JP2009222527A - ガス濃度計測方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】測定ガス雰囲気内に特定波長のレーザ光を照射して、該特定波長のレーザ光の吸収量からガス濃度を計測するガス濃度計測方法において、1個のレーザダイオードの駆動電流による波長掃引範囲内で、隣接するガス吸収波長の間を、前記駆動電流を交互に切り換えて、1個のレーザダイオードから2種のガスに対応するレーザ光を時分割して生成し、該生成されたそれぞれのレーザ光を同一のレーザビームによって照射し、照射されたレーザ光を受光して得られる受光信号から2種のガス濃度を求める。
【選択図】図1
Description
レーザ光を発振するための半導体レーザダイオード(LD)01からなる光源は、LDドライバ02の制御回路に接続され、LDの温度と電流が制御されるようになっている。発振されたレーザ光は、ハーフミラー03で反射されて一方の光学窓から他方の光学窓に向けてレーザ光Lが計測領域に入射される。計測領域を通過したレーザ光は、他方の光学窓の近傍に配置された受光手段としての2つのフォトダイオード(PD2、PD3)04、05によって受光されるようになっている。
特に、特許文献2においては2つのサイン波発生器09、010で変調することが示されているが、これはレーザの多重反射(フリンジ)に起因する計測値のドリフトを防止するためのものであり多種類のガス濃度の測定を1本の照射レーザ光Lで可能とする技術ではない。
従って、複数種類のガス濃度を計測しようとするには複数本の照射レーザ光を設ける等のシステムにしなければならず、計測効率の悪化と計測装置の複雑化と装置コストの増加を招くおそれがあり、1本の照射レーザ光を用い、1個または複数個のレーザダイオードからのレーザ光によって複数種類のガス濃度を効率よく測定する技術が必要である。
また、連続発振されているレーザ光を時分割して生成する場合には、発光状態が安定し、精度の高い計測が維持される。
また、レーザダイオード自体は発光の停止、始動を繰り返さず連続発光状態のため、発光が安定しおり、精度の高い計測が維持される。
複数個の前記レーザダイオードと、発振波長が複数種のガスに対応する吸収波長に設定された各レーザダイオードから連続発振するように駆動電流を印加する駆動電流制御手段と、各レーザダイオードからの発振光を合波して照射されたレーザ光を受光する受光手段と、該受光手段で受光する前にそれぞれのガスに対応するガス信号を分離する光フィルタまたは偏向面からなる光分離手段とを有し、該光分離手段によって夫々のガス信号を取出してガス濃度を求めることを特徴とする。
さらに、第7発明によれば各ガスの変調周波数を全て異ならせて、受光後に夫々のガスを変調周波数に基づいて電気的に分離するため、変調周波数の設定によって、電気的に確実にそれぞれのガスを分離して計測できる。
また、第8発明によれば複雑な電気回路を要せず装置が簡単化される。
(第1実施形態)
図1に示すように、レーザ光を発振するための半導体レーザダイオード(LD)4からなる光源は、LDドライバのLD電流駆動回路6、およびLD温度駆動回路8に接続され、該駆動回路でLD4の温度と電流が制御されるようになっている。
LD電流駆動回路6には、加算器9を経由して、直流電流10、ランプ波12、変調信号f、変調信号w、さらに、波長切換手段14からの波長ロック信号16と該波長ロック信号を基準信号として切換後の切換後波長信号18とがそれぞれ印加される。
そして、計測領域を通過したレーザ光は、他方のコリメータ28の近傍に配置された受光手段30のフォトダイオード(PD)(受光ダイオード)によって受光され、プリアンプで増幅されるようになっている。
また、他方の入力側からは、ローパスフィルタ(LPF)44と、DCアンプ46とが直列に接続されて構成されている。それぞれのDCアンプ42、46からの出力はAD変換器48に入力されて、そこからコンピュータ50に送られるようになっている。
AD変換器48を通過後のデジタル信号はコンピュータ50に入力されて、前記第138、および第2ロックインアンプ40からの信号成分と、前記直流成分との計測結果に基づいて対象ガス濃度の解析処理が行われる。
波長ロック信号16と切換後波長信号18とが交互にパルス状の切換電流として波長切換手段14で生成されて、加算器9へ入力される。
電流I1が印加されたときに、λ1におけるガスの吸収信号を検出し、電流I2が印加された時に、波長λ2におけるガスの吸収信号を検出することによって、1個のレーザダイオード4によって、NH3ガスとH2Oガスの2種のガス濃度の計測ができる。
また、NH3ガスの吸収中心波長λ1をロック波長として説明したが、H2Oガスの吸収中心波長λ2をロック波長として電流設定してもよい。
(第2実施形態)
第2実施形態は、第1実施形態に対して、波長ロック信号を、第1参照ガスセル70と第2参照ガスセル72とにそれぞれ封入したガスの吸収波長にロックする点が相違するのみで、他の構成要素は第1実施形態と同様であるため、同一符号を付してして説明は省略する。
次に、図5を参照して、第3実施形態について説明する。
第1、第2実施形態では、1個のレーザダイオード4によって2種のガス濃度を計測する場合を説明したが、第3実施形態は、2個のレーザダイオード100、102を用いて、2種のガス濃度を計測する場合について説明する。
なお、第3、4実施形態は、レーザ光の照射側の改良であり、第5、6、7実施形態はレーザ光の受光側の改良である。
なお、第1実施形態、第2実施形態と同一構成要素については、同一符号を付して設明を省略する。
第1レーザダイオード100からの発振レーザと第2レーザダイオード102からの発振レーザは、合波機125によって合流されて、光ファイバのレーザ光路20を通って、分波器27から、ガス流通領域に同一のレーザビームによって照射される。
図6では、パルス幅がランプ状であるが、フラットの出力状態であっても良い。また時間分割(Δt)については測定ガスに応じて実施形態1で説明したようなエンジンへの適用に際して適宜設定することができる。
なお、時間分割(Δt)のタイミングと取出したガス信号との対応付けは、コンピュータ50において自動的に算出されるようになっている。
次に、図7を参照して、第4実施形態について説明する。
第4実施形態は、第3実施形態に対して、パルス信号によって時分割する個所が第1レーザダイオード100と第2レーザダイオード102の駆動電流ではなく、第1レーザダイオード100と第2レーザダイオード102は連続発振しておき、発振されたレーザ光を一方のコリメータ(光学レンズ)26へ導く光ファイバの途中において光変調器134、136によって時分割する点が相違し、構成要素は第3実施形態と同様であるため、同一符号を付してして説明は省略する。
また、前記第3実施形態に比べて、本第4実施形態によれば、第1、第2レーザダイオード102、102自体の起動を制御するものでなくレーザダイオードからの発光は連続的に行なわれているため、発光状態が安定し、精度の高い計測が可能となる。
次に、図8を参照して、第5実施形態について説明する。
第5実施形態は、第1レーザダイオード100と第2レーザダイオード102とを、連続発振させておき、受光した信号から波長λ1と波長λ2との信号をそれぞれ変調周波数に基づいて電気的に分離するものである。
なお、第3実施形態、および第4実施形態と同一の構成要素については同一符号を付して説明を省略する。
すなわち、受光手段30のプリアンプで増幅した電気信号は、第1復調処理手段154と、第2復調処理手段156とに入力され、第1復調処理手段154の第11ロックインアンプ150で変調周波数f1と同期する信号が、第12ロックインアンプ152で変調周波数w1と同期する信号が復調されて第1レーザダイオード100の吸収信号が検出される。
同様に、第2復調処理手段156の第21ロックインアンプ158で変調周波数f2と同期する信号が、第22ロックインアンプ160で変調周波数w2と同期する信号が復調されて第2レーザダイオード102の吸収信号が検出される。
第1復調処理手段154には、ガス濃度の安定および波長安定化のために第1標準信号処理手段162が設けられ、第2復調処理手段156には、第2標準信号処理手段164が設けられている。
また、変調周波数f1、w1、f2、w2の設定によって、電気的に処理されるため、確実に2種のガスを分離して計測できる。
次に、図9を参照して、第6実施形態について説明する。
第6実施形態は、第1レーザダイオード100と第2レーザダイオード102とを、連続発振させておき、受光手段170、172に受光する前に、波長フィルタ(光分離手段)174を用いて波長λ1と波長λ2との信号を分離するものである。
なお、いままでに説明した実施施形態と同一の構成要素については同一符号を付して説明を省略する。
そして、第1復調処理手段154によって取り出した信号からは、λ1におけるガスの吸収信号を検出して第1ガスの濃度、第2復調処理手段156によって取り出した信号からは、波長λ2におけるガスの吸収信号を検出して第2ガスの濃度を計測する。
なお、波長フィルタ174は、波長が離れている場合には効果的であるが、近い場合には、分離能力が十分得られないために、波長フィルタ174に代えて、偏向面フィルタを用いてもよい。
4 レーザダイオード(LD)
6 電流駆動回路(LD電流駆動回路)
8 温度駆動回路(LD温度駆動回路)
14、86 波長切換手段
24 参照ガスセル
26、28 コリメータ(光学レンズ)
30、170、172 受光手段
32 復調処理手段
38 第1ロックインアンプ(復調手段)
40 第2ロックインアンプ(復調手段)
52、74 標準信号処理手段
70 第1参照ガスセル
72 第2参照ガスセル
100 第1レーザダイオード(LD1)
102 第2レーザダイオード(LD2)
104 第1電流駆動回路(LD1電流駆動回路)
106 第1温度駆動回路(LD1温度駆動回路)
108 第2電流駆動回路(LD2電流駆動回路)
110 第2温度駆動回路(LD2温度駆動回路)
116、135 時分割手段
118、138 パルス信号
174 波長フィルタ(光分離手段)
f、f1、f2、w、w1、w2 変調信号
Claims (12)
- 測定ガス雰囲気内に特定波長のレーザ光を照射して、該特定波長のレーザ光の吸収量からガス濃度を計測するガス濃度計測方法において、
1個のレーザダイオードの駆動電流による波長掃引範囲内で、隣接するガス吸収波長の間を、前記駆動電流を交互に切り換えて、1個のレーザダイオードから2種のガスに対応するレーザ光を時分割して生成し、該生成されたそれぞれのレーザ光を同一のレーザビームによって照射し、照射されたレーザ光を受光して得られる受光信号から2種のガス濃度を求めることを特徴とするガス濃度計測方法。 - 前記駆動電流の一方側は標準ガスが封入された参照セルに照射して求められる基準波長に基づく基準電流値に設定され、他方側は前記基準電流値に一定値を加算して求められることを特徴とする請求項1記載のガス濃度計測方法。
- 前記駆動電流の一方側および他方側のそれぞれが、標準ガスが封入された参照セルに照射して求められる基準波長に基づく基準電流値に設定されることを特徴とする請求項1記載のガス濃度計測方法。
- 測定ガス雰囲気内に特定波長のレーザ光を照射して、該特定波長のレーザ光の吸収量からガス濃度を計測するガス濃度計測方法において、
複数個のレーザダイオードの発振波長を複数種のガスに対応する吸収波長に設定し、各レーザダイオードからの発振光を時分割して生成し、該生成された発振光を同一のレーザビームによって照射し、照射されたレーザ光を受光して得られる受光信号から複数種のガス濃度を求めることを特徴とするガス濃度計測方法。 - 前記時分割の発振光は、各レーザダイオードを駆動する駆動電流を時分割制御することで生成することを特徴とする請求項4記載のガス濃度計測方法。
- 前記時分割の発振光は、各レーザダイオードから連続発振されたレーザ光を時分割して生成することを特徴とする請求項4記載のガス濃度計測方法。
- 測定ガス雰囲気内に特定波長のレーザ光を照射して、該特定波長のレーザ光の吸収量からガス濃度を計測するガス濃度計測方法において、
複数個のレーザダイオードの発振波長を複数種のガスに対応する吸収波長に設定し、各レーザダイオードを連続発振するように駆動電流を印加し、各レーザダイオードからの発振光を合波して同一のレーザビームで照射し、照射されたレーザ光を受光して得られる受光信号を、各ガスの変調周波数を基にそれぞれのガスに対する信号を取出して、複数種のガス濃度を求めることを特徴とするガス濃度計測方法。 - 測定ガス雰囲気内に特定波長のレーザ光を照射して、該特定波長のレーザ光の吸収量からガス濃度を計測するガス濃度計測方法において、
複数個のレーザダイオードの発振波長を複数種のガスに対応する吸収波長に設定し、各レーザダイオードを連続発振するように駆動電流を印加し、各レーザダイオードからの発振光を合波して同一のレーザビームで照射し、照射されたレーザ光を受光して得られる受光信号を、受光ダイオードで受光する前に光フィルタまたは偏向面によってそれぞれのガスに対する信号に分離して、複数種のガス濃度を求めることを特徴とするガス濃度計測方法。 - 測定ガス雰囲気内に特定波長のレーザ光を照射して、該特定波長のレーザ光の吸収量からガス濃度を計測するガス濃度計測装置において、
1個の前記レーザダイオードと、該レーザダイオードに駆動電流を供給する電流駆動回路と、前記レーザダイオードの波長掃引範囲内で、隣接するガス吸収波長の間を、前記駆動電流を交互に切り換えて前記電流駆動回路に供給する波長切換手段と、交互に生成されたレーザ光を同一のレーザビームによって照射し、照射されたレーザ光を受光する受光手段と、該受光手段によって受光された受光信号から復調手段によって目的とする信号を取出す復調処理手段とを有し、前記波長切換手段によって切り換えられるそれぞれのガス濃度を求めることを特徴とするガス濃度計測装置。 - 測定ガス雰囲気内に特定波長のレーザ光を照射して、該特定波長のレーザ光の吸収量からガス濃度を計測するガス濃度計測装置において、
複数個の前記レーザダイオードと、発振波長が複数種のガスに対応する吸収波長に設定された各レーザダイオードからの発振光を時分割して生成する時分割手段と、該時分割して生成された複数種のガスに対応するレーザ光を合波して同一のレーザビームによって照射し、照射されたレーザ光を受光する受光手段と、該受光手段によって受光された受光信号から前記時分割手段によって分割されたそれぞれのガス濃度を求めることを特徴とするガス濃度計測装置。 - 測定ガス雰囲気内に特定波長のレーザ光を照射して、該特定波長のレーザ光の吸収量からガス濃度を計測するガス濃度計測装置において、
複数個の前記レーザダイオードと、発振波長が複数種のガスに対応する吸収波長に設定された各レーザダイオードから連続発振するようにレーザダイオードに駆動電流を供給する電流駆動回路と、各レーザダイオードからの発振光を合波して照射されたレーザ光を受光する受光手段と、該受光手段によって受光された受光信号から各ガスの変調周波数を基にそれぞれのガス信号を取り出す復調手段とを有し、該復調手段によって夫々のガス信号を取出してガス濃度を求めることを特徴とするガス濃度計測装置。 - 被測定ガス雰囲気内に特定波長のレーザ光を照射して、該特定波長のレーザ光の吸収量からガス濃度を計測するガス濃度計測装置において、
複数個の前記レーザダイオードと、発振波長が複数種のガスに対応する吸収波長に設定された各レーザダイオードから連続発振するように駆動電流を印加する駆動電流制御手段と、各レーザダイオードからの発振光を合波して照射されたレーザ光を受光する受光手段と、該受光手段で受光する前にそれぞれのガスに対応するガス信号を分離する光フィルタまたは偏向面からなる光分離手段とを有し、該光分離手段によって夫々のガス信号を取出してガス濃度を求めることを特徴とするガス濃度計測装置。
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