JP2010169160A - 防振装置 - Google Patents

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剛 井上
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Abstract

【課題】キャビテーションを防止することを目的とする。
【解決手段】外筒及び内筒と、これらを弾性的に連結する弾性体と、外筒内の液室を主液室と副液室とに区画する仕切り部材15と、を備えると共に、主液室と副液室とを連通する制限通路41が形成された液体封入型の防振装置であって、制限通路41の流路長方向の一端部に、主液室側開口部42を通って液体が屈曲して流出入する主液室側流出入部70が設けられ、制限通路41の流路長方向の他端部に、副液室側開口部43を通って液体が屈曲して流出入する副液室側流出入部71が設けられ、主液室側流出入部70及び副液室側流出入部71のうちの少なくとも一方には、液体の流通方向に沿って延在すると共に流出入部70を内角側流路70aと外角側流路70bとに区画する整流部46が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば自動車や産業機械等に適用され、エンジン等の振動発生部の振動を吸収および減衰する防振装置に関する。
この種の防振装置として、従来、振動発生部および振動受部のいずれか一方に連結される外筒と、振動発生部および振動受部のいずれか他方に連結される内筒と、外筒及び内筒を弾性的に連結する弾性体と、外筒の内部に形成された液室を主液室と副液室とに区画する仕切り部材と、を備える構成が知られている。上記した仕切り部材には、主液室と副液室とを連通する制限通路が形成された環状の制限通路部材と、制限通路部材の内側を閉塞するメンブランと、が備えられている。このような構成の防振装置では、大振幅かつ低周波数域(例えば8Hz〜15Hz)の振動であるシェイク振動が入力されると、液室内に封入された液体が制限通路を通って主液室と副液室との間で往来し、このとき、制限通路を流通する液体に液柱共振が生じるため、振動が減衰される。
ところで、上記した防振装置では、シェイク振動よりも振幅が大きい大振動が入力されたとき、制限通路の主液室側の開口部や副液室側の開口部において多数の気泡が発生するキャビテーション現象が生じ、前記した気泡が主液室又は副液室へ移動して液体の圧力が回復するのに伴って破裂し、そのときの衝撃音が外筒を伝播して異音が生じるという問題がある。そこで、従来、上記問題に鑑みて、例えば下記特許文献1に示されているように、主液室内に主液室側の開口部に対向する緩衝面を形成する技術が提案されている。この技術によれば、主液室側の開口部から主液室内に移動した気泡が緩衝面に衝突して緩衝されるので、キャビテーション発生時における異音を低減させることができる。
特許第3918934号公報
しかしながら、上記した従来の防振装置では、キャビテーションの発生を抑制することができず、異音を十分に抑えることができないという問題がある。
ここで、キャビテーションの発生のメカニズムについて説明する。防振装置に大振動が入力されると、主液室内や副液室内の液体が開口部を通って制限通路内に流れ込むが、制限通路は、外筒の周方向に沿って延在しており、開口部は、制限通路の上下の壁部や径方向内側の壁部に形成されているため、制限通路への流れ込み時の液体は、開口部を通った直後に屈曲(急カーブ)して制限通路の流路長方向に流通する。このとき、液体が屈曲した直後の箇所においては、屈曲箇所(流出入部)の内角側を流通した液体が外角側に膨らんで寄っていき、内角側の壁面から液体が剥離され、その後、外角側に寄った液体が漸次内角側に戻っていき、内角側の壁部に液体が再付着される。上記したように流路壁面から液体が剥離されるとその箇所の液圧が低下するため、開口部の流れ込み方向の前方側に隣接する壁部の付近において液圧が局所的に低下し、この液圧が液体の飽和蒸気圧を下回ることで気泡(キャビテーション)が発生する。なお、屈曲箇所の屈曲角度が小さいほど屈曲直後の内角側における液圧が小さくなり、キャビテーションが発生しやすくなる。
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、大振動入力時におけるキャビテーションの発生を抑制することができる防振装置を提供することを目的としている。
本発明に係る防振装置は、振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される外筒、および他方に連結される内筒と、前記外筒と前記内筒とを弾性的に連結する弾性体と、前記外筒内の液室を、前記弾性体を壁面の一部とする一方側の主液室と他方側の副液室とに区画する仕切り部材と、を備えるとともに、前記主液室と前記副液室とを連通する制限通路が形成された液体封入型の防振装置であって、前記制限通路は、前記外筒の周方向に沿って延設され、該制限通路の流路長方向の一端部には、前記主液室と前記制限通路とを連通する開口部が形成されていると共に、該開口部を通って前記液体が屈曲して流出入する主液室側の流出入部が設けられ、前記制限通路の流路長方向の他端部には、前記副液室と前記制限通路とを連通する開口部が形成されていると共に、該開口部を通って前記液体が屈曲して流出入する副液室側の流出入部が設けられ、前記主液室側の流出入部と前記副液室側の流出入部のうちの少なくとも一方には、前記液体の流通方向に沿って延在すると共に前記流出入部を内角側流路と外角側流路とに区画する整流部が設けられていることを特徴としている。
このような特徴により、振動発生部から防振装置に大振動が入力されると、その振動入力に伴い弾性体が大きく弾性変形し、主液室に大きな正圧又は負圧が入力される。このとき、主液室内或いは副液室内の液体が開口部を通って制限通路内に屈曲して流れ込むが、流出入部には、当該流出入部を内角側流路と外角側流路とに区画する整流部が配設されているので、液体が内角側の壁面から剥離しにくくなり、内角側の位置における局所的な液圧低下が抑制される。つまり、内角側を流通する液体が整流部によって整流されるので、液体が屈曲した直後の箇所において内角側の液体の外角側への逃げ(寄り)が抑えられる。これにより、液体の壁面からの剥離が抑制され、その箇所における局所的な液圧低下が抑えられる。
また、本発明に係る防振装置は、前記整流部が、前記流出入部の壁部と一体に形成されていることが好ましい。
これにより、膨出部を壁部に取り付ける手間が省略され、生産効率を低下させることなく、整流部を設けることが可能である。
本発明に係る防振装置によれば、大入力時に液体が開口部を通って制限通路内へ屈曲して流れ込んでも、膨出部によって開口部近傍における局所的な液圧低下が抑えられるので、キャビテーションの発生を抑制することができ、これにより、異音の発生を抑えることができる。
本発明の第一の実施の形態を説明するための防振装置の縦断面図である。 本発明の第一の実施の形態を説明するための仕切り部材の斜視図である。 本発明の第一の実施の形態を説明するための制限通路部材の側面図である。
以下、本発明に係る防振装置の第1の実施の形態について、図面に基いて説明する。
図1は本実施形態における防振装置10を軸心Oに沿って切断した縦断面図であり、図2は後述する仕切り部材15の斜視図であり、図3は後述する制限通路部材40の側面図である。
なお、図1に示す符号Oは防振装置10の中心軸線を示しており、以下、単に「軸心O」と記す。また、軸心Oに沿った方向を「軸方向」とし、軸心Oに垂直な方向を「径方向」とし、軸心O回りの方向を「周方向」とする。
さらに、図1における下側がバウンド側、つまり防振装置10を設置した際に静荷重(初期荷重)が入力される方向であり、図1における上側がリバウンド側、つまり前記静荷重の入力方向の反対側であり、以下の説明においてバウンド側を「下」とし、リバウンド側を「上」とする。
まず、本実施の形態における防振装置10の構成について説明する。
図1に示すように、防振装置10は、自動車における振動発生部であるエンジンを、振動受け部である車体へ支持するエンジンマウントである。防振装置10は、外筒11と、外筒11の内周側の上方に略同軸的に配置された内筒12と、外筒11と内筒12との間を弾性的に連結する弾性体13と、を備えている。
外筒11には、上端部に筒状の大径部20が形成されるとともに、下端側に大径部20に対して小径とされた筒状の小径部21が形成されている。大径部20と小径部21との間には、内周側へ縮径された絞り部22が全周に亘って形成されている。小径部21は、図示せぬ車体側ブラケットの筒状部の内側に嵌合され、外筒11は車体側ブラケットを介して車体側に固定されている。
内筒12は、軸方向に延在する柱状部材である。内筒12の下部は下方に向かうに従い漸次縮径された先細り形状を成している。また、内筒12の上部には、内筒12の上端面の中心から軸方向に延びるねじ孔23が穿設されている。このねじ孔23には、図示せぬエンジン側ブラケットのボルト24が捻じ込まれて固定され、内筒12はエンジン側ブラケットを介してエンジン側に固定される。また、内筒12の軸方向の中間部分には、径方向外側に突出したアンカ部25が形成されている。
弾性体13は、外筒11の上側の開口部を閉塞するゴム体であり、閉塞外周面が外筒11の大径部20及び絞り部22の内周面に加硫接着されるとともに、内周面が内筒12の下部の外周面に加硫接着されている。弾性体13には、外筒11と内筒12との間に配置されたインナーリング26が埋設されている。また、弾性体13の上端部には、アンカ部25を覆うゴム被覆体27が一体形成されており、このゴム被覆体27及びアンカ部25によってリバウンドストッパが形成されている。また、弾性体13の下端部には、小径部21の内周面を被覆するゴム膜28が一体形成されている。なお、弾性体13としては、ゴム以外にも合成樹脂等からなる弾性体を用いることも可能である。
一方、防振装置10には、外筒11の下側の開口部を閉塞するダイヤフラム14が備えられている。ダイヤフラム14は、外筒11の小径部21の内側に嵌挿される蓋体であり、その概略構成としては、略円筒形状のダイヤフラムリング30と、ダイヤフラムリング30の内側を閉塞する膜状のダイヤフラムゴム31と、を備えている。ダイヤフラムゴム31は、椀状のゴム膜であり、その外縁部がダイヤフラムリング30の内周面に加硫接着されている。このような構成のダイヤフラム14は、外筒11の小径部21の内側に嵌合された状態で、小径部21の下端部とともにダイヤフラムリング30の下端部が全周にわたって径方向内側に加締ることによって固定されている。なお、ダイヤフラムリング30の外周面と外筒11の小径部21の内周面との間には、上記したゴム膜28が介在されており、これにより、ダイヤフラム14と外筒11との嵌合箇所の水密性が確保されている。
また、上記した外筒11の内側には、エチレングリコールや水等の液体が封入された液室16が形成されている。この液室16は、上記した弾性体13及びダイヤフラム14によって密閉封止されている。この液室16は、外筒11の内側に配設された仕切り部材15によって、上側の主液室17と下側の副液室18とに区画されている。主液室17は、弾性体13を隔壁の一部として形成された液室であり、弾性体13の変形により内容積が変化する。副液室18は、ダイヤフラム14を隔壁の一部とする液室であり、ダイヤフラム14のダイヤフラムゴム31の変形により内容積が変化する。
図2に示すように、仕切り部材15は、外周面に主液室17と副液室18とを連通する制限通路41が形成された有底筒状の制限通路部材40と、制限通路部材40の内側に収容された板状の可動板50と、制限通路部材40の上面に接合されて制限通路部材40の上側開口に被せられる板状の蓋部材60と、を備えている。
制限通路部材40は、外筒11の小径部21の内側に嵌合された平面視円形の部材であり、例えば金属や樹脂等からなる部材である。制限通路部材40の底板部44は、制限通路部材40の軸方向中間部に設けられており、軸心Oに対して垂直に配設されている。この底板部44には、複数の開口44aが形成されている。また、制限通路部材40の外周面には、外周面に周溝40aが形成されており、周溝40aの外周側の開放部分がゴム膜28によって閉塞されることにより制限通路41が形成されている。この制限通路41は、外筒11の周方向に沿って延在する液体の流路であり、その流路長方向の両端の壁面41a,41bは流路長方向(周方向)にそれぞれ傾斜されている。具体的に説明すると、流路長方向の一端側の壁面41aは、流路長方向の一端側から他端側に向かって下向きに傾斜されている。一方、流路長方向の他端側の壁面41bは、流路長方向の他端側から一端側に向かって下向きに傾斜されている。また、制限通路部材40の上面には、蓋部材60を取り付けるための複数のピン48が周方向に間隔をあけて立設されている。
また、制限通路41の流路長方向の一端部には、制限通路41と主液室17とを連通する主液室側開口部42が形成されていると共に、この主液室側開口部42を通って液体が屈曲して流出入する主液室側流出入部70が設けられている。
主液室側流出入部70は、液体が略L字状に屈曲して流通する流路であり、周方向に沿って延在する流路を上向きに屈曲させて開放させた構成となっている。
主液室側開口部42は、主液室17に向けて開放された流出入口であり、主液室側流出入部41aの主液室17側の壁部(上壁部45)に形成された開口である。詳しく説明すると、主液室側開口部42は、上壁部45のうち、制限通路41の流路長方向の一端部の部分を切り欠いて形成される開口であり、周方向に沿って円弧状に延設されている。
また、図2、図3に示すように、主液室側流出入部70には、液体の流通方向に沿って延在する整流部46が設けられている。この整流部46は、板状の静翼部材であり、制限通路41(主液室側流出入部70)の内周壁部49に一体的に形成されている。詳しく説明すると、整流部46は、側面視において液体の流通方向に沿って湾曲された湾曲板部であり、主液室側流出入部70の外角側に向けて膨出するように円弧状に湾曲されている。この整流部46は、内周壁部49に突設されており、その先端(側端)は、制限通路部材40の外周面と同一円状に形成されて外筒11の内周面のゴム膜28に密接されている。また、整流部46の主液室側開口部42側の一端(上端)は、主液室側開口部42の周方向中央部分に位置しており、内周壁部49の上端面と面一に形成されている。また、整流部46の他端は、主液室側開口部42の流路長方向他方側の縁部42aよりも流路長方向の一端側に位置している。
上記した構成の整流部46によって、主液室側流出入部70が、流路長が短い内角側流路70aと、流路長が長い外角側流路70bと、に区画されている。内角側流路70aは、液体が屈曲して流れ込む主液室側流出入部70のうちの内角側の流路であり、整流部46の内角側に形成されている。一方、外角側流路70bは、液体が屈曲して流れ込む主液室側流出入部70のうちの外角側の流路であり、整流部46の外角側に形成されている。
また、制限通路41の流路長方向の他端部には、制限通路41と副液室18とを連通する副液室側開口部43が形成されていると共に、この副液室側開口部43を通って液体が屈曲して流出入する副液室側流出入部71が設けられている。
副液室側流出入部71は、液体が略L字状に屈曲して流通する流路であり、周方向に沿って延在する流路を下向きに屈曲させて開放させた構成となっている。
副液室側開口部43は、図2に示すように、副液室18に向けて開放された流出入口であり、副液室側流出入部71の副液室18側の壁部(下壁部47)に形成された開口である。詳しく説明すると、副液室側開口部43は、下壁部47のうち、制限通路41の流路長方向の他端部の部分を切り欠いて形成される開口であり、周方向に沿って円弧状に延設されている。
蓋部材60は、平面視円形の平板部材であり、その外径は制限通路部材40の外径と略同径となっている。この蓋部材60には、制限通路部材40の内側に向けて開口された開口60aが複数形成されている。また、蓋部材60の外周部には、主液室側開口部42に連通される切り欠き状の開口61が形成されている。また、蓋部材60には、上記した制限通路部材40のピン48が挿通される図示せぬピン孔が形成されており、このピン孔にピン48を挿通させてピン孔から突出したピン48先端を拡径させることで蓋部材60が制限通路部材40に固定される。
可動板50は、制限通路部材40の内径よりも小径の円盤状の部材であり、例えばゴム等の弾性部材からなる。この可動板50は、上記した制限通路部材40の底板部44の上方に配置されて底板部44と蓋部材60との間に収容されており、底板部44と蓋部材60との間で上下に振動可能となっている。また、可動板50の上下面には、半球状の複数の凸部51がそれぞれ形成されており、この凸部51により、可動板50が振動して制限通路部材40の底板部44や蓋部材60に衝突した際に発生する衝突音が低減される。
次に、上記した防振装置10の作用について説明する。
上述した構成からなる防振装置10は、内筒12が図示せぬエンジン側ブラケットを介して図示せぬエンジンに連結されるとともに、外筒11が図示せぬ車体側ブラケットを介して図示せぬ車体に連結されることにより、エンジンと車体との間に介装される。
そして、上記したエンジンが稼動すると、その振動がエンジン側ブラケットを介して防振装置10の内筒12に伝達され、防振装置10には、比較的に周波数が低い振動、つまり、アイドル運転時よりも大振幅で小さい周波数(例えば8Hz〜15Hz)のシェイク振動が入力される。このとき、振動入力に伴う主液室17の液圧変動に同期して、可動板50が制限通路部材40の底板部44と蓋部材60との何れか一方に密接し、底板部44又は蓋部材60の開口44a,60aを閉塞する。このため、シェイク振動による内筒12の上下方向への繰り返し移動(バウンド側への移動とリバウンド方向への移動を交互に繰り返す運動)に伴い主液室17の液圧が変動し、主液室17と副液室18との間に内圧差が生じる。この場合、液室16内の液体は、制限通路41を通って主液室17と副液室18との間で往来する。このとき制限通路41は、その流路長及び断面積がシェイク振動に対応するようにチューニングされているので、制限通路41を流通する液体に共振現象(液柱共振)が生じてシェイク振動が減衰され、車体側に伝達される振動が低減される。
また、路面の凹凸等により、エンジンと車体とが大きく相対変位した場合、防振装置10に、シェイク振動よりも大振幅であって制限通路41のチューニング域から外れた大振動が入力される場合がある。具体的に説明すると、防振装置10に正荷重(バウンド方向への荷重)の大振動が入力されると、内筒12が外筒11に対して相対的に下方に大きく移動し、主液室17の内容積が縮小される。このとき、主液室17内の液体が主液室側開口部42を通って制限通路41内に屈曲して流れ込むが、主液室側流出入部70に整流部46が配設されているので、液体が内角側の壁面(上壁部45)から剥離しにくくなり、内角側の位置における局所的な液圧低下が抑制される。つまり、内角側を流通する液体が整流部46によって整流されるので、液体が屈曲した直後の箇所において内角側の液体の外角側への逃げ(寄り)が抑えられ、液体の壁面からの剥離が抑制され、その箇所における局所的な液圧低下が抑えられる。
次に、上記した防振装置10の効果について説明する。
上記した構成からなる防振装置10によれば、大入力時に液体が主液室側開口部42を通って制限通路41内へ屈曲して流れ込んでも、整流部46によって主液室側開口部42近傍における局所的な液圧低下が抑えられるので、キャビテーションの発生を抑制することができ、これにより、異音の発生を抑えることができる。
また、整流部46が制限通路41の内周壁部49と一体に形成されているため、整流部46を制限通路部材40の内周壁部49に取り付ける手間が省略される。これにより、生産効率を低下させることなく、整流部46を設けてキャビテーションを防止することが可能である。
以上、本発明に係る防振装置の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記した実施の形態では、主液室側流出入部70に整流部46を設けているが、本発明は、副液室側流出入部71に整流部を設けることも可能である。つまり、副液室側流出入部71の内周壁部49に整流部を突設させてもよい。
また、上記した実施の形態では、制限通路部材40の上面に蓋部材60が取り付けられて、制限通路部材40の底板部44の上方に可動板50が配置された構成の仕切り部材15が備えられているが、本発明は、制限通路部材40の下面に蓋部材60を取り付けて、制限通路部材40の底板部44の下方に可動板50を配置した構成の仕切り部材を用いることも可能であり、或いは、環状の制限通路部材の内側をメンブランで閉塞した構成の仕切り部材を用いることも可能である。
また、上記した実施の形態では、整流部46が湾曲した板部からなるが、本発明は、他の形状の整流部を形成することも可能であり、例えば、平板状の整流部が形成されていてもよく、或いは、板状以外の形状の整流部が形成されていてもよい。
また、上記した実施の形態では、整流部46が制限通路41の壁部49と一体に形成されているが、本発明は、制限通路41の壁部49と別体の整流部を壁部49に取り付ける構成にすることも可能である。例えば、制限通路41の壁部49のうち、開口部に隣接する部分に、整流部を接着材などで固定することも可能である。
また、上記した実施の形態では、整流部46が制限通路41の内周壁部49に突設されているが、本発明は、整流部の両側端をそれぞれ支持した構成にすることも可能である。例えば、主液室側流出入部70の外周側に外周壁部を形成し、この外周壁部と内周壁部49との間に整流部を介装させてもよい。
また、上記した実施の形態では、支持荷重が作用することで主液室17に正圧が作用する圧縮式の防振装置10について説明したが、主液室17が鉛直方向下側に位置しかつ副液室18が鉛直方向上側に位置するように取り付けられ、支持荷重が作用することで主液室17に負圧が作用する吊り下げ式の防振装置にも適用可能である。
また、上記した実施の形態では、外筒11が車体(振動受部)に連結され、内筒12がエンジン(振動発生部)に連結されているが、本発明は、外筒11がエンジン(振動発生部)に連結され、内筒12が車体(振動受部)に連結されてもよい。
また、本発明に係る防振装置は、車両のエンジンマウントに限定されるものではなく、エンジンマウント以外に防振装置に適用することも可能である。例えば、建設機械に搭載された発電機のマウントにも適用することも可能であり、或いは、工場等に設置される機械のマウントにも適用することも可能である。
また、上記した実施の形態では、仕切り部材15に、制限通路41が形成された制限通路部材40が備えられているが、本発明は、仕切り部材15以外に制限通路41が形成されていてもよい。例えば、外筒11の一部に溝加工して制限通路を形成してもよく、或いは、ダイヤフラムリング30等のカシメ部分の一部に溝加工して制限通路を形成してもよい。
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
10 防振装置
11 外筒
12 内筒
13 弾性体
15 仕切り部材
16 液室
17 主液室
18 副液室
41 制限通路
42 主液室側開口部
43 副液室側開口部
46 整流部
49 内周壁部(壁部)
70 主液室側流出入部
70a 内角側流路
70b 外角側流路
71 副液室側流出入部

Claims (2)

  1. 振動発生部および振動受部のうちのいずれか一方に連結される外筒、および他方に連結される内筒と、
    前記外筒と前記内筒とを弾性的に連結する弾性体と、
    前記外筒内の液室を、前記弾性体を壁面の一部とする一方側の主液室と他方側の副液室とに区画する仕切り部材と、を備えるとともに、
    前記主液室と前記副液室とを連通する制限通路が形成された液体封入型の防振装置であって、
    前記制限通路は、前記外筒の周方向に沿って延設され、
    該制限通路の流路長方向の一端部には、前記主液室と前記制限通路とを連通する開口部が形成されていると共に、該開口部を通って前記液体が屈曲して流出入する主液室側の流出入部が設けられ、
    前記制限通路の流路長方向の他端部には、前記副液室と前記制限通路とを連通する開口部が形成されていると共に、該開口部を通って前記液体が屈曲して流出入する副液室側の流出入部が設けられ、
    前記主液室側の流出入部と前記副液室側の流出入部のうちの少なくとも一方には、前記液体の流通方向に沿って延在すると共に前記流出入部を内角側流路と外角側流路とに区画する整流部が設けられていることを特徴とする防振装置。
  2. 請求項1に記載の防振装置において、
    前記整流部は、前記流出入部の壁部と一体に形成されていることを特徴とする防振装置。
JP2009011044A 2009-01-21 2009-01-21 防振装置 Pending JP2010169160A (ja)

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