JP2008175611A - ガス濃度測定装置およびガス濃度測定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】中心周波数fc、変調周波数fmでレーザ素子の出力を周波数変調させるとともに、測定対象ガスの吸収波長帯がスキャンされるようにレーザ光の発光波長を変化させた時に光検出部61にて検出された信号レベルと、中心周波数fc、変調周波数fmでレーザ素子の出力を周波数変調させるとともに、測定対象ガスの吸収波長帯にかからないようにレーザ光の発光波長を一定に保った時に光検出部61にて検出された信号レベルとの比率に基づいて、測定対象ガスの濃度を算出する。
【選択図】 図1
Description
この原理を発展させたものとして2波長差分方式及び周波数変調方式があり、2波長差分方式では、半導体レーザの発振周波数はTHzオーダの信号であることから、複雑な信号処理を行うことができないのに対して、周波数変調方式では、数kHzのベースバンド領域で信号処理を行うことができるという利点がある。
図7において、周波数変調方式における送信側には、半導体レーザ65が設けられ、半導体レーザ65には、半導体レーザ65の温度を検出するサーミスタ66および半導体レーザ65の温度を調整するペルチェ素子67が搭載されている。
また、サーミスタ66にて検出された温度に基づいてペルチェ素子67を駆動することにより、半導体レーザ65の温度を制御する温度制御部68、半導体レーザ65から出射されるレーザ光の波長をスキャンさせる波長走査信号S1を発生させる波長走査駆動信号発生器70、半導体レーザ65から出射されるレーザ光を周波数変調する高周波信号S2を発生させる高周波変調信号発生部71、波長走査信号S1と高周波信号S2を合成する合成器64、波長走査信号S1と高周波信号S2とが合成された信号に基づいて半導体レーザ65を駆動する電流を制御する電流制御部69が設けられている。
図8において、2倍周波数信号検出装置には、半導体レーザ65から出射されたレーザ光を検出するフォトダイオード75、フォトダイオード75から出力される電流を電圧に変換するI−V変換回路76、高周波信号S2の2倍の周波数の信号を発生させる2倍周波数信号発生部79、I−V変換回路76の出力から高周波信号S2の2倍の周波数成分を抽出する同期検波回路77、同期検波回路77の出力から不要な帯域成分を除去するフィルタ78が設けられている。
そして、NH3ガスの濃度を測定する場合、図7の温度制御部68は、ペルチェ素子67を駆動することにより、波長走査信号S1の中心部分でNH3ガスの濃度が検出されるように半導体レーザ65の温度を事前に設定する。
そして、波長走査信号S1の73の部分と高周波信号S2とは合成器64にて合成され、波長走査信号S1の73の部分と高周波信号S2とが合成された信号に基づいて半導体レーザ65の電流が制御されることにより、NH3ガスによる吸収を受けない波長λ1を中心として10kHz程度の正弦波にてレーザ光が周波数変調される。
また、周波数変調方式では、ガスの吸収線幅よりもレーザ光の線幅の方が小さいことから、ガスの吸収波長と半導体レーザの発光波長とを合わせる必要がある。この方法として、予め測定したいガスと同じ成分を封入した参照ガスセルを用いる方法がある(特許文献2)。
そこで、本発明の目的は、測定対象ガスの吸収波長帯をスキャンさせることを可能としつつ、ガス濃度の計測精度を向上させることが可能なガス濃度測定装置およびガス濃度測定方法を提供することである。
また、請求項3記載のガス濃度測定装置によれば、前記ガス濃度算出部は、前記測定対象ガスの吸収波長帯にかからない部分について検出された信号レベルの積分値に対し、前記測定対象ガスの吸収波長帯にかかる部分について検出された信号レベルの積分値の比率に基づいて、前記レーザ光が透過したガスの濃度を算出することを特徴とする。
図1は、本発明の一実施形態に係るガス濃度測定装置の概略構成を示す断面図である。
図1において、ガス濃度測定装置の送信側には、レーザユニット57から出射されたレーザ光の発光波長を測定対象ガスの吸収波長帯がスキャンされるように変化させながらレーザ光を基本波で周波数変調する送信部基板54、レーザユニット57から出射されたレーザ光を平行ビームに変換するコリメートレンズ56およびレーザ素子が搭載されたレーザユニット57が設けられている。なお、レーザ素子としては半導体レーザを用いることができ、レーザユニット57には、レーザ素子の温度を検出するサーミスタおよびレーザ素子の温度を調整するペルチェ素子を搭載することができる。
そして、受信部基板62では、測定対象ガスの吸収波長帯にかからない部分について検出された信号レベルを基準とした上で、測定対象ガスの吸収波長帯にかかる部分について検出された信号レベルに基づいて、隔壁51a、51b間の測定対象ガスの濃度を算出することができる。
図2において、図1のレーザユニット57には、半導体レーザ41および温度設定部42が搭載されている。なお、温度設定部42としては、例えば、半導体レーザ41の温度を検出するサーミスタおよび半導体レーザ41の温度を調整するペルチェ素子を用いることができる。また、図1の送信部基板54には、半導体レーザ41に駆動電流を注入するレーザ駆動部11、半導体レーザ41から出射されるレーザ光を基本波で周波数変調する周波数変調部12および半導体レーザ41に注入される駆動電流を制御する駆動電流制御部13が設けられている。ここで、駆動電流制御部13には、周波数変調されたレーザ光の発光波長が測定対象ガスの吸収波長帯にかからないように一定に保ちながら半導体レーザ41の駆動電流をスレッショルドカレント以上に設定するゼロ点電流設定部13aおよび周波数変調されたレーザ光の発光波長を測定対象ガスの吸収波長帯がスキャンされるように変化させながら半導体レーザ41の駆動電流を設定する波長スキャン電流設定部13bが設けられている。
そして、温度設定部42は、波長スキャン電流設定部13bにて駆動電流が設定されたレーザ光の発光波長が測定対象ガスの吸収波長帯にかかるように半導体レーザ41の温度を設定する。
図3において、NH3ガスでは、1512nm付近に吸収波長帯のピークがある。このため、波長スキャン電流設定部13bは、周波数変調されたレーザ光の発光波長が1512nm付近をスキャンするように半導体レーザ41の駆動電流を変化させることができる。また、温度設定部42は、ペルチェ素子を駆動することにより、波長スキャン時の中心部分でNH3ガスの濃度が検出されるように半導体レーザ41の温度を事前に設定することができる。
図4において、中心周波数fc、変調周波数fmで半導体レーザ41の出力を周波数変調し、測定対象ガスに照射されたものとする。ここで、測定対象ガスの吸収線は変調周波数に対してほぼ2次関数となっているので、この吸収線が弁別器の役割を果たし、光検出部61では変調周波数fmの2倍の周波数の成分(2倍波成分)が得られる。そして、変調周波数fmは任意の周波数でよいので、例えば、変調周波数fmを数kHz程度に選ぶと、ディジタル信号処理装置(DSP)または汎用のプロセッサを用い高度な信号処理を施すことが可能となる。
そして、NH3ガスの濃度を測定する場合、温度設定部42は、ペルチェ素子を駆動することにより、波長スキャン時の駆動信号の中心部分でNH3ガスの濃度が検出されるように半導体レーザ41の温度を事前に設定することができる。
図5において、半導体レーザ41の発光波長は駆動電流が増加するに従って長くなる。このため、半導体レーザ41の駆動電流を制御することにより、半導体レーザ41の発光波長を調整することができる。
図6は、本発明の一実施形態に係る温度と半導体レーザの発光波長との関係を示す図である。
図6において、半導体レーザ41の発光波長は温度が増加するに従って長くなる。このため、半導体レーザ41の温度を制御することにより、半導体レーザ41の発光波長を調整することができる。
12 周波数変調部
13 駆動電流制御部
13a ゼロ点電流設定部
13b 波長スキャン電流設定部
21 基本波成分検出部
22 2倍波成分検出部
23 ゼロ点算出部
24 吸収量算出部
25 吸収比算出部
26 ガス濃度算出部
41 半導体レーザ
42 温度設定部
51a、51b 隔壁
52a、52b フランジ
54 送信部基板
55a、55b ウェッジ窓
56 コリメートレンズ
57 レーザユニット
58、59 ハウジング
60 集光レンズ
61 光検出部
62 受信部基板
Claims (4)
- レーザ光を出射するレーザ素子と、
前記レーザ光を基本波で周波数変調する周波数変調部と、
前記周波数変調されたレーザ光の発光波長を測定対象ガスの吸収波長帯がスキャンされるように変化させながら前記レーザ素子の駆動電流を設定する波長スキャン電流設定部と、
前記波長スキャン電流設定部にて駆動電流が設定されたレーザ光の発光波長が前記測定対象ガスの吸収波長帯にかかるように前記レーザ素子の温度を設定する温度設定部と、
前記周波数変調されたレーザ光の発光波長が前記測定対象ガスの吸収波長帯にかからないように前記レーザ素子の駆動電流をスレッショルドカレント以上に設定するゼロ点電流設定部と、
前記測定対象ガスの吸収波長帯にかかる部分と前記測定対象ガスの吸収波長帯にかからない部分のそれぞれについて周波数変調されたレーザ光を検出する光検出部と、
前記測定対象ガスの吸収波長帯にかかる部分と前記測定対象ガスの吸収波長帯にかからない部分のそれぞれについて前記光検出部にて検出されたレーザ光から基本波成分を検出する基本波成分検出部と、
前記測定対象ガスの吸収波長帯にかかる部分と前記測定対象ガスの吸収波長帯にかからない部分のそれぞれについて前記光検出部にて検出されたレーザ光から2倍波成分を検出する2倍波成分検出部と、
前記測定対象ガスの吸収波長帯にかからない部分について検出された信号レベルを基準とした上で、前記測定対象ガスの吸収波長帯にかかる部分について検出された信号レベルに基づいて、前記レーザ光が透過したガスの濃度を算出するガス濃度算出部とを備えることを特徴とするガス濃度測定装置。 - 前記ガス濃度算出部は、前記測定対象ガスの吸収波長帯にかからない部分について検出された信号レベルに対し、前記測定対象ガスの吸収波長帯にかかる部分について検出された信号レベルのピークの比率に基づいて、前記レーザ光が透過したガスの濃度を算出することを特徴とする請求項1記載のガス濃度測定装置。
- 前記ガス濃度算出部は、前記測定対象ガスの吸収波長帯にかからない部分について検出された信号レベルの積分値に対し、前記測定対象ガスの吸収波長帯にかかる部分について検出された信号レベルの積分値の比率に基づいて、前記レーザ光が透過したガスの濃度を算出することを特徴とする請求項1記載のガス濃度測定装置。
- 基本波で周波数変調されたレーザ光の発光波長が測定対象ガスの吸収波長帯にかかるようにレーザ素子の温度を設定するステップと、
前記基本波で周波数変調されたレーザ光の発光波長を測定対象ガスの吸収波長帯がスキャンされるように変化させながら、前記測定対象ガスに前記レーザ光を入射するステップと、
前記測定対象ガスの吸収波長帯にかかる部分について前記測定対象ガスを透過したレーザ光を検出するステップと、
前記測定対象ガスの吸収波長帯にかかる部分について検出されたレーザ光から基本波成分および2倍波成分を抽出するステップと、
前記基本波で周波数変調されたレーザ光の発光波長が前記測定対象ガスの吸収波長帯にかからないように半導体レーザの駆動電流を一定に保ちながら、前記測定対象ガスに前記レーザ光を入射するステップと、
前記測定対象ガスの吸収波長帯にかからない部分について前記測定対象ガスを透過したレーザ光を検出するステップと、
前記測定対象ガスの吸収波長帯にかからない部分について検出されたレーザ光から基本波成分および2倍波成分を抽出するステップと、
前記測定対象ガスの吸収波長帯にかからない部分について検出された信号レベルを基準とした上で、前記測定対象ガスの吸収波長帯にかかる部分について検出された信号レベルに基づいて、前記レーザ光が透過したガスの濃度を算出するステップとを備えることを特徴とするガス濃度測定方法。
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