JP2009239204A - 電子部品の製造方法 - Google Patents

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Takehisa Tamura
健寿 田村
Shintaro Kin
慎太郎 金
Wataru Takahara
弥 高原
Akira Sasaki
昭 佐々木
Kazuhiro Nakamura
和浩 中村
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Abstract

【課題】チップ素体の面を覆う部分の厚みと稜部を覆う部分の厚みとの差がより小さい電極層を形成する。
【解決手段】本発明の電子部品の製造方法では、チップ素体の端面及び端面の周囲の稜部を導体ペーストに浸漬して導体ペーストを付与した後、付与された導体ペーストにおいて端面を覆う部分をプレートに押し付け、チップ素体を平面から引き離して、チップ素体に導体ペースト層を形成する層形成工程を複数回行う。この複数層形成工程では、少なくとも3回は層形成工程を行い、複数回行う層形成工程のうち連続して行なう3回の層形成工程では、1回目及び2回目の層形成工程においてチップ素体を平面から引き離す速度は、3回目の層形成工程においてチップ素体を平面から引き離す速度より速いことを特徴とする。
【選択図】図7

Description

本発明は、略直方体形状のチップ素体に電極層が形成された電子部品の製造方法に関する。
内部電極を有する略直方体形状のチップ素体と、チップ素体の互いに対向する一対の面の表面にそれぞれ形成された外部電極とを備えるチップ状の電子部品がある。この電子部品の外部電極を形成する方法として、下記特許文献1に記載された方法がある。その方法では、チップ素体の一対の面のうち一方の面を導電ペースト中に浸漬することにより素体チップの端面に導電ペーストの膜を形成し、焼き付けて、外部電極の下地となる電極層を形成する。
特開平5−144662号公報
上記特許文献1の技術では、チップ素体の一方の面を導電ペースト中に浸漬し、その後、持ち上げる。すると、一方の面に形成された導電ペーストの膜は山形状になり、中央部が厚くなる。そして、チップ素体の一方の面の周囲の稜部では導電ペーストの厚みが一方の面の厚みより薄くなる。
この場合、次のような問題がある。導電ペーストの膜は、焼成後に電極層となり、更にめっき処理が行われる。このめっき処理を行う際に、電極層における稜部の厚みが薄いと、めっき液がチップ素体の稜部からチップ素体の内部へ侵入する虞がある。チップ素体の内部にめっき液が侵入すると、電子部品としての特性の劣化やショートが発生する場合があるので問題である。
そこで、稜部の厚みを厚くするために、チップ素体を導電ペースト中に浸漬する際に、その浸漬深さを大きくしてより多くの量の導電ペーストをチップ素体に塗布する方法や、複数回上述の浸漬塗布を行うことが考えられる。しかし、この場合は、チップ素体の端面における導電ペーストの厚みが厚くなり、より突出した山形状となる。すると、その突出した分だけ電子部品としての寸法が大きくなるので問題である。
上記問題点を解消する為に、本発明は、電極層においてチップ素体の稜部を覆う部分の厚さを適正に確保すると共に、面を覆う部分の厚みの増大を抑制することが可能な電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の電子部品の製造方法では、略直方体形状に形成され、第1の面と、第1の面に垂直且つ隣り合う4つの側面と、第1の面の周囲の稜部と、を有するチップ素体を準備する準備工程と、第1の面及び稜部を導体ペーストに浸漬してチップ素体に導体ペーストを付与した後、付与された導体ペーストにおいて第1の面を覆う部分を平面に押し付け、チップ素体を平面から引き離して、チップ素体に導体ペースト層を形成する層形成工程を複数回行うことにより、第1の面及び稜部を覆う複数層の導体ペースト層を形成する複数層形成工程と、複数層の導体ペースト層を熱処理して電極層を形成する熱処理工程と、を備え、複数層形成工程は、少なくとも連続して行う3回の層形成工程を含み、当該3回の層形成工程のうち1回目及び2回目の層形成工程においてチップ素体を平面から引き離す速度は、3回目の層形成工程においてチップ素体を平面から引き離す速度より速いことを特徴とする。
本発明の電子部品の製造方法では、少なくとも層形成工程を3回行うことにより、少なくとも3層の導体ペースト層をチップ素体に形成する。各層形成工程では、導体ペーストをチップ素体の第1の面と稜部とに浸漬塗布後、第1の面を覆う部分を平面に押し付けて、引き離す。これにより、塗布された導体ペーストのうち、第1の面を覆う厚さの厚い中央部分の一部が平面に付着する。この層形成工程を複数回行うが、そのうち連続して行う3回の層形成工程では、1回目と2回目の層形成工程においてチップ素体を平面から引き離す速度は、3回目の層形成工程においてチップ素体を平面から引き離す速度より速い。これにより、1回目及び2回目の層形成工程において、平面に付着する導体ペーストの量を3回目の層形成工程において平面に付着する導体ペーストの量より多くすることができる。よって、1回目及び2回目の層形成工程において形成される導体ペースト層は、第1の面を覆う部分が、3回目の層形成工程において形成される導体ペースト層の第1の面を覆う部分より薄くなる。これにより、層形成工程を少なくとも3回行うものの、第1の面を覆う部分の厚さが増大することを抑制できる。そして、層形成工程を少なくとも3回行うことにより、稜部を覆う導体ペーストの厚さを十分確保することができる。このため、第1の面を覆う部分の厚さが増大することを抑制して、稜部を覆う部分について適正な厚さを確保することができる。また、3回目の層形成工程において、比較的ゆっくりチップ素体を平面から引き上げるので、導体ペースト中に泡が発生するのを抑制すると共に、第1の面を覆う部分について適正な厚さを確保することができる。
好ましくは、複数層形成工程では、3回目の層形成工程によって複数層の導体ペースト層のうち最外層を形成する。この場合、最外層の形状を整えることができるので、電極層の外観を整えることができる。
好ましくは、複数層形成工程では、1回目の層形成工程によって複数層の導体ペースト層のうち最内層を形成する。この場合、連続する3回の層形成工程によって電極層を構成する複数の導体ペースト層を形成することができる。
好ましくは、複数層形成工程において最後に行う層形成工程では、既に形成された複数の導体ペースト層全体を覆うように、最外層の導体ペースト層を形成する。この場合、電極層の外観を整えることができる。
本発明の電子部品の製造方法によれば、電極層においてチップ素体の稜部を覆う部分の厚さを適正に確保すると共に、面を覆う部分の厚みの増大を抑制することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1及び図2を参照して、本実施形態に係る電子部品の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る電子部品の概略斜視図である。図2は、図1に示す電子部品の概略断面図である。本実施形態に係る電子部品Cは、積層型のセラミックコンデンサである。電子部品Cは、略直方体形状で、チップ素体1と、チップ素体1に形成された第1の外部電極2及び第2の外部電極3と、を備えている。
チップ素体1は、略直方体形状で、互いに対向する端面11及び端面12と、端面11,12に垂直且つ隣り合う4つの側面13とを備えている。端面11,12及び側面13は、略平面状の面である。このチップ素体1は、端面11,12、側面13の間の稜部が丸みを帯びている。端面11の周囲の稜部11Rは、端面11と各4つの側面13との間の4つの部分と、隣り合う2つの側面13と端面11との間に位置する4つの角部とを含む。端面12の周囲の稜部12Rは、端面12と各4つの側面13との間の4つの部分と、隣り合う2つの側面13と端面12との間に位置する4つの角部とを含む。
チップ素体1は、誘電体層15と内部電極層16とが交互に積層して形成されている。誘電体層15と内部電極層16とは、4つの側面13のうち1組の互いに対向する2つの側面13の対向方向に積層されている。この内部電極層16は、第1の内部電極層16aと第2の内部電極層16bとで構成され、第1の内部電極層16aと第2の内部電極層16bとは交互に配置されている。そして、第1の内部電極層16aは、第2の内部電極層16bより端面11側にずれて、端面11から露出している。第2の内部電極層16bは、第1の内部電極層16aより端面12側にずれて、端面12から露出している。
端面11には、第1の外部電極2が形成されている。これにより、第1の内部電極層16aと第1の外部電極2とは、電気的且つ物理的に接続されている。また、端面12には、第2の外部電極3が形成されている。これにより、第2の内部電極層16bと第2の外部電極3とは、電気的且つ物理的に接続されている。
第1の外部電極2は、チップ素体1の端面11と、稜部11Rと、4つの側面13における端面11側の部分とを覆っている。第2の外部電極2は、チップ素体1の端面12と、稜部12Rと、4つの側面13における端面12側の部分とを覆っている。第1及び第2の外部電極2,3は、それぞれ電極層と当該電極層を覆うめっき層とで構成されている。
この電子部品Cの製造方法について説明する。図3は、本実施形態に係る電子部品の製造方法の概要を示すフロー図である。本実施形態に係る電子部品の製造方法では、まず、上述したチップ素体1を準備する(チップ素体の準備工程S1)。チップ素体の準備工程S1では、次のようにしてチップ素体1を形成する。まず、誘電体層15となるセラミックグリーンシートを形成する。セラミックグリーンシートは、セラミックスラリーをPETフィルムに塗布後、乾燥して形成する。セラミックスラリーは、チタン酸バリウムを主成分とする誘電体材料にブチラール系樹脂を加え、更に、溶剤、可塑剤等を加えて混合分散することにより得られる。
次に、セラミックグリーンシートに、内部電極層16となる電極パターンを形成する。電極パターンは、電極ペーストをスクリーン印刷等により印刷後、乾燥することにより形成する。電極ペーストは、Ni粉末にバインダー(例えば、エチルセルロース系樹脂)や溶剤(例えば、ジヒドロターピネオール系溶剤)等を混合したものである。このように電極パターンが形成された複数のセラミックグリーンシートを積層する。そして、積層方向と垂直に切断して直方体形状のグリーンチップを形成し、このグリーンチップを焼成する。焼成後、バレル研磨を行うことにより角部を丸く形成し、稜部11R,12Rが形成され、チップ素体1を得る。
次に、チップ素体1の端面11側に複数層の導体ペースト層を形成する(第1の層形成工程S2;複数層形成工程)。続いて、チップ素体1の端面12側に複数層の導体ペースト層を形成する(第2の層形成工程S3;複数層形成工程)。その後、チップ素体1の端面11,12にそれぞれ形成された複数層の導体ペースト層を焼成して、電極層を得る(焼成工程S4;熱処理工程)。続いて、めっき処理を施して、電極層を覆うめっき層を形成して(めっき工程S5)、第1及び第2の外部電極2,3がチップ素体1に形成され、電子部品Cが完成する。
引き続いて、図4を参照して、第1の層形成工程S2について詳細に説明する。第1の層形成工程S2では、3層の導体ペースト層を形成する。1層目の導体ペースト層は、第1のディップ工程S11と第1のブロット工程S12と第1の乾燥工程S13とを含む1回目の層形成工程により形成される。2層目の導体ペースト層は、第2のディップ工程S14と第2のブロット工程S15と第2の乾燥工程S16とを含む2回目の層形成工程により形成される。3層目の導体ペースト層は、第3のディップ工程S17と第3のブロット工程S18と第3の乾燥工程S19とを含む3回目の層形成工程により形成される。
これらの各工程について、図5〜図7を参照して詳細に説明する。図5〜図7は、チップ素体1に塗布された導体ペーストの形状の特徴を示すために、チップ素体の断面を模式的に示している。
第1のディップ工程S11では、チップ素体1に導体ペースト4を浸漬塗布(ディップ)する。まず、プレート状の塗布用ベッド5上に導体ペースト4を載せる。導電ペースト4は、例えば、銀、パラジウム、銀パラジウム、又は銅などの導体紛に樹脂性のバインダと有機溶剤とを混合させたペースト状のものである。チップ素体1の端面11を塗布用ベッド5に突き当てて、導体ペースト4中に端面11と稜部11Rとを浸漬する(図5(a))。その後、チップ素体1を導体ペースト4から引き上げる(図5(b))。
図5(b)に示すように、チップ素体1に付与された導体ペースト21は、端面11を覆う部分21aの中央部が突出する。そして、端面11を覆う部分21aの中央部の厚さが、稜部11Rを覆う部分21bの厚さより厚くなる。そこで、端面11を覆う部分21aの中央部の厚さを薄くするために、第1のブロット工程S12を行う。
第1のブロット工程S12では、チップ素体1に付与された導体ペースト21においてチップ素体1の端面11を覆う部分21aをプレート6に押し付け(図5(c))、その後、第1の所定の速度で引き離す(図5(d))。プレート6は、その上面が平面の金属性の板である。このプレート6の平面に部分21aを押し付ける。チップ素体1をプレート6から引き離す第1の所定の速度は、5.0〜10.0mm/sec程度である。
このように、端面11を覆う部分21aをプレート6に押し付けて、第1の所定の速度で引き離すので、端面11を覆う部分21aの一部23がプレート6上に付着して残る。このため、端面11を覆う部分21aにおける中央部の突出した部分がなくなり、中央部が凹んだ状態となる。すなわち、端面11を覆う部分21aの中央部の厚さが、稜部11Rを覆う部分21bの厚さより薄くなる。
その後、第1の乾燥工程S13において、チップ素体1に付与された導体ペースト21を乾燥させて、1層目の導体ペースト層31を得る。この1層目の導体ペースト層31は、端面11を覆う部分31aの中央部の厚さが、稜部11Rを覆う部分31bの厚さより薄い。
引き続いて、第2のディップ工程S14において、1層目の導体ペースト層31が形成されたチップ素体1に、導体ペースト4を再び付与する。すなわち、導体ペースト4中に1層目の導体ペースト層31を浸漬し(図6(a))、チップ素体1を導体ペースト4から引き上げて(図6(b))、1層目の導体ペースト層31全体を覆うように導体ペースト4を塗布する。
一層目の導体ペースト層31は、部分21bが厚く、部分21aの中央部が凹んでいる。一般的には、一部が凹んだ面をペースト中に浸漬すると、凹んだ部分にエアが溜まりやすくなる。本実施形態では、凹んだ部分も導体ペーストで形成され、濡れ性を確保できるので、導体ペースト4が凹んだ部分にも濡れ広がり、エアが溜まることを防止できる。
図6(b)に示すように、チップ素体1に付与された導体ペースト24は、1層目の導体ペースト層31における部分31aを覆う部分24aの中央部が突出する。そして、この部分24aの中央部の厚さが、1層目の導体ペースト層31における部分31bを覆う部分24bの厚さより厚くなる。部分24aは、1層目の導体ペースト層31の部分31aの上からチップ素体1の端面11を覆う部分である。部分24bは、1層目の導体ペースト層31の部分31bの上からチップ素体1の稜部11Rを覆う部分である。
引き続いて、部分24aの中央部の厚さを薄くするために、第2のブロット工程S15を行う。第2のブロット工程S15では、チップ素体1に付与された導体ペースト24における部分24aをプレート6に押し付け(図6(c))、その後、第1の所定の速度で引き離す(図6(d))。このように、端面11を覆う部分24aをプレート6に押し付けて、第1の所定の速度で引き離すので、端面11を覆う部分24aの一部25がプレート6上に付着する。
このため、部分24aにおける中央部の突出した部分がなくなり、中央部が凹んだ状態となる。すなわち、端面11を覆う部分24aの中央部の厚さが、稜部11Rを覆う部分24bの厚さより薄くなる。その後、第2の乾燥工程S16において、チップ素体1に付与された導体ペースト24を乾燥させて、2層目の導体ペースト層34を得る。この2層目の導体ペースト層34は、端面11を覆う部分34aの中央部の厚さが、稜部11Rを覆う部分34bの厚さより薄い。
引き続いて、第3のディップ工程S17において、1層目及び2層目の導体ペースト層31,34が形成されたチップ素体1に、導体ペースト7を再び浸漬塗布する。導体ペースト7は、塗布用ベッド5上に、第1及び第2のディップ工程S11,S14における導体ペースト4より厚く載せられている。この導体ペースト7中に、1層目及び2層目の導体ペースト層31,34を含み、チップ素体1において第1の外部電極2を形成する領域を浸漬する(図7(a))。すなわち、チップ素体1を第1及び第2のディップ工程S11,S14より深く浸漬させる。その後、チップ素体1を導体ペースト4から引き上げる(図7(b))。これにより、チップ素体1に塗布された導体ペースト26は、1層目及び2層目の導体ペースト層31,34全域を覆い、更に、チップ素体1の側面13の端面11側の一部を覆っている。
図7(b)に示すように、チップ素体1に付与された導体ペースト26は、2層目の導体ペースト層34における部分34aを覆う部分26aの中央部が突出する。そして、この部分26aの中央部の厚さが、2層目の導体ペースト層34における部分34bを覆う部分26bの厚さより厚くなる。部分26aは、1層目及び2層目の導体ペースト層31,34の部分31a,34aの上からチップ素体1の端面11を覆う部分である。部分26bは、1層目及び2層目の導体ペースト層31,34の部分31b,34bの上からチップ素体1の稜部11Rを覆う部分である。
第3のブロット工程S18では、チップ素体1に付与された導体ペースト26における部分26aをプレート6に押し付け(図7(c))、その後、第2の所定の速度で引き離す(図7(d))。チップ素体1をプレート6から引き離す第2の所定の速度は、第1及び第2のブロット工程S12,S15においてチップ素体1をプレート6から引き離す第1の所定の速度より遅い。例えば、第2の所定の速度は、0.1〜1.0mm/ sec程度である。
このように、端面11を覆う部分26aをプレート6に押し付けて、第2の所定の速度で引き離すので、端面11を覆う部分26aの一部27がプレート6上に付着し、部分26aの表面が比較的平らになる。再度、部分26aをプレート6に押し付け、その後、第2の所定の速度で引き離す(図7(e))。これにより、端面11を覆う部分26aの一部28がプレート6上に付着し、部分26aの表面がより平らになる。
その後、第3の乾燥工程S19において、チップ素体1に付与された導体ペースト26を乾燥させて、3層目の導体ペースト層を得る。第2の層形成工程S3では、チップ素体1の端面12側に、第1の層形成工程S2と同様な手順で3層の導体ペースト層を形成する。
以上のように、本実施形態に係る電子部品の製造方法では、3回の層形成工程のうち、1回目と2回目の層形成工程においてチップ素体1をプレート6から引き離す速度は、3回目の層形成工程においてチップ素体1をプレートから引き離す速度より速い。これにより、1回目及び2回目の層形成工程において形成される導体ペースト層31,34は、端面11を覆う部分31a,34aの厚さは、3回目の層形成工程において形成される導体ペースト層の端面11を覆う部分より薄くなる。特に、3回の層形成工程のうち、1回目と2回目の層形成工程においてチップ素体1をプレート6から引き離す速度を5.0〜10.0mm/sec程度とするので、1回目及び2回目の層形成工程において形成される導体ペースト層31,34は、端面11を覆う部分31a,34aが凹む。これにより、層形成工程を3回行うものの、端面11を覆う部分の厚さが増大することを抑制できる。そして、層形成工程を3回行うことにより、稜部11Rを覆う導体ペースト層の厚さを十分確保することができる。このため、端面11を覆う部分の厚さが増大することを抑制して、稜部11Rを覆う部分について適正な厚さを確保することができる。また、3回目の層形成工程において、比較的ゆっくりチップ素体1をプレート6から引き上げるので、導体ペースト26中に泡が発生するのを抑制すると共に、端面11を覆う部分について適正な厚さを確保することができる。
この3層の導体ペースト層を焼成することにより、稜部を覆う部分の厚さが厚い導体層を得ることができる。よって、この導体層にめっき処理を行う際に、稜部11R,12Rからチップ素体1の内部へめっき液が侵入することを防止できる。更に、形成される第1及び第2の外部電極2,3は、図1に示すように、その端面11,12を覆おう部分2a,3aの中央部が突出することを抑制できるので、電子部品Cとしての外形寸法の精度を高めることができる。
また、最後(3回目)に行う層形成工程では、既に形成された1層目及び2層目の導体ペースト層31,34全体を覆うように、最後の導体ペースト層を形成する。このため、電極層の外観を整えることができる。
本実施形態に係る電子部品の製造方法の効果を示すために、本実施形態に係る電子部品と比較例に係る電子部品の製造方法により形成した電子部品とを比較する。本実施形態に係る電子部品は、上述したように、層形成工程を3回行い、1回目及び2回目においてチップ素体をプレートから引き離す速度は0.1mm/sec、3回目においてチップ素体をプレートから引き離す速度は9.0mm/secとした。
第1の比較例に係る電子部品は、層形成工程を2回行い、1回目及び2回目においてチップ素体をプレートから引き離す速度は9.0mm/secとした。第2の比較例に係る電子部品は、層形成工程を2回行い、1回目においてチップ素体をプレートから引き離す速度は0.1mm/sec、2回目においてチップ素体をプレートから引き離す速度は9.0mm/secとした。
各電子部品の互いに対向する側面と平行な中央断面において、電極層の端面11を覆う部分の中央部の厚さと、稜部11Rを覆う部分の厚さとを測定した。第1の比較例に係る電子部品の端面11を覆う部分の中央部の厚さは120μm、稜部11Rを覆う部分の厚さは、14.2μmであった。第2の比較例に係る電子部品の端面11を覆う部分の中央部の厚さは77.8μm、稜部11Rを覆う部分の厚さは、15.6μmであった。本実施例に係る電子部品の端面11を覆う部分の中央部の厚さは71.3μm、稜部11Rを覆う部分の厚さは、25.9μmであった。このように、本実施形態に係る電子部品の製造方法によれば、端面11を覆う部分の中央部の厚さがより薄く、稜部の厚さがより厚くなり、両者の厚みの差を小さくできることが示された。
なお、本発明は、上記実施形態に限られず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、層形成工程を3回行うこととしたが、4回以上行ってもよい。この場合、複数の層形成工程のうち、連続する3回の層形成工程では、1回目及び2回目の層形成工程においてチップ素体1をプレート6から引き離す速度は、3回目の層形成工程においてチップ素体1をプレート6から引き離す速度より早く行う。層形成工程を4回以上行う場合、上述した連続する3回の層形成工程を最後の3回とすることが好ましい。
また、上記実施形態では、プレート6はその上面が平面の金属性の板であり、チップ素体1の部分21aをプレート6の平面に押し付けることとしたが、これに限られない。プレート6の上面に薄く導体ペーストが残っている場合でも、このプレート6の上面に残った導体ペーストの上から部分21aを押し付けてもよい。
また、例えば、上記実施形態では、電子部品Cがコンデンサであるとしたが、これに限られず、電子部品Cは、抵抗、インダクタ、バリスタ等の機能を発揮するものでもよい。
本実施形態に係る電子部品の概略斜視図である。 本実施形態に係る電子部品の概略断面図である。 本実施形態に係る電子部品の製造方法の概略を示すフロー図である。 本実施形体に係る電子部品の製造方法の詳細を示すフロー図である。 本実施形態に係る電子部品の製造方法を示す図である。 本実施形態に係る電子部品の製造方法を示す図である。 本実施形態に係る電子部品の製造方法を示す図である。
符号の説明
C…電子部品、1…チップ素体、2…第1の外部電極、3…第2の外部電極、4,7…導体ペースト、6…プレート(平面)、11,12…端面(第1の面)、11R,12R…稜部、13…側面、21,24,26…導体ペースト、21a,24a,26a…部分、31,34…導体ペースト層。

Claims (4)

  1. 略直方体形状に形成され、第1の面と、前記第1の面に垂直且つ隣り合う4つの側面と、前記第1の面の周囲の稜部と、を有するチップ素体を準備する準備工程と、
    前記第1の面及び前記稜部を導体ペーストに浸漬して前記チップ素体に導体ペーストを付与した後、付与された導体ペーストにおいて前記第1の面を覆う部分を平面に押し付け、前記チップ素体を前記平面から引き離して、前記チップ素体に導体ペースト層を形成する層形成工程を複数回行うことにより、前記第1の面及び前記稜部を覆う複数層の導体ペースト層を形成する複数層形成工程と、
    前記複数層の導体ペースト層を熱処理して電極層を形成する熱処理工程と、
    を備え、
    前記複数層形成工程は、少なくとも連続して行う3回の前記層形成工程を含み、
    当該3回の層形成工程のうち1回目及び2回目の前記層形成工程において前記チップ素体を前記平面から引き離す速度は、3回目の前記層形成工程において前記チップ素体を前記平面から引き離す速度より速いことを特徴とする電子部品の製造方法。
  2. 前記複数層形成工程では、前記3回目の層形成工程によって前記複数層の導体ペースト層のうち最外層を形成することを特徴とする請求項1に記載の電子部品の製造方法。
  3. 前記複数層形成工程では、前記1回目の層形成工程によって前記複数層の導体ペースト層のうち最内層を形成することを特徴とする請求項2に記載の電子部品の製造方法。
  4. 前記複数層形成工程において最後に行う前記層形成工程では、既に形成された複数の導体ペースト層全体を覆うように、最外層の導体ペースト層を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子部品の製造方法。
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