JP2008089133A - 防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】流通制御板が第1の仕切部材又は第2の仕切部材へ衝突した際に、打音が生じることを抑制する。
【解決手段】オリフィス形成部56には、オリフィス溝58が軸方向に沿ってオリフィス蓋部64側へ開口するように形成され、オリフィス溝58の底面部から開口端まで延出する一対の隔壁部134、136が形成されている。これにより、仕切金具46におけるオリフィス形成部56の軸方向に沿った剛性を大きいものにでき、オリフィス形成部56が外筒金具12における段差部28及びかしめ部32軸方向に沿って大きな拘束力(圧縮荷重)を受けた場合にも、オリフィス形成部56が軸方向に沿って塑性変形することを防止できるので、段差部28及びかしめ部32がオリフィス形成部56及びオリフィス蓋部64に作用させる拘束力を十分に大きくできる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、自動車、一般産業用機械等に適用され、エンジン等の振動発生部から車体等の振動受部へ伝達される振動を遮断及び吸収する防振装置に関する。
自動車には、エンジンと車体(フレーム)との間にエンジンマウントが配置されている。このようなエンジンマウントとして適用される防振装置としては、例えば、特許文献1に示されている液体封入式のものが知られている。特許文献1に示された防振装置には、外筒金具、ゴム弾性体及びダイヤフラムにより外部から密閉された液室空間が形成されており、この液室空間は、外筒金具内に嵌挿された内部隔壁によりゴム弾性体を隔壁の一部とする受圧液室と、ダイヤフラムを隔壁の一部とする副液室とにそれぞれ区画され、これらの受圧液室と副液室とがオリフィスにより繋ぎ合わされている。
ここで、受圧液室、副液室及びオリフィス内には、水、エチレングリコール等の液体が充填されている。内部隔壁には内周側に円柱状の空間である収納室が設けられ、この収納室は仕切壁に形成された第1及び第2の開口部を通して受圧液室及び副液室にそれぞれ連通している。この防振装置では、収納室内にゴム等により円板状に形成された可動メンブランが収納されており、この可動メンブランは、収納室内で入力振動の振幅方向に沿って振動可能とされている。
上記のような防振装置で用いられる内部隔壁としては、例えば、アルミ合金等により肉厚円板状に形成され、その上面中央部に円形の凹部が形成された仕切部材(第1の仕切部材)と、鋼板等により薄肉円板状に形成された仕切金具(第2の仕切部材)とを備えたものがある。この内部隔壁を組み立てる際には、第1の仕切部材の凹部内に可動メンブランを挿入し、第1の仕切部材の外周側と第2の仕切部材の外周側とを互いに突き合わせた後、これら第1及び第2の仕切部材を防振装置の外筒金具の内周側へ嵌挿し、第1及び第2の仕切部材の外周縁部がそれぞれ挟持されるように外筒金具の一端部を内周側へかしめて、第1及び第2の仕切部材とを互いに固定すると共に、外筒金具内における所定の位置へ固定する。
また第1の仕切部材には、その外周面における軸方向中央部に周方向へ延在するように凹状のオリフィス溝が形成されると共に、軸方向に沿ってオリフィス溝に対して受圧液室側及び副液室側にそれぞれリブ状の隔壁部が形成される。第1の仕切部材は、外筒金具内へ嵌挿された状態で、一対の隔壁部の外周端を、それぞれゴム製の被覆部を介して外筒金具の内周面へ全周に亘って圧接させる。これにより、オリフィス溝の外周側が外筒金具の内周面により閉塞され、オリフィス溝内に周方向へ延在する細長い空間が形成され、この細長い空間は受圧液室と副液室とを互いに連通するオリフィスの一部とされる。
特開2006−38015号公報
ところで、特許文献1に記載されたような防振装置では、振動入力時に可動メンブランが入力振動の振幅方向に沿って振動し、収納室の内壁面に繰り返し衝突し、収納室の内壁面を形成する第1の仕切部材及び第2の仕切部材には衝撃力が繰り返し作用する。このように可動メンブランから第1の仕切部材及び第2の仕切部材へ衝撃力が作用すると、第1の仕切部材と第2の仕切部材との間や、第1の仕切部材又は第2の仕切部材と外筒金具との間に軸方向(振幅方向)に沿って微小な隙間が生じた後、この隙間が閉じる際に第1の仕切部材と第2の仕切部材とが衝突し、或いは第1の仕切部材又は第2の仕切部材と外筒金具とが衝突して打音が生じる。このようにして防振装置から発生する打音は、外筒金具を介して車体側へ伝達され、車内へ不快な異音として侵入するおそれがある。
また特許文献1に記載されたような防振装置では、振動入力時に可動メンブランが収納室の内壁面に衝突すると、その衝撃力により第1の仕切部材及び第2の仕切部材が振動する。このように仕切部材に生じた振動も外筒金具を介して車体側へ伝達され、車体に不快な振動を発生させるおそれがある。
本発明の目的は、上記事実を考慮して、流通制御板が第1の仕切部材又は第2の仕切部材へ衝突した際に、打音が生じることを効果的に抑制できると共に、衝撃力が振動となって第1の仕切部材から装置外部へ伝達されることを効果的に抑制できる防振装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る防振装置は、筒状に形成され、振動発生部及び振動受部の一方に連結される第1の取付部材と、前記第1の取付部材の内周側に配置され、振動発生部及び振動受部の他方に連結される第2の取付部材と、前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に配置されたゴム弾性体と、液体が封入され、前記ゴム弾性体を隔壁の一部として該ゴム弾性体の変形に伴い内容積が変化する受圧液室と、液体が封入され、液圧変化に応じて内容積が拡縮可能とされた副液室と、前記第1の取付部材の内周側に装入され、該第1の取付部材の軸方向に沿って前記受圧液室と前記副液室との間を区画した第1の仕切部材と、前記第1の取付部材の内周側に挿入され、前記第1の仕切部材との間に前記受圧液室及び前記副液室から区画された収納室を形成する第2の仕切部材と、前記第1及び前記第2の仕切部材にそれぞれ形成され、前記収納室を前記受圧液室及び前記副液室に連通させる第1及び第2の開口部と、前記収納室内に配置され、入力振動に同期して振動して前記第1及び第2の開口部を通じた前記受圧液室と前記副液室との間の液体流通を制御する流通制御板と、前記第1の仕切部材の外周側に一体的に設けられ、前記軸方向に沿った一端面に前記第2の仕切部材側へ開口すると共に、周方向へ延在するオリフィス溝が形成されたオリフィス形成部と、前記第2の仕切部材の外周側に一体的に設けられ、前記軸方向に沿って前記オリフィス形成部の一端面に突き当てられ、前記オリフィス溝を前記軸方向外側から閉塞して、前記オリフィス溝内に前記受圧液室と前記副液室とを互いに連通する制限通路の少なくとも一部を形成するオリフィス蓋部と、前記第1の取付部材に一体的に設けられ、前記オリフィス形成部及び前記オリフィス蓋部をそれぞれ前記軸方向外側から加圧状態で挟持する拘束部と、を有し、前記オリフィス形成部を、その外周面全体が前記第1の取付部材の内周面に対して非接触状態となるように設けたことを特徴とする。
上記請求項1に係る防振装置では、第1の取付部材に一体的に設けられた拘束部が、オリフィス形成部及びオリフィス蓋部をそれぞれ軸方向外側から加圧状態で挟持することにより、オリフィス形成部とオリフィス蓋部とが互いに圧接する状態となって、オリフィス形成部(第1の仕切部材)とオリフィス蓋部(第2の仕切部材)とを離間しないように拘束できると共に、第1の仕切部材と第2の仕切部材とを第1の取付部材における拘束部に拘束できる。
このとき、第1の仕切部材のオリフィス形成部には、オリフィス溝が軸方向に沿って第2の仕切部材側へ開口すると共に周方向へ延在するように形成されていることから、径方向に沿ってオリフィス溝の外周側及び内周側にそれぞれ軸方向へ延在する隔壁部が形成される。
従って、従来の防振装置のように、第1の仕切部材の外周面に周方向へ延在するオリフィス溝が形成されている場合と比較し、第1の仕切部材(オリフィス形成部)の軸方向に沿った剛性を大きいものにでき、オリフィス形成部が拘束部から軸方向に沿って大きな拘束力(荷重)を受けた場合にも、オリフィス形成部が軸方向に沿って塑性変形することを防止できる。
この結果、請求項1に係る防振装置によれば、第1の取付部材の拘束部がオリフィス形成部及びオリフィス蓋部に作用させる拘束力を大きくできると共に、この拘束力を大きくした場合でも、第1の仕切部材のオリフィス形成部が塑性的に変形し、オリフィス形成部とオリフィス蓋部との間及びオリフィス形成部及びオリフィス蓋部と拘束部との間にそれぞれ隙間が生じることを効果的に防止できるので、流通制御板が収納室を構成する第1の仕切部材及び第2の仕切部材へ衝突して生じる衝撃力により打音が生じることを効果的に防止できる。
また請求項1に係る防振装置では、オリフィス形成部が、その外周面全体が第1の取付部材の内周面に対して非接触状態となるように設けられていることにより、オリフィス形成部を含む第1の仕切部材に生じた振動が第1の取付部材へ直接伝達されることがなくなるので、流通制御板が第1の仕切部材又は第2の仕切部材へ衝突して第1の仕切部材に振動が生じても、この第1の仕切部材の振動が外筒金具を介して装置外部へ伝達されることを効果的に抑制できる。
また本発明の請求項2に係る防振装置は、請求項1記載の防振装置において、前記オリフィス形成部を、その外周面と前記第1の取付部材の内周面との間に形成される隙間の径方向に沿った幅が周方向に沿った任意の部位で0.5mm以上となるように設けたことを特徴とする。
また本発明の請求項3に係る防振装置は、請求項1又は2記載の防振装置において、前記副液室の隔壁の一部を形成し、前記副液室内の液圧変化に応じて該副液室の容積拡縮方向へ変形するダイヤフラムと、前記ダイヤフラムの外周縁部に全周に亘って固着されると共に、前記軸方向に沿って前記オリフィス形成部の他端面に突き当てられる環状の連結金具と、を有し、前記拘束部は、前記連結金具を介して、前記オリフィス形成部及び前記オリフィス蓋部をそれぞれ前記軸方向外側から加圧状態で挟持することを特徴とする。
また本発明の請求項4に係る防振装置は、請求項3記載の防振装置において、前記オリフィス形成部の外周面における前記軸方向に沿った他端部に形成され、一端側よりも小径とされた被嵌挿部と、前記連結金具における前記軸方向に沿った一端部に形成され、前記被嵌挿部の外周側に嵌挿される嵌挿部と、前記ダイヤフラムと一体的に形成され、前記嵌挿部の外周面を被覆する被覆部と、を有し、前記被嵌挿部と前記第1の取付部材の内周面との間に、前記嵌挿部及び前記被覆部を全周に亘って介装したことを特徴とする。
以上説明したように本発明の防振装置によれば、流通制御板が第1の仕切部材又は第2の仕切部材へ衝突した際に、打音が生じることを効果的に抑制できると共に、衝撃力が振動となって第1の仕切部材から装置外部へ伝達されることを効果的に抑制できる。
以下、本発明の実施形態に係る防振装置について図面を参照して説明する。
(実施形態の構成)
図1及び図2には、本発明の実施形態に係る防振装置が示されている。この防振装置10は、自動車における振動発生部であるエンジンを振動受部である車体へ支持するエンジンマウントとして適用されるものである。なお、図中、符合Sは装置の軸心を示しており、この軸心Sに沿った方向を装置の軸方向として以下の説明を行う。
図1に示されるように、防振装置10は、外周側に軸方向両端部がそれぞれ開口した薄肉円筒状に形成された外筒金具12と、この外筒金具12の内周側に略同軸的に配置された取付部材14と、外筒金具12と取付部材14との間に配置されたゴム弾性体16を備えている。取付部材14には、下端側に肉厚円筒状の筒状金具18が設けられると共に、この筒状金具18の上端部に溶接等により固定されるインサート金具20が設けられている。
筒状金具18は、上端側が外筒金具12内へ挿入されると共に、下端側が外筒金具の下端側の開口を通って下方へ突出している。インサート金具20は、上端側から下端側へ向って内外径がテーパ状に縮径する有底円筒状に形成されており、周壁部に軸心Sを中心とする径方向へ貫通する複数の湯道穴22が形成されている。
外筒金具12には、上端側に下端側の小径部24に対して内外径がそれぞれ拡大した大径部26が形成されると共に、小径部24と大径部26との間に段差部28が全周に亘って形成されている。また外筒金具12には、小径部24の下端部に下方へ向って内外径がテーパ状に縮小するテーパ部30が屈曲形成されると共に、大径部26の上端部に装置の組立前には軸方向上側へ延出する複数個のかしめ部32が一体的に形成されている。このかしめ部32は略矩形状に形成されており、装置の組立時に内周側へ屈曲されて後述する外筒金具12内へ嵌挿された隔壁体44を固定する。
防振装置10は、円筒状のホルダ部及び、このホルダ部の外周面からそれぞれ延出する複数本の脚部が設けられたシャーシブラケット(図示省略)を備えており、シャーシブラケットは、そのホルダ部が外筒金具12の外周側に嵌挿されると共に、複数の脚部の先端側がそれぞれボルト等により車体側に締結固定される。これにより、防振装置10における外筒金具12がシャーシブラケットを介して車体側に連結される。
また防振装置10は、レバー状のエンジンブラケット(図示省略)を備えており、このエンジンブラケットは、その基端部がボルトにより筒状金具18の下端部に締結固定されると共に、先端部がボルトにより車両におけるエンジン側に締結固定される。これにより、防振装置10における取付部材14がエンジンブラケットを介してエンジン側に連結される。
ゴム弾性体16は、軸方向に沿った断面形状が上端側から下端側へ向って外径が拡大する略円錐台状に形成されており、外周面の下端側が全周に亘って外筒金具12における小径部24内周面の下端側に加硫接着されると共に、内周面の下端部が筒状金具18外周面の上端部に加硫接着されている。またインサート金具20はゴム弾性体16内の上端側に埋設されており、ゴム弾性体16は、インサート金具20の外周側及び内周側にそれぞれ加硫接着されると共に、湯道穴22を通ってインサート金具20の内周側に充填されている。これにより、防振装置10では、ゴム弾性体16により外筒金具12と取付部材14とが弾性的に連結される。
ゴム弾性体16には、下端面における筒状金具18外周側に凹状のすぐり部36が周方向へ延在するように形成されている。防振装置10では、すぐり部36によりゴム弾性体16の軸方向に沿った厚さを調整することにより、軸方向に沿った荷重に対するゴム弾性体16の剛性を調整している。またゴム弾性体16には、外周部の上端側から延出する円筒状の第1インシュレータ膜38が一体的に形成されている。
第1インシュレータ膜38は、小径部24内周面の上端側を覆うように外筒金具12に加硫接着されている。第1インシュレータ膜38は、その内周面が後述する受圧液室92内の液体からの液圧を受ける受圧領域とされており、受圧領域には軸方向へ延在する複数本の剛性調整溝42が形成されている。剛性調整溝42は断面形状が略半円状とされており、第1インシュレータ膜38の上端からゴム弾性体16の外周部まで直線的に延在している。複数本の剛性調整溝42は、軸心Sを中心とする周方向に沿って等ピッチで配列されている。
図1に示されるように、防振装置10には、外筒金具12における大径部26の内周側に略円板状の隔壁体44が配置されている。隔壁体44は、上端側が閉止された略肉厚円筒状に形成された仕切金具46及び、この仕切金具46の下面側に組み付けられる蓋金具48を備えている。蓋金具48は上端側が閉止された略ハット状に形成されている。仕切金具46には、上端面の内周側に肉厚円板状の頂板部50が形成されており、仕切金具46の頂面では、頂板部50が外周側に対し凸状となって上方へ突出している。
頂板部50には、中央部に肉厚円筒状のボス部102が一体的に形成されている。ボス部102は頂板部50から下方へ突出しており、その中心部には軸方向へ貫通する上側挿通穴104が穿設されている。頂板部50には、ボス部102の外周側に環状の凹部52が形成されると共に、この凹部52内における上端側の底面と隔壁体44との頂面との間を貫通する複数個の上側開口54が形成されている。これらの上側開口54は、例えば、内周側から外周側へ向って径方向に沿った幅が広がる扇状に形成されており、軸心Sを中心とする径方向に沿って等間隔で配列されている。頂板部50には、凹部52内における上側開口54を除く底面部分を被覆するように薄膜状のクッションゴム106が加硫接着により固着されている。このクッションゴム106は、後述する可動メンブラン74が頂板部50へ衝突した際の衝撃を緩衝する。
仕切金具46には、頂板部50の外周側に肉厚円筒状のオリフィス形成部56が頂板部50に対して下方へ突出するように形成されている。オリフィス形成部56の下端面には、断面が略U字状とされたオリフィス溝58が形成されており、このオリフィス溝58は、軸心Sを中心とする周方向に沿って1周近く亘って延在している。これにより、オリフィス形成部56には、図2に示されるように、オリフィス溝58の外周側及び内周側にそれぞれオリフィス溝58の底面部から開口端まで延出する一対の隔壁部134、136が形成される。また仕切金具46には、オリフィス溝58の一端部における上端側の底部とオリフィス形成部56の上端面との間を貫通する上側連通路60が形成されている。
蓋金具48には、内周側に円筒状の圧入筒部62が形成されると共に、この圧入筒部62の下端部から外周側へ延出するフランジ状のオリフィス蓋部64が屈曲形成されている。圧入筒部62は、その上端側が底板部81により閉止されており、底板部81には、中心部に軸方向へ貫通する下側挿通穴108が穿設されると共に、この下側挿通穴108の外周側にそれぞれ軸方向へ貫通する複数個の下側開口66が形成されている。これらの下側開口66は上側開口54と同一形状とされると共に、同一個数だけ設けられており、開口面積の総和が複数個の上側開口54の開口面積の総和と実質的に等しくなっている。
図1に示されるように、蓋金具48は、圧入筒部62を仕切金具46におけるオリフィス形成部56の内周側へ嵌挿すると共に、オリフィス蓋部64の上面側をオリフィス形成部56の下端面に突き当てている。これにより、仕切金具46における凹部52の下端側が蓋金具48の底板部81により閉止され、凹部52内には、外部から区画された円板状の空間である収納室68が形成される。また仕切金具46におけるオリフィス溝58の下端側がオリフィス蓋部64により閉塞され、オリフィス溝58内には周方向へ延在する細長い空間(オリフィス空間)が形成される。またオリフィス蓋部64には、オリフィス溝58の他端部に面して軸方向へ貫通する下側連通路70が穿設されている。
ここで、圧入筒部62は、オリフィス形成部56内への圧入前の状態では、オリフィス形成部56の内径よりも僅かに大きい外径(圧入径)を有しており、オリフィス形成部56の内周側へ嵌挿されると、内周側へ弾性的に変形した圧入状態となってオリフィス形成部56へ固定(圧入固定)される。このとき、蓋金具48における底板部81及びオリフィス蓋部64が、それぞれ圧入用のプレス装置等により軸方向に沿って仕切金具46側へ加圧されることにより、圧入筒部62がオリフィス形成部56の内周側へ圧入されるが、圧入の完了直前に、底板部81にはオリフィス蓋部64よりも大きな加圧力が加えられる。これにより、オリフィス蓋部64全体をオリフィス形成部56の下端面に確実に圧接させることができ、スプリングバック等によりオリフィス蓋部64とオリフィス形成部56との間に隙間が生じることが防止される。
防振装置10は、仕切金具46の上側挿通穴104及び蓋金具48の下側挿通穴108を挿通するリベット110を備えている。リベット110には、丸棒状の軸部の基端部に大径の頭部112が一体的に形成されると共に、軸部の先端部がかしめにより拡径するかしめ部114とされている。リベット110は、圧入筒部62がオリフィス形成部56の内周側に圧入された後に、頭部112が頂板部50の上面側に当接するように、軸部が上側挿通穴104及び下側挿通穴108内へ挿入され、かしめ部114を底板部81から突出させる。このかしめ部114は、ポンチ等のかしめ用治具により軸方向に沿って加圧されることにより、下側挿通穴108よりも大径の略円板状に塑性変形し、底板部81の下面側に圧接する。このとき、仕切金具46は、ボス部102の下端面を底板部81における下側挿通穴108の周縁部に圧接させる。これにより、仕切金具46の中心部と蓋金具48の中心部とがリベット110及びボス部102により連結固定され、仕切金具46の中心部及び蓋金具48の中心部の一方が他方に対して離間することが制限される。
またオリフィス形成部56には、図2に示されるように、その下端面における外周側に内周側に対して下方へ突出した環状の突当部116が形成されると共に、この突当部116の内周縁とオリフィス形成部56の内周端との間に突当部116に対して上方へ凹んだ環状の逃げ部118が形成されている。これにより、オリフィス形成部56は、図2に示されるように、その下端面における突当部116のみをオリフィス蓋部64の外周側へ圧接させ、逃げ部118をオリフィス蓋部64の内周側から離間させ、逃げ部118とオリフィス蓋部64の内周側との間に薄肉リング状の隙間GLを形成する。
図1に示されるように、蓋金具48の下面側には、ゴム材料によりシート状に形成された第2インシュレータ膜40が加硫接着されており、この第2インシュレータ膜40は圧入筒部62の下面側における下側開口66を除く部分を覆っている。第2インシュレータ膜40は、後述する受圧液室92内の液体からの液圧を受ける下面側が受圧領域とされている。
隔壁体44の収納室68内には、ゴムを素材として略円板状に形成された可動メンブラン74が収納されている。可動メンブラン74には、その中心部に肉厚円筒状の筒部120が一体的に形成されており、この筒部120は、仕切金具46におけるボス部102の外周側に嵌挿(圧入)されている。また可動メンブラン74には、筒部120外周面における軸方向中間部から外周側へ延出するリング状の弁体部122が一体的に形成されている。弁体部122は厚さが径方向に沿った任意の部位で略一定とされている。
図2に示されるように、弁体部122には、その上面部及び下面部にはそれぞれ多数のディンプル124が凸状又は凹状(本実施形態では、凸状)に形成されている。ディンプル124は内径が数mm程度とされ、軸方向に沿った断面が例えば半球状に形成されている。多数個のディンプル124は径方向及び周方向に沿って略一定のピッチで配列されている。これらのディンプル124は、可動メンブラン74の弁体部122が頂板部50及び底板部81へ衝突した際の衝撃を分散し、打音の発生を抑制する。また弁体部122には、表面部の外周縁部及び裏面部の外周縁部にそれぞれ全周に亘ってリブ状のシール突起部126、128が形成されている。
可動メンブラン74は、筒部120が頂板部50と底板部81との間で圧縮状態となっており、頂板部50及び底板部81により軸方向への移動が制限されている。また弁体部122は、図2に示されるように、その厚さPTが収納室68の軸方向に沿った幅STよりも所定寸法短くなっている。具体的には、例えば、弁体部122の厚さPTと収納室68の幅STとの差は、車両における相対的に低周波振動であるシェイク振動の振幅よりも短く、かつ高周波振動であるアイドル振動の振幅よりも長くなるように設定されている。これにより、収納室68内に収納された弁体部122と仕切金具46の頂板部50及び蓋金具48の底板部81との間には軸方向に沿ってシェイク振動とアイドル振動との振幅差に対応する幅の隙間が形成される。
ここで、図1に示されるように、弁体部122の外径は収納室68の内径よりも僅かに小さくなっており、弁体部122におけるシール突起部126、128は、頂板部50の上側開口54及び蓋金具48の下側開口の外周端よりも外周側に位置している。これにより、可動メンブラン74は、収納室68内に収納された状態で、軸方向に沿って厚さPTと幅STの差の範囲内で往復移動(振動)可能となる。
防振装置10では、外筒金具12の上端側から大径部26の内周側に隔壁体44が嵌挿されている。ここで、隔壁体44の上端側を構成する仕切金具46の外径は大径部26の内径よりも所定長短くなっている。これにより、仕切金具46と大径部26とが互いに同軸的な位置にあると、仕切金具46の外周面と大径部26の内周面との間には、図2に示されるように、径方向に沿って所定の幅を有する薄肉円筒状の隙間GRが形成される。この隙間GRの径方向に沿った幅は、例えば、0.5mm以上、2.0mm以下の範囲から選択された長さに設定される。また隔壁体44は、大径部26内へ嵌挿されると、オリフィス蓋部64下面側の外周縁部を外筒金具12における段差部28の上面側へ直接当接させる。
図1に示されるように、防振装置10は、隔壁体44(仕切金具46)の外周側へ上端側から嵌挿され、隔壁体44と共に大径部26の内周側へ配置される略円筒状の連結金具78を備えている。連結金具78には、下端側に円筒状の嵌挿部80が形成されると共に、この嵌挿部80の上端部から内周側へ屈曲されたフランジ部84を介して嵌挿部80よりも内外径が小さい円筒状の支持部82が形成されている。防振装置10は、支持部82の内周側を閉塞するゴム製のダイヤフラム86を備えている。ダイヤフラム86には、外周側に連結金具78の内周側及び外周側をそれぞれ被覆する被覆部88が一体的に形成されると共に、この被覆部88の内周側に上方へ向って凸の椀状とされた拡縮膜90が一体的に形成されている。被覆部88は、図2に示されるように、連結金具78の外周側全体を覆うと共に、連結金具78の内周側における嵌挿部80を除く上端側を覆っている。
一方、仕切金具46には、オリフィス形成部56の外周面の上端部に下端側に対して外径が小さくされた被嵌挿部80が形成されている。この被嵌挿部80の外径は、連結金具78における嵌挿部80の内径と実質的に等しか、僅かに大径となっている。連結金具78は、嵌挿部80を被嵌挿部80の外周側へ嵌挿すると共に、嵌挿部80の下端部を被嵌挿部80下端から外周側へ延出する段差部132へ圧接させている。
連結金具78は、嵌挿部80を大径部26の内周側へ嵌挿すると共に、支持部82を大径部26に対して上方まで突出させる。これにより、拡縮膜90が外筒金具12の上端側を閉塞するように、連結金具78により支持される。また連結金具78は、嵌挿部80が大径部26内へ嵌挿された状態で、嵌挿部80の外周側を被覆した被覆部88を大径部26の内周面に全周に亘って圧接させる。これにより、連結金具78と大径部26とが精度良く同軸となるように位置決めされると共に、連結金具78を介して仕切金具46も大径部26と精度良く同軸となるように位置決めされる。従って、仕切金具46の外周面と大径部26の内周面との間に形成される隙間GRが周方向における任意の部位で実質的に一定のものになる。
また連結金具78は、図2に示されるように、嵌挿部80を段差部132へ当接させた状態で、フランジ部84の下面側をオリフィス形成部56の上端面から離間させ、このフランジ部84の下面側とオリフィス形成部56の上端面との間に薄肉リング状の隙間GUを形成する。
防振装置10では、装置の組立時に、大径部26の内周側に隔壁体44及び連結金具78が嵌挿されると、外筒金具12における複数個のかしめ部32をそれぞれ内周側へ屈曲し、かしめ部32の先端側を連結金具78におけるフランジ部84の上面側へ直接圧接させる。これにより、隔壁体44と連結金具78とが互いに圧接すると共に、これらの隔壁体44及び連結金具78が外筒金具12における段差部28とかしめ部32とにより加圧状態で挟持され、段差部28とかしめ部32との間に固定される。このとき、防振装置10では、被覆部88を介すことなくかしめ部32の先端側をフランジ部84の上面側へ直接圧接さるために、被覆部88にはかしめ部32の先端側に面した部分に矩形状の開口部を形成し、或いは周方向へ延在するスリットを形成することが好ましい。
防振装置10では、図1に示されるように、外筒金具12の一端側(下端側)がゴム弾性体16により閉塞されると共に、他端側(上端側)がダイヤフラム86により閉塞されることにより、外筒金具12の内周側に外部から区画された空間(液室空間)が形成される。この液室空間は、隔壁体44によりゴム弾性体16を隔壁の一部とする空間である受圧液室92と、ダイヤフラム86を隔壁の一部とする副液室94とに区画される。これらの受圧液室92及び副液室94内には、エチレングリコール、水等の液体が充填封入される。受圧液室92はゴム弾性体16の弾性変形に伴って内容積が拡縮し、また副液室94は、内部に充填された液体の液圧変化に応じてダイヤフラム86の拡縮膜90が小さい抵抗で変形することにより、液圧変化を十分に小さくするように内容積が拡縮する。
防振装置10では、オリフィス蓋部64により下端側が閉塞されたオリフィス溝58内のオリフィス空間、上側連通路60及び下側連通路70により受圧液室92と副液室94とを互いに連通させる制限通路であるシェイクオリフィス96を構成する。ここで、シェイクオリフィス96の路長及び断面積、すなわち液体の流通抵抗は、車両における低周波域の共振振動であるシェイク振動の周波数(例えば、8Hz〜12Hz)に対応するように設定(チューニング)されている。
防振装置10では、ゴム弾性体16の上端部が蓋金具48における嵌挿部80の内周側に挿入されている。これにより、ゴム弾性体16の頂面と蓋金具48の底板部81との間には、図2に示されるように、軸方向に沿って幅が狭い隙間が形成されるが、この隙間は、取付部材14がエンジン側に連結され、このエンジン側の質量に起因する荷重が防振装置10に入力した状態では、図示した状態よりも拡大されて十分に広い幅になるので、大振幅のシェイク振動が入力してもゴム弾性体16の頂面が蓋金具48から離間した状態に維持される。
防振装置10では、隔壁体44内の収納室68が上側開口54を通して副液室94と連通すると共に、下側開口66を通して受圧液室92と連通している。収納室68内の可動メンブラン74は、受圧液室92内と副液室94内の液圧差を駆動力として弁体部122を撓み変形させつつ、軸方向に沿って往復移動(振動)させる。このとき、弁体部122の上面側が頂板部50に接した状態になると、弁体部122により上側開口54が実質的に閉塞され、また弁体部122の下面側が底板部81に接した状態になると、弁体部122により下側開口66が実質的に閉塞される。
(実施形態の作用)
次に、上記のように構成された本発明の実施形態に係る防振装置10の動作及び作用について説明する。
防振装置10では、エンジン又は車体側からの振動入力時に、吸振主体であるゴム弾性体16が振動により弾性変形すると、この振動がゴム弾性体16により吸収される。
また防振装置10では、エンジン又は車体側からの振動入力時に、ゴム弾性体16が弾性変形すると、受圧液室92の内容積が変化(拡縮)して液圧が変化する。この液圧変化に伴って、シェイクオリフィス96を通って受圧液室92と副液室94との間で液体が相互に流通すると共に、収納室68内の可動メンブラン74には入力振動に同期して周期的に変化する液圧(圧力波)が作用する。これにより、可動メンブラン74の弁体部122は、収納室68内で受圧液室92内の液圧変化に同期して軸方向に沿って振動すると共に、隔壁体44における頂板部50及び底板部81に交互に当接及び離間する動作を繰り返す。
防振装置10では、受圧液室92内の液圧変化に同期して弁体部122が厚さPTと幅STとの差の範囲内で振動する際に、可動メンブラン74が頂板部50及び底板部81の双方から離間すると、上側開口54及び下側開口66がそれぞれ開放されると共に、可動メンブラン74の外周側と収納室68の内周面との間に軸方向へ連通する隙間が形成されることから、上側開口54、収納室68及び下側開口66を通って受圧液室92と副液室94との間で液体が流通可能な状態となる。
防振装置10では、入力振動の周波数がシェイク振動の周波数(例えば、8〜12Hz)以下で、その振幅が相対的に大きい場合には、受圧液室92と副液室94との間に実質的に液圧差が生じている時に、可動メンブラン74の弁体部122が頂板部50及び底板部81の一方に密着した状態となり、上側開口54及び下側開口66の一方を閉塞する。これにより、シェイク振動の入力時には、収納室68を通って液体が受圧液室92と副液室94との間を実質的に流通しなくなり、シェイクオリフィス96のみを通して受圧液室92と副液室94との間で液体が相互に流通する。
シェイクオリフィス96は、その路長及び断面積がシェイク振動の周波数及び振幅に適合するようにチューニングされている。この結果、防振装置10では、入力振動が特にシェイク振動である場合には、シェイクオリフィス96を流通する液体に共振現象(液柱共振)が生じ、この液柱共振の作用によってシェイク振動を特に効果的に吸収できる。
また防振装置10では、入力振動の周波数がシェイク振動の周波数よりも高く、その振幅が小さい場合、例えば、入力振動がアイドル振動(例えば、20〜40Hz)の場合には、シェイク振動に適合するようにチューニングされたシェイクオリフィス96が目詰まり状態となり、シェイクオリフィス96には液体が流れ難くなるが、可動メンブラン74の弁体部122が収納室68内で入力振動に同期してアイドル振動に対応する振幅で振動することにより、受圧液室92と副液室94との間に実質的に液圧差が生じている時に、弁体部122が頂板部50及び底板部81の双方から離間した状態となり、収納室68内を通って受圧液室92と副液室94との間を液体が流通可能になる。
この結果、防振装置10では、アイドル振動やアイドル振動よりも更に高い周波数を有するこもり音等の高周波振動の入力時には、上側開口54、収納室68及び下側開口66を通って受圧液室92内の液体が副液室94へ流出可能になる。これにより、受圧液室92内の液圧上昇に伴う装置の動ばね定数の上昇を抑えることができるので、ゴム弾性体16に十分に大きい弾性変形を生じさせ、ゴム弾性体16により高周波振動も効果的に吸収できる。
本実施形態に係る防振装置10では、外筒金具12に一体的に設けられた段差部28及びかしめ部32が、仕切金具46のオリフィス形成部56及び蓋金具48のオリフィス蓋部64をそれぞれ軸方向外側から加圧状態で挟持することにより、オリフィス形成部56とオリフィス蓋部64とが互いに圧接する状態となって、オリフィス形成部56(仕切金具46)とオリフィス蓋部64(蓋金具48)とを互いに離間しないように拘束できると共に、仕切金具46と蓋金具48とを外筒金具12における段差部28とかしめ部32との間に拘束できる。
このとき、仕切金具46のオリフィス形成部56には、オリフィス溝58が軸方向に沿ってオリフィス蓋部64側へ開口すると共に周方向へ延在するように形成され、オリフィス形成部56におけるオリフィス溝58の外周側及び内周側にそれぞれオリフィス溝58の底面部から開口端まで延出する一対の隔壁部134、136が形成されるので、従来の防振装置のように、仕切金具の外周面に周方向へ延在するオリフィス溝が形成されている場合と比較し、仕切金具46におけるオリフィス形成部56の軸方向に沿った剛性を大きいものにできる。従って、オリフィス形成部56が外筒金具12における段差部28及びかしめ部32軸方向に沿って大きな拘束力(圧縮荷重)を受けた場合にも、オリフィス形成部56が軸方向に沿って塑性変形することを防止できる。
この結果、本実施形態に係る防振装置10によれば、外筒金具12における段差部28及びかしめ部32がオリフィス形成部56及びオリフィス蓋部64に作用させる拘束力を十分に大きくできると共に、この拘束力を大きくした場合でも、オリフィス形成部56が経時的に塑性変形することで、オリフィス形成部56とオリフィス蓋部64との間及びオリフィス形成部56及びオリフィス蓋部64と段差部28及びかしめ部32との間にそれぞれ隙間が生じることを効果的に防止できるので、可動メンブラン74の弁体部122が頂板部50及び底板部81へ衝突して生じる衝撃力により打音が生じることを効果的に防止できる。
また防振装置10では、オリフィス形成部56の外周面全体が外筒金具12における大径部26の内周面に対して非接触状態とっていることにより、可動メンブラン74の弁体部122が頂板部50又は底板部81へ衝突した際に、オリフィス形成部56を含む仕切金具46に生じた振動が外筒金具46へ、直接伝達されなくなり、主として連結金具78及びゴム製の被覆部88を介して伝達されることになる。この結果、仕切金具46と連結金具78との間の伝達抵抗及び被覆部88の減衰により仕切金具78から外筒金具12への振動伝達が抑制されるので、可動メンブラン74が頂板部50又は底板部81へ衝突して振動が生じても、仕切金具46の振動が外筒金具12を介して車体側へ伝達されることを効果的に抑制できる。
また防振装置10では、外筒金具12又は取付部材14に大荷重が入力すると、受圧液室92内の液圧が急激に大きく変化し、この液圧変化に伴って下側開口70を通してオリフィス溝58へ高圧の液体が流入する。この高圧の液体は、オリフィス形成部56の隔壁部134における下側開口70付近へ集中的に作用し、隔壁部134を外周側へ撓み変形させる荷重として作用する。従って、オリフィス形成部56の外周面と大径部26の内周面との間に形成される隙間GRの径方向に沿った幅が狭いと、大荷重入力時に、隔壁部134における下側開口70付近が外周側へ撓み変形すると共に、大径部26へ衝突して打音を発生させるおそれがある。
そこで、本実施形態に係る防振装置10では、オリフィス形成部56の外周面と大径部26の内周面との間に形成される隙間GRの径方向に沿った幅を周方向に沿った任意の部位で0.5mm以上とすることにより、大荷重入力時に、隔壁部134における下側開口70付近が外周側へ撓み変形しても、隔壁部134が大径部26へ衝突することを確実に回避し、打音が発生することを防止している。
ここで、隔壁部134における下側開口70付近の外周側への撓み変形量は、隔壁部134の厚さや材料強度により変化するが、通常は0.5mm未満である。しかし、製造時に、オリフィス形成部56の外周面と大径部26の内周面との間に形成される隙間GRの幅を0.5mm未満に安定的に管理することが困難なため、隙間GRの最小値は0.5mm以上に設定する必要がある。また隙間GRの最大値が2.0mmを超えると、装置(外筒金具12)の外径が4mmを越えて拡大するため、装置の小型化の点での不利が大きくなり、好ましくないためGRの最大値は2.0mmに設定されている。
また防振装置10では、ダイヤフラム86の外周縁部に全周に亘って固着されると共に、軸方向に沿ってオリフィス形成部の上端面に突き当てられる環状の連結金具78を有しており、外筒金具12におけるかしめ部32が仕切金具46へ直接圧接するようにかしめられることにより、段差部28及びかしめ部32が仕切金具46を介して、オリフィス形成部56及びオリフィス蓋部64をそれぞれ軸方向外側から加圧状態で挟持するので、かしめ部32に対して1回のかしめ作業を行うだけで、仕切金具46及び蓋金具48を含む隔壁体44を外筒金具12内における段差部28とかしめ部32との間に固定できると共に、仕切金具46を介してダイヤフラム86を外筒金具12の一端側を閉塞するように外筒金具12へ固定できる。
また防振装置10では、リベット110が仕切金具46の上側挿通穴104及び蓋金具48の下側挿通穴108をそれぞれ貫通して、仕切金具46の中央部と蓋金具48とを互いに連結することにより、仕切金具46の中央部付近と蓋金具48の中央部付近との軸方向に沿った連結強度を増大できるので、仕切金具46及び蓋金具48を含む隔壁体44中央部の軸方向に沿った剛性を増大できる。
この結果、剛性の増大に対応して隔壁体44が固有に有する共振周波数を高周波側へ遷移できるので、可動メンブラン74の弁体部122が頂板部50又は底板部81へ衝突した際の衝撃力のピーク周波数と隔壁体44により構成される振動伝達系に対応する伝達関数の共振倍率のピーク周波数とを効果的に乖離させることができる。
従って、可動メンブラン74の弁体部122が頂板部50又は底板部81へ衝突した際に、隔壁体44を介して装置外部へ伝達される振動のエネルギを低下させることができるので、弁体部122が頂板部50又は底板部81へ衝突した際に生じる打音が装置外部へ異音として伝達されることを効果的に抑制できる。
また防振装置10では、仕切金具46における上側挿通穴104の外周側にボス部102が一体的に形成され、このボス部102が蓋金具48における下側挿通穴108の外周側に当接することにより、リベット110が仕切金具46及び蓋金具48に対して作用させる加圧力をボス部102により担持できるので、リベット110からの加圧力により仕切金具46の頂板部50及び蓋金具48の底板部81が変形することを防止できる。
また防振装置10では、仕切金具46におけるオリフィス形成部56の内周側に、蓋金具48におけるオリフィス蓋部64の圧入筒部62が圧入されて固定されることにより、仕切金具46の中央部付近と蓋金具48の中央部付近との軸方向に沿った連結強度をリベット110により増大できることに加え、リベット110外周側での仕切金具46と蓋金具48との軸方向に沿った連結強度を増大できるので、仕切金具46及び蓋金具48を含む隔壁体44全体の軸方向に沿った剛性を効果的に増大できる。
この結果、剛性の増大に対応して隔壁体44が固有に有する共振周波数を高周波側へ遷移できるので、可動メンブラン74の弁体部122が頂板部50又は底板部81へ衝突した際の衝撃力のピークと隔壁体44により構成される振動伝達系に対応する伝達関数の共振倍率のピークとを更に効果的に乖離させることができる。
従って、可動メンブラン74の弁体部122が頂板部50又は底板部81へ衝突した際に、隔壁体44を介して装置外部へ伝達される振動のエネルギを低下させることができるので、弁体部122が頂板部50又は底板部81へ衝突した際に生じる打音が装置外部へ異音として伝達されることを更に効果的に抑制できる。
また防振装置10では、オリフィス形成部56の下端面における外周側にオリフィス蓋部64に当接する突当部116を設けると共に、この突当部116の内周側にオリフィス蓋部64との間に隙間GLを形成する逃げ部118を形成したことにより、オリフィス形成部56(仕切金具46)とオリフィス蓋部64(蓋金具48)との接触面積を小さくできるので、仕切金具46と蓋金具48との間の振動の伝達抵抗を増大させることができる。この結果、可動メンブラン74の弁体部122が頂板部50又は底板部81へ衝突した際に生じる打音が装置外部へ異音として伝達されることを効果的に抑制できる。
また防振装置10では、連結金具78の外周側に嵌挿部80を設け、この嵌挿部80をオリフィス形成部56における段差部132へ圧接させると共に、連結金具における嵌挿部80の内周側にオリフィス形成部の上端面との間に隙間GUを形成するフランジ部84を形成したことにより、仕切金具46とオリフィス形成部56(仕切金具46)との接触面積を小さくできるので、連結金具78と仕切金具46との間の振動の伝達抵抗を増大させることができる。この結果、可動メンブラン74の弁体部122が頂板部50へ衝突した際に生じる打音が、連結金具78を介して装置外部へ異音として伝達されることを効果的に抑制できる。
本発明の実施形態に係る防振装置の構成を示す側面断面図である。 図1に示される防振装置における隔壁体付近の構成を拡大して示す側面断面図である。
符号の説明
10 防振装置
12 外筒金具(第1の取付部材)
14 取付部材(第2の取付部材)
16 ゴム弾性体
28 段差部(拘束部)
32 かしめ部(拘束部)
46 仕切金具(第1の仕切部材)
48 蓋金具(第2の仕切部材)
54 上側開口(第1の開口部)
56 オリフィス形成部
58 オリフィス溝
64 オリフィス蓋部
66 下側開口(第2の開口部)
68 収納室
74 可動メンブラン(流通制御板)
78 連結金具
80 嵌挿部
86 ダイヤフラム
88 被覆部
92 受圧液室
94 副液室
96 シェイクオリフィス(制限通路)
122 弁体部(流通制御板)
130 被嵌挿部
134、136 隔壁部

Claims (4)

  1. 筒状に形成され、振動発生部及び振動受部の一方に連結される第1の取付部材と、
    前記第1の取付部材の内周側に配置され、振動発生部及び振動受部の他方に連結される第2の取付部材と、
    前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に配置されたゴム弾性体と、
    液体が封入され、前記ゴム弾性体を隔壁の一部として該ゴム弾性体の変形に伴い内容積が変化する受圧液室と、
    液体が封入され、液圧変化に応じて内容積が拡縮可能とされた副液室と、
    前記第1の取付部材の内周側に装入され、該第1の取付部材の軸方向に沿って前記受圧液室と前記副液室との間を区画した第1の仕切部材と、
    前記第1の取付部材の内周側に挿入され、前記第1の仕切部材との間に前記受圧液室及び前記副液室から区画された収納室を形成する第2の仕切部材と、
    前記第1及び前記第2の仕切部材にそれぞれ形成され、前記収納室を前記受圧液室及び前記副液室に連通させる第1及び第2の開口部と、
    前記収納室内に配置され、入力振動に同期して振動して前記第1及び第2の開口部を通じた前記受圧液室と前記副液室との間の液体流通を制御する流通制御板と、
    前記第1の仕切部材の外周側に一体的に設けられ、前記軸方向に沿った一端面に前記第2の仕切部材側へ開口すると共に、周方向へ延在するオリフィス溝が形成されたオリフィス形成部と、
    前記第2の仕切部材の外周側に一体的に設けられ、前記軸方向に沿って前記オリフィス形成部の一端面に突き当てられ、前記オリフィス溝を前記軸方向外側から閉塞して、前記オリフィス溝内に前記受圧液室と前記副液室とを互いに連通する制限通路の少なくとも一部を形成するオリフィス蓋部と、
    前記第1の取付部材に一体的に設けられ、前記オリフィス形成部及び前記オリフィス蓋部をそれぞれ前記軸方向外側から加圧状態で挟持する拘束部と、を有し、
    前記オリフィス形成部を、その外周面全体が前記第1の取付部材の内周面に対して非接触状態となるように設けたことを特徴とする防振装置。
  2. 前記オリフィス形成部を、その外周面と前記第1の取付部材の内周面との間に形成される隙間の径方向に沿った幅が周方向に沿った任意の部位で0.5mm以上となるように設けたことを特徴とする請求項1記載の防振装置。
  3. 前記副液室の隔壁の一部を形成し、前記副液室内の液圧変化に応じて該副液室の容積拡縮方向へ変形するダイヤフラムと、
    前記ダイヤフラムの外周縁部に全周に亘って固着されると共に、前記軸方向に沿って前記オリフィス形成部の他端面に突き当てられる環状の連結金具と、を有し、
    前記拘束部は、前記連結金具を介して、前記オリフィス形成部及び前記オリフィス蓋部をそれぞれ前記軸方向外側から加圧状態で挟持することを特徴とする請求項1又は2記載の防振装置。
  4. 前記オリフィス形成部の外周面における前記軸方向に沿った他端部に形成され、一端側よりも小径とされた被嵌挿部と、
    前記連結金具における前記軸方向に沿った一端部に形成され、前記被嵌挿部の外周側に嵌挿される嵌挿部と、
    前記ダイヤフラムと一体的に形成され、前記嵌挿部の外周面を被覆する被覆部と、を有し、
    前記被嵌挿部と前記第1の取付部材の内周面との間に、前記嵌挿部及び前記被覆部を全周に亘って介装したことを特徴とする請求項3記載の防振装置。
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