JP2010032454A - ガス分析装置及びガス分析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】1回の波長スキャンで複数のガス濃度を検出するにあたり、検出の信号対ノイズ比や安定性を確保することが可能なガス分析装置及びガス分析方法を提供する。
【解決手段】1回の波長スキャンで、例えば塩化水素HClと水蒸気H2Oの濃度を検出する場合に、水蒸気H2Oによる吸光波長を越えたタイミングで、切替えスイッチ7をオフからオンに切替え、スキャンする波長、即ち半導体レーザ5の駆動電流にオフセット発生回路6からの波長オフセット量が加算されるように、切替えタイミング制御回路3が切替えタイミングを制御することにより、水蒸気H2O及び塩化水素HCl夫々の吸光スペクトル近傍での波長スキャンの変化を緩やかにすることができ、これにより2f成分検出信号の変化を緩やかにすることができるので、検出の信号対ノイズ比や安定性を確保することができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、特定ガスの吸光スペクトルによる吸光を特定波長のレーザ光で検出することでガス濃度を検出するガス分析装置およびガス分析方法に関し、特に、周波数変調された1つのレーザ光を用い、複数のガス成分のガス濃度を検出する場合に好適なものである。
気体状のガス分子にはそれぞれ固有の光吸収スペクトルが有ることが知られており、ガス分子の吸収線の中心周波数における減衰量はガスの濃度に比例する。このため、例えば半導体レーザ光をレーザ素子からのレーザ光として、ガス分子の吸収線の中心周波数に一致した発振周波数をもつ半導体レーザ光をガスに照射し、その時のレーザ光の減衰量を測定することで、ガスの濃度を推定することができる(特許文献1)。
この原理を発展させたものとして2波長差分方式及び周波数変調方式があり、2波長差分方式では、半導体レーザの発振周波数はTHzオーダの信号であることから、複雑な信号処理を行うことができないのに対して、周波数変調方式では、数kHzのベースバンド領域で信号処理を行うことができるという利点がある。
この周波数変調方式では、中心周波数fc、変調周波数fmで半導体レーザの出力が周波数変調され、測定対象ガスに照射される。なお、周波数変調とは、半導体レーザに供給されるドライブ電流を正弦波状にすることである。そして、半導体レーザは、温度や電流によって出射光の波長が変化するので、半導体レーザに供給されるドライブ電流を正弦波状にすることで、半導体レーザの出射光の波長を変調することができる。
ここで、測定対象ガスの吸収線は、図6に示すように、変調周波数に対してほぼ2次関数となっているので、この吸収線が弁別器の役割を果たし、変調周波数fmの2倍の周波数の成分(2倍波成分)が得られる。そして、測定対象ガスの濃度が高いほどレーザ光の吸収量も大きくなるので、2倍波成分の強度も強くなり、この2倍波成分を検出することで、測定対象ガスの濃度を測定することができる。なお、以下の説明では、変調周波数fmを1f、変調周波数fmの2倍波周波数を2fとも呼び、2倍波成分を2f成分とも呼ぶ。
送信側の変調方式として、変調の中心波長が常に吸収波長に一致するように制御するのは困難であるので、所定の振幅幅で1fの周波数にて変調しながら、変調幅の中心波長を徐々に変えて掃引する波長スキャン方式が採られることがある。
図7aは、半導体レーザを駆動する駆動電流の波形を示す図、図7bは、図7aの駆動電流で半導体レーザが駆動された時のレーザ光の発光波長を示す図である。なお、半導体レーザの発光光量は駆動電流にほぼ比例するため、発光光量の波形についても、図7aの波形と同様である。
このようにして波長変調されたレーザ光が煙道内部などの被測定ガスがある領域に向けて発光される。その光は、被測定ガスの奥側に設置された受光部で受光される。受光された信号に対し、帯域フィルタや同期検波などの手段により2f成分を検波し、その検波信号である2f成分検出信号の大きさがガス濃度に比例する。
図8は、レーザ光のスキャン条件を変えたときの受光信号及び2f成分検出信号を示す。図8bは、図8aの受光信号から得られた2f成分検出信号であり、図8dは、図8cの受光信号から得られた2f成分検出信号である。図8aと図8cは、図7に示す1スキャンの時間は同じであるが、半導体レーザの駆動電流の変化の傾きを変えてあり、図8cは図8aよりも半導体レーザの駆動電流の変化の傾きが大きい、つまりスキャン速度が大きい。
前述のように、半導体レーザの駆動電流により、レーザ光の発光光量のみならず、発光波長も変化するため、図8aと図8cでは、発光波長の変化速度が異なる。これにより、図8b、図8dのように2f成分検出信号の変化速度が異なる。図8では、図8bよりも図8dの方が2f成分検出信号の変化が急峻である。2f成分検出信号の変化が急峻な場合、これをA/D変換によりデジタル化して処理する場合には、サンプリング周期を短くしないと変化のピーク位置を逃してしまい、それが誤差になる。A/D変換のサンプリング周期を短くすると、一般的には精度が悪化する。
また、微弱な2f成分を検出するために、一般的には前述の同期検波処理を行うが、同期検波では2f成分だけでなく、各種の高調波成分を多く含むため、同期検波後にローパスフィルタ処理によって余分な高調波成分を除去する必要がある。このとき、図8dのように波形変化が急峻な場合にあって、ローパスフィルタのカットオフ周波数が低い場合には、2f成分検出信号自体が減衰してしまう。逆に、ローパスフィルタのカットオフ周波数を高く設定した場合には、検波器の高調波成分が減衰しきらず、ノイズとして残ってしまう。
以上より、時間軸に対し、なるべく2f成分検出信号の変化が緩やかになるスキャン条件とした方が、ノイズが少なく、安定した検出信号が得られる。即ち、半導体レーザの駆動電流波形の波長変化も時間軸に対して緩やかな変化とした方がよい。
また、このガス分析方法では、ガスの種類によっては、1つの半導体レーザ光による1回の波長スキャンで複数のガスの吸光を同時に測定することができる場合がある。例えば、あるガスAの吸光スペクトルのすぐ近傍に異なるガスBの吸光スペクトルが存在する場合、1つの半導体レーザ光を用いて波長スキャンを行うことで、2つのガスA,Bの濃度を検出することができる。図10に、このような特定波長で2つのガスの吸光スペクトルを1回の波長スキャンで検出した場合の半導体レーザ(図ではLD:レーザダイオード)の駆動電流と2f成分検出信号を示す。
特開平10−142148号公報
しかしながら、このように1回の波長スキャンで複数の吸光スペクトルを検出しようとすると、検出しようとする複数の吸光スペクトルが非常に近接していれば、波長変調の範囲を狭められるが、ガスの吸光スペクトルの波長は物理的に定まるものであって、自由に選択することはできない。また、余り近接しすぎると、それらの分離ができず、お互いに他の成分検出に干渉してしまうため、その意味では、複数の吸光スペクトルの波長は或る程度離れた波長である必要がある。これらの結果、1回の波長スキャンの波長の変化の範囲を広くする必要があり、そうすると、図10bに示すように、2f成分検出信号の変化が急峻なものになり、1回の波長スキャンで1つの吸光スペクトルを検出する場合に比べて、検出の信号対ノイズ比(SNR)や安定性が悪化するという問題が発生する。
本発明はこれらの諸問題を解決すべくなされたものであり、1回の波長スキャンで複数のガス濃度を検出するにあたり、検出の信号対ノイズ比や安定性を確保することが可能なガス分析装置及びガス分析方法を提供することを目的とするものである。
以上の課題を解決するため、本発明のガス分析装置は、レーザ素子から出射されるレーザ光を周波数変調する周波数変調部と、前記レーザ素子から出射されるレーザ光の波長をスキャンさせる波長スキャン部と、前記レーザ素子から出射されたレーザ光を受光し、受光されたレーザ光の吸光状態から当該レーザ光が通過した部分のガスの濃度を検出するガス検出部と、前記レーザ光の波長スキャン中、当該レーザ光の波長スキャンが所定のガスによる吸光波長を越えたタイミングで、スキャンする波長に一定波長分に相当する波長オフセット量を加算するオフセット制御部とを備えたことを特徴とするものである。
また、本発明のガス分析装置は、前記オフセット制御部は、一定波長分に相当する波長オフセット量を発生するオフセット発生部と、前記オフセット発生部で発生された波長オフセット量のオフセット信号をオン・オフするオフセット信号切替え部と、前記レーザ光の波長スキャンが所定のガスによる吸光波長を越えたタイミングでオフセット信号切替え部をオフからオンに切替えることで、前記スキャンする波長に波長オフセット量を加算する切替えタイミング制御部とを備えたことを特徴とするものである。
また、本発明のガス分析装置は、前記波長スキャン部は、レーザ光を駆動する電流を変化させることで当該レーザ光の波長をスキャンし、前記周波数変調部は、レーザ光を駆動する電流を変化させることで当該レーザ光を周波数変調し、前記オフセット発生部は、レーザ光を駆動する電流を変化させることで一定波長分に相当する波長オフセット量のオフセット信号を発生することを特徴とするものである。
また、本発明のガス分析装置は、前記ガス検出部は、受光されたレーザ光の受光信号から、前記周波数変調した周波数の2倍の周波数成分を、位相検波器及びローパスフィルタを用いた同期検波によって検出し、その検出された2倍周波数成分から前記ガスの濃度を検出することを特徴とするものである。
また、本発明のガス分析方法は、レーザ素子から出射されるレーザ光を周波数変調すると共に、前記レーザ素子から出射されるレーザ光の波長をスキャンし、前記レーザ素子から出射されたレーザ光を受光し、受光されたレーザ光の受光信号から、前記周波数変調した周波数の2倍の周波数成分を、位相検波器及びローパスフィルタを用いた同期検波によって検出し、その検出された2倍周波数成分から当該レーザ光が通過した部分のガスの濃度を検出するレーザ式ガス分析方法において、レーザ光の波長スキャン中、所定のガスによる吸光波長を越えたタイミングで、一定波長分に相当する波長オフセット量をスキャンする波長に加算することを特徴とするものである。
而して、本発明のガス分析装置及びガス分析方法によれば、レーザ光を周波数変調しながらその波長をスキャンし、受光されたレーザ光の受光信号から、例えば周波数変調した周波数の2倍の周波数成分を、例えば同期検波によって検出し、その検出された2倍周波数成分から当該レーザ光が通過した部分のガスの濃度を検出する場合に、レーザ光の波長スキャン中、所定のガスによる吸光波長を越えたタイミングで、一定波長分に相当する波長オフセット量をスキャンする波長に加算する構成としたため、1回の波長スキャンで複数のガス濃度を検出する場合でも、夫々のガスの吸光スペクトル近傍では波長変化を緩やかにすることができ、これにより2f成分検出信号の変化を緩やかにすることができるので、検出の信号対ノイズ比や安定性を確保することができる。
以下、本発明のガス分析装置及びガス分析方法の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るガス濃度測定装置の概略構成を示す断面図である。 図1において、図示左方のガス濃度測定装置の送信側には、レーザ素子が搭載されたレーザユニット17、前記レーザユニット17から出射されたレーザ光の発光波長をスキャンさせながら周波数変調を行う送信部基板14、前記レーザユニット17から出射されたレーザ光を平行ビームに変換するコリメートレンズ16が設けられている。なお、レーザ素子としてはレーザダイオード素子などの半導体レーザを用いることができ、レーザユニット17には、レーザ素子の温度を検出するサーミスタおよびレーザ素子の温度を調整するペルチェ素子などを搭載することができる。
また、図1右方のガス濃度測定装置の受信側には、測定対象ガスを透過したレーザ光を集光する集光レンズ20、測定対象ガスを透過したレーザ光を検出する光検出部21および測定対象ガスを透過したレーザ光の2倍波周波数からガス濃度を算出する受信部基板22が設けられている。なお、光検出部21としては、例えば、フォトダイオードを用いることができる。
前記送信部基板14、コリメートレンズ16及びレーザユニット17は、送信側ハウジング18に収容されると共に、集光レンズ20、光検出部21及び受信部基板22は、受信側ハウジング19に収容されている。送信側ハウジング18は、ウェッジ窓15aによって、煙道などの測定対象ガスが流れる配管内と仕切られるようにしてフランジ12aに取付けられ、受信側ハウジング19も、ウェッジ窓15bによって配管内と仕切られるようにしてフランジ12bに取付けられ、夫々のフランジ12a,12bが配管の隔壁11a、11bに溶接などの手段によって取付けられている。
前記レーザユニット17から出射されたレーザ光の発光波長がスキャンされながら、中心周波数fc、変調周波数fmでレーザ光が周波数変調される。この発光波長がスキャンされながら周波数変調が行われたレーザ光がレーザユニット17から出射され、コリメートレンズ16にて平行ビームに変換された後、ウェッジ窓15aを介して隔壁11a、11b間の種類の異なる2種類以上の測定対象ガスを透過する。そして、種類の異なる2種類以上の測定対象ガスを透過したレーザ光は、測定対象ガスのガス分子の吸収線に夫々対応した波長の吸収を受けた後、ウェッジ窓15bを介して集光レンズ20に入射し、集光レンズ20によって光検出部21に集光される。
そして、光検出部21にレーザ光が入射すると、光検出部21にて電気信号に変換され、その電気信号が受信部基板22に送られる。この電気信号は、変調周波数の2倍波周波数を持つ2倍波周波数参照信号を掛け合わせることにより、受光信号の2倍波成分を抽出し、その抽出された受光信号の2倍波成分に基づいてガス濃度が算出される。
前述したように、半導体レーザは、温度や電流によって出射光の波長が変化する。図2に、本実施形態の半導体レーザの駆動電流に対する発光波長の変化の一例を示す。送信部基板14では、後述するように、変調周波数fmを発振すると共に、半導体レーザ、例えばレーザダイオード素子の波長スキャンを行うための三角波を発信し、それらの加算値を電流値変換して半導体レーザを駆動する。
図3には、送信部基板14及びレーザユニット17に構築された発光部の回路構成例を示す。この発光部の回路構成は、変調周波数fmを発振する1f発振回路1、レーザダイオード素子などの半導体レーザ5の波長スキャンを行うための三角波を発振する三角波発生回路2、1f発振回路1からの変調周波数fmと三角波発生回路2からの三角波とを加算するミキサーなどの加算器13、加算器13からの電圧を電流に変換し、レーザダイオード素子(図ではLD)などの半導体レーザ5に出力するV/I変換回路4とを備えて構成される。なお、1f発振回路1から出力される変調周波数fmや三角波発生回路2から出力される三角波は、本来、電圧信号であるが、V/I変換回路4で電流信号に変換され、半導体レーザ5の駆動電流を変化させることによって、レーザ光の変調周波数や波長スキャンを変化させるものである。また、三角波発生回路2は、図示しない処理プロセッサ及びD/A変換器などにより構成することができる。従って、前記1f発振回路1が本発明の周波数変調部を構成し、前記三角波発生回路2が本発明の波長スキャン部を構成している。
また、レーザダイオード素子などの半導体レーザ5の発光波長は温度によっても変化するため、半導体レーザ5に隣接して、ペルチェ素子及びヒータからなる温度制御素子8及び温度検出素子9を備え、温度検出素子9で検出される温度に基づいて、温度制御回路10が温度制御素子8を制御して半導体レーザ5の温度が一定になるようにしている。
更に、本実施形態では、加算器13の上流側にオフセット発生回路6及び切替えスイッチ7が配設され、切替えスイッチ7は、切替えタイミング制御回路3からのタイミング信号によって切替えられる。オフセット発生回路6は、一定波長分に相当する波長オフセット量のオフセット信号を発生する。切替えタイミング制御回路3は、三角波発生回路2からの情報で、レーザ光の波長スキャン中、レーザ光の波長スキャンが所定の波長を越えたら、切替えスイッチ7をオフからオンに切替える。従って、切替えタイミング制御回路3によって切替えスイッチ7がオフからオンされると、波長オフセット量相当のオフセット信号が、加算器13を介して、変調周波数fm及び三角波に加算される。ちなみに、前記波長オフセット量相当のオフセット信号も、本来、電圧信号であるが、V/I変換回路4で電流信号に変換され、半導体レーザ5の駆動電流を変化させることによって、レーザ光の波長をオフセット変化させるものである。従って、前記オフセット発生回路6及び切替えスイッチ7及び切替えタイミング制御回路3が本発明のオフセット制御部を構成し、前記オフセット発生回路6が本発明のオフセット発生部を構成し、前記切替えスイッチ7が本発明のオフセット信号切替え部を構成し、前記切替えタイミング制御回路3が本発明の切替えタイミング制御部を構成している。
図4には、光検出部21及び受信部基板22に構築された受光部の回路構成例を示す。この受光部の回路構成は、従来既存の回路と同じである。この受光部では、送信側のレーザユニット17から出射されたレーザ光を検出するフォトダイオード(図ではPD)111、フォトダイオード111から出力される電流を電圧に変換するI/V変換回路112、I/V変換回路112から出力された電圧を増幅する増幅器113、増幅器113を介して出力された信号から変調周波数fmの2倍波成分を抽出するバンドパスフィルタ(図ではBPF)114、変調周波数fmの2倍波周波数の2f参照信号を発生する2倍波周波数信号発生部115、2倍波周波数信号発生部115からの2f参照信号を用いることで、バンドパスフィルタ114の出力から2f成分を抽出する検波器116、検波器116の出力から不要な高域周波数成分を除去するローパスフィルタ(図ではLPF)117、ローパスフィルタ117から出力された電圧を増幅する増幅器118が設けられている。この受光部全体が本発明のガス検出部を構成している。
この受光部では、例えばNH3ガスの濃度を測定する場合、周波数変調されたレーザ光がNH3ガスを通過すると、NH3ガスによる吸光量に対応した減衰を受けた後、フォトダイオード111に入射し、当該フォトダイオード111によってレーザ光が検出される。そして、フォトダイオード111で検出された電流は、I/V変換回路112で電圧に変換され、増幅器113で増幅された後、バンドパスフィルタ114で変調周波数の2倍波成分が抽出され、検波器116に入力される。検波器116では、2倍周波数信号発生部115で発生された2f参照信号とバンドパスフィルタ114からの出力が合成されることにより、同期検波によって2f成分が抽出される。そして、検波器116で抽出された2f成分は、ローパスフィルタ117で不要な高域周波数成分が除去された後、増幅器118で電圧増幅され、2f成分検出信号として出力される。
ここで、例えば、1つの半導体レーザ5を用い、1回の波長スキャンで複数のガス成分を検出する場合を考える。1回の波長スキャンでは、半導体レーザ5の種類にもよるが、例えば0.5nm程度の範囲で波長をスキャンすることができる。従って、例えば、1747.2nmに吸光スペクトルを持つ塩化水素HClと、1747.1nmに吸光スペクトルを持つ水蒸気H2Oの濃度は、1つの半導体レーザ5を用い、1回の波長スキャンで、夫々の濃度を検出することが可能である。塩化水素HClは水分に非常に吸着し易く、水分量により見かけの濃度が変化するので、塩化水素HClの濃度と共に、水蒸気H2Oの濃度を検出することは、塩化水素HClの濃度を正確に見積る上で有用である。
本実施形態では、例えば図5a、bに示すように、例えば水蒸気H2Oによる吸光波長を越えたタイミングで、切替えスイッチ7をオフからオンに切替え、スキャンする波長、即ち半導体レーザ(図ではLD)5の駆動電流にオフセット発生回路6からの波長オフセット量が加算されるように、切替えタイミング制御回路3が切替えタイミングを制御することにより、水蒸気H2O及び塩化水素HCl夫々の吸光スペクトル近傍での波長スキャンの変化を緩やかにすることができ、これにより2f成分検出信号の変化を緩やかにすることができるので、検出の信号対ノイズ比や安定性を確保することができる。
ちなみに、従来技術では、レーザ光の波長スキャン中に、波長のオフセットを行うことは行われていない。図9は、従来の発光部のブロック図である。理解を容易にするために、図4の発光部と同等の構成には同等の符号を付す。図9では、図4の本実施形態の発光部からオフセット発生回路や切替えスイッチ、切替えタイミング制御回路が削除されている。この従来の発光部では、図10に示すように、スキャンする波長、即ち半導体レーザ(図ではLD)の駆動電流のスキャン変化を大きく変化させることができず、図10の場合、変化傾きが一様である。1回の波長スキャン時間を同じにして、例えば前記水蒸気H2O及び塩化水素HClの2つのガス成分濃度を検出しようとすると、本実施形態に比べて、波長スキャンの変化速度を大きくしなければならない。波長スキャンの変化速度が大きいと、ガス吸光スペクトル近傍での波長スキャンの変化が急峻になり、その結果、2f成分検出信号の変化も急峻になる。このように2f成分検出信号の変化が急峻になると、前記受光部のローパスフィルタ117のカットオフ周波数が高い場合には、検波器の高調波成分が減衰しきらず、ノイズとして残ってしまい、信号対ノイズ比SNRが低下する。また、ローパスフィルタ117のカットオフ周波数を低く設定すると、2f成分検出信号自体が減衰してしまって、安定性が低下する。
なお、2つのガス成分でなく、3つ以上のガス成分を検出する場合であっても、本発明は全く同様に適用することが可能である。その場合、オフセット量の加算は、図4のような一定のオフセット量の発生と加算オン・オフ切替えスイッチの組合せでなく、例えばD/A変換回路をオフセット発生回路とし、第1ガス成分の検出が完了したタイミングでオフセット量を変更し、更に第2ガス成分の検出が完了したタイミングで再びオフセット量を変更するなどの処理を処理プロセッサなどにより行えばよい。
また、レーザ光をスキャンするための三角波に代えて、鋸歯状波を使用してもよい。
本発明のガス分析装置及びガス分析方法の一実施形態を示すガス濃度測定装置の概略構成図である。 図1のガス濃度測定装置における半導体レーザの駆動電流と発光波長の説明図である。 図1のガス濃度測定装置の発光部のブロック図である。 図1のガス濃度測定装置の受光部のブロック図である。 図3の発光部の駆動電流及び図4の受光部の2f成分検出信号の特性説明図である。 レーザ光の周波数変調とガス吸収線による2倍波信号の説明図である。 半導体レーザの駆動電流と発光波長の説明図である。 レーザ光の受光信号と2f成分検出信号の説明図である。 従来のガス濃度測定装置の発光部のブロック図である。 図9の発光部の駆動電流及びその2f成分検出信号の特性説明図である。
符号の説明
1は1f発振回路、2は三角波発生回路、3は切替えタイミング制御回路、4はV/I変換回路、5は半導体レーザ、6はオフセット発生回路、7は切替えスイッチ、8は温度制御素子、9は温度検出素子、10は温度制御回路、11a,bは隔壁、12a,bはフランジ、13は加算器、14は送信部基板、15a,bはウェッジ窓、16はコリメートレンズ、17はレーザユニット、18は送信側ハウジング、19は受信側ハウジング、20は集光レンズ、21は光検出部、22は受信部基板

Claims (5)

  1. レーザ素子から出射されるレーザ光を周波数変調する周波数変調部と、前記レーザ素子から出射されるレーザ光の波長をスキャンさせる波長スキャン部と、前記レーザ素子から出射されたレーザ光を受光し、受光されたレーザ光の吸光状態から当該レーザ光が通過した部分のガスの濃度を検出するガス検出部と、前記レーザ光の波長スキャン中、当該レーザ光の波長スキャンが所定のガスによる吸光波長を越えたタイミングで、スキャンする波長に一定波長分に相当する波長オフセット量を加算するオフセット制御部とを備えたことを特徴とするガス分析装置。
  2. 前記オフセット制御部は、一定波長分に相当する波長オフセット量を発生するオフセット発生部と、前記オフセット発生部で発生された波長オフセット量のオフセット信号をオン・オフするオフセット信号切替え部と、前記レーザ光の波長スキャンが所定のガスによる吸光波長を越えたタイミングでオフセット信号切替え部をオフからオンに切替えることで、前記スキャンする波長に波長オフセット量を加算する切替えタイミング制御部とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のガス分析装置。
  3. 前記波長スキャン部は、レーザ光を駆動する電流を変化させることで当該レーザ光の波長をスキャンし、前記周波数変調部は、レーザ光を駆動する電流を変化させることで当該レーザ光を周波数変調し、前記オフセット発生部は、レーザ光を駆動する電流を変化させることで一定波長分に相当する波長オフセット量のオフセット信号を発生することを特徴とする請求項1又は2に記載のガス分析装置。
  4. 前記ガス検出部は、受光されたレーザ光の受光信号から、前記周波数変調した周波数の2倍の周波数成分を、位相検波器及びローパスフィルタを用いた同期検波によって検出し、その検出された2倍周波数成分から前記ガスの濃度を検出することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のガス分析装置。
  5. レーザ素子から出射されるレーザ光を周波数変調すると共に、前記レーザ素子から出射されるレーザ光の波長をスキャンし、前記レーザ素子から出射されたレーザ光を受光し、受光されたレーザ光の受光信号から、前記周波数変調した周波数の2倍の周波数成分を、位相検波器及びローパスフィルタを用いた同期検波によって検出し、その検出された2倍周波数成分から当該レーザ光が通過した部分のガスの濃度を検出するレーザ式ガス分析方法において、レーザ光の波長スキャン中、所定のガスによる吸光波長を越えたタイミングで、一定波長分に相当する波長オフセット量をスキャンする波長に加算することを特徴とするガス分析方法。
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