JP2009085313A - 流体封入式防振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】受圧室のリリーフ機構の部品点数や製造工程が削減されて、低コスト化が図られることに加えて、オリフィス効果が有効に発揮される、新規な構造の流体封入式防振装置を提供する。
【解決手段】可動ゴム膜80に貫設されたリリーフ用孔84の周囲において受圧室側筒状突部86を可動ゴム膜80の一方の面上に突設する一方、リリーフ用孔84の形成部位で可動ゴム膜80の一方の面側に受圧室側当接部材38を配設し、且つ他方の面側に平衡室側当接部材36を配設して、受圧室側筒状突部86の先端面を受圧室側当接部材38に当接させると共に、受圧室側当接部材38に連通孔60を設けて受圧室側筒状突部86の内部を受圧室74に連通させる一方、リリーフ用孔84の他方の開口周縁部を平衡室側当接部材36に当接させてリリーフ用孔84を平衡室側当接部材36で流体密に閉塞させた。
【選択図】図1

Description

本発明は、内部の流体室に封入された非圧縮性流体の流動作用に基づき防振効果を得るようにした流体封入式防振装置に係り、特に、流体室の圧力変動を吸収する液圧吸収機構を備えた流体封入式防振装置に関するものである。
従来から、振動伝達系を構成する部材間に介装される防振連結体や防振支持体等の防振装置の一種として、非圧縮性流体の流動作用に基づいて防振効果を得るようにした流体封入式防振装置が知られている。この流体封入式防振装置は、第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結して、壁部の一部が本体ゴム弾性体で構成されて非圧縮性流体が封入された受圧室と、壁部の一部が変形容易な可撓性膜で構成されて非圧縮性流体が封入された平衡室を形成すると共に、両室をオリフィス通路を通じて相互に連通せしめた構造とされている。このような構造によれば、振動入力に伴い受圧室と平衡室の間に相対的な圧力変動が生じて、オリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の共振作用等の流動作用に基づき防振効果としてのオリフィス効果が得られる。かくの如き流体封入式防振装置は、例えば、自動車用のエンジンマウントやボデーマウント、デフマウントの他サスペンションメンバマウント等への適用が検討されている。
さらに、上述の流体封入式防振装置の発展型として、液圧吸収機構を備えた流体封入式防振装置がある。この液圧吸収機構は、受圧室と平衡室の間に可動ゴム膜を配設して、可動ゴム膜の一方の面に受圧室の圧力が及ぼされ且つ他方の面に平衡室の圧力が及ぼされるようになっており、受圧室と平衡室の間の相対的な圧力差による可動ゴム膜の変形によって、受圧室の圧力変動を吸収する構造とされている。それによって、例えば、オリフィス通路のチューニング周波数よりも高周波数域で問題となる振動が入力された場合に、受圧室の圧力変動が可動ゴム膜の弾性変形により吸収されて、高動ばね化が回避されることから、防振効果の安定化が図られる。
ところで、上述の流体封入式防振装置においては、第一の取付部材と第二の取付部材の間に衝撃的に大きな振動荷重が入力されると、受圧室に過大な負圧が生ぜしめられて、流体中に溶存していた空気が分離して、キャビテーション等と称される気泡を発生することがあった。そして、かかる気泡の崩壊に伴い水撃圧が生じて、これが第一の取付部材や第二の取付部材等に伝播すると、自動車のボデー等の防振対象部材に伝達されて、問題となる異音や振動が生ぜしめられるおそれがあった。
そこで、このような問題に対処するために、例えば特許文献1(特開2007−107712号公報)には、オリフィス通路の一部を利用してリリーフ機構を設けた構造が提案されている。即ち、オリフィス通路の一部を利用して短絡流路を仕切部材に形成すると共に、短絡流路の受圧室側の開口部にリリーフ弁を設ける。そして、衝撃的な振動入力時に、受圧室の負圧の作用によってリリーフ弁を開き、受圧室と平衡室を短絡流路を通じて短絡せしめる。これにより、受圧室の圧力と平衡室の圧力が平衡状態に向かい、受圧室の圧力がキャビテーションを発生する負圧に到達することが回避されることから、キャビテーションに起因する異音や振動の発生が防止される。
ところが、特許文献1に記載の流体封入式防振装置では、リリーフ弁が仕切部材や可動ゴム膜等と別途配設されることにより、部品点数が増加すると共に、リリーフ弁における成形工程や組み付け工程等の製造工程が増えて、製造コストが高くなる問題があった。しかも、短絡流路がオリフィス通路の一部を利用して形成されていることから、オリフィス通路の設計自由度が制限されたり、オリフィス通路の壁部の一部がリリーフ弁で構成されることによって、オリフィス通路を通じての流体の流動作用が安定して生ぜしめられ難くなる可能性があった。
なお、かかる問題に対処するため、例えば特許文献2(特開昭61−294236号公報)にも示されているように、可動ゴム膜に切れ込み等を入れておき、受圧室の負圧状態で、可動ゴム膜の変形による切れ込み部分の開口に基づきスリットを発現せしめて、このスリットを通じて受圧室と平衡室を短絡せしめることが考えられる。即ち、可動ゴム膜の弾性変形を利用して受圧室のリリーフ機構が構成されることから、リリーフ弁を別途設ける必要がなくなって、部品点数や製造工程の削減が図られるのである。
しかしながら、特許文献2に係る流体封入式防振装置においては、可動ゴム膜に切れ込みが設けられていることで、切れ込み部を開口せしめる必要がない過大な正圧等が受圧室に生じた際にも、可動ゴム膜が弾性変形して、切れ込み部が開口せしめられる可能性があった。そのため、防振すべきオリフィス通路のチューニング周波数域の振動入力時等にも、受圧室と平衡室が短絡して、オリフィス通路を通じての流体流動量が充分に確保され難くなり、目的とするオリフィス効果が安定して得られ難い問題を内在していた。しかも、可動ゴム膜が繰り返し弾性変形することで、切れ込み部の端部の亀裂が伸長して、可動ゴム膜の耐久性が問題となり易い可能性があった。
特開2007−107712号公報 特開昭61−294236号公報
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、受圧室のリリーフ機構の部品点数や製造工程が削減されて、低コスト化が図られることに加えて、オリフィス通路を通じての流体の流動作用に基づく防振効果が安定して得られる、新規な構造の流体封入式防振装置を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意な組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載されたもの、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
すなわち、本発明の特徴とするところは、第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結すると共に、本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された受圧室と、可撓性膜で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された平衡室を形成して、それら受圧室と平衡室をオリフィス通路によって相互に連通すると共に、それら受圧室と平衡室の間に可動ゴム膜を配設して可動ゴム膜の一方の面に受圧室の圧力が及ぼされるようにすると共に可動ゴム膜の他方の面に平衡室の圧力が及ぼされるようにすることにより受圧室の微小圧力変動を吸収する液圧吸収機構を構成した流体封入式防振装置において、可動ゴム膜にリリーフ用孔を貫通形成すると共に、リリーフ用孔の周囲において可動ゴム膜の一方の面上に突出する受圧室側筒状突部を可動ゴム膜に一体形成する一方、リリーフ用孔の形成部位において可動ゴム膜の一方の面側に受圧室側当接部材を配設すると共に可動ゴム膜の他方の面に平衡室側当接部材を配設して、リリーフ用孔の一方の開口部を構成する受圧室側筒状突部の突出先端面を受圧室側当接部材に当接させると共に、受圧室側筒状突部の内部を受圧室側当接部材に形成された連通孔を通じて受圧室に連通せしめる一方、リリーフ用孔の他方の開口周縁部を平衡室側当接部材に対して全周に亘って密接状態で当接させてリリーフ用孔を平衡室側当接部材で閉塞せしめた流体封入式防振装置にある。
このような本発明に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、衝撃的な荷重が入力されて、受圧室に負圧が生じると、可動ゴム膜が受圧室側に向かって弾性変形する。この変形に伴い、可動ゴム膜と一体形成された受圧室側筒状突部が、受圧室側当接部材と可動ゴム膜の間で軸方向に圧縮変形すると共に、受圧室側筒状突部と反対側におけるリリーフ用孔の他方の開口周縁部が、受圧室側筒状部材の圧縮変形量に相当する分だけ受圧室側に向かって変位する。これにより、リリーフ用孔の他方の開口周縁部が平衡室側当接部材から離隔して、連通孔とリリーフ用孔を通じて受圧室と平衡室が短絡することから、受圧室の圧力と平衡室の圧力が平衡状態に向かい、受圧室の過大な負圧状態が解消されるリリーフ効果が得られる。その結果、受圧室の圧力がキャビテーションを発生する負圧に到ることが回避されて、キャビテーションに起因する異音や振動が防止される。
特に本構造では、受圧室の過負圧状態を解消させるリリーフ機構が、可動ゴム膜に形成されたリリーフ用孔や受圧室側筒状突部を含んで構成されており、受圧室が負圧になった際の可動ゴム膜および受圧室側筒状突部の変形を利用してリリーフ効果が発揮されるようになっている。従って、リリーフ機構と可動ゴム膜による液圧吸収機構が一体的に設けられていることから、両機構を備えた防振装置が少ない部品点数で実現されると共に、製造工程の短縮化が図られて、製造コストが効果的に低減され得る。
しかも、リリーフ機構が可動ゴム膜側に設けられていることによって、オリフィス通路の設計自由度が有効に確保されることに加え、オリフィス通路を通じての流体流動量が充分に確保される。即ち、可動ゴム膜の共振周波数が、一般に、オリフィス通路を通じて流動せしめられる流体の共振周波数に比して高周波数域に設定されていることにより、オリフィス通路のチューニング周波数域の振動入力時に、可動ゴム膜が変形され難くなっている。これにより、可動ゴム膜の変形に伴う受圧室側筒状突部の変形も抑えられて、リリーフ用孔の他方の開口周縁部と平衡室側当接部材との当接状態が良好に維持される。それ故、オリフィス通路のチューニング周波数域の振動入力時に、受圧室の圧力がリリーフ用孔を通じて漏れることが抑えられ、オリフィス通路を通じての流体流動量が充分に確保されることに基づき、優れたオリフィス効果が得られるのである。
また、本発明に係る流体封入式防振装置では、受圧室側当接部材における受圧室側筒状突部の当接部分において、受圧室側筒状突部の内部に直接に開口して受圧室側筒状突部の内部を受圧室に連通せしめる連通孔が形成されていても良い。このような構造によれば、受圧室側当接部材に形成された連通孔と受圧室側筒状突部の内部にあるリリーフ用孔が直接に接続せしめられることから、受圧室と平衡室を短絡せしめる流路長さの短縮化とそれに伴うリリーフ効果の向上が図られ得る。
また、本発明に係る流体封入式防振装置では、可動ゴム膜におけるリリーフ用孔が、可動ゴム膜の中央に位置して一つ形成されている構造が、採用されても良い。このような構造によれば、リリーフ用孔の受圧室側当接部材および平衡室側当接部材に対する周方向の位置決めが不要となって、可動ゴム膜の組み付けが一層楽になる。
また、本発明に係る流体封入式防振装置では、受圧室側筒状突部の突出先端面が、その全周に亘って受圧室側当接部材に対して当接せしめられている構造が、採用されても良い。このような構造によれば、受圧室側筒状突部と受圧室側当接部材の当接状態が安定して、筒状突部における軸方向の安定した圧縮変形に基づき、リリーフ用孔の他方の開口部と平衡室側当接部材の離隔状態が安定する。これにより、受圧室と平衡室が確実に短絡せしめられて、リリーフ効果がより有効に発揮され得る。
また、本発明に係る流体封入式防振装置では、可動ゴム膜が、リリーフ用孔の周囲において、受圧室側当接部材と平衡室側当接部材との間で厚さ方向で圧縮状態で配設されている構造が、採用されても良い。このような構造によれば、振動入力時に可動ゴム膜の各一方の面に受圧室と平衡室の圧力が及ぼされた際の可動ゴム膜の変位乃至は変形に伴って、可動ゴム膜のリリーフ用孔の周囲が、受圧室側および平衡室側の当接部材に対して当接乃至は離隔することが抑えられて、かかる当接乃至は離隔に起因する打音の発生が防止される。また、通常の大きさの荷重入力時にも、受圧室側筒状突部が軸方向に圧縮変形することに伴ってリリーフ用孔の他方の開口周縁部が平衡室側当接部材から離隔してしまって、受圧室が不必要に短絡せしめられることが防止される。
また、本発明に係る流体封入式防振装置では、リリーフ用孔の周囲において可動ゴム膜の他方の面上に突出する平衡室側筒状突部を可動ゴム膜に一体形成すると共に、リリーフ用孔の他方の開口部を構成する平衡室側筒状突部の突出先端面を平衡室側当接部材に当接させた構造が、採用されても良い。このような構造によれば、受圧室側および平衡室側の筒状突部のばね特性が協働して、可動ゴム膜の厚さ方向における受圧室側当接部材と平衡室側当接部材の間での予圧縮量を大きく設定することが可能となる。それによって、リリーフ用孔の開口周縁部と受圧室側乃至は平衡室側当接部材との当接面間の流体密性を高度に確保することも可能となり、通常の大きさの荷重入力時等におけるリリーフ用孔の閉塞状態の信頼性が向上される。
また、本発明に係る流体封入式防振装置では、可動ゴム膜の外周縁部において厚肉環状の挟圧支持部が一体形成されていると共に、第二の取付部材に固定された支持部材によって挟圧支持部が圧縮状態で挟圧支持されており、挟圧支持部の内周側における可動ゴム膜の弾性変形に基づいて受圧室の微小圧力変動が吸収されるようになっている構造が、採用されても良い。このような構造によれば、可動ゴム膜の外周縁部が圧縮状態で挟圧支持部に支持せしめられることにより、可動ゴム膜の外周縁部の周りにおいて、流体流動を許容する隙間が生ぜしめられないようになっている。これにより、受圧室における隙間を通じての圧力漏れが抑えられて、オリフィス効果が一層安定して得られる。
また、本発明に係る流体封入式防振装置では、可動ゴム膜の厚さ方向両側にはそれぞれ所定距離を隔てて変位量制限部材が対向配置されており、可動ゴム膜のそれら変位量制限部材への当接によって可動ゴム膜の厚さ方向両側への変位量が制限されるようになっている構造が、採用されても良い。このような構造によれば、可動ゴム膜と変位量制限部材の離隔距離を設定変更することで、可動ゴム膜の変位量が制限されることから、可動ゴム膜の変位に基づく液圧吸収効果が容易にチューニング変更される。
なお、本構造に係る変位量制限部材は、上述の受圧室側当接部材や平衡室側当接部材とは別の部材で構成されても良いし、それら受圧室側当接部材や平衡室側当接部材で構成されても良い。特に後者を採用することにより、部品点数の削減が図られる。また、可動ゴム膜の変位は、例えば受圧室側筒状突部が受圧室側当接部材と可動ゴム膜の間で軸方向に弾性変形すると共に、可動ゴム膜における受圧室側筒状突部以外の部分が他部材に対して自由な状態で配設されて、受圧室側当接部材と平衡室側当接部材の間で受圧室と平衡室の圧力差に基づき変位するものを含む。或いは、可動ゴム膜の変位には、例えば受圧室側筒状突部が受圧室側当接部材と可動ゴム膜の間で軸方向に弾性変形すると共に、可動ゴム膜において受圧室側筒状突部から所定距離だけ離れた部分を他部材に固定して、固定された部分と受圧室側筒状突部の間の部分が受圧室と平衡室の圧力差による変形に基づき変位するものも含まれる。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について説明する。先ず、図1には、本発明の流体封入式防振装置に係る一実施形態としての自動車用エンジンマウント10が示されている。自動車用エンジンマウント10は、第一の取付部材としての第一の取付金具12と第二の取付部材としての第二の取付金具14が本体ゴム弾性体16で連結された構造とされている。第一の取付金具12がパワーユニット側に取り付けられると共に、第二の取付金具14が車両ボデー側に取り付けられることにより、パワーユニットが車両ボデーに対して防振支持されるようになっている。
なお、図1では、自動車に装着する前のエンジンマウント10の単体での状態が示されているが、本実施形態では、装着状態において、パワーユニットの分担支持荷重がマウント軸方向(図1中、上下)に入力される。従って、マウント装着状態下では、本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づき第一の取付金具12と第二の取付金具14が軸方向で互いに接近する方向に変位する。また、かかる装着状態下、防振すべき主たる振動は、略マウント軸方向に入力されることとなる。以下の説明中、特に断りのない限り、上下方向は、マウント軸方向となる図1中の上下方向をいう。
より詳細には、第一の取付金具12が、小径の略円柱形状乃至は円錐台形状を呈していると共に、その中央部分には上端面に開口する螺子穴18が設けられている。第一の取付金具12は、螺子穴18を介して図示しないパワーユニット側の取付部材に螺着固定されるようになっている。
一方、第二の取付金具14が、大径の略円筒形状を有しており、その軸方向中間部分において内フランジ状の段部20が形成されていると共に、段部20の内周縁部から上方に向かう部位には、上方から下方に向かって径寸法が次第に小さくなるテーパ状部22が形成されている。第二の取付金具14は、図示しないブラケット部材等を介して車両ボデー側の取付部材に固定されるようになっている。
このような第二の取付金具14のテーパ状部22を備えた開口部側に第一の取付金具12が離隔配置されて、両金具12,14の中心軸が略同一線上に位置せしめられている。これら第一の取付金具12と第二の取付金具14の間には、本体ゴム弾性体16が配されている。
本体ゴム弾性体16は、略円錐台形状を有しており、その大径側端面には、下方に開口する逆すり鉢形状乃至は半球形状の大径凹所24が設けられている。本体ゴム弾性体16の小径側端面には、第一の取付金具12の軸方向中間部分から下端部にかけての略全体が埋設された状態で加硫接着されている。本体ゴム弾性体16の大径側端部外周面には、第二の取付金具14のテーパ状部22の内周面が略全体に亘って加硫接着されている。また、本体ゴム弾性体16と一体形成された薄肉のシールゴム層26が、第二の取付金具14の段部20から下端部にかけての内周面の略全体に亘って被着形成されている。即ち、本体ゴム弾性体16は、第一の取付金具12と第二の取付金具14を備えた一体加硫成形品として形成されており、それによって、第一の取付金具12と第二の取付金具14が、本体ゴム弾性体16で相互に弾性的に連結されていると共に、第二の取付金具14の上方の開口部が本体ゴム弾性体16によって流体密に閉塞されている。
第二の取付金具14の下方の開口部には、可撓性膜としてのダイヤフラム28が設けられている。ダイヤフラム28は、変形容易な薄肉のゴム膜からなり、軸方向に弛んだ略円板形状を有している。ダイヤフラム28の外周縁部には、大径の円筒形状の固定リング30が加硫接着されており、固定リング30が第二の取付金具14の下方の開口部に嵌め込まれて、第二の取付金具14に八方絞り等の縮径加工が施されていることにより、固定リング30が、径方向に圧縮変形されたシールゴム層26を介して第二の取付金具14に嵌着固定されている。
これにより、ダイヤフラム28が第二の取付金具14に固定されて、第二の取付金具14の下方の開口部がダイヤフラム28で流体密に覆蓋されていると共に、第二の取付金具14の内側における本体ゴム弾性体16とダイヤフラム28の軸方向対向面間には、外部空間に対して密閉された流体封入領域32が形成されている。
流体封入領域32には、第二の取付金具14に固定される支持部材としての仕切部材34が配設されている。仕切部材34は、図2〜4にも示されているように、全体として円形ブロック形状を有しており、金属材や合成樹脂材等の硬質材を用いて形成されている。また、仕切部材34は、仕切部材本体36と蓋部材38を含んで構成されている。
仕切部材本体36は、円形ブロック形状を有している。仕切部材本体36の径方向中央部分には、仕切部材本体36の軸方向中間部分から上端面に開口する上側凹所40と下端面に開口する下側凹所42が、それぞれ形成されている。これらの凹所40,42は、何れも略一定の円形断面で軸方向に延びていると共に、下側凹所42の径寸法が上側凹所40の径寸法に比して大きくされている。また、仕切部材本体36の軸方向中間部分には、両凹所40,42の底壁部が協働して、薄肉円板形状の円形底部44を構成している。円形底部44の径方向中央部分の周りには、透孔46が貫設されている。
本実施形態に係る透孔46は、径方向内側から外側に向かって幅寸法が次第に大きくなる略扇形状の第一小孔48と第二小孔50を含んで構成されている。これら第一小孔48と第二小孔50は、周方向の幅寸法と径方向の幅寸法の比が互いに異ならされていると共に、円形底部44の径方向中間部分と外周部分において、それぞれ周方向に等間隔に複数設けられている。即ち、透孔46は、円形底部44の径方向中間部分や外周部分において厚さ方向(図1,3中、上下)に貫通形成されており、円形底部44の径方向中央部分に形成されないようになっている。
また、仕切部材本体36の外周部分には、周方向に螺旋状に延びる周溝52が形成されており、周溝52の両端部が、仕切部材本体36の上端部と下端部にそれぞれ形成された切欠き状の各連通窓54,56に接続されている。また、仕切部材本体36の上側凹所40の周りの上端部分には、周方向に離隔して複数(本実施形態では3つ)の係合突部58が突設されている。
一方、蓋部材38は、薄肉の円板形状を有していると共に、蓋部材38の外径寸法が仕切部材本体36の外径寸法と略同じとされている。ここで、蓋部材38の径方向中央部分には、連通孔60が、厚さ方向に貫通形成されている。連通孔60は、本実施形態において平面視で円形状を有しているが、これに限定されるものでない。また、蓋部材38における連通孔60の外周側には、透孔62が、連通孔60から独立して貫設されている。かかる透孔62は、仕切部材本体36に形成された透孔46における第一小孔48および第二小孔50と同様な形態の第一小孔64と第二小孔66を含んで構成されており、第一小孔64が蓋部材38の径方向中間部分において周方向に等間隔に複数設けられていると共に、第二小孔66が蓋部材38の径方向外周部分において周方向に等間隔に設けられている。また、蓋部材38の外周縁部には、切欠き状の連通窓68が形成されている。更に、蓋部材38の外周部分には、周方向に離隔して複数(本実施形態では3つ)の係止用孔70が貫設されている。このような蓋部材38は、例えばばね鋼等の金属板にプレス加工を施すことにより有利に実現される。
この蓋部材38が仕切部材本体36の上端部分に重ね合わされると共に、仕切部材本体36の複数の係止突部58が蓋部材38の複数の係止用孔70に挿通されている。これにより、仕切部材本体36と蓋部材38が周方向で位置決めされつつ相互に組み付けられて、仕切部材34を構成している。また、仕切部材本体36の上側凹所40の開口部が蓋部材38で覆蓋せしめられることによって、上側凹所40の内側における蓋部材38と仕切部材本体36の円形底部44の軸方向対向面間には、上側凹所40の周壁部や蓋部材38、円形底部44で画成された収容領域72が設けられている。即ち、収容領域72が、仕切部材34の径方向中央部分の内部において軸方向に略一定の円形断面で延びている。特に本実施形態では、仕切部材本体36と蓋部材38が周方向で位置合わせされていることに基づき、仕切部材本体36における円形底部44の透孔54と蓋部材38の透孔62や、円形底部44の径方向中央部分と蓋部材38の連通孔60が、それぞれ軸方向で投影する位置に配されている。また、仕切部材本体36の連通窓54と蓋部材38の連通窓68が軸方向で重ね合わされている。
かかる仕切部材34が、前述のダイヤフラム28の第二の取付金具14への組み付けに先立って、第二の取付金具14の下方の開口部から軸方向に嵌め込まれて、仕切部材34の蓋部材38の外周部分が第二の取付金具14の段部20にシールゴム層26を介して重ね合わせられている。また、仕切部材34の仕切部材本体36の下端部分には、第二の取付金具14に嵌め込まれたダイヤフラム28の固定リング30が重ね合わせられている。そして、第二の取付金具14に八方絞り等の縮径加工が施されることによって、第二の取付金具14の縮径変形に基づき、仕切部材本体36の外周面や蓋部材38の外周面が軸直角方向に圧縮変形したシールゴム層26を介して第二の取付金具14の内周面に重ね合わせられていると共に、該シールゴム層26の軸直角方向の圧縮変形に伴う軸方向の引張変形によって、仕切部材34の外周部分が第二の取付金具14の段部20とダイヤフラム28の固定リング30の間に挟圧固定されている。また、段部20に被着されたシールゴム層26が軸方向に圧縮変形しつつ、蓋部材38の外周部分と段部20の重ね合わせ面間に介装されていることによって、それら蓋部材38の外周部分と段部20が流体密に重ね合わせられている。
これにより、仕切部材34が第二の取付金具14に固定的に支持されて、第二の取付金具14の内側の流体封入領域32を流体密に二分している。流体封入領域32の仕切部材34を挟んだ一方(図1中、上)の側には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて、本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づき圧力変動が生ぜしめられる受圧室74が形成されている。また、流体封入領域32の仕切部材34を挟んだ他方(図1中、下)の側には、壁部の一部がダイヤフラム28で構成されて、ダイヤフラム28の弾性変形に基づき容積変化が容易に許容される平衡室76が形成されている。これら受圧室74や平衡室76には、非圧縮性流体が封入されている。封入流体としては、例えば水やアルキレングリコール, ポリアルキレングリコール, シリコーン油等が採用されるが、特に流体の共振作用等の流動作用に基づく防振効果を有効に得るためには、0.1Pa・s以下の低粘性流体を採用することが望ましい。受圧室74や平衡室76への非圧縮性流体の封入は、例えば、第一及び第二の取付金具12,14を備えた本体ゴム弾性体16の一体加硫成形品に対する仕切部材34やダイヤフラム28の組み付けを非圧縮性流体中で行うことによって、好適に実現される。
また、仕切部材本体36の周溝52が第二の取付金具14で流体密に覆蓋されることにより、仕切部材34の外周部分を周方向に所定の長さで螺旋状に延びるオリフィス通路78が形成されている。このオリフィス通路78の一方の端部が、仕切部材本体36の連通窓54および蓋部材38の連通窓68を通じて受圧室74に接続されていると共に、オリフィス通路78の他方の端部が、仕切部材本体36の連通窓54を通じて平衡室76に接続されている。これにより、受圧室74と平衡室76がオリフィス通路78を通じて相互に連通せしめられて、それら両室74,76間でオリフィス通路78を通じての流体流動が許容されるようになっている。
本実施形態では、オリフィス通路78を通じて流動せしめられる流体の共振周波数が、該流体の共振作用に基づいてエンジンシェイク等に相当する10Hz前後の低周波数域の振動に対して有効な防振効果(高減衰効果)が発揮されるようにチューニングされている。オリフィス通路78のチューニングは、例えば、受圧室74や平衡室76の各壁ばね剛性、即ちそれら各室74,76を単位容積だけ変化させるのに必要な圧力変化量に対応する本体ゴム弾性体16やダイヤフラム28等の各弾性変形量に基づく特性値を考慮しつつ、オリフィス通路78の通路長さと通路断面積を調節することによって行うことが可能であり、一般に、オリフィス通路78を通じて伝達される圧力変動の位相が変化して略共振状態となる周波数を、当該オリフィス通路78のチューニング周波数として把握することが出来る。
また、仕切部材34に形成された収容領域72が、蓋部材38の透孔62や連通孔60を通じて受圧室74と連通されていると共に、仕切部材本体36の透孔46を通じて平衡室76と連通されている。なお、収容領域72の形成は、仕切部材34が第二の取付金具14に固定される前に、蓋部材38が仕切部材本体36の上端部に密着状に重ね合わせられて固定されることによって形成されても良く、或いは仕切部材34が第二の取付金具14に取り付けられる際に、第二の取付金具14の段部20とダイヤフラム28の固定リング30の軸方向間に及ぼされる挟圧作用を利用して、蓋部材38が仕切部材本体36の上端部に密着状に重ね合わせられることで形成されても良い。
この収容領域72には、可動ゴム膜としてのゴム弾性膜80が収容配置されている。ゴム弾性膜80は、図5,6にも示されているように、ゴム弾性材からなり、全体として略円板形状を有している。ゴム弾性膜80の厚さ寸法は、収容領域72の軸方向寸法となる蓋部材38と仕切部材本体36の円形底部44との軸方向の離隔距離、換言すると上側凹所40の軸方向寸法に比して、小さくされている。なお、本実施形態に係るゴム弾性膜80の厚さ寸法は、全体に亘って略一定とされているが、要求されるばね特性等に応じて、例えば、径方向中央部分から径方向外方に向かって次第に大きくされていたり、突部や溝部、凹所等が形成されていても良い。
ゴム弾性膜80の外周縁部には、挟圧支持部としてのシール突部82が一体形成されている。シール突部82は、ゴム弾性膜80よりも軸方向外方に突出する略矩形断面で周方向に連続して延びている。即ち、シール突部82は、ゴム弾性膜80よりも厚肉とされて、円環形状を呈している。特に本実施形態では、シール突部82の軸方向寸法が、収容領域72の軸方向寸法に比して大きくされている。また、シール突部82の外径寸法が、収容領域72の軸直角方向寸法となる仕切部材本体36の上側凹所40の径寸法よりも僅かに小さくされている。
ここで、ゴム弾性膜80の径方向中央部分には、リリーフ用孔84が貫通形成されている。リリーフ用孔84は、ゴム弾性膜80の厚さ方向と平行に延びる軸方向に略一定の円形断面で延びている。要するに、円形状のリリーフ用孔84が、円板形状のゴム弾性膜80の中央に位置して一つ形成されている。また、リリーフ用孔84の径寸法は、仕切部材本体36の透孔46(第一小孔48)の内径寸法に比して小さくされており、本実施形態では、蓋部材38の連通孔60の径寸法と略同じとされている。
さらに、リリーフ用孔84の周囲において、ゴム弾性膜80の一方(図1中、上)の面上には、受圧室側筒状突部86が一体的に突設されている。受圧室側筒状突部86は、リリーフ用孔84の径寸法と同じ大きさの内孔を備えた略円筒形状を有しており、ゴム弾性膜80におけるリリーフ用孔84の一方の周縁部側でリリーフ用孔84と同軸的に軸方向に延びている。このリリーフ用孔84の一方の端部が受圧室側筒状突部86の内部を通じて軸方向外方に開口せしめられていることから、かかるリリーフ用孔84の一方の開口部(面)が、受圧室側筒状突部86の突出先端面を含んで構成されている。
また、特に、ゴム弾性膜80におけるリリーフ用孔84を挟んだ受圧室側筒状突部86と反対側の面上、即ちリリーフ用孔84の周囲においてゴム弾性膜80の他方(図1中、下)の面上には、平衡室側筒状突部88が一体的に突設されている。本実施形態に係る平衡室側筒状突部88は、受圧室側筒状突部86と略同じ大きさや形状を有しており、リリーフ用孔84の径寸法と同じ大きさの内孔を備えた略円筒形状とされている。平衡室側筒状突部88が、ゴム弾性膜80におけるリリーフ用孔84の他方の周縁部側でリリーフ用孔84および受圧室側筒状突部86と同軸的に軸方向に延びている。このリリーフ用孔84の他方の端部が平衡室側筒状突部88の内部を通じて軸方向外方に開口せしめられていることから、かかるリリーフ用孔84の他方の開口部(面)が、平衡室側筒状突部88の突出先端面を含んで構成されている。
すなわち、本実施形態においては、リリーフ用孔84の周壁部や受圧室側筒状突部86、平衡室側筒状突部88が協働して、ゴム弾性膜80の厚さ寸法よりも大きな軸方向寸法の筒状部を構成しており、かかる筒状部が、ゴム弾性膜80の径方向中央部分に貫通配置されて、ゴム弾性膜80の両面から軸方向外方に略等しい距離だけ突出せしめられた形態を有している。その結果、ゴム弾性膜80における薄肉の板状部分が、受圧室側および平衡室側筒状突部86,88が突設された径方向中央部分とシール突部82が一体形成された径方向外周縁部の間の径方向中間部分とされている。特に、ゴム弾性膜80の径方向中央部分におけるリリーフ用孔84や受圧室側および平衡室側突部86,88を合わせた軸方向寸法が、収容領域72の軸方向寸法よりも大きくされ、且つゴム弾性膜80のシール突部82の軸方向寸法よりも僅かに小さくされている。
このようなゴム弾性膜80が仕切部材本体36の上側凹所40に嵌め込まれて、ゴム弾性膜80の外周縁部に形成されたシール突部82の下端面が、仕切部材本体36の円形底部44の外周部分に重ね合わされている。特に、シール突部82の外径寸法が上側凹所40の径寸法に比して僅かに小さくされていることから、シール突部82を上側凹所40に嵌め込むことで、ゴム弾性膜80と仕切部材本体36が同軸的に位置決め配置されるセンタリング機能が働く。それによって、仕切部材本体36の円形底部44の中心軸とゴム弾性膜80のリリーフ用孔84の中心軸が略同一線上に位置せしめられて、リリーフ用孔84の他方(図1中、下)の開口周縁部を構成する平衡室側筒状突部88の突出先端面と円形底部44の径方向中央部分とが、軸方向で対向位置せしめられている。このようにゴム弾性膜80を上側凹所44に嵌め込むと、受圧室側筒状突部86の突出先端部分やシール突部84の上端部分が、上側凹所44の開口端面よりも軸方向外方に突出せしめられる。
さらに、蓋部材38が仕切部材本体36の上端部に重ね合わせられて、蓋部材38と仕切部材本体36が同軸的に位置合わせされていることに伴い、蓋部材38とゴム弾性膜80も同軸的に位置合わせされている。ここで、受圧室側筒状突部86の突出先端面が、蓋部材38の径方向中央部分における連通孔60の周りと軸方向で対向位置せしめられている。そして、蓋部材38が仕切部材本体36の上端部に密着状に重ね合わされて、収容領域72が形成されることに伴い、上側凹所40から突出したシール突部82や受圧室側筒状突部86に対して蓋部材38が軸方向に押し当てられる。
これにより、シール突部82が、収容領域72の外周側において蓋部材38と円形底部44の間に挟圧配置されることに基づき軸方向に圧縮変形されて、シール突部82の上端面と下端面が、蓋部材38と円形底部44にそれぞれ密接されている。また、シール突部82の軸方向の圧縮変形による軸直角方向の膨出変形に伴い、シール突部82の外周面が、収容領域72の周壁部を構成する上側凹所40の周壁面に対して密接されている。その結果、ゴム弾性膜80の外周縁部が、第二の取付金具14に固定された仕切部材34によって固定的に支持せしめられていると共に、ゴム弾性膜80の外周縁部と収容領域72の壁部の間での自由な流体流動が阻止せしめられるようになっている。
また、受圧室側筒状突部86と平衡室側筒状突部88が、収容領域72の径方向中央側において蓋部材38と円形底部44の間に挟圧配置されることに基づき軸方向に圧縮変形されて、受圧室側筒状突部86の突出先端面が蓋部材38の下端面における連通孔60の周りに密接されていると共に、平衡室側筒状突部88の突出先端面が円形底部44の径方向中央部分に密接されている。これにより、ゴム弾性膜80におけるリリーフ用孔84の一方(図1中、上)の開口部が、受圧室側筒状突部86の内部と蓋部材38の連通孔60を通じて受圧室74に接続されている一方、リリーフ用孔84の他方(図1中、下)の開口部が、平衡室側筒状突部88の突出先端面を介して円形底部44によって流体密に閉塞せしめられている。
平衡室側筒状突部88の突出先端面がその全周に亘って仕切部材本体36の円形底部44に当接されていることに加えて、特に本実施形態では、受圧室側筒状突部86の突出先端面が、その全周に亘って蓋部材38に当接されている。上述の説明からも明らかなように、ゴム弾性膜80の一方(図1中、上)の面側に配設される受圧室側当接部材が、蓋部材38を含んで構成されていると共に、ゴム弾性膜80の他方(図1中、下)の面側に配設される平衡室側当接部材が、仕切部材本体36の円形底部44を含んで構成されている。また、本実施形態では、かかる受圧室側当接部材における受圧室側筒状突部86の当接部分が、蓋部材38の径方向中央部分で構成されており、その径方向中央部分に形成された連通孔60と受圧室側筒状突部86の開口部分が軸方向で重ね合わされている。これにより、リリーフ用孔84の受圧室74側の開口部が、蓋部材38の連通孔60と直接に接続されて、受圧室74に常時連通せしめられている。
また、ゴム弾性膜80におけるシール突部82を備えた外周縁部と、受圧室側および平衡室側筒状突部86,88を備えた径方向中央部分が、蓋部材38と仕切部材本体36の円形底部44の間において圧縮状態で挟圧支持せしめられている。ここで、ゴム弾性膜80における受圧室側および平衡室側筒状突部86,88を備えた径方向中央部分の軸方向寸法がシール突部82の軸方向寸法に比して小さくされていることから、蓋部材38と円形底部44の間において、ゴム弾性膜80の径方向中央部分の予圧縮量が、シール突部82の予圧縮量に比して小さくされている。その結果、ゴム弾性膜80の径方向中央部分が、小さな圧力を及ぼされても変位し難くなっている一方、ゴム弾性膜80の外周縁部が、大きな圧力を及ぼされても変位し難い拘束状態とされている。
一方、ゴム弾性膜80において径方向中央部分と外周縁部の間の径方向中間部分が、収容領域72の軸方向の略中央部分において軸直角方向に広がるように配置せしめられて、軸方向一方の側で対向せしめられた蓋部材38と軸方向他方の側で対向せしめられた円形底部44に対して、互いに略等しい距離だけ離隔配置せしめられている。そして、蓋部材38の透孔62を通じてゴム弾性膜80の径方向中間部分の一方(図1中、上)の面に受圧室74の圧力が及ぼされるようになっていると共に、円形底部44の透孔46を通じてゴム弾性膜80の径方向中間部分の他方(図1中、下)の面に平衡室76の圧力が及ぼされるようになっている。
従って、受圧室74と平衡室76の相対的な圧力差に基づきゴム弾性膜80の径方向中間部分が弾性変形することにより変位すると、受圧室74の圧力変動が吸収される。即ち、本実施形態に係る液圧吸収機構が、ゴム弾性膜80や仕切部材本体36の透孔46、蓋部材38の透孔62を含んで構成されている。
また、ゴム弾性膜80の径方向中間部分が厚さ方向に変位して、蓋部材38または仕切部材本体36の円形底部44に当接することにより、ゴム弾性膜80の厚さ方向の変位量が制限されて、ゴム弾性膜80の変位による受圧室74の液圧吸収作用が調整されるようになっている。このことからも明らかなように、ゴム弾性膜80の厚さ方向両側に所定距離を隔てて対向配置されて、ゴム弾性膜80の当接によってゴム弾性膜80の厚さ方向両側の変位量を制限する変位量制限部材が、蓋部材38と仕切部材本体36の円形底部44を含んで構成されている。
特に本実施形態では、アイドリング振動や低速こもり音等に相当する20〜40Hz程度の中周波数域の振動入力に際して、ゴム弾性膜80の弾性変形による受圧室74の液圧吸収効果に基づく防振効果(低動ばね特性に基づく振動絶縁効果)が有効に発揮されるように、ゴム弾性膜80の固有振動数がチューニングされている。
そこにおいて、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に通常の大きさの振動乃至は荷重が入力された状態では、平衡室側筒状突部88の突出先端面が円形底部44に当接されて、リリーフ用孔84の他方の開口部(図1中、下)の閉塞状態が維持されるように、ゴム弾性膜80における受圧室側および平衡室側筒状突部86,88を備えた径方向中央部分の圧縮変形量が設定されている。
一方、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に過大な振動乃至は荷重が入力されて、問題となる大きな負圧が受圧室74に発生する状態では、図7にも示されているように、受圧室側および平衡室側筒状突部86,88を備えたゴム弾性膜80に負圧作用が及ぼされて、ゴム弾性膜80が受圧室74側に向かって変位することに伴い、受圧室側筒状突部86が蓋部材38とゴム弾性膜80の間で軸方向に圧縮変形すると共に、平衡室側筒状突部88が受圧室74側に向かって変位して仕切部材本体36の円形底部44から離隔せしめられるように、ゴム弾性膜80における受圧室側および平衡室側筒状突部86,88を備えた径方向中央部分の圧縮変形量が設定されている。平衡室側筒状突部88の突出先端面が円形底部44から離隔せしめられて、リリーフ用孔84の他方の開口部が収容領域72内に開口せしめられると、リリーフ用孔84が開口状態となり、受圧室74と平衡室76が、蓋部材38の連通孔60や受圧室側筒状部86の内部、リリーフ用孔84、平衡室側筒状部88の内部、収容領域72における可動ゴム膜80と円形底部44の間の領域、円形底部44の透孔46を通じて短絡せしめられる。
上述の如き構造とされた自動車用エンジンマウント10においては、走行時に問題となるエンジンシェイク等の低周波数域の振動が入力されると、受圧室82に比較的に大きな圧力変動が生ぜしめられる。この圧力は大きいため、微振幅にチューニングされたゴム弾性膜80では、受圧室74の圧力を実質的に吸収し得ない。また、特に受圧室74において問題となる負圧が発生しない状態では、平衡室側筒状突部88の突出先端面が円形底部44に流体密に当接せしめられて、リリーフ用孔84が閉塞された状態が保持されている。従って、ゴム弾性膜80の弾性変形による受圧室74の圧力変動の吸収やリリーフ用孔84を通じての受圧室74の圧力漏れが抑えられていることから、受圧室74と平衡室76の間に有効な圧力差が生ぜしめられて、オリフィス通路78を通じての流体の流動量が充分に確保される。それ故、オリフィス通路78を通じての流体の共振作用等の流動作用に基づいて、エンジンシェイク等の低周波数域の振動に対して有効な防振効果(高減衰効果)が発揮されるのである。
また、停車時に問題となるアイドリング振動や走行時に問題となる低速こもり音等の中周波数域の振動の入力では、受圧室74に対して小さな振幅の圧力変動が惹起されることとなる。その際、当該振動の周波数域がオリフィス通路78のチューニング周波数よりも高いことから、オリフィス通路78が、反共振的な作用による流体流通抵抗の増加に起因して、実質的に閉塞状態となる。そこで、当該中周波数域にチューニングされたゴム弾性膜80の弾性変形に基づいて、受圧室74の圧力変動が吸収されることにより、オリフィス通路78の実質的な閉塞化に起因する著しい高動ばね化が回避されることとなる。それ故、中周波数域の振動に対する良好な防振効果(低動ばね特性に基づく振動絶縁効果)が発揮されるのである。
なお、ゴム弾性膜80の弾性変形により受圧室74の圧力変動を吸収せしめる形態では、当該圧力が極めて微小とされていることから、受圧室74の負圧作用によって平衡室側筒状突部88が仕切部材本体36の円形底部44から離隔変位する程に大きな負圧が、受圧室74において発生し難くなっている。これにより、ゴム弾性膜80の径方向中央部分が蓋部材38と円形底部44の間で挟圧支持せしめられた状態が維持されて、ゴム弾性膜80の径方向中間部分の変形による変位に基づいて、目的とする液圧吸収効果が安定して得られる。
ところで、自動車が段差乗り越えたり凹凸の大きな路面等を走行して、第一の取付金具12と第二の取付金具14の間に衝撃的な荷重が入力されると、本体ゴム弾性体16が急激に乃至は過大に弾性変形することに伴い、受圧室74において、問題となる異音の発生要因のキャビテーション気泡を生ぜしめる程に過大な負圧が発生する場合がある。
そこにおいて、本実施形態に係る自動車用エンジンマウント10では、このキャビテーション気泡が発生する前の大きな負圧の段階で、ゴム弾性膜80や受圧室側筒状突部86、平衡室側筒状突部88に負圧が及ぼされると、蓋部材38と円形底部44の軸方向間に配設されて受圧室側および平衡室側筒状突部86,88を備えたゴム弾性膜80の径方向中央部分における前述のばね特性の設定に基づき、平衡室側筒状突部88が円形底部44から離隔して、リリーフ用孔84の閉塞状態が解除される。その結果、受圧室74と平衡室76がリリーフ用孔84を通じて相互に連通せしめられて、受圧室74の圧力と平衡室76の圧力が平衡状態に向かい、受圧室74の過負圧状態が解消されることから、キャビテーション気泡の発生が有利に抑えられて、問題となる異音や振動等が防止されるのである。
ここで、本実施形態に係る自動車用エンジンマウント10においては、受圧室74の過負圧状態を解消させるリリーフ機構が、ゴム弾性膜80に形成されたリリーフ用孔84やゴム弾性膜80と一体形成された受圧室側筒状突部86、平衡室側突部88の他、蓋部材38や蓋部材38に形成された連通孔60、仕切部材本体36の円形底部44、円形底部44に形成された透孔46を含んで構成されている。即ち、当該リリーフ機構が、受圧室74の圧力変動を吸収する液圧吸収機構を構成する部材乃至は部位の多くを含んで構成されている。これにより、リリーフ機構をそれら部材乃至は部位と別途形成することに伴う部品点数の増加が抑えられて、製造効率の向上や低コスト化が有利に図られ得るのである。
しかも、リリーフ機構がオリフィス通路78と独立して形成されて、且つオリフィス通路78が仕切部材34におけるリリーフ機構の外周側に形成されていることによって、オリフィス通路78の設計自由度が有効に確保される。加えて、例えばオリフィス通路の壁部にリリーフ用孔を形成すること等に起因して、オリフィス通路を通じての流体の流動作用が生ぜしめられる際に、流体がリリーフ用孔を通じて漏れるおそれもない。これにより、オリフィス通路78を通じての流体流動量が充分に確保されることに基づき、優れたオリフィス効果が得られる。
特に本実施形態では、ゴム弾性膜80のリリーフ用孔84の周囲において受圧室側筒状突部86と反対側に平衡室側筒状突部88が突設されていることによって、ゴム弾性膜80におけるリリーフ用孔84および受圧室側筒状突部86が形成された部位の厚さ方向のばね特性が高度にチューニングされる。
さらに、受圧室74の過大な負圧作用によりゴム弾性膜80が受圧室74側に向かって吸引せしめられて、リリーフ用孔84を通じて受圧室74と平衡室76が短絡せしめられて、受圧室74の過負圧状態が解消された後には、再びゴム弾性膜80におけるリリーフ用孔84の他方(図1中、下)の開口周縁部が仕切部材本体36の円形底部44に当接せしめられて、リリーフ用孔84の閉塞状態が保たれることとなる。そこにおいて、リリーフ用孔84の他方の開口部が平衡室側筒状突部88の突出先端面で構成されて、ゴム弾性膜80が平衡室側筒状突部88を介して円形底部44に打ち当たるようになっていることから、平衡室側筒状突部88の弾性による緩衝作用に基づいて、打ち当たりに伴う大きな打音の発生が効果的に低減され得る。
また、それら受圧室側筒状突部86と平衡室側筒状突部88が形成されたゴム弾性膜80の径方向中央部分や、ゴム弾性膜80の外周縁部に形成されたシール突部82が、何れも蓋部材38と仕切部材本体36の円形底部44の軸方向間に圧縮変形されていることによって、特に受圧室74の圧力変動が小さい状態では、ゴム弾性膜80の中央部分および外周部分が変形し難くされている。これにより、ゴム弾性膜80を収容領域88内に安定して収容せしめつつ、有効面積の大きな径方向中間部分の弾性変形によって受圧室82の圧力変動が効率的に吸収されるようになっていることから、前述の問題となるアイドリング振動や低速こもり音等の中周波数域の振動に対する防振効果が安定して得られるのである。
また、本実施形態では、ゴム弾性膜80のシール突部82が仕切部材本体36の円形底部44と蓋部材38の軸方向間に圧縮変形されることよる軸直角方向の膨出変形によって、ゴム弾性膜80の外周縁部が、シール突部82を介して収容領域72の周壁部に流体密に重ね合わせられている。即ち、ゴム弾性膜80が可動膜構造を呈している。その結果、ゴム弾性膜80の外周縁部と仕切部材本体36の周壁部の間の隙間を通じての圧力漏れが一層有利に抑えられて、オリフィス通路78を通じての流体流動量の更なる安定した確保が図られ得る。
さらに、本実施形態では、受圧室側筒状突部86を当接する受圧室側当接部材やゴム弾性膜80の厚さ方向一方の変位量を制限する変位量制限部材が、蓋部材38で構成されていることに加えて、平衡室側筒状突部88を当接する平衡室側当接部材やゴム弾性膜80の厚さ方向他方の変位量を制限する変位量制限部材が、仕切部材本体36の円形底部44で構成されている。これら仕切部材本体36と蓋部材38は、受圧室74と平衡室76を仕切る仕切部材34の一部を構成している。即ち、受圧室側および平衡室側当接部材や変位量制限部材が、仕切部材34を利用して構成されていることから、当接部材や変位量制限部材を新たに設ける必要がなくなり、部品点数の増加や構造の複雑化が防止される。
また、本実施形態では、蓋部材38における受圧室側筒状突部86の当接部分において、受圧室側筒状突部86の外径よりも小さな内径寸法の連通孔60が形成されている。そして、連通孔60が、リリーフ用孔84内の中央に開口位置せしめられている。即ち、リリーフ用孔84の受圧室74側の開口部が、蓋部材38の連通孔60と直接に接続されて、受圧室74に常時連通されている。これにより、平衡室側筒状突部88の開口端部が仕切部材本体36の円形底部44から離隔して、リリーフ用孔84が開口状態になると、受圧室74と平衡室76が、リリーフ用孔84が連通孔60を通じて直接に受圧室に開口する形態の短い流路によって短絡されることとなり、キャビテーション気泡の発生がより効果的に抑えられる。
それ故、本実施形態に従う構造とされた自動車用エンジンマウント10においては、製造工程の短縮化や低コスト化、コンパクト化が有利に図られつつ、オリフィス通路78等のチューニング自由度が向上されて、目的の防振効果が安定して得られるのである。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、かかる実施形態における具体的な記載によって、本発明は、何等限定されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様で実施可能であり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。例えば、仕切部材34やゴム弾性膜80、リリーフ用孔84、受圧室側筒状突部86等における形状や大きさ、構造、配置、数等の形態は例示の如きものに限定されない。
以下に、前記実施形態とは別の態様を幾つか図示して例示する。なお、以下の各態様では、前記実施形態と実質的に同一の構造とされた部材および部位については、前記実施形態と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。
先ず、前記実施形態では、受圧室側筒状突部86の突出先端部分が周方向に連続して延びる円環形状とされて、その突出先端面が全周に亘って蓋部材38に当接されていたが、例えば本発明の第二の態様が図8に示されているように、受圧室側筒状突部86の突出先端部分を、部分的に、蓋部材38に当接させても良い。図8に例示した態様では、受圧室側筒状突部86の突出先端部分において、周上の複数箇所(例えば等分に位置する4箇所)に、それぞれ径方向内外に延びるU字溝形状の切欠90が形成されている。そして、受圧室側筒状突部86は、これら切欠90が形成されていない部分だけが、蓋部材38に当接されている。このように、適当な大きさや形状,数をもって切欠90を形成すること等により、受圧室側筒状突部86の蓋部材38に対する当接面積を調節することによって、受圧室側筒状突部86の軸方向圧縮方向(受圧室74の負圧作用時の弾性変形方向)におけるばね特性を大きな自由度をもって調節することが可能となる。
なお、図8に示された態様においては、受圧室側筒状突部86に切欠90が形成されていることにより、リリーフ用孔84が、蓋部材38の連通孔60を通じて受圧室74に直接に連通されていることに加えて、仕切部材34内において受圧室側筒状突部86の外周側に位置する収容領域72から第一及び第二の小孔64,66を通じても受圧室74に連通されている。要するに、これら第一及び第二の小孔64,66も、受圧室側筒状突部86の内部を受圧室74に連通せしめる連通孔として機能しているのである。
また、前記実施形態では、受圧室側筒状突部86と平衡室側筒状突部88が、略同じ形状や大きさとされていたが、例えば、図8に示されているように、軸方向寸法や軸直角方向の厚さ寸法等が互いに異ならされていても良い。具体的には、受圧室側筒状突部86の肉厚寸法を、平衡室側筒状突部88の肉厚寸法よりも小さく設定した態様が、図8に示されている。これにより、厚肉の平衡室側筒状突部88によって形状保持剛性を確保しつつ、受圧室側筒状突部86を薄肉として軸方向圧縮ばね特性を適当に調節することも可能となる。なお、受圧室側筒状突部86や平衡室側筒状突部88は、その軸方向全長に亘って一定の内外径寸法である必要はない。例えば、軸方向突出先端部に向かって次第に外径寸法を小さくしてテーパ状外周面を採用することにより、弾性変形の安定性を向上させることも可能である。
また、平衡室側筒状突部88は必須の構成要件でない。例えば、図9に示された本発明の第三の態様においては、仕切部材本体36の円形底部44において収容領域72に向かって平衡室側当接部材としての台座部92が突出形成されている。図示の台座部92は、円形底部44をプレス加工して一体形成されているが、別体の台座を円形底部44に固着して形成しても良い。そして、この台座部92の上面に対して、ゴム弾性膜80におけるリリーフ用孔84の他方(図9中、下)の開口周縁部が重ね合わされている。
このような台座部92を設けることにより、平板形状のゴム弾性膜80の平衡室側(図9中の下側)において円形底部44との間にゴム弾性膜80の弾性変形許容スペースを確保しつつ、リリーフ用孔84の平衡室側への開口を閉塞状態に当接させることが出来る。加えて、図9に示されているように、このような台座部92を採用することにより、平衡室側筒状突部(88)を採用しなくても、本発明を実施することが可能となる。
さらに、前記実施形態では、リリーフ用孔84の径寸法が、受圧室側当接部材としての蓋部材38に形成された連通孔60の径寸法と同じとされていたが、連通孔60の大きさや形状は限定されるものでない。例えば、上述の図8,9に示された態様の如く、リリーフ用孔84の断面形状や大きさを考慮して、連通孔60の口径を大きくしたり、小さくしたりすることが出来る。
また、例えば図10に示された本発明の第四の態様のように、蓋部材38における受圧室側筒状突部86が当接する部分において収容領域72に向かって凹状に開口する収容凹所94を設けても良い。この収容凹所94に対して、受圧室側筒状突部86の先端を入り込ませて、受圧室側筒状突部86の先端面を収容凹所94の平坦な上底面に重ね合わせて当接させている。このような収容凹所94を設けることにより、受圧室側筒状突部86の位置決め効果や、受圧室側筒状突部86の弾性変形時における形状安定性の向上効果が達成され得る。
また、ゴム弾性膜80の外周縁部に一体形成されて、蓋部材38と円形底部44の間に挟圧支持せしめられていたシール突部82は、本発明において必須の構成要件でない。例えば、上述の図10に示された態様では、ゴム弾性膜80の外周縁部が、収容領域72の周壁部と僅かな隙間を隔てて対向位置せしめられている。要するに、ゴム弾性膜80の外径寸法が、収容領域72の内径寸法よりも僅かに小さくされている。なお、かかる隙間寸法は、低周波大振幅振動の入力時に受圧室74の圧力変動が充分に発生されるように設定される。これにより、ゴム弾性膜80は、中央部分において受圧室側及び平衡室側の筒状突部86,88が蓋部材38と円形底部44との間で弾性的に挟持されて位置保持されつつ、その外周部分が収容領域72内で所定量だけ変位せしめられ得る。そして、かかる変位に基づいて、受圧室と平衡室の圧力差が吸収されて、可動板機能を発揮し得ることとなる。
また、前記実施形態では、受圧室側当接部材に形成される連通孔60が、蓋部材38の径方向中央において受圧室側筒状突部86と当接される部分に形成されていたが、連通孔を当接部分以外に形成することも可能である。
例えば図11における本発明の第五の態様に示されているように、リリーフ用孔84を、仕切部材34内において受圧室側筒状突部86の外周側に位置する収容領域72から第一及び第二の小孔64,66を通じて、受圧室74に連通させても良い。即ち、本態様では、前述の図8に示された本発明の第二の態様の構造に比して、蓋部材38の連通孔60が形成されていない。本態様においては、受圧室側筒状突部86の内部が、切欠90を通じて、収容領域72内の上側領域に対して、常時連通されている。なお、この上側領域は、蓋部材38に形成された第一及び第二の小孔64,66を通じて、常時、受圧室74に連通されている。従って、本態様では、リリーフ用孔84が、切欠90で連通せしめられた収容領域72から第一及び第二の小孔64,66を通じて受圧室74に連通されているのである。このことから明らかなように、本実施形態では、これら第一及び第二の小孔64,66が、受圧室側筒状突部86の内部を受圧室74に連通せしめる連通孔とされている。
かかる受圧室側筒状突部86に形成された切欠90は、受圧室74に過大な負圧が生じ、受圧室側筒状突部86が蓋部材38とゴム弾性膜80の軸方向間で圧縮変形せしめられて、平衡室側筒状突部88の開口端部が仕切部材本体36の円形底部44から離隔した状態でも、図12に示されているように、収容領域72と受圧室側筒状突部86の内部を連通状態に維持せしめ得るようになっている。それ故、受圧室74に大きな負圧が生ぜしめられた際に、受圧室74と平衡室76が、蓋部材38の透孔62や収容領域72における可動ゴム膜80と蓋部材38の間の領域、連通路98、受圧室側筒状部86の内部、リリーフ用孔84、平衡室側筒状部88の内部、収容領域72における可動ゴム膜80と円形底部44の間の領域、円形底部44の透孔46を通じて、短絡状態が発現される。これにより、前記第一の実施形態と同様な作用効果が発揮され得るのである。
また、前記実施形態では、ゴム弾性膜80が、マウント10及び仕切部材34の中心軸上に同軸的に配設されていたが、ゴム弾性膜の配設位置は限定されるものでない。また、リリーフ用孔84がゴム弾性膜80の径方向中央部分に設けられていたが、受圧室側筒状突部86をゴム弾性膜の径方向中央から外れた位置に形成することによって、リリーフ用孔をマウント中心軸に対して偏倚した位置に設けることも可能である。更に、受圧室側筒状突部86やそれによって形成されるリリーフ用孔による短絡流路は、一つに限定されるものでなく、一つのゴム弾性膜80に対して複数の位置してかかる短絡流路を形成することも可能である。また、一つのマウントに対して複数のゴム弾性膜80を配設し、それらにリリーフ用孔を形成することで、マウント全体として複数の短絡流路を付与することも可能である。
また、前記実施形態に係る自動車用エンジンマウントでは、単一オリフィス通路を設けた構造が採用されていたが、例えばオリフィス通路として、第一のオリフィス通路と、第一のオリフィス通路よりも高周波数域にチューニングされた第二のオリフィス通路とが設けられている構造が、採用されても良い。これにより、例えば、問題となり易い振動が低周波数域と中乃至は高周波数域に存在する場合に、第一のオリフィス通路や第二のオリフィス通路を通じて流動せしめられる各流体の共振周波数を、それぞれ低周波周域と高周波数域にチューニングすることによって、複数の振動に対して防振効果が有効に発揮され得る。
加えて、前記実施形態では、本発明を自動車用エンジンマウントに適用したものの具体例について説明したが、本発明は、自動車用ボデーマウントやデフマウント、サスペンションメンバマウント等の他、自動車以外の各種振動体の防振装置に対して、何れも、適用可能である。
本発明の一実施形態としての自動車用エンジンマウントの縦断面図であって図2のI−I断面に相当する図。 同自動車用エンジンマウントの一部を構成する仕切部材にゴム弾性膜を組み付けた状態を示す平面図。 同仕切部材の一側面図。 同仕切部材の底面図。 同ゴム弾性膜の縦断面図。 同弾性ゴム板の平面図。 同自動車用エンジンマウントの一作動形態の要部を示す縦断面図。 本発明の別の一具体例(第二の態様)としての自動車用エンジンマウントの要部を示す縦断面図。 本発明のまた別の一具体例(第三の態様)としての自動車用エンジンマウントの要部を示す縦断面図。 本発明の更に別の一具体例(第四の態様)としての自動車用エンジンマウントの要部を示す縦断面図。 本発明の更にまた別の一具体例(第五の態様)としての自動車用エンジンマウントの要部を示す縦断面図。 図11に示される自動車用エンジンマウントにおいて図11と異なる作動形態を示す縦断面図。
符号の説明
10:自動車用エンジンマウント、12:第一の取付金具、14:第二の取付金具、16:本体ゴム弾性体、28:ダイヤフラム、36:仕切部材本体、38:蓋部材、44:円形底部、46:透孔、60:連通孔、62:透孔、74:受圧室、76:平衡室、78:オリフィス通路、80:ゴム弾性膜、84:リリーフ用孔、86:受圧室側筒状突部

Claims (8)

  1. 第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結すると共に、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された受圧室と、可撓性膜で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入された平衡室を形成して、それら受圧室と平衡室をオリフィス通路によって相互に連通すると共に、それら受圧室と平衡室の間に可動ゴム膜を配設して該可動ゴム膜の一方の面に該受圧室の圧力が及ぼされるようにすると共に該可動ゴム膜の他方の面に該平衡室の圧力が及ぼされるようにすることにより該受圧室の微小圧力変動を吸収する液圧吸収機構を構成した流体封入式防振装置において、
    前記可動ゴム膜にリリーフ用孔を貫通形成すると共に、該リリーフ用孔の周囲において該可動ゴム膜の前記一方の面上に突出する受圧室側筒状突部を該可動ゴム膜に一体形成する一方、該リリーフ用孔の形成部位において該可動ゴム膜の一方の面側に受圧室側当接部材を配設すると共に該可動ゴム膜の他方の面に平衡室側当接部材を配設して、該リリーフ用孔の一方の開口部を構成する該受圧室側筒状突部の突出先端面を該受圧室側当接部材に当接させると共に、該受圧室側筒状突部の内部を該受圧室側当接部材に形成された連通孔を通じて該受圧室に連通せしめる一方、該リリーフ用孔の他方の開口周縁部を該平衡室側当接部材に対して全周に亘って密接状態で当接させて該リリーフ用孔を該平衡室側当接部材で閉塞せしめたことを特徴とする流体封入式防振装置。
  2. 前記受圧室側当接部材における前記受圧室側筒状突部の当接部分において、該受圧室側筒状突部の内部に直接に開口して該受圧室側筒状突部の内部を前記受圧室に連通せしめる前記連通孔が形成されている請求項1に記載の流体封入式防振装置。
  3. 前記可動ゴム膜における前記リリーフ用孔が、該可動ゴム膜の中央に位置して一つ形成されている請求項1又は2に記載の流体封入式防振装置。
  4. 前記受圧室側筒状突部の突出先端面が、その全周に亘って前記受圧室側当接部材に対して当接せしめられている請求項1乃至3の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
  5. 前記可動ゴム膜が、前記リリーフ用孔の周囲において、前記受圧室側当接部材と前記平衡室側当接部材との間で厚さ方向で圧縮状態で配設されている請求項1乃至4の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
  6. 前記リリーフ用孔の周囲において前記可動ゴム膜の前記他方の面上に突出する平衡室側筒状突部を該可動ゴム膜に一体形成すると共に、該リリーフ用孔の他方の開口部を構成する該平衡室側筒状突部の突出先端面を前記平衡室側当接部材に当接させた請求項1乃至5の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
  7. 前記可動ゴム膜の外周縁部において厚肉環状の挟圧支持部が一体形成されていると共に、前記第二の取付部材に固定された支持部材によって該挟圧支持部が圧縮状態で挟圧支持されており、該挟圧支持部の内周側における該可動ゴム膜の弾性変形に基づいて前記受圧室の微小圧力変動が吸収されるようになっている請求項1乃至6の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
  8. 前記可動ゴム膜の厚さ方向両側にはそれぞれ所定距離を隔てて変位量制限部材が対向配置されており、該可動ゴム膜のそれら変位量制限部材への当接によって該可動ゴム膜の厚さ方向両側への変位量が制限されるようになっている請求項1乃至7の何れか一項に記載の流体封入式防振装置。
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