JP2006038016A - 防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 所定の周波数を有する振動の入力時に、主液室と副液室とを区画する仕切部材内に配設された可動板が振動することにより所定の周波数を有する振動を効果的に吸収し、かつ可動板と仕切部材との衝突に起因する異音の発生を防止する。
【解決手段】 防振装置10では、可動板94の表面部及び裏面部にディンプル部98が形成され、このディンプル部98が可動板94の外周端部よりも内周側に配置されている。これにより、振動入力時に可動板94が収納室80内で上下へ撓み変形し、可動板94が仕切部材48の底板部90及び仕切金具50の頂板部78へ繰り返し当接(衝突)する際に、ディンプル部98により可動板94の表裏面と底板部90及び頂板部78との間に部分的に隙間が形成されるので、可動板94が底板部90及び頂板部78に衝突することにより生じる打音の音圧を低減できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、自動車、一般産業用機械等に適用され、エンジン等の振動発生部から車体等の振動受部へ伝達される振動を吸収及び減衰させる防振装置に関する。
自動車には、エンジンと車体(フレーム)との間に防振装置としてのエンジンマウントが配置されている。このエンジンマウントは、ゴム弾性体の弾性変形により振動エネルギを吸収し、エンジンからの振動を減衰してフレームへ振動の伝達を抑制している。また、このようなエンジンマウントとしては、内部に主液室、副液室及びこれらの液室間を繋ぐオリフィスを備えた所謂、液体封入式のものがあり、この液体封入式のエンジンマウントでは、振動入力時にオリフィスを通して主液室と副液室との間で液体を相互に流通させると共に、オリフィス内で液体の共振現象(液柱共振)を発生させることにより、弾性体自体の振動に対する減衰作用に加え、液体の粘性抵抗等によっても振動を効果的に減衰吸収できるようになる。
上記のようなエンジンマウントとして適用される液体封入式の防振装置の一例としては、例えば特許文献1に示されている液体封入式マウント装置がある。
この特許文献1に示されたマウント装置には、外筒、ゴム弾性体及びダイヤフラムにより外部から密閉された液室空間が形成されており、この液室空間は、仕切部材により弾性体を隔壁の一部とする主液室と、ダイヤフラムを隔壁の一部とする副液室とに区画され、これらの主液室と副液室とが制限通路であるオリフィスにより繋ぎ合わされている。ここで、主液室、副液室及びオリフィス内には、水、エチレングリコール等の液体が充填されている。仕切部材には、外周側に主液室と副液室とを連通させる制限通路であるオリフィスが設けられている。また仕切部材には、その内周側に円柱状の空間である収納室が設けられ、この収納室内は仕切部材に形成された開口部を通して主液室及び副液室にそれぞれ連通している。マウント装置では、収納室内に円板状の可動プレートが収納されており、この可動プレートは、振動の振幅方向に沿って高周波振動に対応する所定の振幅で振動可能とされている。
上記のように構成された防振装置では、振動入力時に弾性体が弾性変形することにより、弾性体により振動が減衰吸収される。このとき、入力振動の周波数が所定の値よりも低い場合には、可動プレートが仕切部材における開口部の周縁部に密着した状態となるので、収納室内を通って液体が主液室と副液室との間を実質的に流通することなくなり、オリフィスのみを通して主液室と副液室との間で液体が相互に流通する。これにより、オリフィス内を流通する液体に共振現象(液柱共振)が生じるので、この液柱共振の作用によって入力振動を効果的に減衰できる。
一方、上記のような防振装置では、入力振動の周波数が所定の値よりも高い高周波振動である場合には、オリフィスが目詰まり状態となるが、可動プレートが収納室内で入力振動に同期して振動することにより、収納室内を通って主液室と副液室との間で液体の流通が生じるので、主液室内の液圧上昇に伴う動ばね定数の上昇を抑えることができ、このような高周波振動の入力時も弾性体の動ばね定数を低く維持し、この弾性体の弾性変形等により高周波振動を効果的に吸収できるようになる。
特開平1−193425号公報
しかしながら、上記のような防振装置では、高周波振動の入力時に可動プレートが入力振動の振幅方向に沿って振動し、収納室(仕切部材)内における前記振幅方向に沿って互いに対向する一対の内壁面に入力振動の周波数に対応する周期で繰り返し衝突する。これにより、このような防振装置が適用された車両では、防振装置における可動プレートと仕切部材との衝突に起因する打音が高周波振動の入力時、具体的には、例えば、車両のアイドリング運転時や突起を乗り越えた直後の時期に発生し、この打音が車体を通して車内へ異音として伝達されることがある。
本発明の目的は、上記事実を考慮して、所定の周波数を有する振動の入力時に、主液室と副液室とを区画する仕切部材内に配設された可動板が振動することにより所定の周波数を有する振動を効果的に吸収でき、しかも可動板と仕切部材との衝突に起因する異音の発生を防止できる防振装置を提供することある。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る防振装置は、振動発生部及び振動受部の一方に連結される第1の取付部材と、振動発生部及び振動受部の他方に連結される第2の取付部材と、前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に配置された弾性体と、液体が封入され、前記弾性体を隔壁の一部として該弾性体の変形に伴い内容積が変化する主液室と、液体が封入され、隔壁の少なくとも一部がダイヤフラムにより形成されて拡縮可能とされた副液室と、前記主液室と前記副液室との間を区画し、内部に中空状の収納室が設けられると共に、該収納室を前記主液室及び前記副液室にそれぞれ連通させる開口部が形成された仕切部材と、前記主液室と前記副液室とを連通する制限通路と、前記収納室内に液体が流通することを制限するように配設されると共に、前記仕切部材における前記開口部が開口した開口周縁部との間に所定寸法の隙間を形成し、前記第1又は第2の取付部材への振動入力時に前記隙間の範囲内で振動し、該振動に同期して前記開口周縁部に対して接離する可動板と、を有する防振装置であって、前記可動板における前記仕切部材の開口周縁部と対向する対向面に凹状のディンプル部を形成し、該ディンプル部を前記可動板の外周端に対して内周側へ離間するように配置したことを特徴とする。
上記請求項1に係る防振装置では、振動入力時に弾性体が弾性変形することにより、弾性体により振動が減衰吸収されると共に、入力振動の周波数が所定の値よりも低く、その振幅が大きい場合には、可動板が仕切部材における開口周縁部に密着した状態となって、収納室内を通って液体が主液室と副液室との間を実質的に流通することがなくなり、制限通路のみを通して主液室と副液室との間で液体が相互に流通するので、制限通路内を流通する液体に共振現象(液柱共振)が生じ、この液柱共振の作用によって入力振動を効果的に減衰できる。なお、ディンプル部が可動板の外周端部に対して内周側へ離間するように配置されているので、可動板が仕切部材の開口周縁部に密着した状態では、可動板により開口部が確実に閉止され、収納室内を通って液体が主液室又は副液室へ漏れることが防止される。
また請求項1に係る防振装置では、入力振動の周波数が所定の値よりも高く、その振幅が小さい場合には、制限通路が目詰まり状態となり制限通路には液体が流れ難くなるが、可動板が収納室内で入力振動に同期して振動することにより、収納室内を通って主液室と副液室との間で液体の流通が生じるので、主液室内の液圧上昇に伴う動ばね定数の上昇を抑えることができ、このような高周波振動の入力時も弾性体の動ばね定数を低く維持し、この弾性体の弾性変形等により高周波振動を効果的に吸収できるようになる。
また請求項1に係る防振装置では、可動板における仕切部材の開口周縁部と対向する対向面に凹状のディンプル部を形成し、このディンプル部を可動板の外周端部に対して内周側へ離間するように配置したことにより、第1又は第2の取付部材への振動入力時に可動板が収納室内で振動し、この振動に同期して可動板が仕切部材における開口周縁部に当接(衝突)する際に、ディンプル部により可動板の開口周縁部との対向面と仕切部材の開口周縁部との間に部分的に隙間が形成され、可動板の外周端を除く対向面が仕切部材の開口周縁部に完全に密着することが防止されるので、可動板の対向面と仕切部材の開口周縁部との間に部分的な隙間が形成されない場合と比較し、仕切部材の開口周縁部に衝突した可動板の対向面に作用する衝撃的な応力がディンプル部からの距離に応じて変化し、可動板の対向面に仕切部材からの反力として作用する衝撃的な応力値の分布が不均一になる。
この結果、第1又は第2の取付部材への振動入力時に可動板が収納室内で振動し、この振動に同期して可動板が仕切部材における開口周縁部に衝突することにより生じる打音の音圧を低減できる。
また本発明の請求項2に係る防振装置は、請求項1記載の防振装置において、前記ディンプル部を、前記可動板における前記仕切部材の開口周縁部と接離する開閉領域に局所的に形成したことを特徴とする。
また本発明の請求項3に係る防振装置は、請求項1又は2記載の防振装置において、前記ディンプル部を前記可動板に複数形成し、これら複数のディンプル部を前記可動板の径方向及び周方向に沿って互いに離間するように配置したことを特徴とする防振装置。
また本発明の請求項4に係る防振装置は、請求項1、2又は3記載の防振装置において、前記ディンプル部を、その内面が凹状の湾曲面からなる略半球状に形成したことを特徴とする。
また本発明の請求項5に係る防振装置は、請求項1乃至4の何れか1項記載の防振装置において、前記可動板を、その厚さ方向に沿った表裏面がそれぞれ凸状の湾曲面からなる略凸レンズ状に形成すると共に、該可動板の表裏面における中心部がそれぞれ前記仕切部材の内壁面に圧接するように前記収納室内に収納し、前記第1又は第2の取付部材への振動入力時に、該振動入力に同期して前記可動板前における前記収納室の内壁面に圧接する中心部に対して外周側の撓み領域が、前記開口周縁部に対して接離することを特徴とする。
また本発明の請求項6に係る防振装置は、請求項1乃至4の何れか1項記載の防振装置において、前記ディンプル部を、前記可動板における前記撓み領域に局所的に形成したことを特徴とする。
以上説明したように本発明の防振装置によれば、所定の周波数よりも高い周波数を有する振動の入力時に、主液室と副液室とを区画する仕切部材内に配設された可動板が振動することにより振動を効果的に吸収でき、かつ可動板と仕切部材との衝突に起因する異音の発生を防止できる。
以下、本発明の実施形態に係る防振装置について図面を参照して説明する。
図1には本発明の実施形態に係る防振装置が示されている。この防振装置10は、自動車における振動発生部であるエンジンを振動受部である車体へ支持するエンジンマウントとして適用されるものである。なお、図1にて符合Sが付された一点鎖線は装置の軸心を示しており、この軸心Sに沿った方向を装置の軸方向として以下の説明を行う。
図1に示されるように、防振装置10は、エンジン側に連結される略肉厚円筒状に形成された内筒金具12と、この内筒金具12の外周側に略同軸的に配置され、車体側へ連結される略円筒状の外筒金具14と、内筒金具12と外筒金具14との間に配置され、吸振主体となるゴム製の弾性体16とを備えている。内筒金具12は、その上端側が外筒金具14内へ挿入されると共に、下端側が外筒金具14の下端側の開口部を通って外筒金具14の下方まで突出している。外筒金具14には、その軸方向中間部に設けられた段差部18に対して上端側の部分に下端側の部分の直径よりも直径が拡大された拡径部20が形成されている。また外筒金具14には、その下端部に下方へ向って直径がテーパ状に縮小するテーパ部22が屈曲形成されると共に、拡径部20の上端部に装置の組立時に内周側へかしめられるかしめ部24が形成されている。
防振装置10には、外筒金具14の下端側が嵌挿固定される略カップ状の連結筒26及び、この連結筒26の下端側が嵌挿固定される略有底円筒状のホルダ金具28が設けられている。外筒金具14は、その下端部が連結筒26の底板部に当接するまで連結筒26内へ挿入されている。またホルダ金具28には、その外周面に複数の脚部30,32が溶接等により固定されており、この脚部30,32の先端側に形成された連結穴32を挿通するボルト(図示省略)により、ホルダ金具28は車体側へ締結固定される。これにより、外筒金具14が、連結筒26及びホルダ金具28を介して車体側へ連結固定される。
内筒金具12の下端側は、連結筒26の底板部に形成された開口部92を通って連結筒26の下方まで突出しており、内筒金具12の下端部には、ボルト34によりエンジン連結用のブラケット36の基端部が締結固定されている。このブラケット36は、ホルダ金具28の側面部に形成された開口部(図示省略)を通って外周側へ延出しており、ブラケット36の先端側にはボルト等によりエンジン(図示省略)が締結固定される。またブラケット36の基端部には、略角筒状に形成されたストッパゴム38が被せられており、このストッパゴム38の上面部は連結筒26の底板部に圧接している。これにより、ブラケット36の軸方向に沿った過大な変位が防止されると共に、大荷重の入力によりブラケット36が連結筒26又はホルダ金具28へ衝突した際にも大きな衝突音の発生が防止される。
内筒金具12の上端面には、上方へ向って開口する略カップ状に形成された延長金具40の底板部が溶接等により固着されている。延長金具40は、その側板部が底板側から上端側へ向って直径が拡大するテーパ状とされており、この側板部の上端部分には、リング状のフランジ部材42が溶接等により固着され、延長金具40の上端部から内周側へ延出している。また延長金具40の側板部には、弾性体16の成形素材となる加硫ゴムを延長金具40内へ充填するための湯道穴44が複数穿設されている。
弾性体16は、外筒金具14内へ挿入された内筒金具12の上端側及び延長金具40にそれぞれ加硫接着されると共に、外筒金具14の下端側に加硫接着されており、内筒金具12と外筒金具14とを弾性的に連結している。ここで、弾性体16は、内筒金具12の外周面及び延長金具40の外周面にそれぞれ加硫接着されると共に、湯道穴44を通って延長金具40の内周側に充填され、延長金具40の内周面及び底面部とフランジ部材42の下面側にもそれぞれ加硫接着されている。また弾性体16には外周部から上方へ延出する薄肉状の被覆部46が一体的に形成されており、この被覆部46は、外筒金具14の内周面における上端側に加硫接着され、外筒金具14の内周面を被覆している。
外筒金具14内には、その段差部18の上側に全体として略円板状に形成された仕切部材48及び、この仕切部材48の上面部に密着した略ハット状の仕切金具50が挿入されており、仕切部材48の下面における外周部は、被覆部46を介して段差部18に当接している。また外筒金具14内には、仕切部材48及び仕切金具50の上側に円筒状の支持筒52が嵌挿されており、この支持筒52の下端部は仕切金具50の外周部に当接している。これらの仕切部材48、仕切金具50及び支持筒52が挿入された外筒金具14はかしめ部が内周側へかしめられる。これにより、仕切部材48、仕切金具50及び支持筒52が外筒金具14内における段差部18とかしめ部24との間に固定される。ここで、支持筒52には、その内周面に上方へ向って凸状のカップ状に形成されたゴム製のダイヤフラム54の外周部が全周に亘って加硫接着されている。
防振装置10内には、外筒金具14、弾性体16及びダイヤフラム54により外部から密閉された液室空間が形成されており、この液室空間は、仕切部材48及び仕切金具50により弾性体16を隔壁の一部とする主液室56と、ダイヤフラム54を隔壁の一部とする副液室58とに区画されている。防振装置10では、副液室58の隔壁の一部を形成するダイヤフラム54の外側が大気空間とされており、これにより、ダイヤフラム54は、副液室58内の液圧変化に応じて副液室58の内容積を拡縮するように弾性変形可能とされている。また主液室56は、その内容積が弾性体16の弾性変形に伴って拡縮する。
また仕切部材48には、その外周面に周方向へ延在する凹状の溝部60が設けられている。図2に示されるように、溝部60は軸心Sを中心とする周方向に沿ってC字状に延在しており、仕切部材48には、溝部60の一端部から下方へ向って溝部60の下部側が切り欠かれて連通口62が形成されると共に、溝部60の他端部から上方へ向って溝部60の上部側が切り欠かれて連通口64が形成されている。ここで、溝部60は、図1に示されるように、その外周側が被覆部46を介して外筒金具14の内周面により閉止されることにより、主液室56と副液室58とを連通させる制限通路であるオリフィス66を形成している。
ここで、主液室56、副液室58及びオリフィス66内には、水、エチレングリコール、シリコーンオイル等の非圧縮性の液体が充填されており、この液体はオリフィス66を通して主液室56と副液室58との間で流通可能とされている。このオリフィス66は、その路長及び断面積がシェイク振動の振幅及び周波数に適合するように設定(チューニング)されている。
仕切部材48には、その上面中央部に円形凸状の肉厚部68が形成されており、この肉厚部68の中央部には円形の凹部70が形成されている。また仕切部材48には、その下面中央部に肉厚部68よりも大径とされた円形凹状の逃げ部72が形成されており、この逃げ部72の頂面と凹部70の底面との間には厚さが略一定の底板部90が設けられている。逃げ部72内には、軸方向に沿って底板部90との間に隙間を空けつつ、延長金具40及び弾性体16の上端部が挿入されている。ここで、底板部90と延長金具40及び弾性体16との間の隙間は、ブラケット36にエンジンが連結され、このエンジンの重量に起因する荷重がブラケット36に入力した状態では、図示した状態よりも拡大されて十分な幅となるので、振動が入力しても延長金具40及び弾性体16が底板部90に接することは無い。
仕切金具50には、その中央部に仕切部材48の肉厚部68に対応する円形凸状の外嵌部74が形成されると共に、この外嵌部74の下端部から外周側へ延出する環状のフランジ部76が一体的に形成されている。仕切金具50は、上方から外嵌部74を仕切部材48の肉厚部68へ外嵌すると共に、フランジ部76を仕切部材48の外周部へ当接させている。これにより、仕切部材48の凹部70の上面側が外嵌部74の頂板部78により閉止され、この凹部70内には主液室56及び副液室58から区画された収納室80が設けられる。この収納室80内には、軸方向に沿った肉厚が略一定とされた円板状の空間が形成されている。また仕切金具50には、図2(B)に示されるように、外周端から内周側へ向って略矩形状に切り欠かれた切欠部82が形成されており、この切欠部82を通して、オリフィス66の連通口64は副液室58へ連通している。
図2(B)に示されるように、仕切金具50には、その頂板部78に内周部から外周側へ向って周方向に沿った寸法が広がる扇状の開口部88が複数個(本実施形態では、4個)穿設されている。この開口部88を通して収納室80は副液室58と互いに連通している。また図2(A)に示されるように、仕切部材48の底板部90にも、仕切金具50の開口部88と同様の形状及び開口面積を有する開口部92が複数個(本実施形態では、4個)穿設されている。この開口部92を通して収納室80は、主液室56と互いに連通している。また収納室80内には、ゴムを素材として略円板状に形成された可動板94が収納されている。
図3(B)に示されるように、可動板94は、その厚さ方向に沿った表面部及び裏面部がそれぞれ凸状の湾曲面(球面)からなる略凸レンズ状に形成されており、これらの表面部及び裏面部の形状が互いに略面対称となっている。ここで、可動板94の中心部における厚さPT(図3(B)参照)は、収納室80の軸方向に沿った厚さSTよりも厚くなっており、具体的には、例えば、可動板94は厚さPTが5.2mmとされ、収納室80の厚さST(図2(A)参照)は4.2mmとされている。これにより、収納室80内に収納された可動板94は、その中心部が仕切金具50の外嵌部74及び仕切部材48の底板部90との間で軸方向に沿って圧縮された状態で挟持され、この中心部に対して外周側の撓み部96が外嵌部74及び底板部90から軸方向に沿って離間した状態となる。
可動板94の外径は収納室80の内径よりも僅かに小さいか、収納室80の内径と略等しくなっている。これにより、可動板94は、収納室80内に収納された状態で、外嵌部74及び底板部90にそれぞれ圧接した中心部付近を支点(揺動中心)として撓み部96が軸方向に沿って上下するように揺動可能に支持される。また図2(A)に示されるように、可動板94の外周端は、底板部90の開口部92及び仕切金具50の開口部88の外周端よりも外周側まで延出している。
図3(A)に示されるように、可動板94には、その表面部及び裏面部における所定の領域にそれぞれ凹状のディンプル部98が複数形成されている。これらのディンプル部98は、可動板94の外周端に対して内周側であって、外嵌部74及び底板部90にそれぞれ圧接した中心部を除く領域、すなわち撓み部96に形成されている。これらのディンプル部98は、軸心Sを中心とする一の径方向及び、この一の径方向と直交する他の径方向に沿って格子状に配列され、前記一の径方向及び他の径方向に沿ったピッチが略一定とされている。
また図3(B)に示されるように、ディンプル部98は、その内面が凹状の湾曲面からなる略半球状に形成されている。またディンプル部98の厚さ方向に沿った深さは、中心側に位置するものが最も深く、外周側へ配置されたものほど浅くなっている。これにより、可動板94からディンプル部98の深さを引いた残厚D(図3(B)参照)が撓み部96における任意の部位で略一定となり、撓み部96の外周側の部分での残厚Dが極端に薄くなり、撓み部96に液圧に対抗できる剛性が確保できなくなることが防止されている。
次に、上記のように構成された本発明の第1の実施形態に係る防振装置10の作用について説明する。防振装置10では、エンジン又は車体側からの振動入力時に、吸振主体である弾性体16が振動により弾性変形すると、この振動が弾性体16によって減衰吸収される。
また防振装置10では、エンジン又は車体側からの振動入力時に、この振動入力に同期して弾性体16が弾性変形すると共に主液室56内の液圧が変化する。この液圧変化に伴って、オリフィス66を通して主液室56と副液室58との間に液体が相互に流通すると共に、主液室56に連通した収納室80内に収納された可動板94には、入力振動に同期して周期的に変化する液圧(圧力波)が作用する。これにより、可動板94は、その中心部付近を支点として収納室80内で僅かに揺動すると共に、撓み部96が主液室56内の液圧変化に伴って軸方向に沿って上下へ撓み変形する。このとき、撓み部96は、収納室80内で主液室56内の液圧変化に同期して上下へ撓み変形すると同時に、仕切金具50における頂板部78及び仕切部材48における底板部90に当接及び離間する動作を繰り返す。
防振装置10では、上記したように、主液室56内の液圧変化に同期して撓み変形する撓み部96が仕切金具50の頂板部78及び仕切部材48の底板部90に当接及び離間する動作を繰り返すと、可動板94の外周端と収納室80の内周面との間に撓み量に対応する幅の隙間が形成されることから、この隙間及び開口部88,92を通って主液室56と副液室58との間で液体が相互に流通する現象が生じ得る。一方、防振装置10では、主液室56内の液圧変化に同期して撓み変形する撓み部96が仕切金具50の頂板部78及び仕切部材48の底板部90の一方に密着すると、撓み部96により開口部92及び開口部88の一方が閉止されて収納室80が閉塞した状態となるので、収納室80を通って主液室56と副液室58との間で液体が流通することが実質的に阻止される。
具体的には、防振装置10では、入力振動の周波数がシェイク振動の周波数(例えば、8〜12Hz)以下で、その振幅が大きい場合(例えば、0.5mm〜1mm程度の場合)には、可動板94の撓み部96が仕切部材48の底板部90又は仕切金具50の頂板部78に密着した状態となり、開口部88,92の一方が塞がれる。このとき、ディンプル部98が可動板94の外周端部に対して内周側へ離間するように配置されているので、可動板94が仕切部材48の底板部90又は仕切金具50の頂板部78に密着した状態では、可動板94の撓み部96により開口部88,92が確実に閉止され、収納室80内を通って液体が主液室56又は副液室58へ漏れることが防止される。これにより、収納室80内を通って液体が主液室56と副液室58との間を実質的に流通することがなくなり、オリフィス66のみを通して主液室56と副液室58との間で液体が相互に流通する。ここで、オリフィス66は、その路長及び断面積がシェイク振動に適合するようにチューニングされている。この結果、防振装置10では、入力振動が特にシェイク振動の場合には、オリフィス66を流通する液体に共振現象(液柱共振)が生じ、この液柱共振の作用によって入力振動を効果的に減衰できる。
また防振装置10では、入力振動の周波数がシェイク振動の周波数よりも高く、その振幅が小さい場合、例えば、入力振動がアイドル振動(例えば、20〜30Hz)で、その振幅が0.1mm〜0.2mm程度の場合には、シェイク振動に適合するようにチューニングされたオリフィス66が目詰まり状態となり、オリフィス66には液体が流れ難くなるが、可動板94の撓み部96が収納室80内で入力振動に同期して上下へ撓み変形することにより、収納室80内における可動板94との隙間を通って主液室56と副液室58との間で液体の流通が生じるので、主液室56内の液圧上昇に伴う動ばね定数の上昇を抑えることができ、このような高周波振動の入力時も弾性体16の動ばね定数を低く維持し、この弾性体16の弾性変形等により高周波振動も効果的に吸収できる。
また本実施形態に係る防振装置10では、可動板94における撓み部96の表面部及び裏面部にディンプル部98が形成され、このディンプル部98が可動板94の外周端部よりも内周側に配置したことにより、エンジン又は車体側からの振動入力時に可動板94の撓み部96が収納室80内で上下へ撓み変形し、この撓み変形に同期して撓み部96が仕切部材48の底板部90及び仕切金具50の頂板部78へ繰り返し当接(衝突)する際に、ディンプル部98により撓み部96の表裏面と仕切部材48の底板部90及び仕切金具50の頂板部78との間に部分的に隙間が形成され、撓み部96の表裏面における外周端を除く部分が仕切部材48の底板部90及び仕切金具50の頂板部78に完全に密着することが防止されるので、可動板にディンプル部98が形成されていない場合と比較し、仕切部材48の底板部90及び仕切金具50の頂板部78に当接(衝突)した撓み部96の表裏面に作用する衝撃的な応力がディンプル部98からの距離に応じて変化し、撓み部96の表裏面に仕切部材48又は仕切金具50からの反力として作用する衝撃的な応力値の分布が不均一になる。
この結果、本実施形態に係る防振装置10によれば、エンジン又は車体側から振動入力時に可動板94の撓み部96が収納室80内で上下へ撓み変形し、この撓み変形に同期して可動板94の撓み部96が仕切部材48の底板部90及び仕切金具50の頂板部78に衝突することにより生じる打音の音圧を低減できる。また可動板94には、その表裏面にそれぞれ形成されたディンプル部98が互いに正対するように配置されている。これにより、可動板94の撓み部96には、表裏面のディンプル部98が正対する部位が局所的に低剛性となるので、この低剛性の部分が起点となって撓み部96の撓み性が良好となる。この結果、所定の周波数を有する振動入力時には撓み部98が入力振動に同期して精度良く、かつ十分な振幅で振幅するようになり、液体が収納室80内を良好に流通する。
なお、以上説明した本実施形態に係る防振装置10では、収納室80内に収納される可動板94として表裏面が凸の球面からなる略凸レンズ状のものを用いていたが、このような可動板94に代えて、例えば、図4に示されるように、厚さが径方向に沿った任意の部位で略一定とされた円板状の可動板100が適用された防振装置においても、可動板100の表裏面にそれぞれ凹状のディンプル部102を形成することにより、エンジン又は車体側からの振動入力時に、可動板94が収納室80内で上下へ振動し、この振動に同期して可動板94が仕切部材48の底板部90及び仕切金具50の頂板部78に衝突することにより生じる打音の音圧を低減できる、という効果を得られる。
また本実施形態に係る防振装置10では、可動板94,100に内面が凹状の湾曲面からなる略半球状のディンプル部98,102を形成したが、このようなディンプル部としては、可動板94,100の外周端から内周側に離間するように配置されていれば、例えば、内面が円錐状や角錐状に形成されたもの、径方向へ延在する溝状のもの、周方向へ延在する溝状のもの、軸心Sを中心としてスパイラル状に延在するもの等でも良く、これらの開口面積、ピッチ、深さ等を適宜設定することにより、エンジン又は車体側からの振動入力時に、可動板94,100が収納室80内で上下へ振動し、この振動に同期して可動板94,100が仕切部材48の底板部90及び仕切金具50の頂板部78に衝突することにより生じる打音の音圧を低減できる、という効果を得られる。
本発明の第1の実施形態に係る防振装置の構成を示す断面図である。 図1に示される可動板を収納した仕切部材及び仕切金具の構成を示す側面断面図及び斜視図である。 図1に示される可動板の構成を示す平面図及び斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る防振装置における可動板の他の例を示す側面断面図である。
符号の説明
10 防振装置
12 内筒金具(取付部材)
14 外筒金具(取付部材)
16 弾性体
48 仕切部材
50 仕切金具(仕切部材)
54 ダイヤフラム
56 主液室
58 副液室
66 オリフィス(制限通路)
78 頂板部(開口周縁部)
80 収納室
88 開口部
90 底板部(開口周縁部)
92 開口部
94 可動板
96 撓み部(撓み領域)
98 ディンプル部
100 可動板
102 ディンプル部

Claims (6)

  1. 振動発生部及び振動受部の一方に連結される第1の取付部材と、
    振動発生部及び振動受部の他方に連結される第2の取付部材と、
    前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に配置された弾性体と、
    液体が封入され、前記弾性体を隔壁の一部として該弾性体の変形に伴い内容積が変化する主液室と、
    液体が封入され、隔壁の少なくとも一部がダイヤフラムにより形成されて拡縮可能とされた副液室と、
    前記主液室と前記副液室との間を区画し、内部に中空状の収納室が設けられると共に、該収納室を前記主液室及び前記副液室にそれぞれ連通させる開口部が形成された仕切部材と、
    前記主液室と前記副液室とを連通する制限通路と、
    前記収納室内に液体が流通することを制限するように配設されると共に、前記仕切部材における前記開口部が開口した開口周縁部との間に所定寸法の隙間を形成し、前記第1又は第2の取付部材への振動入力時に前記隙間の範囲内で振動し、該振動に同期して前記開口周縁部に対して接離する可動板と、
    を有する防振装置であって、
    前記可動板における前記仕切部材の開口周縁部と対向する対向面に凹状のディンプル部を形成し、該ディンプル部を前記可動板の外周端に対して内周側へ離間するように配置したことを特徴とする防振装置。
  2. 前記ディンプル部を、前記可動板における前記仕切部材の開口周縁部と接離する開閉領域に局所的に形成したことを特徴とする請求項1記載の防振装置。
  3. 前記ディンプル部を前記可動板に複数形成し、これら複数のディンプル部を前記可動板の径方向及び周方向に沿って互いに離間するように配置したことを特徴とする請求項1又は2記載の防振装置。
  4. 前記ディンプル部を、その内面が凹状の湾曲面からなる略半球状に形成したことを特徴とする請求項1、2又は3記載の防振装置。
  5. 前記可動板を、その厚さ方向に沿った表裏面がそれぞれ凸状の湾曲面からなる略凸レンズ状に形成すると共に、該可動板の表裏面における中心部がそれぞれ前記仕切部材の内壁面に圧接するように前記収納室内に収納し、
    前記第1又は第2の取付部材への振動入力時に、該振動入力に同期して前記可動板前における前記収納室の内壁面に圧接する中心部に対して外周側の撓み領域が、前記開口周縁部に対して接離することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の防振装置。
  6. 前記ディンプル部を、前記可動板における前記撓み領域に局所的に形成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の防振装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007321957A (ja) * 2006-06-05 2007-12-13 Kurashiki Kako Co Ltd 液体封入式防振マウント
US8025273B2 (en) 2007-05-22 2011-09-27 Kurashiki Kako Co., Ltd. Liquid-filled anti-vibration mounting device
WO2020007976A1 (de) * 2018-07-06 2020-01-09 Vibracoustic Gmbh Hydraulisch dämpfendes lager

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