JP2011158426A - ガス濃度計測装置および方法 - Google Patents

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伊智郎 粟屋
Masazumi Taura
昌純 田浦
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慎一郎 浅海
Takeyasu Adachi
丈泰 安達
Masato Suzuki
正人 鈴木
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明生 近藤
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Abstract

【課題】対ノイズ性に優れ、高精度のガス濃度計測が可能なガス濃度計測装置および方法を提供する。
【解決手段】レーザ光の発振波長を所定周波数の変調信号で変調する際に、測定対象のガス状物質に固有の吸収波長を所定周波数で変調する第1の期間と、該固有の吸収波長から外れた波長を所定周波数で変調する第2の期間と、を持ち、第1の期間で計測したオフセット信号を含むガス濃度信号から、第2の期間で計測したオフセット信号を差し引くことにより、正確なガス濃度を求める。
【選択図】図1

Description

本発明はガス濃度計測装置および方法に係り、特に、対ノイズ性に優れ、高精度のガス濃度計測が可能なガス濃度計測装置および方法に関するものである。
近年、可視または近赤外線の波長領域における半導体レーザの性能が向上し、高分解能分光の光源として利用するのに十分な分光特性を有するようになり、これを利用したガス濃度計測の手法が種々提案されている。この手法は波長可変半導体レーザ吸収分光法(Tunable Diode Laser Absorption Spectroscopy;TDLAS)と呼ばれる技術である。
このTDLAS法によるガス濃度計測装置として、例えば特許第3342446号公報に開示されたものがある。この従来のガス濃度計測装置の概要について、図10および図11を参照して説明する。図10に示すように、レーザ光を発振するための半導体レーザダイオード(LD)101からなる光源は、LDドライバ102の制御回路に接続され、半導体レーザダイオード101の温度と電流が制御される。半導体レーザダイオード101から発振されたレーザ光は、ハーフミラー101bで反射されて、一方の光学窓107aから他方の光学窓107bに向けてレーザ光Lが計測領域に入射される。計測領域を通過したレーザ光は、他方の光学窓107bの近傍に配置された受光手段としての2つのフォトダイオード(PD2、PD3)105,106によって受光される。
一方のフォトダイオード105は光軸上に配置され、計測領域を通過したレーザ光Lを受光する。また他方のフォトダイオード106は、レーザ光軸から外れたところに配置され、計測領域の火炎ガスから発せられる光を背景光として受光する。これら2つのフォトダイオード105,106からの受光信号は、測定ユニット108を経由してAD変換器109に入力され、さらにコンピュータ110に送られる。なお、ガス濃度が既知である標準ガスが封入または流通可能にされた参照セル103を備えており、該参照セル103を通過したレーザ光はフォトダイオード(PD1)104によって受光され、測定ユニット108およびAD変換器109を経由してコンピュータ110に送られる。
また図11に示すように、測定ユニット108では、2つのサイン波発生器112,113を備え、レーザ光の発振波長を変調するために、それぞれ異なる周波数(fおよびw)のサイン波が半導体レーザダイオード101の注入電流に重ねて印加される。またランプ波発生器111を備え、測定対象ガス固有の吸収スペクトルのところでレーザ光の発振波長を掃引させるために、ランプ波が半導体レーザダイオード101の注入電流に重ねて印加される。
また受光後の信号処理として、フォトダイオード106で受光する背景光の処理ルートにはローパスフィルタ118を備える。またフォトダイオード105で受光する主計測光の信号処理については、ローパスフィルタ118を備える処理ルートと、増幅器115、位相敏感検波器116,117およびローパスフィルタ118を備える処理ルートとを有し、位相敏感検波器116,117でそれぞれ異なる周波数(2fおよび2w)で復調される。
また、参照セル103を通過したレーザ光の信号処理についても、ローパスフィルタ118を備える処理ルートと、増幅器115、位相敏感検波器116,117およびローパスフィルタ118を備える処理ルートとを有し、位相敏感検波器116,117でそれぞれ異なる周波数(2fおよび2w)で復調される。さらに、位相敏感検波器116で復調後の信号に対して奇数倍の周波数(w)で位相検波を施す位相敏感検波器119を備えて、該位相敏感検波器119の出力はアンプ120を介して加算器114にフィードバックされる。
以上の構成により、特許第3342446号公報に開示のガス濃度計測装置は、以下のような特徴を持つ。すなわち、(1)レーザ光の変調を2つの異なる周波数で変調(二重変調)することにより、計測用レーザの多重反射(フリンジ)に起因する計測値のドリフトが抑制される。(2)測定領域を透過したレーザ光強度の変調成分と直流成分を測定でき、ガス濃度と固体粒子濃度との同時計測が可能である。(3)波長掃引を掛けてレーザ光の発振波長を参照セル内のガス吸収がピークとなる波長にロックすることにより、レーザ光の発振波長が安定化する。(4)主計測光と、別に計測する背景光との差分を演算することにより、背景光(バックグラウンドノイズ)の影響が低減される。
特許第3342446号公報
上述したように、特許文献1に開示された技術においては、ガス濃度に相当するガス吸収信号の周波数帯は、レーザ光の発振波長を変調するための変調信号周波数の2倍の周波数に重畳されることになる。実際のガス濃度計測環境では、ホワイトノイズのように全周波数帯にわたるノイズが存在し、ガス吸収信号の周波数帯と同じ周波数帯のノイズが大きい場合には、信号処理の段階でノイズと計測信号の区別ができなくなって計測精度が悪化するおそれがあるという事情があった。
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであって、対ノイズ性に優れ、高精度のガス濃度計測が可能なガス濃度計測装置および方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用する。
本発明に係る第1のガス濃度計測装置は、測定対象のガス状物質に固有の吸収波長のレーザ光を発振する光源と、前記光源から発振されるレーザ光の発振波長を所定周波数の変調信号で変調する変調手段と、前記レーザ光を前記ガス状物質が存在する領域に導く導光手段と、前記測定領域において透過、反射または散乱したレーザ光を受光する受光手段と、前記受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記所定周波数の偶数倍の周波数の同調信号で復調する復調手段とを備え、前記変調手段は、前記測定対象のガス状物質に固有の吸収波長を前記所定周波数で変調する第1の期間と、該固有の吸収波長から外れた波長を前記所定周波数で変調する第2の期間とを有することを特徴とする。
本発明によれば、測定対象のガス状物質に固有の吸収波長を所定周波数で変調する第1の期間には、ノイズによるオフセット信号を含むガス濃度信号が得られ、固有の吸収波長から外れた波長を所定周波数で変調する第2の期間には、ノイズによるオフセット信号のみが得られることとなり、ノイズによるオフセット量を正確に計測することができると共に、第1の期間で計測したオフセット信号を含むガス濃度信号から、第2の期間で計測したオフセット信号を差し引くことにより、正確なガス濃度を求めることができ、結果として、対ノイズ性に優れ、高精度のガス濃度計測が可能なガス濃度計測装置を実現することができる。
また、本発明は、上記第1のガス濃度計測装置において、ガス濃度が既知の標準ガスが封入または流通可能にされた参照セルと、前記参照セルに前記レーザ光を導入する導入手段と、前記参照セルを通過したレーザ光を受光する第2受光手段と、前記第2受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記所定周波数の偶数倍の周波数の同調信号で復調する第3復調手段と、前記第2受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記所定周波数の奇数倍の周波数の同調信号で復調する第4復調手段と、前記第4復調手段の出力信号を用いて前記光源から発振されるレーザ光の発振波長を制御する波長制御手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、参照ガス計測ルート(参照セルを通過した受光信号の信号処理)について、第1の期間で計測したオフセット信号を含むガス濃度信号から、第2の期間で計測したオフセット信号を差し引くことにより、正確な参照セルのガス濃度を求めることができる。また、本発明をガス吸収波長のロック機能に適用することにより、レーザ光の発振波長をより安定化させることができる。
また、本発明に係る第2のガス濃度計測装置は、測定対象のガス状物質に固有の吸収波長のレーザ光を発振する光源と、前記光源から発振されるレーザ光の発振波長を所定周波数の変調信号で変調する変調手段と、前記レーザ光を前記ガス状物質が存在する領域に導く導光手段と、前記測定領域において透過、反射または散乱したレーザ光を受光する受光手段と、前記受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記所定周波数の偶数倍の周波数の同調信号で復調する復調手段とを備え、前記復調手段は、前記受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記変調信号と同位相の同調信号で復調する第3の期間と、前記変調信号とずれた位相の同調信号で復調する第4の期間とを有することを特徴とする。
本発明によれば、受光手段で受光した信号の中から変調された信号を変調信号と同位相の同調信号で復調する第3の期間にはノイズによるオフセット信号を含むガス濃度信号が得られ、変調信号とずれた位相の同調信号で復調する第4の期間にはノイズによるオフセット信号のみが得られることとなり、ノイズによるオフセット量を正確に計測することができると共に、第3の期間で計測したオフセット信号を含むガス濃度信号から、第4の期間で計測したオフセット信号を差し引くことにより、正確なガス濃度を求めることができ、結果として、対ノイズ性に優れ、高精度のガス濃度計測が可能なガス濃度計測装置を実現することができる。
また、本発明は、上記第2のガス濃度計測装置において、ガス濃度が既知の標準ガスが封入または流通可能にされた参照セルと、前記参照セルに前記レーザ光を導入する導入手段と、前記参照セルを通過したレーザ光を受光する第2受光手段と、前記第2受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記所定周波数の偶数倍の周波数の同調信号で復調する第3復調手段と、前記第2受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記所定周波数の奇数倍の周波数の同調信号で復調する第4復調手段と、前記第4復調手段の出力信号を用いて前記光源から発振されるレーザ光の発振波長を制御する波長制御手段とを有し、前記第3復調手段および前記第4復調手段は、前記第3の期間と、前記第4の期間とを有することを特徴とする。
本発明によれば、参照ガス計測ルート(参照セルを通過した受光信号の信号処理)について、第3の期間で計測したオフセット信号を含むガス濃度信号から、第4の期間で計測したオフセット信号を差し引くことにより、正確な参照セルのガス濃度を求めることができる。また、本発明をガス吸収波長のロック機能に適用することにより、レーザ光の発振波長をより安定化させることができる。
また、本発明に係る第3のガス濃度計測装置は、測定対象のガス状物質に固有の吸収波長のレーザ光を発振する光源と、前記光源から発振されるレーザ光の発振波長を所定周波数の変調信号で変調する変調手段と、前記レーザ光を前記ガス状物質が存在する領域に導く導光手段と、前記測定領域において透過、反射または散乱したレーザ光を受光する受光手段と、前記受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記所定周波数の偶数倍の周波数の同調信号で復調する復調手段とを備え、前記復調手段は、前記受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記変調信号と同位相の同調信号で復調する第1復調手段と、前記受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記変調信号とずれた位相の同調信号で復調する第2復調手段と、前記第1復調手段の出力から前記第2復調手段の出力を差し引く減算手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、ノイズによるオフセット量を正確に計測することができると共に、第1復調手段で得られたノイズによるオフセット信号を含むガス濃度信号から、第2復調手段で得られたノイズによるオフセット信号が差し引かれ、正確なガス濃度を求めることができ、結果として、対ノイズ性に優れ、高精度のガス濃度計測が可能なガス濃度計測装置を実現することができる。
また、本発明は、上記第3のガス濃度計測装置において、ガス濃度が既知の標準ガスが封入または流通可能にされた参照セルと、前記参照セルに前記レーザ光を導入する導入手段と、前記参照セルを通過したレーザ光を受光する第2受光手段と、前記第2受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記所定周波数の偶数倍の周波数の同調信号で復調する第3復調手段と、前記第2受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記所定周波数の奇数倍の周波数の同調信号で復調する第4復調手段と、前記第4復調手段の出力信号を用いて前記光源から発振されるレーザ光の発振波長を制御する波長制御手段とを有し、前記第3復調手段は、前記第2受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記変調信号と同位相の同調信号で復調する第5復調手段と、前記第2受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記変調信号とずれた位相の同調信号で復調する第6復調手段と、前記第5復調手段の出力から前記第6復調手段の出力を差し引く減算手段とを有し、前記第4復調手段は、前記第2受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記変調信号と同位相の同調信号で復調する第7復調手段と、前記第2受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記変調信号とずれた位相の同調信号で復調する第8復調手段と、前記第7復調手段の出力から前記第8復調手段の出力を差し引く減算手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、参照ガス計測ルート(参照セルを通過した受光信号の信号処理)について、第5復調手段で得られるオフセット信号を含むガス濃度信号から、第6復調手段で得られるオフセット信号を差し引くことにより、正確な参照セルのガス濃度を求めることができる。また、本発明をガス吸収波長のロック機能に適用することにより、レーザ光の発振波長をより安定化させることができる。
また、本発明は、上記第1のガス濃度計測装置において、前記復調手段は、前記受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記変調信号と同位相の同調信号で復調する第1復調手段と、前記受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記変調信号とずれた位相の同調信号で復調する第2復調手段と、前記第1復調手段の出力から前記第2復調手段の出力を差し引く減算手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、ノイズによるオフセット量を正確に計測することができると共に、第1復調手段で得られたノイズによるオフセット信号を含むガス濃度信号から、第2復調手段で得られたノイズによるオフセット信号が差し引かれ、正確なガス濃度を求めることができる。
また、本発明は、上記第1のガス濃度計測装置において、前記第2の期間における前記復調手段の出力に基づき、該第2の期間の後に来る第1の期間における受光信号から該復調手段の出力分を取り除くためのオフセットキャンセル信号を生成するキャンセル信号生成手段と、前記第1の期間に前記受光信号から前記オフセットキャンセル信号を差し引いて前記復調手段に供給する減算手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、第2の期間における復調手段の出力に基づきノイズによるオフセット分を取り除くためのオフセットキャンセル信号を生成し、第1の期間では、減算手段で受光信号からオフセットキャンセル信号を差し引いた信号を復調することとしたので、ノイズによるオフセット信号を差し引いた正確なガス濃度を求めることができ、結果として、対ノイズ性に優れ、高精度のガス濃度計測が可能なガス濃度計測装置を実現することができる。
また、本発明は、上記第2のガス濃度計測装置において、前記第4の期間における前記復調手段の出力に基づき、該第4の期間の後に来る第3の期間における受光信号から該復調手段の出力分を取り除くためのオフセットキャンセル信号を生成するキャンセル信号生成手段と、前記第3の期間に前記受光信号から前記オフセットキャンセル信号を差し引いて前記復調手段に供給する減算手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、第4の期間における復調手段の出力に基づきノイズによるオフセット分を取り除くためのオフセットキャンセル信号を生成し、第3の期間では、減算手段で受光信号からオフセットキャンセル信号を差し引いた信号を復調することとしたので、ノイズによるオフセット信号を差し引いた正確なガス濃度を求めることができ、結果として、対ノイズ性に優れ、高精度のガス濃度計測が可能なガス濃度計測装置を実現することができる。
また、本発明に係る第1のガス濃度計測方法は、測定対象のガス状物質が存在する領域に、所定周波数で変調した該ガス状物質に固有の吸収波長のレーザ光を照射し、該レーザ光を受光して得られる受光信号の中から変調された信号を前記所定周波数の偶数倍の周波数の同調信号で復調して、前記ガス状物質のガス濃度を測定するガス濃度計測方法であって、前記測定対象のガス状物質に固有の吸収波長を前記所定周波数で変調する第1の期間と、該固有の吸収波長から外れた波長を前記所定周波数で変調する第2の期間とを有することを特徴とする。
本発明によれば、測定対象のガス状物質に固有の吸収波長を所定周波数で変調する第1の期間には、ノイズによるオフセット信号を含むガス濃度信号が得られ、固有の吸収波長から外れた波長を所定周波数で変調する第2の期間には、ノイズによるオフセット信号のみが得られることとなり、ノイズによるオフセット量を正確に計測することができると共に、第1の期間で計測したオフセット信号を含むガス濃度信号から、第2の期間で計測したオフセット信号を差し引くことにより、正確なガス濃度を求めることができ、結果として、対ノイズ性に優れ、高精度のガス濃度計測が可能なガス濃度計測方法を実現することができる。
また、本発明に係る第2のガス濃度計測方法は、測定対象のガス状物質が存在する領域に、所定周波数で変調した該ガス状物質に固有の吸収波長のレーザ光を照射し、該レーザ光を受光して得られる受光信号の中から変調された信号を前記所定周波数の偶数倍の周波数の同調信号で復調して、前記ガス状物質のガス濃度を測定するガス濃度計測方法であって、前記受光信号の中から変調された信号を前記変調に用いる変調信号と同位相の同調信号で復調する第3の期間と、該変調信号とずれた位相の同調信号で復調する第4の期間とを有することを特徴とする。
本発明によれば、受光手段で受光した信号の中から変調された信号を変調信号と同位相の同調信号で復調する第3の期間にはノイズによるオフセット信号を含むガス濃度信号が得られ、変調信号とずれた位相の同調信号で復調する第4の期間にはノイズによるオフセット信号のみが得られることとなり、ノイズによるオフセット量を正確に計測することができると共に、第3の期間で計測したオフセット信号を含むガス濃度信号から、第4の期間で計測したオフセット信号を差し引くことにより、正確なガス濃度を求めることができ、結果として、対ノイズ性に優れ、高精度のガス濃度計測が可能なガス濃度計測方法を実現することができる。
また、本発明に係る第3のガス濃度計測方法は、測定対象のガス状物質が存在する領域に、所定周波数で変調した該ガス状物質に固有の吸収波長のレーザ光を照射し、該レーザ光を受光して得られる受光信号の中から変調された信号を前記所定周波数の偶数倍の周波数の同調信号で復調して、前記ガス状物質のガス濃度を測定するガス濃度計測方法であって、前記受光信号の中から変調された信号を前記変調に用いる変調信号と同位相の同調信号で復調する第1復調ステップと、前記受光信号の中から変調された信号を前記変調に用いる変調信号とずれた位相の同調信号で復調する第2復調ステップと、前記第1復調ステップの出力から前記第2復調ステップの出力を差し引く減算ステップとを有することを特徴とする。
本発明によれば、ノイズによるオフセット量を正確に計測することができると共に、第1復調ステップで得られたノイズによるオフセット信号を含むガス濃度信号から、第2復調ステップで得られたノイズによるオフセット信号が差し引かれ、正確なガス濃度を求めることができ、結果として、対ノイズ性に優れ、高精度のガス濃度計測が可能なガス濃度計測方法を実現することができる。
また、本発明は、上記第1のガス濃度計測方法において、前記受光信号の中から変調された信号を前記変調に用いる変調信号と同位相の同調信号で復調する第1復調ステップと、前記受光信号の中から変調された信号を前記変調に用いる変調信号とずれた位相の同調信号で復調する第2復調ステップと、前記第1復調ステップの出力から前記第2復調ステップの出力を差し引く減算ステップとを有することを特徴とする。
本発明によれば、ノイズによるオフセット量を正確に計測することができると共に、第1復調ステップで得られたノイズによるオフセット信号を含むガス濃度信号から、第2復調ステップで得られたノイズによるオフセット信号が差し引かれ、正確なガス濃度を求めることができる。
また、本発明は、上記第1のガス濃度計測方法において、前記第2の期間における前記復調ステップの結果に基づき、該第2の期間の後に来る第1の期間における受光信号から該復調ステップの結果分を取り除くためのオフセットキャンセル信号を生成するキャンセル信号生成ステップと、前記第1の期間に前記受光信号から前記オフセットキャンセル信号を差し引いて前記復調ステップの入力とする減算ステップとを有することを特徴とする。
本発明によれば、第2の期間における復調ステップの結果に基づきノイズによるオフセット分を取り除くためのオフセットキャンセル信号を生成し、第1の期間では、減算ステップで受光信号からオフセットキャンセル信号を差し引いた信号を復調することとしたので、ノイズによるオフセット信号を差し引いた正確なガス濃度を求めることができ、結果として、対ノイズ性に優れ、高精度のガス濃度計測が可能なガス濃度計測方法を実現することができる。
また、本発明は、上記第2のガス濃度計測方法において、前記第4の期間における前記復調ステップの結果に基づき、該第4の期間の後に来る第3の期間における受光信号から該復調ステップの結果分を取り除くためのオフセットキャンセル信号を生成するキャンセル信号生成ステップと、前記第3の期間に前記受光信号から前記オフセットキャンセル信号を差し引いて前記復調ステップの入力とする減算ステップとを有することを特徴とする。
本発明によれば、第4の期間における復調ステップの結果に基づきノイズによるオフセット分を取り除くためのオフセットキャンセル信号を生成し、第3の期間では、減算ステップで受光信号からオフセットキャンセル信号を差し引いた信号を復調することとしたので、ノイズによるオフセット信号を差し引いた正確なガス濃度を求めることができ、結果として、対ノイズ性に優れ、高精度のガス濃度計測が可能なガス濃度計測方法を実現することができる。
本発明によれば、ノイズによるオフセット量を正確に計測することができると共に、オフセット信号を含むガス濃度信号から、オフセット信号を差し引くことにより、正確なガス濃度を求めることができ、結果として、対ノイズ性に優れ、高精度のガス濃度計測が可能なガス濃度計測装置および方法を実現することができるという効果を奏する。
本発明の第1実施形態に係るガス濃度計測装置の構成図である。 第1実施形態のガス濃度計測装置における信号処理を説明する説明図である。 本発明の第2実施形態に係るガス濃度計測装置の構成図である。 第2実施形態のガス濃度計測装置における信号処理を説明する説明図である。 本発明の第3実施形態に係るガス濃度計測装置の構成図である。 第3実施形態のガス濃度計測装置における信号処理を説明する説明図である。 本発明の第4実施形態に係るガス濃度計測装置の構成図である。 第4実施形態のガス濃度計測装置における信号処理を説明する説明図である。 本発明の第5実施形態に係るガス濃度計測装置の構成図である。 従来のガス濃度計測装置の説明図である。 従来のガス濃度計測装置の構成図である。
以下、本発明のガス濃度計測装置および方法の実施形態について、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態、第5実施形態の順に図面を参照して詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は本発明の第1実施形態に係るガス濃度計測装置の構成図である。本実施形態のガス濃度計測装置においても従来(特許文献1)と同様に波長可変半導体レーザ吸収分光法(TDLAS)を用いている。
本実施形態のガス濃度計測装置の実際のガス濃度計測時の配置は従来(図10参照)と同様である。すなわち、半導体レーザダイオード1(光源)はLDドライバ2に接続されて、温度および注入電流がLDドライバ2によって制御される。半導体レーザダイオード1から発振されたレーザ光はハーフミラーを介して計測対象の計測領域に入射される。該計測領域を通過したレーザ光は、該レーザ光の光軸上に配置されたフォトダイオード(PD2)5(受光手段)によって受光される。また、背景光はレーザ光軸から外れたところに配置されたフォトダイオード(PD3)6によって受光される。さらに、ガス濃度が既知である標準ガスが封入または流通可能にされた参照セル(図示略)を備え、ハーフミラーを介して該参照セルを通過したレーザ光は、フォトダイオード(PD1)4(第2受光手段)によって受光される。
また、測定ユニット8Aは、タイミング制御部11、電圧発生器12、サイン波発生器13、電圧生成部14A、アンプ15a,15b、ハイパスフィルタ16a,16b、位相検波器17a,17b,19、ローパスフィルタ18a〜18eおよびアンプ/ローパスフィルタ20を備えている。
タイミング制御部11、電圧発生器12、サイン波発生器13および電圧生成部14Aは、特許請求の範囲にいう変調手段に該当し、半導体レーザダイオード1から発振されるレーザ光の発振波長を所定周波数の変調信号で変調するものであり、測定対象のガス状物質に固有の吸収波長を所定周波数で変調する第1の期間と、該固有の吸収波長から外れた波長を所定周波数で変調する第2の期間とを有する点に特徴がある。
ここで、タイミング制御部11は、これら第1の期間および第2の期間の切り換えタイミングを制御するものである。また電圧発生器12は、第2の期間に固有の吸収波長から外れた波長とするためのバイアス電圧を発生するものである。またサイン波発生器13は、所定周波数のサイン波を発生し、該サイン波信号が変調信号となる。
また、電圧生成部14Aは、第1の期間には、アンプ/ローパスフィルタ20から出力される電圧をバイアス電圧として、サイン波発生器13から出力される変調信号(サイン波信号)を重畳してLDドライバ2に供給し、また第2の期間には、電圧発生器12の出力をバイアス電圧として、サイン波発生器13から出力される変調信号(サイン波信号)を重畳してLDドライバ2に供給する。なお、後述のように、位相検波器19によりレーザ光の発振波長を参照セル内のガス吸収がピークとなる波長にロックされ、アンプ/ローパスフィルタ20からは該波長に応じたバイアス電圧が出力される。
これにより、レーザ光の発振波長は、第1の期間では測定対象のガス状物質に固有の吸収波長に変調が掛けられ、第1の期間では該固有の吸収波長から外れた波長に変調が掛けられることとなる。なお、第1の期間および第2の期間の切り換えは、同一時間刻みで交互に切り換えても良いし、また本来のガス濃度測定期間である第1の期間を第2の期間より長めにするなどデューティ比を持たせるようにしても良い。また、本実施形態では、電圧発生器12によるバイアス電圧を一定値としているが、固有の吸収波長から外れた波長とする電圧範囲で第2の期間に階段状に変化するようにしても良い。
次に、受光後の信号処理として、フォトダイオード(PD3)6で受光する背景光の処理ルートにはローパスフィルタ18aを備え、高周波ノイズが除去される。またフォトダイオード(PD2)5で受光する主計測光の信号処理については、ローパスフィルタ18bを備えて高周波ノイズを除去する処理ルートと、アンプ15a、ハイパスフィルタ16a、位相検波器17a(復調手段)およびローパスフィルタ18cを備える処理ルートとを有する。後者の処理ルートでは、アンプ15aで信号増幅された後、ハイパスフィルタ16aで低周波ノイズが除去され、位相検波器17aで変調周波数の偶数倍の周波数(ここでは2倍)の同調信号で復調され、さらにローパスフィルタ18cで高周波ノイズが除去される。
また、参照セルを通過した受光信号の信号処理についても、ローパスフィルタ18dを備えて高周波ノイズを除去する処理ルートと、アンプ15b、ハイパスフィルタ16b、位相検波器17b(第3復調手段)およびローパスフィルタ18eを備える処理ルートとを有する。後者の処理ルートでは、アンプ15bで信号増幅された後、ハイパスフィルタ16bで低周波ノイズが除去され、位相検波器17bで変調周波数の偶数倍の周波数(ここでは2倍)の同調信号で復調され、さらにローパスフィルタ18eで高周波ノイズが除去される。
またさらに、ハイパスフィルタ16bの出力信号に対して変調周波数の奇数倍の周波数(ここでは1倍)で位相検波を施す位相検波器19(第4復調手段)を備えて、該位相検波器19の出力はアンプ/ローパスフィルタ20を介して電圧生成部14Aにフィードバックされる。位相検波器19の出力は、参照セル内のガスによる吸収信号の1次微分信号であり、該1次微分信号は吸収中心波長付近でガス吸収中心波長とレーザ光の発振波長との差に比例することから、位相検波器19の出力がゼロとなるようにバイアス電圧を設定することにより、レーザ光の発振波長がガス吸収のピーク波長にロックされることとなる。
次に、以上の各構成要素を備えたガス濃度計測装置における信号処理(ガス濃度計測方法)について、図2を参照して説明する。ここで、図2は本実施形態のガス濃度計測装置における信号処理を説明する説明図である。
図2(a)には、レーザ光の発振波長を変調信号で変調する処理と、フォトダイオード(PD2)5で受光する主計測光の信号処理とを、一連の処理ルート(実ガス計測ルート)として模式的に示している。また、ホワイトノイズ等のノイズが影響する可能性のある箇所を指し示している。
まず、レーザ光の発振波長を変調信号で変調する処理では、電圧生成部14Aにおいて、測定対象のガス状物質に固有の吸収波長に応じた電圧の第1の期間と、該固有の吸収波長から外れた波長に応じた電圧の第2の期間とを周期的に持つバイアス電圧に、変調信号(サイン波信号)が重畳される。なお、ここでは第2の期間の電圧を第1の期間の電圧(固有の吸収波長に応じた電圧)より低くずらして設定しているが、高めにずらした設定としても良い。
電圧生成部14Aで生成した電圧はLDドライバ2に供給され、ここで注入電流に変換されて半導体レーザダイオード1から発振されるレーザ光の発振波長が制御されることとなる。また、計測領域を通過したレーザ光は、該レーザ光の光軸上に配置されたフォトダイオード(PD2)5によって受光される。
図2(b)には、計測領域を通過したレーザ光の波長の第1の期間および第2の期間における時間推移を模式的に例示する。(理解のし易さのために一部を拡大強調して表しており、厳密には実際のものと異なる。)第1の期間では測定対象のガス状物質に固有の吸収波長となるタイミング(箇所)でガス吸収が発生しているのに対し、第2の期間では測定対象のガス状物質に固有の吸収波長となるタイミングが存在しないことから、ガス吸収のある箇所も存在していない。但し、図2(a)に指し示したように、実ガス計測ルートにおいてノイズが影響する可能性のある箇所が存在することから、第1の期間および第2の期間の双方において回路に発生する全てのノイズの影響が受光信号に重畳していることになる。
次に、受光信号は、アンプ15aで信号増幅された後、ハイパスフィルタ16aで低周波ノイズが除去され、位相検波器17aで変調周波数の2倍の周波数の同調信号で復調され、さらにローパスフィルタ18cで高周波ノイズが除去される。その結果として、第1の期間にはノイズによるオフセット信号を含むガス濃度信号が得られ、第2の期間にはノイズによるオフセット信号のみが得られることとなる。したがって、第1の期間で計測したオフセット信号を含むガス濃度信号から、第2の期間で計測したオフセット信号を差し引くことにより、正確なガス濃度を求めることができる。
以上説明したように、本実施形態のガス濃度計測装置および方法では、レーザ光の発振波長を所定周波数の変調信号で変調する際に、測定対象のガス状物質に固有の吸収波長を所定周波数で変調する第1の期間と、該固有の吸収波長から外れた波長を所定周波数で変調する第2の期間とを有することとしたので、第1の期間にはノイズによるオフセット信号を含むガス濃度信号が得られ、第2の期間にはノイズによるオフセット信号のみが得られることとなり、第1の期間で計測したオフセット信号を含むガス濃度信号から、第2の期間で計測したオフセット信号を差し引くことにより、正確なガス濃度を求めることができる。
つまり、本実施形態のガス濃度計測装置および方法は、従来の計測手法で計測が行われる第1の期間に、該固有の吸収波長から外れた波長を所定周波数で変調する第2の期間を追加したものであるが、第2の期間ではガス吸収は発生せず、計測領域にガスがない状態と等価な計測を行うことができ、ノイズによるオフセット量を正確に計測することができる。その結果として、対ノイズ性に優れ、高精度のガス濃度計測が可能なガス濃度計測装置および方法を実現することができる。
以上の説明では、主として実ガス計測ルート(フォトダイオード(PD2)5で受光する主計測光の信号処理)について説明したが、参照ガス計測ルート(参照セルを通過した受光信号の信号処理)についても同様である。すなわち、第1の期間で計測したオフセット信号を含むガス濃度信号から、第2の期間で計測したオフセット信号を差し引くことにより、正確な参照セルのガス濃度を求めることができる。
またさらに、本発明を上述したガス吸収波長のロック機能に適用することも可能である。この波長ロック機能は、ガス濃度を計測する時間帯でレーザ光の波長をガス吸収波長に常に合わせる機能である。半導体レーザダイオード1は周囲の温度や注入電流の変化で発振波長が変化する特性があり、ずれている波長分をフィードバックして常にガス吸収波長で半導体レーザダイオード1をドライブする必要がある。上述したように、このずれ量を求めるのに変調信号と同じ(1倍の)周波数で同調する手法が採られている。
この手法によれば、レーザ光の波長がガス吸収波長に一致するとずれ量がゼロで、またガス吸収波長をオーバー或いは下回ればずれ量が±で、それぞれ出力されるので、どの方向に補正すればよいかが分かる。しかしながら、ガス濃度計測と同様に同調して平滑化しても、ノイズの影響で所定のオフセット量を持っているため、波長が一致したとしてもずれ量はゼロとならずに値が偏ることとなる。
そこで、ガス吸収波長のロック機能においても、ガス濃度計測と同様に第2の期間でオフセット信号を計測し、該オフセット量分を差し引くことで、制御するレーザ光の波長がガス吸収波長に一致したときにずれ量がゼロとなるように維持することができ、レーザ光の発振波長をより安定化させることができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係るガス濃度計測装置および方法について説明する。図3は本発明の第2実施形態に係るガス濃度計測装置の構成図である。本実施形態のガス濃度計測装置の実際のガス濃度計測時の配置は、第1実施形態と同じく従来(図10参照)と同様である。
また、測定ユニット8Bは、サイン波発生器13、電圧生成部14B、アンプ15a,15b、ハイパスフィルタ16a,16b、位相検波器21a,21b,19、ローパスフィルタ18a〜18e、アンプ/ローパスフィルタ20および同調信号生成部22を備えている。
サイン波発生器13および電圧生成部14Bは、特許請求の範囲にいう変調手段に該当し、半導体レーザダイオード1から発振されるレーザ光の発振波長を所定周波数の変調信号で変調するものであり、測定対象のガス状物質に固有の吸収波長を所定周波数で変調する。
ここで、サイン波発生器13は、所定周波数のサイン波を発生し、該サイン波信号が変調信号となる。また、電圧生成部14Bは、アンプ/ローパスフィルタ20から出力される電圧をバイアス電圧として、サイン波発生器13から出力される変調信号(サイン波信号)を重畳してLDドライバ2に供給する。なお、第1実施形態と同様に、位相検波器19によりレーザ光の発振波長を参照セル内のガス吸収がピークとなる波長にロックされ、アンプ/ローパスフィルタ20からは該波長に応じたバイアス電圧が出力される。
次に、受光後の信号処理として、フォトダイオード(PD3)6で受光する背景光の処理ルートにはローパスフィルタ18aを備え、高周波ノイズが除去される。またフォトダイオード(PD2)5で受光する主計測光の信号処理については、ローパスフィルタ18bを備えて高周波ノイズを除去する処理ルートと、アンプ15a、ハイパスフィルタ16a、位相検波器21aおよびローパスフィルタ18cを備える処理ルートとを有する。後者の処理ルートでは、アンプ15aで信号増幅された後、ハイパスフィルタ16aで低周波ノイズが除去され、位相検波器21aで変調周波数の偶数倍の周波数(ここでは2倍)の同調信号で復調され、さらにローパスフィルタ18cで高周波ノイズが除去される。
ここで、同調信号は同調信号生成部22で生成されるが、同調信号生成部22および位相検波器21aは、特許請求の範囲にいう復調手段に該当し、フォトダイオード(PD2)5で受光した信号の中から変調された信号を変調信号と同位相の同調信号で復調する第3の期間と、変調信号とずれた位相の同調信号で復調する第4の期間とを有する点に特徴がある。
同調信号生成部22には、タイミング制御部23、逓倍器24、位相器25および切換スイッチ26を備えている。逓倍器24は、サイン波発生器13からの変調信号(サイン波信号)の周波数を2倍に逓倍して第1同調信号を生成する。また位相器25は、逓倍器24の出力信号の位相をπ/2(90°)ずらした第2同調信号を生成する。また、タイミング制御部11は、第3の期間および第4の期間の切換信号を生成し、第3の期間には逓倍器24の出力(第1同調信号)が、第4の期間には位相器25の出力(第2同調信号)が、それぞれ同調信号として位相検波器21aに供給されるように切換スイッチ26を制御する。
なお、第3の期間および第4の期間の切り換えは、同一時間刻みで交互に切り換えても良いし、また本来のガス濃度測定期間である第3の期間を第4の期間より長めにするなどデューティ比を持たせるようにしても良い。
また、参照セルを通過した受光信号の信号処理についても、ローパスフィルタ18dを備えて高周波ノイズを除去する処理ルートと、アンプ15b、ハイパスフィルタ16b、位相検波器17bおよびローパスフィルタ18eを備える処理ルートとを有する。後者の処理ルートでは、アンプ15bで信号増幅された後、ハイパスフィルタ16bで低周波ノイズが除去され、位相検波器21b(第3復調手段)で変調周波数の偶数倍の周波数(ここでは2倍)の同調信号で復調され、さらにローパスフィルタ18eで高周波ノイズが除去される。なお、位相検波器21bで用いる同調信号も同調信号生成部22で生成される同調信号である。
またさらに、ハイパスフィルタ16bの出力信号に対して変調周波数の奇数倍の周波数(ここでは1倍)で位相検波を施す位相検波器19(第4復調手段)を備えて、該位相検波器19の出力はアンプ/ローパスフィルタ20を介して電圧生成部14Bにフィードバックされる。ここでのレーザ光の発振波長のロック機能については、第1実施形態と同様である。
次に、以上の各構成要素を備えたガス濃度計測装置における信号処理(ガス濃度計測方法)について、図4を参照して説明する。ここで、図4は本実施形態のガス濃度計測装置における信号処理を説明する説明図である。
図4(a)には、レーザ光の発振波長を変調信号で変調する処理と、フォトダイオード(PD2)5で受光する主計測光の信号処理とを、一連の処理ルート(実ガス計測ルート)として模式的に示している。また、ホワイトノイズ等のノイズが影響する可能性のある箇所を指し示している。
まず、レーザ光の発振波長を変調信号で変調する処理では、電圧生成部14Bにおいて、測定対象のガス状物質に固有の吸収波長に応じたバイアス電圧に、変調信号(サイン波信号)が重畳される。電圧生成部14Bで生成した電圧はLDドライバ2に供給され、ここで注入電流に変換されて半導体レーザダイオード1から発振されるレーザ光の発振波長が制御されることとなる。また、計測領域を通過したレーザ光は、該レーザ光の光軸上に配置されたフォトダイオード(PD2)5によって受光される。
次に、受光信号は、アンプ15aで信号増幅された後、ハイパスフィルタ16aで低周波ノイズが除去され、位相検波器17aで変調周波数の2倍の周波数の同調信号で復調され、さらにローパスフィルタ18cで高周波ノイズが除去される。
図4(b)には、計測領域を通過したレーザ光の波長の第3の期間および第4の期間における時間推移と、それぞれの期間で復調に用いられる同調信号の波形を模式的に例示する。(理解のし易さのために一部を拡大強調して表しており、厳密には実際のものと異なる。)波長の時間推移については、第3の期間および第4の期間共に、測定対象のガス状物質に固有の吸収波長となるタイミング(箇所)でガス吸収が発生している。また他方で、第3の期間では位相検波器17aにおける復調(位相検波)に変調信号と同位相の第1同調信号が用いられるのに対し、第4の期間では変調信号と位相がπ/2(90°)ずれた第2同調信号が用いられる。
したがって、第3の期間では測定対象のガス状物質に固有の吸収波長の信号が復調(位相検波)されて、該復調された信号にガス吸収の発生が反映されるのに対し、第4の期間では測定対象のガス状物質に固有の吸収波長からずれた信号が復調(位相検波)されて、該復調された信号にガス吸収の発生が反映されないこととなる。なお、図4(a)に指し示したように、実ガス計測ルートにおいてノイズが影響する可能性のある箇所が存在することから、第1の期間および第2の期間の双方において回路に発生する全てのノイズの影響が受光信号に重畳している。
その結果として、第3の期間にはノイズによるオフセット信号を含むガス濃度信号が得られ、第4の期間にはノイズによるオフセット信号のみが得られることとなる。したがって、第3の期間で計測したオフセット信号を含むガス濃度信号から、第4期間で計測したオフセット信号を差し引くことにより、正確なガス濃度を求めることができる。
以上説明したように、本実施形態のガス濃度計測装置および方法では、フォトダイオード(PD2)5で受光した信号の中から変調された信号を所定周波数の偶数倍の周波数の同調信号で復調する際に、受光手段で受光した信号の中から変調された信号を変調信号と同位相の同調信号で復調する第3の期間と、変調信号とずれた位相の同調信号で復調する第4の期間とを有することとしたので、第3の期間にはノイズによるオフセット信号を含むガス濃度信号が得られ、第4の期間にはノイズによるオフセット信号のみが得られることとなり、第3の期間で計測したオフセット信号を含むガス濃度信号から、第4期間で計測したオフセット信号を差し引くことにより、正確なガス濃度を求めることができる。
つまり、本実施形態のガス濃度計測装置および方法は、従来の計測手法で計測が行われる第3の期間に、固有の吸収波長からずれた信号を復調(位相検波)する第4の期間を追加したものであるが、第4の期間ではガス吸収の発生は反映されず、計測領域にガスがない状態と等価な計測を行うことができ、ノイズによるオフセット量を正確に計測することができる。その結果として、対ノイズ性に優れ、高精度のガス濃度計測が可能なガス濃度計測装置および方法を実現することができる。
以上の説明では、主として実ガス計測ルート(フォトダイオード(PD2)5で受光する主計測光の信号処理)について説明したが、参照ガス計測ルート(参照セルを通過した受光信号の信号処理)についても同様である。すなわち、第3の期間で計測したオフセット信号を含むガス濃度信号から、第4期間で計測したオフセット信号を差し引くことにより、正確な参照セルのガス濃度を求めることができる。
またさらに、第1実施形態と同様に、本発明を上述したガス吸収波長のロック機能に適用することも可能である。但し、同調信号生成部22に、サイン波発生器13の出力信号の位相をπ/2(90°)ずらす第2位相器と、第3の期間にはサイン波発生器13の出力(第1同調信号)が、第4の期間には第2位相器の出力(第2同調信号)が、それぞれ同調信号として位相検波器19に供給する第2切換スイッチを追加する必要がある。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態に係るガス濃度計測装置および方法について説明する。図5は本発明の第3実施形態に係るガス濃度計測装置の構成図である。本実施形態のガス濃度計測装置の実際のガス濃度計測時の配置は、第1実施形態と同じく従来(図10参照)と同様である。
また、測定ユニット8Cは、タイミング制御部11、電圧発生器12、サイン波発生器13、電圧生成部14A、アンプ15a,15b、ハイパスフィルタ16a1〜16b2、位相検波器30a,30b,31a,31b,19、ローパスフィルタ18a〜18e2、アンプ/ローパスフィルタ20、減算器33,34および同調信号生成部32を備えている。
タイミング制御部11、電圧発生器12、サイン波発生器13および電圧生成部14Aは、特許請求の範囲にいう変調手段に該当し、半導体レーザダイオード1から発振されるレーザ光の発振波長を所定周波数の変調信号で変調するものであり、第1実施形態と同様に、測定対象のガス状物質に固有の吸収波長を所定周波数で変調する第1の期間と、該固有の吸収波長から外れた波長を所定周波数で変調する第2の期間とを有する点に特徴がある。詳細については第1実施形態と同様であるので省略する。
次に、受光後の信号処理として、フォトダイオード(PD3)6で受光する背景光の処理ルートにはローパスフィルタ18aを備え、高周波ノイズが除去される。またフォトダイオード(PD2)5で受光する主計測光の信号処理については、ローパスフィルタ18bを備えて高周波ノイズを除去する処理ルートと、アンプ15a、ハイパスフィルタ16a1,16a2、位相検波器30a,31a、ローパスフィルタ18c1,18c2および減算器33を備える処理ルートとを有する。
後者の処理ルートでは、アンプ15aで信号増幅された後、2つのルートに分岐され信号処理後に減算器33により両者の差分がとられる。一方の分岐ルートでは、ハイパスフィルタ16a1で低周波ノイズが除去され、位相検波器30a(第1復調手段)で変調周波数の偶数倍の周波数(ここでは2倍)の第1同調信号で復調され、さらにローパスフィルタ18c1で高周波ノイズが除去される。他方の分岐ルートでは、ハイパスフィルタ16a2で低周波ノイズが除去され、位相検波器31a(第2復調手段)で変調周波数の偶数倍の周波数(ここでは2倍)の第2同調信号で復調され、さらにローパスフィルタ18c2で高周波ノイズが除去される。減算器33では、ローパスフィルタ18c1の出力信号からローパスフィルタ18c2の出力信号が差し引かれる。
ここで、第1同調信号および第2同調信号は同調信号生成部32で生成される。同調信号生成部32には、逓倍器24および位相器25を備えている。逓倍器24は、サイン波発生器13からの変調信号(サイン波信号)の周波数を2倍に逓倍して第1同調信号を生成する。また位相器25は、逓倍器24の出力信号の位相をπ/2(90°)ずらした第2同調信号を生成する。
また、参照セルを通過した受光信号の信号処理についても、ローパスフィルタ18dを備えて高周波ノイズを除去する処理ルートと、アンプ15b、ハイパスフィルタ16b1,16b2、位相検波器30b,31b、ローパスフィルタ18e1,18e2および減算器34を備える処理ルートとを有する。
後者の処理ルートでは、アンプ15bで信号増幅された後、2つのルートに分岐され信号処理後に減算器34により両者の差分がとられる。一方の分岐ルートでは、ハイパスフィルタ16b1で低周波ノイズが除去され、位相検波器30b(第5復調手段)で変調周波数の偶数倍の周波数(ここでは2倍)の第1同調信号で復調され、さらにローパスフィルタ18e1で高周波ノイズが除去される。他方の分岐ルートでは、ハイパスフィルタ16b2で低周波ノイズが除去され、位相検波器31b(第6復調手段)で変調周波数の偶数倍の周波数(ここでは2倍)の第2同調信号で復調され、さらにローパスフィルタ18e2で高周波ノイズが除去される。減算器34では、ローパスフィルタ18e1の出力信号からローパスフィルタ18e2の出力信号が差し引かれる。
またさらに、ハイパスフィルタ16b2の出力信号に対して変調周波数の奇数倍の周波数(ここでは1倍)で位相検波を施す位相検波器19(第4復調手段)を備えて、該位相検波器19の出力はアンプ/ローパスフィルタ20を介して電圧生成部14Aにフィードバックされる。ここでのレーザ光の発振波長のロック機能については、第1実施形態と同様である。
次に、以上の各構成要素を備えたガス濃度計測装置における信号処理(ガス濃度計測方法)について、図6を参照して説明する。ここで、図6は本実施形態のガス濃度計測装置における信号処理を説明する説明図である。
図6には、レーザ光の発振波長を変調信号で変調する処理と、フォトダイオード(PD2)5で受光する主計測光の信号処理とを、一連の処理ルート(実ガス計測ルート)として模式的に示している。また、ホワイトノイズ等のノイズが影響する可能性のある箇所を指し示している。
まず、レーザ光の発振波長を変調信号で変調する処理では、電圧生成部14Aにおいて、測定対象のガス状物質に固有の吸収波長に応じた電圧の第1の期間と、該固有の吸収波長から外れた波長に応じた電圧の第2の期間とを周期的に持つバイアス電圧に、変調信号(サイン波信号)が重畳される。
電圧生成部14Aで生成した電圧はLDドライバ2に供給され、ここで注入電流に変換されて半導体レーザダイオード1から発振されるレーザ光の発振波長が制御されることとなる。また、計測領域を通過したレーザ光は、該レーザ光の光軸上に配置されたフォトダイオード(PD2)5によって受光される。
次に、受光信号は、アンプ15aで信号増幅された後、2つのルートに分岐され信号処理後に減算器33により両者の差分がとられる。一方の分岐ルートでは、ハイパスフィルタ16a1で低周波ノイズが除去され、位相検波器30aで変調周波数の2倍の周波数の第1同調信号で復調され、さらにローパスフィルタ18c1で高周波ノイズが除去される。他方の分岐ルートでは、ハイパスフィルタ16a2で低周波ノイズが除去され、位相検波器31aで変調周波数の2倍の周波数の第2同調信号で復調され、さらにローパスフィルタ18c2で高周波ノイズが除去される。減算器33では、ローパスフィルタ18c1の出力信号からローパスフィルタ18c2の出力信号が差し引かれる。
ここで、一方の分岐ルート(位相検波器30a)での復調処理は、第2実施形態における第3の期間の処理(図4(b)参照)に該当し、ノイズによるオフセット信号を含むガス濃度信号が得られる。また、他方の分岐ルート(位相検波器31a)での復調処理は、第2実施形態における第4の期間の処理に該当し、ノイズによるオフセット信号のみが得られる。したがって、一方の分岐ルート(位相検波器30a)の出力(オフセット信号を含むガス濃度信号に相当)から、他方の分岐ルート(位相検波器31a)の出力(オフセット信号に相当)を差し引くことにより、オフセット除去されたガス濃度信号が得られ、正確なガス濃度を求めることができる。
以上説明したように、本実施形態のガス濃度計測装置および方法では、位相検波器30a(第1復調手段)により、フォトダイオード(PD2)5で受光した信号の中から変調された信号を変調信号と同位相の同調信号で復調し、位相検波器31a(第2復調手段)により、受光信号の中から変調された信号を前記変調信号とずれた位相の同調信号で復調し、減算器33で第1復調手段の出力から第2復調手段の出力を差し引くこととし、第1復調手段で得られたノイズによるオフセット信号を含むガス濃度信号から、第2復調手段で得られたノイズによるオフセット信号が差し引かれ、正確なガス濃度を求めることができる。
つまり、本実施形態のガス濃度計測装置および方法は、従来の計測手法で計測が行われる第1復調手段に、固有の吸収波長からずれた信号を復調(位相検波)する第2復調手段を並列に追加したものであるが、第2復調手段による復調ではガス吸収の発生は反映されず、計測領域にガスがない状態と等価な計測を行うことができ、ノイズによるオフセット量を正確に計測することができる。その結果として、対ノイズ性に優れ、高精度のガス濃度計測が可能なガス濃度計測装置および方法を実現することができる。
以上の説明では、主として実ガス計測ルート(フォトダイオード(PD2)5で受光する主計測光の信号処理)について説明したが、参照ガス計測ルート(参照セルを通過した受光信号の信号処理)についても同様である。すなわち、位相検波器30b(第5復調手段)で得られるオフセット信号を含むガス濃度信号から、位相検波器31b(第6復調手段)で得られるオフセット信号を差し引くことにより、正確な参照セルのガス濃度を求めることができる。
またさらに、第1実施形態および第2実施形態と同様に、本発明を上述したガス吸収波長のロック機能に適用することも可能である。この場合、位相検波器19(第4復調手段)は、フォトダイオード(PD1)4(第2受光手段)で受光した信号の中から変調された信号を変調信号と同位相の同調信号で復調する第7復調手段と、受光信号の中から変調された信号を変調信号とずれた位相の同調信号で復調する第8復調手段と、第7復調手段の出力から第8復調手段の出力を差し引く減算手段と、を備えて構成される。
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態に係るガス濃度計測装置および方法について説明する。図7は本発明の第4実施形態に係るガス濃度計測装置の構成図である。本実施形態のガス濃度計測装置の実際のガス濃度計測時の配置は、第1実施形態と同じく従来(図10参照)と同様である。
また、測定ユニット8Dは、タイミング制御部11、電圧発生器12、サイン波発生器13、電圧生成部14A、アンプ15a,15b、ハイパスフィルタ16a,16b、位相検波器17a,17b,19、ローパスフィルタ18a〜18e、アンプ/ローパスフィルタ20、PI制御部40a,40b、変調器41a,41bおよび減算器35,36を備えている。
タイミング制御部11、電圧発生器12、サイン波発生器13および電圧生成部14Aは、半導体レーザダイオード1から発振されるレーザ光の発振波長を所定周波数の変調信号で変調するもので、第1実施形態と同様に、測定対象のガス状物質に固有の吸収波長を所定周波数で変調する第1の期間と、該固有の吸収波長から外れた波長を所定周波数で変調する第2の期間とを有する。詳細については第1実施形態と同様であるので省略する。
なお、タイミング制御部11の切り換えタイミングにより、これら第1の期間および第2の期間の切り換えが行われるが、本実施形態では、まず固有の吸収波長から外れた波長を所定周波数で変調する第2の期間を行い、次に固有の吸収波長を所定周波数で変調する第1の期間を行うようにして、これら第2の期間および第1の期間の組を周期的に繰り返し行うようにしている。
次に、受光後の信号処理として、フォトダイオード(PD3)6で受光する背景光の処理ルートにはローパスフィルタ18aを備え、高周波ノイズが除去される。またフォトダイオード(PD2)5で受光する主計測光の信号処理については、ローパスフィルタ18bを備えて高周波ノイズを除去する処理ルートと、アンプ15a、ハイパスフィルタ16a、位相検波器17a(復調手段)、ローパスフィルタ18c、PI制御部40a、変調器41aおよび減算器35を備える処理ルートとを有する。
後者の処理ルートでは、アンプ15aで信号増幅された後、ハイパスフィルタ16aで低周波ノイズが除去され、位相検波器17aで変調周波数の偶数倍の周波数(ここでは2倍)の同調信号で復調され、さらにローパスフィルタ18cで高周波ノイズが除去される。
またこの後者の処理ルートにはPI制御部40a、変調器41aおよび減算器35を備えたフィードバックループを持つ。PI制御部40aでは、第2の期間におけるローパスフィルタ18cの出力を取り込み、該第2の期間の直後に来る第1の期間における受光信号からオフセット分を取り除くための振幅を生成する。変調器41aでは、PI制御部40aで生成された振幅に同調信号を重畳させて、同調周波数成分を持つオフセットキャンセル信号を生成する。減算器35では、ハイパスフィルタ16aの出力からオフセットキャンセル信号を差し引いて位相検波器17aに供給する。
なお、PI制御部40aおよび変調器41aには、タイミング制御部11の切り換えタイミング信号が供給されており、PI制御部40aでは、該切り換えタイミング信号に基づき第2の期間におけるローパスフィルタ18cの出力を取り込み、その周期の間(該第2の期間並びにその直後に来る第1の期間)取り込んだ値を保持する。また、変調器41aでは、該切り換えタイミング信号に基づき第1の期間にオフセットキャンセル信号を出力し、第2の期間にはゼロ値を出力するように制御される。
また、参照セルを通過した受光信号の信号処理についても、ローパスフィルタ18dを備えて高周波ノイズを除去する処理ルートと、アンプ15b、ハイパスフィルタ16b、位相検波器17b(第3復調手段)、ローパスフィルタ18e、PI制御部40b、変調器41bおよび減算器36を備える処理ルートとを有する。
後者の処理ルートでは、アンプ15bで信号増幅された後、ハイパスフィルタ16bで低周波ノイズが除去され、位相検波器17bで変調周波数の偶数倍の周波数(ここでは2倍)の同調信号で復調され、さらにローパスフィルタ18eで高周波ノイズが除去される。
またこの後者の処理ルートにはPI制御部40b、変調器41bおよび減算器36を備えたフィードバックループを持つ。PI制御部40bでは、第2の期間におけるローパスフィルタ18bの出力を取り込み、該第2の期間の直後に来る第1の期間における受光信号からオフセット分を取り除くための振幅を生成する。変調器41bでは、PI制御部40bで生成された振幅に同調信号を重畳させて、同調周波数成分を持つオフセットキャンセル信号を生成する。減算器36では、ハイパスフィルタ16bの出力からオフセットキャンセル信号を差し引いて位相検波器17bに供給する。
なお、PI制御部40bおよび変調器41bには、タイミング制御部11の切り換えタイミング信号が供給されており、PI制御部40bでは、該切り換えタイミング信号に基づき第2の期間におけるローパスフィルタ18cの出力を取り込み、その周期の間(該第2の期間並びにその直後に来る第1の期間)取り込んだ値を保持する。また、変調器41bでは、該切り換えタイミング信号に基づき第1の期間にオフセットキャンセル信号を出力し、第2の期間にはゼロ値を出力するように制御される。
またさらに、ハイパスフィルタ16bの出力信号に対して変調周波数の奇数倍の周波数(ここでは1倍)で位相検波を施す位相検波器19(第4復調手段)を備えて、該位相検波器19の出力はアンプ/ローパスフィルタ20を介して電圧生成部14Aにフィードバックされる。ここでのレーザ光の発振波長のロック機能については、第1実施形態と同様である。
次に、以上の各構成要素を備えたガス濃度計測装置における信号処理(ガス濃度計測方法)について、図8を参照して説明する。ここで、図8は本実施形態のガス濃度計測装置における信号処理を説明する説明図である。
図8には、レーザ光の発振波長を変調信号で変調する処理と、フォトダイオード(PD2)5で受光する主計測光の信号処理とを、一連の処理ルート(実ガス計測ルート)として模式的に示している。また、ホワイトノイズ等のノイズが影響する可能性のある箇所を指し示している。
まず、レーザ光の発振波長を変調信号で変調する処理では、電圧生成部14Aにおいて、測定対象のガス状物質に固有の吸収波長に応じた電圧の第1の期間と、該固有の吸収波長から外れた波長に応じた電圧の第2の期間とを周期的に持つバイアス電圧に、変調信号(サイン波信号)が重畳される。
電圧生成部14Aで生成した電圧はLDドライバ2に供給され、ここで注入電流に変換されて半導体レーザダイオード1から発振されるレーザ光の発振波長が制御されることとなる。また、計測領域を通過したレーザ光は、該レーザ光の光軸上に配置されたフォトダイオード(PD2)5によって受光される。
次に、受光信号の信号処理について第2の期間および第1の期間に分けて説明する。第2の期間では、受信信号はハイパスフィルタ16aで低周波ノイズが除去され、位相検波器17aで変調周波数の2倍の周波数の同調信号で復調され、さらにローパスフィルタ18cで高周波ノイズが除去され、結果としてノイズによるオフセット信号のみが得られる。この第2の期間において、PI制御部40aでは、ローパスフィルタ18cの出力を取り込み、現第2の期間の直後に来る第1の期間における受光信号からオフセット分を取り除くための振幅が生成され、変調器41aでは、PI制御部40aで生成された振幅に同調信号を重畳した、同調周波数成分を持つオフセットキャンセル信号が生成される。ここで生成したオフセットキャンセル信号は、直後に来る第1の期間に減算器35に出力される。
また、第1の期間では、受信信号はハイパスフィルタ16aで低周波ノイズが除去され、減算器35によりハイパスフィルタ16a出力とオフセットキャンセル信号の差分がとられ、オフセット分のみが取り除かれた信号が位相検波器17aに供給される。位相検波器17aで変調周波数の2倍の周波数の同調信号で復調され、さらにローパスフィルタ18cで高周波ノイズが除去され、結果として、第1の期間にはノイズによるオフセット信号が除去されたガス濃度信号が得られることとなる。
以上説明したように、本実施形態のガス濃度計測装置および方法では、キャンセル信号生成手段(PI制御部40aおよび変調器41a)により、第2の期間における位相検波器17a(復調手段)の出力に基づきノイズによるオフセット分を取り除くためのオフセットキャンセル信号を生成し、第1の期間では、減算器35で受光信号からオフセットキャンセル信号を差し引いた信号を位相検波器17a(復調手段)によって復調することとしたので、ノイズによるオフセット信号を差し引いた正確なガス濃度を求めることができ、結果として、対ノイズ性に優れ、高精度のガス濃度計測が可能なガス濃度計測装置および方法を実現することができる。
以上の説明では、主として実ガス計測ルート(フォトダイオード(PD2)5で受光する主計測光の信号処理)について説明したが、参照ガス計測ルート(参照セルを通過した受光信号の信号処理)についても同様である。すなわち、キャンセル信号生成手段(PI制御部40bおよび変調器41b)により、第2の期間における位相検波器17b(第3復調手段)の出力に基づきノイズによるオフセット分を取り除くためのオフセットキャンセル信号を生成し、第1の期間では、減算器36で受光信号からオフセットキャンセル信号を差し引いた信号を位相検波器17b(第3復調手段)によって復調することにより、正確な参照セルのガス濃度を求めることができる。
〔第5実施形態〕
次に、本発明の第5実施形態に係るガス濃度計測装置および方法について説明する。図9は本発明の第5実施形態に係るガス濃度計測装置の構成図である。本実施形態のガス濃度計測装置の実際のガス濃度計測時の配置は、第1実施形態と同じく従来(図10参照)と同様である。
また、測定ユニット8Eは、サイン波発生器13、電圧生成部14B、同調信号生成部22、アンプ15a,15b、ハイパスフィルタ16a,16b、位相検波器21a,21b,19、ローパスフィルタ18a〜18e、アンプ/ローパスフィルタ20、PI制御部42a,42b、変調器43a,43bおよび減算器37,38を備えている。
サイン波発生器13および電圧生成部14Bは、特許請求の範囲にいう変調手段に該当し、半導体レーザダイオード1から発振されるレーザ光の発振波長を所定周波数の変調信号で変調するものであり、測定対象のガス状物質に固有の吸収波長を所定周波数で変調する。詳細については第2実施形態と同様であるので省略する。
次に、受光後の信号処理として、フォトダイオード(PD3)6で受光する背景光の処理ルートにはローパスフィルタ18aを備え、高周波ノイズが除去される。またフォトダイオード(PD2)5で受光する主計測光の信号処理については、ローパスフィルタ18bを備えて高周波ノイズを除去する処理ルートと、アンプ15a、ハイパスフィルタ16a、位相検波器21a、ローパスフィルタ18c、PI制御部42a、変調器43aおよび減算器37を備える処理ルートとを有する。
後者の処理ルートでは、アンプ15aで信号増幅された後、ハイパスフィルタ16aで低周波ノイズが除去され、位相検波器21aで変調周波数の偶数倍の周波数(ここでは2倍)の同調信号で復調され、さらにローパスフィルタ18cで高周波ノイズが除去される。ここで、同調信号は同調信号生成部22で生成されるが、同調信号生成部22および位相検波器21aは、特許請求の範囲にいう復調手段に該当し、フォトダイオード(PD2)5で受光した信号の中から変調された信号を変調信号と同位相の同調信号で復調する第3の期間と、変調信号とずれた位相の同調信号で復調する第4の期間とを有する点に特徴がある。詳細については第2実施形態と同様であるので省略する。
なお、タイミング制御部23の切り換えタイミングにより、これら第3の期間および第4の期間の切り換えが行われるが、本実施形態では、まず変調信号とずれた位相の同調信号で復調する第4の期間を行い、次に変調信号と同位相の同調信号で復調する第3の期間を行うようにして、これら第4の期間および第3の期間の組を周期的に繰り返し行うようにしている。
また後者の処理ルートには、PI制御部42a、変調器43aおよび減算器37を備えたフィードバックループを持つ。PI制御部42aでは、第4の期間におけるローパスフィルタ18cの出力を取り込み、該第4の期間の直後に来る第3の期間における受光信号からオフセット分を取り除くための振幅を生成する。変調器43aでは、PI制御部42aで生成された振幅に同調信号を重畳させて、同調周波数成分を持つオフセットキャンセル信号を生成する。減算器37では、ハイパスフィルタ16aの出力からオフセットキャンセル信号を差し引いて位相検波器21aに供給する。
なお、PI制御部42aおよび変調器43aには、タイミング制御部23の切り換えタイミング信号が供給されており、PI制御部42aでは、該切り換えタイミング信号に基づき第4の期間におけるローパスフィルタ18cの出力を取り込み、その周期の間(該第4の期間並びにその直後に来る第3の期間)取り込んだ値を保持する。また、変調器43aでは、該切り換えタイミング信号に基づき第3の期間にオフセットキャンセル信号を出力し、第4の期間にはゼロ値を出力するように制御される。
また、参照セルを通過した受光信号の信号処理についても、ローパスフィルタ18dを備えて高周波ノイズを除去する処理ルートと、アンプ15b、ハイパスフィルタ16b、位相検波器21b(第3復調手段)、ローパスフィルタ18e、PI制御部42b、変調器43bおよび減算器38を備える処理ルートとを有する。
後者の処理ルートでは、アンプ15bで信号増幅された後、ハイパスフィルタ16bで低周波ノイズが除去され、位相検波器21bで変調周波数の偶数倍の周波数(ここでは2倍)の同調信号で復調され、さらにローパスフィルタ18eで高周波ノイズが除去される。
またこの後者の処理ルートにはPI制御部42b、変調器43bおよび減算器38を備えたフィードバックループを持つ。PI制御部42bでは、第4の期間におけるローパスフィルタ18bの出力を取り込み、該第4の期間の直後に来る第3の期間における受光信号からオフセット分を取り除くための振幅を生成する。変調器43bでは、PI制御部42bで生成された振幅に同調信号を重畳させて、同調周波数成分を持つオフセットキャンセル信号を生成する。減算器38では、ハイパスフィルタ16bの出力からオフセットキャンセル信号を差し引いて位相検波器21bに供給する。
なお、PI制御部42bおよび変調器43bには、タイミング制御部23の切り換えタイミング信号が供給されており、PI制御部42bでは、該切り換えタイミング信号に基づき第4の期間におけるローパスフィルタ18cの出力を取り込み、その周期の間(該第4の期間並びにその直後に来る第3の期間)取り込んだ値を保持する。また、変調器43bでは、該切り換えタイミング信号に基づき第3の期間にオフセットキャンセル信号を出力し、第4の期間にはゼロ値を出力するように制御される。
またさらに、ハイパスフィルタ16bの出力信号に対して変調周波数の奇数倍の周波数(ここでは1倍)で位相検波を施す位相検波器19(第4復調手段)を備えて、該位相検波器19の出力はアンプ/ローパスフィルタ20を介して電圧生成部14Bにフィードバックされる。ここでのレーザ光の発振波長のロック機能については、第1実施形態と同様である。
次に、以上の各構成要素を備えたガス濃度計測装置における受光信号(主計測光)の信号処理について第4の期間および第3の期間に分けて説明する。第4の期間では、受信信号はハイパスフィルタ16aで低周波ノイズが除去され、位相検波器21aで変調周波数の2倍の周波数の同調信号で復調され、さらにローパスフィルタ18cで高周波ノイズが除去され、結果としてノイズによるオフセット信号のみが得られる。この第4の期間において、PI制御部42aでは、ローパスフィルタ18cの出力を取り込み、現第4の期間の直後に来る第3の期間における受光信号からオフセット分を取り除くための振幅が生成され、変調器43aでは、PI制御部42aで生成された振幅に同調信号を重畳した、同調周波数成分を持つオフセットキャンセル信号が生成される。ここで生成したオフセットキャンセル信号は、直後に来る第3の期間に減算器35に出力される。
また、第3の期間では、受信信号はハイパスフィルタ16aで低周波ノイズが除去され、減算器37によりハイパスフィルタ16a出力とオフセットキャンセル信号の差分がとられ、オフセット分のみが取り除かれた信号が位相検波器21aに供給される。位相検波器21aで変調周波数の2倍の周波数の同調信号で復調され、さらにローパスフィルタ18cで高周波ノイズが除去され、結果として、第1の期間にはノイズによるオフセット信号が除去されたガス濃度信号が得られることとなる。
以上説明したように、本実施形態のガス濃度計測装置および方法では、キャンセル信号生成手段(PI制御部42aおよび変調器43a)により、第4の期間における位相検波器21aの出力に基づきノイズによるオフセット分を取り除くためのオフセットキャンセル信号を生成し、第3の期間では、減算器37で受光信号からオフセットキャンセル信号を差し引いた信号を位相検波器21aによって復調することとしたので、ノイズによるオフセット信号を差し引いた正確なガス濃度を求めることができ、結果として、対ノイズ性に優れ、高精度のガス濃度計測が可能なガス濃度計測装置および方法を実現することができる。
以上の説明では、主として実ガス計測ルート(フォトダイオード(PD2)5で受光する主計測光の信号処理)について説明したが、参照ガス計測ルート(参照セルを通過した受光信号の信号処理)についても同様である。すなわち、キャンセル信号生成手段(PI制御部42bおよび変調器43b)により、第4の期間における位相検波器21b(第3復調手段)の出力に基づきノイズによるオフセット分を取り除くためのオフセットキャンセル信号を生成し、第3の期間では、減算器38で受光信号からオフセットキャンセル信号を差し引いた信号を位相検波器21b(第3復調手段)によって復調することにより、正確な参照セルのガス濃度を求めることができる。
本発明のガス濃度計測装置および方法は、燃焼を利用した全ての装置や化学プラント等のガスを発生または排出する可能性のある装置およびその周辺において、或いは地下駐車場、トンネル、高速道路の料金所などのガスが滞留する可能性の高い場所などで、さらには車両等に搭載されて、各種のガスまたは排ガス等々を計測、分析、監視する装置に適用可能である。
1 半導体レーザダイオード(光源)
2 LDドライバ
4 フォトダイオード(PD1;第2受光手段)
5 フォトダイオード(PD2;受光手段)
6 フォトダイオード(PD3)
8A,8B,8C,8D,8E 測定ユニット
9 AD変換器
10 コンピュータ
11 タイミング制御部
12 電圧発生器
13 サイン波発生器
14A,14B 電圧生成部
15a,15b アンプ
16a,16b,16a1〜16b2 ハイパスフィルタ
17a,21a 位相検波器(復調手段)
17b,21b 位相検波器(第3復調手段)
18a〜18e2 ローパスフィルタ
19 位相検波器(第4復調手段)
20 アンプ/ローパスフィルタ
22,32 同調信号生成部
23 タイミング制御部
24 逓倍器
25 位相器
26 切換スイッチ
30a 位相検波器(第1復調手段)
30b 位相検波器(第5復調手段)
31a 位相検波器(第2復調手段)
31b 位相検波器(第6復調手段)
33〜38 減算器
40a,40b,42a,42b PI制御部
41a,41b,43a,43b 変調器

Claims (15)

  1. 測定対象のガス状物質に固有の吸収波長のレーザ光を発振する光源と、
    前記光源から発振されるレーザ光の発振波長を所定周波数の変調信号で変調する変調手段と、
    前記レーザ光を前記ガス状物質が存在する領域に導く導光手段と、
    前記測定領域において透過、反射または散乱したレーザ光を受光する受光手段と、
    前記受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記所定周波数の偶数倍の周波数の同調信号で復調する復調手段とを備え、
    前記変調手段は、前記測定対象のガス状物質に固有の吸収波長を前記所定周波数で変調する第1の期間と、該固有の吸収波長から外れた波長を前記所定周波数で変調する第2の期間とを有するガス濃度計測装置。
  2. ガス濃度が既知の標準ガスが封入または流通可能にされた参照セルと、
    前記参照セルに前記レーザ光を導入する導入手段と、
    前記参照セルを通過したレーザ光を受光する第2受光手段と、
    前記第2受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記所定周波数の偶数倍の周波数の同調信号で復調する第3復調手段と、
    前記第2受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記所定周波数の奇数倍の周波数の同調信号で復調する第4復調手段と、
    前記第4復調手段の出力信号を用いて前記光源から発振されるレーザ光の発振波長を制御する波長制御手段とを有する請求項1に記載のガス濃度計測装置。
  3. 測定対象のガス状物質に固有の吸収波長のレーザ光を発振する光源と、
    前記光源から発振されるレーザ光の発振波長を所定周波数の変調信号で変調する変調手段と、
    前記レーザ光を前記ガス状物質が存在する領域に導く導光手段と、
    前記測定領域において透過、反射または散乱したレーザ光を受光する受光手段と、
    前記受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記所定周波数の偶数倍の周波数の同調信号で復調する復調手段とを備え、
    前記復調手段は、前記受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記変調信号と同位相の同調信号で復調する第3の期間と、前記変調信号とずれた位相の同調信号で復調する第4の期間とを有するガス濃度計測装置。
  4. ガス濃度が既知の標準ガスが封入または流通可能にされた参照セルと、
    前記参照セルに前記レーザ光を導入する導入手段と、
    前記参照セルを通過したレーザ光を受光する第2受光手段と、
    前記第2受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記所定周波数の偶数倍の周波数の同調信号で復調する第3復調手段と、
    前記第2受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記所定周波数の奇数倍の周波数の同調信号で復調する第4復調手段と、
    前記第4復調手段の出力信号を用いて前記光源から発振されるレーザ光の発振波長を制御する波長制御手段とを有し、
    前記第3復調手段および前記第4復調手段は、前記第3の期間と、前記第4の期間とを有する請求項3に記載のガス濃度計測装置。
  5. 測定対象のガス状物質に固有の吸収波長のレーザ光を発振する光源と、
    前記光源から発振されるレーザ光の発振波長を所定周波数の変調信号で変調する変調手段と、
    前記レーザ光を前記ガス状物質が存在する領域に導く導光手段と、
    前記測定領域において透過、反射または散乱したレーザ光を受光する受光手段と、
    前記受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記所定周波数の偶数倍の周波数の同調信号で復調する復調手段とを備え、
    前記復調手段は、前記受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記変調信号と同位相の同調信号で復調する第1復調手段と、前記受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記変調信号とずれた位相の同調信号で復調する第2復調手段と、前記第1復調手段の出力から前記第2復調手段の出力を差し引く減算手段とを有するガス濃度計測装置。
  6. ガス濃度が既知の標準ガスが封入または流通可能にされた参照セルと、
    前記参照セルに前記レーザ光を導入する導入手段と、
    前記参照セルを通過したレーザ光を受光する第2受光手段と、
    前記第2受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記所定周波数の偶数倍の周波数の同調信号で復調する第3復調手段と、
    前記第2受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記所定周波数の奇数倍の周波数の同調信号で復調する第4復調手段と、
    前記第4復調手段の出力信号を用いて前記光源から発振されるレーザ光の発振波長を制御する波長制御手段とを有し、
    前記第3復調手段は、前記第2受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記変調信号と同位相の同調信号で復調する第5復調手段と、前記第2受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記変調信号とずれた位相の同調信号で復調する第6復調手段と、前記第5復調手段の出力から前記第6復調手段の出力を差し引く減算手段とを有し、
    前記第4復調手段は、前記第2受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記変調信号と同位相の同調信号で復調する第7復調手段と、前記第2受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記変調信号とずれた位相の同調信号で復調する第8復調手段と、前記第7復調手段の出力から前記第8復調手段の出力を差し引く減算手段とを有する請求項5に記載のガス濃度計測装置。
  7. 前記復調手段は、前記受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記変調信号と同位相の同調信号で復調する第1復調手段と、前記受光手段で受光した信号の中から変調された信号を前記変調信号とずれた位相の同調信号で復調する第2復調手段と、前記第1復調手段の出力から前記第2復調手段の出力を差し引く減算手段とを有する請求項1に記載のガス濃度計測装置。
  8. 前記第2の期間における前記復調手段の出力に基づき、該第2の期間の後に来る第1の期間における受光信号から該復調手段の出力分を取り除くためのオフセットキャンセル信号を生成するキャンセル信号生成手段と、前記第1の期間に前記受光信号から前記オフセットキャンセル信号を差し引いて前記復調手段に供給する減算手段とを有する請求項1に記載のガス濃度計測装置。
  9. 前記第4の期間における前記復調手段の出力に基づき、該第4の期間の後に来る第3の期間における受光信号から該復調手段の出力分を取り除くためのオフセットキャンセル信号を生成するキャンセル信号生成手段と、前記第3の期間に前記受光信号から前記オフセットキャンセル信号を差し引いて前記復調手段に供給する減算手段とを有する請求項3に記載のガス濃度計測装置。
  10. 測定対象のガス状物質が存在する領域に、所定周波数で変調した該ガス状物質に固有の吸収波長のレーザ光を照射し、該レーザ光を受光して得られる受光信号の中から変調された信号を前記所定周波数の偶数倍の周波数の同調信号で復調して、前記ガス状物質のガス濃度を測定するガス濃度計測方法であって、
    前記測定対象のガス状物質に固有の吸収波長を前記所定周波数で変調する第1の期間と、該固有の吸収波長から外れた波長を前記所定周波数で変調する第2の期間とを有するガス濃度計測方法。
  11. 測定対象のガス状物質が存在する領域に、所定周波数で変調した該ガス状物質に固有の吸収波長のレーザ光を照射し、該レーザ光を受光して得られる受光信号の中から変調された信号を前記所定周波数の偶数倍の周波数の同調信号で復調して、前記ガス状物質のガス濃度を測定するガス濃度計測方法であって、
    前記受光信号の中から変調された信号を前記変調に用いる変調信号と同位相の同調信号で復調する第3の期間と、該変調信号とずれた位相の同調信号で復調する第4の期間とを有するガス濃度計測方法。
  12. 測定対象のガス状物質が存在する領域に、所定周波数で変調した該ガス状物質に固有の吸収波長のレーザ光を照射し、該レーザ光を受光して得られる受光信号の中から変調された信号を前記所定周波数の偶数倍の周波数の同調信号で復調して、前記ガス状物質のガス濃度を測定するガス濃度計測方法であって、
    前記受光信号の中から変調された信号を前記変調に用いる変調信号と同位相の同調信号で復調する第1復調ステップと、前記受光信号の中から変調された信号を前記変調に用いる変調信号とずれた位相の同調信号で復調する第2復調ステップと、前記第1復調ステップの出力から前記第2復調ステップの出力を差し引く減算ステップとを有するガス濃度計測方法。
  13. 前記受光信号の中から変調された信号を前記変調に用いる変調信号と同位相の同調信号で復調する第1復調ステップと、前記受光信号の中から変調された信号を前記変調に用いる変調信号とずれた位相の同調信号で復調する第2復調ステップと、前記第1復調ステップの出力から前記第2復調ステップの出力を差し引く減算ステップとを有する請求項10に記載のガス濃度計測方法。
  14. 前記第2の期間における前記復調ステップの結果に基づき、該第2の期間の後に来る第1の期間における受光信号から該復調ステップの結果分を取り除くためのオフセットキャンセル信号を生成するキャンセル信号生成ステップと、前記第1の期間に前記受光信号から前記オフセットキャンセル信号を差し引いて前記復調ステップの入力とする減算ステップとを有する請求項10に記載のガス濃度計測方法。
  15. 前記第4の期間における前記復調ステップの結果に基づき、該第4の期間の後に来る第3の期間における受光信号から該復調ステップの結果分を取り除くためのオフセットキャンセル信号を生成するキャンセル信号生成ステップと、前記第3の期間に前記受光信号から前記オフセットキャンセル信号を差し引いて前記復調ステップの入力とする減算ステップとを有する請求項11に記載のガス濃度計測方法。
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