JPH11117987A - 液体封入式防振装置 - Google Patents

液体封入式防振装置

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JPH11117987A
JPH11117987A JP27900697A JP27900697A JPH11117987A JP H11117987 A JPH11117987 A JP H11117987A JP 27900697 A JP27900697 A JP 27900697A JP 27900697 A JP27900697 A JP 27900697A JP H11117987 A JPH11117987 A JP H11117987A
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JP
Japan
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liquid chamber
elastic body
liquid
gas
umbrella
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JP27900697A
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Inventor
Rentaro Kato
錬太郎 加藤
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】傘状部材による低動ばね化が有効な周波数領域
よりも高い周波数領域においても優れた防振効果が得ら
れ、広範囲な周波数領域で総合的な防振効果が得られる
液体封入式防振装置を提供する。 【解決手段】第1取付部材1と、第1取付部材1に一端
側が固着され他端側に開口する凹部21を有するゴム弾
性体2と、ゴム弾性体2に固着され、凹部21の開口部
を液密的に覆蓋して凹部21との間に液体Lが封入され
た液体室を形成するダイヤフラム33を有する第2取付
部材3と、液体室を主液室43と副液室44とに仕切
り、主液室43と副液室44とを連通するオリフィス通
路45を有する仕切部材4と、仕切部材4に収納保持さ
れた可動膜5と、主液室43に突出して第1取付部材1
に取付けられた傘状部材6とを備え、主液室43内に
は、傘状部材6に係合固定された気体密封弾性体7が配
設されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両のエン
ジンマウントやキャブマウント等として用いられる液体
封入式防振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、振動発生源となるエンジンを
搭載する車両においては、パワーユニット等の被支持体
を防振支持するエンジンマウントを介して車体フレーム
等の支持体に取付けるようにしている。このようなエン
ジンマウントとして、図7に示す液体封入式防振装置が
知られている。
【0003】この液体封入式防振装置は、一方の部材に
取付けられる第1取付部材201と、第1取付部材20
1に一端側が固着され他端側に開口する凹部221を有
するゴム弾性体202と、ゴム弾性体202の他端側外
周に固着されるとともに、凹部221開口部を液密的に
覆蓋して凹部221との間に液体Lが封入された液体室
を形成するダイヤフラム233を有し、他方の部材に取
付けられる第2取付部材203と、第2取付部材203
の内周に周縁部を保持されて液体室を主液室243と副
液室244とに仕切り、主液室243と副液室244と
を連通するオリフィス通路245を有する仕切部材20
4と、仕切部材204の中央部に保持された可動板20
5と、主液室243に突出して第1取付部材201に取
付けられた傘状部材206とを備えている。
【0004】この液体封入式防振装置は、第1取付部材
201に装着された取付ボルト212をエンジン側及び
車体側の一方の部材に固定するとともに、第2取付部材
203をエンジン側及び車体側の他方のに固定すること
によって取付けられる。そして、エンジンから発生する
高周波数領域の振動は、ゴム弾性体202の弾性変形に
より効果的に吸収され、エンジンシェイク等の低周波数
領域の振動は、主液室243及び副液室244の容積変
化に伴ってオリフィス通路245を流動する液体Lの液
柱共振作用により効果的に吸収される。
【0005】また、この液体封入式防振装置は、主液室
243内に突設された傘状部材206、及び仕切部材2
04に配置された可動板205が設けられていることに
より、高周波数領域(例えば150〜500Hz付近)
における動ばね定数の低減化が図られている。この場
合、傘状部材206により低減化される動ばね定数の周
波数領域は、可動板205により低減化される動ばね定
数の周波数領域よりも高くなるように設定される。これ
により、オリフィス通路245を流動する液体Lの液柱
共振作用が生起するのに伴って高周波数領域に発生する
反共振が抑制される。したがって、目的とする低周波数
領域から高周波数領域において効果的な防振作用が発揮
される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
液体封入式防振装置は、傘状部材206及び可動板20
5を設けることにより、高周波数領域の低動ばね化が図
られているものの、それらの有効な周波数領域よりも高
い周波数領域においては、動ばね定数が著しく高くな
り、良好な防振効果が得られなくなる場合がある。
【0007】本発明は上記実状に鑑み案出されたもので
あり、傘状部材による低動ばね化が有効な周波数領域よ
りも高い周波数領域においても優れた防振効果が得ら
れ、広範囲な周波数領域で総合的な防振効果が得られる
液体封入式防振装置を提供することを解決すべき課題と
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1記載の発明は、一方の部材に取付けられる第1取付
部材と、該第1取付部材に固着され少なくとも一方に開
口する凹部を有するゴム弾性体と、該ゴム弾性体に固着
されるとともに、前記凹部の開口部を液密的に覆蓋して
前記凹部との間に液体が封入されオリフィス通路を介し
て互いに連通する主液室及び副液室を形成し、他方の部
材に取付けられる第2取付部材と、前記主液室に突出し
て前記第1取付部材に取付けられた傘状部材と、を備え
た液体封入式防振装置において、前記主液室には、可撓
膜により袋状に形成され内部に気体が封入された気体密
封弾性体が配設されているという手段を採用している。
【0009】この手段によれば、主液室内に突設された
傘状部材により、高周波数領域における動ばね定数が低
減化されていることから、オリフィス通路を流動する液
体の液柱共振作用が生起するのに伴って高周波数領域に
発生する反共振が抑制される。そして、主液室の容積変
化に伴って主液室内の液圧が上昇すると、主液室内に配
設された気体密封弾性体が弾性変形して収縮することに
より液圧の上昇が緩和される。これにより、傘状部材に
より動ばね定数が低減化される周波数領域よりも高い周
波数領域においても動ばね定数の低減化が可能となる。
【0010】したがって、本発明によれば、傘状部材に
よる低動ばね化が有効な周波数領域よりも高い周波数領
域においても優れた防振効果が得られ、広範囲な周波数
領域で総合的な防振効果を得ることができる。なお、本
発明における気体密封弾性体は、主液室内の液圧の上昇
を弾性変形することにより緩和するものであって、弾性
変形が容易な袋状の可撓膜の中に気体を密封することに
より構成される。可撓膜としては、例えばゴムシートや
柔軟性樹脂シートなどを用いることができる。袋状の可
撓膜の形状は、例えば厚板形状や棒形状、或いはリング
形状など任意の形状を採用することができる。
【0011】可撓膜の中に封入される気体は、特に限定
されるものではなく、コストや取り扱いの点から、空気
を用いることが好ましい。また、気体密封弾性体の形状
保持を容易にするため、例えば発泡ウレタンのような多
量の気体を包含する多孔質体を可撓膜の中に封入するよ
うにしてもよい。請求項2記載の発明は、前記気体密封
弾性体は、チューブ状の可撓膜の両端を連結してリング
状に形成され、前記傘状部材に係合固定されているとい
う手段を採用している。
【0012】この手段によれば、気体密封弾性体の弾性
変形を利用して、気体密封弾性体を傘状部材に容易に係
合固定することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づき説明する。 〔実施形態1〕図1は本実施形態に係る液体封入式防振
装置の断面図である。本実施形態の液体封入式防振装置
は、図1に示すように、第1取付部材1と、該第1取付
部材1に一端側が固着され他端側に開口する凹部21を
有するゴム弾性体2と、ゴム弾性体2に固着されるとと
もに、凹部21の開口部を液密的に覆蓋して凹部21と
の間に液体Lが封入された液体室を形成するダイヤフラ
ム33を有する第2取付部材3と、第2取付金具3の内
周に周縁部を保持されて液体室を主液室43と副液室4
4とに仕切り、主液室43と副液室44とを連通するオ
リフィス通路45を有する仕切部材4と、仕切部材4の
中央部に保持された可動膜5と、主液室43に突出して
第1取付部材1に取付けられた傘状部材6と、傘状部材
6に係合固定されて主液室43内に配設された気体密封
弾性体7と、を主要素として構成されている。
【0014】第1取付部材1は、中央に円孔をもつ円板
状の基板11と、基板11の円孔に嵌合固定され上方に
突出する取付ボルト12とからなる。基板11の上面に
は、後述する第2取付部材3の筒状基部31との所定以
上の相対変位を規制するストッパ13が取付けられてい
る。ゴム弾性体2は、ゴムにより略円筒状に形成されて
おり、図1における上端側の中央部が第1取付部材1の
基板11の下面周縁部及び後述する傘状部材6の軸状支
持部63の外周面に加硫接着により固着されている。こ
のゴム弾性体2の下端側には、下端側に開口する凹部2
1が形成されている。
【0015】第2取付部材3は、上端にフランジ部31
aをもつ筒状基部31と、筒状基部31の下端部にシー
ルゴム層を介して外嵌された大径部32aと該大径部3
2aの下端に段部32bを介して連設された小径部32
cとからなる筒状連結部32と、筒状連結部32の小径
部32cの下端開口部にその周縁部が加硫接着されたド
ーム形のダイヤフラム33とで構成されている。この第
2取付部材3は、筒状基部31の内周面がゴム弾性体2
の凹部21を形成する下方部分の外周面と加硫接着され
て一体的に連結されている。これにより、第2取付部材
3のダイヤフラム33とゴム弾性体2の凹部21との間
には、密閉状の液体室が形成されている。この液体室に
は、例えば水やアルキレングリコール、シリコンオイル
等の非圧縮性流体からなる液体Lが封入されている。
【0016】仕切部材4は、金属板によりハット形状に
形成された内側部材41と、金属板により内側部材41
よりも一回り大きいハット形状に形成されて内側部材4
1の外側に重ね合わせられた外側部材42とからなる。
この仕切部材4は、鍔状の外周端部が第2取付部材3の
筒状基部31の下端と筒状連結部32の段部32bとの
間にシールゴム層35を介して挟持された状態で固定さ
れている。これにより、仕切部材4は、液体室を第1取
付部材1側の主液室43とダイヤフラム33側の副液室
44とに仕切っている。
【0017】仕切部材4の周縁部には、内側部材41及
び外側部材42により区画されて周方向に略一周するよ
うにオリフィス通路45が形成されている。このオリフ
ィス通路45は、その一端側が主液室43に開口すると
ともに、その他端側が副液室44に開口していることに
より、主液室43と副液室44とを連通している。ま
た、仕切部材4の中央部の内側部材41と外側部材42
との間には、後述の可動板5を収納する円板状の収納空
間46が形成されている。なお、内側部材41及び外側
部材42の収納空間46を区画形成する部分には、厚さ
方向に貫通する導通孔41a、42aがそれぞれ設けら
れており、主液室43と副液室44とが導通孔41a、
42a及び収納空間46を介して連通されている。
【0018】可動板5は、ゴム材により円板状に形成さ
れ、仕切部材4の収納空間46に収納されている。この
可動板5は、収納空間46内でわずかに遊動可能な状態
に配置されており、主液室43内の液体Lと副液室44
内の液体Lとの圧力差に応じて主液室43と副液室44
の間の液体Lの流動を許容する。傘状部材6は、一端が
第1取付部材1の基板11の下面中央部に溶接により接
合され先端が主液室43内に延出する軸状支持部61
と、軸状支持部61の先端部にその中央部が固着された
円板状の傘金具62と、傘金具62の周縁部に加硫接着
されたリング状の緩衝ゴム63とで構成されている。軸
状支持部61は、上方約2/3の部分がゴム弾性体2内
に埋め込まれ、下方約1/3の部分が主液室43内に突
出している。これにより、傘金具62及び緩衝ゴム63
の外周面と主液室43を区画するゴム弾性体2の凹部2
1の外表面との間には狭窄通路64が形成されている。
【0019】気体密封弾性体7は、図2に示すように、
チューブ状のゴム膜71の両端部どうしを連結具72に
より連結してリング状に形成されており、その内部には
適量の空気73が封入されている。この気体密封弾性体
7は、その弾性変形を利用して中央孔を押し拡げた状態
で傘状部材6の軸状支持部61に嵌合することにより、
金属プレート62とゴム弾性体2との間の部分に係合固
定されており、これにより主液室43内の狭窄通路64
に配設されている。
【0020】以上のように構成された本実施形態の液体
封入式防振装置は、車両のエンジンマウントとして使用
され、第1取付部材1の取付ボルト12を例えばエンジ
ン側の部材に締結して第1取付部材1を固定するととも
に、第2取付部材3のフランジ部31aを取付ボルト
(図示せず)などによりエンジン側の部材に固定するこ
とによって取付けられる。
【0021】そして、エンジンから発生する高周波領域
の振動は、ゴム弾性体2の弾性変形により効果的に吸収
され、エンジンシェイク等の低周波領域の振動は、主液
室43及び副液室44の容積変化に伴ってオリフィス路
45を流動する液体Lの液柱共振作用により効果的に吸
収される。また、オリフィス通路245を流動する液体
Lの液柱共振作用が生起するのに伴って高周波数領域に
発生する反共振は、可動板5に規制されつつ仕切部材4
の導通孔41a、42a及び収納空間46を流動する液
体Lの液柱共振作用により抑制される。さらに、その反
共振は、主液室43内で傘状部材6の周囲に形成された
狭窄通路64を流動する液体Lの液柱共振作用によって
も抑制される。
【0022】一方、主液室43の容積変化に伴って主液
室43内の液圧が上昇すると、主液室43内の傘状部材
6に係合固定されている気体密封弾性体7が弾性変形し
て収縮することにより液圧の上昇が緩和される。このと
き、狭窄通路64が目づまりの状態(狭窄通路64を液
体Lが流動しなくなった状態)になっても、気体密封弾
性体7が収縮して液圧の上昇が緩和される。そのため、
狭窄通路64を流動する液体Lの液柱共振作用による低
動ばね化が有効に働く周波数領域よりも高い周波数領域
においても優れた防振効果が得られる。したがって、傘
状部材6を設けたことによる高周波数領域での防振効果
に加えて、その周波数領域よりも高い高周波数領域での
優れた防振効果が得られる。
【0023】以上のように、本実施形態の液体封入式防
振装置によれば、主液室43内に気体密封弾性体7が配
設されているため、傘状部材6による低動ばね化が有効
な周波数領域よりも高い周波数領域においても優れた防
振効果が得られ、広範囲な周波数領域で総合的な防振効
果を得ることができる。なお、本実施形態の液体封入式
防振装置について、周波数1000Hzまでの動ばね定
数を測定したところ、図3に示す結果が得られた。ま
た、図7に示す従来の液体封入式防振装置についても同
様に測定し、その結果を図3に示した。
【0024】図3から明らかなように、従来の液体封入
式防振装置の場合には、600Hz付近までの周波数領
域では動ばね定数が平均的に低いレベルに抑制されて、
良好な防振効果が得られているものの、600Hzを越
えると急激な立ち上がり曲線を示すようになる。これに
対して、本実施形態の液体封入式防振装置の場合には、
1000Hz付近までの周波数領域で動ばね定数が平均
的に低いレベルに抑制され、高周波数領域においても良
好な防振効果が得られることがわかる。即ち、本実施形
態の液体封入式防振装置は、主液室43内に気体密封弾
性体7が配設されていることにより、傘状部材6による
低動ばね化が有効な周波数領域よりも高い周波数領域に
おいても優れた防振効果が得られることが明らかであ
る。
【0025】また、本実施形態の気体密封弾性体7は、
チューブ状のゴム膜71の両端を連結してリング状に形
成され、傘状部材6に係合固定されているため、気体密
封弾性体7の弾性変形を利用して傘状部材6に容易に係
合固定することができる。なお、本実施形態で用いられ
る気体密封弾性体7は、チューブ状のゴム膜71の中に
空気73を密封したものであるが、例えば図4に示す気
体密封弾性体7aのように、チューブ状のゴム膜71a
の中に発泡ウレタンのような多量の気体を包含する多孔
質体73aを密封して構成することができる。
【0026】〔実施形態2〕図5は本実施形態に係る液
体封入式防振装置の軸方向に沿う断面図であり、図6は
その液体封入式防振装置の軸直角方向に沿う断面図であ
る。本実施形態の液体封入式防振装置は、円筒型のエン
ジンマウントであって、第1取付部材としての主軸金具
101と、主軸金具101の外側に離間して同軸状に配
設された中間金具102と、中間金具102と主軸金具
101とを一体的に連結し外方に開口する一対の凹部1
32、133を有する略筒状のゴム弾性体103と、中
間金具102の外側に同軸状に配置され凹部132、1
33との間にオリフィス通路134を介して互いに連通
する主液室143と副液室144とを形成する第2取付
部材104と、主軸金具101に一端が固定され先端が
主液室143内に突出する傘状部材105と、傘状部材
105に係合固定されて主液室143内に配設された気
体密封弾性体106とを主要素として構成されている。
【0027】主軸金具101は、金属によりパイプ状に
形成されている。中間金具102は、軸方向の両端に位
置する一対のリング部121と、両リング部121間を
架橋しリング部121とともに周方向に配列された2個
の窓部122を区画する一対の架橋部123とからな
る。一対の架橋部123は、径方向における主振動入力
方向と略直交する径方向上の両側位置にそれぞれ設けら
れている。
【0028】ゴム弾性体103は、主軸金具101及び
中間金具102とともに一体加硫成形により形成され両
者を一体的に連結している。中間金具102はゴム弾性
体103の内部に埋設されており、ゴム弾性体103の
中間金具102外周に固着された部分はシール部131
を形成している。ゴム弾性体103の外周面には、中間
金具102の窓部122と対応する位置に開口する一対
の凹部132、133と、中間金具102の架橋部12
3の外側に設けられ両凹部132、133を連通するオ
リフィス通路134とが形成されている。
【0029】このゴム弾性体103の主軸金具101と
副液室144側の凹部133との間の部分には、軸方向
に沿って貫通する空洞部135が設けられており、この
空洞部135と凹部133との間の部分にはゴム弾性体
103の一部が薄肉化されて副液室144の隔壁を構成
するダイヤフラム136が形成されている。また、主軸
金具101とダイヤフラム136との間の部分には、主
軸金具101からダイヤフラム136側に向かって突出
するゴムストッパ137が設けられている。
【0030】第2取付部材104は、金属により円筒状
に形成された外筒金具141と、外筒金具141の外側
に嵌合固定された略筒状のブラケット金具142とから
なる。この第2取付部材104は、ゴム弾性体103の
外側に外筒金具141を圧入することにより嵌着されて
いる。これにより、ゴム弾性体103の凹部132、1
33及びオリフィス通路134の開口部が液密的に覆蓋
され、凹部132、133との間にオリフィス通路13
4を介して互いに連通する主液室143と副液室144
とが形成されている。なお、主液室143、副液室14
4及びオリフィス通路134には、上記実施形態1と同
様の非圧縮性流体からなる液体Lが封入されている。
【0031】傘状部材105は、主軸金具101の外周
に嵌合固定される円筒状の取付基部151と、取付基部
151から主液室143内に向かって延出する軸状支持
部152と、軸状支持部152の先端に一体的に設けら
れた円盤状の傘状プレート部153と、軸状支持部15
2及び傘状プレート部153の表面を覆う緩衝ゴム15
4とで構成されている。傘状プレ−ト部153の表面を
覆う緩衝ゴム154の外周面と主液室145を区画する
ゴム弾性体103の凹部132の外表面との間には狭窄
通路155が形成されている。
【0032】気体密封弾性体106は、上記実施形態1
のものと同じものであり、チューブ状のゴム膜161の
両端部どうしを連結具(図示せず)を介して連結してリ
ング状に形成され、その内部には適量の空気163が封
入されている。この気体密封弾性体106は、その弾性
変形を利用して中央孔を押し拡げた状態で傘状部材10
5の軸状支持部152の外側に嵌合することにより、傘
状プレート部153とゴム弾性体103との間の位置に
係合固定されており、これにより主液室143内の狭窄
通路155に配設されている。
【0033】以上のように構成された本実施形態の液体
封入式防振装置は、車両のエンジンマウントとして使用
され、主軸金具101を取付ボルト(図示せず)などに
より例えば車体側の支持部材に連結固定するとともに、
第2取付部材104のブラケット金具142をエンジン
側の支持部材に連結固定することによって取付けられ
る。この場合、エンジンの主振動入力方向である上下方
向に主液室143と副液室144とが位置するように配
設される。
【0034】そして、エンジンから発生する高周波領域
の振動は、ゴム弾性体103の弾性変形により効果的に
吸収され、エンジンシェイク等の低周波領域の振動は、
主液室143及び副液室144の容積変化に伴ってオリ
フィス路134を流動する液体Lの液柱共振作用により
効果的に吸収される。また、オリフィス通路134を流
動する液体Lの液柱共振作用が生起するのに伴って高周
波数領域に発生する反共振は、主液室145内で傘状部
材105の周囲に形成された狭窄通路155を流動する
液体Lの液柱共振作用によって抑制される。
【0035】一方、主液室143の容積変化に伴って主
液室143内の液圧が上昇すると、主液室143内の傘
状部材105に係合固定されている気体密封弾性体10
6が弾性変形して収縮することにより液圧の上昇が緩和
される。このとき、狭窄通路155が目づまりの状態
(狭窄通路155を液体Lが流動しなくなった状態)に
なっても、気体密封弾性体106が収縮して液圧の上昇
が緩和される。そのため、狭窄通路155を流動する液
体Lの液柱共振作用による低動ばね化が有効に働く周波
数領域よりも高い周波数領域においても優れた防振効果
が得られる。したがって、傘状部材105を設けたこと
による高周波数領域での防振効果に加えて、その周波数
領域よりも高い高周波数領域での優れた防振効果が得ら
れる。
【0036】以上のように、本実施形態の液体封入式防
振装置の場合にも、主液室143内に気体密封弾性体1
06が配設されているため、傘状部材105による低動
ばね化が有効な周波数領域よりも高い周波数領域におい
ても優れた防振効果が得られ、広範囲な周波数領域で総
合的な防振効果を得ることができる等、上記実施形態1
の場合と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る液体封入式防振装置
の断面図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る気体密封弾性体の断
面図である。
【図3】本発明の実施形態1に係る液体封入式防振装置
及び従来の液体封入式防振装置のばね特性を示すグラフ
である。
【図4】本発明の実施形態1の変形例に係る気体密封弾
性体の断面図である。
【図5】本発明の実施形態2に係る液体封入式防振装置
の軸方向に沿う断面図である。
【図6】本発明の実施形態2に係る液体封入式防振装置
の軸直角方向に沿う断面図である。
【図7】従来の液体封入式防振装置の断面図である。
【符号の説明】
1、201…第1取付部材 2、202…ゴム弾性
体 3、203…第2取付部材 4、204…仕切部材 5、205…可動膜 6、206…傘状部材 7、7a…気体密封弾性体 12、212…取付ボ
ルト 21、221…凹部 31…筒状基部 32…
筒状連結部 33、233…ダイヤフラム 41…内側部材
42…外側部材 41a、42a…導通孔 43、243…主液室 44、244…副液室 45、245…オリフィス
通路 46…収納空間 61…軸状支持部 62…傘
金具 63…緩衝ゴム 64…狭窄通路 71、71
a…ゴム膜 72…連結具 73…空気 73a…多孔質体 101…主軸金具(第1取付部材) 102…中間
金具 103…ゴム弾性体 104…第2取付部材
105…傘状部材 106…気体密封弾性体 121…リング部
122…窓部 123…架橋部 132、133…凹部 134…オリフィス通路 141…外筒金具 142…ブラケット金具 143…主液室 1
44…副液室 151…取付基部 152…軸状支持部 153…傘状プレート部 154…緩衝ゴム
155…狭窄通路 161…ゴム膜 163…空気

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の部材に取付けられる第1取付部材
    と、 該第1取付部材に固着され少なくとも一方に開口する凹
    部を有するゴム弾性体と、 該ゴム弾性体に固着されるとともに、前記凹部の開口部
    を液密的に覆蓋して前記凹部との間に液体が封入されオ
    リフィス通路を介して互いに連通する主液室及び副液室
    を形成し、他方の部材に取付けられる第2取付部材と、 前記主液室に突出して前記第1取付部材に取付けられた
    傘状部材と、を備えた液体封入式防振装置において、 前記主液室には、可撓膜により形成され内部に気体が封
    入された気体密封弾性体が配設されていることを特徴と
    する液体封入式防振装置。
  2. 【請求項2】 前記気体密封弾性体は、チューブ状の可
    撓膜の両端を連結してリング状に形成され、前記傘状部
    材に係合固定されていることを特徴とする請求項1記載
    の液体封入式防振装置。
JP27900697A 1997-10-13 1997-10-13 液体封入式防振装置 Pending JPH11117987A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008095719A (ja) * 2006-10-06 2008-04-24 Bridgestone Corp 防振装置
KR101251487B1 (ko) * 2007-08-07 2013-04-05 현대자동차주식회사 유체봉입형 엔진 마운팅 유닛
KR101251492B1 (ko) 2007-10-19 2013-04-05 현대자동차주식회사 유체봉입형 엔진 마운트
KR101251486B1 (ko) 2007-07-31 2013-04-05 현대자동차주식회사 유체봉입형 엔진 마운트

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