JP4805782B2 - 防振装置 - Google Patents

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本発明は、例えば、自動車、一般産業用機械等に適用され、エンジン等の振動発生部から車体等の振動受部へ伝達される振動を吸収及び減衰させる防振装置に関する。
自動車には、エンジンと車体(フレーム)との間に防振装置としてのエンジンマウントが配置されている。このエンジンマウントは、ゴム弾性体の弾性変形により振動エネルギを吸収し、エンジンからの振動を減衰してフレームへ振動の伝達を抑制している。また、このようなエンジンマウントとしては、内部に主液室、副液室及びこれらの液室間を繋ぐオリフィスを備えた所謂、液体封入式のものがあり、この液体封入式のエンジンマウントでは、振動入力時にオリフィスを通して主液室と副液室との間で液体を相互に流通させると共に、オリフィス内で液体の共振現象(液柱共振)を発生させることにより、弾性体自体の振動に対する減衰作用に加え、液体の粘性抵抗等によっても振動を効果的に減衰吸収できるようになる。
上記のようなエンジンマウントとして適用される液体封入式の防振装置の一例としては、例えば特許文献1に示されている液体封入式マウント装置がある。
この特許文献1に示されたマウント装置には、取付金具、ゴム弾性体及びダイヤフラムにより外部から密閉された液室空間が形成されており、この液室空間は、仕切部材により弾性体を隔壁の一部とする主液室(受圧室)と、ダイヤフラムを隔壁の一部とする副液室(平衡室)とに区画され、これらの主液室と副液室とが制限通路であるオリフィスにより繋ぎ合わされている。ここで、主液室、副液室及びオリフィス内には、水、エチレングリコール等の液体が充填されている。仕切部材には、外周側に主液室と副液室とを連通させる制限通路であるオリフィスが構成されている。また、マウント装置では、液室内に板状の可動プレートが収納されており、この可動プレートは、振動の振幅方向に沿って高周波振動に対応する所定の振幅で振動可能とされている。
上記のように構成された防振装置では、振動入力時に弾性体が弾性変形することにより、弾性体により振動が減衰吸収される。このとき、入力振動の周波数が所定の値よりも低い場合には、オリフィスを通して主液室と副液室との間で液体が相互に流通する。これにより、オリフィス内を流通する液体に共振現象(液柱共振)が生じるので、この液柱共振の作用によって入力振動を効果的に減衰できる。
一方、上記のような防振装置では、入力振動の周波数が所定の値よりも高い高周波振動である場合には、オリフィスが目詰まり状態となるが、可動プレートが入力振動に同期して振動することにより、高周波振動を効果的に吸収できるようになる。
特開2004−190757号公報
上記のような防振装置では、比較的低周波のシェイク振動の発生時に異音や振動が発生する。これは、シェイク振動時に主液室の液圧が変化すること、及び、主液室と副液室との間を液体が流通することにより、液体内に気泡が発生し、この気泡が消失する際に発生するものと考えられる(いわゆるキャビテーション)。
本発明の目的は、上記事実を考慮してなされたものであり、シェイク振動時における異音や振動を抑制することの可能な防振装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る防振装置は、振動発生部及び振動受部の一方に連結される第1の取付部材と、振動発生部及び振動受部の他方に連結される第2の取付部材と、前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に配置された弾性体と、前記弾性体を隔壁の一部として構成されて液体が封入され、前記弾性体の変形に伴い内容積が変化する主液室と、液体が封入され、隔壁の少なくとも一部がダイヤフラムにより形成されて拡縮可能とされた副液室と、前記主液室と前記副液室とを連通する制限通路と、を備え、前記主液室及び前記制限通路の少なくとも一方に、圧力変化に応じて体積が可変とされ、前記液体と共に前記制限通路を移動可能な粒状体である圧力吸収体が封入されていること、を特徴とする。
上記請求項1に係る防振装置では、振動入力時に弾性体が弾性変形することにより、吸振主体である弾性体により振動が減衰吸収されると共に、入力振動の振幅が所定の値よりも大きい場合には、制限通路を通して主液室と副液室との間で液体が相互に流通するので、制限通路内を流通する液体に共振現象(液柱共振)が生じ、この液柱共振の作用によって入力振動が減衰される。
このように、主液室と副液室との間を液体が流通する防振装置においては、液体の流通時に制限流路及び主液室の液体内において、気泡の発生及び消滅(いわゆるキャビテーション)が観察される。発生した気泡の消滅が、前述の異音及び振動の一原因と考えられる。
ところで、このような気泡の発生消滅原因として、封入された液体へ作用する圧力の変化が考えられる。この圧力変化を小さくすることができれば、気泡の発生を抑制することができる。
そこで、本発明では、主液室及び制限通路の少なくとも一方の内部に、圧力変化に応じて体積が可変とされた圧力吸収体を封入する。主液室及び制限流路の圧力吸収体は、減圧により体積が大きくなり、加圧により体積が小さくなることから、液圧の変化を吸収することができる。したがって、液体内への気泡の発生を抑制でき、気泡が消失する際に発生する異音や振動を抑制することができる。
また、圧力吸収体を制限通路を移動可能な粒状体で構成することにより、液体と共に封入するだけでよく、容易に製造することができる。また、粒状体とすることにより、封入量を容易に調整することができる。
本発明の請求項2に係る防振装置は、請求項1に記載の防振装置において、前記圧力吸収体が、発泡体を含んで構成されていること、を特徴とする。
また、本発明の請求項3に係る防振装置は、請求項1に記載の防振装置において、前記圧力吸収体が、多孔質体を含んで構成されていること、を特徴とする。
また、本発明の請求項4に係る防振装置は、前記圧力吸収体は、中空の球体を含んで構成されていること、を特徴とする。
このように、発砲体、多孔質体、中空の球体により、圧力変化に応じて体積が可変とされた圧力吸収体を構成することができる。
以上説明したように本発明の防振装置によれば、シェイク振動時における異音や振動を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態に係る防振装置について図面を参照して説明する。
図1には本発明の実施形態に係る防振装置が示されている。この防振装置10は、自動車における振動発生部であるエンジンを振動受部である車体へ支持するエンジンマウントとして適用されるものである。なお、図1にて符合Sが付された一点鎖線は装置の軸心を示しており、この軸心Sに沿った方向を装置の軸方向として以下の説明を行う。
図1に示されるように、防振装置10は、エンジン側に連結される略肉厚円筒状に形成された内筒金具12と、この内筒金具12の外周側に略同軸的に配置され、車体側へ連結される略円筒状の外筒金具14と、内筒金具12と外筒金具14との間に配置され、吸振主体となるゴム製の弾性体16とを備えている。内筒金具12は、その上端側が外筒金具14内へ挿入されると共に、下端側が外筒金具14の下端側の開口部を通って外筒金具14の下方まで突出している。外筒金具14には、その軸方向中間部に段差部18が構成され、段差部18よりも上側には直径が下側よりも拡大された拡径部20が形成されている。また外筒金具14には、その下端部に下方へ向って直径がテーパ状に縮小するテーパ部22が屈曲形成されると共に、拡径部20の上端部に装置の組立時に内周側へかしめられるかしめ部24が形成されている。
防振装置10には、外筒金具14の下端側が嵌挿固定される略カップ状の連結筒26及び、この連結筒26の下端側が嵌挿固定される略有底円筒状のホルダ金具28が設けられている。外筒金具14は、その下端部が連結筒26の底板部に当接するまで連結筒26内へ挿入されている。またホルダ金具28には、その外周面に複数の脚部30,32が溶接等により固定されており、この脚部30,32の先端側に形成された連結穴33を挿通するボルト(図示省略)により、ホルダ金具28は車体側へ締結固定される。これにより、外筒金具14が、連結筒26及びホルダ金具28を介して車体側へ連結固定される。
内筒金具12の下端側は、連結筒26の底板部に形成された開口部26Aを通って連結筒26の下方まで突出しており、内筒金具12の下端部には、ボルト34によりエンジン連結用のブラケット36の基端部が締結固定されている。このブラケット36は、ホルダ金具28の側面部に形成された開口部(図示省略)を通って外周側へ延出しており、ブラケット36の先端側にはボルト等によりエンジン(図示省略)が締結固定される。またブラケット36の基端部には、略角筒状に形成されたストッパゴム38が被せられており、このストッパゴム38の上面部は連結筒26の底板部に圧接している。これにより、ブラケット36の軸方向に沿った過大な変位が防止されると共に、大荷重の入力によりブラケット36が連結筒26又はホルダ金具28へ衝突した際にも大きな衝突音の発生が防止される。
内筒金具12の上端面には、上方へ向って開口する略カップ状に形成された延長金具40の底板部が溶接等により固着されている。延長金具40は、その側板部が底板側から上端側へ向って直径が拡大するテーパ状とされており、この側板部の上端部分には、リング状のフランジ部材42が溶接等により固着され、延長金具40の上端部から内周側へ延出している。また延長金具40の側板部には、弾性体16の成形素材となる加硫ゴムを延長金具40内へ充填するための湯道穴44が複数穿設されている。
弾性体16は、外筒金具14内へ挿入された内筒金具12の上端側及び延長金具40にそれぞれ加硫接着されると共に、外筒金具14の下端側に加硫接着されており、内筒金具12と外筒金具14とを弾性的に連結している。ここで、弾性体16は、内筒金具12の外周面及び延長金具40の外周面にそれぞれ加硫接着されると共に、湯道穴44を通って延長金具40の内周側に充填され、延長金具40の内周面及び底面部とフランジ部材42の下面側にもそれぞれ加硫接着されている。また弾性体16には、外周部から上方へ延出する薄肉状の被覆部46が一体的に形成されており、この被覆部46は、外筒金具14の内周面における上端側に加硫接着され、外筒金具14の内周面を被覆している。
外筒金具14内には、その段差部18の上側に全体として略円板状に形成された仕切部材48及び、この仕切部材48の上面部に密着した略ハット状の仕切金具50が挿入されており、仕切部材48の下面における外周部は、被覆部46を介して段差部18に当接している。また外筒金具14内には、仕切部材48及び仕切金具50の上側に円筒状の支持筒52が嵌挿されており、この支持筒52の下端部は仕切金具50の外周部に当接している。これらの仕切部材48、仕切金具50及び支持筒52が挿入された外筒金具14はかしめ部が内周側へかしめられる。これにより、仕切部材48、仕切金具50及び支持筒52が外筒金具14内における段差部18とかしめ部24との間に固定される。ここで、支持筒52には、その内周面に上方へ向って凸状のカップ状に形成されたゴム製のダイヤフラム54の外周部が全周に亘って加硫接着されている。
防振装置10内には、外筒金具14、弾性体16及びダイヤフラム54により外部から密閉された液室空間が形成されている。液室空間は、仕切部材48及び仕切金具50によって、弾性体16を隔壁の一部とする主液室56と、ダイヤフラム54を隔壁の一部とする副液室58とに区画されている。防振装置10では、副液室58の隔壁の一部を形成するダイヤフラム54の外側が大気空間とされており、これにより、ダイヤフラム54は、副液室58内の液圧変化に応じて副液室58の内容積を拡縮するように弾性変形可能とされている。また主液室56は、その内容積が弾性体16の弾性変形に伴って拡縮する。
また仕切部材48には、その外周面に周方向へ延在する凹状の溝部60が設けられている。図2(B)に示されるように、溝部60は軸心Sを中心とする周方向に沿ってC字状に延在しており、仕切部材48には、溝部60の一端部から下方へ向って溝部60の下部側が切り欠かれて連通口62が形成されると共に、溝部60の他端部から上方へ向って溝部60の上部側が切り欠かれて連通口64が形成されている。ここで、溝部60は、図1に示されるように、その外周側が被覆部46を介して外筒金具14の内周面により閉止されることにより、主液室56と副液室58とを連通させる制限通路であるオリフィス66を構成している。
主液室56、副液室58及びオリフィス66内には、水、エチレングリコール、シリコーンオイル等の液体が充填されており、この液体はオリフィス66を通して主液室56と副液室58との間で流通可能とされている。このオリフィス66は、その路長及び断面積がシェイク振動の振幅及び周波数に適合するように設定(チューニング)されている。
また、主液室56、副液室58及びオリフィス66内には、圧力吸収体96が、前述の液体と混在するように封入されている。圧力吸収体96は、多数の粒状物により構成され、個々の粒状物は、液圧変化に応じて体積変化可能とされている。粒状物は、液体と共にオリフィス66を流通可能な大きさとされている。圧力吸収体96として、具体的には、発泡スチロール、発泡ゴム、軟質ウレタンフォームなどの発泡体、繊維質材料(ロックウール、グラスウール、有機繊維)などの多孔質体、中空のゴムボール、マイクロカプセル、などを使用することができる。
なお、圧力吸収体96は、主液室56、副液室58及びオリフィス66内に充填される液体に対して耐性を有している必要がある。また、圧力吸収体96は、液体中に混在させておくことから、当該液体中に浮遊可能な比重であることが好ましい。また、封入する圧力吸収体96の量は、キャビテーション抑制に適切な量に調整する。
仕切部材48には、その上面中央部に円形凸状の肉厚部68が形成されており、この肉厚部68の中央部には円形の凹部70が形成されている。また仕切部材48には、その下面中央部に肉厚部68よりも大径とされた円形凹状の逃げ部72が形成されており、この逃げ部72の頂面と凹部70の底面との間には厚さが略一定の底板部90が設けられている。逃げ部72内には、軸方向に沿って底板部90との間に隙間を空けつつ、延長金具40及び弾性体16の上端部が挿入されている。ここで、底板部90と延長金具40及び弾性体16との間の隙間は、ブラケット36にエンジンが連結され、このエンジンの重量に起因する荷重がブラケット36に入力した状態では、図示した状態よりも拡大されて十分な幅となるので、振動が入力しても延長金具40及び弾性体16が底板部90に接することは無い。
仕切金具50には、その中央部に仕切部材48の肉厚部68に対応する円形凸状の外嵌部74が形成されると共に、この外嵌部74の下端部から外周側へ延出する環状のフランジ部76が一体的に形成されている。仕切金具50は、上方から外嵌部74を仕切部材48の肉厚部68へ外嵌すると共に、フランジ部76を仕切部材48の外周部へ当接させている。これにより、仕切部材48の凹部70の上面側が外嵌部74の頂板部78により閉止され、この凹部70内には主液室56及び副液室58から区画された収納室80が設けられる。この収納室80内には、軸方向に沿った肉厚が略一定とされた円板状の空間が形成されている。また仕切金具50には、図2(B)に示されるように、外周端から内周側へ向って略矩形状に切り欠かれた切欠部82が形成されており、この切欠部82を通して、オリフィス66の連通口64は副液室58へ連通している。
図2(B)に示されるように、仕切金具50には、その頂板部78に内周部から外周側へ向って周方向に沿った寸法が広がる扇状の開口部88が複数個(本実施形態では、4個)穿設されている。この開口部88を通して収納室80は副液室58と互いに連通している。また図2(A)に示されるように、仕切部材48の底板部90にも、仕切金具50の開口部88と同様の形状及び開口面積を有する開口部92が複数個(本実施形態では、4個)穿設されている。この開口部92を通して収納室80は、主液室56と互いに連通している。また収納室80内には、ゴムを素材として略円板状に形成された可動板94が収納されている。
可動板94は、その厚さが径方向に沿った任意の部位で略一定とされた円板状に形成されている。ここで、可動板94の厚さPT(図2(A)参照)は、収納室80の軸方向に沿った厚さSTよりも所定寸法短くなっている。具体的には、例えば、可動板94の厚さPT収納室80の厚さSTとの差は、相対的に低周波振動であるシェイク振動の振幅よりも短く、かつ相対的に高周波振動であるアイドル振動の振幅よりも長くなるように設定されている。これにより、収納室80内に収納された可動板94と仕切金具50の頂板部78及び仕切部材48の底板部90との間には軸方向に沿って低周波振動と高周波振動との振幅差に対応する幅dTの隙間が形成される。
図2(A)に示されるように、可動板94の外周端は、底板部90の開口部92及び仕切金具50の開口部88の外周端よりも外周側まで延出している。また可動板94の外径は収納室80の内径よりも僅かに小さくなっている。これにより、可動板94は、収納室80内に収納された状態で、軸方向に沿って幅dTの範囲内で往復移動(振動)可能となる。
次に、上記のように構成された本発明の第1の実施形態に係る防振装置10の作用について説明する。
防振装置10では、エンジン又は車体側からの振動入力時に、吸振主体である弾性体16が振動により弾性変形すると、この振動が弾性体16によって減衰吸収される。
また防振装置10では、エンジン又は車体側からの振動入力時に、この振動入力に同期して弾性体16が弾性変形すると共に主液室56内の液圧が変化する。この液圧変化に伴って、オリフィス66を通して主液室56と副液室58との間に液体が相互に流通する。
主液室56内の液圧変化、及び、液体の流通により、オリフィス66及び主液室56に気泡が発生するが、本実施形態では、圧力吸収体96が液体中に混在しているので、圧力吸収体96により液圧変化が吸収され、液体のみの場合と比較して、気泡の発生量を少なくすることができる。また、圧力吸収体96が気泡の核となりうるので、大きな気泡ができにくいと考えられる。
一方、主液室56に連通し収納室80内に収納された可動板94には、入力振動に同期して周期的に変化する液圧(圧力波)が作用する。これにより、可動板94は、主液室56内の液圧変化に伴って軸方向に沿って上下へ振動する。このとき、可動板94は、収納室80内で主液室56内の液圧変化に同期して上下へ振動して、仕切金具50における頂板部78及び仕切部材48における底板部90にそれぞれ当接及び離間する動作を繰り返す。
防振装置10では、上記したように、主液室56内の液圧変化に同期して可動板94の表裏面が仕切金具50の頂板部78及び仕切部材48の底板部90に当接及び離間する動作を繰り返すと、その移動時に可動板94と頂板部78の開口部88及び底板部90の開口部92との間に、幅dT(図2(A)参照)の範囲内で可動板94の軸方向に沿った位置に対応する幅の隙間が形成されることから、この隙間及び開口部88,92を通って主液室56と副液室58との間で液体が相互に流通する現象が生じ得る。一方、防振装置10では、主液室56内の液圧変化に同期して振動する可動板94が仕切金具50の頂板部78及び仕切部材48の底板部90の一方に密着すると、可動板94により開口部92及び開口部88の一方が閉止されて収納室80が閉塞した状態となるので、収納室80を通って主液室56と副液室58との間で液体が流通することが実質的に阻止される。
具体的には、防振装置10では、入力振動の周波数がシェイク振動の周波数(例えば、8〜12Hz)以下で、その振幅が大きい場合(例えば、0.5mm〜1mm程度の場合)には、可動板94が仕切部材48の底板部90又は仕切金具50の頂板部78に密着した状態となり、開口部88,92の一方が塞がれる。これにより、収納室80内を通って液体が主液室56と副液室58との間を実質的に流通することがなくなり、オリフィス66のみを通して主液室56と副液室58との間で液体が相互に流通する。ここで、オリフィス66は、その路長及び断面積がシェイク振動に適合するようにチューニングされている。この結果、防振装置10では、入力振動が特にシェイク振動の場合には、オリフィス66を流通する液体に共振現象(液柱共振)が生じ、この液柱共振の作用によって入力振動を効果的に減衰できる。
また防振装置10では、入力振動の周波数がシェイク振動の周波数よりも高く、その振幅が小さい場合、例えば、入力振動がアイドル振動(例えば、20〜30Hz)で、その振幅が0.1mm〜0.2mm程度の場合には、シェイク振動に適合するようにチューニングされたオリフィス66が目詰まり状態となり、オリフィス66には液体が流れ難くなるが、可動板94が収納室80内で入力振動に同期して上下へ振動することにより、可動板94と頂板部78及び底板部90との間に隙間が形成されることから、開口部88,92及び収納室80内を通って主液室56と副液室58との間で液体の流通が生じるので、主液室56内の液圧上昇に伴う動ばね定数の上昇を抑えることができ、このような高周波振動の入力時も弾性体16の動ばね定数を低く維持し、この弾性体16の弾性変形等により高周波振動も効果的に吸収できる。
なお、以上説明した本実施形態に係る防振装置10では、圧力吸収体として、オリフィス66を通過可能な多数の粒状物を封入する例を示したが、主液室56へ封入する圧力吸収体として、粒状物よりも大きい球体97を用いることもできる。この場合には、圧力吸収体により液体のオリフィス66内の流通が阻害されることを防止するため、図3に示すように、オリフィス66の出入り口付近に、圧力吸収体の密着を阻止するためのリブ98を設けておくとよい。
また、本発明の防振装置は、上記構成の防振装置に限定されるもののみならず、液体封入式のあらゆる防振装置に適用することができる。
本発明の実施形態に係る防振装置の構成を示す断面図である。 図1に示される可動板を収納した仕切部材及び仕切金具の構成を示す、(A)は側面断面図であり、(B)は斜視図である。 本発明の実施形態に係る防振装置の変形例を示す断面図である。
符号の説明
10 防振装置
12 内筒金具
14 外筒金具
16 弾性体
26 連結筒
28 ホルダ金具
30,32 脚部
36 ブラケット
38 ストッパゴム
40 延長金具
48 仕切部材
50 仕切金具
54 ダイヤフラム
56 主液室
58 副液室
62 連通口
64 連通口
66 オリフィス
96 圧力吸収体

Claims (4)

  1. 振動発生部及び振動受部の一方に連結される第1の取付部材と、
    振動発生部及び振動受部の他方に連結される第2の取付部材と、
    前記第1の取付部材と前記第2の取付部材との間に配置された弾性体と、
    前記弾性体を隔壁の一部として構成されて液体が封入され、前記弾性体の変形に伴い内容積が変化する主液室と、
    液体が封入され、隔壁の少なくとも一部がダイヤフラムにより形成されて拡縮可能とされた副液室と、
    前記主液室と前記副液室とを連通する制限通路と、
    を備え、
    前記主液室及び前記制限通路に、圧力変化に応じて体積が可変とされ、前記液体と共に前記制限通路を移動可能な粒状体である圧力吸収体が封入されていること、を特徴とする防振装置。
  2. 前記圧力吸収体は、発泡体を含んで構成されていること、を特徴とする請求項1に記載の防振装置。
  3. 前記圧力吸収体は、多孔質体を含んで構成されていること、を特徴とする請求項1に記載の防振装置。
  4. 前記圧力吸収体は、中空の球体を含んで構成されていること、を特徴とする請求項1に記載の防振装置。
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