JP2010164375A - 濃度計測装置及び濃度計測方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ光の吸収をより高感度で検出することのできる、濃度計測装置及び濃度計測方法を提供することにある。
【解決手段】計測対象に向けてレーザ光を出射するレーザーダイオードを、前記レーザ光の波長が第1変調波により変調されるように制御する発光制御部と、前記計測対象を透過した前記レーザ光を受光するフォトダイオードから受光信号を取得し、前記受光信号に基づいて、前記計測対象の濃度を計測する受光処理部とを具備する。前記第1変調波は、強度がゼロとなるときの傾きの絶対値が、同じ振幅及び同じ周波数を有する正弦波のそれよりも小さい波形である。
【選択図】図6

Description

本発明は、濃度計測装置及び濃度計測方法に関する。
計測対象の濃度を測定する技術として、レーザ光を利用した技術が知られている。この技術では、物質が、物質固有の波長(吸収波長)の光を吸収する性質を有することが利用されている。計測対象にレーザ光を照射する。レーザ光の波長が、計測対象物質の吸収波長と一致していれば、レーザ光は計測対象により吸収される。このときの吸収量は、物質の濃度に依存する。そこで、計測対象を透過したレーザ光を受光し、計測対象によるレーザ光の吸収量を求める。求めた吸収量に基づいて、計測対象の濃度を算出することができる。
計測対象の濃度を計測するにあたり、計測精度を向上させることが望まれる。精度を向上させるために、レーザ光の波長を変調させる手法が知られている。レーザ光の波長を所定の周波数の変調波により変調する。そして、受光側にて得られた受光信号を、変調波の周波数に基づいて復調する。これにより、ノイズ成分が除去され、計測対象によるレーザ光の吸収量を正確に知ることができる。
さらに精度を高めるための技術が、特許文献1(特許第3861059)及び特許文献2(特許第3342446)に記載されている。特許文献1及び特許文献2には、レーザ光の発振波長を少なくとも2つの異なる周波数で変調し、受光した信号の中から変調された信号を周波数毎に順次それぞれ復調することが記載されている。特許文献1及び2に記載された技術によれば、レーザ光を少なくとも二重で変調することにより、ミラーなどの光学部品で発生するフリンジの影響を除去することができ、計測精度を更に高めることができる。
尚、レーザ光の波長を変調する際の変調波としては、通常、正弦波が用いられる。
特許第3861059号公報 特許第3342446号公報
図1は、レーザ光の波長を正弦波で変調したときに、レーザ光の吸収量がどのような波形で表されるかを説明するための説明図である。図1(a)は、計測対象物質による光の吸収量と波長との関係を示すグラフである。図1(b)は、変調波の波形を示し、時刻tとレーザ光の波長との関係を示している。図1(c)は、計測対象によるレーザ光の吸収量と時刻tとの関係を示すグラフである。
図1(a)に示されるように、多くの物質では、光の吸収量の波長分布が、中心波長λを中心としたガウス分布である。ここで、図1(b)に示されるように、レーザ光の波長を、λを中心とした周期2Tの正弦波で変調したとする。すると、図1(c)に示されるように、レーザ光の吸収量は、周期Tの波形を示す。言い換えれば、変調波の周波数をfとすると、レーザ光の吸収量は、2×f成分により表される。これは、光の吸収量が波長に対してガウス分布を示すからである。これを利用し、レーザ光の吸収量の波形を2×f成分で復調すれば、ノイズの影響を排除してレーザ光の吸収量に関する情報を取り出すことができる。その結果、正確に濃度計測を行うことができる。
但し、上述の手法では、変調されるレーザ光の波長の中心値が、中心波長λに一致していなければならない。変調波の中心値が中心波長λからずれていると、レーザ光の吸収波形の振幅もずれてしまい、正確な計測ができない。
そこで、中心波長λを必ず通過するような搬送波を用い、搬送波に対して正弦波で変調を行う手法が採用されることがある。図2は、搬送波としてランプ波を用いたときの、時刻とレーザ光の波長との関係を示す概略図である。レーザ光の波長がλを通過する時刻tにおいて、計測対象によるレーザ光の吸収が起こる。図3は、図2で示した波形のレーザ光を用いたときの、レーザ光の吸収量の波形を示す概略図である。レーザ光の吸収量の振幅は、時刻tを中心として、ガウス分布を示す。そこで、このようなレーザ光の吸収量を示す信号から、ロックインアンプなどを用いて2×f成分を位相検波し、更にローパスフィルタなどで低周波成分を抽出する。図3中には、抽出された低周波成分の波形が点線で示されている。抽出された低周波成分の波高値A1は、時刻t0におけるレーザ光の吸収量に対応する。すなわち、中心波長λにおけるレーザ光の吸収量に対応する。従って、波高値A1を求めることにより、中心波長λにおけるレーザ光の吸収量を求めることができる。これにより、計測対象の濃度を算出することが可能である。尚、図2及び図3では、搬送波としてランプ波を例示したが、ランプ波はあくまで一例であり、計測対象の吸収波長を通過するような波形であれば他の波形が用いられてもよい。
ところで、図3で示されるように、波高値A1は、レーザ光の吸収量の振幅A2よりも小さくなる。波高値A1を大きくすることができれば、レーザ光の吸収量を高感度で検出することができ、ノイズの影響をより確実に排除できると考えられる。
従って、本発明の目的は、レーザ光の吸収をより高感度で検出することのできる、濃度計測装置及び濃度計測方法を提供することにある。
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号を、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明に係る濃度計測装置(1)は、計測対象に向けてレーザ光を出射するレーザーダイオード(4)と、そのレーザ光の波長が第1変調波により変調されるように、レーザーダイオード(4)を制御する発光制御部(2)と、計測対象(5)を透過したレーザ光を受光し、受光信号を生成するフォトダイオード(6)と、その受光信号に基づいて、計測対象(5)の濃度を計測する受光処理部(3)とを具備する。その第1変調波は、同じ振幅の正弦波よりも、強度がゼロとなるときの傾きの絶対値が小さい波形である。
この発明によれば、第1変調波の中心が計測対象の吸収波長の中心λに一致するときに、レーザ光の波長が中心λの近傍を通過する期間が、正弦波のときよりも長くなる。
中心λの近傍では、計測対象によるレーザ光の吸収量が大きい。従って、吸収量が大きい期間が、長くなる。その結果、レーザ光の吸収を、高感度で検出することができる。
本発明に係る濃度計測装置(1)は、計測対象(5)に向けてレーザ光を出射するレーザーダイオード(4)と、レーザ光の波長が正弦波により変調されるように、レーザーダイオードを制御する発光制御部(2)と、計測対象(5)を透過したレーザ光を受光し、受光信号を生成するフォトダイオード(6)と、受光信号に基づいて、計測対象(5)の濃度を計測する受光処理部(3)とを具備する。受光処理部(3)は、受信信号に基づいて、計測対象(5)によるレーザ光の吸収量を示す吸収信号を生成する吸収信号生成部(12)と、吸収信号を、処理関数を用いて、波形が正弦波となるように変換し、変換吸収信号を生成する関数処理器(20、21)とを備えている。
本発明に係る濃度計測方法は、計測対象(5)に向けてレーザ光を出射するレーザーダイオード(4)を、レーザ光の波長が第1変調波により変調されるように制御するステップと、計測対象(5)を透過したレーザ光を受光し、受光信号を生成するステップと、受光信号に基づいて、前記計測対象の濃度を計測するステップとを具備する。第1変調波は、同じ振幅の正弦波よりも、強度がゼロとなるときの傾きの絶対値が小さい波形である。
本発明によれば、レーザ光の吸収をより高感度で検出することのできる、濃度計測装置及び濃度計測方法が提供される。
レーザ光の吸収量がどのような波形で表されるかを説明するための説明図である。 時刻とレーザ光の波長との関係を示す概略図である。 レーザ光の吸収量の波形を示す概略図である。 第1の実施形態に係る濃度計測装置を示すブロック図である。 変調波信号の一例を示すグラフである。 吸収波形を示す概念図である。 吸収波形を示す概念図である。 振幅係数δと、吸収波形の振幅と、変調波に含まれる高調波成分の存在比率との関係を示すグラフである。 (a)変調波信号の波形と(b)吸収波形とを示すグラフである。 (a)変調波信号の波形と(b)吸収波形とを示すグラフである。 (a)変調波信号の波形と(b)吸収波形とを示すグラフである。 (a)変調波信号の波形と(b)吸収波形とを示すグラフである。 (a)変調波信号の波形と(b)吸収波形とを示すグラフである。 (a)変調波信号の波形と(b)吸収波形とを示すグラフである。 (a)変調波信号の波形と(b)吸収波形とを示すグラフである。 (a)変調波信号の波形と(b)吸収波形とを示すグラフである。 (a)変調波信号の波形と(b)吸収波形とを示すグラフである。 フーリエ変換解析結果を示すグラフである。 フーリエ変換解析結果を示すグラフである。 フーリエ変換解析結果を示すグラフである。 フーリエ変換解析結果を示すグラフである。 フーリエ変換解析結果を示すグラフである。 フーリエ変換解析結果を示すグラフである。 フーリエ変換解析結果を示すグラフである。 フーリエ変換解析結果を示すグラフである。 フーリエ変換解析結果を示すグラフである。 振幅係数δと変調波信号の振幅との関係を示すグラフである。 シミュレーション結果を示すグラフである。 シミュレーション結果を示すグラフである。 シミュレーション結果を示すグラフである。 正弦波の3乗により示される波形を示すグラフである。 シミュレーション結果を示すグラフである。 第2の実施形態に係る濃度計測装置を示すブロック図である。
(第1の実施形態)
以下に、図面を参照しつつ、本発明の第1の実施形態について説明する。図4は、本実施形態に係る濃度計測装置1を示すブロック図である。
この濃度計測装置1は、発光制御部2と、レーザーダイオード4と、フォトダイオード6と、受光処理部3とを備えている。発光制御部2は、レーザーダイオード4を制御する部分である。発光制御部2により、レーザーダイオード4から所定波長のレーザ光が出射される。レーザ光は、計測対象ガス領域5に導かれ、計測対象による吸収を受けた後、フォトダイオード6により受光される。レーザ光を受光したフォトダイオード6は、受光信号Dを生成し、受光処理部3に供給する。受光処理部3は、受光信号Dに基づいて、計測対象の濃度を計算する。
発光制御部2は、搬送波発生器7と、第1変調波発生器8−1と、第2変調波発生器8−2と、加算器9と、レーザーダイオードドライバ10とを備えている。
搬送波発生器7は、搬送波信号Aとして、ランプ波を発生させる。
第1変調波発生器8−1は、第1変調波信号B1を発生させる。第1変調波信号B1の周波数は、搬送波信号Aの周波数よりも十分に大きく、f1である。f1は、例えば、100(kHz)である。
第2変調波発生器8−2は、第1変調波信号B1よりも十分に小さい周波数f2で、第2変調波信号B2を発生させる。f2は、例えば、5(kHz)である。
加算器9は、搬送波信号A、第1変調波信号B1、及び第2変調波信号B2を加算して、合成信号Cを生成する。
レーザーダイオードドライバ10は、合成信号Cにより、レーザーダイオード4の注入電流を変化させる。
レーザーダイオード4は、注入電流の供給を受けて、レーザ光を発振する。ここで、レーザーダイオード4は、レーザ光の発振波長が、注入電流に応じて変化するように構成されている。レーザ光の波長は、注入電流の波形と同じ波形で変化する。注入電流の波形は、合成信号Cの波形と同じであるので、レーザ光の波長は、合成信号Cと同じ波形で変化することになる。すなわち、レーザ光の波長は、図2で示したような波形となる。但し、図2では、スケールの都合上、第2変調波信号B2による波形までは反映されていない。
レーザーダイオード4より出射されたレーザ光は、計測対象ガス領域5に導かれる。レーザ光の波長が、計測対象ガス領域5に含まれる計測対象に固有の吸収波長と一致するとき、レーザ光は計測対象による吸収を受ける。計測対象ガス領域5を透過したレーザ光は、フォトダイオード6によって受光される。
フォトダイオード6は、レーザ光を受光すると、そのレーザ光の強度を示す受光信号Dを生成する。受光信号Dは、受光処理部3に供給される。
受光処理部3は、フォトダイオードアンプ11と、差動アンプ12と、ゲインアンプ13と、アナログ/デジタル変換器14と、第1位相検波器15と、第1ローパスフィルタ16と、第2位相検波器17と、第2ローパスフィルタ18と、ガス濃度算出部19とを備えている。
フォトダイオードアンプ11は、受光信号Dを増幅し、増幅信号Eを生成する。増幅信号Eは、差動アンプ12に供給される。
差動アンプ12は、増幅信号Eを合成信号Cにより差動増幅する。差動アンプ12の出力信号は、計測対象ガス領域5におけるレーザ光の吸収量を示すことになる。差動アンプ12の出力信号は、吸収信号Fとして、ゲインアンプ13に供給される。
吸収信号Fは、ゲインアンプ13で増幅された後、アナログ/デジタル変換器14によりデジタル信号に変換され、第1位相検波器15へと送られる。
第1位相検波器15は、送られてきた吸収信号Fを、周波数2×f1で位相検波し、第1復調信号G1を生成する。第1復調信号G1は、第1ローパスフィルタ16へ送られる。
第1ローパスフィルタ16は、第1復調信号G1の低周波成分を抽出し、第1低周波信号H1を生成する。第1低周波信号H1は、第2位相検波器17へ送られる。
第2位相検波器17は、第1低周波信号H1を、周波数2×f2で位相検波し、第2復調信号G2を生成する。第2復調信号G2は、第2ローパスフィルタ18へ送られる。
第2ローパスフィルタ18は、第2復調信号G2の低周波成分を抽出し、第2低周波信号H2を生成する。第2低周波信号H2は、ガス濃度算出部19へ送られる。
ガス濃度算出部19は、第2低周波信号H2の波高値を算出する。算出された波高値は、計測対象ガス領域5における計測対象の濃度に依存する。従って、ガス濃度算出部19は、算出した波高値に基づいて、計測対象の濃度を算出し、算出結果を出力する。
上述のように、二つの異なる周波数の変調波信号(第1変調波信号B1及び第2変調波信号B2)を用いることにより、フリンジの影響を排除することができ、正確に濃度を計測することが可能である。
ここでさらに、本実施形態では、計測対象によるレーザ光の吸収量を高感度に検出するため、変調波信号(第1変調波信号B1及び第2変調波信号B2のそれぞれ)の波形が工夫されている。
図5は、本実施形態に係る変調波信号の一例を示すグラフである。図5中、横軸は時刻tを示し、縦軸は信号強度を示している。図5中、変調波信号は、実線で示されている。また、比較のため、点線により、この変調波信号と同じ振幅及び周波数を有する正弦波の波形が示されている。
図5に示されるように、変調波信号は、強度がゼロとなるときの傾きの絶対値が、正弦波のそれよりも小さい。すなわち、強度がゼロとなる点を通過するときの傾きは、正弦波よりも緩やかとなっている。このような変調波信号を用いることにより、受光処理部3において、レーザ光の吸収量を高感度に検出することができる。この理由について、以下に説明する。
図6は、本実施形態におけるレーザ光の吸収量の波形(以下、吸収波形)を説明するための説明図である。図6(a)は、計測対象による光の吸収量と波長との関係を示している。図6(b)は、レーザ光の波長と時刻tとの関係を示している。図6(c)は、吸収波形を示し、横軸が時刻であり縦軸が吸収量である。図6(c)のグラフは、縦軸を信号強度に置き換えれば、吸収信号Fの波形となる。
図6(a)に示されるように、計測対象による光の吸収量の波長分布は、λを中心とするガウス分布を示すものとする。図6(b)に示されるように、レーザ光の発振中心波長が、λに一致しているときについて考える。このとき、レーザ光の波長の時間変化は、変調波信号に対応した波形となる。変調波信号の強度(波長)がゼロ(波長がλ)となるとき、レーザ光の吸収量は、ピーク値となり、吸収波形においてもピーク値を示す。すなわち、吸収波形のピーク値は、時刻T及び2Tに現れる。ここで、本実施形態に係る変調波信号は、強度がゼロとなる点を通過するときの傾きが、緩やかである。すなわち、レーザ光の波長がλ近傍である期間が、長くなっている。その結果、吸収波形においては、強度がピーク値に近い期間が長くなる。すなわち、吸収波形は、幅の広い山型の波形を示す。これに対して、図1で示したように、正弦波は、強度がゼロとなる点を通過するときの傾きが、急峻である。従って、レーザ光の波長がλ近傍である期間は、短い。その結果、吸収波形は、ピークの前後で急激に落ち込む波形になる。
実際には、搬送波(ランプ波)により、レーザ光の波長の中心値は、直線的に変化する。図7は、搬送波を考慮に入れたときの吸収波形を示す概念図である。図7中、吸収波形は実線にて示されている。吸収波形の振幅は、レーザ光の波長の中心値がλとなる時刻tを中心として、ガウス分布を示す。ここで、少なくとも時刻t0の近傍では、既述のように、幅の広い山型の波形を示す。この吸収波形に対応する吸収信号Fを、位相検波器(第1位相検波器15又は第2位相検波器17)で復調し、更にローパスフィルタ(第1ローパスフィルタ16又は第2ローパスフィルタ18)で低周波成分を抽出すると、図7中、点線で示される波形になる。正弦波で変調を行ったとき(図3参照)と比較すれば、時刻t0近傍におけるピークの幅が広くなっているため、抽出された低周波成分の波高値は高くなる。これにより、高感度でレーザ光の吸収を検出することができる。
続いて、変調波信号の波形として、好ましい波形について説明する。出力効率を最大とするためには、吸収波形が、時刻t近傍において高調波成分の無い正弦波形であればよいと考えられる。そこで、吸収波形が正弦波形となるような変調波信号の波形について考える。
計測対象による光の吸収量と波長との関係がガウス分布に従うとすれば、計測対象による光の吸収量φ(λ)は、次の式1により表現される。
Figure 2010164375
上式1中、Aは、中心波長λにおけるガス吸収率を示し、λは波長を示す。
一方、吸収波形y(t)は、所望する正弦波形になるものとすると、次の式2により表現される。
Figure 2010164375
上式2中、Tは吸収波形の周期を示し、aは吸収波形の振幅を示し、δは吸収波形の振幅係数を示し、nは自然数(1、2、・・・)を示す。
ここで、境界条件として、y(0)=Aを考えると、次の式3により、吸収波形の振幅aを求めることができる。
Figure 2010164375
上式3を、上式2に代入すると、吸収波形y(t)は、次の式4により表される。
Figure 2010164375
ここで、y(t)を得る為には、どのようなレーザ光の波長(λ(t))を与えればよいかという逆問題を考える。すなわち、y(t)=φ(λ)として、次の式5を考える。
Figure 2010164375
上式5を、次の式6のように展開する。
Figure 2010164375
すなわち、上式6から、レーザ光の波長は、次の式7のように変調されればよいことがわかる。
Figure 2010164375
尚、レーザ光の波長は、変調波信号の強度に依存するため、変調波信号の波形は、λを強度xに置き換え、下記式8で示されることになる。
Figure 2010164375
すなわち、上式8で示される変調波信号を用いれば、吸収波形が時刻t近傍において正弦波形になる。尚、図5で示した波形は、この上式8の波形を示している。
上式8中、振幅係数δの値は、0.005以上0.05以下が好ましい。この点について以下に説明する。
図8は、吸収中心波長λにおける吸収率=1と仮定したときの、振幅係数δと、吸収波形の振幅と、変調波に含まれる高調波成分の存在比率(スペクトル比)との関係を示している。図8中には、吸収波形の振幅22と、3倍高調波成分(基本波比)の振幅23と、5倍高調波成分(基本波比)の振幅24とが示されている。図8において、振幅係数δは、0.0001〜1までの範囲で示されている。図8に示されるように、吸収波形の振幅は、振幅係数δが小さいほど、大きくなる。吸収波形の振幅が大きければ、レーザ光の吸収を高感度で検出できる。従って、高感度で検出を行う点からは、振幅係数δは小さい方が好ましい。
一方で、変調波に含まれる高調波成分のスペクトル比は、振幅係数δが大きいほど小さくなっている。図9乃至図17は、それぞれ、(a)変調波信号の波形と(b)吸収波形とを示すグラフである。変調波信号の周波数は、5kHzであるものとする。図9はδ=0.9、図10はδ=0.5、図11はδ=0.1、図12はδ=0.05、図13はδ=0.01、図14はδ=0.005、図15はδ=0.001、図16はδ=0.0005、図17はδ=0.0001のときの波形を示している。図9乃至17に示されるように、変調波信号の波形は、δが小さくなるにつれて、鋭いピークを示している。これは、主に3倍及び5倍の高調波成分が増大していることを示している。一方、図18乃至26は、図9乃至図17に示される波形のフーリエ変換解析結果を示している。すなわち、図18はδ=0.9、図19はδ=0.5、図20はδ=0.1、図21はδ=0.05、図22はδ=0.01、図23はδ=0.005、図24はδ=0.001、図25はδ=0.0005、図26はδ=0.0001のときのフーリエ変換解析結果を示している。図18乃至26に示される変調波のフーリエ変換解析結果からも、δが大きいほど、高調波成分(15(kHz)のピークが小さくなっていることが確認される。すなわち、振幅係数δは、高調波成分の存在比率を少なくする点からは、大きい方が好ましい。尚、図18乃至26の吸収波形のフーリエ変換解析結果からは、いずれも、吸収波形が直流成分と基本波成分(10kHz)の成分のみであり、純粋な正弦波形となっていることがわかる。
上述のように、好ましい振幅係数δの値は、吸収波形の振幅を大きくする点と高調波成分を抑制する点とのトレードオフの関係となる。ここで、振幅係数δを0.005以上0.05以下の範囲とすれば、図8に示されるように、高調波成分を十分に抑えた上で、吸収波形の振幅を大きくすることができる。
また、振幅係数δは、より好ましくは、0.01である。図8に示されるように、振幅係数δを0.01に設定した場合、変調波信号における3倍高調波成分の比率は3.8%であり、5倍高調波成分の比率は0.7%である。すなわち、基本波成分に比べて、高調波成分を十分に少なくすることが可能である。さらに、図22(a)に示されるように、δ=0.01のときの変調波信号の高調波成分(15kHz)は、基本波成分に比べて、十分に小さくなっていることが確認される。
また、図27は、振幅係数δと変調波信号の振幅との関係を示している。振幅係数δ=0.01に設定した場合、変調波信号の振幅は3.03である。ここで、θ(λ)がガウス分布に従うため、θ(λ)=0.5のときのλは、λ±1.18である。従って、半値幅は、2×1.18=2.36により、2.38である。すなわち、振幅係数δを0.01に設定した場合、変調波の振幅は、3.03/2.36=1.28となり、半値幅に対して1.28倍の振幅となることがわかる。このように、δ=0.01に設定した場合には、半値幅よりも十分大きい振幅が得られる観点からも、好ましい。
図28は、式8で示される波形の変調波信号を用いたときのシミュレーション結果を示している。尚、振幅係数δは、0.01に設定されている。図28中、(a)は変調波信号(B1またはB2)の波形を示し、(b)は合成信号Cの波形を示し、(c)は吸収信号Fの波形を示し、(d)は復調信号(G1又はG2)の波形を示し、(e)は低周波成分信号(H1又はH2)の波形を示している。図28中、レーザ光の中心波長が計測対象の吸収波長に一致する時刻が、0.045(s)である。図28(c)に示されるように、時刻0.045付近において、吸収信号Fの波形は、正弦波形状となっていることが確認される。図28(e)に示されるように、ローパスフィルタで処理された後の低周波成分信号(H1又はH2)では、波高値が2217(A/D値)であった。
図29は、比較のため、正弦波によってレーザ光の波長を変調したときのシミュレーション結果を示している。図28と同様、図29中において、(a)は正弦波信号の波形を示し、(b)は合成信号Cの波形を示し、(c)は吸収信号Fの波形を示し、(d)は復調信号の波形を示し、(e)は低周波成分信号の波形を示している。図28と同様に、レーザ光の中心波長が計測対象の吸収波長λに一致する時刻が、0.045(s)である。図29(c)に示されるように、時刻0.045付近において、吸収信号Fの波形は、幅が細くなっている。そして、ローパスフィルタで処理された後の低周波成分信号(H1又はH2)では、波高値が916(A/D値)であった。
図28(e)と図29(e)とを比較すれば、本実施形態に係る変調波信号を用いることによって、正弦波を用いた場合の2.3倍(=2217/916)の波高値を得ることができ、計測対象によるレーザ光の吸収を高感度に検出できることがわかる。
図30は、振幅が最適化された正弦波によってレーザ光の波長を変調したときのシミュレーション結果を示している。図28と同様、図30中において、(a)は正弦波信号の波形を示し、(b)は合成信号Cの波形を示し、(c)は吸収信号Fの波形を示し、(d)は復調信号の波形を示し、(e)は低周波成分信号の波形を示している。図30(e)に示されるように、低周波成分信号(H1又はH2)の波高値は、1465(A/D値)であった。このように、図29(e)に示した波形の波高値(916)と比較すれば、振幅を最適化することによっても、波高値を大きくできることがわかる。しかし、図28(e)にて示されるように、本実施形態に係る変調波信号を用いれば、正弦波の振幅を最適化した場合よりも、更に波高値を大きくすることができ、より効果的であることがわかる。
以上説明したように、本実施形態によれば、レーザ光の波長を、強度がゼロとなるときの傾きの絶対値が同じ振幅及び同じ周波数を有する正弦波のそれよりも小さい波形で変調することにより、計測対象によるレーザ光の吸収を高感度で検出することが可能である。
尚、本実施形態では、変調波信号として、二つの異なる周波数の信号(第1変調波信号B1と第2変調波信号B2)を用いる場合について説明した。レーザ光の吸収をより高感度で検出する観点からは、二つの変調波信号の両方を、強度がゼロとなるときの傾きの絶対値が同じ振幅及び同じ周波数を有する正弦波のそれよりも小さい波形とすることが好ましい。但し、二つの変調波信号のうちの一方にのみ本実施形態に係る変調波信号を適用しても、正弦波を用いた場合よりも高感度でレーザ光の吸収を検出することはできる。
また、変調波信号は必ずしも二つの異なる周波数の信号が用意される必要はなく、変調波信号が一つである場合でも、本発明を適用することは可能である。
また、本実施形態では、受光処理部3に差動アンプ12が設けられており、差動アンプによって、増幅信号Eが合成信号Cで差動増幅されることにより吸収信号Fが生成される。但し、本実施形態で説明した受光処理部3の構成はあくまで一例であり、その他の構成が採用されてもよい。例えば、合成信号Cを用いずに、増幅信号Eを線形補完することにより、レーザ光の吸収量を示す吸収信号Fが生成されてもよい。このような場合でも、本実施形態に係る変調波信号を用いることによる作用を奏することが可能である。
また、本実施形態では、変調波信号の好ましい波形として、式8で示される波形を例示した。但し、強度がゼロとなるときの傾きの絶対値が同じ振幅及び同じ周波数を有する正弦波のそれよりも小さい波形であれば、式8で示される波形とは別の波形を用いることも可能である。
例えば、変調波信号の波形として、正弦波の3乗により示される波形を用いることも可能である。図31は、正弦波の3乗により示される波形を示すグラフである。図31中、横軸は時刻tを示し、縦軸は信号強度を示している。図31には、比較のため、正弦波が点線で示されている。図31に示されるように、正弦波の3乗により示される波形も、強度がゼロとなるときの傾きの絶対値が、同じ振幅及び同じ周波数を有する正弦波のそれよりも小さい。
図32は、変調波信号の波形として、正弦波の3乗により示される波形を用いたときのシミュレーション結果を示している。図28と同様、図32中において、(a)は変調波信号の波形を示し、(b)は合成信号Cの波形を示し、(c)は吸収信号Fの波形を示し、(d)は復調信号の波形を示し、(e)は低周波成分信号の波形を示している。図32(e)に示されるように、低周波成分信号(H1又はH2)の波高値は、2149(A/D値)であり、正弦波を用いた場合(図29、30参照)よりも大きな値が得られた。
(第2の実施形態)
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。図33は、本実施形態に係る濃度計測装置1を示すブロック図である。本実施形態では、第1の実施形態に対して、受光処理部3の構成が工夫されている。具体的には、受光処理部3に、第1関数処理器20及び第2関数処理器21が追加されている。また、第1の実施形態とは異なり、第1変調波発生器8−1及び第2変調波発生器8−2は、正弦波の変調波信号を生成する。その他の点については、第1の実施形態と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
本実施形態では、レーザ光の波長が正弦波で変調される。従って、受光処理部3において、計測対象によるレーザ光の吸収量を示す信号(吸収信号F)は、図3で示したような波形となる。このままでは、第1の実施形態で説明したように、ローパスフィルタ通過後の信号の波高値は高くならない。そこで、第1関数処理器20及び第2関数処理器21により、吸収信号Fの波形が正弦波となるように、処理が行われる。
第1関数処理器20は、アナログ/デジタル変換器14と第1位相検波器15との間に設けられている。第2関数処理器21は、第1ローパスフィルタ16と第2位相検波器17との間に設けられている。第1関数処理器20は、第1変調波信号B1に対応して設けられており、第2関数処理器21は、第2変調波信号B2に対応して設けられている。第1関数処理器20と第2関数処理器21の実質的な処理内容は同じであるので、以下では第1関数処理器20の処理についてのみ、説明を行う。
第1関数処理器20は、アナログ/デジタル変換器14によりデジタルデータとされた吸収信号F(以下、デジタル吸収信号と称す)に対して、下記式9で示される関数を乗算する。
Figure 2010164375
上式9中、δは振幅係数を示し、λはレーザ光の波長を示す。レーザ光の波長は、正弦波で示される為、λ(t)は、下記式10で表される。
Figure 2010164375
上式10中、aは、第1変調波B1として用いた正弦波の振幅を示し、ωは変調に用いた正弦波の角周波数を示す。
上式9において、分母のexp(−1/2×λ(t))は、吸収信号Fを示している。従って、関数処理器20により変換された信号(変換吸収信号と称す)は、式9中の分子で表される正弦波形になる。
第1関数処理器20により生成された変換吸収信号は、以降、第1位相検波器15で位相検波された後、第1ローパスフィルタ16で低周波成分が抽出される。変換吸収信号の波形は、正弦波となっているため、第1の実施形態で説明したのと同様に、ローパスフィルタ通過後の信号の波高値を高くすることができ、計測対象によるレーザ光の吸収量を高感度で検出することができる。
また、本実施形態では、関数処理器(20、21)が、アナログ/デジタル変換器14の後段に設けられている。従って、正弦波形である変換吸収信号は、デジタル処理によって得られる。そして、変調波信号としては、正弦波が用いられる。第1の実施形態の式11で示したような信号は、傾きが急激に変化する点が存在する(図5参照)。このような波形の変調波信号を生成しようとする場合、生成された変調波信号に高調波成分が含まれ易い。これに対して、変調波信号として正弦波を用いれば、高調波成分を抑えることができ、ノイズ発生による悪影響を無くすことができる。
以上、第1、2の実施形態について説明した。但し、これらの実施形態は互いに独立するものではなく、矛盾の無い範囲内で組み合わせて使用することも可能である。
1 ガス濃度計測装置
2 発光制御部
3 受光処理部
4 レーザーダイオード
5 計測対象ガス領域
6 フォトダイオード
7 搬送波発生器
8−1 第1変調波発生器
8−2 第2変調波発生器
9 加算器
10 レーザダイオードドライバ
11 フォトダイオードアンプ
12 差動アンプ
13 ゲインアンプ
14 アナログ−デジタル変換器
15 第1位相検波器
16 第1ローパスフィルタ
17 第2位相検波器
18 第2ローパスフィルタ
19 ガス濃度算出部
20 第1関数処理器
21 第2関数処理器
22 吸収波形振幅
23 3倍高調波成分
24 5倍高調波成分
A 搬送波信号
B1 第1変調波信号
B2 第2変調波信号
C 合成信号
D 受光信号
E 計測信号
F 吸収信号
G1 第1復調信号
G2 第2復調信号
H1 第1低周波成分信号
H2 第2低周波成分信号

Claims (25)

  1. 計測対象に向けてレーザ光を出射するレーザーダイオードを、前記レーザ光の波長が第1変調波により変調されるように制御する発光制御部と、
    前記計測対象を透過した前記レーザ光を受光するフォトダイオードから受光信号を取得し、前記受光信号に基づいて、前記計測対象の濃度を計測する受光処理部と、
    を具備し、
    前記第1変調波は、強度がゼロとなるときの傾きの絶対値が、同じ振幅及び同じ周波数を有する正弦波のそれよりも小さい波形である
    濃度計測装置。
  2. 請求項1に記載された濃度計測装置であって、
    前記第1変調波の周波数はfであり、
    前記受光処理部は、
    前記受光信号に基づいて、周波数が2×fである成分を検波し、復調信号を生成する位相検波器と、
    前記復調信号の低周波成分を抽出し、低周波成分信号を生成するローパスフィルタと、
    前記低周波成分信号に基づいて、前記計測対象の濃度を算出する濃度算出部とを備える
    濃度計測装置。
  3. 請求項2に記載された濃度計測装置であって、
    前記受光処理部は、更に、前記受光信号を参照信号と比較することにより、前記計測対象による前記レーザ光の吸収量を示す吸収信号を生成する差動アンプ、を備え、
    前記位相検波器は、前記吸収信号に基づいて、前記復調信号を生成する
    濃度計測装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載された濃度計測装置であって、
    前記第1変調波の波形は、前記計測対象による前記レーザ光の吸収量の時間変化が正弦波となるような波形である
    濃度計測装置。
  5. 請求項4に記載された濃度計測装置であって、
    前記計測対象による光の吸収量が、波長に対してガウス分布を示す場合に、
    前記第1変調波の波形は、下記式1で示され、
    Figure 2010164375
    式1中、前記tは時間、前記λは波長、前記Tは周期、前記nは自然数、前記δは振幅係数を示す
    濃度計測装置。
  6. 請求項5に記載された濃度計測装置であって、
    前記δは、0.005以上、0.05以下である
    濃度計測装置。
  7. 請求項1乃至3のいずれかに記載された濃度計測装置であって、
    前記第1変調波の波形は、正弦波の3乗により表される波形である
    濃度計測装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載された濃度計測装置であって、
    前記発光制御部は、
    搬送波信号を生成する搬送波発生器と、
    前記第1変調波に対応する波形の第1変調波信号を生成する第1変調波発生器と、
    前記搬送波信号と前記第1変調波信号とを加算し、合成信号を生成する加算器と、
    前記合成信号に基づいて、前記レーザーダイオードに対する注入電流量を制御するレーザダイオードドライバとを備える
    濃度計測装置。
  9. 請求項8に記載された濃度計測装置であって、
    前記搬送波信号は、ランプ波である
    濃度計測装置。
  10. 請求項8又は9に記載された濃度計測装置であって、
    前記発光制御部は、更に、前記第1変調波とは異なる周波数である第2変調波信号を生成する第2変調波発生器を備え、
    前記加算器は、前記合成信号として、前記搬送波信号と前記第1変調波信号と前記第2変調波信号とを加算した信号を生成し、
    前記第2変調波信号発生器は、前記第2変調波信号として、前記第1変調波と同様に、強度がゼロとなるときの傾きの絶対値が、同じ振幅及び同じ周波数を有する正弦波のそれよりも小さい波形の信号を生成する
    濃度計測装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載された濃度計測装置であって、
    前記計測対象は、ガス成分である
    濃度計測装置。
  12. 計測対象に向けてレーザ光を出射するレーザーダイオードを、前記レーザ光の波長が正弦波により変調されるように制御する発光制御部と、
    前記計測対象を透過した前記レーザ光を受光するフォトダイオードから受講信号を取得し、前記受光信号に基づいて、前記計測対象の濃度を計測する受光処理部と、
    を具備し、
    前記受光処理部は、
    前記受信信号に基づいて、前記計測対象による前記レーザ光の吸収量を示す吸収信号を生成する吸収信号生成部と、
    前記吸収信号を、処理関数を用いて、波形が正弦波となるように変換し、変換吸収信号を生成する関数処理器とを備えている
    濃度計測装置。
  13. 請求項12に記載された濃度計測装置であって、
    前記関数処理器は、前記吸収信号に対して、下記式2で示される関数f(t)を乗算することにより、前記変換吸収信号を生成し、
    Figure 2010164375
    式2中、tは時刻、λはレーザ光の波長、δは振幅係数、nは自然数を示す
    濃度計測装置。
  14. 請求項12又は13の記載された濃度計測装置であって、
    前記受光処理部は、
    前記吸収信号をデジタル信号に変換してデジタル吸収信号を生成するアナログ/デジタル変換器を備え、
    前記関数処理器は、前記デジタル吸収信号に対して前記処理関数を用いた処理を行う
    濃度計測装置。
  15. 計測対象に向けてレーザ光を出射するレーザーダイオードを、前記レーザ光の波長が第1変調波により変調されるように制御するステップと、
    前記計測対象を透過した前記レーザ光を受光し、受光信号を生成するステップと、
    前記受光信号に基づいて、前記計測対象の濃度を計測するステップと、
    を具備し、
    前記第1変調波は、強度がゼロとなるときの傾きの絶対値が、同じ振幅及び同じ周波数を有する正弦波のそれよりも、小さい波形である
    濃度計測方法。
  16. 請求項15に記載された濃度計測方法であって、
    前記第1変調波の周波数はfであり、
    前記濃度を計測するステップは、
    前記受光信号に基づいて、周波数が2×fである成分を検波し、復調信号を生成するステップと、
    前記復調信号の低周波成分を抽出し、低周波成分信号を生成するステップと、
    前記低周波成分信号に基づいて、前記計測対象の濃度を算出するステップとを備える
    濃度計測方法。
  17. 請求項16に記載された濃度計測方法であって、
    前記濃度を計測するステップは、更に、
    前記受光信号を参照信号と比較することにより、前記計測対象による前記レーザ光の吸収量を示す吸収信号を生成するステップを備え、
    前記復調信号を生成するステップは、前記吸収信号に基づいて、前記復調信号を生成するステップを含んでいる
    濃度計測方法。
  18. 請求項15乃至17のいずれかに記載された濃度計測方法であって、
    前記計測対象による光の吸収量が、波長に対してガウス分布を示す場合に、
    前記第1変調波は、前記計測対象による前記レーザ光の吸収量の時間変化が正弦波となるような波形である
    濃度計測方法。
  19. 請求項18に記載された濃度計測方法であって、
    前記第1変調波の波形λ(t)は、下記式1で示され、
    Figure 2010164375
    式3中、前記tは時間、前記λは波長、前記Tは周期、前記nは自然数、前記δは振幅係数を示す
    濃度計測方法。
  20. 請求項19に記載された濃度計測方法であって、
    前記δは、0.005以上、0.05以下である
    濃度計測方法。
  21. 請求項15乃至17のいずれかに記載された濃度計測方法であって、
    前記第1変調波の波形は、正弦波の3乗により表される波形である
    濃度計測方法。
  22. 請求項15乃至21のいずれかに記載された濃度計測方法であって、
    前記制御するステップは、
    搬送波信号を生成するステップと、
    前記第1変調波に対応する波形の第1変調波信号を生成するステップと、
    前記搬送波信号と前記第1変調波信号とを加算し、合成信号を生成するステップと、
    前記合成信号に基づいて、前記レーザーダイオードに対する注入電流量を制御するステップとを備える
    濃度計測方法。
  23. 請求項22に記載された濃度計測方法であって、
    前記搬送波信号を生成するステップは、前記搬送波信号としてランプ波を生成するステップを含む
    濃度計測方法。
  24. 請求項22又は23に記載された濃度計測方法であって、
    前記制御するステップは、更に、前記第1変調波とは異なる周波数の波形で第2変調波信号を生成するステップを備え、
    前記合成信号を生成するステップは、前記合成信号として、前記搬送波信号と前記第1変調波信号と前記第2変調波信号とを加算した信号を生成するステップを含み、
    前記第2変調波信号の波形は、前記第1変調波と同様に、強度がゼロとなるときの傾きの絶対値が、同じ振幅及び同じ周波数を有する正弦波のそれよりも、小さい波形である
    濃度計測方法。
  25. 請求項15乃至24のいずれかに記載された濃度計測方法であって、
    前記計測対象は、ガス成分である
    濃度計測方法。
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