JP2019106443A - 積層セラミックコンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

積層セラミックコンデンサおよびその製造方法 Download PDF

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政基 増田
Masaki Masuda
政基 増田
櫻谷 昌弘
Masahiro Sakuratani
昌弘 櫻谷
哲平 穐吉
Teppei Akiyoshi
哲平 穐吉
博昭 川野
Hiroaki Kawano
博昭 川野
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Abstract

【課題】Mgを添加せずともコアシェル構造を得ることができ、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを提供する。【解決手段】積層セラミックコンデンサ10は、複数の誘電体層14及び複数の内部電極16が積層されて形成された積層体12と、内部電極16と電気的に接続され、積層体12の両端面12e,12fに形成された一対の外部電極30a,30bとを備える。積層体12は、複数の内部電極16が対向する内層部18と、第1及び第2の主面12a,12b側に位置する主面側外層部20a,20bと、第1及び第2の側面12c,12d側に位置する側面側外層部22a,22bと、第1及び第2の端面12e,12f側に位置する端面側外層部24a,24bとを有する。主面側外層部20a,20b及び側面側外層部22a,22bには、内部電極16に含まれる金属と同種の金属が拡散用金属部25a,25bとして所定の形状で配置される。【選択図】図2

Description

この発明は、積層セラミックコンデンサおよびその製造方法に関する。
たとえば、BaTiO3を主成分とする積層セラミックコンデンサにおいては、たとえば、特許文献1に記載されるように、誘電体材料に対し、添加物としてMgを添加する場合がある。これは、Mgが常誘電体相部分を形成できるようになり、粒界にMgが存在することで粒成長を抑制するインヒビタとしての役割を担うことで、誘電体材料の結晶粒内に強誘電体相部分(コア)とこれを囲む常誘電体相部分(シェル)とを共存させて、コアシェル構造を形成しやすくすることができ、その結果、誘電率が高くかつ良好な温度特性を得ることができる。
特開平10−308321号公報
しかしながら、Mgの添加量は少ない方がグレイン当りのε(誘電率)が大きくなるため、ε向上のためにMgの添加量を低減させる場合がある。ただし、Mgの添加量が少なすぎる場合には、粒界部のMgの存在量が減少し、粒成長を抑制することができずに、誘電体材料が異常粒成長する場合がある。このように誘電体が異常粒成長し、うまくコアシェル構造を得られなかった場合、たとえば、次に示すような課題が懸念される。
すなわち、
(1)異常粒成長する部分とあまり異常粒成長しない部分とにおいて、積層セラミックコンデンサの表面に斑模様が生じる場合があり、外観上の問題発生する課題、
(2)内部電極が存在しない誘電体層部と内部電極が存在する誘電体層部との間で焼結挙動の差異が生じ、境界面においてクラック(剥がれ)が発生する課題、および
(3)外部電極にAgを使用している場合、異常粒成長部分の高温での抵抗が低くなり、Agマイグレーションが発生しやすくなる課題、
である。
それゆえに、この発明の主たる目的は、Mgを添加せずともコアシェル構造を得ることができ、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを提供することである。
この発明に係る積層セラミックコンデンサは、互いに対向する第1および第2の主面と、互いに対向する第1および第2の側面と、互いに対向する第1および第2の端面とを含み、交互に配置される複数の誘電体層および一端が第1または第2の端面に引き出される引出電極部を有する複数の内部電極を有する積層体と、第1の端面および第2の端面上に形成され、複数の内部電極の引出電極部に電気的に接続される第1の外部電極および第2の外部電極と、を備え、積層体が、複数の内部電極が対向する内層部と、第1の主面側に位置し、第1の主面と第1の主面側の内層部の最表面とその最表面の一直線上との間に位置する複数の誘電体層から形成される第1の主面側外層部と、第2の主面側に位置し、第2の主面と第2の主面側の内層部の最表面とその最表面の一直線上との間に位置する複数の誘電体層から形成される第2の主面側外層部と、第1の側面側に位置し、第1の側面と第1の側面側の内層部の最表面との間に位置する複数の誘電体層から形成される第1の側面側外層部と、第2の側面側に位置し、第2の側面と第2の側面側の内層部の最表面との間に位置する複数の誘電体層から形成される第2の側面側外層部と、第1の端面側または第2の端面側に位置し、第1の端面または第2の端面と第1の端面または第2の端面側の内層部の最表面との間に位置する複数の誘電体層から形成される第1の端面側外層部または第2の端面側外層部と、を有する積層セラミック電子部品であって、第1の主面側外層部および第2の主面側外層部、ならびに、第1の側面側外層部および第2の側面側外層部には、内部電極に含まれる金属と同種の金属が所定の形状で配置される、積層セラミックコンデンサである。
また、この発明に係る積層セラミックコンデンサは、第1の端面側外層部および第2の端面側外層部において、内部電極に含まれる金属と同種の金属が所定の形状で配置されることが好ましい。
さらに、この発明に係る積層セラミックコンデンサは、第1の主面側外層部および第2の主面側外層部を構成する複数の誘電体層が、それぞれの誘電体層において、第1の端面および第2の端面を結ぶ長さ方向と、第1の側面および第2の側面を結ぶ幅方向とに沿う面における面積に対して、誘電体層上に配置される所定の形状を有する内部電極に含まれる金属と同種の金属の合計の面積が、10%以上30%以下の範囲であることが好ましい。
また、この発明に係る積層セラミックコンデンサは、第1の側面側外層部および第2の側面側外層部を構成する複数の誘電体層が、それぞれの誘電体層において、第1の端面および第2の端面を結ぶ長さ方向と、第1の側面および第2の側面を結ぶ幅方向とに沿う面における面積に対して、誘電体層上に配置される所定の形状を有する内部電極に含まれる金属と同種の金属の合計の面積が、10%以上30%以下の範囲であることが好ましい。
さらに、この発明に係る積層セラミックコンデンサは、誘電体層が、Ba、Ti、Zrを含み、Tiのモル%が、(Tiのモル数)/(Tiのモル数+Zrのモル数)としたとき、90%以上100%以下であり、Zrのモル%が、(Zrのモル数)/(Tiのモル数+Zrのモル数)としたとき、0%以上10%以下であり、(Baのモル数)/(Tiのモル数+Zrのモル数)が、1.00以上1.02以下であることが好ましい。
また、この発明に係る積層セラミックコンデンサは、誘電体層上に配置される所定の形状を有する内部電極に含まれる金属と同種の金属の所定の形状が、金属単体ではなく、円状(点状)、楕円状、多角形状、線状から選ばれる特定の形を有する形状であることが好ましい。
さらに、この発明に係る積層セラミックコンデンサは、内層部に位置する誘電体層の平均粒径と、第1の主面側外層部および第2の主面側外層部に位置する誘電体層の平均粒径とを比較したとき、第1の主面側外層部および第2の主面側外層部には、内層部における誘電体層の平均粒径の2倍以上の粒径を有する誘電体が存在せず、内層部に位置する誘電体層の平均粒径と、第1の側面側外層部および第2の側面側外層部に位置する誘電体層の平均粒径とを比較したとき、第1の側面側外層部および第2の側面側外層部には、内層部における誘電体層の平均粒径の2倍以上の粒径を有する誘電体が存在しないことが好ましい。
また、この発明に係る積層セラミックコンデンサは、内層部に位置する誘電体層の平均粒径と、第1の端面側外層部および第2の端面側外層部に位置する誘電体層の平均粒径とを比較したとき、第1の端面側外層部および第2の端面側外層部には、内層部における誘電体層の平均粒径の2倍以上の粒径を有する誘電体が存在しないことが好ましい。
この発明に係る積層セラミックコンデンサの製造方法は、互いに対向する第1および第2の主面と、互いに対向する第1および第2の側面と、互いに対向する第1および第2の端面とを含み、交互に配置される複数の誘電体層および一端が第1または第2の端面に引き出される引出電極部を有する複数の内部電極を有する積層体と、第1の端面および第2の端面上に形成され、複数の内部電極の引出電極部に電気的に接続される第1の外部電極および第2の外部電極と、を備え、積層体は、複数の内部電極が対向する内層部と、第1の主面側に位置し、第1の主面と第1の主面側の内層部の最表面とその最表面の一直線上との間に位置する複数の誘電体層から形成される第1の主面側外層部と、第2の主面側に位置し、第2の主面と第2の主面側の内層部の最表面とその最表面の一直線上との間に位置する複数の誘電体層から形成される第2の主面側外層部と、第1の側面側に位置し、第1の側面と第1の側面側の内層部の最表面との間に位置する複数の誘電体層から形成される第1の側面側外層部と、第2の側面側に位置し、第2の側面と第2の側面側の内層部の最表面との間に位置する複数の誘電体層から形成される第2の側面側外層部と、第1の端面側または第2の端面側に位置し、第1の端面または第2の端面と第1の端面側または第2の端面側の内層部の最表面との間に位置する複数の誘電体層から形成される第1および第2の端面側外層部と、を有する積層セラミックコンデンサの製造方法であって、有機バインダを含む複数の誘電体グリーンシートを準備する工程と、誘電体グリーンシートを複数枚積層することで、第1の主面側外層部となる部分を形成する工程と、誘電体グリーンシート上に内部電極用導電性ペーストを印刷し、内部電極用導電ペーストが印刷された誘電体グリーンシートを複数枚積層することで、第1の側面側外層部および第2の側面側外層部、第1の端面側外層部および第2の端面側外層部、ならびに、内層部となる部分を準備する工程と、を有し、誘電体グリーンシートを複数枚積層することで、第2の主面側外層部となる部分を形成する工程と、を有し、第1の主面側外層部および第2の主面側外層部となる部分を準備する工程では、複数枚の誘電体グリーンシートのそれぞれにおいて、内部電極用導電性ペーストに含まれる金属と同種の金属を含む導電性ペーストを所定の形状に印刷する工程と、をさらに有し、第1の側面側外層部および第2の側面側外層部と内層部となる部分とを準備する工程では、第1の側面側外層部および第2の側面側外層部となる部分を形成する複数枚の誘電体グリーンシートのそれぞれにおいて、内部電極用導電性ペーストに含まれる金属と同種の金属を含む導電性ペーストを所定の形状に印刷する工程と、をさらに有し、第1の主面側外層部となる部分と、内層部となる部分と、第2の主面側内層部となる部分と、を積層し、未焼成の積層体を作製する工程と、未焼成の積層体をカットし、個片化された焼成前の積層体を作製する工程と、個片化された未焼成の積層体を焼成し、積層体を作製する工程と、を備える、積層セラミックコンデンサの製造方法である。
また、この発明に係る積層セラミックコンデンサの製造方法は、第1の端面側外層部または第2の端面側外層部となる部分における複数枚の誘電体グリーンシートのそれぞれにおいて、内部電極用導電性ペーストに含まれる金属と同種の金属を含む導電性ペーストを所定の形状に印刷する工程をさらに含むことが好ましい。
さらに、この発明に係る積層セラミックコンデンサの製造方法は、第1の主面側外層部および第2の主面側外層部となる部分を準備する工程における、複数枚の誘電体グリーンシートのそれぞれにおいて、内部電極用導電性ペーストに含まれる金属と同種の金属を含む導電性ペーストを所定の形状に印刷する工程では、所定の間隔を隔てて、誘電体グリーンシートの全面に印刷を行うことが好ましい。
また、この発明に係る積層セラミックコンデンサの製造方法は、第1の側面側外層部および第2の側面側外層部となる部分を準備する工程における、複数枚の誘電体グリーンシートのそれぞれにおいて、内部電極用導電性ペーストに含まれる金属と同種の金属を含む導電性ペーストを所定の形状に印刷する工程では、第1の側面側外層部および第2の側面側外層部となる部分に位置する誘電体グリーンシートのそれぞれにおいて、第1の端面および第2の端面を結ぶ方向に沿って、1列以上となるように所定の間隔で内部電極用導電性ペーストに含まれる金属と同種の金属を含む導電性ペーストを所定の形状に印刷することが好ましい。
さらに、この発明に係る積層セラミックコンデンサの製造方法は、誘電体グリーンシート上に内部電極用導電性ペーストを印刷する工程と、第1の主面側外層部および第2の主面側外層部となる部分を準備する工程における、複数枚の誘電体グリーンシートのそれぞれにおいて、内部電極用導電性ペーストに含まれる金属と同種の金属を含む導電性ペーストを所定の形状に印刷する工程と、第1の側面側外層部および第2の側面側外層部となる部分を準備する工程における、複数枚の誘電体グリーンシートのそれぞれにおいて、内部電極用導電性ペーストに含まれる金属と同種の金属を含む導電性ペーストを所定の形状に印刷する工程と、第1の端面側外層部または第2の端面側外層部となる部分における複数枚の誘電体グリーンシートのそれぞれにおいて、内部電極用導電性ペーストに含まれる金属と同種の金属を含む導電性ペーストを所定の形状に印刷する工程は、IP印刷法によって印刷することが好ましい。
この発明に係る積層セラミックコンデンサは、第1の主面側外層部および第2の主面側外層部、ならびに、第1の側面側外層部および第2の側面側外層部において、内部電極に含まれる金属と同種の金属が所定の形状で配置されているので、所定の形状で配置した金属が誘電体層の粒界に拡散し、Mgの代わりに粒成長を抑制するインヒビタとして働くことでコアシェル構造を形成することができるようになる。その結果、誘電体層の異常粒成長を抑制することができ、積層セラミックコンデンサの表面に斑模様が生じる外観上の問題を抑制することができるだけでなく、第1の主面側外層部および第2の主面側外層部と内層部との間で焼結挙動の差異が生じ、境界面においてクラック(剥がれ)が発生することを抑制することができる。外部電極にAgを使用している場合、異常粒成長部分の高温での抵抗が低くなり、Agマイグレーションが発生しやすくなる課題、を抑制することができる。
したがって、本発明にかかる積層セラミックコンデンサでは、Mgを添加せずともコアシェル構造を得ることができ、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを提供することができる。
また、この発明に係る積層セラミックコンデンサでは、第1の端面側外層部および第2の端面側外層部には、内部電極に含まれる金属と同種の金属が所定の形状で配置されると、所定の形状で配置した金属が誘電体層の粒界に拡散し、Mgの代わりに粒成長を抑制するインヒビタとして働くことでコアシェル構造を形成することができるようになる。その結果、誘電体層の異常粒成長を抑制することができ、積層セラミックコンデンサの表面に斑模様が生じる外観上の問題を抑制することができるだけでなく、第1の主面側外層部および第2の主面側外層部と内層部との間で焼結挙動の差異が生じ、境界面においてクラック(剥がれ)が発生することをより抑制することができる。
さらに、この発明に係る積層セラミックコンデンサは、第1の主面側外層部および第2の主面側外層部を構成する複数の誘電体層が、それぞれの誘電体層において、第1の端面および第2の端面を結ぶ長さ方向と、第1の側面および第2の側面を結ぶ幅方向とに沿う面における面積に対して、誘電体層上に配置される所定の形状を有する内部電極に含まれる金属と同種の金属の合計の面積が、10%以上30%以下の範囲であると、上述した本発明の効果をより効果的に得ることができる。また、誘電体層の第1の端面および第2の端面を結ぶ長さ方向と、第1の側面および第2の側面を結ぶ幅方向とに沿う面全体または広範囲に設ける場合と比べ、異なる層に設けられる誘電体層同士が直接接触する面を確保することにより、誘電体層同士の密着性が良い部分を確保することができ、誘電体層同士の密着力を確保することができる。その結果、誘電体層間で剥がれなどの不良が生じにくい構造を得ることができる。
また、この発明に係る積層セラミックコンデンサでは、第1の側面側外層部および第2の側面側外層部を構成する複数の誘電体層が、それぞれの誘電体層において、第1の端面および第2の端面を結ぶ長さ方向と、第1の側面および第2の側面を結ぶ幅方向とに沿う面における面積に対して、誘電体層上に配置される所定の形状を有する内部電極に含まれる金属と同種の金属の合計の面積が、10%以上30%以下の範囲であると、上述した本発明の効果をより効果的に得ることができる。また、誘電体層の第1の端面および第2の端面を結ぶ長さ方向と、第1の側面および第2の側面を結ぶ幅方向とに沿う面全体または広範囲に設ける場合と比べ、異なる層に設けられる誘電体層同士が直接接触する面を確保することにより、誘電体層同士の密着性が良い部分を確保することができ、誘電体層同士の密着力を確保することができる。その結果、誘電体層間で剥がれなどの不良が生じにくい構造を得ることができる。
さらに、この発明に係る積層セラミックコンデンサでは、誘電体層が、Ba、Ti、Zrを含み、Tiのモル%が、(Tiのモル数)/(Tiのモル数+Zrのモル数)としたとき、90%以上100%以下であり、Zrのモル%が、(Zrのモル数)/(Tiのモル数+Zrのモル数)としたとき、0%以上10%以下であり、(Baのモル数)/(Tiのモル数+Zrのモル数)が1.00以上1.02以下であると、上述した本発明の効果を得るのに適した誘電体層とすることができる。
また、この発明に係る積層セラミックコンデンサでは、誘電体層上に配置される所定の形状を有する内部電極に含まれる金属と同種の金属の所定の形状が、金属単体ではなく、円状(点状)、楕円状、多角形状、線状から選ばれる特定の形を有する形状であると、誘電体層全面または広範囲に金属をべた塗りで配置することに比べ、所定の間隔を設けて配置することにより、後述する積層セラミックコンデンサの製造工程において、誘電体グリーンシート同士を直接密着させることができる。誘電体グリーンシート同士の密着力の方が、誘電体グリーンシートと金属との密着力よりも高いため、安定した加工性および密着力を得ることができる。その結果、積層セラミックコンデンサの完成品としても、誘電体層同士の密着力を確保することでき、誘電体層の間で剥がれなどの不良が生じにくい構造を得ることができる。
この発明によれば、Mgを添加せずともコアシェル構造を得ることができ、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを提供し得る。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
この発明の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサの一例を示す外観斜視図である。 この発明の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサを示す図1のII−II線における断面図である。 この発明の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサを示す図2のIII−III線における断面図である。 この発明の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサを示す図2のIV−IV線における断面図である。 この発明の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサを示す図2のV−V線における断面図である。 この発明の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサを示す図2のVI−VI線における断面図である。 誘電体層に配置される各拡散用金属部の間隔を示す模式図である。 この発明の実施の形態の変形例に係る積層セラミックコンデンサの一例を示す外観斜視図である。 この発明の実施の形態の変形例に係る積層セラミックコンデンサを示す図8のIX−IX線における断面図である。 この発明の実施の形態の変形例に係る積層セラミックコンデンサを示す図9のX−X線における断面図である。 この発明の実施の形態の変形例に係る積層セラミックコンデンサを示す図9のXI−XI線における断面図である。 この発明の実施の形態の変形例に係る積層セラミックコンデンサを示す図9のXII−XII線における断面図である。
1.積層セラミックコンデンサ
この発明の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサについて説明する。図1は、この発明の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサを示す外観斜視図である。図2は、この発明の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサを示す図1のII−II線における断面図であり、図3は、この発明の第1の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサを示す図1のIII−III線における断面図である。図4は、この発明の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサを示す図2のIV−IV線における断面図である。図5は、この発明の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサを示す図2のV−V線における断面図であり、図6は、この発明の実施の形態に係る積層セラミックコンデンサを示す図2のVI−VI線における断面図である。
図1ないし図3に示すように、積層セラミックコンデンサ10は、直方体状の積層体12を含む。
積層体12は、積層された複数の誘電体層14と複数の内部電極16とを有する。さらに、積層体12は、高さ方向xに相対する第1の主面12aおよび第2の主面12bと、高さ方向xに直交する幅方向yに相対する第1の側面12cおよび第2の側面12dと、高さ方向xおよび幅方向yに直交する長さ方向zに相対する第1の端面12eおよび第2の端面12fとを有する。この積層体12には、角部および稜線部に丸みがつけられている。なお、角部とは、積層体の隣接する3面が交わる部分のことであり、稜線部とは、積層体の隣接する2面が交わる部分のことである。また、第1の主面12aおよび第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12d、ならびに第1の端面12eおよび第2の端面12fの一部または全部に凹凸などが形成されていてもよい。
積層体12は、単数もしくは複数枚の誘電体層14bとそれらの上に配置される複数枚の内部電極16から構成される内層部18を有する。内層部18では、複数枚の内部電極16が対向している。
積層体12は、第1の主面12a側に位置し、第1の主面12aと第1の主面12a側の内層部18の最表面とその最表面の一直線上との間に位置する複数の誘電体層14aから形成される第1の主面側外層部20aを有する。
同様に、積層体12は、第2の主面12b側に位置し、第2の主面12bと第2の主面12b側の内層部18の最表面とその最表面の一直線上との間に位置する複数の誘電体層14aから形成される第2の主面側外層部20bを有する。
積層体12は、第1の側面12c側に位置し、第1の側面12cと第1の側面12c側の内層部18の最表面との間に位置する複数の誘電体層14bから形成される第1の側面側外層部22aを有する。
同様に、積層体12は、第2の側面12d側に位置し、第2の側面12dと第2の側面12d側の内層部18の最表面との間に位置する複数の誘電体層14bから形成される第2の側面側外層部22bを有する。
積層体12は、第1の端面側12e側に位置し、第1の端面12eと第1の端面12e側の内層部18の最表面との間に位置する複数の誘電体層14bから形成される第1の端面側外層部24aを有する。
同様に、積層体12は、第2の端面12f側に位置し、第2の端面12fと第2の端面12f側の内層部18の最表面との間に位置する複数の誘電体層14bから形成される第2の端面側外層部24bを有する。
第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20bには、所定の形状の拡散用金属部25aが配置され、第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22bには、所定の形状の拡散用金属部25bが配置される。なお、所定の形状の拡散用金属部25aは、第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20bにおいて、複数、配置される。そして、所定の形状の拡散用金属部25bは、第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22bにおいて、複数、配置される。
拡散用金属部25aおよび拡散用金属部25bは、内部電極16に含まれる金属と同種の金属である。拡散用金属部25aを、第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20bに配置し、拡散用金属部25bを、第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22bに配置することで、Mgを添加することなく本発明の効果が得られるが、微量のMgを添加してもよく、Mgのモル%が、(Mgのモル数)/(Tiのモル数)としたとき、0.00%以上0.30%以下で添加してもよい。
第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20bに配置される拡散用金属部25a、および、第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22bに配置される拡散用金属部25bの所定の形状は、特に限定されないが、金属単体で配置されるものではなく、円状(点状)、楕円状、多角形形状、線状などから選ばれる特定の形を有する形状として配置されることが好ましい。特に、拡散用金属部25aおよび拡散用金属部25bの形状は、円状(点状)であることが好ましい。
また、このような形状の拡散用金属部25aおよび拡散用金属部25bは、所定の間隔をあけて配置されることが好ましく、この間隔は、50μm以上100μm以下の間隔で配置されることが好ましい。これにより、本発明の効果を安定して得ることができる。なお、各拡散用金属部25a(25b)の間隔は、図7に示すように、各拡散用金属部25a(25b)同士の最短距離を指す。
拡散用金属部25aおよび拡散用金属部25bの厚みや直径などは、積層セラミックコンデンサ10のサイズによって異なる。たとえば、第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20bの幅方向yの大きさや厚み、第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22bの幅方向yの大きさや厚み、ならびに、第1の端面側外層部24aおよび第2の端面側外層部24bの幅方向yの大きさや厚みによって調整される。
第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20bを構成する複数の誘電体層14aのそれぞれの誘電体層14aにおいて、第1の端面12eおよび第2の端面12fを結ぶ長さ方向zと、第1の側面12cおよび第2の側面12dを結ぶ幅方向yとに沿う面における面積に対して、誘電体層14a上に配置される所定の形状の拡散用金属部25aの合計面積が、10%以上30%以下の範囲で設けられることが好ましい。
第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22bを構成する複数の誘電体層14bのそれぞれの誘電体層14bにおいて、第1の端面12eおよび第2の端面12fを結ぶ長さ方向zと、第1の側面12cおよび第2の側面12dを結ぶ幅方向yとに沿う面における面積に対して、誘電体層14b上に配置される所定の形状の拡散用金属部25bの合計面積が、10%以上30%以下の範囲で設けられることが好ましい。
なお、内層部18に位置する誘電体層14bの平均粒径は、0.05μm以上1.0μm以下であることが好ましく、第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20b、ならびに第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22bに位置する誘電体層14aの平均粒径は、0.05μm以上1.0μm以下であることが好ましい。
なお、誘電体層の平均粒径の測定方法は、以下のようにして行われる。
すなわち、第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20bにおいては、積層セラミックコンデンサ10の幅方向yと高さ方向xとに沿う面(以下、WT面という)に沿って、積層セラミックコンデンサ10の長さ方向zの1/2の位置となる部分まで断面研磨を行い、その位置でのWT面の断面において、FE−SEMを用いて分析を行うことができる。具体的には、1視野に300個以上1000個以下の粒子数となるように倍率を設定し、画像解析ソフト(たとえば、WinRoof)で粒度解析を行う。観察位置について、内層部18は、幅方向y、高さ方向xそれぞれの中央近傍の誘電体層14の部分、第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20bは、幅方向y中央の高さ方向x端部とする。
また、第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22bにおいては、積層セラミックコンデンサ10のWT面に沿って、積層セラミックコンデンサ10の長さ方向zの1/2の位置となる部分まで断面研磨を行い、その位置でのWT面の断面において、FE−SEMを用いて分析を行うことができる。具体的には、1視野に300個以上1000個以下の粒子数となるように倍率を設定し、画像解析ソフト(たとえば、WinRoof)で粒度解析を行う。観察位置について、内層部18は、幅方向y、高さ方向xそれぞれの中央近傍の誘電体層14の部分、第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22bは、高さ方向x中央の幅方向y端部とする。
内層部18の第1の主面12a側の表面から第1の主面12aの方向に向かって50μm以下の領域、および、内層部18の第2の主面12b側の表面から第2の主面12bの方向に向かって50μm以下の領域には、第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20bにマージン部(拡散用金属部25aが配置されない部分)として設けてもよい。これは、内層部18には、内部電極16の金属と同種の金属が存在し、その周囲では、誘電体層14の異常粒成長を抑制することができるためである。
内層部18の第1の側面12c側の表面から第1の側面12cの方向に向かって50μm以下の領域、および、内層部18の第2の側面12d側の表面から第2の側面12dの方向に向かって50μm以下の領域には、第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22bにマージン部(拡散用金属部25bが配置されない部分)として設けてもよい。これは、内層部18には、内部電極16の金属と同種の金属が存在し、その周囲では、誘電体層14の異常粒成長を抑制することができるためである。
なお、積層体12の寸法は、特に限定されないが、長さ方向zの寸法は、1.50mm以上5.6mm以下、幅方向yの寸法は、0.70mm以上4.9mm以下、高さ方向xの寸法は、0.40mm以上2.60mm以下であることが好ましい。
誘電体層14は、たとえば、誘電体材料により形成することができる。このような誘電体材料としては、たとえば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、またはCaZrO3などの主成分を含む誘電体セラミックを用いることができる。上記の誘電体材料を主成分として含む場合、所望する積層体12の特性に応じて、たとえば、Mn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの主成分よりも含有量の少ない副成分を添加したものを用いてもよい。
なお、誘電体層14は、Ba、Ti、Zrを含むのが好ましい。そして、Tiのモル%が、(Tiのモル数)/(Tiのモル数+Zrのモル数)としたとき、90%以上100%以下であり、Zrのモル%が、(Zrのモル数)/(Tiのモル数+Zrのモル数)としたとき、0%以上10%以下であり、(Baのモル数)/(Tiのモル数+Zrのモル数)が、1.00以上1.02以下であることが好ましい。
焼成後の誘電体層14の厚みは、0.5μm以上10μm以下であることが好ましい。
積層体12は、複数の内部電極16として、たとえば略矩形状の複数の第1の内部電極16aおよび複数の第2の内部電極16bを有する。複数の第1の内部電極16aおよび複数の第2の内部電極16bは、積層体12の高さ方向xに沿って誘電体層14を挟んで等間隔に交互に配置されるように埋設されている。
第1の内部電極16aは、第2の内部電極16bと対向する第1の対向電極部26aと、第1の内部電極16aの一端側に位置し、第1の対向電極部26aから積層体12の第1の端面12eまでの第1の引出電極部28aを有する。第1の引出電極部28aは、その端部が第1の端面12eに引き出され、露出している。
第2の内部電極16bは、第1の内部電極16aと対向する第2の対向電極部26bと、第2の内部電極16bの一端側に位置し、第2の対向電極部26bから積層体12の第2の端面12fまでの第2の引出電極部28bを有する。第2の引出電極部28bは、その端部が第2の端面12fに引き出され、露出している。
なお、第1の内部電極16aおよび第2の内部電極16bの第1の対向電極部26aおよび第2の対向電極部26bの形状は、特に限定されないが、矩形状であることが好ましい。もっとも、第1の対向電極部26aおよび第2の対向電極部26bのコーナー部は、丸められていても、例えば、テーパー状に斜めに形成されていてもよい。
また、第1の内部電極16aおよび第2の内部電極16bの第1の引出電極部28aおよび第2の引出電極部28bの形状は、特に限定されないが、矩形状であることが好ましい。もっとも、第1の引出電極部28aおよび第2の引出電極部28bのコーナー部は、丸められていても、例えば、テーパー状に斜めに形成されていてもよい。
また、第1の対向電極部26aおよび第2の対向電極部26bの幅と、第1の引出電極部28aおよび第2の引出電極部28bの幅とは、同じ幅で形成されていてもよく、どちらか一方が、幅が狭く形成されていてもよい。
内部電極16は、たとえば、Ni、Cu、Ag、Pd、Auなどの金属や、Ag−Pd合金等の、それらの金属の少なくとも一種を含む合金などの適宜の導電材料により構成することができる。中でも、Niであることが好ましい。これにより、本発明の効果をより顕著に得ることができる。
内部電極16の厚みは、0.2μm以上2.0μm以下であることが好ましい。
積層体12の第1の端面12e側および第2の端面12f側には、外部電極30が配置される。外部電極30は、第1の外部電極30aおよび第2の外部電極30bを有する。
第1の外部電極30aは、積層体12の第1の端面12eの表面に配置され、第1の端面12eから延伸して第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。この場合、第1の外部電極30aは、第1の内部電極16aの第1の引出電極部28aと電気的に接続される。
第2の外部電極30bは、積層体12の第2の端面12fの表面に配置され、第2の端面12fから延伸して第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。この場合、第2の外部電極30bは、第2の内部電極16bの第2の引出電極部28bと電気的に接続される。
積層体12内においては、第1の内部電極16aの第1の対向電極部26aと第2の内部電極16bの第2の対向電極部26bとが誘電体層14を介して対向することにより、静電容量が形成されている。そのため、第1の内部電極16aが接続された第1の外部電極30aと第2の内部電極16bが接続された第2の外部電極30bとの間に、静電容量を得ることができ、コンデンサの特性が発現する。
第1の外部電極30aは、図2に示すように、積層体12側から順に、第1の下地電極層32aと第1の下地電極層32aの表面に配置された第1のめっき層34aとを有する。同様に、第2の外部電極30bは、積層体12側から順に、第2の下地電極層32bと第2の下地電極層32bの表面に配置された第2のめっき層34bとを有する。
第1の下地電極層32aは、積層体12の第1の端面12eの表面に配置され、第1の端面12eから延伸して第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。もっとも、第1の下地電極層32aは、積層体12の第1の端面12eの表面上にのみ配置されていてもよい。
また、第2の下地電極層32bは、積層体12の第2の端面12fの表面に配置され、第2の端面12fから延伸して第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。もっとも、第2の下地電極層32bは、積層体12の第2の端面12fの表面上にのみ配置されていてもよい。
第1の下地電極層32aおよび第2の下地電極層32b(以下、単に下地電極層ともいう)は、それぞれ、焼付け層や薄膜層などから選ばれる少なくとも1つを含むが、ここでは焼付け層で形成された第1の下地電極層32aおよび第2の下地電極層32bについて説明する。
焼付け層は、ガラスと金属とを含む。焼付け層の金属としては、たとえば、Cu、Ni、Ag、PdまたはAg−Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1つを含む。また、焼付け層のガラスとしては、Si、Pd、Li、NaおよびK等から選ばれる少なくとも1つを含む。焼付け層は、複数層であってもよい。焼付け層は、ガラスおよび金属を含む導電性ペーストを積層体12に塗布して焼き付けたものであり、誘電体層14および内部電極16と同時に焼成したものでもよく、誘電体層14および内部電極16を焼成した後に焼き付けたものでもよい。焼付け層のうちの最も厚い部分の厚みは、10μm以上50μm以下であることが好ましい。
焼付け層の表面に、導電性粒子と熱硬化性樹脂とを含む樹脂層が形成されてもよい。なお、樹脂層は、焼付け層を形成せずに積層体12上に直接形成してもよい。また、樹脂層は、複数層であってもよい。樹脂層のうちの最も厚い部分の厚みは、20μm以上150μm以下であることが好ましい。
また、薄膜層は、スパッタ法または蒸着法等の薄膜形成法により形成され、金属粒子が堆積された1μm以下の層である。
第1のめっき層34aは、第1の下地電極層32aを覆うように配置される。具体的には、第1のめっき層34aは、第1の下地電極層32aの表面の第1の端面12eに配置され、第1の下地電極層32aの表面の第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dにも至るように設けられていることが好ましい。なお、第1の下地電極層32aが、積層体12の第1の端面12eの表面上にのみ配置される場合には、第1のめっき層34aは、第1の下地電極層32aの表面のみを覆うように設けられていればよい。
同様に、第2のめっき層34bは、第2の下地電極層32bを覆うように配置される。具体的には、第2のめっき層34bは、第2の下地電極層32bの表面の第2の端面12fに配置され、第2の下地電極層32bの表面の第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dにも至るように設けられていることが好ましい。なお、第2の下地電極層32bが、積層体12の第2の端面12fの表面上にのみ配置される場合には、第2のめっき層34bは、第2の下地電極層32bの表面のみを覆うように設けられていればよい。
また、第1のめっき層34aおよび第2のめっき層34b(以下、単にめっき層ともいう)としては、たとえば、Cu、Ni、Sn、Ag、Pd、Ag−Pd合金、Au等から選ばれる少なくとも1種の金属または当該金属を含む合金が用いられる。
めっき層は、複数層によって形成されてもよい。この場合、めっき層は、Niめっき層とSnめっき層の2層構造であることが好ましい。Niめっき層が、下地電極層の表面を覆うように設けられることで、下地電極層が積層セラミックコンデンサ10を実装する際のはんだによって侵食されることを防止するために用いられる。また、Niめっき層の表面に、Snめっき層を設けることにより、積層セラミックコンデンサを実装する際に、実装に用いられるはんだの濡れ性を向上させ、容易に実装することができる。
めっき層一層あたりの厚みは、1μm以上10μm以下であることが好ましい。
次に、第1の下地電極層32aおよび第2の下地電極層32bがめっき電極からなる場合について説明する。第1の下地電極層32aは、第1の内部電極16aと直接接続されるめっき層から構成され、積層体12の第1の端面12eの表面に直接に配置され、第1の端面12eから延伸して第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。
また、第2の下地電極層32bは、第2の内部電極16bと直接接続されるめっき層から構成され、積層体12の第2の端面12fの表面に直接に配置され、第2の端面12fから延伸して第1の主面12a、第2の主面12b、第1の側面12cおよび第2の側面12dのそれぞれの一部分を覆うように形成される。
ただし、第1の下地電極層32aおよび第2の下地電極層32bがめっき層から構成されるためには、前処理として積層体12上に触媒が設けられる。
めっき層からなる第1の下地電極層32aは、第1のめっき層34aにて覆うことが好ましい。同様に、めっき層からなる第2の下地電極層32bは、第2のめっき層34bにて覆うことが好ましい。
第1の下地電極層32aおよび第2の下地電極層32b、ならびに、第1のめっき層34aおよび第2のめっき層34bは、たとえば、Cu、Ni、Sn、Pb、Au、Ag、Pd、Bi、Znから選ばれる1種の金属または当該金属を含む合金のめっきを含むことが好ましい。
たとえば、内部電極16としてNiを用いた場合、第1の下地電極層32aおよび第2の下地電極層32bとしては、Niと接合性のよいCuを用いることが好ましい。
また、第1のめっき層34aおよび第2のめっき層34bとしては、はんだ濡れ性のよいSnやAuを用いることが好ましく、第1の下地電極層32aおよび第2の下地電極層32bとしては、はんだバリア性能を有するNiを用いることが好ましい。
第1のめっき層34aおよび第2のめっき層34bは必要に応じて形成されるものであり、第1の外部電極30aは第1の下地電極層32aのみから構成され、第2の外部電極30bは第2の下地電極層32bのみから構成されたものであってもよい。また、第1のめっき層34aおよび第2のめっき層34bを、第1の外部電極30aおよび第2の外部電極30bの最外層として設けてもよく、第1のめっき層34aまたは第2のめっき層34b上に他のめっき層を設けてもよい。
めっき層一層あたりの厚みは、1μm以上15μm以下であることが好ましい。また、めっき層は、ガラスを含まないことが好ましい。さらに、めっき層は、単位体積あたりの金属割合が99体積%以上であることが好ましい。また、めっき層は、厚み方向に沿って粒成長したものであり、柱状である。
積層体12、第1の外部電極30aおよび第2の外部電極30bを含む積層セラミックコンデンサ10の長さ方向zの寸法をL寸法とし、積層体12、第1の外部電極30aおよび第2の外部電極30bを含む積層セラミックコンデンサ10の高さ方向xの寸法をT寸法とし、積層体12、第1の外部電極30aおよび第2の外部電極30bを含む積層セラミックコンデンサ10の幅方向yの寸法をW寸法とする。
積層セラミックコンデンサ10の寸法は、特に限定されないが、長さ方向zのL寸法が1.60mm以上5.7mm以下、幅方向yのW寸法が0.80mm以上5.0mm以下、高さ方向xのT寸法が0.5mm以上2.70mm以下である。なお、長さ方向zのL寸法は、幅方向yのW寸法よりも必ずしも長いとは限らない。また、積層セラミックコンデンサ10の寸法は、マイクロスコープにより測定することができる。
図1に示す積層セラミックコンデンサ10では、第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20bにおいて、拡散用金属部25aが配置されている。これにより、所定の形状で配置した金属が誘電体層の粒界に拡散し、Mgの代わりに粒成長を抑制するインヒビタとして働くことでコアシェル構造を形成することができるようになる。その結果、誘電体層14aの異常粒成長を抑制することができ、積層セラミックコンデンサ10の表面に斑模様が生じる外観上の問題を抑制することができるだけでなく、内部電極16が存在しない誘電体層部(本発明の第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20bに相当)と内部電極16が存在する誘電体層部(本発明の内層部18に相当)との間で焼結挙動の差異が生じ、境界面においてクラック(剥がれ)が発生することを抑制することができる。また、外部電極にAgを使用している場合、異常粒成長部分の高温での抵抗が低くなり、Agマイグレーションが発生しやすくなる課題、を抑制することができる。
なお、上記のように異常粒成長を抑制することで、積層体12の内層部18に位置する誘電体層14bの平均粒径と、第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20bに位置する誘電体層14aの平均粒径とを比較したとき、第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20bには、内層部18における誘電体層14bの平均粒径の2倍以上の粒径を有する誘電体が存在していない構造を得ることができる。その結果、上記の効果を得ることができる。
また、図1に示す積層セラミックコンデンサ10は、第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22bにおいても拡散用金属部25bが配置されているので、異常粒成長を抑制することで、積層体12の内層部18に位置する誘電体層14bの平均粒径と、第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22bに位置する誘電体層14bの平均粒径とを比較したとき、第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22bには、内層部18における誘電体層14bの平均粒径の2倍以上の粒径を有する誘電体が存在していない構造を得ることができる。これにより、部分的な異常粒成長を抑制することができ、積層セラミックコンデンサ10の表面に斑模様が生じる外観上の問題を抑制することができるだけでなく、内部電極が存在しない誘電体層部(本発明の第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22bに相当)と内部電極16が存在する誘電体層部(本発明の内層部18に相当)との間で焼結挙動の差異が生じ、境界面においてクラック(剥がれ)が発生することを抑制することができる。また、外部電極にAgを使用している場合、異常粒成長部分の高温での抵抗が低くなり、Agマイグレーションが発生しやすくなる課題、を抑制することができる。
以上のことから、図1に示す積層セラミックコンデンサ10では、Mgを添加せずともコアシェル構造を得ることができ、信頼性の高い積層セラミックコンデンサを提供することができる。
また、図1に示す積層セラミックコンデンサ10では、第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20bを構成する複数の誘電体層14aのそれぞれの誘電体層14aにおいて、第1の端面12eおよび第2の端面12fを結ぶ長さ方向zと、第1の側面12cおよび第2の側面12dを結ぶ幅方向yとに沿う面における面積に対して、誘電体層14a上に配置される所定の形状の拡散用金属部25aの合計面積が、10%以上30%以下の範囲で設けられると、本発明の効果をより効果的に得ることができる。また、誘電体層14aの第1の端面12eおよび第2の端面12fを結ぶ長さ方向zと、第1の側面12cおよび第2の側面12dを結ぶ幅方向yとに沿う面全体または広範囲に設ける場合と比べ、異なる層に設けられる誘電体層14a同士が直接接触する面を確保することにより、誘電体層14a同士の密着性が良い部分を確保することができ、誘電体層14a同士の密着力を確保することができる。その結果、誘電体層14a間で剥がれなどの不良が生じにくい構造を得ることができる。
さらに、図1に示す積層セラミックコンデンサ10では、第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22bを構成する複数の誘電体層14bのそれぞれの誘電体層14bにおいて、第1の端面12eおよび第2の端面12fを結ぶ長さ方向zと、第1の側面12cおよび第2の側面12dを結ぶ幅方向yとに沿う面における面積に対して、誘電体層14b上に配置される所定の形状の拡散用金属部25bの合計面積が、10%以上30%以下の範囲で設けられると、本発明の効果をより効果的に得ることができる。また、誘電体層14bの第1の端面12eおよび第2の端面12fを結ぶ長さ方向zと、第1の側面12cおよび第2の側面12dを結ぶ幅方向yとに沿う面全体または広範囲に設ける場合と比べ、異なる層に設けられる誘電体層14b同士が直接接触する面を確保することにより、誘電体層14b同士の密着性が良い部分を確保することができ、誘電体層14同士の密着力を確保することができる。その結果、誘電体層14b間で剥がれなどの不良が生じにくい構造を得ることができる。
さらに、図1に示す積層セラミックコンデンサ10では、誘電体層14が、Ba、Ti、Zrを含むのが好ましい。そして、Tiのモル%が、(Tiのモル数)/(Tiのモル数+Zrのモル数)としたとき、90%以上100%以下であり、Zrのモル%が、(Zrのモル数)/(Tiのモル数+Zrのモル数)としたとき、0%以上10%以下であり、(Baのモル数)/(Tiのモル数+Zrのモル数)が、1.00以上1.02以下であると、上述した本発明の効果を得るのに適した誘電体層14とすることができる。
また、図1に示す積層セラミックコンデンサ10では、拡散用金属部25aおよび拡散用金属部25bが円状(点状)であると、誘電体層14全面または広範囲に金属をべた塗りで配置することに比べ、円状(点状)にして、所定の間隔を設けて配置することにより、後述する積層セラミックコンデンサの製造工程において、誘電体グリーンシート同士を直接密着させることができる。誘電体グリーンシート同士の密着力の方が、誘電体グリーンシートと金属との密着力よりも高いため、安定した加工性および密着力を得ることができる。その結果、積層セラミックコンデンサ10の完成品としても、誘電体層14同士の密着力を確保することでき、誘電体層14の間で剥がれなどの不良が生じにくい構造を得ることができる。
次に、この発明の実施の形態の変形例に係る積層セラミックコンデンサについて説明する。図8は、この発明の実施の形態の変形例に係る積層セラミックコンデンサの一例を示す外観斜視図である。図9は、この発明の実施の形態の変形例に係る積層セラミックコンデンサを示す図8のIX−IX線における断面図である。図10は、この発明の実施の形態の変形例に係る積層セラミックコンデンサを示す図9のX−X線における断面図である。図11は、この発明の実施の形態の変形例に係る積層セラミックコンデンサを示す図9のXI−XI線における断面図である。図12は、この発明の実施の形態の変形例に係る積層セラミックコンデンサを示す図9のXII−XII線における断面図である。
なお、この変形例に係る積層セラミックコンデンサ10Aは、第1の端面側外層部および第2の端面側外層部にも、内部電極に含まれる金属と同種の金属が、拡散用金属部25cとして配置されていることを除いて、図1を用いて説明した積層セラミックコンデンサ10と同様の構成を有する。従って、図1に示した積層セラミックコンデンサ10と同一部分には、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、この変形例に係る積層セラミックコンデンサ10Aの主面側外層部を示す断面図は、実施の形態に係る積層セラミックコンデンサ10を示す図4と共通であるので、省略する。
図9、図11および図12に示すように、第1の端面側外層部24aおよび第2の端面側外層部24bにおいても、内部電極に含まれる金属と同種の金属として、拡散用金属部25cが所定の形状で配置される。拡散用金属部25cは、第1の端面側外層部24aおよび第2の端面側外層部24bにおいて、複数、配置される。
第1の端面側外層部24aおよび第2の端面側外層部24bに配置される拡散用金属部25cの所定の形状は、特に限定されないが、金属単体で配置されるものではなく、円状(点状)、楕円状、多角形形状、線状などから選ばれる特定の形を有する形状として配置されることが好ましい。特に、拡散用金属部25cの形状は、円状(点状)であることが好ましい。
また、このような形状の拡散用金属部25cは、所定の間隔をあけて配置されることが好ましく、この間隔は、50μm以上100μm以下の間隔で配置されることが好ましい。
拡散用金属部25cの厚みや直径などは、積層セラミックコンデンサ10Aのサイズによって異なる。たとえば、第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20bの幅方向yの大きさや厚み、第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22bの幅方向yの大きさや厚み、ならびに、第1の端面側外層部24aおよび第2の端面側外層部24bの幅方向yの大きさや厚みによって調整される。
なお、内層部18に位置する誘電体層14bの平均粒径は、0.05μm以上1.0μm以下であることが好ましく、第1の端面側外層部24aおよび第2の端面側外層部24bに位置する誘電体層14bの平均粒径は、0.05μm以上1.0μm以下であることが好ましい。
第1の端面側外層部24aおよび第2の端面側外層部24bを構成する複数の誘電体層14bは、それぞれの誘電体層14bにおいて、第1の端面12eおよび第2の端面12fを結ぶ長さ方向zと、第1の側面12cおよび第2の側面12dを結ぶ幅方向yとに沿う面における面積に対して、誘電体層上12に配置される所定の形状を有する拡散用金属部25cの合計の面積が、10%以上30%以下の範囲で設けられていることが好ましい。
図8に示す積層セラミックコンデンサ10Aによれば、図1に示す積層セラミックコンデンサ10と同様の効果を奏するとともに、次の効果も奏する。
すなわち、所定の形状で配置した金属が誘電体層14の粒界に拡散し、Mgの代わりに粒成長を抑制するインヒビタとして働くことでコアシェル構造を形成することができるようになる。その結果、誘電体層14の異常粒成長を抑制することができ、積層セラミックコンデンサ10Aの表面に斑模様が生じる外観上の問題を抑制することができるだけでなく、内部電極が存在しない誘電体層部(本発明の第1の端面側外層部24aおよび第2の端面側外層部24bに相当)と内部電極16が存在する誘電体層部(本発明の内層部18に相当)との間で焼結挙動の差異が生じ、境界面においてクラック(剥がれ)が発生することをより抑制することができる。
なお、上記のように異常粒成長を抑制することで、積層体12の内層部18に位置する誘電体層14bの平均粒径と、第1の端面側外層部24aおよび第2の端面側外層部24bに位置する誘電体層14bの平均粒径とを比較したとき、第1の端面側外層部24aおよび第2の端面側外層部24bには、内層部18における誘電体層14bの平均粒径の2倍以上の粒径を有する誘電体が存在していない構造を得ることができる。その結果、上記の効果を得ることができる。
第1の端面側外層部24aおよび第2の端面側外層部24bを構成する複数の誘電体層14bは、それぞれの誘電体層14bにおいて、第1の端面12eおよび第2の端面12fを結ぶ長さ方向zと、第1の側面12cおよび第2の側面12dを結ぶ幅方向yとに沿う面における面積に対して、誘電体層上12に配置される所定の形状を有する拡散用金属部25cの合計の面積が、10%以上30%以下の範囲で設けられているので、本発明の効果をより効果的に得ることができる。
また、誘電体層14bの第1の端面12eおよび第2の端面12fを結ぶ長さ方向zと、第1の側面12cおよび第2の側面12dを結ぶ幅方向yとに沿う面の広範囲に設ける場合と比べ、異なる層に設けられる誘電体層14b同士が直接接触する面を確保することにより、誘電体層14b同士の密着性が良い部分を確保することができ、誘電体層14b同士の密着力を確保することができる。その結果、誘電体層14b間で剥がれなどの不良が生じにくい構造を得ることができる。また、全面や広範囲に金属を設けすぎることで、ショート不良を引き起こす可能性が高くなる。
なお、第1の端面側外層部24aおよび第2の端面側外層部24bにおける誘電体層14bの平均粒径等の測定方法は、第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20b、ならびに、第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22bにおける誘電体層14の平均粒径の測定方法と同様の方法により行うことができる。
2.積層セラミックコンデンサの製造方法
次に、本発明にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法について説明する。
まず、誘電体層14を形成するための誘電体グリーンシートおよび内部電極16を形成するための内部電極用導電性ペーストが準備される。なお、誘電体グリーンシートおよび内部電極用導電性ペーストには、有機バインダおよび溶剤が含まれるが、公知の有機バインダや有機溶剤を用いることができる。
そして、内部電極パターンが印刷されていない誘電体グリーンシートを複数枚積層することで、第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20bとなる部分が形成される。
ここで、第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20bとなる部分を準備する工程では、複数枚の内部電極パターンが印刷されていない誘電体グリーンシートのそれぞれにおいて、内部電極用導電性ペーストに含まれる金属と同種の金属含む導電性ペーストを拡散用金属部25aとして所定の形状に印刷する工程をさらに有している。この工程により、第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20bに拡散用金属部25aを配置することができる。
これにより、第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20bにおいて、部分的な異常粒成長を抑制することができ、積層体12の内層部18に位置する誘電体層14bの平均粒径と、第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20bに位置する誘電体層14aの平均粒径とを比較したとき、第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20bには、内層部18における誘電体層14bの平均粒径の2倍以上の粒径を有する誘電体が存在していない構造を得ることができる。その結果、積層セラミックコンデンサ10の表面に斑模様が生じる外観上の問題を抑制することができるだけでなく、内部電極16が存在しない誘電体層部(本発明の第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20bに相当)と内部電極が存在する誘電体層部(本発明の内層部18に相当)との間で焼結挙動の差異が生じ、境界面においてクラック(剥がれ)が発生することを抑制することができる。
拡散用金属部25aとして内部電極用導電性ペーストに含まれる金属と同種の金属含む導電性ペーストを所定の形状に印刷する印刷方法としては、例えば、スクリーン印刷やグラビア印刷、インクジェット印刷(IP印刷)などを用いることができる。中でも、インクジェット印刷(IP印刷)であることが好ましい。本実施例では、インクジェット印刷(IP印刷)によって印刷を行っている。これにより、設計の自由度が増すだけでなく、容易に印刷することができ、無駄な工程を必要としない。
なお、第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20bに印刷される内部電極に含まれる金属と同種の金属における所定の形状とは、特に限定されないが、円状(点状)、楕円状、多角形形状、線状などから選ばれることが好ましい。特に、円状(点状)であることが好ましく、このような形状の金属を所定の間隔をあけて設けることが好ましい。これにより、本発明の効果を効果的に得ることができる。また、中でも、円状(点状)であることが好ましい。
また、内部電極用導電性ペーストに含まれる金属と同種の金属含む導電性ペーストを所定の形状に印刷する際の塗布量は、適宜、積層セラミックコンデンサ10のサイズによって異なる、第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20bの幅や厚み、第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22bの幅や厚み、ならびに第1の端面側外層部24aおよび第2の端面側外層部24bの幅や厚みによって調整される。
また、第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20bとなる部分を準備する工程における、複数枚の誘電体グリーンシートのそれぞれにおいて、内部電極用導電性ペーストに含まれる金属と同種の金属含む導電性ペーストを拡散用金属部25aとして所定の形状に印刷する工程では、所定の間隔を隔てて、誘電体グリーンシートの全面に印刷を行うことが好ましい。これにより、上記の効果を安定して得ることができる。所定の間隔とは、50μm以上100μm以下の間隔で印刷されることが好ましい。これにより、本発明の効果を安定して得ることができる。
次に、第1の主面側外層部20aとなる部分とは異なる誘電体グリーンシート上に、例えば、スクリーン印刷やグラビア印刷、インクジェット印刷(IP印刷)などにより所定のパターンで内部電極用導電性ペーストを印刷し、内部電極パターンを形成する。中でも、インクジェット印刷(IP印刷)であることが好ましい。これにより、設計の自由度が増すだけでなく、容易に印刷することができ、無駄な工程を必要としない。
続いて、内部電極用導電ペーストが印刷された誘電体グリーンシートを複数枚積層することで、第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22b、第1の端面側外層部24aおよび第2の端面側外層部24b、ならびに内層部18となる部分が得られる。
なお、第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22b、第1の端面側外層部24aおよび第2の端面側外層部24b、ならびに内層部18となる部分を準備する工程では、第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22bとなる部分を形成する複数枚の誘電体グリーンシートのそれぞれにおいて、拡散用金属部25bとして内部電極用導電性ペーストに含まれる金属と同種の金属含む導電性ペーストを所定の形状に印刷する工程をさらに有している。この工程により、第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22bに内部電極16に含まれる金属と同種の金属が拡散用金属部25bとして所定の形状に配置することができる。
これにより、第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22bにおいて、部分的な異常粒成長を抑制することができ、積層体12の内層部18に位置する誘電体層14bの平均粒径と、第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22bに位置する誘電体層14bの平均粒径とを比較したとき、第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22bには、内層部18における誘電体層14bの平均粒径の2倍以上の粒径を有する誘電体が存在しない構造を得ることができる。その結果、積層セラミックコンデンサ10の表面に斑模様が生じる外観上の問題を抑制することができるだけでなく、内部電極16が存在しない誘電体層部(本発明の第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22bに相当)と内部電極が存在する誘電体層部(本発明の内層部18に相当)との間で焼結挙動の差異が生じ、境界面においてクラック(剥がれ)が発生することを抑制することができる。
なお、第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22bとなる部分を準備する工程における、複数枚の誘電体グリーンシートのそれぞれにおいて、内部電極用導電性ペーストに含まれる金属と同種の金属含む導電性ペーストを拡散用金属部25bとして所定の形状に印刷する工程では、Wギャップ(すなわち、第1の対向電極部26aおよび第2の対向電極部26bの幅方向yの一端と第1の側面12cとの間および第1の対向電極部18aおよび第2の対向電極部26bの幅方向yの他端と第2の側面12dとの間に形成される積層体12の側部)の幅にも関係するが、図5および図6に示すように、第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22bとなる部分に位置する誘電体グリーンシートのそれぞれにおいて、第1の端面12eおよび第2の端面12fを結ぶ方向に沿って、1列以上となるように所定の間隔で内部電極用導電性ペーストに含まれる金属と同種の金属含む導電性ペーストを拡散用金属部25bとして所定の形状に印刷することが好ましい。これより、異常粒成長をより効果的に抑制することができる。
また、拡散用金属部25bとして内部電極用導電性ペーストに含まれる金属と同種の金属含む導電性ペーストを所定の形状に印刷する印刷方法としては、例えば、スクリーン印刷やグラビア印刷、インクジェット印刷(IP印刷)などを用いることができる。中でも、インクジェット印刷(IP印刷)であることが好ましい。本実施例では、インクジェット印刷(IP印刷)によって印刷を行っている。これにより、設計の自由度が増すだけでなく、容易に印刷することができ、無駄な工程を必要としない。
印刷される拡散用金属部25bの所定の形状とは、特に限定されないが、円状(点状)、楕円状、多角形形状、線状などから選ばれることが好ましい。特に、円状(点状)であることが好ましい。
印刷される各拡散用金属部25bの間隔は、50μm以上100μm以下の間隔で配置されていることが好ましい。これにより、本発明の効果を安定して得ることができる。
なお、変形例に係る積層セラミックコンデンサ10Aを製造するために、第1の端面側外層部24aまたは第2の端面側外層部24bとなる部分における複数枚の誘電体グリーンシートのそれぞれにおいて、内部電極用導電性ペーストに含まれる金属と同種の金属含む導電性ペーストを拡散用金属部25cとして所定の形状に印刷する工程をさらに有していてもよい。
これにより、上記の第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20b、ならびに第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22bと同様な効果を得ることができる。印刷方法としては、例えば、スクリーン印刷やグラビア印刷、インクジェット印刷(IP印刷)などを用いることができる。中でも、インクジェット印刷(IP印刷)であることが好ましい。
この時、第1の端面側外層部24aまたは第2の端面側外層部24bとなる部分における複数枚の誘電体グリーンシートのそれぞれにおいて、内部電極用導電性ペーストに含まれる金属と同種の金属含む導電性ペーストを拡散用金属部25cとして所定の形状に印刷する工程では、図11および図12に示すように、第1の側面12cおよび第2の側面12dを結ぶ方向に沿って、1列以上となるように所定の間隔で印刷することが好ましい。これより、異常粒成長をより効果的に抑制することができる。
次に、第1の主面側外層部20aとなる部分と、内層部18となる部分と、第2の主面側内層部20bとなる部分と、を記載の順番で積層し、未焼成の積層シートを作製する。
続いて、積層体シートは、静水圧プレスなどの手段により高さ方向xにプレスされ、積層体ブロックが作製される。
その後、積層体ブロックが所定の形状寸法に切断され、誘電体層および内部電極を有する積層体チップが切り出される。このとき、バレル研磨などにより積層体チップの角部および稜線部に丸みがつけられてもよい。
続いて、未焼成の積層体チップを焼成し積層体12を作製する。焼成温度は、誘電体層14や内部電極16の材料にもよるが、900℃以上1300℃以下であることが好ましい。
続いて、外部電極30を形成する方法について説明する。
まず、第1の下地電極層30aおよび第2の下地電極層30bを焼き付け層により形成する方法について説明する。
焼き付け層により形成する場合、積層体12の両端面12e,12fに外部電極用導電性ペーストを塗布し、焼き付け、外部電極12の下地電極層として焼き付け層を形成する。焼き付け温度は、700℃以上900℃以下であることが好ましい。
次に、第1の下地電極層30aおよび第2の下地電極層30bをめっき電極により形成する方法について説明する。
めっき電極により形成する場合、めっき処理を施し、内部電極16の露出部上に下地めっき膜を形成する。めっき処理を行うにあたっては、電解めっき、無電解めっきのどちらを採用してもよいが、無電解めっきはめっき析出速度を向上させるために、触媒などによる前処理が必要となり、工程が複雑化するというデメリットがある。したがって、通常は、電解めっきを採用することが好ましい。めっき工法としては、バレルめっきを用いることが好ましい。
なお、表面導体を形成する場合は、あらかじめ最外層のセラミックグリーンシート上に表面導体パターンを印刷して、セラミック素体と同時焼成してもよく、また、焼成後のセラミック素体の主面上に表面導体を印刷してから焼き付けてもよい。
以上のようにして下地電極層が形成された後、必要に応じて、第1の下地電極層26aを覆うように、第1のめっき層28aが形成され、第2の下地電極層26bを覆うように、第2のめっき層28aが形成される。
上述のようにして、本実施の形態にかかる積層セラミックコンデンサ10が製造される。
この発明にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法により製造された積層セラミックコンデンサ10は、第1の主面側外層部20aおよび第2の主面側外層部20bとなる部分を形成する複数枚の誘電体グリーンシートと、第1の側面側外層部22aおよび第2の側面側外層部22bとなる部分を形成する複数枚の誘電体グリーンシートと、のそれぞれにおいて、内部電極用導電性ペーストに含まれる金属と同種の金属を含む導電性ペーストを拡散用金属部25aおよび拡散用金属部25bとして所定の形状に印刷することで、拡散用金属部25aおよび拡散用金属部25bの金属が誘電体層の粒界に拡散し、Mgの代わりに粒成長を抑制するインヒビタとして働くことでコアシェル構造を形成することができるようになる。その結果、誘電体層14の異常粒成長を抑制することで、(1)異常粒成長する部分とあまり異常粒成長しない部分とにおいて、積層セラミックコンデンサの表面に斑模様が生じる場合があり、外観上の問題発生する課題、(2)内部電極が存在しない誘電体層部と内部電極が存在する誘電体層部との間で焼結挙動の差異が生じ、境界面においてクラック(剥がれ)が発生する課題、および(3)外部電極にAgを使用している場合、異常粒成長部分の高温での抵抗が低くなり、Agマイグレーションが発生しやすくなる課題、を抑制することができる。
なお、この発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形される。
10、10A 積層セラミックコンデンサ
12 積層体
12a 第1の主面
12b 第2の主面
12c 第1の側面
12d 第2の側面
12e 第1の端面
12f 第2の端面
14、14a、14b 誘電体層
16 内部電極
16a 第1の内部電極
16b 第2の内部電極
18 内層部
20a 第1の主面側外層部
20b 第2の主面側外層部
22a 第1の側面側外層部
22b 第2の側面側外層部
24a 第1の端面側外層部
24b 第2の端面側外層部
25a、25b、25c 拡散用金属部
26a 第1の対向電極部
26b 第2の対向電極部
28a 第1の引出電極部
28b 第2の引出電極部
30 外部電極
30a 第1の外部電極
30b 第2の外部電極
32a 第1の下地電極層
32b 第2の下地電極層
34a 第1のめっき層
34b 第2のめっき層
x 高さ方向
y 幅方向
z 長さ方向

Claims (13)

  1. 互いに対向する第1および第2の主面と、互いに対向する第1および第2の側面と、互いに対向する第1および第2の端面とを含み、交互に配置される複数の誘電体層および一端が前記第1または第2の端面に引き出される引出電極部を有する複数の内部電極を有する積層体と、
    前記第1の端面および第2の端面上に形成され、前記複数の内部電極の前記引出電極部に電気的に接続される第1の外部電極および第2の外部電極と、
    を備え、
    前記積層体は、前記複数の内部電極が対向する内層部と、
    前記第1の主面側に位置し、前記第1の主面と前記第1の主面側の前記内層部の最表面とその最表面の一直線上との間に位置する前記複数の誘電体層から形成される第1の主面側外層部と、
    前記第2の主面側に位置し、前記第2の主面と前記第2の主面側の前記内層部の最表面とその最表面の一直線上との間に位置する前記複数の誘電体層から形成される第2の主面側外層部と、
    前記第1の側面側に位置し、前記第1の側面と前記第1の側面側の前記内層部の最表面との間に位置する前記複数の誘電体層から形成される第1の側面側外層部と、
    前記第2の側面側に位置し、前記第2の側面と前記第2の側面側の前記内層部の最表面との間に位置する前記複数の誘電体層から形成される第2の側面側外層部と、
    前記第1の端面側または第2の端面側に位置し、前記第1の端面または第2の端面と前記第1の端面または第2の端面側の前記内層部の最表面との間に位置する前記複数の誘電体層から形成される第1の端面側外層部または第2の端面側外層部と、
    を有する積層セラミック電子部品であって、
    前記第1の主面側外層部および前記第2の主面側外層部、ならびに、前記第1の側面側外層部および前記第2の側面側外層部には、前記内部電極に含まれる金属と同種の金属が所定の形状で配置される、積層セラミックコンデンサ。
  2. 前記第1の端面側外層部および前記第2の端面側外層部には、前記内部電極に含まれる金属と同種の金属が所定の形状で配置される、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
  3. 前記第1の主面側外層部および前記第2の主面側外層部を構成する複数の誘電体層は、それぞれの誘電体層において、前記第1の端面および前記第2の端面を結ぶ長さ方向と、前記第1の側面および前記第2の側面を結ぶ幅方向とに沿う面における面積に対して、誘電体層上に配置される前記所定の形状を有する前記内部電極に含まれる金属と同種の金属の合計の面積が、10%以上30%以下の範囲である、請求項1または請求項2に記載の積層セラミックコンデンサ。
  4. 前記第1の側面側外層部および前記第2の側面側外層部を構成する複数の誘電体層は、それぞれの誘電体層において、前記第1の端面および前記第2の端面を結ぶ長さ方向と、前記第1の側面および前記第2の側面を結ぶ幅方向とに沿う面における面積に対して、誘電体層上に配置される前記所定の形状を有する前記内部電極に含まれる金属と同種の金属の合計の面積が、10%以上30%以下の範囲である、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  5. 前記誘電体層は、Ba、Ti、Zrを含み、
    Tiのモル%が、(Tiのモル数)/(Tiのモル数+Zrのモル数)としたとき、90%以上100%以下であり、
    Zrのモル%が、(Zrのモル数)/(Tiのモル数+Zrのモル数)としたとき、0%以上10%以下であり、
    (Baのモル数)/(Tiのモル数+Zrのモル数)が、1.00以上1.02以下である、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  6. 前記所定の形状は、金属単体ではなく、円状(点状)、楕円状、多角形状、線状から選ばれる特定の形を有する形状である、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
  7. 前記内層部に位置する前記誘電体層の平均粒径と、前記第1の主面側外層部および前記第2の主面側外層部に位置する前記誘電体層の平均粒径とを比較したとき、前記第1の主面側外層部および前記第2の主面側外層部には、前記内層部における前記誘電体層の平均粒径の2倍以上の粒径を有する誘電体が存在せず、
    前記内層部に位置する前記誘電体層の平均粒径と、前記第1の側面側外層部および前記第2の側面側外層部に位置する前記誘電体層の平均粒径とを比較したとき、前記第1の側面側外層部および前記第2の側面側外層部には、前記内層部における前記誘電体層の平均粒径の2倍以上の粒径を有する誘電体が存在しない、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の積層セラミック電子部品。
  8. 前記内層部に位置する前記誘電体層の平均粒径と、前記第1の端面側外層部および前記第2の端面側外層部に位置する前記誘電体層の平均粒径とを比較したとき、前記第1の端面側外層部および前記第2の端面側外層部には、前記内層部における前記誘電体層の平均粒径の2倍以上の粒径を有する誘電体が存在しない、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の積層セラミック電子部品。
  9. 互いに対向する第1および第2の主面と、互いに対向する第1および第2の側面と、互いに対向する第1および第2の端面とを含み、交互に配置される複数の誘電体層および一端が前記第1または第2の端面に引き出される引出電極部を有する複数の内部電極を有する積層体と、
    前記第1の端面および第2の端面上に形成され、前記複数の内部電極の前記引出電極部に電気的に接続される第1の外部電極および第2の外部電極と、
    を備え、
    前記積層体は、前記複数の内部電極が対向する内層部と、
    前記第1の主面側に位置し、前記第1の主面と前記第1の主面側の前記内層部の最表面とその最表面の一直線上との間に位置する前記複数の誘電体層から形成される第1の主面側外層部と、
    前記第2の主面側に位置し、前記第2の主面と前記第2の主面側の前記内層部の最表面とその最表面の一直線上との間に位置する前記複数の誘電体層から形成される第2の主面側外層部と、
    前記第1の側面側に位置し、前記第1の側面と前記第1の側面側の前記内層部の最表面との間に位置する前記複数の誘電体層から形成される第1の側面側外層部と、
    前記第2の側面側に位置し、前記第2の側面と前記第2の側面側の前記内層部の最表面との間に位置する前記複数の誘電体層から形成される第2の側面側外層部と、
    前記第1の端面側または第2の端面側に位置し、前記第1の端面または第2の端面と前記第1の端面側または第2の端面側の前記内層部の最表面との間に位置する前記複数の誘電体層から形成される第1および第2の端面側外層部と、
    を有する積層セラミックコンデンサの製造方法であって、
    有機バインダを含む複数の誘電体グリーンシートを準備する工程と、
    前記誘電体グリーンシートを複数枚積層することで、前記第1の主面側外層部となる部分を形成する工程と、
    前記誘電体グリーンシート上に内部電極用導電性ペーストを印刷し、内部電極用導電ペーストが印刷された誘電体グリーンシートを複数枚積層することで、前記第1の側面側外層部および前記第2の側面側外層部、前記第1の端面側外層部および前記第2の端面側外層部、ならびに、前記内層部となる部分を準備する工程と、を有し、
    前記誘電体グリーンシートを複数枚積層することで、前記第2の主面側外層部となる部分を形成する工程と、を有し、
    前記第1の主面側外層部および第2の主面側外層部となる部分を準備する工程では、複数枚の前記誘電体グリーンシートのそれぞれにおいて、前記内部電極用導電性ペーストに含まれる金属と同種の金属を含む導電性ペーストを所定の形状に印刷する工程と、をさらに有し、
    前記第1の側面側外層部および前記第2の側面側外層部と前記内層部となる部分とを準備する工程では、前記第1の側面側外層部および第2の側面側外層部となる部分を形成する複数枚の誘電体グリーンシートのそれぞれにおいて、前記内部電極用導電性ペーストに含まれる金属と同種の金属を含む導電性ペーストを所定の形状に印刷する工程と、をさらに有し、
    前記第1の主面側外層部となる部分と、前記内層部となる部分と、前記第2の主面側内層部となる部分と、を積層し、未焼成の積層体を作製する工程と、
    前記未焼成の積層体をカットし、個片化された焼成前の積層体を作製する工程と、
    前記個片化された未焼成の積層体を焼成し、積層体を作製する工程と、
    を備える、積層セラミックコンデンサの製造方法。
  10. 前記第1の端面側外層部または第2の端面側外層部となる部分における複数枚の前記誘電体グリーンシートのそれぞれにおいて、前記内部電極用導電性ペーストに含まれる金属と同種の金属を含む導電性ペーストを所定の形状に印刷する工程をさらに含む、請求項9に記載の積層セラミックコンデンサの製造方法。
  11. 前記第1の主面側外層部および第2の主面側外層部となる部分を準備する工程における、複数枚の前記誘電体グリーンシートのそれぞれにおいて、前記内部電極用導電性ペーストに含まれる金属と同種の金属を含む導電性ペーストを所定の形状に印刷する工程では、所定の間隔を隔てて、前記誘電体グリーンシートの全面に印刷を行う、請求項9に記載の積層セラミックコンデンサの製造方法。
  12. 前記第1の側面側外層部および第2の側面側外層部となる部分を準備する工程における、複数枚の前記誘電体グリーンシートのそれぞれにおいて、前記内部電極用導電性ペーストに含まれる金属と同種の金属を含む導電性ペーストを所定の形状に印刷する工程では、第1の側面側外層部および第2の側面側外層部となる部分に位置する誘電体グリーンシートのそれぞれにおいて、第1の端面および第2の端面を結ぶ方向に沿って、1列以上となるように所定の間隔で前記内部電極用導電性ペーストに含まれる金属と同種の金属を含む導電性ペーストを所定の形状に印刷する、請求項9に記載の積層セラミックコンデンサの製造方法。
  13. 前記誘電体グリーンシート上に内部電極用導電性ペーストを印刷する工程と、
    前記第1の主面側外層部および第2の主面側外層部となる部分を準備する工程における、複数枚の前記誘電体グリーンシートのそれぞれにおいて、前記内部電極用導電性ペーストに含まれる金属と同種の金属を含む導電性ペーストを所定の形状に印刷する工程と、
    前記第1の側面側外層部および第2の側面側外層部となる部分を準備する工程における、複数枚の前記誘電体グリーンシートのそれぞれにおいて、前記内部電極用導電性ペーストに含まれる金属と同種の金属を含む導電性ペーストを所定の形状に印刷する工程と、
    前記第1の端面側外層部または第2の端面側外層部となる部分における複数枚の前記誘電体グリーンシートのそれぞれにおいて、前記内部電極用導電性ペーストに含まれる金属と同種の金属を含む導電性ペーストを所定の形状に印刷する工程は、IP印刷法によって印刷する、請求項9ないし請求項12のいずれかに記載の積層セラミックコンデンサの製造方法。
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