JP5163508B2 - ガス濃度測定装置 - Google Patents

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本発明は、レーザ光に対する吸収を利用して被測定ガス中の特定成分の濃度を測定するガス濃度測定装置に関する。
ガス濃度測定法の1つとして、従来より、波長可変半導体レーザ吸収分光(Tunable Diode Laser Absorption Spectroscopy、以下「TDLAS」と略す)測定法が広く知られている(例えば非特許文献1など参照)。
TDLAS測定法では、周波数fで変調したレーザ光を被測定ガスが充満された測定セルに照射し、該ガス中を通過した後のレーザ光の強度を光検出器により検出する。様々なガス成分はそれぞれ特有の波長を持つ光を吸収する。そのため、レーザ光の波長を上記変調周波数fよりも十分に低い周波数でもって走査したとき、目的とするガス成分に固有の波長付近でレーザ光は強い吸収を受ける。この吸収は変調周波数fの高調波成分として現れる。そこで、光検出器による検出信号から変調周波数fの倍波成分のみをロックインアンプにより抽出し、その倍波成分の信号の大きさから被測定ガス中の目的成分の濃度を求める。
このTDLAS測定法は、被測定ガスに光検出器などが接触しない非接触測定法であるため、被測定ガスの場を乱すことなく測定が可能である、応答時間がきわめて短くほぼリアルタイムの濃度測定が可能である、高感度測定が可能である、といった利点を有している。
上記非特許文献1の図2(Fig.2)にも記載されているように、通常、ロックインアンプでロックイン動作を行うには、倍波成分を含む測定信号のほかに基準となる参照信号が必要となる。一般に、参照信号は測定信号とは別に信号生成回路などから与えられる。しかしながら、ロックインアンプで相異なる2つの信号を扱うことで、信号処理に必要な回路の規模が増大するとともに、信号生成回路などとの信号のやり取りが必要となる。このため、コスト的に不利であるとともに、装置の小形・軽量化にも不利である。
また、レーザダイオードなどのレーザ光源の駆動電流を直接変調するTDLAS測定法では、測定信号と参照信号との位相差の時間ゆらぎや参照信号の周波数の精度誤差などが、高感度なガス濃度測定におけるノイズの一因となる。
レイド(J. Reid)、ラブリエ(D. Labrie)、「セカンド-ハーモニック・デテクション・ウィズ・チューナブル・ダイオード・レーザーズ−コンパリソン・オブ・イクスペリメント・アンド・セオリー(Second-Harmonic Detection with Tunable Diode Lasers − Comparison of Experiment and Theory)」、アプライド・フィジックス(Appl. Phys.)、B26、1981年、 p.203−210
本発明は上記課題に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、測定信号に含まれる高調波成分を抽出するために外部からの参照信号を不要とすることで、電気回路の小規模化、装置の小形・軽量化を図るとともに、参照信号を用いることによるノイズ要因を排除して高精度なガス濃度測定を行うことができる、TDLAS測定法によるガス濃度測定装置を提供することにある。
上記課題を解決するために成された本発明は、出射するレーザ光の波長が可変であるレーザ光源と、所定周波数fで変調を施すとともに該周波数fよりも低い周波数で所定波長範囲を波長走査するように前記レーザ光源を駆動するレーザ駆動部と、被測定ガスが導入される測定セルと、前記レーザ光源から出射されたレーザ光が前記測定セルを通過した後に検出する光検出部と、を具備し、前記光検出部により得られる信号に含まれる高調波成分に基づいて被測定ガス中の特定成分の濃度を求めるガス濃度測定装置において、
a)前記光検出部により得られる測定信号自体に含まれる変調周波数成分を用いてn次(nは2以上の整数)高調波の交流信号を参照信号として生成する参照信号生成手段と、
b)前記参照信号生成手段により生成された参照信号を用いて前記測定信号を位相敏感検波した後に、不要な交流成分を除去するローパスフィルタを通す信号抽出手段と、
c)所定波長範囲の走査に伴って前記信号抽出手段から出力される信号に基づいて被測定ガス中の特定成分を定量化する演算処理手段と、
を備えることを特徴としている。
TDLAS測定法を用いたガス濃度測定装置では、測定セルを通過してきたレーザ光を検出する光検出部で得られる測定信号からn次高調波成分を抽出する必要があるが、この測定信号には元の変調周波数成分fも含む。そこで本発明に係るガス濃度測定装置ではこれを利用し、参照信号生成手段において測定信号に含まれる変調周波数成分からn次高調波成分を取り出し、それを参照信号として信号抽出手段に供給する。測定信号に含まれる変調周波数成分からn次高調波成分を生成する手段はいくつか考えられるが、いずれにしても、生成された信号に元の変調周波数成分や目的とするn次高調波成分以外の高調波成分が含まれることは避けられない。そこで、目的とするn次高調波成分以外の周波数成分を除去するためにバンドパスフィルタを通す。
本発明に係るガス濃度測定装置の一態様として、上記参照信号生成手段は、アナログ電圧信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、前記デジタル信号それ自体をn回掛け合わせることで変調周波数fのn倍波を生成する乗算手段と、該乗算手段による出力に対して変調周波数fのn倍波以外の不要成分を除去するバンドパスフィルタと、を含む構成とすることができる。
また本発明に係るガス濃度測定装置の別の態様として、上記参照信号生成手段は、上記乗算手段に代えてデジタルPLL(位相同期ループ)により変調周波数fのn倍波を生成する構成とすることもできる。
これら態様では、参照信号の生成やその後の信号抽出動作をデジタル回路で行うことができるので、動作の安定性を高めることができ、LSI化にも向いているので装置の小形・軽量化に有利である。
また本発明に係るガス濃度測定装置において、上記信号抽出手段は、前記測定信号と前記参照信号とを掛け合わせた後に不要な交流成分を除去するローパスフィルタを通す位相敏感検波を行うロックインアンプを用いることができる。また、測定信号と参照信号との乗算ではなく、スイッチング素子を用いた位相敏感検波を行うロックインアンプを用いてもよい。
原理的に、位相敏感検波(PSD=Phase Sensitive Detection)は目的の周波数成分を直流成分に周波数変換するものであるため、ローパスフィルタで交流成分を遮断して直流成分を取り出せばよいが、TDLAS測定法では波長走査に伴う吸収ピークを求める必要がある。そのため、ローパスフィルタのカットオフ周波数を低くし過ぎると、吸収ピーク自体が鈍ってピーク強度(振幅)の正確な把握が困難になる。そこで、ローパスフィルタのカットオフ周波数はレーザ光の波長走査の周波数に応じて決められていることが好ましい。例えば、レーザ光の波長走査の周波数が可変であるような構成の場合には、ローパスフィルタのカットオフ周波数も可変とすることが好ましい。
吸収ピークの波形形状を損なわず且つ不要な交流信号成分を十分に除去するには、ローパスフィルタのカットオフ周波数をレーザ光の波長走査の周波数の5〜10倍程度、より好ましくは9倍程度にするとよい。これによれば、被測定ガス中の特定成分の濃度をより高い精度、より高い感度で求めることができる。
本発明に係るガス濃度測定装置によれば、測定信号から目的とする高調波成分を抽出するために外部からの参照信号を必要としないため、回路や装置の規模を小さくすることができ、コスト低減や装置の小形・軽量化に有利である。また、測定信号自体から参照信号を生成するため、測定信号と参照信号との位相差や周波数差などが問題とならず、従来よりもさらに高精度なガス濃度測定を行うことができる。さらにまた、従来の構成でデジタル信号処理するためには、測定信号及び参照信号にそれぞれA/D変換器が必要であり、その変換の個体差もノイズの一因となり得るが、本発明に係るガス濃度測定装置によれば、そうした問題が生じることもない。
本発明の一実施例であるガス濃度測定装置の概略構成図。 レーザ光の波長(周波数)変化を模式的に示す図。 ロックインアンプの入力端における測定信号の波形図の一例(a)、及び、この測定信号に対して得られるロックインアンプの出力信号の波形図。 従来方法と本発明による方法とのガス濃度計測結果を示す図。 ローパスフィルタのカットオフ周波数と吸収ピーク波形との関係を実測により求めた結果を示す図。 変形例によるロックインアンプのブロック構成図。 変形例によるロックインアンプのブロック構成図。
以下、本発明に係るガス濃度測定装置の一実施例について、添付の図面を参照して説明する。図1は本実施例によるガス濃度測定装置の概略構成図である。
本実施例のガス濃度測定装置において、レーザダイオード(LD)1は、制御部8の制御の下にレーザ駆動部2から供給される駆動電流に応じて、周波数fで変調されたレーザ光を測定セル3に照射する。レーザダイオード1としては例えばDFB(Distributed Feedback)型レーザで近赤外領域〜中赤外領域の波長のものを用いることができるが、これ以外でもよい。
測定セル3には被測定ガスが導入されており、照射されたレーザ光は測定セル3を通過する間に被測定ガス中の成分による吸収を受ける。そうして吸収を受けた後のレーザ光がフォトダイオード(PD)4に到達し、フォトダイオード4は受光強度に応じた電流信号を出力する。この電流信号はPDアンプ5に入力され、PDアンプ5は電流信号を電圧信号に変換した上で増幅し、これを測定信号としてロックインアンプ6に入力する。ロックインアンプ6は、後述する原理により測定信号から参照信号を生成し、その測定信号から参照信号と同じ周波数を持つ信号成分のみを抽出する。信号処理部7は、抽出された信号成分に対し所定の演算処理を実行することにより、被測定ガス中の目的成分の濃度を計算する。
このガス濃度測定装置の測定原理と測定動作とを説明する。レーザ駆動部2は、所定の変調周波数fで変調を施す駆動電流と、被測定ガス中の目的成分の吸収スペクトル付近の所定の波長範囲に亘る波長走査を、変調周波数fよりも十分に低い周波数の周期で繰り返すための駆動電流とを加算してレーザダイオード1に供給する。これにより、レーザダイオード1は時間経過に伴って波長が変化し、且つ所定の振幅で周波数変調が施されたレーザ光を出射する。図2はレーザ光の波長(周波数)変化を模式的に示す図である。
測定セル3を通過する前のレーザ光は、波長走査の周波数成分を除けば変調周波数fの成分しか含まないが、測定セル3中で被測定ガス中の目的成分の光吸収により変調周波数fに歪みが生じ高調波成分が生成される。一般に、高調波成分のうち2次高調波(倍波)成分の波形はガス成分による吸収ピーク波形と相似形となっており、ピークの高さがガス成分濃度に比例する。そこで、ロックインアンプ6においてPDアンプ5による電圧信号から2次高調波成分を抽出し、この高調波成分の波形からガス成分濃度を計算する。
ロックインアンプ6の構成と動作を詳しく述べる。
PDアンプ5から出力されたアナログ電圧信号である測定信号は、まずA/D変換器61により所定のサンプリング周期でサンプリングされてデジタル信号に変換される。デジタル化された測定信号は第1乗算器62及び第2乗算器63に入力される。第2乗算器63は上記測定信号自体を掛け合わせる(つまり2乗する)。測定信号は元の変調周波数fの成分を有する。したがって、次の(1)式により周波数が変調周波数fの2倍である信号成分が生成されることになる。
sin2f=(1/2)・(1−cos2f) …(1)
測定信号には変調周波数fの信号成分及びその2次高調波成分のほか、さらに高次の高調波成分も含まれる。そのため、上記(1)式に従って、それら高調波成分からも周波数が2倍の信号成分が生成される。その結果、第2乗算器63の出力信号には2次高調波成分以外の多様な周波数成分が含まれるため、2次高調波成分のみを通過させる周波数帯域を有するバンドパスフィルタ(BPF)64に出力信号を通し、これを参照信号として第1乗算器62に入力する。
第1乗算器62は元の測定信号と上記の参照信号とを掛け合わせる。上述のように、測定信号は変調周波数fとその高調波周波数2f、3f、…の成分とを含む。一方、参照信号は2次高調波周波数2fの成分のみを含む。測定信号と参照信号との掛け合わせにより、次の(2)式に示す周波数変換が行われる。
sinα・cosβ=(1/2)・{sin(α+β)+sin(α−β)} …(2)
ここで、αは測定信号の周波数、βは参照信号の周波数である。α=2f、β=2fとおけば、周波数が「4f」である成分と「0」である成分とが生成されることが分かる。この「0」の成分が直流成分であり、測定信号の2次高調波成分は直流成分に周波数変換されることになる。
測定信号の周波数成分は2fのみではないため、第1乗算器62の出力信号には周波数が4f以外の、変調周波数の整数倍の成分も含まれる。そこで、これら不要な交流成分を除去するために、第1乗算器62の出力信号をローパスフィルタ(LPF)65に通す。ローパスフィルタ65のカットオフ周波数は低ければ低いほど交流成分の除去性能は上がるが、波長走査に伴って発生する吸収ピーク波形については除去されないようにする必要がある。そのため、後述するようにローパスフィルタ65のカットオフ周波数を適切に定めることにより、(2)式で表される直流成分の時間的な変化に伴う吸収ピーク波形を得る。
図3(a)はロックインアンプ6の入力端における測定信号の波形図の一例、図3(b)はこの測定信号に対して得られるロックインアンプ6の出力信号の波形図である。図3(a)の測定信号では、変調周波数fの信号及びその高調波信号の包絡線のみが明瞭に現れ、ガス成分による吸収ピーク波形は観測できない。これに対し、上述したようなロックインアンプ6の動作により変調周波数fの2次高調波成分以外が除去されると、図3(b)のように吸収ピーク波形が明瞭に観測されるようになる。
この吸収ピーク波形のピーク・トゥ・ピークの高さ(以下、「吸収ピーク波形の高さ」と記す)が被測定ガス中の目的成分濃度に比例する。目的成分濃度の絶対値を求めるには、予め目的成分濃度が既知である標準ガスの測定を実行し、吸収ピーク波形の高さを求めて、濃度と吸収ピーク波形の高さとの関係を示す検量線を作成して信号処理部7の内部メモリに記憶しておく。そして、未知濃度の目的成分を含む被測定ガスの測定を実行して吸収ピーク波形が得られたならば、信号処理部7はその吸収ピーク波形の高さを求め、内部メモリに記憶してある検量線を参照して濃度を算出する。
このガス濃度測定装置で濃度測定対象である成分は特に限定されない。光に対する吸収波長は成分毎に異なるから、目的成分に応じて波長走査を行う波長範囲を変更しさえすればよい。
ガス濃度測定の具体例として、一酸化炭素(CO)の測定を行った実験例を説明する。この実験では、一酸化炭素の濃度を一定に維持した上で、濃度測定値のゆらぎを測定した。図4は従来方法と本発明による方法との測定結果を比較したものである。(a)は従来の、つまり参照信号を外部から取り込んでロックインアンプ動作を行った場合のガス濃度計測値である。平均測定値S、標準偏差σに対し、S/2σをSN比とすると、SN比が170と求まる。(b)は本発明による方法の、つまり測定信号自体から参照信号を生成してロックインアンプ動作を行った場合のガス濃度計測値であり、この場合にはSN比は200と計算できる。即ち、測定信号自体から参照信号を生成することにより、SN比が高くなり、測定感度が向上していることが分かる。これは、測定信号と参照信号との位相差の時間ゆらぎや参照信号の周波数の精度誤差などの影響がないことによるものと推測できる。
前述したように、本実施例のガス濃度測定装置においてガス濃度測定を正確に行うには、ローパスフィルタ65のカットオフ周波数を適切に設定することが必要である。図5は、ローパスフィルタのカットオフ周波数と吸収ピーク波形との関係を実測により求めた結果を示す図である。ここで波長走査の周波数は10[Hz]である。
図5から明らかなように、カットオフ周波数を90[Hz]とした場合には、交流成分が重畳しない、きれいな吸収ピーク波形が得られている。これに対し、カットオフ周波数を40[Hz]とした場合には、吸収ピーク波形の高さがかなり小さくなっている。これは、ローパスフィルタにより吸収ピーク波形の周波数成分自体が減衰されていることによる。一方、カットオフ周波数を300[Hz]とした場合には、吸収ピーク波形に交流成分が重畳してしまっている。これは、ローパスフィルタにより、不要な交流成分が除去しきれないことを意味する。
走査周波数を10[Hz]、カットオフ周波数を90[Hz]とした場合に適切な吸収ピーク波形が得られるのは、吸収ピーク波形自体が走査周波数の9倍程度の(実際には9倍よりもやや低い)周波数成分を有しているためと考えられる。レーザの発振波長範囲は走査周波数に依らず一定であり、走査周波数は波長走査の繰り返し速度を決めているにすぎない。したがって、走査周波数の値に拘わらず、吸収ピーク波形はそのときの走査周波数の9倍程度の周波数成分を持つ筈であるから、ローパスフィルタ65のカットオフ周波数はこの周波数成分に合わせればよい。例えば、走査周波数が10[Hz]であればカットオフ周波数を90[Hz]とし、走査周波数が100[Hz]であればカットオフ周波数を900[Hz]とすればよい。
一酸化炭素以外のガス濃度測定の例として、メタンガス(CH)について、上記一酸化炭素測定と同じ走査周波数、同じ波長域で測定実験を行ったところ、一酸化炭素と同様にカットオフ周波数を90[Hz]としたときに最適な吸収ピーク波形が得られた。これより今回の波長域においては、メタンガスは一酸化炭素とほぼ同じ吸収ピーク波形を有しており、同じ90[Hz]のカットオフ周波数で測定が行えることが確かめられた。
但し、測定するガスの種類が異なる場合や同じガスでも測定に用いるピークが異なる場合に、吸収ピーク波形が変化することがある。また、レーザの発振波長範囲が異なる場合にも吸収ピーク波形の持つ周波数成分は変化する。このような場合、ローパスフィルタのカットオフ周波数を調整して新たな最適値を設定することが必要である。
以上のように、本実施例のガス濃度測定装置では、外部からの参照信号を用いることなく、測定信号に含まれる2次高調波成分を抽出し、これに基づいて目的成分濃度を高い精度及び感度で求めることが可能となる。なお、目的成分濃度を求めるために、2次以上の高次の高調波成分を用いることも原理的には可能であるが、一般にそうした高次の高調波成分に由来する吸収ピーク波形は2次高調波成分に由来する吸収ピーク波形よりも小さくなるので、濃度を正確に算出するには不利である。
次に、上記実施例とはロックインアンプの構成が相違する、他の実施例のガス濃度測定装置を説明する。図6及び図7はそれぞれ変形例によるロックインアンプ6B、6Cのブロック構成図である。
図6に示したロックインアンプ6Bは、上記実施例のガス濃度測定装置におけるロックインアンプ6が備えていた第2乗算器63の代わりにデジタルPLL(Phase Locked Loop)66を備える。即ち、A/D変換器61でデジタル化された測定信号は、第1乗算器62とデジタルPLL66とに並行に入力される。デジタルPLL66は、位相比較器、発振器、1/2分周器などを機能として含み、入力された測定信号の倍波成分を生成する。測定信号に含まれる2次高調波以上の高調波の倍波成分も生成されてしまう点は、自らを掛け合わせる第1乗算器62と同じであり、バンドパスフィルタ64を通して2次高調波成分のみを取り出す。
図7に示したロックインアンプ6Cは、図6に示したロックインアンプ6Bと同様の機能をデジタル処理でなくアナログ的に実行するものである。そのために、入力された測定信号をデジタル化することなく、アナログPLL67と位相敏感検波部68に入力する。アナログPLL67は測定信号に含まれる変調周波数fから2倍の高調波成分を生成し、バンドパスフィルタ64によりその成分のみを取りだして参照信号(基準位相信号)として位相敏感検波部68に与える。位相敏感検波部68は例えば、参照信号を矩形波とし、乗算器として測定信号とその反転信号とを上記矩形波によりスイッチングする構成とする。これにより、デジタル乗算器と同様に、周波数変換を達成することができる。
なお、上記実施例はいずれも本発明の一例であり、本発明の趣旨の範囲で適宜に変形や修正、追加などを行っても、本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
1…レーザダイオード(LD)
2…レーザ駆動部
3…測定セル
4…フォトダイオード(PD)
5…PDアンプ
6、6B、6C…ロックインアンプ
61…A/D変換器
62…第1乗算器
63…第2乗算器
64…バンドパスフィルタ
65…ローパスフィルタ
66…デジタルPLL
67…アナログPLL
68…位相敏感検波部
7…信号処理部
8…制御部

Claims (4)

  1. 出射するレーザ光の波長が可変であるレーザ光源と、所定周波数fで変調を施すとともに該周波数fよりも低い周波数で所定波長範囲を波長走査するように前記レーザ光源を駆動するレーザ駆動部と、被測定ガスが導入される測定セルと、前記レーザ光源から出射されたレーザ光が前記測定セルを通過した後に検出する光検出部と、を具備し、前記光検出部により得られる信号に含まれる高調波成分に基づいて被測定ガス中の特定成分の濃度を求めるガス濃度測定装置において、
    a)前記光検出部により得られる測定信号自体に含まれる変調周波数成分を用いてn次(nは2以上の整数)高調波の交流信号を参照信号として生成する参照信号生成手段と、
    b)前記参照信号生成手段により生成された参照信号を用いて前記測定信号を位相敏感検波した後に、不要な交流成分を除去するローパスフィルタを通す信号抽出手段と、
    c)所定波長範囲の走査に伴って前記信号抽出手段から出力される信号に基づいて被測定ガス中の特定成分を定量化する演算処理手段と、
    を備えることを特徴とするガス濃度測定装置。
  2. 請求項1に記載のガス濃度測定装置であって、
    前記参照信号生成手段は、アナログ電圧信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、前記デジタル信号それ自体をn回掛け合わせることで変調周波数fのn倍波を生成する乗算手段と、該乗算手段による出力に対して変調周波数fのn倍波以外の不要成分を除去するバンドパスフィルタと、を含むことを特徴とするガス濃度測定装置。
  3. 請求項1又は2に記載のガス濃度測定装置であって、
    前記信号抽出手段は、前記測定信号と前記参照信号とを掛け合わせた後に不要な交流成分を除去するローパスフィルタを通す位相敏感検波を行うロックインアンプであることを特徴とするガス濃度測定装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のガス濃度測定装置であって、
    前記ローパスフィルタのカットオフ周波数がレーザ光の波長走査の周波数に応じて決められていることを特徴とするガス濃度測定装置。
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