〜149Cほどその面積が大きくなっている。
上記した構成の弁体148は、弁体148の受圧面積が固定端側から自由端側にいくに従い小さくなるので、弁体148に作用する力は自由端側にいくに従い小さくなる。したがって、上述した第1の実施の形態と同様に、弁体148が主液室17内の液圧を受けたときに弁体148の固定端部分に作用する応力が小さく抑えられ、弁体148の固定端部分が破損しにくくなる。
以上、本発明に係る防振装置の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記した第1の実施の形態では、弁体48は、防振装置10に正荷重(主液室17の液圧が上昇する方向の荷重)が入力された場合に制限通路40を狭窄しうる正圧弁として機能しているが、本発明における弁体は、大振動が入力されていない状態において制限通路40を狭窄し、防振装置10に負荷重(主液室17の液圧が低下する方向の荷重)が入力された場合に制限通路40を広げる負圧弁として機能する弁体にすることも可能である。
また、上記した第1の実施の形態では、弁体48が撓み変形可能なバネ板からなるが、本発明における弁体はバネ板でなくてもよい。例えば、主液室17の液圧変動に応じて揺動する扉状の弁体であってもよい。
また、上記した第1の実施の形態では、仕切り部材15に制限通路40が形成されているが、本発明は、仕切り部材15以外に制限通路40が形成されていてもよい。例えば、外筒11の一部に溝加工して制限通路を形成してもよく、或いは、ダイヤフラムリング30等のカシメ部分の一部に溝加工して制限通路を形成してもよい。
また、上記した第1の実施の形態では、制限通路部材41の内周壁部41aに主液室側開口部44が形成され、弁体48が径方向に撓み変形する構成になっているが、本発明は、制限通路部材41の外周部分の上面(制限通路40の上壁部)に主液室側連通口を形成し、弁体48が軸方向に撓み変形する構成にすることも可能である。
また、上記した第1の実施の形態では、防振装置10として圧縮式を示したが、主液室17が鉛直方向下側に位置しかつ副液室18が鉛直方向上側に位置するように取り付けられて用いられる吊り下げ式の防振装置にも適用可能である。
また、本発明に係る防振装置は、車両のエンジンマウントを製造する場合に限定されるものではなく、エンジンマウント以外に防振装置に適用することも可能である。例えば、建設機械に搭載された発電機のマウントにも適用することも可能であり、或いは、工場等に設置される機械のマウントにも適用することも可能である。
また、上記した第2の実施の形態では、弁体148の幅方向両側の縁部に切り欠き部149A〜149Cが形成されているが、本発明は、弁体に孔状の開口を形成することも可能である。例えば、複数の孔を弁体の長手方向に並べて配設し、これらの孔の径が自由端側に向かうに従い大きくなっている構成であってもよい。
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
10 防振装置
11 外筒
12 内筒
13 弾性体
15 仕切り部材
16 液室
17 主液室
18 副液室
40 制限通路
44 主液室側連通口
45 副液室側連通口
48,148 弁体
149A〜149C 切り欠き部(開口)

Claims (5)

  1. 振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される外筒、および他方に連結される内筒と、
    前記外筒と前記内筒とを弾性的に連結する弾性体と、
    前記外筒内の液室を、前記弾性体を壁面の一部とする一方側の主液室と他方側の副液室とに区画する仕切り部材と、を備えるとともに、
    前記主液室と前記副液室とを連通する制限通路が形成された液体封入型の防振装置において、
    前記外筒の内部には、長手方向の一端を固定端として長手方向の他端を前記制限通路における主液室側の開口部に位置する自由端とし、前記液室内の液圧で弾性変形する弁体が配設され、
    該弁体は、固定端側から自由端側に向けて受圧面積が減少する形状であることを特徴とする防振装置。
  2. 請求項1に記載の防振装置において、
    前記弁体は、前記主液室側の開口部を開放する位置に配置されており、前記主液室の液圧が上昇する方向に荷重が入力された場合に前記制限通路を狭窄しうる弁体であることを特徴とする防振装置。
  3. 請求項2に記載の防振装置において、
    前記制限通路は、前記外筒の内周面に沿って該外筒の周方向に沿って延在されており、
    前記制限通路における主液室側の開口部は、前記外筒の径方向内側に向けて開口されており、
    前記弁体は、その固定端が前記主液室側の開口部の周囲の壁面のうちの前記制限流路の流路方向の副液室側開口部側の壁面に固定され、前記径方向に向けて弾性変形することを特徴とする防振装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の防振装置において、
    前記弁体は、固定端側から自由端側にいくに従い漸次縮幅された形状を成していることを特徴とする防振装置。
  5. 請求項1から3のいずれかに記載の防振装置において、
    前記弁体には、前記長手方向に複数の開口が配設されており、
    該複数の開口は、固定端側から自由端側にいくに従い面積が拡大されていることを特徴とする防振装置。
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