JP4065452B2 - 多点型光式ガス濃度検出システム - Google Patents

多点型光式ガス濃度検出システム Download PDF

Info

Publication number
JP4065452B2
JP4065452B2 JP2005212453A JP2005212453A JP4065452B2 JP 4065452 B2 JP4065452 B2 JP 4065452B2 JP 2005212453 A JP2005212453 A JP 2005212453A JP 2005212453 A JP2005212453 A JP 2005212453A JP 4065452 B2 JP4065452 B2 JP 4065452B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
gas
optical fiber
signal
detection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005212453A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007033049A (ja
Inventor
山内  芳幸
努 酒井
正孝 相馬
晃之 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electric Power Co Inc
Original Assignee
Tokyo Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electric Power Co Inc filed Critical Tokyo Electric Power Co Inc
Priority to JP2005212453A priority Critical patent/JP4065452B2/ja
Publication of JP2007033049A publication Critical patent/JP2007033049A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4065452B2 publication Critical patent/JP4065452B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Description

本発明は、光信号を用いてガスの濃度を検出するガス濃度検出システムに係り、特に、複数箇所のガス濃度を検出する多点型光式ガス濃度検出システムに関するものである。
ガスを検知するためのガス濃度検出システムとして、半導体式或いは電気式のセンサを用いたものがある。これらのガス濃度検出システムは、センサの近傍に電源設備が必要であり、また、定期的に校正が必要なため、長距離監視に用いる場合、保守性や経済性の面で問題がある。
一方で、光を応用したセンサがある。これは、ある特定波長のレーザ光をガス分子が吸収する性質を持っており、この現象を利用してガスの濃度を検出でき、この原理を応用したセンシング技術が工業計測、公害監視などで広く用いられている。また、このレーザ光を光ファイバで伝送させれば、遠隔監視も可能となる。
そこで、本発明者らは、レーザと光ファイバを用い、管理事務所等で一括してガス検出部の異常の有無を監視することのできる遠隔監視可能な光式ガス濃度検出システムを開発した(例えば、特許文献1、2参照)。
図9に示すように、光式ガス濃度検出システム80は、レーザ光を発振させる光源部81とレーザ光を測定対象に案内する光学系82と、光学系82からの光信号を検出し、検出信号を処理する信号処理部83とで全体を構成している。
光源部81は、単一波長のレーザ光を発振させる光源(LD)84と、そのLD84を搭載し、LD84の温度を制御するペルチェ素子85と、ペルチェ素子用電源86と、周波数fの正弦波信号を出力する発振器87と、発振器87が出力する信号の2倍の周波数2fの正弦波信号を出力する倍周器90と、LD84にバイアス電流を付加させる定電流源88と、定電流源88の掃引方法を決定する電流掃引器89とを備えている。
光源部81は、駆動電流及び温度に応じた波長及び強度のレーザ光を発振する光源84を用い、所定の電流を中心として駆動電流を変調することにより波長及び強度が変調されたレーザ光を発振させ、レーザ光の中心波長を掃引させるものである。
光学系82は、入力側が光源84に接続された光スイッチ91と、基準光路用光ファイバ92と、センサヘッド93を通過する光信号を送受信用光ファイバ94とを備え、基準光路用光ファイバ92と各送受信用光ファイバ94は各自ループして光スイッチ91に接続されている。光スイッチ91は、2×nチャネルの構成となっており、最初、基準光路用光ファイバ92で光信号の送受信を行い、次に各センサヘッド93の送受信を行うべく順次光路を切り換えるものである。センサヘッド93は、測定対象である濃度未知のガスが充填される容器であり、検出対象とする位置に設けられる。センサヘッド93の両端には送信用光ファイバ94,94が接続されており、光源84から出射したレーザ光の一部が測定対象ガス雰囲気中を通過し、信号処理部83に出射されるようになっている。
信号処理部83は、光スイッチ91の出力側に接続された受光器96と、発振器87からの正弦波信号(図中*u)の周波数fに同期して受光器96の出力の位相敏感検波を行うロックインアンプ97と、倍周器90からの正弦波信号(図中*v)の周波数2fに同期して受光器の出力の位相敏感検波を行うロックインアンプ98と、両ロックインアンプ97,98の出力比を記憶、演算処理する演算装置99とを備える。演算装置に99は、光スイッチ91の切換等を制御するコントローラも含まれている。
光源84の温度をペルチェ素子85により一定に保持し、光源84のバイアス電流を三角波状にして一方向に掃引させる。このとき、発振器87により正弦波状に交流電流(変調電流)を重畳させる。
これにより所望の波形を有するレーザ光が出射し、レーザ光の光路を光スイッチ91により順次切り換える。レーザ光は基準光路用光ファイバ92或いは各送受信用光ファイバ94を通過し、受光器96で検出される。
受光器96で検出された信号のうち、発振器87からの正弦波信号の周波数fに同期した信号をロックインアンプ97で検出し、正弦波信号の2倍の周波数2fに同期した信号をロックインアンプ98で検出する。各信号は、演算装置89に伝送される。演算装置99は、基準光路光ファイバ92を通過し得られた信号の出力比を記憶しておき、順次、センサヘッド93を通過し得られた信号の出力比との差分を行うことにより複数箇所のガス信号成分が得られる。
得られたガス信号のデータと、予め求めてあるガス信号とガス濃度との関係から各センサヘッド93におけるガス濃度が求められる。
特開2004−361128号公報 特開2004−361129号公報
しかしながら、図9の光式ガス濃度検出システム80は、所定間隔を有する複数の箇所でガス漏洩検知することを可能にするが、検知箇所の数だけ、光スイッチ91によりレーザ光の光路を順次送受信用光ファイバ93毎に切り換えて測定する必要があった。
そのため、検知箇所が多くなると、検知時間が長くなってしまうといった問題がある。例えば、90箇所にセンサヘッド93を設置してガス漏洩を検知する場合、約30分程度掛かってしまう。
そこで、多数の検知箇所におけるガス濃度検出を短時間で行うことができるガス濃度検出システムが要求されている。
また、図9の光式ガス濃度検出システム80では、検知箇所に光路を切り換える光スイッチ91を用いている。光スイッチ91は、可動部分を備える構造であるため、寿命が短く、システムの長期信頼性が劣る。したがって、システムのメンテナンス頻度が多くなるといった問題もある。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、短時間で多点箇所のガス濃度を短時間で検出することのできる多点型光式ガス濃度検出システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、レーザ光を測定対象とするガス雰囲気に通して得られる透過光の強度を検出し、得られた信号からガス雰囲気中のガス濃度を検出する光式ガス濃度検出システムにおいて、レーザ光を出射する光源ユニットと、その光源ユニットに接続され、光源ユニットより出射されたレーザ光を多数の分岐端に分岐させる光分岐手段と、上記測定対象に所定間隔毎に設けたガス検出部と、上記光分岐手段の各分岐端に接続され、任意のガス検出部が接続された多数のガス検出用光ファイバと、上記光分岐手段の各分岐端に接続され、上記ガス検出部を接続しない1つ以上基準光ファイバと、上記基準光ファイバ及び上記ガス検出用ファイバに接続され、上記基準光ファイバ及び多数のガス検出用光ファイバからの光信号を受信し、各位置のガス検出部におけるガス濃度を略同時に求める信号処理手段とを備え、上記光分岐手段は、複数の光カプラで構成され、上記光源ユニットに1段目の光カプラが接続され、2段目以降の光カプラが順次前段の光カプラの分岐端にそれぞれ接続されて構成され、上記2段目の光カプラの各分岐端に接続される光カプラと光ファイバを光ファイバ群とし、これら光ファイバ群の末端の光ファイバに接続されるガス検出部は、その互いに隣接するガス検出部の属する光ファイバ群がそれぞれ異なるように配置された多点型光式ガス濃度検出システムである。
請求項の発明は、上記信号処理手段が、上記ガス検出用光ファイバ及び上記基準光ファイバ毎に設けられる複数の受光器と、それら受光器ごとに設けられ上記光源ユニットから発振される同期信号に基づいて、各受光器から得られる信号を同期検波する複数の位相敏感検波回路と、それら位相検波回路の出力を記憶する信号記憶装置と、その信号記憶装置に接続され、信号記憶装置の結果から複数のガス検出部におけるガス濃度を同時に求める演算装置とを備える請求項記載の多点型光式ガス濃度検出システムである。
本発明によれば、多点箇所でのガス濃度を略同時に検出することができるといった優れた効果を発揮する。
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
本実施の形態の多点型光式ガス濃度検出システムは、主として地下街、高層ビル等の都市ガス(メタンガス)の漏洩やLNGタンク周辺のガス漏れを多点(複数箇所)検出するものである。
例えば、図2に示すように、海(湾)を挟んで建設されたガス基地41と工場42間には、それらの間でLNGガスを流通させるガス導管43が地下に埋設されている。ガス導管43はガス基地41−工場42間を地下で連通する洞道44内に設けられ、そのガス導管43を通じてガスの受容・送出を行っている。洞道44内には、光ファイバケーブル45が敷設されるとともに、その光ファイバケーブル45には所定間隔毎にセンサ(ガス検出部)46が設けられ、それらセンサ46によって洞道44内のガス濃度を測定して、ガス導管43からのガスの漏洩を判断している。本実施の形態では、測定対象とする長さ18kmの洞道44内に、100〜300mの間隔で、好ましくは200m間隔で90箇所にセンサ46を設けた場合について説明する。
図1は本発明に係る多点型光式ガス濃度検出システムの好適な実施の形態を示した概略図である。
本実施の形態の多点型光式ガス濃度検出システム(以下、本システム)10は、レーザ光を発振させるための光源ユニット11と、発振したレーザ光を導く光学系12と、光学系12を通過したレーザ光を検出し、その検出信号からガス濃度を求める信号処理手段13とで全体が構成されている。
光源ユニット11は、光源として単一波長レーザ光を発振させる分布帰還型半導体レーザ(DFB−LD)14と、DFB−LD14を搭載してその温度を制御するためのペルチェ素子16と、ペルチェ素子16に接続されるペルチェ素子用電源15と、周波数fの正弦波信号を出力する発振器17と、この周波数fの信号から周波数fの2倍波信号を生成する倍周期18と、DFB−LD14にバイアス電流を付加するためのバイアス電流源19と、バイアス電流源19の掃引の仕方を決定する三角波掃引器21とを備える。光源ユニット11では、発振器17からの正弦波信号がバイアス電流源19からのバイアス電流に重畳されてDFB−LD14を駆動するようになっている。また、バイアス電流源19の出力側には、発振器17の出力による影響を防ぐためにインダクタンス22が接続されており、発振器17の出力側には、直流分をカットするためのコンデンサ23が接続されている。
光学系12は、光分岐手段24と、多数の検出用光ファイバ25と、少なくとも一つの基準光ファイバ26と、検出用光ファイバ25毎に設けられるガス検出部27とで構成される。ここで、多数の検出用光ファイバ25の束が図2中の光ファイバケーブル45に対応し、ガス検出部27が図2中のセンサ46に対応している。
光分岐手段24は、1つの光路を多数の光路に分岐させる手段であり、DFB−LD14の出射端に光学的に接続され、光分岐手段24の分岐端(出射側)と信号処理手段13間に、多数の検出用光ファイバ25及び1つ以上の基準光ファイバ26が接続されている。
各検出用光ファイバ25には、それぞれガス検出部27が接続されており、ガス検出部27を所定間隔を設けて配置するために、各検出用光ファイバ25の長さが順次異なっている。ここで、ガス検出用光ファイバ25のうち、光分岐手段24の分岐端からガス検出部25までの光ファイバを入射側検出用光ファイバ28とし、ガス検出部25の出射側から信号処理手段13までの光ファイバを出射側検出用光ファイバ29とすると、各出射側検出用光ファイバ29は折り返されて信号処理手段13に接続されている。
各ガス検出部27は、測定対象とするガス雰囲気中に設けられ、未知濃度の種々のガス(メタンガス等)が充填される容器(ガスセル)であり、測定対象とする位置に容易に設置できるものである。
基準光ファイバ26は、途中にガス検出部27が接続されず、光分岐手段24の分岐端と信号処理手段13とを直接接続する光ファイバであり、ガス検出部27を通過するレーザ光と略同じ条件下で出射するがガス検出部27を通過しないレーザ光をリファレンス光として用いるための光路を形成する光ファイバである。
信号処理手段13は、各出射側ガス検出用光ファイバ29及び基準光ファイバ26の出射端に接続される複数の受光器31と、各受光器31及び発振器17及び倍周期18と電気的に接続される複数の位相敏感検波回路32と、これら複数の位相敏感検波回路32に接続される1つの信号記憶装置34と、信号記憶装置34に接続される演算装置(コンピュータ)35とを備える。
図1中、各検出用光ファイバ25と各受光31、発振器17及び倍周期18と位相敏感検波回路32は、同符号同士が接続されている。例えば、*z1と*z1、*pと*pが接続されている。
位相敏感検波回路32は、光源ユニット11から発振される同期信号に基づいて、各受光器31から得られる信号を同期検波するものである。すなわち、位相敏感検波回路32は、光源ユニット11から発振されるレーザ光と同期する電気信号(同期信号)と、レーザ光から変換された電気信号とを受信して、これらの信号のうち同じ周波数帯のみの信号を抽出する。ここで、位相敏感検波について簡単に説明する。光の周波数を何らかの手段で変調し、その光を対象とするガスを含む雰囲気に透過させると、その透過光の検出信号は、直流分の他、変調周波数と同じ周波数の基本波成分及びその高調波成分をもつ。このうち、基本波成分と2倍波成分を位相敏感検波すると、それぞれガス吸収線の一次微分と二次微分に対応する。そこで、位相敏感検波器32では、特定の周波数及び位相をもつ成分だけを抽出する。
信号記憶装置34は、各位相敏感検波回路32から出力された信号を一時的に記憶し、演算装置35に出力するものである。具体的には、信号記憶装置34はAD変換器を含み、位相敏感検波回路32から出力されるアナログ信号を記憶すると共に、アナログ信号をデジタル信号に変換する。演算装置35は、信号記憶装置34の出力結果から、基準光ファイバ26から得られた信号と、各ガス検出用光ファイバ25から得られた信号との差分を計算し、その差分値からガス濃度を求めるものである。
さて、本システム10は、光学系12内でレーザ光の光路を多数に分岐させるための光分岐手段24を設けたことに特徴がある。
図3に示すように、光分岐手段24は、複数の光カプラ51,52a〜52c,53a〜53cで構成されており、光源ユニット11に1段目の光カプラ51が接続され、1段目の光カプラ51の分岐端にそれぞれ2段目の光カプラ52a〜52cが接続され、2段目の光カプラ52a〜52cの分岐端にそれぞれ3段目の光カプラ53a〜53cが接続されている。
具体的には、1段目の光カプラ51は、DFBレーザ14に接続されると共に光路を3つに分岐させ、2段目の光カプラ52a〜52cは、1段目の光カプラ51の各分岐端に接続されると共に光路を4つに分岐させ、3段目の光カプラ53a〜53cは、2段目の光カプラ52a〜52cの各分岐端に接続されると共に光路を8つに分岐させている。3段目の光カプラ53a〜53cには基準光ファイバ26(図3中、R1〜R3)、及び各ガス検出用光ファイバ25(図3中、S1〜S90)が接続される。すなわち、光分岐手段24は、1個の1段目の光カプラ51と、3個の2段目の光カプラ52a〜52cと、12個の3段目の光カプラ53a〜53cとを備え、光カプラ51,52a〜52c,53a〜53cを3段に多段接続することで、1本の光路を90本以上の分岐端に分岐している。
光カプラ51,52a〜52c,53a〜53cの個数、分岐数、或いは光分岐手段に接続される光ファイバの数は、これに限られるものではなく、濃度検出システムが適用される環境に応じて適宜選択される。また、光カプラ51,52a〜52c,53a〜53cは、レーザ光を複数の光路に分岐しうるものであれば、ファイバ型のもの(光ファイバカプラ)或いは平板導波路型のもの等、いずれのものを用いてもよい。
ここで、1つの2段目の光カプラ52a,52b,52cの各分岐端に接続される3段目の光カプラ53a,53b,53cと、その光カプラ53a,53b,53cに接続される検出用光ファイバS1,S2,…S90及び基準光ファイバR1〜R3を光ファイバ群A,B,Cとする。
本実施の形態では、多数のガス検出部27の配置(各ガス検出部27と光ファイバとの接続)に特徴を有する。
図4は、洞道44内に設けられるガス検出部27の位置関係を説明する図であり、図4中、S1〜S90は、図3の検出用光ファイバS1〜S90に接続されるガス検出部を表している。
図4に示すように、ガス検出部S1,S2,…S90は、互いに隣接するガス検出部の属する光ファイバ群がそれぞれ異なるように配置されている。具体的には、ガス検出部S1,S2,…S90は、順次200m毎に配置されるが、それらガス検出部S1,S2,…S90のうち、ガス検出部s1、s4…s88は2段目の光カプラ52aから分岐して接続された3段目の光カプラ53aを介して接続され(光ファイバ群Aに属し)、ガス検出部s2、s5…s89は2段目の光カプラ52bから分岐して接続された3段目の光カプラ53bを介して接続され(光ファイバ群Bに属し)、ガス検出部s3、s6…s90は2段目の光カプラ52cから分岐して接続された3段目の光カプラ53cを介して接続されている(光ファイバ群Cに属する)。
また、本実施の形態では、それぞれ光ファイバ群A,B,Cごとに基準光ファイバR1〜R3が接続されている。すなわち、2段目の各光カプラ52a〜52cに接続される3段目の光カプラ53a〜53cにそれぞれ1本の基準光ファイバR1〜R3が接続されている。
本システム10では、各光ファイバ25,26毎に受光器31が設けられ、それら受光器31毎に位相敏感検波回路32が設けられている。実際には、10個の受光器31と、それら受光器31に接続される10個の位相敏感検波回路32を1つのボード上に実装し、そのボード10個を1つの筐体内に実装している。
図5に示すように、ボード61に実装される位相検波回路32は、受光器(PD)31に接続されるプリアンプ62と、プリアンプ62に接続され、パスバンドの異なる(10kHzと20kHz)2つのバンドパスフィルタ(BPF)63,64と、発振器17(図5中*pが図1の*pに対応している)及び倍周期18(図5中*qが図1の*qに対応している)に接続され、電気信号の所定周波数,sin,cos成分を抽出し、信号記憶装置34に出力する4つのロックインアンプ(LIA)67,68,69,70とを備える。
LIA67〜70は、基本波(10kHz)のsin成分(1f,sin)を抽出する第1のLIA67と、基本波のcos成分(1f,cos)を抽出する第2のLIA68、2倍波(20kHz)のsin成分(2f,sin)を抽出する第3のLIA69及び2倍波のcos成分(2f,cos)を抽出する第4のLIA70とからなり、各々発振器17,倍周器18及び周波数に応じたBPF63,64に接続されている。
また、位相敏感検波回路32は、発振器17及び倍周器18の代わりに、図6に示すように、各LIA67〜70に所定周波数の信号を出力する分周器66と、分周器66に接続され、高周波信号を分周器66に送るTTL65とを設けてもよい。その際、TTL65は図1の発振器17或いは倍周器18から発生される信号に同期した基準信号を発生させる基準信号発生回路(図示せず)に接続される必要がある。
基準発生回路で発生し、TTL65を介して分周器66に出力された基準信号(例えば40kHz)は、分周器66で分周され、基本波周波数信号sin成分が第1のLIA67に、基本波周波数信号cos成分が第2のLIA68に、2倍波周波数信号sin成分が第3のLIA69に、2倍波周波数信号cos成分が第4のLIA70に伝送される。
次にガス濃度の検出方法について説明する。
ガス濃度の検出は、光源の波長をガス吸収線(メタンガスでは波長λ=1.6537μm)に一致させ、光を測定対象とするガス雰囲気中に通過させると、その光強度がガス濃度に依存して減衰する現象を利用した検出方式である。
まず、光源ユニット11では、レーザ光の中心波長をガス吸収波長線上に掃引するため、DFB−LD14の温度をペルチェ素子用電源16によって制御するペルチェ素子15により一定に保持し、DFB−LD14のバイアス電流を三角波掃引器21により三角波上に一方向に掃引させる。このとき、同時に、DFBーLD14に、発振器17から正弦波状の交流電源(変調電流)を重畳させる。
このようにして発振されたレーザ光は、光分岐手段24において複数の光路に分岐され、各ガス検出用光ファイバ25及び各基準光ファイバ26に同時に入射する。各検出用光ファイバ25に入射したレーザ光は、各ガス検出部27を透過して各受光器31で受光される。同時に、基準用光ファイバ26に入射した光も各受光器31で受光される。受光器31で検出された光信号は位相検波回路32に送られる。
各受光器31で、ガス検出用光ファイバ25及び基準ファイバ26からの光が受光されると、プリアンプ62で、受光した光信号を電気信号に変換すると共に、その信号を増幅する。
増幅された電気信号は、BPF63,64にかけられ、基本波周波数(1f)の信号と2倍波周波数(2f)の信号のみ抽出される。基本波周波数の信号は、第1のLIA67と第2のLIA68とに送信される。2倍波周波数の信号は第3のLIA69と第4のLIA70とに送信される。
一方、光源ユニット11の発生器17及び倍周期18より生成された電気信号がLIA67〜70に入力される。具体的には、基本波周波数信号sin成分が第1のLIA67に、基本波周波数信号のcos成分が第2のLIA68に、2倍波周波数信号のsin成分が第3のLIA69に、2倍波周波数信号のcos成分が第4のLIA70に伝送される。各LIA67〜70では、BPF63,64を透過した信号を発振器17及び倍周器18から伝送された信号で位相検波し、各々検波した信号を信号記憶装置34に出力する。
信号記憶装置34では、各ガス検出用光ファイバ25を通過した光信号を増幅、変調した電気信号と、基準光ファイバ26を通過した光信号を位相検波した電気信号とが記憶される。
これらの記憶された信号のデータは、演算装置35にて演算処理される。具体的には、各検出用光ファイバ25から得られた信号の周波数の出力比2f/1f及び各基準光ファイバから得られた信号の周波数の出力比2f/1fをsin成分、cos成分ごと求める。これにより得られた信号の波形は、図7に示すガス検出分布線71及び基準分布線72となる。この2つの分布線71,72の差分を求めると図8に示すような分布線73が得られる。さらに、分布線73から得られる波高値のsin成分、cos成分を合成して、ガス検出部27を通過したガス信号による波高値が得られる。最終的に、その波高値を、予め測定して記憶されている波高値とガス濃度との関係と比較してガス検出部27のガス濃度が得られる。
演算装置35において、得られたガス濃度が、所定値以上となった場合「ガス漏洩」を示す信号を表示装置や警報器(図示せず)等に出力するようにしてもよい。
このように、基準光ファイバ26を通過し得られた信号の出力比を差分処理に用いることによって、光源ユニット11、光分岐手段24、信号処理手段13の波長依存性を除去することができ、高精度なガス濃度を求めることができる。
本システム10によれば、光分岐手段24で1つの光路を多数の光路に分岐させ、光信号を同時に多数のガス検出部27に導波させることで、多数のガス検出用光ファイバ25からの光信号と、及び各ガス検出光ファイバ25に対応した(同じ光ファイバ群に属した)基準光ファイバ26からの光信号を同時に得ることができ、各光路毎に受光器31と位相敏感検波32を設けることで、多数のガス検出用光ファイバ25から得られた各々の信号と各ガス検出光ファイバに対応した基準光ファイバ26から得られた信号とを同時に位相検波することができる。これにより、演算装置35では、全てのガス濃度の計算を短時間に求めることができ、すなわち、多点箇所のガス濃度を略同時に検出することができる。
本実施の形態では、90箇所のガス濃度を全部で3秒以内(実際には約2秒)で検出することができ、極めて短時間でガス濃度を測定することができる。
また、本システム10では、光分岐手段24でレーザ光を分岐させて各検出用光ファイバ25に入射させている。光分岐手段24は、光カプラ51、52a〜52c,53a〜53cで構成されているため、可動部分がない。したがって、本システム10は、従来多く採用されてきた半導体式ガス検知器や、図8に示したガス濃度検出システム80の光スイッチ91等、駆動部分を有するガス濃度検出システムに比べて、耐久性に優れている。したがって、システムのメンテナンス回数を低減することができる。
光ファイバ群Aに属するガス検出部s1,s4,…s88は、基準光ファイバR1の基準信号の出力比2f/1fとの差分を検出し、同様に、光ファイバ群Bに接続されるガス検出部s2,s5,…s89は基準光ファイバR2の基準信号の出力比との差分を検出し、光ファイバ群Cに接続されるガス検出部s3,s6,…s90は基準光ファイバR3の基準信号の出力比との差分が検出される。このように、光ファイバ群A〜Cごとに基準光ファイバR1〜R3を設け、同じ光ファイバ群A〜C内でガス検出光ファイバ25と基準光ファイバ26との出力比を比べることにより、接続される光カプラ51,52a〜52c,53a〜53cの特性の差異等により生じる誤差を極力小さくすることができる。
さらに、本システム10では、互いに隣接するガス検出部27に接続される検出用光ファイバ25が、その上流側の光カプラを通過する光源ユニット11までの光路が2段目以降で異なる光カプラ52a〜52cを通るように接続されている。これにより、例えば、2段目の光カプラ52aが故障したとすると、光カプラ52aに接続されたガス検出部S1,S4,…s88は全て使用不可能となるが、光カプラ52b及び光カプラ52cに接続されたガス検出部S2,S3,S5,S6,…S89,S90により、200m間隔と400m間隔とで交互に配置された状態になるだけであって、洞道44内全体のガス濃度検出を行うことができる。すなわち、ガス濃度を検出できないエリアが広範囲に生じるのを防止することができる。
また、2段目の光カプラ52a、及び光カプラ52bと2つの光カプラの故障等により、光カプラ52a,52b接続されたガス検出部S1,S2,S4,S5,…S88,S89での測定ができない場合でも、光カプラ52Cに接続されたガス検出部S3,S6,…S90が600m間隔で配置されているので、ガス検出部27の設置間隔は大きくなってしまっても、洞道内のガス濃度を略等間隔に測定することができる。当然のことながら、3段目の光カプラ53a〜53cのいずれかが故障した際も、ガス濃度を検出することができないエリアが広範囲に生じることを防ぐことができる。
本発明に係る多点型光式ガス濃度検出システムの好適な一実施の形態を示す模式図である。 図1の多点型光式ガス濃度検出システムの設置例を示す模式図である。 光分岐手段の構成を示す模式図である。 (a)〜(c)は、ガス検出部の配置について説明する模式図である。 位相敏感検波回路の回路構成を示す図である。 図5の位相敏感検波回路の変形例を示す図である。 基準光路及びガス検出光路通過後のガス信号(2f/1f)波形を示す図である。 基準光路とガス検出光路通過後のガス信号(2f/1f)差分波形を示す図である。 従来の光式ガス濃度検出システムを示す模式図である。
符号の説明
10 多点型光式ガス濃度検出システム
11 光源ユニット
13 信号処理手段
24 光分岐手段
25 ガス検出用光ファイバ
26 基準光ファイバ
27 ガス検出部
32 位相敏感検波回路

Claims (2)

  1. レーザ光を測定対象とするガス雰囲気に通して得られる透過光の強度を検出し、得られた信号からガス雰囲気中のガス濃度を検出する光式ガス濃度検出システムにおいて、
    レーザ光を出射する光源ユニットと、その光源ユニットに接続され、光源ユニットより出射されたレーザ光を多数の分岐端に分岐させる光分岐手段と、上記測定対象に所定間隔毎に設けたガス検出部と、上記光分岐手段の各分岐端に接続され、任意のガス検出部が接続された多数のガス検出用光ファイバと、上記光分岐手段の各分岐端に接続され、上記ガス検出部を接続しない1つ以上基準光ファイバと、上記基準光ファイバ及び上記ガス検出用ファイバに接続され、上記基準光ファイバ及び多数のガス検出用光ファイバからの光信号を受信し、各位置のガス検出部におけるガス濃度を略同時に求める信号処理手段とを備え、
    上記光分岐手段は、複数の光カプラで構成され、上記光源ユニットに1段目の光カプラが接続され、2段目以降の光カプラが順次前段の光カプラの分岐端にそれぞれ接続されて構成され、
    上記2段目の光カプラの各分岐端に接続される光カプラと光ファイバを光ファイバ群とし、これら光ファイバ群の末端の光ファイバに接続されるガス検出部は、その互いに隣接するガス検出部の属する光ファイバ群がそれぞれ異なるように配置されたことを特徴とする多点型光式ガス濃度検出システム。
  2. 上記信号処理手段は、上記ガス検出用光ファイバ及び上記基準光ファイバ毎に設けられる複数の受光器と、それら受光器ごとに設けられ上記光源ユニットから発振される同期信号に基づいて、各受光器から得られる信号を同期検波する複数の位相敏感検波回路と、それら位相検波回路の出力を記憶する信号記憶装置と、その信号記憶装置に接続され、信号記憶装置の結果から複数のガス検出部におけるガス濃度を同時に求める演算装置とを備える請求項に記載の多点型光式ガス濃度検出システム。
JP2005212453A 2005-07-22 2005-07-22 多点型光式ガス濃度検出システム Expired - Fee Related JP4065452B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005212453A JP4065452B2 (ja) 2005-07-22 2005-07-22 多点型光式ガス濃度検出システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005212453A JP4065452B2 (ja) 2005-07-22 2005-07-22 多点型光式ガス濃度検出システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007033049A JP2007033049A (ja) 2007-02-08
JP4065452B2 true JP4065452B2 (ja) 2008-03-26

Family

ID=37792516

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005212453A Expired - Fee Related JP4065452B2 (ja) 2005-07-22 2005-07-22 多点型光式ガス濃度検出システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4065452B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008298637A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 Hitachi Cable Ltd 光式ガス濃度検出方法及び光式ガス濃度検出装置
JP2008298638A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 Hitachi Cable Ltd 光式ガス濃度検出方法及び光式ガス濃度検出装置
JP6203477B2 (ja) * 2012-04-27 2017-09-27 三菱重工業株式会社 濃度測定装置及び脱硝装置
JP5904083B2 (ja) * 2012-10-12 2016-04-13 株式会社島津製作所 ガス濃度測定装置
CN103149158B (zh) * 2013-01-14 2016-04-20 中国计量学院 一种双棱镜水质监测光纤传感系统
GB2538563B (en) * 2015-05-22 2017-08-02 Optosci Ltd Gas sensing apparatus
JP6780651B2 (ja) * 2015-11-24 2020-11-04 日本電気株式会社 ガス検知システム
US11293865B2 (en) * 2016-11-11 2022-04-05 Carrier Corporation High sensitivity fiber optic based detection
CN106908203A (zh) * 2017-05-09 2017-06-30 上海笙港光学科技有限公司 一种西林瓶密封完整性的检漏装置及检漏方法
CN112362597A (zh) * 2020-11-16 2021-02-12 安徽中科瀚海光电技术发展有限公司 一种多路激光气体监测系统及监测方法
CN114607944A (zh) * 2022-02-24 2022-06-10 之江实验室 一种天然气管道泄漏监测装置及方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007033049A (ja) 2007-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4065452B2 (ja) 多点型光式ガス濃度検出システム
US7679728B2 (en) Distance measuring system
US10048115B2 (en) Optical sensor and method of use
US7499151B2 (en) Distributed Brillouin sensor system based on DFB lasers using offset locking
JP6780651B2 (ja) ガス検知システム
US9976843B2 (en) Multiscale distance measurement with frequency combs
JP5142320B2 (ja) 光式可燃性ガス濃度検出方法及び光式可燃性ガス濃度検出装置
JP2007240248A (ja) 光式多ガス濃度検出方法及び装置
CN101983326A (zh) 光纤线路监控系统以及包括在该系统中的监控装置
JP5363231B2 (ja) 振動計測装置及び振動計測方法
JP2007218783A (ja) 光ファイバ式ガス濃度検出方法及び装置
JP4217108B2 (ja) 多点型光式ガス濃度検出方法及びそのシステム
JP6658256B2 (ja) ガス検知システム
WO2023160079A1 (zh) 一种气体浓度检测设备和气体浓度的检测方法
JPH09304274A (ja) 光式ガス濃度検出方法及びその装置
JPH04326041A (ja) ガス濃度測定方法及びその測定装置
JP2004361129A (ja) 多点型ガス濃度検出方法
CN110530498B (zh) 长距离光缆动态监测系统
JPH05256768A (ja) ガス濃度測定方法およびその測定装置
JP4066921B2 (ja) 多点光路切替式ガス濃度検知方法及びその装置
JP5522063B2 (ja) 遠隔測定システム
JP2005140738A (ja) 多点式ガス濃度検知方法及びその装置
JP2007218844A (ja) 光式多ガス濃度検出方法及び装置
CN108362312B (zh) 波长解调装置和系统
Minardo et al. Brillouin optical frequency-domain single-ended distributed fiber sensor

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070911

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070918

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071116

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080104

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110111

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110111

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120111

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130111

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130111

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140111

Year of fee payment: 6

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees