JP2012177612A - 信号処理装置およびレーザ計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】受光信号から所望の信号成分を高い精度で検出することができる信号処理装置およびレーザ計測装置を提供すること。
【解決手段】フィルタ処理部が、設定周波数の成分を含むデジタルの信号を供給する信号供給部と、信号供給部から設定周波数の成分を抽出するフィルタ特性を変更可能なデジタルフィルタと、デジタルフィルタで処理された信号を変換するD/A変換器と、受光信号からD/A変換器から出力された信号を減算し、受光信号から設定された周波数成分を減算する減算処理部と、減算処理部から出力された信号を変換し、変換した信号をスペクトル信号抽出器に出力するA/D変換器と、A/D変換器からスペクトル信号抽出器に出力する信号を取得し、当該信号に含まれる前記設定周波数の成分に基づいて前記デジタルフィルタのパラメータを調整する所定の時間応答でパラメータ調整部と、を有すること。
【選択図】図2

Description

本発明は、レーザ吸収分光法により測定対象のガスの物理量を算出するレーザ計測に用いる信号処理装置およびレーザ計測装置に関する。
管路内を流れるガス(気体)を分析する方法として、レーザ光を測定光として用いる方法がある。例えば、特許文献1には、一定電流に重畳された第1の交流成分を有する電流で変調され、温度に応じて波長が変化するレーザ光を発振するレーザと、検知雰囲気通過後のレーザ光の強度を電圧に変換する光強度電圧変換器と、該光強度電圧変換器の出力電圧を位相敏感検波する2つの位相敏感検波器と、一方の位相敏感検波器から得られる1次の位相敏感検波信号と他方の位相敏感検波器から得られる2次の位相敏感検波信号とに基づいて検知雰囲気の濃度を検知するガス検知装置が記載されている。
また、特許文献2には、レーザ光を出射するレーザ素子と、レーザ光を基本波で周波数変調する周波数変調部と、周波数変調されたレーザ光を検出する光検出部と、光検出部にて検出されたレーザ光から基本波成分を検出する基本波成分検出部と、光検出部にて検出されたレーザ光から2倍波成分を検出する2倍波成分検出部と、光検出部にて検出された基本波成分と2倍波成分との振幅比に基づいて測定対象ガスの濃度を算出するガス濃度算出部と、を有するガス濃度測定装置が記載されている。また、当該ガス濃度測定装置は、レーザ光から検出された基本波成分と2倍波成分との振幅比を算出する振幅比算出部と、基本波成分と2倍波成分との振幅比に基づいてレーザ素子の温度を設定する温度設定部と、吸収ピーク波長からシフトされた波長を基準とする波長変調を行った時の基本波成分と2倍波成分との振幅比に基づいてレーザ素子の駆動電流を制御する駆動電流制御部とを備える。
特許第2796649号明細書 特開2008−147557号公報
特許文献1および特許文献2に記載されているように、測定光として波長変調を行いつつ出力したレーザ光を用い、当該レーザ光の吸収を計測することで、測定対象物質の濃度等の物理量を計測することができる。レーザ光を用いてガス濃度を計測することで高い応答性でガス濃度を計測することができる。
受光部がレーザ光を受光して生成する受光信号には、種々のノイズが含まれる。そのため、受光信号からノイズを除去し、必要な成分(例えば波長変調を行う変調周波数に対応する信号成分)を抽出するために各種信号処理を行う。この信号処理としては、ロックインアンプで、ロックイン処理およびローパス処理を行い特定のスペクトル信号を抽出する方法がある。しかしながら、検出対象の信号はノイズに対して出力が小さいため、高精度な検出を行う場合は、ロックインアンプによる処理前にFIRフィルタや、バンドパスフィルタ等を設け、ロックインアンプの処理対象の周波数成分を抽出する、つまりロックインアンプの処理対象の周波数成分以外の周波数成分を低減させる処理を行う。
ここで、FIRフィルタやバンドパスフィルタを用いた処理では、ノイズを十分に低減できない場合があったり、ノイズを十分に低減するために多くの計算を実行する必要があったりする。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、受光信号から所望の信号成分を高い精度で検出することができる信号処理装置およびレーザ計測装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、流体が流れる計測セルと、測定対象のガスに固有な吸収波長を含む波長域のレーザ光を変調周波数で波長を変調しつつ出力し、前記計測セルに入射させる発光部と、前記入射部から入射され、前記計測セルを通過し、前記出射部から出射された前記レーザ光を受光し、受光した光量を受光信号として出力する受光部と、を有し、前記受光信号に基づいて前記計測セルを流れる測定対象のガスの物理量を算出するレーザ計測装置に適用され、前記受光部が受光した受光信号を処理し、前記計測セルを流れる測定対象のガスの物理量の算出に用いるスペクトル信号を出力する信号処理装置であって、前記指定周波数よりも出力が大きい設定周波数の出力を低減するフィルタ処理部と、前記フィルタ処理部で処理された信号にスペクトル信号抽出処理を行い、前記スペクトル信号を抽出するスペクトル信号抽出器と、を含み、前記フィルタ処理部は、前記設定周波数の成分を含むデジタルの信号を供給する信号供給部と、前記信号供給部から前記設定周波数の成分を抽出するフィルタ特性を変更可能なデジタルフィルタと、前記デジタルフィルタで処理された信号をデジタルからアナログに変換するD/A変換器と、前記受光信号から、前記D/A変換器から出力された信号を減算し、前記受光信号から設定された周波数成分を減算する減算処理部と、前記減算処理部から出力された信号をアナログからデジタルに変換し、変換した信号を前記スペクトル信号抽出器に出力するA/D変換器と、前記A/D変換器から前記スペクトル信号抽出器に出力する信号を取得し、当該信号に含まれる前記設定周波数の成分に基づいて前記デジタルフィルタのパラメータを所定の時間応答で調整するパラメータ調整部と、を有することを特徴とする。
ここで、前記信号供給部は、前記受光信号をアナログからデジタルに変換し、変換したデジタルの信号を前記デジタルフィルタに供給する受光信号A/D変換器であることが好ましい。
また、前記信号供給部は、前記指定周波数成分以外の設定周波数の成分を含むデジタルの信号を生成する信号生成部であることが好ましい。
また、前記設定周波数は、前記変調周波数であることが好ましい。
また、前記デジタルフィルタは、FIRフィルタであることが好ましい。
また、前記パラメータ調整部は、当該信号に含まれる前記設定周波数の成分をLMSアルゴリズムで処理し、処理結果に基づいて前記パラメータを調整することが好ましい。
また、前記信号処理部は、前記受光信号から経路特性を推定する特性推定部と、前記特性推定部で検出した経路特性に基づいて初期パラメータを算出する初期パラメータ設定部と、をさらに有し、前記パラメータ調整部は、前記初期パラメータ設定部で算出された初期パラメータに基づいて前記デジタルフィルタのパラメータを調整することが好ましい。
また、前記特性推定部は、前記受光信号をデジタル信号に変換した信号を処理して経路特性を推定することが好ましい。
また、前記指定周波数は、前記変調周波数を整数倍した周波数であることが好ましい。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明はレーザ計測装置であって、上記のいずれかに記載の信号処理装置と、流体を流す流路と連結可能な主管、前記主管に連結し、光が通過可能な窓部が形成された入射部、前記主管に連結し光が通過可能な窓部が形成された出射部と、を含む計測セルと、測定対象のガスに固有な吸収波長を含む波長域のレーザ光を変調周波数で波長を変調しつつ出力し、前記入射部に入射させる発光部と、前記入射部から入射され、前記計測セルを通過し、前記出射部から出射された前記レーザ光を受光し、受光した光量を受光信号として出力する受光部と、前記スペクトル信号に基づいて、前記計測セルを流れる測定対象のガスの物理量を算出する物理量算出部と、各部の動作を制御する制御部と、を有することを特徴とする。
また、前記物理量算出部が算出する物理量は、前記測定対象のガスの濃度であることが好ましい。
また、前記物理量算出部は、前記発光部から出力したレーザ光の強度と、前記受光部で受光したレーザ光の強度とに基づいて、前記測定対象の物質の濃度を算出することが好ましい。
本発明にかかる信号処理装置およびレーザ計測装置は、受光信号から所望の信号成分を高い精度で検出することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の信号処理装置を有するレーザ計測装置の一実施形態の概略構成を示す模式図である。 図2は、図1に示すレーザ計測装置の信号処理部の概略構成を示すブロック図である。 図3は、受光信号の出力分布を示すグラフである。 図4は、信号処理部の処理を説明するための説明図である。 図5は、信号処理部の処理を説明するための説明図である。 図6は、信号処理部の処理を説明するための説明図である。 図7は、信号処理部の処理を説明するための説明図である。 図8は、信号処理部の処理を説明するための説明図である。 図9は、信号処理部の処理を説明するための説明図である。
以下に、本発明にかかる信号処理装置およびレーザ計測装置の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。なお、レーザ計測装置は、流路を流れる種々の気体(ガス)等の流体に含まれる測定対象の物質(ガス、特定の成分)の物理量(濃度、量)を計測することができる。レーザ計測装置は、例えば、ディーゼルエンジンに取付、ディーゼルエンジンから排出される排ガスに含まれる窒素酸化物、硫化酸化物、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア等の濃度等を計測してもよい。なお、測定対象のガスを排出(供給)する装置は、これに限定されず、ガソリンエンジンや、ガスタービン等種々の内燃機関に用いることができる。また、内燃機関を有する装置としては、車両、船舶、発電機等種々の装置が例示される。さらに、レーザ計測装置は、ゴミ焼却炉、ボイラ等の燃焼機器から排出される排ガスに含まれる測定対象の物質の濃度等を計測することもできる。なお、以下の実施形態では、配管を流れる排ガスに含まれる測定物質の濃度を計測する場合として説明する。
図1は、本発明の信号処理装置を有するレーザ計測装置の一実施形態の概略構成を示す模式図である。図1に示すようにレーザ計測装置10は、計測セル12と、計測手段14と、を有する。ここで、レーザ計測装置10は、排ガスAが流れる配管6と配管8との間に設けられている。また、排ガスAは、配管6の上流側から供給され、配管6、レーザ計測装置10、配管8を通過し、配管8よりも下流に排出される。なお、配管6の上流側には、排ガスの発生装置(供給装置)が配置されている。
計測セル12は、基本的に主管20と、入射管22と、出射管24とを有する。また、入射管22には、窓26が設けられており、出射管24には、窓28が設けられている。主管20は、筒状の管状部材であり、一方の端部が配管6と連結され、他方の端部が配管8と連結されている。つまり、主管20は、排ガスAが流れる流路の一部となる位置に配置されている。これにより、排ガスAは、配管6、主管20、配管8の順に流れる。また、配管6を流れる排ガスAは、基本的に全て主管20を流れる。
入射管22は、管状部材であり、一方の端部が主管20に連結されている。また、主管20は、入射管22との連結部が、入射管22の開口(端部の開口)と略同一形状の開口となっている。つまり、入射管22は、主管20と、空気の流通が可能な状態で連結されている。また、入射管22の他方の端部には、窓26が設けられており、窓26により封止されている。なお、窓26は、光を透過する部材、例えば、透明なガラス、樹脂等で構成されている。これにより、入射管22は、窓26が設けられている端部が、空気が流通しない状態で、かつ、光が透過できる状態となる。
入射管22は、図1に示すように、窓26側の端部の開口(つまり、窓26により塞がれている開口)の面積と、主管20側の端部(つまり、主管20と連結している部分の開口)の面積とが実質的に同一の円筒形状である。なお、入射管22の形状は円筒形状に限定されず、空気および光を通過させる筒型の形状であればよく、種々の形状とすることができる。例えば、断面が四角、多角形、楕円、非対称曲面となる形状としてもよい。また筒形状の断面の形状、径が位置によって変化する形状でもよい。
出射管24は、入射管22と略同一形状の管状部材であり、一方の端部が主管20に連結され、出射管24の他方の端部には、窓28が設けられている。出射管24も、主管20と空気が流通可能な状態で、窓28が設けられている端部が、空気が流通しない状態で、かつ、光が透過できる状態となる。また、出射管24は、中心軸が入射管22の中心軸と略同一となる位置に配置されている。つまり、入射管22と出射管24とは、主管20の対向する位置に配置されている。
また、出射管24も、窓28側の端部の開口(つまり、窓28により塞がれている開口)の面積と、主管20側の端部(つまり、主管20と連結している部分の開口)の面積とが実質的に同一の円筒形状である。なお、出射管24も形状は円筒形状に限定されず、空気および光を通過させる筒型の形状であればよく、種々の形状とすることができる。例えば、断面が四角、多角形、楕円、非対称曲面となる形状としてもよい。また筒形状の断面の形状、径が位置によって変化する形状でもよい。なお、出射管24も、後述するパージガスが安定して流れる形状とすることが好ましい。
次に、計測手段14は、発光部40と、光ファイバ42と、受光部44と、光源ドライバ46と、信号処理部(信号処理装置)47と、物理量算出部48と、制御部50と、を有する。なお、本実施形態では、信号処理部47と、物理量算出部48と、を別々に設けたが一体で(1つの処理部として)設けてもよい。また、光源ドライバ46と、信号処理部47と、物理量算出部48と、制御部50と、を一体で(1つの処理部として)設けてもよい。
発光部40は、所定波長のレーザ光を出力(発光)させる発光素子を有する。なお、発光部40の発光素子は、出力するレーザ光の出力波長(周波数)を所定の波長幅(周波数幅)で変化させることができる発光素子である。発光素子としては、波長可変の半導体レーザ素子(LD:Laser Diode)を用いることができる。発光部40は、測定対象の物質が吸収する近赤外波長域を含む波長域のレーザ光を出力する。例えば、計測対象が一酸化窒素の場合、発光部40は、一酸化窒素を吸収する近赤外波長域を含む波長域のレーザ光を出力する。また、計測対象が二酸化窒素の場合、発光部40は、二酸化窒素を吸収する近赤外波長域の波長域を含むレーザ光を出力する。また、計測対象が亜酸化窒素の場合、発光部40は、亜酸化窒素を吸収する近赤外波長域の波長域を含むレーザ光を出力する。なお、測定対象が複数の物質である場合、発光部40は、夫々の物質が吸収する波長域の光を発光する発光素子を複数備え、それぞれの波長域の光を出力するようにしてもよい。光ファイバ42は、発光部40から出力されたレーザ光を案内し、窓26から計測セル12内に入射させる。
受光部44は、計測セル12の主管20の内部を通過し、出射管24の窓28から出力されたレーザ光を受光する受光部である。なお、受光部44は、例えば、フォトダイオード(PD、Photodiode)等の光検出器を備え、光検出器によってレーザ光を受光し、その光の強度を検出する。受光部44は、受光したレーザ光の強度(光量)を受光信号として、信号処理部47に送る。
光源ドライバ46は、発光部40を駆動する機能を有し、発光部40に供給する電流、電圧を調整することで、発光部40から出力されるレーザ光の波長、強度を調整する。光源ドライバ46は、発振器であり、電流、電圧を所定の波形で発光部40に供給することで時間により波長が変化するレーザ光を出力させる。本実施形態の光源ドライバ46は、設定された変調周波数(例えば、100kHz、150kHz)でレーザ光の波長を振動させ、変調周波数よりも低い周波数である掃引周波数(0.1kHz、1kHz)でレーザ光の波長を掃引する。なお、変調周波数に基づいたレーザ光の波長の振動の振動幅は、掃引周波数に基づいたレーザ光の波長の変化幅よりも小さい。これにより、発光部40から出力されるレーザ光は、変調周波数で振動する振動の中心が、掃引周波数に基づいて変化するレーザ光となる。光源ドライバ46は、制御部50を介して物理量算出部48に、発光部40から出力しているレーザ光の強度の情報を出力する。
信号処理部47は、受光部44がレーザ光を受光することで生成した信号(受光信号)を処理する。具体的には、信号処理部47は、受光信号に含まれるノイズ成分を除去し、発光部40から出力され受光部44に到達したレーザ光の成分を抽出する。なお、抽出して生成される信号を以下スペクトル信号という。また、信号処理部47の処理については後述する。
物理量算出部48は、信号処理部47から出力されたスペクトル信号に基づいて、計測セル12を流れる排ガスの濃度を算出する。物理量算出部48は、信号処理部47から出力されたスペクトル信号と、制御部50により光源ドライバ46を駆動させている条件とに基づいて、計測対象の物質の濃度を算出する。具体的には、物理量算出部48は、制御部50により光源ドライバ46を駆動させている条件に基づいて発光部40から出力されるレーザ光の強度を算出し、信号処理部47で生成されたスペクトル信号に基づいて受光したレーザ光の強度を算出する。物理量算出部48は、この発光したレーザ光の強度と受光したレーザ光の強度と比較し、排ガスAに含まれる測定対象の物質の濃度を算出する。
具体的には、発光部40から出力された近赤外の波長域のレーザ光Lは、光ファイバ42から計測セル12の所定経路、具体的には、窓26、入射管22、主管20、出射管24、窓28を通過した後、受光部44に到達する。このとき、計測セル12内の排ガスA中に測定対象の物質が含まれていると、計測セル12を通過するレーザ光Lが吸収される。そのため、レーザ光Lは、排ガスA中の測定対象の物質の濃度によって、受光部44に到達するレーザ光の出力が変化する。受光部44は、受光したレーザ光を受光信号に変換する。受光部44で生成された受光信号は、信号処理部47で処理されスペクトル信号として物理量算出部48に入力される。また、制御部50および光源ドライバ46は、発光部40から出力したレーザ光Lの強度を物理量算出部48に出力する。物理量算出部48は、発光部40から出力した光の強度と、スペクトル信号から算出される強度とを比較し、その減少割合から計測セル12内を流れる排ガスAの測定対象の物質の濃度を算出する。このように計測手段14は、いわゆるTDLAS方式(Tunable Diode Laser Absorption Spectroscopy:可変波長ダイオードレーザー分光法)を用いることで、出力したレーザ光の強度と、受光部44で検出した受光信号とに基づいて主管20内の所定位置、つまり、測定位置を通過する排ガスA中の測定対象の物質の濃度を、算出および/または計測することができる。また、計測手段14は、連続的に測定対象の物質の濃度を、算出および/または計測することができる。なお、レーザ計測装置10は、発光部40から出力されるレーザ光の強度を一定として、スペクトル信号のみ基づいて排ガスAに含まれる測定対象の物質の濃度を算出してもよい。
制御部50は、各部の動作を制御する制御機能を有し、必要に応じて、各部の動作を制御する。なお、制御部50は、計測手段14の制御のみならず、レーザ計測装置10の全体の動作を制御する。つまり、制御部50は、レーザ計測装置10の動作を制御する制御部である。
次に、レーザ計測装置10の信号処理部47の構成を説明し、信号処理部47による受光信号の処理について説明する。ここで、図2は、図1に示すレーザ計測装置の信号処理部の概略構成を示すブロック図である。図2に示すように、信号処理部47は、受光部44から送られた受光信号を処理してスペクトル信号を生成し、生成したスペクトル信号を物理量算出部48に送る。信号処理部47は、指定周波数よりも出力が大きい設定周波数の出力を低減するフィルタ処理部62と、フィルタ処理部62で処理された信号にスペクトル信号抽出処理を行い、スペクトル信号抽出器64と、を有する。ここで、指定周波数とは、スペクトル信号抽出器64で抽出する対象の周波数であり、検出対象である吸収スペクトルの成分を含む周波数である。なお、指定周波数としては、変調周波数の2倍以上の整数倍の周波数を用いる。また、設定周波数とは、受光信号に含まれる周波数成分のうち指定周波数よりも出力が大きい周波数である。つまり、設定周波数とは、受光信号をフーリエ変換した場合に指定周波数よりも出力が大きい周波数成分(妨害波)である。ここで、設定周波数としては、変調周波数がある。
フィルタ処理部62は、A/D変換器70と、FIRフィルタ72と、D/A変換器74と、コイルカップリング76、78と、減算処理部80と、増幅器82と、A/D変換器84と、経路特性推定部86と、初期パラメータ設定部88と、パラメータ調整部90と、を有する。なお、受光部44からフィルタ処理部62に入力された受光信号は、分岐されたA/D変換器70、コイルカップリング76と、に入力される。また、コイルカップリング76に入力された受信信号は、コイルカップリング76を通過して減算処理部80に入力される。
A/D(アナログデジタル)変換器70は、アナログの信号をデジタルの信号に変換する変換器であり、受信信号をアナログの信号からデジタルの信号に変換する。A/D変換器70は、変換した信号をFIRフィルタ72と経路特性推定部86とに送る(つまり出力する)。
FIR(有限インパルス応答、Finite impulse response)フィルタ72は、デジタルフィルタ(digital filter)であり、所定の周波数成分を選択的に通過させ、所定の周波数以外の周波数成分を除去、低減する。FIRフィルタ72は、パラメータ(フィルター係数等)を変更可能なフィルタである。FIRフィルタ72は、処理した信号をD/A変換器74に送る。
D/A(デジタルアナログ)変換器74は、デジタルの信号をアナログの信号に変換する変換器であり、FIRフィルタ72から送られた信号をデジタルの信号からアナログの信号に変換する。D/A変換器74は、変換した信号をコイルカップリング78に送る。
コイルカップリング76、78は、減算処理部80と入力部の回路定数を整合する機器であり、減算処理部80と他の部品との整合部に配置されている。コイルカップリング76は、一対のコイルで構成されており、一方のコイルが受光部44と接続し、他方のコイルが減算処理部80と接続している。コイルカップリング76は、一対のコイルが対向して配置されており、受光部44から送られてきた信号を一方のコイルから他方のコイルに伝達し、減算処理部80に送る。コイルカップリング78は、2つのコイルで構成されており、一方のコイルがD/A変換器74と接続し、他方のコイルが減算処理部80と接続している。コイルカップリング78は、一対のコイルが対向して配置されており、D/A変換器74から送られてきた信号を一方のコイルから他方のコイルに伝達し、減算処理部80に送る。コイルカップリング76、78は、一対のコイルを介して信号を伝達することで、整合部で発生する熱ノイズを抑制することができる。
減算処理部80は、受光部44から送られてきてコイルカップリング76を通過した受光信号から、D/A変換器74から送られてきてコイルカップリング78を通過した信号、つまり受光信号から所定の周波数成分を選択的に通過させ、所定の周波数以外の周波数成分を除去、低減した成分を減算する。これにより、減算処理部80は、減算処理で受光信号から所定の周波数成分を除去、低減する。減算処理部80は、受光信号から所定の周波数成分を除去、低減した信号を増幅器に送る。
増幅器82は、減算処理部80から送られた信号(受光信号から所定の周波数成分を除去、低減した信号)を増幅する。増幅器82は、増幅した信号をA/D変換器84に送る。
A/D変換器84は、アナログの信号をデジタルの信号に変換する変換器であり、増幅器82で増幅された信号をアナログの信号からデジタルの信号に変換する。A/D変換器84は、変換した信号をスペクトル信号抽出器64と、パラメータ調整部90に送る。
経路特性推定部86は、A/D変換器70から送られた信号(受光信号をデジタル信号に変換した信号)を処理してシステム同定を行い一巡伝達制御から経路特性を推定する。経路特性推定部86は、推定した経路特性を初期パラメータ設定部88に送る。
初期パラメータ設定部88は、経路特性推定部86で推定して経路特性に基づいてFIRフィルタ72の初期パラメータを算出する。初期パラメータ設定部88は、算出した初期パラメータをパラメータ調整部90に送る。
パラメータ調整部90は、A/D変換器84から送られた信号と、初期パラメータ設定部88から送られた初期パラメータと、に基づいてFIRフィルタ72のパラメータ(フィルター係数等)を調整する。ここで、本実施形態のパラメータ調整部90は、LMS(Least mean squares)アルゴリズムを使用してA/D変換器84から送られた信号を解析しFIRフィルタ72のパラメータを更新(修正)する。具体的には、パラメータ調整部90は、A/D変換器84から送られた信号に含まれる設定周波数の成分が最小となるように、パラメータを調整する。つまり、パラメータ調整部90は、受光信号からFIRフィルタ72で処理した信号を減算した出力が最小となるようにパラメータを調整する。また、本実施形態では、LMSアルゴリズムの収束係数μを標準として0.1に設定する。ここで、FIRフィルタ72で処理した信号は、基本的に設定周波数のみ(出力の大部分が設定周波数の出力)である。したがって、パラメータ調整部90は、受光信号からFIRフィルタ72で処理した信号を減算した出力が最小となるようにパラメータを調整することで、受光信号に含まれる設定周波数成分をより小さくする処理を行うことになる。また、パラメータ調整部90は、パラメータの更新時に初期パラメータによりスペクトル信号抽出器64内での信号処理の影響を考慮し、パラメータを調整する。なお、LMSアルゴリズムは、例えば飯國洋二 著「適応信号処理アルゴリズム」培風館2000年発行に記載されているアルゴリズムである。また、パラメータ調整部90は、パラメータの更新(修正)を所定の時間応答(時間間隔)で実行する。所定の時間応答は、任意の時間応答とすることができ、設定した時間応答や、条件に応じて変化する時間応答とすることができる。
次に、スペクトル信号抽出器64は、フィルタ処理部62で処理され、設定周波数成分が低減された受光信号に対して、指定周波数を参照周波数として例えばロックイン処理を行う。これにより、設定周波数成分が低減された受光信号から指定周波数のスペクトル信号を生成する。スペクトル信号抽出器64は、検出したスペクトル信号を物理量算出部48に送る。信号処理部47は、以上のようにして受光信号からスペクトル信号を生成及び/または抽出する。
以下、図3から図9を用いて信号処理部47の処理を説明する。ここで、図3は、受光信号の出力分布を示すグラフである。図3は、受光信号の周波数と電圧(強度)との関係を示している。なお、図3は、縦軸が電圧(強度)[dBV]であり、横軸が周波数[MHz]である。また、図4から図9は、それぞれ信号処理部の処理を説明するための説明図である。なお、図4から図9は、それぞれ各位置における信号の強度を模式的に示している。なお、図4から図9は、いずれも縦軸が強度であり、横軸が時間である。
まず、以下の例では、受光信号として図3に示す信号を用い、設定周波数を100kHzとした場合として説明する。なお、図3に示す受光信号は、発光部40から変調周波数が100kHzのレーザ光を出力させた場合に受光部44が検出した受光信号である。本実施形態のレーザ計測装置10は、指定周波数として200kHzを用いる。ここで、図3では、設定周波数100kHzの出力が−10.93dBVであり、指定周波数200kHzの出力が−53.16dBVである。そのため、出力の差が−42.23dBVである。
信号処理部47は、受光信号(入力信号)として、図4に示す信号が入力される。受光信号には、測定対象の周波数の出力である指定周波数の出力101と、ノイズ成分である指定周波数以外の出力102とが重畳している。また、出力101は、出力102よりも強度が小さい出力である。これは、出力102には、他の周波数成分に対して飛躍的に強度が高い設定周波数の出力を含むためである。なお、図4では、説明のため出力101と出力102とを別々の波形で示しているが、実際の受光信号は、出力101と出力102とを加算した出力となる。受光信号は、A/D変換器70、減算処理部80に送られる。
FIRフィルタ72は、A/D変換器70でデジタルに変換された信号(デジタル受光信号)に処理を行い、デジタル受光信号から設定周波数の成分を抽出する。なお、この時FIRフィルタ72は、パラメータ調整部90によりフィルタ特性が調整されている。これにより、FIRフィルタ72は、減算処理部80で処理する受光信号に含まれる設定周波数の成分に対応する出力に調整された受光信号から設定周波数の成分を抽出する。ここで、FIRフィルタ72が、受光信号から抽出した設定周波数の成分は、図5に示す出力104となる。ここで、本実施形態の設定周波数(100kHz)は、変調周波数である。そのため、図3で示すように受光信号の強度割合のほとんどを設定周波数が占めている。そのため、ノイズ成分のほとんどが設定周波数の出力となる。このため、図4の出力102と、設定周波数の成分を抽出した出力104とは略同様の出力となる。
次に、減算処理部80は、図3に示す出力101と出力102とが重畳された信号である受光信号から、FIRフィルタ72で生成された出力104の信号を減算する。これにより、減算処理部80で生成される信号は、受光信号から出力104を減算した信号となる。これにより、減算処理部80で生成された信号は、図6に示すように、測定対象の周波数の出力である指定周波数の出力101と、指定周波数及び設定周波数以外の周波数の出力106と、で構成される。なお、出力106はノイズ成分である。ここで、ノイズ成分の出力106は、出力102から設定周波数の成分が除去または減算されるため、出力が小さくなっており、出力101との出力差も小さい。
次に、増幅器82は、減算処理部80で生成された信号を増幅する。これにより、増幅器82で増幅された信号は、図7に示すように指定周波数の出力101を増幅させた101aと、指定周波数及び設定周波数以外の周波数の出力106を増幅させた出力106aと、で構成される。なお、増幅器82は一定割合で出力を増幅させるため、出力101と出力106との関係と、出力101aと出力106aとの関係は相似となる。
次に、スペクトル信号抽出器64は、増幅器82で増幅されたのち、デジタルデータに変換された信号に対して、例えばスペクトル抽出の1手法であるロックイン処理を用いる。具体的には、図8に示すように、出力101aと出力106aとで構成される信号に出力108の信号を乗算する。ここで、出力108の信号は、参照周波数の出力である。参照周波数は、ロックイン処理で抽出する周波数であり、本実施形態では指定周波数となる。スペクトル信号抽出器64は、この場合のようにロックイン処理を行うことで、図9に示すように、指定周波数の出力110で構成されるスペクトル信号を生成する。
このように、レーザ計測装置10の信号処理部47は、パラメータ調整部90でFIRフィルタ72のパラメータを調整しつつ、FIRフィルタ72で設定周波数を含む信号を生成し、その生成した信号で受光信号を減算することで、受光信号から効率よくノイズを除去または低減することができる。また、レーザ計測装置10の信号処理部47は、処理対象の設定周波数を特定し、効率よくノイズを除去できるため、既存のフィルタ(バンドパスフィルタ、パラメータ固定型FIRフィルタ)を用いる場合よりも、フィルタ処理部62の構成を簡単にすることができる。
また、受光信号から効率よくノイズを除去または低減し、指定周波数の成分の出力とノイズ成分の出力との差が小さくなることで、ノイズ除去後でスペクトル抽出前の信号をより大きく増幅することができ、スペクトル抽出前に指定周波数の成分の出力をより増幅することができる。ここで、増幅器82は、スペクトル信号抽出器64の検出レンジに適用可能な大きさまで増幅させる場合に信号の大きさを基準として増幅の比率を設定する。そのため、指定周波数の成分の出力とノイズ成分の出力との差が小さくなることで、ノイズ成分の出力が指定周波数の成分の出力よりも一定程度大きい場合よりも、指定周波数の成分の出力をより大きく増幅することができる。つまり、より大きく増幅しても、出力をスペクトル信号抽出器64の検出レンジに適用可能な大きさに抑えることができる。これにより、指定周波数の成分の出力をより高精度に検出することができる。
さらに、ノイズを好適に小さくできることで、スペクトル信号抽出器の検出レンジが小さい場合でも好適に指定周波数の出力を検出することができる。これにより、性能を維持しつつ、スペクトル信号抽出器を安価にすることができ、レーザ計測装置も安価にすることができる。
また、信号処理部47のフィルタ処理部62は、経路特性推定部86と初期パラメータ設定部88とを用いて、一巡伝達制御(具体的にはスペクトル信号抽出器64より入力側の回路)の応答特性(回路の誤差特性)をLMSアルゴリズムで推定することで、ノイズ成分を除去または低減するだけの作用だけでなく、より高度な性能を得ることができる。具体的には、応答特性(回路の誤差特性)から本システムの状態を把握し、計測器の自動校正やメンテナンスを行なうことでより性能を向上させることなどが挙げられる。
また、パラメータ調整部90は、LMSアルゴリズムでパラメータを調整することが好ましい。LMSアルゴリズムを用いることで、安定して処理を行うことができる。なお、パラメータ調整部90は、パラメータの調整に用いるアルゴリズムとして、LMSアルゴリズム以外のアルゴリズムも用いることができる。パラメータ調整部90は、スペクトル信号抽出器64から出力された信号を解析してパラメータを決定するアルゴリズムとして、種々のアルゴリズムを用いることができる。なお、アルゴリズム(処理法則)は、スペクトル信号抽出器64から出力された信号に含まれる設定周波数の成分がより少なくなるようにパラメータを設定するアルゴリズムであればよい。パラメータ調整部90は、最小二乗法から誤差最小の状態を連立一次方程式で示すYule-Walker方程式を解くRLS(Recursive Least Square)法も用いることができる。RLS法を用いた場合は、LMSアルゴリズムを用いる場合より安定性は低下するが応答速度をより向上させることができる。
また、FIRフィルタ72で出力を低減する周波数成分である設定周波数としては、本実施形態のように変調周波数を用いることが好ましい。変調周波数は、レーザ光に含まれる信号成分であるため信号成分が大きくなり受光信号の出力の多くの割合を占めていることが多い。このため、フィルタ処理部62でこの変調周波数成分を低減、除去することで、指定周波数の成分をより増幅することができ、スペクトル信号をより高精度な信号とすることができる。なお、ノイズの低減量は低下するが、設定周波数として変調周波数とは異なる周波数を用いることもできる。この場合も不要な特定の周波数を除去または低減することができ、指定周波数の成分をより効率よく検出することができる。
また、上述したように、指定周波数は、変調周波数の整数倍の種々の値とすることができる。指定周波数として、変調周波数の4倍の周波数を用いても、変調周波数に含まれる吸収スペクトル(検出対象のスペクトル)の変化を検出することができる。なお、指定周波数として、変調周波数の4倍の周波数を用いて解析を行うとスペクトルの4次微分波形が検出される。このように変調周波数の2倍以外の周波数を用いることで、変調周波数の2倍の周波数にノイズ成分がある場合も吸収スペクトル(検出対象のスペクトル)の変化を検出することができる。
ここで、設定周波数の出力を抽出するフィルタとしては、本実施形態のようにFIRフィルタを用いることが好ましい。FIRフィルタを用いることで、設定周波数の成分を高い精度で抽出することができる。なお、設定周波数の出力を抽出するフィルタとしては、FIRフィルタ以外にもパラメータが変更可能な種々のデジタルフィルタを用いることができる。
また、FIRフィルタ72は、受光信号を処理して減算処理に用いる設定周波数の成分の信号を生成することで、つまり、受光部44で検出されA/D変換器70で変換された信号から設定周波数の成分の信号を生成する構成とすることで、装置構成を増加させることなく、減算処理に用いる設定周波数の成分を含む信号を生成することができる。なお、FIRフィルタ72に入力する信号は、受光信号に限定されず、設定周波数の成分を有する信号も可能である。つまり、FIRフィルタ72に信号を入力する信号供給部としては、設定周波数の成分を有する信号を供給可能な種々の機構を用いることができる。例えば、信号生成部(発振器)を用いてもよい。
6、8 配管
10 レーザ計測装置
12 計測セル
14 計測手段
20 主管
22 入射管
24 出射管
26、28 窓
40 発光部
42 光ファイバ
44 受光部
46 光源ドライバ
47 信号処理部
48 物理量算出部
50 制御部
62 フィルタ処理部
64 スペクトル信号抽出器
70、84 A/D変換器
72 FIRフィルタ
74 D/A変換器
76、78 コイルカップリング
80 減算処理部
82 増幅器
86 経路特性推定部
90 パラメータ調整部
88 初期パラメータ設定部

Claims (12)

  1. 流体が流れる計測セルと、測定対象のガスに固有な吸収波長を含む波長域のレーザ光を変調周波数で波長を変調しつつ出力し、前記計測セルに入射させる発光部と、前記入射部から入射され、前記計測セルを通過し、前記出射部から出射された前記レーザ光を受光し、受光した光量を受光信号として出力する受光部と、を有し、前記受光信号に基づいて前記計測セルを流れる測定対象のガスの物理量を算出するレーザ計測装置に適用され、
    前記受光部が受光した受光信号を処理し、前記計測セルを流れる測定対象のガスの物理量の算出に用いるスペクトル信号を出力する信号処理装置であって、
    前記指定周波数よりも出力が大きい設定周波数の出力を低減するフィルタ処理部と、前記フィルタ処理部で処理された信号にスペクトル信号抽出処理を行い、前記スペクトル信号を抽出するスペクトル信号抽出器と、を含み、
    前記フィルタ処理部は、
    前記設定周波数の成分を含むデジタルの信号を供給する信号供給部と、
    前記信号供給部から前記設定周波数の成分を抽出するフィルタ特性を変更可能なデジタルフィルタと、
    前記デジタルフィルタで処理された信号をデジタルからアナログに変換するD/A変換器と、
    前記受光信号から、前記D/A変換器から出力された信号を減算し、前記受光信号から設定された周波数成分を減算する減算処理部と、
    前記減算処理部から出力された信号をアナログからデジタルに変換し、変換した信号を前記スペクトル信号抽出器に出力するA/D変換器と、
    前記A/D変換器から前記スペクトル信号抽出器に出力する信号を取得し、当該信号に含まれる前記設定周波数の成分に基づいて前記デジタルフィルタのパラメータを所定の時間応答で調整するパラメータ調整部と、を有することを特徴とする信号処理装置。
  2. 前記信号供給部は、前記受光信号をアナログからデジタルに変換し、変換したデジタルの信号を前記デジタルフィルタに供給する受光信号A/D変換器であることを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 前記信号供給部は、前記指定周波数成分以外の設定周波数の成分を含むデジタルの信号を生成する信号生成部であることを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
  4. 前記設定周波数は、前記変調周波数であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の信号処理装置。
  5. 前記デジタルフィルタは、FIRフィルタであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の信号処理装置。
  6. 前記パラメータ調整部は、当該信号に含まれる前記設定周波数の成分をLMSアルゴリズムで処理し、処理結果に基づいて前記パラメータを調整することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の信号処理装置。
  7. 前記信号処理部は、前記受光信号から経路特性を推定する特性推定部と、
    前記特性推定部で検出した経路特性に基づいて初期パラメータを算出する初期パラメータ設定部と、をさらに有し、
    前記パラメータ調整部は、前記初期パラメータ設定部で算出された初期パラメータに基づいて前記デジタルフィルタのパラメータを調整することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の信号処理装置。
  8. 前記特性推定部は、前記受光信号をデジタル信号に変換した信号を処理して経路特性を推定することを特徴とする請求項7に記載の信号処理装置。
  9. 前記指定周波数は、前記変調周波数を整数倍した周波数であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の信号処理装置。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の信号処理装置と、
    流体を流す流路と連結可能な主管、前記主管に連結し、光が通過可能な窓部が形成された入射部、前記主管に連結し光が通過可能な窓部が形成された出射部と、を含む計測セルと、
    測定対象のガスに固有な吸収波長を含む波長域のレーザ光を変調周波数で波長を変調しつつ出力し、前記入射部に入射させる発光部と、
    前記入射部から入射され、前記計測セルを通過し、前記出射部から出射された前記レーザ光を受光し、受光した光量を受光信号として出力する受光部と、
    前記スペクトル信号に基づいて、前記計測セルを流れる測定対象のガスの物理量を算出する物理量算出部と、
    各部の動作を制御する制御部と、を有することを特徴とするレーザ計測装置。
  11. 前記物理量算出部が算出する物理量は、前記測定対象のガスの濃度であることを特徴とする請求項10に記載のレーザ計測装置。
  12. 前記物理量算出部は、前記発光部から出力したレーザ光の強度と、前記受光部で受光したレーザ光の強度とに基づいて、前記測定対象のガスの濃度を算出することを特徴とする請求項11に記載のレーザ計測装置。
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