JP2012026830A - ガス濃度測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】整数演算型のデバイスを用いたデジタル処理によって位相敏感検波を行うことができる、TDLAS測定法を利用したガス濃度測定装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るガス濃度測定装置では、まず乗算器62の出力信号から変調周波数fの一周期分のデータの区間移動平均を取ることにより、入力信号に含まれる変調周波数fの整数倍の交流成分を除去する。これにより、デジタルフィルタ63の出力信号において直流成分が相対的に大きくなるため、デジタルローパスフィルタ64による直流成分の抽出が容易となり、整数演算によるデジタル処理を用いても十分な精度で位相敏感検波を行うことが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ光に対する吸収を利用して被測定ガス中の特定成分の濃度を測定するガス濃度測定装置に関する。
ガス濃度測定法の1つとして、従来より、波長可変半導体レーザ吸収分光(Tunable Diode Laser Absorption Spectroscopy、以下「TDLAS」と略す)測定法が広く知られている(例えば非特許文献1など参照)。
TDLAS測定法では、周波数fで変調したレーザ光を被測定ガスが充満された測定セルに照射し、該ガス中を通過した後のレーザ光の強度を光検出器により検出する。様々なガス成分はそれぞれ特有の波長を持つ光を吸収する。そのため、レーザ光の波長を上記変調周波数fよりも十分に低い周波数でもって走査したとき、目的とするガス成分に固有の波長付近でレーザ光は強い吸収を受ける。この吸収は変調周波数fの高調波成分として現れる。そこで、光検出器による検出信号から変調周波数fのn倍波成分(nは2以上の整数)を位相敏感検波により抽出し、その成分の大きさから被測定ガス中の目的成分の濃度を求める。
このTDLAS測定法は、被測定ガスに光検出器などが接触しない非接触測定法であるため、被測定ガスの場を乱すことなく測定が可能である、応答時間がきわめて短くほぼリアルタイムの濃度測定が可能である、高感度測定が可能である、といった利点を有している。
レイド(J. Reid)、ラブリエ(D. Labrie)、「セカンド-ハーモニック・デテクション・ウィズ・チューナブル・ダイオード・レーザーズ−コンパリソン・オブ・イクスペリメント・アンド・セオリー(Second-Harmonic Detection with Tunable Diode Lasers − Comparison of Experiment and Theory)」、アプライド・フィジックス(Appl. Phys.)、B26、1981年、 pp.203−210
TDLAS測定法における位相敏感検波は、光検出器の検出信号に周波数nfの交流信号を乗算することにより、検出信号中のnf成分のみを直流(周波数が0の)成分に変換し、この直流成分以外の交流(周波数)成分をローパスフィルタで除去する、ことにより行われる。
上記のローパスフィルタには、アナログフィルタを用いることもできるが、デジタルフィルタを用いると、動作速度の向上や回路規模の縮小といった面でアナログフィルタよりも有利である。デジタルフィルタとしては、FIR(Finite Impulse Response)フィルタとIIR(Infinite Impulse Response)フィルタが一般的に知られている。FIRフィルタはサンプリングされた過去のデータのうち有限個数を使用する非再帰型のフィルタであり、IIRフィルタは過去のデータと共に現在の演算結果も入力にフィードバックする再帰型のフィルタである。
位相敏感検波にデジタルフィルタを用いる場合、そのフィルタ処理にはDSP(Digital Signal Processor)等の専用の演算デバイスが使用され、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のPLD(Programmable Logic Device)は用いられない。これは以下の理由による。
PLDは整数演算(固定小数点演算を含む)や並列処理には適しているものの浮動小数点演算には不向きである。そのため、DSPよりも演算速度は速いが、演算精度の面では劣る。位相敏感検波では、微小な直流成分の信号の抽出に非常に急峻な減衰特性が必要となり、高い演算精度が要求されるため、PLDによるフィルタ処理では十分な精度が得られず、直流成分を抽出することができなくなってしまう。
しかしながら、PLDを用いたデジタルフィルタにより位相敏感検波を行うことができれば、装置の動作を高速化する上で有利となる。また、PLDは機器制御にも向いており、機器制御用の回路と演算用の回路を一体化させることができるため、回路規模の縮小と消費電力の減少、そして装置のコストの削減が可能となる。
本発明が解決しようとする課題は、整数演算型のデバイスを用いたデジタル処理によって位相敏感検波を行うことができる、TDLAS測定法を利用したガス濃度測定装置を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明に係るガス濃度測定装置は、
出射するレーザ光の波長が可変であるレーザ光源と、所定周波数fで変調を施すとともに該周波数fよりも低い周波数で所定波長範囲を波長走査するように前記レーザ光源を駆動するレーザ駆動部と、被測定ガスが導入される測定セルと、前記レーザ光源から出射され、前記測定セルを通過した後のレーザ光を検出する光検出部と、を具備し、前記光検出部より得られる信号に含まれる高調波成分に基づいて被測定ガス中の特定成分の濃度を求めるガス濃度測定装置において、
前記光検出部より得られる信号をデジタル信号に変換する変換手段と、
前記デジタル信号に周波数nf(nは2以上の所定の整数)の参照信号を乗算する乗算信号生成手段と、
前記参照信号が乗算された後のデジタル信号から、前記周波数fの整数倍の交流成分を選択的に除去する第1のデジタルフィルタと、
前記第1のデジタルフィルタを通過した後のデジタル信号から直流成分を抽出するローパス型の第2のデジタルフィルタと、
を有することを特徴とする。
なお、前記第1のデジタルフィルタによる周波数fの整数倍の交流成分の除去は、例えば該デジタルフィルタへの入力信号(参照信号が乗算された後のデジタル信号)に対して周波数fの一周期分の区間移動平均を取ることにより行うことができる。
光検出部において得られる検出信号は、一般的に周波数1fの基本波成分を多く含んでいる。そのため検出信号に周波数nfの参照信号を乗算すると、乗算した後の信号では(n−1)f成分と(n+1)f成分の寄与が大きくなる。従って、参照信号を乗算した後の信号をデジタルローパスフィルタで直接除去すると、これらの成分の除去に非常に急峻な減衰特性が必要となるため、整数演算では演算精度が足りなくなってしまう。
本発明に係るガス濃度測定装置は、デジタルローパスフィルタ(第2のデジタルフィルタ)による交流成分の除去を行う前に、変調周波数fの整数倍の交流成分のみを除去するデジタルフィルタ(第1のデジタルフィルタ)を導入することにより、この問題を解決したものである。このようなデジタルフィルタは、例えば変調周波数fの一周期分の区間移動平均により実現することができるため、整数演算であっても十分な精度で行うことができる。また、デジタルフィルタにより寄与の大きい交流成分を予め除去することで、デジタルローパスフィルタの減衰特性を従来よりもなだらかにすることができ、その結果、演算精度の劣る整数演算を用いても直流成分の抽出が十分に可能となる。
本発明の一実施例であるガス濃度測定装置の概略構成図。 レーザ光の波長(周波数)変化を模式的に示す図。 ロックインアンプの入力端における測定信号(a)、周波数変換後の信号(b)、デジタルフィルタ(第1のデジタルフィルタ)を通過後の信号(c)、及びデジタルローパスフィルタ(第2のデジタルフィルタ)通過後の信号(d)、の周波数スペクトルの一例を示す図。 ロックインアンプの入力端における測定信号の波形図の一例(a)、及び、この測定信号に対して得られるロックインアンプの出力信号の波形図(b)。 アナログローパスフィルタを用いた場合のガス濃度測定結果を示すグラフ。 デジタルローパスフィルタのみを用いた場合のガス濃度測定結果を示すグラフ。 本実施例のガス濃度測定装置による測定結果を示すグラフ。
以下、本発明に係るガス濃度測定装置の一実施例について、添付の図面を参照して説明する。図1は本実施例によるガス濃度測定装置の概略構成図である。
本実施例のガス濃度測定装置において、レーザダイオード(LD)1は、制御部8の制御の下にレーザ駆動部2から供給される駆動電流に応じて、周波数fで変調されたレーザ光を測定セル3に照射する。レーザダイオード1としては例えばDFB(Distributed Feedback)型レーザで近赤外領域〜中赤外領域の波長のものを用いることができるが、これ以外でもよい。
測定セル3には被測定ガスが導入されており、照射されたレーザ光は測定セル3を通過する間に被測定ガス中の成分による吸収を受ける。そうして吸収を受けた後のレーザ光がフォトダイオード(PD)4に到達し、フォトダイオード4は受光強度に応じた電流信号を出力する。この電流信号はPDアンプ5に入力され、PDアンプ5は電流信号を電圧信号に変換した上で増幅し、これを測定信号としてロックインアンプ6に入力する。ロックインアンプ6は、測定信号をデジタル信号に変換したうえで、所定の周波数の参照信号を乗算し、測定信号から参照信号と同じ周波数を持つ信号成分のみを抽出する。信号処理部7は、抽出された信号成分に対し所定の演算処理を実行することにより、被測定ガス中の目的成分の濃度を計算する。
このガス濃度測定装置の測定原理と測定動作とを説明する。レーザ駆動部2は、所定の変調周波数fで変調を施す駆動電流と、被測定ガス中の目的成分の吸収スペクトル付近の所定の波長範囲に亘る波長走査を、変調周波数fよりも十分に低い周波数の周期で繰り返すための駆動電流とを加算してレーザダイオード1に供給する。これにより、レーザダイオード1は時間経過に伴って波長が変化し、且つ周波数変調が施されたレーザ光を出射する。図2はレーザ光の波長(周波数)変化を模式的に示す図である。
測定セル3を通過する前のレーザ光は、波長走査の周波数成分を除けば変調周波数fの成分しか含まないが、測定セル3中で被測定ガス中の目的成分の光吸収により変調周波数fに歪みが生じ高調波成分が生成される。一般に、高調波成分のうち2次高調波(倍波)成分の波形はガス成分による吸収ピーク波形と相似形となっており、ピークの高さがガス成分濃度に比例する。そこで、ロックインアンプ6においてPDアンプ5による電圧信号から2次高調波成分を抽出し、この高調波成分の波形からガス成分濃度を計算する。
次に、ロックインアンプ6の構成と動作を詳しく述べる。
PDアンプ5から出力されたアナログ電圧信号である測定信号は、まずA/D変換器61により所定のサンプリング周期でサンプリングされてデジタル信号に変換される。デジタル化された測定信号は乗算器62に入力され、所定の周波数の参照信号と掛け合わされることにより、次の(1)式に示す周波数変換が行われる。
sinα・cosβ=(1/2)・{sin(α+β)+sin(α−β)} …(1)
ただし、αは測定信号の周波数、βは参照信号の周波数である。ここで、α=2f、β=2fとおけば、周波数が「4f」である成分と「0」である成分とが生成されることが分かる。この「0」の成分が直流成分であり、測定信号の2次高調波成分は直流成分に周波数変換されることになる。
図3の(a)及び(b)に、ロックインアンプ6の入力端における測定信号の周波数スペクトルと、乗算器62による周波数変換後の信号の周波数スペクトルと、をそれぞれ示す。図3(a)の測定信号は、変調周波数fの基本波成分である1f成分とその他の高調波成分、そして白色雑音としての交流成分を含んでいる。
図3(a)の測定信号に周波数2fの参照信号を乗算すると、(1)式の周波数変換により、測定信号の2f成分が直流成分と4f成分に変換される。同様に、変調周波数fの基本波成分は1fと3fの2つの交流成分となり、これら以外の高調波成分もそれぞれ変調周波数fの整数倍の交流成分に変換され、その結果、周波数変換後の信号のスペクトルは図3(b)のようになる。図3(b)に示すように、周波数変換後の信号には、直流成分と、変調周波数fの整数倍の交流成分と、それら以外の交流成分(白色雑音)と、が含まれる。そのため、位相敏感検波を行うには、乗算器62の出力信号から直流成分以外の交流成分を除去する必要がある。
従来のガス濃度測定装置では、乗算器62の出力信号をそのままデジタルローパスフィルタで処理することにより、直流成分以外の交流成分を除去していた。しかしながら、この乗算器62の出力信号には変調周波数fの整数倍の交流成分(特に1f成分と3f成分)が大きな強度で生じており、これらの成分を除去するために非常に急峻な減衰特性が必要であり、それを実現するために高い演算精度が必要となっていた。
これに対し、本実施例のロックインアンプ6は、乗算器62の出力信号から、まず変調周波数fの整数倍の成分のみをデジタルフィルタ(DF)63により除去する。デジタルフィルタ63は、入力した複数個のデータの各々に個別のフィルタ係数を掛け合わせ、それらの総和をとって出力する。ここで、例えば変調周波数一周期分のデータを用い、各データに掛けるフィルタ係数をすべて1とすると、デジタルフィルタ63の入力信号に対して変調周波数fの一周期分のデータの区間移動平均を取ることになり、変調周波数fの整数倍の交流成分を除去することができる。この区間移動平均を取った後の出力信号の周波数スペクトルは図3(c)のようになる。図3(c)に示すように、区間移動平均を取った後の周波数スペクトルでは変調周波数fの整数倍の交流成分が除去され、直流成分と白色雑音が残ることになる。
次に、デジタルフィルタ63の出力信号から交流信号をデジタルローパスフィルタ(DLPF)64により除去する。ここでは、交流信号をできる限り除去する必要があるため、A/D変換器61のサンプリング周波数に対して非常に低いカットオフ周波数で、かつ十分な減衰特性を有するデジタルローパスフィルタを設計する。そのような特性を有するフィルタとしてはIIRフィルタが有効である。デジタルローパスフィルタ63を通過した後の信号の周波数スペクトルは図3(d)のようになり、ロックインアンプ6の出力端から測定信号の2次高調波成分が直流成分として抽出されることになる。
図4(a)はロックインアンプ6の入力端における測定信号の波形図の一例、図4(b)はこの測定信号に対して得られるロックインアンプ6の出力信号の波形図である。図4(a)の測定信号では、変調周波数fの信号及びその高調波信号の包絡線のみが明瞭に現れ、ガス成分による吸収ピーク波形は観測できない。これに対し、上述したようなロックインアンプ6の動作により変調周波数fの2次高調波成分以外が除去されると、図4(b)のように吸収ピーク波形が明瞭に観測されるようになる。
この吸収ピーク波形のピーク・トゥ・ピークの高さ(以下、「吸収ピーク波形の高さ」と記す)が被測定ガス中の目的成分濃度に比例する。目的成分濃度の絶対値を求めるには、予め目的成分濃度が既知である標準ガスの測定を実行し、吸収ピーク波形の高さを求めて、濃度と吸収ピーク波形の高さとの関係を示す検量線を作成して信号処理部7の内部メモリに記憶しておく。そして、未知濃度の目的成分を含む被測定ガスの測定を実行して吸収ピーク波形が得られたならば、信号処理部7はその吸収ピーク波形の高さを求め、内部メモリに記憶してある検量線を参照して濃度を算出する。
このガス濃度測定装置で濃度測定対象である成分は特に限定されない。光に対する吸収波長は成分毎に異なるから、目的成分に応じて波長走査を行う波長範囲を変更しさえすればよい。
ガス濃度測定の具体例として、一酸化炭素(CO)の測定を行った実験例を説明する。この実験では、上記した変調周波数fの一周期分の区間移動平均を行うデジタルフィルタ63とIIR型のデジタルローパスフィルタ64とを組み合わせてフィルタ処理を行った。図5〜7は、従来方法と本発明による方法との測定結果を比較したものである。ここで図5はロックインアンプ6にアナログ処理を用いた場合の測定結果を、図6はデジタルローパスフィルタのみを用いた場合の測定結果を、図7は本発明のデジタル処理による測定結果を、それぞれ示している。また、図6及び7のデジタル処理は、整数演算により行っている。
吸収シグナルの平均測定値をS、標準偏差をσとして、S/N比=S/(2σ)と定義すると、図5ではS/N比=25.7となった。図6ではガスの吸収シグナルがノイズに埋もれてしまい、直流成分の抽出ができなくなっている。これは、整数演算ではIIRフィルタが要求する演算精度に足りていないためと考えられる。これに対し、図7ではS/N比=41.7となり、整数演算を用いても明瞭にガスの吸収シグナルを観測できていることが分かる。また、図5に示したアナログ処理による結果と比べても測定感度が向上していることが分かる。
このように、2つのデジタルフィルタを組み合わせた本発明の方法により整数演算型デバイスでもTDLAS測定ができることが確認できる。さらに、従来のアナログ処理に対してS/N比を改善することができる。
なお、図7の測定結果を得る際に用いた処理と同じ処理をDSPにより行う場合、各フィルタにおける演算を並列に処理するために、デジタルフィルタ63に10個、デジタルローパスフィルタ64に8個、計18個の乗算器が必要となる。しかしながら、通常のDSPに搭載されている乗算器は4個程度であり、18個の乗算器の処理を4個の乗算器によってシリアル処理すると、DSPの処理速度は動作クロックの周波数のおよそ1/4程度になる。また、DSPではデータの入出力も通常はシリアル処理で行われるため、32bitのデータを入出力した場合には、DSPの処理速度は動作クロックの周波数の1/32にまで落ちる。現在のDSPの動作クロックは上位製品では1GHzに近いものもあるが、200〜300MHz程度が一般的であり、上記のシリアル処理による速度の低下を考慮すると数MHz程度の速度しか得られないことになる。これに対し、FPGA等のPLDでは、回路規模に応じて乗算器の数を増やし、これらを並列化させることができると共に、32bitデータを並列に入出力させることも容易であるため、動作クロックと同等の周波数で処理を行うことができる。現在のPLDでは1GHz程度の動作周波数も可能である。
TDLAS測定法では、変調周波数fの周波数帯域が数MHz以下ではWMS法、10MHZ〜数GHzの非常に高い周波数を用いる場合はFMS法と区別されており、より高周波を用いるFMS法の方が1/fノイズの影響を受けない高感度な測定が可能になる。高周波信号の処理にはより高速な動作が必要となり、PLDを用いることが可能な本発明のフィルタ処理方法はDSPに対して明らかに有利となる。
また、TDLAS測定法では被測定ガスの種類によって測定条件を微調整する可能性があり、プログラムの書き換え、追加が容易であるのが望ましい。PLDの一種であるFPGAではこれらを容易に行うことができるため、DSPよりもTDLAS測定法に適している。
さらに、位相敏感検波のみならず機器制御をすべてPLDで一括して行うことで、システムの効率化、基板サイズの縮小ができ、さらに整数演算によるTDLAS測定が可能になったことで、測定の高速化と消費電力の削減が可能になる。
なお、上記実施例はいずれも本発明の一例であり、本発明の趣旨の範囲で適宜に変形や修正、追加などを行っても、本願特許請求の範囲に包含されることは明らかである。
1…レーザダイオード
2…レーザ駆動部
3…測定セル
4…フォトダイオード
5…PDアンプ
6…ロックインアンプ
61…A/D変換器
62…乗算器
63…デジタルフィルタ(第1のデジタルフィルタ)
64…デジタルローパスフィルタ(第2のデジタルフィルタ)
7…信号処理部
8…制御部

Claims (3)

  1. 出射するレーザ光の波長が可変であるレーザ光源と、所定周波数fで変調を施すとともに該周波数fよりも低い周波数で所定波長範囲を波長走査するように前記レーザ光源を駆動するレーザ駆動部と、被測定ガスが導入される測定セルと、前記レーザ光源から出射され、前記測定セルを通過した後のレーザ光を検出する光検出部と、を具備し、前記光検出部より得られる信号に含まれる高調波成分に基づいて被測定ガス中の特定成分の濃度を求めるガス濃度測定装置において、
    前記光検出部より得られる信号をデジタル信号に変換する変換手段と、
    前記デジタル信号に周波数nf(nは2以上の所定の整数)の参照信号を乗算する乗算信号生成手段と、
    前記参照信号が乗算された後のデジタル信号から、前記周波数fの整数倍の交流成分を選択的に除去する第1のデジタルフィルタと、
    前記第1のデジタルフィルタを通過した後のデジタル信号から直流成分を抽出するローパス型の第2のデジタルフィルタと、
    を有することを特徴とするガス濃度測定装置。
  2. 前記第1のデジタルフィルタが、前記参照信号が乗算された後のデジタル信号に対して、周波数fの一周期分の区間移動平均を取ることを特徴とする請求項1に記載のガス濃度測定装置。
  3. 前記第1のデジタルフィルタと前記第2のデジタルフィルタのフィルタ処理が、整数演算により行われることを特徴とする請求項1又は2に記載のガス濃度測定装置。
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