JPH09304274A - 光式ガス濃度検出方法及びその装置 - Google Patents

光式ガス濃度検出方法及びその装置

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JPH09304274A
JPH09304274A JP11648396A JP11648396A JPH09304274A JP H09304274 A JPH09304274 A JP H09304274A JP 11648396 A JP11648396 A JP 11648396A JP 11648396 A JP11648396 A JP 11648396A JP H09304274 A JPH09304274 A JP H09304274A
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JP
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gas
light
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gas atmosphere
concentration
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JP11648396A
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Katsumi Sakai
克巳 酒井
Masahiko Uchida
昌彦 内田
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Hitachi Cable Ltd
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Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 赤外吸収スペクトルを持つ成分のみならず赤
外吸収スペクトルを持たない成分も検出可能な光式ガス
濃度検出方法及びその装置を提供する。 【解決手段】 特定波長のレーザ光を一部は測定対象の
ガス雰囲気中に通し、一部はガス雰囲気中に通さず参照
用に、それぞれのレーザ光を受光し、これらガス雰囲気
透過光と参照光との差から特定波長のレーザ光を吸収す
るガスの濃度を検出すると共に、上記ガス雰囲気透過光
の一部を特定ガスの吸着によって光透過特性が変化する
導波路センサ9に通して受光し、この導波路センサ透過
光と上記ガス雰囲気透過光との比から特定ガスの濃度を
検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透過光の吸収を利
用してガス濃度を検出する方法及び装置に係り、特に、
赤外吸収スペクトルを持つ成分のみならず赤外吸収スペ
クトルを持たない成分も検出可能な光式ガス濃度検出方
法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】OFケーブルのように絶縁油を収容した
油入機器の保守管理には、油中溶存ガス(油中ガス)を
分析してその機器が異常なく運転されているか判断する
方法がある。一般に、油入機器内部では絶縁油や油浸紙
が正常時でも徐々に分解してガス状物質が生成される
が、異常時にはそれがかなり増大する。生成ガスの主な
ものは、CH4 ,C2 2 ,C2 4 ,C2 6 ,…な
どの炭化水素系のもの、及びH2 ,CO,CO2 などで
ある。
【0003】そこで、本出願人は、先に、OFケーブル
を対象とし、OFケーブルの劣化を早期に検出するた
め、ケーブル及び接続部の部分放電、熱劣化により発生
するアセチレン、メタンを、光技術を用いて高感度に自
動計測する光式OFケーブル油中ガス監視システムを開
発・発表した(平成5年電気学会 電力・エネルギー部
門 NO.445光式OFケーブル油中ガス監視システ
ムの開発)。このシステムの概要を図3を用いて説明す
る。
【0004】光源にはCH4 用、C2 2 用にそれぞれ
DFB−LD1(分布帰還型半導体レーザ)を用い、各
光源1a,1bは交互に駆動する。これらの光源からの
光を光カプラ41により1本の光ファイバ4fで伝送
し、光路切替器42で行き先を切替え、光ファイバ4g
により各接続部に設けられた油中ガス分離セル43に導
く。油中ガス分離セル43内でガスによる光吸収を受け
た光を、対向する別の光ファイバ4hにより解析装置4
4に伝送し、この計測装置で受光し、ガス濃度への換算
を行う。
【0005】このシステムでは検出ガスはC2 2 、C
4 の2種類である。図4に示されるように、C
2 2 、CH4 の濃度の組み合せで示される測定点につ
いて、表1に示されるように、これらのケーブルを解体
して調べたときの劣化内容で分類すると、レベルA,
B,C,D,Eに分類される。このようにC2 2 、C
4 の濃度の組み合せと劣化内容とには相関がある。そ
して、これら2種類のガス濃度の監視を行えば劣化の大
要を把握することができる。
【0006】
【表1】
【0007】しかし、採油、ガス抽出及びガス濃度分析
によりOFケーブルの劣化を判定する現行のガス管理基
準では、C2 2 とTCGの濃度から判定することにな
っている。TCGとは可燃ガス総量のことであり、可燃
ガスにはH2 ,CH4 ,C2 2 ,C2 4 ,C
2 6 ,COがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記ガス管理基準に基
づいて上記光式OFケーブル油中ガス監視システムを運
用するためには、C2 2 、CH4 の他にH2 ,C2
4 ,C2 6 ,COの検出も必要となる。
【0009】このうちC2 4 ,C2 6 ,COについ
ては、光ファイバの伝送帯域内かつ半導体レーザの発振
波長域内である赤外域に、それぞれ固有の赤外吸収スペ
クトルを有しているので、それぞれの赤外吸収スペクト
ルに一致した光源を用意し、上記C2 2 用、CH4
の光源に並列に用い、これらの光源からの光を光カプラ
或いは切替器により上記1本の光ファイバで伝送し、上
記計測装置でそれぞれのガス濃度を検出することができ
る。
【0010】しかし、H2 については赤外吸収スペクト
ルを持たないので、上記技術が適用できない。これは、
赤外吸収スペクトルが分子振動による双極子モーメント
が変化することにより生じるので、2つの同じ原子から
1分子を構成するものは赤外吸収スペクトルを有しない
からである。このため上記技術ではH2 のガス濃度が測
定できず現行のガス管理基準に基づいた光式OFケーブ
ル油中ガス監視システムを構成することができない。
【0011】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、赤外吸収スペクトルを持つ成分のみならず赤外吸収
スペクトルを持たない成分も検出可能な光式ガス濃度検
出方法及びその装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、特定波長のレーザ光を一部は測定対象のガ
ス雰囲気中に通し、一部はガス雰囲気中に通さず参照用
に、それぞれのレーザ光を受光し、これらガス雰囲気透
過光と参照光との差から特定波長のレーザ光を吸収する
ガスの濃度を検出すると共に、上記ガス雰囲気透過光の
一部を特定ガスの吸着によって光透過特性が変化する導
波路センサに通して受光し、この導波路センサ透過光と
上記ガス雰囲気透過光との比から特定ガスの濃度を検出
するものである。
【0013】このための装置は、特定波長のレーザ光を
発振するレーザと、測定対象のガス雰囲気を収容するガ
スセルと、上記レーザ光を分岐して一方はガスセルに導
き他方はガスセルを迂回させる第1の分岐手段と、ガス
セルからのガス雰囲気透過光を受光するガス雰囲気透過
光用受光器と、ガスセルを迂回した参照光を受光する参
照光用受光器と、上記ガスセル内で上記ガス雰囲気透過
光を分岐して一方は特定ガスの吸着によって光透過特性
が変化する導波路センサに導き他方は上記ガス雰囲気透
過光用受光器に導く第2の分岐手段と、上記導波路セン
サからの透過光を受光する導波路センサ用受光器と、上
記ガス雰囲気透過光と参照光との差から特定波長のレー
ザ光を吸収するガスの濃度を検出すると共に導波路セン
サ透過光と上記ガス雰囲気透過光との比から特定ガスの
濃度を検出する解析部とを備える。
【0014】複数のガス成分のためにそれぞれ異なる波
長のレーザ光を発振する複数の上記レーザと、これらの
レーザ光を切り替えて上記分岐手段に供給する切替手段
とを備えてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて詳述する。
【0016】図1に示される実施形態は、本発明の方法
により現行のガス管理基準に基づいた光式OFケーブル
油中ガス監視システムを構成するものであり、赤外吸収
スペクトルを利用してCH4 ,C2 2 ,C2 4 ,C
2 6 ,COのガス濃度をそれぞれ検出するために、各
々のガスの赤外吸収スペクトルを中心に特定の周波数で
波長及び強度が変調されたレーザ光を発振させ、このレ
ーザ光をその一部は測定対象のガス雰囲気中に通して受
光し、一部はガス雰囲気中に通さず直接、参照用に受光
し、これらガス雰囲気透過光の上記特定周波数の検波成
分と参照光の特定周波数の検波成分との差分からそれぞ
れのガスの濃度を検出すると共に、H2 濃度を検出する
ために、ガス雰囲気透過光の一部をH2 の吸着によって
着色する導波路H2 センサに通して受光し、この導波路
2 センサ透過光の特定周波数の検波成分と上記ガス雰
囲気透過光の特定周波数の検波成分との比からH2 の濃
度を検出するものである。
【0017】その装置は、大きく分けて、測定用のレー
ザ光を供給する光源部21と、測定対象のガス雰囲気空
間を持つセンサ部22と、受光結果からガス濃度を求め
る信号処理部23とからなり、これらは光ファイバによ
り接続される。
【0018】詳しく述べると、光式OFケーブル油中ガ
ス監視システムを構成する本発明の光式ガス濃度検出装
置は、CH4 ,C2 2 ,C2 4 ,C2 6 ,COの
赤外吸収スペクトルをそれぞれ発振波長とする5種のレ
ーザ1a,1b,1c,1d,1eと、その駆動電流を
所定の基本周波数ωで変調することにより波長及び強度
が変調されたレーザ光を発振させる変調回路2と、この
変調回路2を上記いずれかのレーザ1a〜1eに切り替
え接続する切替器3と、これらのレーザの光路を切り替
えて1本の光ファイバ4aに接続する光路切替器5と、
光ファイバ4aに接続されレーザ光を分岐する第1光分
岐器6と、第1光分岐器6の一方の分岐からセンサ部2
2まで布設された往路光ファイバ4bと、この往路光フ
ァイバ4bの終端に接続され、測定対象のガス雰囲気を
収容するガスセル7と、第1光分岐器6の他方の分岐を
信号処理部23につなぐ参照光用光ファイバ4cと、ガ
スセル7から信号処理部23まで布設されたガス雰囲気
透過光用復路光ファイバ4dと、このガス雰囲気透過光
用復路光ファイバ4dの終端に接続されガスセル7から
のガス雰囲気透過光を受光するガス雰囲気透過光用受光
器8aと、参照光用光ファイバ4cに接続されガスセル
7を迂回した参照光を受光する参照光用受光器8bと、
ガスセル7内に設けられH2 の吸着によって着色する導
波路H2 センサ9と、ガスセル7内で往路光ファイバ4
bの終端に対向し所定の測定空間を隔てて光結合される
光結合用光ファイバ4fと、この光結合用光ファイバ4
fに接続され分岐の一方を導波路H2 センサ9に、他方
を復路光ファイバ4dに接続された第2光分岐器10
と、導波路H2 センサ9から信号処理部23まで布設さ
れた導波路センサ用復路光ファイバ4eと、導波路セン
サ用復路光ファイバ4eの終端に接続され導波路H2
ンサ9からの透過光を受光する導波路センサ用受光器8
cと、各受光器の受光信号より基本周波数ω及び2倍周
波数2ωの周波数成分をそれぞれ位相敏感検波する検波
器群11と、これらの検波信号データを収集するデータ
収集部12と、この収集された検波信号データにより、
上記ガス雰囲気透過光の基本周波数ω及び2倍周波数2
ωの検波成分と参照光の同様の検波成分との差分からC
4 ,C2 2 ,C2 4 ,C2 6 ,COの濃度を検
出すると共に、導波路センサ透過光の検波成分とガス雰
囲気透過光の検波成分との比を求め、この比と予め求め
た着色前の比とで示される光透過特性の変化よりH2
濃度を検出する解析部13とを備えている。
【0019】具体的には、レーザ1a〜1eはDFB−
LD(分布帰還型半導体レーザ)であり、波長は、CH
4 用にλ=1.6456μm,C2 2 用にλ=1.5
201μm,C2 4 用にλ=1.6245μm,C2
6 用にλ=1.6816μm,CO用にλ=1.56
88μmを採用してある。そして、これらのレーザに
は、温度を制御するためのペルチェ素子、温度をモニタ
するためのサーミスタ、光ファイバに結合するための集
光レンズ、集光レンズからの戻り光をカットするための
アイソレータが含まれているが、これらの図は省略され
ている。また、各光学部材の端面には無反射コーティン
グが施されており、各レーザ1への戻り光は極めて小さ
くされている。
【0020】H2 の吸着によって着色する導波路H2
ンサ9は、図2に示されるように、LiNbO3 からな
る基板21と、その基板にTiを熱拡散させて形成され
た光伝送路22と、その上にWO3 を真空蒸着させたW
3 薄膜23と、その上にPdをスパッタリングさせた
Pd薄膜24とからなる。光伝送路22には光ファイバ
4を接続することができる。
【0021】このような導波路H2 センサをH2 雰囲気
におくと、Pd薄膜24が触媒となりWO3 薄膜23が
着色する。その結果、光伝送路22を通過するエバネッ
セント波の減衰割合が増加して赤外域等での透過光量が
減衰する。
【0022】変調回路2は、周波数ωの正弦波信号を出
力する発振器と、この周波数ωの正弦波信号から周波数
2ωの正弦波信号を生成する倍周器と、バイアス電流を
付加するためのバイアス電流電源と、温度調節のための
温調器とから構成され、発振器からの正弦波信号をバイ
アス電流電源からのバイアス電流に重畳してレーザを駆
動するようになっている。バイアス電流の出力側には発
振器の出力による影響を防ぐためのインダクタンスが設
けられている。発振器の出力側には直流分をカットする
ためのコンデンサが設けられている。また、発振器及び
倍周器の正弦波信号は信号処理部23に供給されるよう
になっている。これら変調回路2の詳細は図では省略さ
れている。この変調回路2は1つのレーザを駆動するも
のであるから、5つのレーザのいずれかを選択して駆動
できるように切替器3が設けられている。
【0023】信号処理部23の検波器群11は、発振器
からの周波数ωの正弦波信号に同期して受光器の出力の
周波数ωの成分の検波を行う検波器(ω)と、倍周器か
らの周波数2ωの正弦波信号に同期して受光器の出力の
周波数2ωの成分の検波を行う検波器(2ω)とを有す
る。ここでは、参照光用受光器8b及びガス雰囲気透過
光用受光器8aに対しては検波器(ω)と検波器(2
ω)とが設けられ、導波路センサ用受光器8cに対して
は検波器(ω)が設けられている。
【0024】次に動作を説明する。
【0025】まず、ガス検出に使用するレーザと変調回
路2とを切替器3で接続し、出力されるレーザ光が光フ
ァイバ4aに入射されるよう光路切替器5を切り替え
る。変調回路2ではレーザ光の中心波長が赤外吸収スペ
クトルに一致するように、レーザの温度を温調器及びペ
ルチェ素子により一定に固定する。また、バイアス電流
は一定とする。発振器からの正弦波による変調電流がバ
イアス電流に重畳され、周波数ωで波長及び強度が変調
されたレーザ光が発振されることになる。
【0026】このレーザ光は光ファイバ4aにより第1
光分岐器6に導かれる。第1光分岐器6で分岐されたレ
ーザ光の一部は、往路光ファイバ4bを伝搬しガスセル
7に入る。ガスセル7内のガスは未知濃度である。この
ガス雰囲気を透過したガス雰囲気透過光は光結合用光フ
ァイバ4fに入射した後、第2光分岐器10で分岐され
る。分岐されたガス雰囲気透過光の一部はガス雰囲気透
過光用復路光ファイバ4dを伝搬し、ガス雰囲気透過光
用受光器8aに受光される。分岐されたガス雰囲気透過
光の残りの一部は導波路H2 センサ9を透過し、その導
波路センサ透過光は導波路センサ用復路光ファイバ4e
を伝搬し、導波路センサ用受光器8cに受光される。ま
た、第1光分岐器6で分岐されたレーザ光の残りの一部
は、そのまま参照光用光ファイバ4cを経由して参照光
用受光器8bに受光される。
【0027】信号処理部23では、参照光用受光器8b
で検出された信号を発振器からの周波数ωの正弦波信号
に同期した信号として検波器(ω)で検波し、基本波検
波信号とすると共に、倍周器からの周波数2ωの正弦波
信号に同期した信号として検波器(2ω)で検波し、2
倍波検波信号とする。
【0028】また、ガス雰囲気透過光用受光器8aで検
出された信号を発振器からの周波数ωの正弦波信号に同
期した信号として検波器(ω)で検波し、基本波検波信
号とすると共に、倍周器からの周波数2ωの正弦波信号
に同期した信号として検波器(2ω)で検波し、2倍波
検波信号とする。
【0029】さらに、導波路センサ用受光器8cで検出
された信号を発振器からの周波数ωの正弦波信号に同期
した信号として検波器(ω)で検波し、基本波検波信号
とする。
【0030】このようにしてデータ収集部12が収集し
た各2倍波検波信号には雑音が重畳されている。これは
レーザからのレーザ光自体に波長依存のドリフトした歪
み成分が重畳していることによる。従って、ガス雰囲気
透過光の2倍波検波信号から参照光の2倍波検波信号を
差し引けば、雑音成分を除去してガスによる吸収成分を
抽出できるが、第1光分岐器6により分岐されたレーザ
光のそれぞれの強度が異なり、受光信号強度が異なるの
で、単純に2倍波検波信号の差からガス濃度を示す成分
を抽出することはできない。そこで、同時に収集した基
本波検波信号を用いる。即ち、解析部13では、それぞ
れの2倍波検波信号を基本波検波信号で割り算して規格
化する。この規格化により受光信号強度の違いを補正で
きる。ガス濃度はレーザ光の中心波長である赤外吸収ス
ペクトルでの差分から得られる。そして、切替器3及び
光路切替器5を順次切り替えることにより、CH4 ,C
2 2 ,C2 4 ,C2 6 ,COの濃度を検出するこ
とができる。
【0031】次に、H2 の濃度を検出する方法を説明す
る。前記のCH4 ,C2 2 ,C2 4 ,C2 6 ,C
Oの濃度の検出が、レーザ光の吸収量が特定波長に依存
することを利用したものであり、2倍波検波信号及び基
本波検波信号を用いて特定波長における吸収量を求める
のに対し、H2 の濃度の場合は、導波路H2 センサを通
る透過光の透過率変化から、その原因となるH2 の濃度
を求める。即ち、H2 の濃度は、導波路センサ透過光の
基本波検波信号を導波路H2 センサが着色する前に予め
求めた初期値を解析部13に記憶しておき、着色前後の
基本波検波信号の変化から求めることができる。ただ
し、導波路センサ透過光の基本波検波信号には、使用し
たレーザ光が測定対象ガスによる吸収で減衰した成分、
またガスセル7の光学系に用いたレンズのズレ等による
変動成分が含まれる。そこで、ガス雰囲気透過光の基本
波検波信号を補正に用いる。H2 の吸着によって光透過
特性が変化する前の透過率の初期値として、ガスセルを
透過した光によりガス雰囲気透過光用受光器8aで検出
された信号の基本波検波信号とそのときの導波路センサ
透過光の基本波検波信号との比を求める。さらに、導波
路H2 センサが着色した後の透過率として、ガス雰囲気
透過光の基本波検波信号と導波路センサ透過光の基本波
検波信号との比を求める。これらの比の変化から導波路
2 センサの透過率変化が求まる。ここで、予め、導波
路H2 センサにおけるH2 濃度と透過率との関係を調べ
て換算表を作成しておけば、測定した透過率からH2
度を求めることができる。
【0032】なお、上記実施形態にあっては、ガス雰囲
気透過光はガスセル7内の第2光分岐器10で分岐され
て、一方はガス雰囲気透過光用復路光ファイバ4dへ、
他方は導波路H2 センサ9を経て導波路センサ用復路光
ファイバ4eへ導かれるように構成したが、これらの光
ファイバをガスセル7直後で光路切替器を介して1本の
復路光ファイバに切替え接続するようにしてもよい。こ
れによりセンサ部22から信号処理部23への光ファイ
バは1本になる。また、5種のレーザの光路を切り替え
て1本の光ファイバ4aに接続する光路切替器5は光カ
プラに代えてもよい。
【0033】
【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮す
る。
【0034】(1)同じガス雰囲気中の赤外吸収スペク
トルを持つ成分のみならず赤外吸収スペクトルを持たな
い成分も検出可能なので、ガス監視システム等におい
て、より確度の高い診断ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す光式ガス濃度検出装
置の構成図である。
【図2】本発明に用いる導波路H2 センサの断面図であ
る。
【図3】従来の光式OFケーブル油中ガス監視システム
の構成図である。
【図4】C2 2 及びCH4 の濃度と劣化内容との相関
図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c,1d,1e レーザ 6 第1光分岐器 7 ガスセル 8a ガス雰囲気透過光用受光器 8b 参照光用受光器 8c 導波路センサ用受光器 9 導波路H2 センサ(導波路センサ) 10 第2光分岐器 13 解析部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 特定波長のレーザ光を一部は測定対象の
    ガス雰囲気中に通し、一部はガス雰囲気中に通さず参照
    用に、それぞれのレーザ光を受光し、これらガス雰囲気
    透過光と参照光との差から特定波長のレーザ光を吸収す
    るガスの濃度を検出すると共に、上記ガス雰囲気透過光
    の一部を特定ガスの吸着によって光透過特性が変化する
    導波路センサに通して受光し、この導波路センサ透過光
    と上記ガス雰囲気透過光との比から特定ガスの濃度を検
    出することを特徴とする光式ガス濃度検出方法。
  2. 【請求項2】 特定波長のレーザ光を発振するレーザ
    と、測定対象のガス雰囲気を収容するガスセルと、上記
    レーザ光を分岐して一方はガスセルに導き他方はガスセ
    ルを迂回させる第1の分岐手段と、ガスセルからのガス
    雰囲気透過光を受光するガス雰囲気透過光用受光器と、
    ガスセルを迂回した参照光を受光する参照光用受光器
    と、上記ガスセル内で上記ガス雰囲気透過光を分岐して
    一方は特定ガスの吸着によって光透過特性が変化する導
    波路センサに導き他方は上記ガス雰囲気透過光用受光器
    に導く第2の分岐手段と、上記導波路センサからの透過
    光を受光する導波路センサ用受光器と、上記ガス雰囲気
    透過光と参照光との差から特定波長のレーザ光を吸収す
    るガスの濃度を検出すると共に導波路センサ透過光と上
    記ガス雰囲気透過光との比から特定ガスの濃度を検出す
    る解析部とを備えたことを特徴とする光式ガス濃度検出
    装置。
  3. 【請求項3】 複数のガス成分のためにそれぞれ異なる
    波長のレーザ光を発振する複数の上記レーザと、これら
    のレーザ光を切り替えて上記分岐手段に供給する切替手
    段とを備えたことを特徴とする請求項2記載の光式ガス
    濃度検出装置。
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Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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