JP5780709B2 - 防振装置 - Google Patents

防振装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5780709B2
JP5780709B2 JP2010049240A JP2010049240A JP5780709B2 JP 5780709 B2 JP5780709 B2 JP 5780709B2 JP 2010049240 A JP2010049240 A JP 2010049240A JP 2010049240 A JP2010049240 A JP 2010049240A JP 5780709 B2 JP5780709 B2 JP 5780709B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mounting member
vibration
liquid chamber
main
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010049240A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011185325A (ja
Inventor
小島 宏
宏 小島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2010049240A priority Critical patent/JP5780709B2/ja
Priority to US13/387,677 priority patent/US8960654B2/en
Priority to CN201080033153.6A priority patent/CN102472354B/zh
Priority to EP10804411.6A priority patent/EP2461067B1/en
Priority to PCT/JP2010/062624 priority patent/WO2011013665A1/ja
Publication of JP2011185325A publication Critical patent/JP2011185325A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5780709B2 publication Critical patent/JP5780709B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Description

本発明は、振動を発生する部材からの振動の伝達を防止する流体封入式の防振装置に係り、特に、自動車のエンジンマウント等に好適に用いられる防振装置に関する。
例えば、乗用車等の車両では、振動発生部となるエンジンと振動受け部となる車体との間にエンジンマウントとしての防振装置が配設される。この防振装置は、エンジンから発生する振動によって、内筒と外筒とが軸方向に振動すると、第1主液室と副液室との間の液体移動によってこの振動を減衰させるようになっている。たとえば特許文献1に記載の防振装置では、上記の構造に加えて、軸方向と直交する方向(軸直方向)にも2つの受圧液室(液室)を配置すると共に、これらの受圧液室を副液室と連通させ、軸直方向の振動を複数の液室間の液体移動によって減衰させるようになっている。
ところで、このように2方向(軸方向及び軸直方向)での振動減衰が可能な構造の防振装置では、2方向のそれぞれで、高周波の振動に対して動的ばね定数を下げることが望まれる。
特開2006−125617号
本発明は上記事実を考慮し、2方向(軸方向及び軸直方向)で振動減衰する防振装置において、これら2方向での動的ばね定数を下げることが可能な防振装置を得ることを課題とする。
請求項1に記載の発明の防振装置は、筒状に形成され振動発生部及び振動受け部の一方に連結される外側取付部材と、振動発生部及び振動受け部の他方に連結され、前記外側取付部材の内周側に配置された内側取付部材と、前記外側取付部材と前記内側取付部材との間に配置されて外側取付部材と内側取付部材とを連結する弾性体と、前記外側取付部材の内側で、前記内側取付部材の主振動入力方向一端側に構成され、内壁の少なくとも一部が前記弾性体により形成され、液体が充填された第1主液室と、前記外側取付部材と前記内側取付部材の間に構成されると共に前記第1主液室との間が前記弾性体で区画され液体が充填された液室を、前記外側取付部材の軸方向と交差する方向に並ぶ複数の第2主液室に区画する隔壁部材と、前記隔壁部材の内部に構成され、前記主振動入力方向に凹状であると共に前記軸方向からみて径方向が周方向に対して長尺とされ、前記第1主液室及び前記第2主液室に非連通となるように開口した凹部で構成された空洞部と、隔壁の一部がダイヤフラムにより形成されて内部に液体が充填され、この液体の液圧変化に応じて内容積が拡縮可能とされた副液室と、前記第1主液室と前記副液室との間での液体の移動を可能とする第1制限通路と、複数の前記第2主液室どうしの間、及び、前記第2主液室のそれぞれと前記副液室との間、の少なくとも一方での液体の移動を可能とする第2制限通路と、を備えている。
請求項1に記載の発明の防振装置では、弾性体の弾性変形により第1主液室が拡縮して、第1制限通路を通じて第1主液室と副液室との間で液体が相互に流通する。そして、第1制限通路内での液柱共振等により、制振機能が発揮される。
この防振装置では、内側取付部、外側取付部材の何れか一方に振動発生部側から振動が入力すると、この入力振動により内側取付部材と外側取付部材の間に配置された弾性体が弾性変形し、この弾性体の内部摩擦等に基づく吸振作用によって振動が吸収され、振動受け部側へ伝達される振動が低減される。このとき、入力振動が主振動方向の振動であっても、この主振動と略直交する方向の振動であっても弾性体の吸振作用により、その一部が吸収される。
また、この防振装置には、外側取付部材と内側取付部材の間に構成され、外側取付部材の軸方向と交差する方向に並ぶ複数の第2主液室が構成されている。これら第2主液室は、第2制限通路によって、第2主液室どうしの間での液体の移動が可能にされるか、または、第2主液室のそれぞれと副液室との間での液体の移動が可能にされるか、または、第2主液室どうしの間での液体の移動と、第2主液室のそれぞれと副液室との間での液体の移動の両方が可能にされている。したがって、軸方向と直交する方向(軸直方向)に振動が入力すると、複数の第2主液室どうしの間、及び、複数の第2主液室のそれぞれと副液室との間の少なくとも一方で液体が移動する。これにより、軸直方向においても、入力振動を吸収できる。
さらに、本発明では、第2主液室どうしの間を区画する隔壁部材には、内部に空洞部が構成され、空洞部は第1主液室及び第2主液室に非連通となるように開口されている。このため、軸方向に高周波の振動(たとえば、第1制限通路が液体の移動通路として作用しなくなる程度の振動)が入力した場合、隔壁部材が振動しやすくなり、防振装置の軸直方向の動ばね定数を下げることができる。
また、主振動入力方向に凹状として開口させることにより、容易に空洞部を構成することができる。
請求項2に記載の防振装置は、前記隔壁部材には、周方向において、前記空洞部が構成された部分に前記第2主液室に面する2枚の薄膜が形成されると共に、前記薄膜が形成されていない部分に前記薄膜よりも厚肉の厚壁が形成されていること、を特徴とする。
請求項2に記載の防振装置は筒状に形成され振動発生部及び振動受け部の一方に連結される外側取付部材と、振動発生部及び振動受け部の他方に連結され、前記外側取付部材の内周側に配置された内側取付部材と、前記外側取付部材と前記内側取付部材との間に配置されて外側取付部材と内側取付部材とを連結する弾性体と、前記外側取付部材の内側で、前記内側取付部材の主振動入力方向一端側に構成され、内壁の少なくとも一部が前記弾性体により形成され、液体が充填された第1主液室と、前記外側取付部材と前記内側取付部材の間に構成されると共に前記第1主液室との間が前記弾性体で区画され液体が充填された液室を、前記外側取付部材の軸方向と交差する方向に並ぶ複数の第2主液室に区画する隔壁部材と、前記隔壁部材の内部に構成され、前記主振動入力方向と直交する方向に凹状であり、前記第1主液室及び前記第2主液室に非連通となるように前記外側取付部材側に開口した凹部で構成された空洞部と、隔壁の一部がダイヤフラムにより形成されて内部に液体が充填され、この液体の液圧変化に応じて内容積が拡縮可能とされた副液室と、前記第1主液室と前記副液室との間での液体の移動を可能とする第1制限通路と、複数の前記第2主液室どうしの間、及び、前記第2主液室のそれぞれと前記副液室との間、の少なくとも一方での液体の移動を可能とする第2制限通路と、を備えている。
このように、主振動入力方向と直交する方向に凹状として外側取付部材側に開口させることによっても、容易に空洞部を構成することができる。
以上説明したように本発明の防振装置によれば、軸方向と直交する軸直方向でも振動減衰する防振装置において、動的ばね定数を下げることができる。
本発明の第1実施形態に係る防振装置の構成を軸方向に沿って部分的に破断して示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る防振装置の構成を示す平面図である。 本発明の第1実施形態に係る防振装置の構成を示す図2のIII−III線断面図である。 本発明の第1実施形態に係る防振装置の構成を示す図3とは異なる位置での軸方向断面図である。 本発明の第1実施形態に係る防振装置の構成を示す水平方向の断面図である。 本発明の第1実施形態に係る防振装置の内部構成を軸方向に沿って部分的に破断して示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る防振装置と比較例の軸直方向の振動入力に対する損失係数、動ばね定数と振動周波数との関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係る防振装置の構成を軸方向に沿って部分的に破断して示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る防振装置の構成を示す図8のA−A線断面図である。 本発明の第2実施形態に係る防振装置の構成を示す図9とは異なる位置での軸方向断面図である。 本発明の第2実施形態に係る防振装置の構成を示す水平方向の断面図である。 本発明の第2実施形態に係る防振装置の内部構成を軸方向に沿って部分的に破断して示す斜視図である。
[第1実施形態]
図1には本発明の第1実施形態の防振装置12が示されている。この防振装置12は、例えば、自動車におけるエンジンマウントとして用いられるものである。振動受け部である車体上において、振動発生部となるエンジンを支持する。なお、図面において符号Sは防振装置12の軸心を示しており、この軸心Sに沿った方向が防振装置12への主振動入力方向、軸心Sに直交する方向(軸直方向)が防振装置12への主振と直交する方向の振動入力方向となる。
図3及び図4にも詳細に示すように、防振装置12は、略円筒状に形成された外側取付部材14を有している。外側取付部材14の軸方向中央よりも下方の位置には、段部14Dを経て縮径された縮径部14Sが形成されている。また、外側取付部材14の内周面の略全体に渡って、略円筒状の被覆ゴム16が加硫接着され被覆されている。被覆ゴム16は、縮径部14Sの下端から外面へも延出されている。
被覆ゴム16の内周下端近傍からは、ダイヤフラム18が径方向内側へ向かって一体的に延出形成され、外側取付部材14の縮径部14S側を覆っている。ダイヤフラム18は、その中央部が上方に向かって凸となるように湾曲された膜状の部材であり、後述するオリフィス円筒体26との間に副液室30を構成している。そして、ダイヤフラム18が変形することで副液室30が拡縮され、その容積が変化するようになっている。
外側取付部材14からは、図示しない複数本(たとえば3本)脚部が径方向外側に延出されており、脚部の先端のボルト挿通孔にボルトを挿通することで、防振装置12が車体に取り付けられる。なお、脚部に代えて(あるいは併用して)外側取付部材14にブラケットを固着し、このブラケットを用いて外側取付部材14を車体に取り付ける構造であってもよい。
外側取付部材14の径方向内側には、軸心Sに位置するように、内側取付部材22が配置されている。内側取付部材22は、円柱形状とされ、上側に開口する雌ネジ22Mが形成されている。この雌ネジ22Mに、たとえばエンジン側のボルト等がねじ込まれて、エンジンが防振装置12に支持される。なお、本実施形態の防振装置12では、軸直方向の振動を減衰させる効果も奏するものであるが、振動が入力していない状態では、内側取付部材22の軸心は外側取付部材14の軸心と一致している。
内側取付部材22と外側取付部材14の間には、ゴム弾性体24が配置されている。ゴム弾性体24は、ゴム本体部24B及び蓋部24Lを有している。ゴム本体部24Bは、後述する保持筒44及びオリフィス円筒体26を介して外側取付部材14と連結されている。
ゴム本体部24Bは、ゴム弾性体24の本体部分であり、内側取付部材22の下側部分からオリフィス円筒体26に向かって延在されつつ次第に拡径された円錐台状とされている。ゴム本体部24Bの径方向内側には、凹部24Cが構成されている。
凹部24Cの下側には、仕切円板32が配置されている。仕切円板32は円板状とされ、凹部24Cを覆って、ゴム本体部24Bとの間に第1主液室28を構成している。第1主液室28には、液体(例えば、エチレングリコール、シリコンオイル等)が満たされている。
また、ゴム弾性体24のゴム本体部24Bよりも上方からは、外側取付部材14の上端に向かって延在されつつ次第に拡径された蓋部24Lが一体的に延出されている。そして、ゴム本体部24Bと蓋部24Lとの間に凹部24Hが構成されると共に、この凹部24Hと外側取付部材14(被覆ゴム16)との間に、液室40が構成されている。
ゴム本体部24Bの下側及び下側外周には、オリフィス円筒体26が配置されている。オリフィス円筒体26は、肉厚で略円板状のオリフィス円板部26Dと、このオリフィス円板部26Dの外周から上方に立設された略円筒状のオリフィス円筒部26Eと、を有している。オリフィス円筒部26Eの下面の外縁部分は、段部14Dにおいて被覆ゴム16上に支持されている。
また、オリフィス円板部26Dは、仕切円板32の下側に配置されている。オリフィス円板部26Dとダイヤフラム18との間には、副液室30が構成されている。副液室30も第1主液室28と同様に、液体(例えば、エチレングリコール、シリコンオイル等)で満たされている。特に、副液室30の一部はダイヤフラム18で構成されているので、ダイヤフラム18の変形により副液室30を大気圧に近い状態とする(そのように流体の流入及び流出を生じさせる)ことが可能である。
オリフィス円板部26Dには、周方向に約1周する第1オリフィス36が形成されている。第1オリフィス36の一端は、仕切円板32に形成された連通孔(不図示)を通じて第1主液室28に連通し、第1オリフィス36の他端は、下方に開放された連通孔38B(図1参照)を通じて副液室30に連通している。これにより、第1オリフィス36は、第1主液室28と副液室30との間での液体の移動を許容する流路となっている。特に、第1オリフィス36の流路としての長さ及び断面積は、特定の周波数範囲の振動(たとえばシェイク振動)に対応して設定されており、第1主液室28と副液室30との液体移動により、この振動エネルギーを吸収できるように調整されている。
オリフィス円板部26Dの中央部には、連通空間33が構成されている。連通空間33は、上側(仕切円板32側)が開放された円形の凹部とされ、底面に副液室30へ貫通する複数の連通孔35が構成されている。仕切円板32の連通空間33に対応する位置には、複数の連通孔32Aが構成されている。連通空間33は、連通孔35と連通孔32Aにより、第1主液室28及び副液室30と連通されている。
連通空間33には、円板状の振動板37が配置されている。振動板37は、連通空間33内で、軸方向Sに振動可能とされている。
図2、図4及図5に示すように、ゴム本体部24Bと蓋部24Lの間には、液室40を軸直方向に仕切る2枚の隔壁42が形成されている。隔壁42は軸心Sを中心として対称な形状とされ、蓋部24L及びゴム本体部24Bと一体的に連続して形成されている。また、隔壁42の径方向外端(軸心Sから最も離れた側の端部)は、図4及び図5にも示すように、外側取付部材14(被覆ゴム16)の内側に圧接されている、この隔壁42によって、液室40が、2つの第2主液室40A、40Bに区画されている。
図1に示すように、ゴム弾性体24のゴム本体部24Bの外周面には、円筒状の保持筒44が加硫接着されている。保持筒44は、オリフィス円筒体26のオリフィス円筒部26Eの内周に圧入されており、これにより、ゴム弾性体24とオリフィス円筒体26とが連結されている。オリフィス円筒体26は、外側取付部材14(被覆ゴム16)の内側に圧入されている。保持筒44及びオリフィス円筒体26を介して、外側取付部材14は、ゴム弾性体24に連結されている。
また、ゴム弾性体24の蓋部24Lの外周面には、リング状の保持環46が加硫接着されている。保持環46は、断面が外側に開放された上下逆L字状とされており、屈曲部の内上面は外側取付部材14の上面に密着されている。これにより、保持環46が外側取付部材14に対し固定され、ゴム弾性体24の蓋部24Lが外側取付部材14に対し固定されている。また、図1に示すように、保持筒44と保持環46は、これらの間に形成された複数の支持板48によって連結されて一体化されている。このように一体化された部材が、外側取付部材14(被覆ゴム16)の内側に圧入されている。
オリフィス円筒体26のオリフィス円筒部26Eの外周面には2本の凹溝50が形成されている。図7にも詳細に示すように、凹溝50のそれぞれは、一端が第2主液室40A、40Bと連通され、他端が副液室30と連通されている。この凹溝50が形成された部分では、オリフィス円筒部26Eと外側取付部材14(被覆ゴム16)との間に、第2主液室40A、40Bのそれぞれに対応した、2つの第2オリフィス52A、52Bが構成されており、第2オリフィス52A、52Bはそれぞれ、対応する第2主液室40A、40Bと副液室30との間で流体の移動を許容する流路となっている。第2オリフィス52A、52Bの流路としての長さ及び断面積は、特定の周波数範囲の振動に対応して設定されており、第2主液室40A、40Bと副液室30との液体移動により、この振動エネルギーを吸収できるように調整されている。特に、第2オリフィス52A、52Bにおける設定周波数は、第1オリフィス36における設定周波数よりも高くされている。
オリフィス円筒体26は、オリフィス円板部26Dの上面が仕切円板32に覆われて、その内周側に前述の第1オリフィス36が形成されている。また、オリフィス円筒部26Eの外周面の凹溝50と、外側取付部材14(被覆ゴム16)との間に、第2オリフィス52A、52Bが形成されている。このように、周方向の内側と外側とに分けて2つのオリフィスを形成することで、オリフィス相互の形状の自由度が高くなり、たとえば、流体の流路として十分な長さを確保すること等が可能になっている。
図2、図5、図6にも示すように、隔壁42のそれぞれには、厚み方向の中央に空洞部54が構成されている。空洞部54は、上方に開口されると共に、第1主液室28側には開口されておらず、軸方向Sの上側からみて、径方向に長尺となる長方形断面の凹状とされている。空洞部54が構成されることにより、隔壁42は当該部分に於いて2つの第2主液室40A、40Bに面する2枚の薄壁42A、42Bに分割される。空洞部54は、大気に開放されており、大気圧となっている。
また、隔壁42は、この薄壁42A、42B以外の部分が、相対的に厚肉の厚壁42Cとなっている。厚壁42Cは、隔壁42の径方向内側及び外側において、上端(蓋部24L)から下端(ゴム本体部24B)まで連続する形状となっている。
薄壁42A、42Bの厚さは、第2主液室40A及び第2主液室40Bのそれぞれの圧力の相対変動が、所定値以上の高周波(たとえば、第2オリフィス52A、52Bが目詰まりする程度の周波数)で発生すると、薄壁42A、42Bが変形することで、この圧力変動を緩和できるように設定されている。これに対し、厚壁42Cの厚さは、隔壁42を被覆ゴム16に対し確実に圧着させて隔壁42と被覆ゴム16との間を液密させ、さらに、蓋部24Lを確実に支持すると共に、内側取付部材22と外側取付部材14とが相対移動したときには弾性変形することで、相対移動に対する抗力を発揮すると共に、内部摩擦によって相対移動のエネルギーを効果的に散逸させることができるように設定されている。
次に、本実施形態の防振装置12の作用を説明する。
エンジンが作動すると、エンジンからの振動が内側取付部材22を介してゴム弾性体24に伝達される。このとき、ゴム弾性体24は吸振主体として作用し、ゴム弾性体24の変形に伴った内部摩擦等による減衰作用により入力振動が吸収される。
ここで、エンジンから防振装置12に入力する主要な振動としては、エンジン内のピストンがシリンダ内で往復移動することにより発生する振動(主振動)と、エンジン内のクランクシャフトの回転速度が変化することにより生じる振動(副振動)とが挙げられる。また、車体側から防振装置12に入力する振動にも、前述の主振動と副振動に近い入力がある。ゴム弾性体24は、入力振動が主振動であっても副振動であっても、その内部摩擦等による減衰作用により吸収可能である。実際には、これら主振動と副振動とが合成された振動が防振装置12に作用するが、以下では便宜上、これらの振動ごとに分けて、防振装置12の挙動を説明する。なお、この防振装置12では、配置方向の一例として、主振幅の方向(主振動入力方向)が防振装置12における軸方向と一致し、副振幅の方向(副振動入力方向)が防振装置12における軸直方向と一致するように配置している。
まず、主振動が防振装置12に入力された場合について、説明する。
本実施形態の防振装置12では、第1主液室28が第1オリフィス36を通して副液室30に連通されている。したがって、内側取付部材22にエンジン側から主振動が入力されると、ゴム弾性体24が主振幅方向に沿って弾性変形すると共に、第1主液室28の内容積を拡縮させる。これにより、第1オリフィス36を通して第1主液室28と副液室30とを、液体が入力振動に同期して相互に流通する。
ここで、第1オリフィス36における路長及び断面積は特定の入力振動(たとえばシェイク振動)の周波数に対応するように設定されている。このため、入力する主振動がシェイク振動である場合には、第1オリフィス36を通して第1主液室28と副液室30との間を相互に流通する液体に共振現象(液柱共振)が生じる。この液柱共振に伴う液体の圧力変化及び粘性抵抗により、主振幅方向の入力振動を特に効果的に吸収することができる。
主振幅方向の入力振動の周波数が高い場合に、第1オリフィス36が目詰まり状態となり、液体が流れにくくなると、主液室28内の液体へ伝達される振動により、振動板37が連通空間33内で軸方向Sに振動する。これにより、主液室28内の圧力上昇が抑制され、防振装置12の動ばね定数の上昇を抑えることができ、高い周波数域の振動も効果的に吸収できる。
次に、副振動が防振装置12に入力された場合について、図7に示すグラフを参照しつつ説明する。このグラフには、軸直方向に作用する±0.1mm〜±0.2mmの振幅の入力振動の周波数に対する、防振装置12の動ばね定数及び損失係数の関係の一例が示されている。また、隔壁42に本実施形態の薄壁42A、42Bに相当する部分(空洞部54)は形成されていないが、これ以外は本実施形態の防振装置12と同一の構造とされた比較例の防振装置についても、上記と同一条件での動ばね定数及び損失係数の関係の一例も示されている。このグラフにおいて、実線が本実施形態の防振装置12の損失係数(結果1)及び動ばね定数(結果2)、点線が比較例の損失係数(結果3)及び動ばね定数(結果4)を示す。
本実施形態の防振装置12では、第2主液室40A、40Bがそれぞれ、第2オリフィス52A、52Bを通して副液室30に連通されている。したがって、内側取付部材22にエンジン側から副振動が入力されると、ゴム弾性体24が副振幅方向に沿って弾性変形すると共に、第2主液室40A、40Bの内容積を拡縮させる。これにより、第2オリフィス52A、52Bを通して第2主液室40A、40Bと副液室30とを液体が、入力振動に同期して相互に流通する。
ここで、第2オリフィス52A、52Bにおける路長及び断面積は特定の入力振動の周波数に対応するように設定されている。このため、第2オリフィス52A、52Bを通して第2主液室40A、40Bと副液室30との間を相互に流通する液体に共振現象(液柱共振)が生じる。この液柱共振に伴う液体の圧力変化及び粘性抵抗により、副振幅方向の入力振動を特に効果的に吸収できる。図7に示すように、本実施形態の防振装置12、比較例の防振装置共に、10Hz〜12Hz程度の振動周波数で大きな減衰が得られている。
また、本実施形態では、第2主液室40Aと第2主液室40Bとが、薄壁42A、42Bによって隔てられている。したがって、副振幅方向の入力振動の周波数が高い場合には、隔壁42の薄壁42A、42Bが入力振動に同期して振動する。そしてこれにより、第2主液室40A、40B内の液圧変化に伴う動ばね定数の上昇を抑えることができる。すなわち、図7に示すグラフにおいて、実線3(本実施形態)と点線4(比較例)とを比較すれば分かるように、比較例よりも本実施形態の方が動ばね定数が低くなっていることからわかる。すなわち、本実施形態では、副振幅方向における、特に高周波振動の入力時に、防振装置12の動ばね定数を低く維持して、防振効果を得ることができる。
さらに、本実施形態の防振装置12では、隔壁42に薄壁42A、42Bを形成することで、ゴム本体部24Bや、その他の部位の形状を変更していないので、防振装置12の全体としての性能に与える影響が少なくなり、防振装置12は本来的に求められる防振性能を高く維持することができる。
[第2実施形態]
次に、本実施形態の第2実施形態について説明する。本実施形態については、第1実施形態と同様の部分については同一の符号を付して、その詳細な説明は省略する。本実施形態の防振装置60には、第1実施形態の防振装置12の空洞部54に代えて、横型空洞部62が構成されている。横型空洞部62以外の構成については、第1実施形態の防振装置12と同様である。
図8〜図12に示すように、横型空洞部62は、隔壁42のそれぞれの厚み方向の中央に構成されている。横型空洞部62は、径方向外側に開口されると共に、第1主液室28側、及び、軸方向Sの上側には開口されておらず、軸直方向からみて、軸方向Sに長尺となる長方形断面の凹状とされている。横型空洞部62が構成されることにより、隔壁42は当該部分に於いて2つの第2主液室40A、40Bに面する2枚の薄壁42A、42Bに分割される。外側取付部材14の横型空洞部62に対応する部分には、不図示の孔が構成されており、横型空洞部62は、大気に開放されて大気圧となっている。隔壁42は、この薄壁42A、42B以外の部分が、相対的に厚肉の厚壁42Cとなっている。
薄壁42A、42Bの厚さは、第2主液室40A及び第2主液室40Bのそれぞれの圧力の相対変動が、所定値以上の高周波(たとえば、第2オリフィス52A、52Bが目詰まりする程度の周波数)で発生すると、薄壁42A、42Bが変形することで、この圧力変動を緩和できるように設定されている。
本実施形態の防振装置60についても、第1実施形態の防振装置12と同様に、主振幅方向の振動、及び、副振幅方向の振動に対して、防振効果を発揮することができる。
12 防振装置
14 外側取付部材
18 ダイヤフラム
22 内側取付部材
24 ゴム弾性体
24B ゴム本体部
26 オリフィス円筒体
26E オリフィス円筒部
26D オリフィス円板部
28 第1主液室
30 副液室
32 仕切円板
36 第1オリフィス
37 振動板
40 液室
40A 第2主液室
40B 第2主液室
42 隔壁
42A 薄壁
42B 薄壁
52A 第2オリフィス
52B 第2オリフィス
54 空洞部
60 防振装置
62 横型空洞部
S 軸方向

Claims (3)

  1. 筒状に形成され振動発生部及び振動受け部の一方に連結される外側取付部材と、
    振動発生部及び振動受け部の他方に連結され、前記外側取付部材の内周側に配置された内側取付部材と、
    前記外側取付部材と前記内側取付部材との間に配置されて外側取付部材と内側取付部材とを連結する弾性体と、
    前記外側取付部材の内側で、前記内側取付部材の主振動入力方向一端側に構成され、内壁の少なくとも一部が前記弾性体により形成され、液体が充填された第1主液室と、
    前記外側取付部材と前記内側取付部材の間に構成されると共に前記第1主液室との間が前記弾性体で区画され液体が充填された液室を、前記外側取付部材の軸方向と交差する方向に並ぶ複数の第2主液室に区画する隔壁部材と、
    前記隔壁部材の内部に構成され、前記主振動入力方向に凹状であると共に前記軸方向からみて径方向が周方向に対して長尺とされ、前記第1主液室及び前記第2主液室に非連通となるように開口した凹部で構成された空洞部と、
    隔壁の一部がダイヤフラムにより形成されて内部に液体が充填され、この液体の液圧変化に応じて内容積が拡縮可能とされた副液室と、
    前記第1主液室と前記副液室との間での液体の移動を可能とする第1制限通路と、
    複数の前記第2主液室どうしの間、及び、前記第2主液室のそれぞれと前記副液室との間、の少なくとも一方での液体の移動を可能とする第2制限通路と、
    を備えた防振装置。
  2. 前記隔壁部材には、周方向において、前記空洞部が構成された部分に前記第2主液室に面する2枚の薄膜が形成されると共に、前記薄膜が形成されていない部分に前記薄膜よりも厚肉の厚壁が形成されていること、を特徴とする請求項1に記載の防振装置。
  3. 筒状に形成され振動発生部及び振動受け部の一方に連結される外側取付部材と、
    振動発生部及び振動受け部の他方に連結され、前記外側取付部材の内周側に配置された内側取付部材と、
    前記外側取付部材と前記内側取付部材との間に配置されて外側取付部材と内側取付部材とを連結する弾性体と、
    前記外側取付部材の内側で、前記内側取付部材の主振動入力方向一端側に構成され、内壁の少なくとも一部が前記弾性体により形成され、液体が充填された1主液室と、
    前記外側取付部材と前記内側取付部材の間に構成されると共に前記第1主液室との間が前記弾性体で区画され液体が充填された液室を、前記外側取付部材の軸方向と交差する方向に並ぶ複数の第2主液室に区画する隔壁部材と、
    前記隔壁部材の内部に構成され、前記主振動入力方向と直交する方向に凹状であり、前記第1主液室及び前記第2主液室に非連通となるように前記外側取付部材側に開口した凹部で構成された空洞部と、
    隔壁の一部がダイヤフラムにより形成されて内部に液体が充填され、この液体の液圧変化に応じて内容積が拡縮可能とされた副液室と、
    前記第1主液室と前記副液室との間での液体の移動を可能とする第1制限通路と、
    複数の前記第2主液室どうしの間、及び、前記第2主液室のそれぞれと前記副液室との間、の少なくとも一方での液体の移動を可能とする第2制限通路と、
    を備えた防振装置。
JP2010049240A 2009-07-28 2010-03-05 防振装置 Active JP5780709B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010049240A JP5780709B2 (ja) 2010-03-05 2010-03-05 防振装置
US13/387,677 US8960654B2 (en) 2009-07-28 2010-07-27 Vibration isolation device
CN201080033153.6A CN102472354B (zh) 2009-07-28 2010-07-27 隔振装置
EP10804411.6A EP2461067B1 (en) 2009-07-28 2010-07-27 Vibration-damping device
PCT/JP2010/062624 WO2011013665A1 (ja) 2009-07-28 2010-07-27 防振装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010049240A JP5780709B2 (ja) 2010-03-05 2010-03-05 防振装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011185325A JP2011185325A (ja) 2011-09-22
JP5780709B2 true JP5780709B2 (ja) 2015-09-16

Family

ID=44791865

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010049240A Active JP5780709B2 (ja) 2009-07-28 2010-03-05 防振装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5780709B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5738074B2 (ja) * 2011-05-30 2015-06-17 住友理工株式会社 流体封入式防振装置
KR101488327B1 (ko) * 2013-09-06 2015-01-30 현대자동차주식회사 전기자동차용 모터마운트 구조

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4358423B2 (ja) * 2000-09-19 2009-11-04 山下ゴム株式会社 液封防振装置
JP4400809B2 (ja) * 2001-04-10 2010-01-20 山下ゴム株式会社 液封防振装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011185325A (ja) 2011-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2011013665A1 (ja) 防振装置
JP5014329B2 (ja) 防振装置
JP4217686B2 (ja) 防振装置
JP5557837B2 (ja) 防振装置
JP5642241B1 (ja) 防振装置
JP4939997B2 (ja) 防振装置
JP4901580B2 (ja) 液体封入式防振支持装置
JP5384241B2 (ja) 防振装置
JP4921776B2 (ja) 防振装置
JP2008175321A (ja) 防振装置
JP2008291969A (ja) 液体封入式防振支持装置
JP2006207629A (ja) 防振装置
JP5780709B2 (ja) 防振装置
JP2006132615A (ja) 防振装置
JP4563197B2 (ja) 防振装置
JP5414567B2 (ja) 防振装置
JP5384242B2 (ja) 防振装置
JP5399147B2 (ja) 防振装置
JP5280923B2 (ja) 防振装置
JP5114799B2 (ja) 防振装置
JP5689645B2 (ja) 防振装置
JP2006144817A (ja) 防振装置
JP2005233243A (ja) 流体封入式エンジンマウント
JP4794501B2 (ja) 液体封入式防振支持装置
JP2011007222A (ja) 防振装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130204

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131119

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140114

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140701

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140929

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20141007

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20141226

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150714

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5780709

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250