JP2008051214A - 防振装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】広い周波数帯で効果的に防振できるようにする。
【解決手段】防振装置1は、エンジンが取り付けられる内筒金具2を有し、円筒金具2の貫通孔6内に弾性部材3が入り込み、貫通孔6の軸線方向に延びるアイドルオリフィス12が形成されている。アイドルオリフィス12の上端部には、第2副液室16が配置されており、第2副液室16内には可動メンブラン19が移動自在に収容されている。可動メンブラン19は、低い周波数の振動が入力されたときにはアイドルオリフィス12と第2副液室16との間を閉塞させ、所定の周波数以上の振動が入力されたときには第2副液室16内で振動する。
【選択図】図2
【解決手段】防振装置1は、エンジンが取り付けられる内筒金具2を有し、円筒金具2の貫通孔6内に弾性部材3が入り込み、貫通孔6の軸線方向に延びるアイドルオリフィス12が形成されている。アイドルオリフィス12の上端部には、第2副液室16が配置されており、第2副液室16内には可動メンブラン19が移動自在に収容されている。可動メンブラン19は、低い周波数の振動が入力されたときにはアイドルオリフィス12と第2副液室16との間を閉塞させ、所定の周波数以上の振動が入力されたときには第2副液室16内で振動する。
【選択図】図2
Description
本発明は、産業機械や、車両などに振動発生部をマウントするために用いられる防振装置に関する。
防振装置は、例えば、エンジンを車両に懸架する際に、エンジンが発生する振動を吸収して車体への伝達を抑制する目的で使用される。このような防振装置としては、オリフィスを介して連結した2つの液室を備え、振動が入力されたときには液室内に封入した液体をオリフィス内で振動させることで液柱共振を発生させ、振動を吸収するものが知られている。
オリフィスは、特定の周波数帯において振動を吸収するよう設定されており、通常は10Hz程度の振動(以下、シェイク振動という)や、エンジンのアイドル時に発生する20Hz程度の振動(以下、アイドル振動という)を吸収するように構成されている。このため、このような周波数よりも大きい周波数の振動が入力されると、オリフィス内の液体の振動が停止し、液体は剛体のように振舞う、いわゆる目詰まりを起こす。液室間に設けたオリフィスが目詰まりを起こすと、液室の内圧が上昇する。このような内圧上昇を抑制するために、従来の液体封入型の防振装置には、液室を形成する弾性体に隔壁状のメンブランを取り付けたものがある(例えば、特許文献1参照)。液室間に設けたオリフィスが目詰まりを起こしたときには、メンブランが弾性変形して液室の内容積を増加させる。液室の内容積が増加することで、液室の過度な内圧上昇が防止される。
特開2004−211833号公報
しかしながら、このような液体封入型の防振装置では、シェイク振動を吸収するようにオリフィスを設定すると、アイドル振動の減衰効率が低下する。さらに、動ばね定数が低下し、アイドル振動に相当する周波数帯の振動を効率良く吸収することができなかった。このように、特定の周波数の振動に合わせてオリフィスを設定すると、他の周波数帯の振動を効率良く吸収減衰させることが困難であった。さらに、高い周波数の振動を減衰させるために他のオリフィスを設けると、防振装置が大型化するという問題があった。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、広い周波数帯で効果的に防振できるようにすることを主な目的とする。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、広い周波数帯で効果的に防振できるようにすることを主な目的とする。
上記の課題を解決する本発明の請求項1に係る発明は、振動発生部又は振動受部の一方の連結される内筒金具と、前記振動発生部又は前記振動受部の他方に連結される外筒金具と前記内筒金具と前記外筒金具との間に配置される弾性体と、前記弾性体の一部を利用して形成され、内部に液体が封入されて前記弾性体の変形により内容積が変化する主液室と、ダイヤフラムを含んで区画され、液体が封入されて前記ダイヤフラムの変形によって内容積が変化可能な第1副液室と、前記主液室と前記副液室とを区画し、振動吸収に用いられる仕切部材と、前記内筒金具に形成された孔内に延び、前記主液室に接続される第1のオリフィスと、前記内筒金具内に配置され、前記孔の長さ方向に略平行な前記第1のオリフィスの長さ方向の端部に接続された第2副液室と、前記第2副液室内に収容され、前記第1のオリフィスの長さ方向に移動可能な可動体と、を有することを特徴とする防振装置とした。
この防振装置では、可動体(第2副液室)と第1のオリフィスとが主液室に直列に配置されている。可動体の移動範囲よりも小さい振幅の振動が入力されると、可動体が第2副液室内で振動する。さらに、第1のオリフィス内で液体が液柱共振して振動が減衰される。
この防振装置では、可動体(第2副液室)と第1のオリフィスとが主液室に直列に配置されている。可動体の移動範囲よりも小さい振幅の振動が入力されると、可動体が第2副液室内で振動する。さらに、第1のオリフィス内で液体が液柱共振して振動が減衰される。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の防振装置において、前記可動体は、前記第2副液室を形成する収容容器と、前記内筒金具との間で移動可能に構成されており、前記収容容器は前記内筒金具に固定されていることを特徴とする。
この防振装置では、可動体が振動する際には収容容器や内筒金具に当接することがあるが、このような場合に発生する可動体によって発生する振動が内筒金具に入力される。この振動は振動発生部で発生した振動と同様に弾性体等に吸収される。
この防振装置では、可動体が振動する際には収容容器や内筒金具に当接することがあるが、このような場合に発生する可動体によって発生する振動が内筒金具に入力される。この振動は振動発生部で発生した振動と同様に弾性体等に吸収される。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の防振装置において、前記仕切部材によって形成され、前記主液室と前記副液室を連通させる第2のオリフィスを有することを特徴とする。
この防振装置では、低い周波数の振動が発生したときには、仕切部材側の第2のオリフィスを流動する液体が液柱共振を起こして振動を吸収する。
この防振装置では、低い周波数の振動が発生したときには、仕切部材側の第2のオリフィスを流動する液体が液柱共振を起こして振動を吸収する。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の防振装置において、前記第1のオリフィスの流通抵抗は、前記第2のオリフィスの流通抵抗よりも小さいことを特徴とする。
この防振装置では、周波数が高い振動は第1のオリフィスで減衰される。周波数が相対的に低い振動は第2のオリフィスで減衰される。
この防振装置では、周波数が高い振動は第1のオリフィスで減衰される。周波数が相対的に低い振動は第2のオリフィスで減衰される。
請求項5に係る発明は、請求項1に記載の防振装置において、前記仕切部材は、前記弾性体の動ばね定数を増加させる剛体からなることを特徴とする。
この防振装置では、仕切部材で弾性体の動ばね定数を増加させてあるので、振動発生部の移動を抑制することができる。このため、振幅の小さい振動が発生し難くなる。
この防振装置では、仕切部材で弾性体の動ばね定数を増加させてあるので、振動発生部の移動を抑制することができる。このため、振幅の小さい振動が発生し難くなる。
本発明によれば、内筒金具内に配置した第1のオリフィス及び可動体で振動を減衰させるようにしたので、主液室と第1副液室との間に配置される仕切部材を用いて行う振動吸収とは異なる周波数の振動を減衰させることが可能になる。また、内筒金具内に第1のオリフィス及び可動体が配置されるので、装置外形の大型化が防止され、軽量化も図れる。
本発明の実施の形態について以下に説明する。なお、以下の実施の形態に係る防振装置は、自動車のエンジン用マウントして説明するが、一般的な産業機械に使用される防振装置であっても良い。
(第1の実施の形態)
図1及び図2に示すように、防振装置1は、振動発生部であるエンジンに固定される内筒金具2を有し、内筒金具2をインサートコアとして吸収主体となる弾性体3が加硫成形されている。内筒金具2は、弾性体3に埋設される円筒部4を有し、円筒部4の上端側の側部からブラケット金具5が円筒部4の径方向外側に向けて一体に延設されている。ブラケット金具5は、弾性体3から突出する位置に取付面5Aを有し、この取付面5Aにエンジンがブラケット等を介して固定される。円筒部4は、上下に貫通する貫通孔6を有し、貫通孔6の下部開口6Aから上部開口6Bに至るまでの途中に環状部7が貫通孔6の内径を減少させるように環状に設けられている。環状部7は、上向きの当接面7Aを形成している。
図1及び図2に示すように、防振装置1は、振動発生部であるエンジンに固定される内筒金具2を有し、内筒金具2をインサートコアとして吸収主体となる弾性体3が加硫成形されている。内筒金具2は、弾性体3に埋設される円筒部4を有し、円筒部4の上端側の側部からブラケット金具5が円筒部4の径方向外側に向けて一体に延設されている。ブラケット金具5は、弾性体3から突出する位置に取付面5Aを有し、この取付面5Aにエンジンがブラケット等を介して固定される。円筒部4は、上下に貫通する貫通孔6を有し、貫通孔6の下部開口6Aから上部開口6Bに至るまでの途中に環状部7が貫通孔6の内径を減少させるように環状に設けられている。環状部7は、上向きの当接面7Aを形成している。
弾性体3は、内筒金具2の円筒部4の外周を覆うように加硫成形されており、その一部が円筒部4の貫通孔6の内周に入り込んでいる。弾性体3は、貫通孔6内では、環状部7の下面に密着している。貫通孔6内で弾性体3は、環状部7の内径に略等しい内径で延びる円筒部11になっており、この円筒部11が形成する空間と環状部7が形成する空間とでアイドルオリフィス12(第1のオリフィス)が形成されている。アイドルオリフィス12の下端には、空間21が形成されている。空間21は、下方に向けてなだらかに拡径した後に、段差部22によってさらに不連続に拡径し、その後略一定の径で弾性体3の下端に至り、開口部23を形成している。弾性体3の下端側の外周は、外筒金具25に加硫接着されている。外筒金具25は、環状の溝26がプレス加工等によって凹設されている。溝26は、弾性体3の段差部22によって形成された下向きの突き当て面22Aよりも上方に配置されている。したがって、段差部22の突き当て面22Aは、溝26によってサポートされる。なお、外筒金具25は、ホルダ金具45内に嵌挿されている。図1に示すように、ホルダ金具45の端部45Aは、弾性体3の上面に当接するリバウンド金具46の端部46Aと重ね合わされる。これら端部45A,46Aには、取付穴47が形成されている。
弾性体3の下端の開口部23からは、仕切部材30とダイヤフラム31とが順番に挿入されており、ダイヤフラム31によって、空間21の開口部23が密閉されている。
ダイヤフラム31は、自然状態では上方、つまり内筒金具2に向かって凸となる略円錐台形状を有し、中央に突起32が設けられている。
図2及び図3に示すように、仕切部材30は、円板の両端面35,36の中央部分に凹部35A,36Aを形成し、外周部には、周方向に一周未満の所定の長さで連通溝37が形成されている。連通溝37の一端部37Aは、端面35側に切り欠かれ、連通溝37の他端部37Bは、端面36側に切り欠いてある。仕切部材30の外周面は、弾性体3の空間21の段差部22よりも下方の内周面22Aに液密に接触しており、仕切部材30の連通溝37と弾性体3の内周面とで制限流路であるオリフィス40(第2のオリフィス)が形成される。さらに、仕切部材30の回転中心には軸線方向に平行に孔41が凹部35Aと凹部36Bとを連通させるように形成されている。孔41は、400Hz程度の非常に高い周波数でオリフィスとして機能するが、この実施の形態に必須の構成要素ではない。
ダイヤフラム31は、自然状態では上方、つまり内筒金具2に向かって凸となる略円錐台形状を有し、中央に突起32が設けられている。
図2及び図3に示すように、仕切部材30は、円板の両端面35,36の中央部分に凹部35A,36Aを形成し、外周部には、周方向に一周未満の所定の長さで連通溝37が形成されている。連通溝37の一端部37Aは、端面35側に切り欠かれ、連通溝37の他端部37Bは、端面36側に切り欠いてある。仕切部材30の外周面は、弾性体3の空間21の段差部22よりも下方の内周面22Aに液密に接触しており、仕切部材30の連通溝37と弾性体3の内周面とで制限流路であるオリフィス40(第2のオリフィス)が形成される。さらに、仕切部材30の回転中心には軸線方向に平行に孔41が凹部35Aと凹部36Bとを連通させるように形成されている。孔41は、400Hz程度の非常に高い周波数でオリフィスとして機能するが、この実施の形態に必須の構成要素ではない。
仕切部材30によって、空間21は、アイドルオリフィス12に連なる主液室50と、ダイヤフラム31側の第1副液室51とに区画される。これら2つの室50,51内、及びアイドルオリフィス12内、収容容器13内には水やエチレングリコール、オイル等の液体が封入されている。主液室50と第1副液室51との間は、オリフィス40と孔41とを介して連通される。
ここで、図1及び図4に示すように、内筒金具2の貫通孔6の上部開口6Bが形成する凹部には、収容容器13が圧入によって固定されている。収容容器13は、下向きに開口を有する有底筒形状を有し、閉塞された上端部18の中央は上方に突出するダイヤフラム15になっている。収容容器13内部の空間である第2副液室16には、可動メンブラン19(可動体)が配置されている。可動メンブラン19は、可撓性を有する樹脂製の円板形状を有する。その外径は、収容容器13の筒部14の内径よりも小さく、ダイヤフラム15の外径、及び内筒金具2の環状部7の内径より大きい。さらに、可動メンブラン19の厚さ(T1)は、収容容器13の筒部14の長さ、つまり第2副液室16の高さ(上端部18の下面から当接面7Aまでの距離:T2)よりも短い。
次に、防振装置1の動作について説明する。
エンジンを車体にマウントするときには、防振装置1のホルダ金具45及びリバウンド金具46の端部45A,46Aの取付穴47にボルトを通して車体(不図示)に固定する。これによって、外筒金具25がホルダ金具45などを介して車体(振動受部)に固定される。また、内筒金具2のブラケット金具5にブラケットを介してエンジンを固定する。
エンジンを車体にマウントするときには、防振装置1のホルダ金具45及びリバウンド金具46の端部45A,46Aの取付穴47にボルトを通して車体(不図示)に固定する。これによって、外筒金具25がホルダ金具45などを介して車体(振動受部)に固定される。また、内筒金具2のブラケット金具5にブラケットを介してエンジンを固定する。
自動車を走行させると、エンジンの自重などに起因して発生する比較的に周波数の低い(振幅の大きい)振動が発生する。このような振動は、例えば、10Hz程度の周波数で乗員の乗り心地に影響を及ぼす(シェイク振動)。このような振動は、内筒金具2から弾性体3に伝達される。これに対して、外筒金具25は車体側に固定されているので、内筒金具2は外筒金具25に対して相対的に変位する。その結果、弾性体3が弾性変形し、弾性体3の内部の摩擦に基づいて、吸振作用が発生してエンジンの振動が吸収される。
このときの振動は、周波数が低く、振幅が大きいので、振動に対応して移動する液体の移動量が可動メンブラン19が移動可能な距離(図4のT2−T1)よりも大きくなる。その結果、図4に示すように、可動メンブラン19は突き当て面7Aに突き当てられて密着した状態で停止し、可動メンブラン19によってアイドルオリフィス12の上端が密閉される。
また、弾性体3の変形に伴って主液室50の内容積が増減するが、主液室50の内容積が減少したときには主液室50の内圧が上昇する。主液室50と第1副液室51との間に差圧が発生するので、主液室50内の液体が主にオリフィス40を通って第1副液室51に流入する。
エンジンから入力した振動がシェイク振動のように周波数が比較的に低い場合には、入力される振動に応答して液体が図3に矢印で示すように、又は矢印と反対向きにオリフィス40を流れて主液室50と第1副液室51との間で流動する。この際に、液体に液柱共振が発生し、圧力変動や粘性抵抗等によって振動エネルギが減衰される。その結果、エンジンから入力される振動が減衰される。なお、液柱共振によって吸収できる振動の周波数(振幅)は、液体の種類やオリフィス40の流通抵抗などによって異なる。例えば、10Hz程度のシェイク振動を吸収するのに適したオリフィス(シェイクオリフィス)にすると、乗り心地を向上させることができる。
エンジンから入力した振動がシェイク振動のように周波数が比較的に低い場合には、入力される振動に応答して液体が図3に矢印で示すように、又は矢印と反対向きにオリフィス40を流れて主液室50と第1副液室51との間で流動する。この際に、液体に液柱共振が発生し、圧力変動や粘性抵抗等によって振動エネルギが減衰される。その結果、エンジンから入力される振動が減衰される。なお、液柱共振によって吸収できる振動の周波数(振幅)は、液体の種類やオリフィス40の流通抵抗などによって異なる。例えば、10Hz程度のシェイク振動を吸収するのに適したオリフィス(シェイクオリフィス)にすると、乗り心地を向上させることができる。
なお、第1副液室51に液体が流入する際には、ダイヤフラム31が下方に弾性変形する。第1副液室51の内容積を増加するので、液体をさらに流入させることが可能になると共に、第1副液室51内の液圧上昇が抑制される。
これに対して、エンジンから入力される振動が例えば、20Hz程度のアイドル振動である場合には、オリフィス40内での液体の流通抵抗が大きくなって液体の共振が抑制される。このときには、仕切部材30(オリフィス40)側が剛体のようになって、液柱共振による振動の吸収ができなくなる。
また、アイドル振動では、液体の移動量が小さくなって、可動メンブラン19が移動可能な距離(T1−T2)よりも小さくなる。その結果、可動メンブラン19が収容容器13内で上端部18の下面から当接面7Aまでの間で軸線方向に振動し、動ばね定数が下がる。さらに、アイドルオリフィスで液柱共振が発生して振動が吸収される。この際に、可動メンブラン19の振動に伴って収容容器13内の第2副液室16の内圧が上昇するが、ダイヤフラム15は可動メンブラン19よりも剛性が低く製造されているので、ダイヤフラム15の変形によって収容容器13内の圧力上昇が抑制され、可動メンブラン19が円滑に振動できるようになる。
また、アイドル振動では、液体の移動量が小さくなって、可動メンブラン19が移動可能な距離(T1−T2)よりも小さくなる。その結果、可動メンブラン19が収容容器13内で上端部18の下面から当接面7Aまでの間で軸線方向に振動し、動ばね定数が下がる。さらに、アイドルオリフィスで液柱共振が発生して振動が吸収される。この際に、可動メンブラン19の振動に伴って収容容器13内の第2副液室16の内圧が上昇するが、ダイヤフラム15は可動メンブラン19よりも剛性が低く製造されているので、ダイヤフラム15の変形によって収容容器13内の圧力上昇が抑制され、可動メンブラン19が円滑に振動できるようになる。
この実施の形態によれば、主液室50と第1副液室51をオリフィス40で連通させた2室構造において、主液室50側にアイドルオリフィス12をさらに形成し、アイドルオリフィス12の上端側に可動メンブラン19を配置したので、オリフィス40で吸収減衰させる周波数帯よりも高い周波数帯の振動を吸収させることが可能になる。このため、低い周波数の振動を抑制して乗り心地を向上させつつ、高い周波数に起因する振動を減衰させることができる。
内筒金具2に貫通孔6を形成し、この貫通孔6を利用してアイドルオリフィス12を形成したので、高い周波数の振動を吸収するのに十分なオリフィスを形成することが可能になる。さらに、内筒金具2に貫通孔6を形成したので、防振装置1の大型化を防止し、防振装置1を軽量化できる。
可動メンブラン19を収容する収容容器13を内筒金具2に固定したので、可動メンブラン19の振動が弾性体3に直接伝達されない。このため、可動メンブラン19の振動を車体側に伝達し難くすることができる。
なお、内筒金具2の円筒部4の長さの範囲内でアイドルオリフィス12の長さを調整したり、収容容器13の空間17の高さを調整することで、振動の吸収特性を変更できるので、設計変更等やチューニングが容易である。
内筒金具2に貫通孔6を形成し、この貫通孔6を利用してアイドルオリフィス12を形成したので、高い周波数の振動を吸収するのに十分なオリフィスを形成することが可能になる。さらに、内筒金具2に貫通孔6を形成したので、防振装置1の大型化を防止し、防振装置1を軽量化できる。
可動メンブラン19を収容する収容容器13を内筒金具2に固定したので、可動メンブラン19の振動が弾性体3に直接伝達されない。このため、可動メンブラン19の振動を車体側に伝達し難くすることができる。
なお、内筒金具2の円筒部4の長さの範囲内でアイドルオリフィス12の長さを調整したり、収容容器13の空間17の高さを調整することで、振動の吸収特性を変更できるので、設計変更等やチューニングが容易である。
(第2の実施の形態)
図5を用いて第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構成要素には同一の符号を付してある。また、重複する説明は省略する。
防振装置60は、弾性体3の空間21に開口部23側から仕切部材であるプレート61と、ダイヤフラム62とが順番に挿入され、ダイヤフラム62で空間21が密閉されている。プレート61は、円板状の剛体からなり、段差部22の突き当て面22Aに外周が突き当てられるようにダイヤフラム62に支持されている。プレートの下面の中央には、凹部63が形成されている。凹部63を挟んで略対称な位置には、2つの貫通孔64がプレート61の上面から下面に貫通するように形成されている。各貫通孔64の径及び長さは、略等しい。さらに、プレート61の下面には、凹部63及び貫通孔64を含む範囲で凹部61Aが形成されている。ダイヤフラム62には、貫通孔64に当接可能で貫通孔64を閉塞させる突起65が一つずつ形成されている。
図5を用いて第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構成要素には同一の符号を付してある。また、重複する説明は省略する。
防振装置60は、弾性体3の空間21に開口部23側から仕切部材であるプレート61と、ダイヤフラム62とが順番に挿入され、ダイヤフラム62で空間21が密閉されている。プレート61は、円板状の剛体からなり、段差部22の突き当て面22Aに外周が突き当てられるようにダイヤフラム62に支持されている。プレートの下面の中央には、凹部63が形成されている。凹部63を挟んで略対称な位置には、2つの貫通孔64がプレート61の上面から下面に貫通するように形成されている。各貫通孔64の径及び長さは、略等しい。さらに、プレート61の下面には、凹部63及び貫通孔64を含む範囲で凹部61Aが形成されている。ダイヤフラム62には、貫通孔64に当接可能で貫通孔64を閉塞させる突起65が一つずつ形成されている。
この実施の形態の作用について説明する。プレート61は、第1の実施の形態のようなオリフィス(オリフィス40)が無いので振動を減衰させることはできない。弾性体3は、プレート61の挿入によって、ソリッドタイプの防振装置と同等又はそれ以上の高い動ばね定数になっている。したがって、エンジンの移動が抑制されるので、例えば、10Hz程度のようなシェイク振動が発生し難くなる。
これに対して、例えば、20Hz程度のアイドル振動では、可動メンブラン19が第1の実施の形態と同様に振動し、アイドルオリフィス12における液柱共振によって振動が減衰される。
さらに高い周波数の振動が入力され、アイドルオリフィス12が目詰まりを起こしたときには、プレート61の貫通孔64を通じて第2副液室51に液体が流入する。そして、貫通孔64による液柱共振で振動を減衰吸収する。
なお、副液室51には、エンジンをマウントするときにも第1副液室51から液体が流入する。このときは、防振装置60に荷重がかかっていない状態から、エンジンの重量が加わるので、このときの荷重によって弾性体3が収縮する。その結果、主液室50の容積が減って、余剰となった液体が第1副液室51に流入する。
これに対して、例えば、20Hz程度のアイドル振動では、可動メンブラン19が第1の実施の形態と同様に振動し、アイドルオリフィス12における液柱共振によって振動が減衰される。
さらに高い周波数の振動が入力され、アイドルオリフィス12が目詰まりを起こしたときには、プレート61の貫通孔64を通じて第2副液室51に液体が流入する。そして、貫通孔64による液柱共振で振動を減衰吸収する。
なお、副液室51には、エンジンをマウントするときにも第1副液室51から液体が流入する。このときは、防振装置60に荷重がかかっていない状態から、エンジンの重量が加わるので、このときの荷重によって弾性体3が収縮する。その結果、主液室50の容積が減って、余剰となった液体が第1副液室51に流入する。
この実施の形態では、プレート61で弾性体3の動バネ定数を高めたので、シェイクオリフィスを設けなくても、低い周波数帯の振動が車体側に伝達されないようにできる。シェイクオリフィスに必要な溝などが不要になるので装置構成を簡略化できる。また、動バネ定数を高めているので、操縦安定性が向上する。可動メンブランを上方に配置した効果は、第1の実施の形態と同様である。
なお、本発明は、前記した実施の形態に限定されずに広く応用することが可能である。
例えば、内筒金具2形成される孔は、貫通孔6に限定されずに上端側が閉塞されていても良い。内筒金具2を車体側に固定し、外筒金具25をエンジンに固定しても良い。
例えば、内筒金具2形成される孔は、貫通孔6に限定されずに上端側が閉塞されていても良い。内筒金具2を車体側に固定し、外筒金具25をエンジンに固定しても良い。
1,60 防振装置
2 内筒金具
3 弾性体
6 貫通孔
12 アイドルオリフィス(第1のオリフィス)
13 収容容器
16 第2副液室
19 可動メンブラン(可動体)
21 空間
25 外筒金具
40 オリフィス(第2のオリフィス)
50 主液室
51 第1副液室
61 プレート(仕切部材)
2 内筒金具
3 弾性体
6 貫通孔
12 アイドルオリフィス(第1のオリフィス)
13 収容容器
16 第2副液室
19 可動メンブラン(可動体)
21 空間
25 外筒金具
40 オリフィス(第2のオリフィス)
50 主液室
51 第1副液室
61 プレート(仕切部材)
Claims (5)
- 振動発生部又は振動受部の一方の連結される内筒金具と、
前記振動発生部又は前記振動受部の他方に連結される外筒金具と
前記内筒金具と前記外筒金具との間に配置される弾性体と、
前記弾性体の一部を利用して形成され、内部に液体が封入されて前記弾性体の変形により内容積が変化する主液室と、
ダイヤフラムを含んで区画され、液体が封入されて前記ダイヤフラムの変形によって内容積が変化可能な第1副液室と、
前記主液室と前記副液室とを区画し、振動吸収に用いられる仕切部材と、
前記内筒金具に形成された孔内に延び、前記主液室に接続される第1のオリフィスと、
前記内筒金具内に配置され、前記孔の長さ方向に略平行な前記第1のオリフィスの長さ方向の端部に接続された第2副液室と、
前記第2副液室内に収容され、前記第1のオリフィスの長さ方向に移動可能な可動体と、
を有することを特徴とする防振装置。 - 前記可動体は、前記第2副液室を形成する収容容器と、前記内筒金具との間で移動可能に構成されており、前記収容容器は前記内筒金具に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の防振装置。
- 前記仕切部材によって形成され、前記主液室と前記副液室を連通させる第2のオリフィスを有することを特徴とする請求項1に記載の防振装置。
- 前記第1のオリフィスの流通抵抗は、前記第2のオリフィスの流通抵抗よりも小さいことを特徴とする請求項3に記載の防振装置。
- 前記仕切部材は、前記弾性体の動ばね定数を増加させる剛体からなることを特徴とする請求項1に記載の防振装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006228008A JP2008051214A (ja) | 2006-08-24 | 2006-08-24 | 防振装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006228008A JP2008051214A (ja) | 2006-08-24 | 2006-08-24 | 防振装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008051214A true JP2008051214A (ja) | 2008-03-06 |
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ID=39235469
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2006228008A Withdrawn JP2008051214A (ja) | 2006-08-24 | 2006-08-24 | 防振装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2008051214A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE112009002210T5 (de) | 2008-09-17 | 2011-09-29 | Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. | Schwingungsabsorber mit eingeschlossener Flüssigkeit |
CN103363013A (zh) * | 2012-04-05 | 2013-10-23 | 东海橡塑工业株式会社 | 流体封入式隔振装置 |
US8807544B2 (en) | 2009-04-16 | 2014-08-19 | Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. | Liquid-sealed antivibration device |
-
2006
- 2006-08-24 JP JP2006228008A patent/JP2008051214A/ja not_active Withdrawn
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DE112009002210B4 (de) * | 2008-09-17 | 2020-03-05 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Schwingungsabsorber mit eingeschlossener Flüssigkeit |
US8807544B2 (en) | 2009-04-16 | 2014-08-19 | Toyo Tire & Rubber Co., Ltd. | Liquid-sealed antivibration device |
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