JP6780651B2 - ガス検知システム - Google Patents

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Description

本発明は、ガス検知システムに関し、特に、多くの地点においてガスを光学的に検出するためのガス検知システムに関する。
近年、石炭や石油と比較して地球温暖化の要因となる二酸化炭素排出量が少ない天然ガスが注目され、各国の天然ガス消費量が増加している。これに伴い、天然ガスの配送網におけるガスの漏洩を検知するための、ガス検知システムの重要性が高まっている。
天然ガスの主成分はメタン分子(CH)である。メタン分子(以下、単に「メタン」と記載する。)の検出に、半導体センサが使用される場合がある。半導体センサは、金属酸化物半導体が検出対象のガスと接触したときに生じる抵抗値の変化をガス濃度として検知する。しかし、半導体センサを用いる際にはセンサの電極を加熱する必要があるため、センサを防爆構造とする必要がある。また、半導体センサの寿命は一般的に数か月程度であるため、センサの校正や交換といった保守作業も必要である。その結果、半導体センサを用いたガス検知システムには、システムの構築コストが高いことに加えて運用コストが高いという課題がある。
半導体センサを用いる方式の代替として、ガスの光吸収を利用するガス検知装置が知られている。特許文献1に記載されたガス検知装置は、光源(パルス光発生装置)から送出されたパルス光を分岐して、複数の地点のガスの検知を可能とする。また、非特許文献1には、光SSB(single side band)変調器に入力される光信号のキャリア周波数を一定の周波数だけシフトさせる、波長変換技術が記載されている。さらに、特許文献2には、少ない光ファイバで多個所のガス濃度測定を行うための多点ガス濃度測定装置が記載されている。
特開平9−043141号公報 特開平6−148071号公報
下津他、「光SSB変調器による広帯域波長変換」、電子情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ大会、C−3−73、日本(2000年)
特許文献1に記載されたガス検知装置は、スペクトル幅の広い光信号を用いてガスの吸収を測定するために、高出力かつスペクトルの広いパルス光を発生させる光源を必要とする。しかしながら、スペクトルの広いパルス光が光ファイバ中を伝搬すると、波長分散によってパルス幅が広がり、複数の測定点からの戻り光パルスがガス検知装置に戻ってきた際に時間的に重なりガス濃度の測定が行えなくなる。また、特許文献1に記載されたガス検知装置は、ガス分子の吸収を受ける波長成分と受けない波長成分を切り分けるために、受信側に波長選択分離器及びパルス光遅延器を備える。その結果、受信側の光回路も複雑なものとなる。このように、特許文献1に記載されたガス検知装置は、構成が複雑でコストが高いという課題がある。
特許文献2に記載された多点ガス濃度測定装置は、1本の光ファイバを複数の分岐結合手段で分岐する構成を備える。特許文献2に記載された装置では、複数の測定点からの反射光が受信時に重なり合わないように、パルス状の光信号が用いられる。しかしながら、特許文献2に記載された装置には、測定点間の距離を小さくできないという課題がある。その理由は以下の通りである。特許文献2に記載された装置は、波長変調を行うために光源(レーザ)の駆動電流あるいは温度を変化させる。メタンの吸収スペクトルをカバーするためには波長を5GHz程度変化させる必要がある。そして、レーザの駆動電流を変化させることによってこの波長変化を得るためには数μs(マイクロ秒)の時間を要する。その結果、ガスセルへ送出されるパルス光は数μs以上の幅を持つ。しかし、この幅は光ファイバ上で数kmの伝搬距離に相当するため、特許文献2に記載された装置は、受信時に反射光が重ならないためには測定点の各々の間の距離を数km以上離す必要がある。すなわち、特許文献2に記載された装置では、距離分解能の高い多地点ガス濃度監視システムを実現できない。
特許文献2に記載された装置において、光分岐合流手段の間に光ファイバをスプールして配置することで、測定点間の距離を拡大できる。しかしながら、この場合、スプールされた光ファイバによる伝搬ロスによってガス濃度を監視可能な距離が大きく制限される。例えば、メタン分子の吸収スペクトルが存在する1.65μmにおけるシングルモードファイバ(Single Mode Fiber、SMF)の伝搬ロスは約0.4dB/kmである。従って、各測定地点間に1kmのスプール用の光ファイバを配置すると、測定点を25個所持つシステムでは、往復で最大20dBの過剰な損失が発生する。その結果、ガスの検知精度が著しく劣化するとともに、伝搬距離の延伸や測定点の増加が大きく制限される。
(発明の目的)
本発明の目的は、距離分解能が高く、簡単な構成で低コストに多地点のガス検知を行うための技術を提供することにある。
本発明のガス検知システムは、光波長変調器によって波長が時間的に変調されたパルス光を第1の光信号として伝送路に出力する送信手段と、前記第1の光信号を大気中を伝搬させ、大気中を伝搬した前記第1の光信号を第2の光信号として出力する複数のセンサヘッドと、前記第2の光信号を受光して電気信号に変換し、前記電気信号の振幅の時間的変化に基づいて、前記大気中に含まれる所定の種類のガスを前記センサヘッド毎に検知し、前記ガスの検知の結果を出力する受信手段と、前記伝送路を分岐するとともに、分岐された前記伝送路を介して前記送信手段と前記センサヘッドとを接続し、さらに、分岐された前記伝送路を介して前記センサヘッドと前記受信手段とを接続する分岐手段と、を備える。
本発明のガス検知装置は、波長が時間的に変化するパルス光を第1の光信号として伝送路に出力する送信手段と、大気中を伝搬させた前記第1の光信号を第2の光信号として出力するセンサヘッドから出力された前記第2の光信号を受光して電気信号に変換し、前記電気信号の振幅の時間的変化に基づいて、前記大気中に含まれる所定の種類のガスを前記センサヘッド毎に検知し、前記ガスの検知の結果を出力する受信手段と、を備える。
本発明のガス検知方法は、波長が時間的に変化するパルス光を第1の光信号として伝送路に出力し、大気中を伝搬させた前記第1の光信号を第2の光信号として出力するセンサヘッドから出力された前記第2の光信号を受光して電気信号に変換し、前記電気信号の振幅の時間的変化に基づいて、前記大気中に含まれる所定の種類のガスを前記センサヘッド毎に検知し、前記ガスの検知の結果を出力する、ことを特徴とする。
本発明のガス検知システム、ガス検知装置及びガス検知方法は、距離分解能が高く、簡単な構成で低コストに多地点のガス検知を行うことを可能とする。
第1の実施形態のガス検知システムの構成例を表すブロック図である。 光波長変調器の構成例を示すブロック図である。 制御装置における光信号の生成例を説明する図である。 第1の実施形態において、ガス漏洩がない場合の、フォトダイオードで受信される光信号の波形例を概念的に示す図である。 第1の実施形態において、ガス漏洩がある場合の、フォトダイオードで受信される光信号の波形例を概念的に示す図である。 第2の実施形態のガス検知システムの構成例を表すブロック図である。 第2の実施形態において、ガス漏洩がない場合の、フォトダイオードで受信される光信号の波形例を概念的に示す図である。 第2の実施形態において、ガス漏洩がある場合の、フォトダイオードで受信される光信号の波形例を概念的に示す図である。 第3の実施形態のガス検知システムの構成例を表すブロック図である。 第3の実施形態において、ガス漏洩がない場合の、フォトダイオードで受信される光信号の波形例を概念的に示す図である。 第3の実施形態において、ガス漏洩がある場合の、フォトダイオードで受信される光信号の波形例を概念的に示す図である。 第3の実施形態の第2の変形例のガス検知システムの構成例を示すブロック図である。 第3の実施形態の第2の変形例のガス検知システムにおいて、受信された光信号のピークの形状を模式的に示す図である。 第3の実施形態の第3の変形例のガス検知システムの構成例を示すブロック図である。 第3の実施形態の第3の変形例のガス検知システムにおいて、受信された光信号のピークの形状を模式的に示す図である。 FBGに設定された反射波長と、制御装置で受信される光信号のピーク波形との対応の例を説明するための図である。 第4の実施形態のガス検知装置の構成例を示すブロック図である。 第4の実施形態のガス検知装置の動作手順の例を示すフローチャートである。
(第1の実施形態)
図1〜図5を用いて、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態のガス検知システム1の構成例を表すブロック図である。ガス検知システム1は、制御装置110、光ファイバ120−1〜120−n、光カプラ121−1〜121−m、センサヘッド130−1〜130−nを備える。nは2以上の整数、m=n−1である。
以下では、光ファイバ120−1〜120−nを総称して光ファイバ120と記載する。光カプラ121−1〜121−m、センサヘッド130−1〜130−nも同様に光カプラ121、センサヘッド130と総称する。
制御装置110とセンサヘッド130とは、伝送路である光ファイバ120で接続される。制御装置110は、レーザダイオード(LD)111、レーザダイオードドライバ(LDD)112、光強度変調器(Pulse)113、光波長変調器(λ mod)114、光サーキュレータ115、フォトダイオード(PD)116、及び信号処理部(Sig.Proc.)117を備える。
光ファイバ120上には、光カプラ121−1〜121−mが直列に配置される。p番目(1≦p≦m−1)の光カプラ121−pの分岐の一方は、センサヘッド130−pに接続される。光カプラ121−pの分岐の他方は、光ファイバ120−q(q=p+1)に接続される。例えば、光カプラ121−1の分岐の一方は、センサヘッド130−1に接続される。光カプラ121−1の分岐の他方は、光ファイバ120−2に接続される。ただし、制御装置110から最も遠方の光カプラ121−mは、センサヘッド130−m及び光ファイバ120−nに接続される。光ファイバ120−nは、センサヘッド130−nに接続される。
センサヘッド130は、周辺の大気に含まれるメタンの濃度を測定するために用いられるセンサである。センサヘッド130は、レンズ131とミラー132を備える。レンズ131とミラー132とはセンサヘッド130−1〜130−nに共通であるので、図1では単にレンズ131及びミラー132と記載される。レンズ131とミラー132との間は、センサヘッド130の周辺の大気にさらされる。
図2は、光波長変調器114の構成例を示すブロック図である。可変オシレータ(OSC)201は、出力周波数が可変である電気信号の発振器である。可変オシレータ201から出力される電気信号は、カプラ(CPL)202で4分岐される。分岐された各々の信号の位相は位相シフタ(PS)203−1〜203−4で調整される。位相シフタ203−1〜203−4から出力された4つの信号は、光SSB(single side band)変調器204の4つのポートにそれぞれ入力される。可変オシレータ201及び位相シフタ203は、制御部(CONT)205により制御される。光SSB変調器204のOPTinには、光強度変調器113からパルス光が入力される。光SSB変調器204は、パルス光を波長変調してOPToutから出力する。OPToutは、光サーキュレータ115に接続される。
(ガス検知システム1の動作)
レーザダイオード111の駆動電流及び温度は、レーザダイオードドライバ112により制御される。レーザダイオード111は、波長1.65μmの連続光を出力する。この波長は、メタンによる吸収が大きい波長として知られている。出力された波長1.65μmの連続光は、光強度変調器113によりパルス変調され、所定の間隔のパルス光となる。パルス光は、光波長変調器114により波長変調される。波長変調されたパルス光は、光サーキュレータ115を介して光ファイバ120−1へ送出される。光ファイバ120を伝搬する光信号は、光カプラ121を通過するたびに2分岐される。2分岐された光信号の一方はセンサヘッド130に入力され、他方は光ファイバ120によって引き続き伝送される。
n個のセンサヘッド130は、ガスの漏洩の検知が必要とされる場所に分散して設置される。センサヘッド130は、光カプラ121から入力された光信号を光ファイバ端面から放射し、放射された光信号をレンズ131により平行光線に変換する。平行光線はセンサヘッド130が設置された場所の大気中を伝搬し、ミラー132でレンズ131の方向に反射される。レンズ131は、反射された平行光線を、光信号を放射した光ファイバに集光する。光ファイバへ集光された光信号は、光カプラ121及び光ファイバ120を逆方向に伝搬して制御装置110で受信される。このようにして、制御装置110から送信された光信号はセンサヘッド130で折り返され、制御装置110で受信される。
光サーキュレータ115は、光波長変調器114から出力された光信号を光ファイバ120−1へ送出するとともに、センサヘッド130で折り返された光信号をフォトダイオード116へ導く。フォトダイオード116は、受信された光信号を電気信号に変換する。信号処理部117は、フォトダイオード116が出力した電気信号を処理することにより、センサヘッド130が設置された各地点の大気に含まれるメタンを検知する。
図3は、制御装置110における光信号の生成例を説明する図である。図3の(1)〜(3)は光強度を縦軸、時間を横軸として光信号の強度の時間変化を示す。図3の(4)〜(6)は光信号の波長を縦軸、時間を横軸として光信号の波長の時間変化を示す。光強度、波長及び時間はいずれも任意目盛である。図3の(5)、(6)においては、光信号がない時間の波長は示されていない。
レーザダイオード111から出力された直後の光信号の光強度及び波長λ1はともに一定である(図3の(1)、(4))。光強度変調器113は、レーザダイオード111から出力された光信号を変調して長さT1、間隔T2のパルス光を生成する。パルス光の周期TはT1+T2である。光強度変調器113は光信号の光強度をパルス状に変調するが、光信号の波長λ1は一定のままである(図3の(2)、(5))。
光波長変調器114は、光強度変調器113から出力されたパルス光の光波長を変調する。本実施形態では、光波長変調器114は、パルス光の波長を発光期間T1の間にλ2からλ1へ変化させる(図3の(6))。パルス光の波長は、いずれのパルスも同様に変調される。図3の(6)では、パルス光の波長が、発光時間の経過とともに次第に短くなる例が示される。ただし、パルス光の波長変化は、図3の(6)の例に限定されない。例えば、パルス光は、発光時間の経過とともに波長が次第に長くなるように変調されてもよい。パルス光の波長は、パルス光の発光から消光までの経過時間に対して一意となるように変調される。
光波長変調器114によるパルス光の波長変調は、非特許文献1に記載されている波長変換技術を参照して行われてもよい。非特許文献1に記載された波長変換技術は、オシレータから出力される一定の周波数の正弦波によって、入力される光信号のキャリア周波数を光SSB変調器204において一定の周波数だけシフトさせる。
ただし、非特許文献1の方法を単純に適用するだけでは単なる波長変換しか行えないため、本実施形態の光波長変調器114では、波長掃引を行うために可変オシレータ201が用いられる。制御部205は、可変オシレータ201の出力周波数をパルス光の周期T及び発光期間T1に合わせて変化させる。その結果、図3の(6)に示すように、パルス光の発光期間T1内で波長がλ2からλ1まで掃引された変調波形が得られる。制御部205は、所望の特性のパルス光が得られるように、さらに、位相シフタ203を制御してもよい。
可変オシレータ201に代えて、任意波形発生器(Arbitrary Waveform Generator、AWG)を用いてもよい。例えば、10G(giga)サンプル/秒のAWGを使用し、10サンプリングポイントごとに0.1GHzずつ周波数を増加させることで、50ns(nano second)の時間内に5.0GHzの周波数掃引を行うことができる。メタンの吸収スペクトル幅が約3.0GHzであるため、この吸収スペクトルを充分にカバーできる周波数掃引が短時間で実現される。また、50nsのパルス幅は約10mのファイバ長に相当するため、10mという比較的短い間隔でセンサヘッドを配置しても、各センサヘッドからの戻り光は時間的に区別される。すなわち、センサヘッドの設置地点間の距離が10m程度離れていれば、他のセンサヘッドからの信号の影響を受けることなくそれぞれの地点でガスを検知できる。
図4及び図5は、フォトダイオード116で受信される光信号の波形例を概念的に示す図である。図4は、センサヘッド130が配置されたいずれの地点においてもガス漏洩がない場合の例を示す。
図4及び図5は、光信号に含まれる1つのパルスに対して、センサヘッド130からは複数のピークを含む光信号が受信されることを示す。各ピークの時間軸上の位置は、光信号の往復時間、すなわち、制御装置110と光信号のセンサヘッド130との距離によって定まる。本実施形態では、センサヘッド130の各々は、等間隔かつ制御装置110との距離が全て異なるように配置される。このため、図4及び図5のピークも等間隔となる。
図4に示される1つ目のピーク(A0)は、光波長変調器114から送信される光信号が、光サーキュレータ115の指向性(Directivity)の不完全性のために、フォトダイオード116で直接受信されるために生じる。2つ目以降のピーク(A1〜An)は、それぞれ、センサヘッド130−1〜130−nから折り返されたパルス光に対応するピークである。あらかじめセンサヘッド130を1個ずつ接続して対応するピークA1〜Anが生じるタイミングを測定しておくことで、受信されるピークA1〜Anとセンサヘッド130−1〜130−nとの対応を知ることができる。ピークの幅はパルス光の発光期間T1に等しく、ピークの間隔は、制御装置110における、光信号のセンサヘッド130からの応答時間の差によって定まる。また、パルス光の周期Tは、ピークA0からピークAnまでの時間よりも長く設定される。
図4及び図5に「レイリー後方散乱」として点線及びパルス光がない期間を示す曲線は、光ファイバのレイリー(Rayleigh)後方散乱に起因する受信光の強度を示す。レイリー後方散乱の強度は、制御装置110からセンサヘッドまでの距離が長くなるに従って、光ファイバ120の伝送ロス及び光カプラ121の分岐損によって減少する。センサヘッド130が設置されたすべての地点においてガス漏洩がない場合、図4のように、センサヘッド130から折り返されたパルス光のピークは、いずれもなだらかな強度変化を示す。なお、図4及び図5に示すレイリー後方散乱による信号強度の時間的変化は概念を示す一例であり、レイリー後方散乱の強度は光カプラ121の数や光ファイバ120の光学的特性によって異なる。
一方、図5は、i番目(1≦i≦n)のセンサヘッドが設置された地点において、ガス漏洩の結果、大気中のメタンガス濃度が高い場合の例を示す。この場合、図4とは異なり、i番目のセンサヘッドからの折り返しパルス光(Ai)のピークに、メタンガスによる光信号の吸収に起因するディップが観測される。このディップの量をフォトダイオード116及び信号処理部117において検出することにより、i番目のセンサヘッド周辺のメタンガスの濃度を知ることができる。フォトダイオード116は、光強度に比例した振幅の電気信号を信号処理部117へ出力する。信号処理部117は、パルス光のピークにおける電気信号の時間的な強度変化をピーク毎に監視し、ガスの吸収によるディップを検出する。
以下は、信号処理部117の動作手順の例である。信号処理部117は、i番目のピークのディップの深さ(すなわち、振幅変化)を検出する。そして、振幅変化が所定の閾値よりも大きい場合に、センサヘッド130−iの周辺でガスが漏洩していると判断して、制御装置110の外部へアラームを出力する。あるいは、信号処理部117は、i番目のピークのディップの深さに基づいて、センサヘッド130−iの周辺のガスの濃度を算出し、算出したガス濃度を制御装置110の外部へ出力する。一般に、ガスの濃度が高いほどガスによる光吸収は増加し、ディップも深くなる。従って、あらかじめガスの濃度とディップの深さとの関係を測定しておくことで、ディップの深さからガスの濃度を求めることができる。
(第1の実施形態の効果)
第1の実施形態のガス検知システム1は、簡単かつ安価に多地点のガス検知を行うことができる。その第1の理由は、単一波長の光源の出力光の波長を光波長変調器114を用いて変化させているため、高出力かつスペクトルの広いパルス光を発生させる光源を必要としないからである。第2の理由は、折り返された光信号の処理はフォトダイオード116及び信号処理部117のみで行われるため、受信側に複雑な光回路を必要としないからである。
さらに、第1の実施形態のガス検知システム1は、距離分解能が高いガス検知システムを実現できる。その理由は、単一波長の光源から出力された短いパルスの波長を光波長変調器114を用いて変化させているためである。このような構成により、スペクトルの広いパルス光を用いた場合と比較して光信号のパルス幅の広がりを小さくできるとともに、レーザの駆動電流や温度により波長変調を行った場合と比較して短いパルスで所望の波長変化が得られる。その結果、センサヘッド130間の距離が小さい場合でも、複数の測定点からの戻り光パルスが制御装置110において時間的に重なることを回避でき、高い距離分解能が得られる。そして、第1の実施形態のガス検知システム1は、上記の効果を得るために光ファイバ120上に光ファイバスプールを配置する必要がない。
さらに、第1の実施形態のガス検知システム1は、ガス検知システムの運用コストを低減できる。その理由は、ガス検知システム1は、センサヘッド毎に制御装置110から光ファイバを敷設する場合と比較して、1本のファイバに光カプラを挿入することで多くの地点のガス検知を行えるからである。1本のファイバに光カプラを挿入する構成は、システムの建設や保守が容易であるとともに、既設の光ファイバ網に空き心線が少ない地域へのガス検知システムの導入を容易とする。
(第1の実施形態の変形例)
以下に、第1の実施形態のガス検知システム1と同様の効果をもたらす変形例について説明する。
第1の実施形態では光波長変調器として光SSB変調器を用いた。しかし、光SSB変調器の代わりに大容量光通信技術に用いられているIQ変調器(In−phase/Quadrature変調器)を用いて波長変調を実現しても良い。また、大振幅の変調器ドライバを用い、光位相変調器(Optical Phase変調器)の印加電圧を時間方向に変化させることによっても波長変調を実現できる。
また、レーザダイオード111と光サーキュレータ115との間及び光サーキュレータ115とフォトダイオード116との間の一方又は両方に光増幅器を挿入してもよい。光増幅器を用いることでセンサヘッド130から受信した光信号の信号対雑音比を向上させることができる。
また、第1の実施形態のセンサヘッド130は、光信号を空間的に伝搬させる際、ミラー132を用いて1回反射させる。しかし、複数のミラーを用いて光信号を複数回反射させることで、空間内の光信号の伝搬経路を長くしてもよい。このような構成のセンサヘッドを用いることでガスによる光信号の吸収が増加し、より低濃度のガスを検出することができる。
また、図3では、光信号の波長がパルス内で直線的に変化する例を示した。しかし、波長の変化に正弦波を重畳して波長変調分光法(wavelength modulation spectroscopy、WMS法)によるガス濃度の算出を行ってもよい。WMS法を用いることで、より感度の高いガス濃度の測定が可能となる。この際、直線的な波長変調と正弦波状の波長変調とはそれぞれ個別の光波長変調器により行われてもよい。
また、非特許文献1には、波長変換によって高次の側波帯が発生することが示される。このような高次の側波帯を抑圧するために、光波長変調器114の後段に光バンドパスフィルタが配置されてもよい。高次の側波帯を除去する光バンドパスフィルタを追加することにより雑音が抑圧されるため、より精度の高い測定が可能となる。
また、本実施形態では波長1.65μmの光信号を用いてメタンの検出を行う例を示した。光信号の波長として、メタンの別の吸収スペクトルに相当する波長を用いてもよい。あるいは、メタンとは異なるガス分子の吸収スペクトルを、1.65μm以外の波長でモニタして、メタン以外のガスを検出してもよい。さらに、複数の波長の光信号を用いて複数の異なる種類のガスを検出してもよい。
(第2の実施形態)
図6〜図8を用いて、本願発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、制御装置110と各センサヘッド130との間は1本の光ファイバで接続された。第2の実施形態では、光信号の送信用と受信用とに分離された2本の光ファイバが用いられる。
図6は、本発明の第2の実施形態のガス検知システム2の構成例を表すブロック図である。ガス検知システム2は、制御装置510、光ファイバ520−1〜520−n及び521−1〜521−n、光カプラ522−1〜522−m及び523−1〜523−m、センサヘッド530−1〜530−nを備える。nは2以上の整数、m=n−1である。以下では、光ファイバ520−1〜520−nを総称して光ファイバ520と記載する。光ファイバ521−1〜521−n、光カプラ522−1〜522−m、光カプラ523−1〜523−m及びセンサヘッド530−1〜530−nも同様に光ファイバ521、光カプラ522、光カプラ523、センサヘッド530と総称する。
制御装置510とセンサヘッド530とは、伝送路である光ファイバ520及び521によって接続される。制御装置510は、レーザダイオード(LD)111、レーザダイオードドライバ(LDD)112、光強度変調器(Pulse)113、光波長変調器(λ MOD)114、フォトダイオード(PD)116、及び信号処理部(Sig.Proc.)117を備える。このように、制御装置510は、第1の実施形態の制御装置110と比較して、光サーキュレータ115を備えない。すなわち、制御装置510において、光波長変調器114は波長変調された光信号を光ファイバ520−1に送出し、フォトダイオード116はセンサヘッド530を通過した光信号を光ファイバ521−1から受信する。制御装置510は、第1の実施形態の制御装置110とこれらの点で相違するが、他の構成要素は制御装置110と共通である。従って、第1の実施形態と共通するレーザダイオード111、レーザダイオードドライバ112、光強度変調器113、光波長変調器114、フォトダイオード116及び信号処理部117については第1の実施形態と同様の名称及び参照符号を付して、説明は省略する。
光ファイバ520及び521には、それぞれ光カプラ522及び523が配置される。光カプラ522、523の分岐の一方は、センサヘッド530に接続される。各センサヘッド530は、レンズ531及び532を備える。
光ファイバ520上には、光カプラ522−1〜522−mが直列に配置される。p番目(1≦p≦m−1)の光カプラ522−pの分岐の一方は、センサヘッド530−pのレンズ531に接続される。光カプラ522−pの分岐の他方は、光ファイバ520−q(q=p+1)に接続される。例えば、光カプラ522−1の分岐の一方は、センサヘッド530−1のレンズ531に接続される。光カプラ522−1の分岐の他方は、光ファイバ520−2に接続される。ただし、制御装置510から最も遠方の光カプラ522−mは、センサヘッド530−m及び光ファイバ520−nに接続される。光ファイバ520−nは、センサヘッド530−nのレンズ531に接続される。
光ファイバ521上には、光カプラ523−1〜523−mが直列に配置される。p番目(1≦p≦m−1)の光カプラ523−pの分岐の一方は、センサヘッド530−pのレンズ532に接続される。光カプラ523−pの分岐の他方は、光ファイバ521−q(q=p+1)に接続される。例えば、光カプラ523−1の分岐の一方は、センサヘッド530−1のレンズ532に接続される。光カプラ523−1の分岐の他方は、光ファイバ521−2に接続される。ただし、制御装置510から最も遠方の光カプラ523−mは、センサヘッド530−m及び光ファイバ521−nに接続される。光ファイバ521−nは、センサヘッド530−nのレンズ532に接続される。
(第2の実施形態の動作)
レーザダイオード111から出力された波長1.65μmの連続光は、光強度変調器113によりパルス変調され、光波長変調器114により波長変調される。波長変調された光信号は、光ファイバ520−1へ送り出される。光ファイバ520−1を伝搬する光信号は、光カプラ522−1により2分岐される。2分岐された光信号の一方はセンサヘッド530−1に入力され、他方は光ファイバ520−2を経由して光カプラ522−2へと送られる。以下、光カプラ522−2〜522−mにおいて光信号は2分岐され、最終的にn個のセンサヘッド530−1〜530−nに光信号が分配される。
センサヘッド530は、光カプラ522−1〜522−m又は光ファイバ520−nから入力された光信号をレンズ531により平行光線に変換する。平行光線はセンサヘッド530が設置された場所の大気中を伝搬する。そして、平行光線は、レンズ532により、光ファイバ521側の光ファイバ端へ集光される。集光された光信号は、光カプラ523及び光ファイバ521を伝搬して制御装置510で受信される。このようにして、制御装置510から送信された光信号は光ファイバ520、光カプラ522、センサヘッド530、光カプラ523及び光ファイバ521を経由して、制御装置510で受信される。
制御装置510が備えるフォトダイオード116は、受信された光信号を電気信号に変換する。信号処理部117は、フォトダイオード116が出力した電気信号を処理することにより、センサヘッド530が設置された各地点の大気に含まれるメタンを検知する。
図7及び図8は、第2の実施形態において、フォトダイオード116で受信される光信号の波形例を概念的に示す図である。図7及び図8を第1の実施形態の図4及び図5と比較すると、図7及び図8では、光サーキュレータの指向性の不完全性による1つ目のピーク(A0)に対応するピークが存在しない。また、第2の実施形態では光信号の往路と復路とで異なる光ファイバ520、521が用いられるため、図7及び図8ではレイリー後方散乱によるベースラインの変動も存在しない。
図7は、センサヘッドが配置された全ての地点においてガス漏洩がない場合を示す図である。複数のピーク(B1〜Bn)は、それぞれ、センサヘッド530−1〜530−nから折り返されたパルス光に対応するピークである。あらかじめセンサヘッド530を1個ずつ接続して対応するピークB1〜Bnが生じるタイミングを測定しておくことで、受信されるピークB1〜Bnとセンサヘッド530−1〜530−nとの対応を知ることができる。センサヘッド530−1〜530−nが設置された地点においてガス漏洩がない場合、センサヘッド530−1〜530−nからの折り返しパルス光の全てのピークはなだらかな変化を示す。
一方、図8は、j番目(1≦j≦n)のセンサヘッドが設置された地点において、ガス漏洩の結果、大気中のメタンガス濃度が高い場合の例を示す。この場合、図7とは異なり、j番目のセンサヘッドからの折り返しパルス光(Bj)のピークに、メタンガスによる光信号の吸収に起因するディップが観測される。このディップの量をフォトダイオード116及び信号処理部117において検出することにより、j番目のセンサヘッド周辺のメタンガスの濃度を知ることができる。フォトダイオード116は、光強度に比例した振幅の電気信号を信号処理部117へ出力する。信号処理部117は、パルス光のピークにおける電気信号の時間的な強度変化をピーク毎に監視し、ガスの吸収によるディップを検出する。
信号処理部117による処理は、第1の実施形態と同様である。すなわち、信号処理部は、例えば、以下の動作を行う。信号処理部117は、j番目のピークのディップの深さ(すなわち、振幅変化)を検出する。そして、振幅変化が所定の閾値よりも大きい場合に、センサヘッド530−jの周辺でガスが漏洩していると判断して、制御装置510の外部へアラームを出力する。あるいは、信号処理部117は、j番目のピークのディップの深さに基づいて、センサヘッド530−jの周辺のガスの濃度を算出し、算出したガス濃度を制御装置510の外部へ出力する。
(第2の実施形態の効果)
第2の実施形態のガス検知システム2は、第1の実施形態と同様に、簡単な構成で多地点のガス検知を行うことができる。その第1の理由は、単一波長の光源の出力光の波長を光波長変調器114を用いて変化させているため、高出力かつスペクトルの広いパルス光を発生させる光源を必要としないからである。第2の理由は、折り返された光信号の受信はフォトダイオード116及び信号処理部117のみで行われるため、受信側に複雑な光回路を必要としないからである。
さらに、第2の実施形態のガス検知システム2は、距離分解能が高いガス検知システムを実現できる。その理由は、単一波長の光源から出力された短いパルスの波長を光波長変調器114を用いて変化させているためである。このような構成により、スペクトルの広いパルス光を用いた場合と比較して光信号のパルス幅の広がりを小さくできるとともに、レーザの駆動電流や温度により波長変調を行った場合と比較して短いパルスで所望の波長変化が得られる。その結果、センサヘッド530間の距離が小さい場合でも、複数の測定点からの戻り光パルスが制御装置510において時間的に重なることを回避でき、高い距離分解能が得られる。そして、第2の実施形態のガス検知システム2は、上記の効果を得るために光ファイバ520及び521上に光ファイバスプールを配置する必要がない。
さらに、第2の実施形態のガス検知システム2は、ガス検知システムの運用コストを低減できる。その理由は、ガス検知システム2は、センサヘッド毎に制御装置510から光ファイバを敷設する場合と比較して、2本のファイバに光カプラを挿入することで多くの地点のガス検知を行えるからである。ガス検知システム2は、システムの建設や保守が容易であるとともに、既設の光ファイバ網に空き心線が少ない地域にも、比較的容易にガス検知システムを導入できる。
さらに、第2の実施形態のガス検知システム2は、第1の実施形態と比較して、信号対雑音比のよい信号検出が行える。その理由は以下の通りである。第1の実施形態のガス検知システム1は1本の光ファイバ120を光信号の送信及び受信の両方に使用する。このため、レイリー後方散乱による光が雑音としてフォトダイオード116に入射する結果、センサヘッド130で折り返された光信号の信号対雑音比が低下する恐れがある。しかし、第2の実施形態のガス検知システム2は光信号の送信及び受信で異なる光ファイバ520及び521を用いるため、レイリー後方散乱に起因する雑音による影響を低減できる。
なお、第2の実施形態においても、第1の実施形態の変形例と同様に、異なる変調器、光増幅器、分光方法や波長などが用いられてもよい。
(第3の実施形態)
図9〜図11を用いて、第3の実施形態について説明する。第1の実施形態のガス検知システム1では、光ファイバ120に縦続接続された光カプラ121から、センサヘッド130へ光信号が分岐される。これに対して、第3の実施形態のガス検知システムは、1対多に分岐する光カプラを使用して複数のセンサヘッドを収容する。第3の実施形態では、例えば、FTTH(Fiber To The Home)サービスのために敷設されているPON(Passive Optical Network)用光ファイバを活用する場合が想定される。
(第3の実施形態の構成)
図9は、本発明の第3の実施形態のガス検知システム3の構成例を表すブロック図である。ガス検知システム3は、制御装置110、光ファイバ720−1〜720−n、光カプラ721、センサヘッド130−1〜130−nを備える。nは2以上の整数である。以下では、光ファイバ720−1〜720−nを総称して光ファイバ720と記載する。光カプラ721は、例えば、1×n光スターカプラである。
制御装置110は、レーザダイオード111、レーザダイオードドライバ112、光強度変調器113、光波長変調器114、フォトダイオード116、及び、信号処理部117を備える。制御装置110は、第1の実施形態のガス検知システム1で用いられる制御装置110と同様の装置である。センサヘッド130−1〜130−nも、第1の実施形態のガス検知システム1で用いられるセンサヘッド130−1〜130−nと同様の構成を備える。従って、制御装置110及びセンサヘッド130に関して、以降の説明では第1の実施形態と重複する説明は省略される。
本実施形態において、制御装置110の入出力ポートは、光カプラ721の共通ポートに接続されている。光カプラ721のn分岐側の各ポートは、光ファイバ720−1〜720−nを介してセンサヘッド130−1〜130−nに接続されている。制御装置110とセンサヘッド130とは、光カプラ721及び光ファイバ720で接続される。
(第3の実施形態の動作)
第1の実施形態と同様に、波長変調された波長1.65μmの光信号は、光サーキュレータ115を介して制御装置110から光カプラ721の共通ポートへ送出される。光カプラ721は、光信号を分岐して、光ファイバ720−1〜720−nを介してセンサヘッド130−1〜130−nへ送られる。
n個のセンサヘッド130は、ガスの漏洩の検知が必要とされる場所に分散して設置される。センサヘッド130は、光ファイバ720から入力された光信号を光ファイバ端面から放射し、放射された光信号をレンズ131により平行光線に変換する。平行光線はセンサヘッド130が設置された場所の大気中を伝搬し、ミラー132で反射される。レンズ131は、反射された平行光線を、光信号を放射した光ファイバに集光する。光ファイバへ集光された光信号は、光ファイバ720及び光カプラ721を逆方向に伝搬して制御装置110で受信される。このようにして、制御装置110から送信された光信号はセンサヘッド130で折り返され、制御装置110で受信される。
制御装置110で受信された光信号は、光サーキュレータ115によりフォトダイオード116に導かれる。フォトダイオード116は、受信された光信号を電気信号へ変換する。ここで得られた電気信号を、信号処理部117において処理することにより、センサヘッド730が設置された地点におけるメタンガスの有無が検知される。
図10及び図11は、フォトダイオード116で受信される光信号の波形例を概念的に示す図である。図10は、センサヘッドが配置されたいずれの地点においてもガス漏洩がない場合の例を示す。図10に示される1つ目のピーク(C0)は、光波長変調器114から送信されるパルス光が光ファイバ120に送られずに直接フォトダイオード116で受信されるために生じる。これは、光サーキュレータ115の指向性の不完全性に起因する。2つ目以降のピーク(C1〜Cn)は、それぞれ、センサヘッド130−1〜130−nから折り返されたパルス光に対応するピークである。
各ピークの時間軸上の位置は、光信号の往復時間、すなわち、制御装置110と光信号のセンサヘッド130との距離によって定まる。本実施形態では、センサヘッド130の各々は、制御装置110との距離が全て異なるように配置される。そして、制御装置110と各々のセンサヘッド130との距離の差は、少なくとも図10及び図11に示されるピークが時間的に重ならない程度の長さであるものとする。
図10に「レイリー後方散乱」として点線及びパルス光がない期間を示す曲線は、光ファイバのレイリー後方散乱に起因する受信光の強度を示す。レイリー後方散乱の強度は、制御装置110からセンサヘッド130までの距離が長くなるに従って光ファイバ720の伝送ロスによって減少する。各センサヘッド130が設置されたすべての地点においてガス漏洩がない場合、図10のように、センサヘッド130からの折り返しパルス光のピークは、いずれもなだらかな強度変化を示す。なお、図10及び図11に示すレイリー後方散乱による信号強度の時間的変化は概念を示す一例であり、レイリー後方散乱の強度は光カプラ721の分岐数や光ファイバ720−1〜720−nの光学的特性によって異なる。
一方、図11は、k番目(1≦k≦n)のセンサヘッドが設置された地点において、ガス漏洩の結果、周辺のメタンガス濃度が高い場合の例を示す。この場合、図10とは異なり、k番目のセンサヘッドからの折り返しパルス光(Ck)のピークに、メタンガスによる光信号の吸収に起因するディップが観測される。このディップの量をフォトダイオード116及び信号処理部117において検出することにより、k番目のセンサヘッド周辺のメタンガスの濃度を知ることができる。信号処理部117におけるメタンガスの検知手順は、第1及び第2の実施形態と同様である。
第1及び第2の実施形態において観測された信号波形(図4、図5、図7及び図8)では、各センサヘッドからの戻り光が等間隔で並んでいた。これはセンサヘッド130、530が一定の間隔で配置されていたためである。一方、本実施形態では、制御装置110から各センサヘッド130までの距離は、各センサヘッドからの戻り光が光カプラ721で衝突しないようにのみ設定されている。すなわち、センサヘッド130は、制御装置110から各センサヘッド130までの距離の差が一定となるようには設置されていない。従って、各センサヘッド130から戻る光信号のタイミングは不等間隔となる。第1及び第2の実施形態と同様に、パルス光のピークとセンサヘッド130との対応は、あらかじめセンサヘッド130毎に光信号の受信時刻を測定することで知ることができる。
(第3の実施形態の効果)
第3の実施形態のガス検知システム3は、第1及び第2の実施形態と同様に、簡単な構成で多地点のガス検知を行うことができる。その第1の理由は、単一波長の光源の出力光の波長を光波長変調器114を用いて変化させているため、高出力かつスペクトルの広いパルス光を発生させる光源を必要としないからである。第2の理由は、折り返された光信号の受信はフォトダイオード116及び信号処理部117のみで行われるため、受信側に複雑な光回路を必要としないからである。
さらに、第3の実施形態のガス検知システム3は、距離分解能が高いガス検知システムを実現できる。その理由は、単一波長の光源から出力された短いパルスの波長を光波長変調器114を用いて変化させているためである。このような構成により、スペクトルの広いパルス光を用いた場合と比較して光信号のパルス幅の広がりを小さくできるとともに、レーザの駆動電流や温度により波長変調を行った場合と比較して短いパルスで所望の波長変化が得られる。その結果、センサヘッド130間の距離が小さい場合でも、複数の測定点からの戻り光パルスが制御装置110において時間的に重なることを回避でき、高い距離分解能が得られる。そして、第3の実施形態のガス検知システム3は、上記の効果を得るために光ファイバ720上に光ファイバスプールを配置する必要がない。
第3の実施形態のガス検知システム3は、システムの導入コストを低減できる。その理由は、ガス検知を行うための光ファイバ網を新たに敷設することなく、例えばFTTHサービスのために敷設されたPON用光ファイバ網を活用できるためである。
第1の実施形態で説明したように、50ns幅のパルス光を用いることで、測定点間の距離が10m程度あれば、それぞれの地点でガスを検知できる。従って、センサヘッド130の間隔が数十m離れていれば、PON用光ファイバ網を第3の実施形態のガス検知システム3に容易に適用できる。
さらに、第3の実施形態のガス検知システム3は、ガス検知システムの運用コストを低減できる。その理由は、ガス検知システム3は、センサヘッド毎に制御装置110から光ファイバを敷設する場合と比較して、PON用光ファイバ網を用いることで多くの地点のガス検知を行えるため、システムの建設や保守が容易であるためである。
なお、第3の実施形態においても、第1及び第2の実施形態の変形例と同様に、異なる変調器、光増幅器、分光方法や波長などが用いられてもよい。以下では、図9で説明したガス検知システム3と同様の効果をもたらす第1〜第3の変形例について説明する。
(第3の実施形態の第1の変形例)
PON用光ファイバを利用したガス検知システムは、すでに加入者に提供されているFTTHサービスと併用されてもよい。例えば、ガス検知システムで用いられる波長(例えば1.65μm)の光信号とFTTHサービスで用いられる波長帯の光信号(例えば1.3μm及び1.55μm)とをPON用光ファイバに波長多重して伝送してもよい。このような構成により、FTTHサービスと同時にガス検知サービスを加入者に提供できる。
(第3の実施形態の第2の変形例)
第3の実施形態において、検出されたピークに対応するセンサヘッド130を同定する構成について説明する。図12は、第3の実施形態の第2の変形例であるガス検知システム4の構成例を示すブロック図である。ガス検知システム4は、図9に示したガス検知システム3と比較して、センサヘッド130−1〜130−nと直列にFBG(Fiber Bragg Grating)401−1〜401−nが配置された点で相違する。以下、FBG401−1〜401−nをFBG401と総称する。
FBG401は、入力された光信号の一部の波長を反射し、それ以外の波長の光信号を透過する。このため、図12において、光カプラ721からセンサヘッド130へ向かう光信号は、まずFBG401において一部の波長が反射される。そして、FBG401を透過した光信号がセンサヘッド130を往復する。
図13は、ガス検知システム4において、制御装置110で受信される光信号の、1つのピーク(すなわち、C1〜Cnのいずれか)の形状を模式的に示す図である。図13では、レイリー後方散乱による影響は除かれている。図13に示すように、FBG401において反射された光信号のピークP1がまず制御装置110に到着し、その後、センサヘッドを透過した光信号が到着する。センサヘッドを透過した光信号には、ガスによる吸収ディップD0に加えて、FBG401より反射された波長のディップD1が見られる。
FBG401に入力される光信号の波長は1個のパルス光の発光期間内で時間的に変化する。従って、FBG401からの反射光のピークP1及びFBG401によるディップD1のタイミングは、FBG401の反射波長に依存する。これを利用して、制御装置110は、受信される光信号のピークP1及びディップD1のタイミングから、その光信号のパルスがセンサヘッド130−1〜130−nのいずれから来たかを判別する。
光波長変調器714の波長は、パルス光の発光開始時においてメタンの吸収帯域外に拡大されるように掃引される。そして、センサヘッド130毎に、異なる波長を反射するFBG401が挿入される。ここで、FBG401が反射する波長は、いずれも、拡大されたメタンの吸収帯域外の波長帯に含まれるように設定される。FBG401の反射波長及び光波長変調器714の掃引波長をこのように設定することで、受信されるパルス光におけるディップD1が、メタンの吸収によるディップと重なることを回避できる。
信号処理部717は、ピークP1及びディップD1のタイミングを、センサヘッド130ごとにあらかじめ基準値として記憶する。基準値は、例えば、受信された光信号のパルス光の立ち上がり又は立ち下がり時刻を基準に、実測によって求めることができる。FBG401の反射波長は全て異なるため、ピークP1及びディップD1のタイミングもFBG401ごと(すなわち、センサヘッド130ごと)に異なる。そして、信号処理部717は、受信した光信号のそれぞれについてガスによる吸収とは異なるピーク又はディップのタイミングを測定する。この測定値と、記憶されている基準値とを比較して、測定値と最も近いタイミングを持つセンサヘッド130を、光信号に対応するセンサヘッド130であると判定する。なお、第1及び第2の実施形態と同様に、あらかじめセンサ130を1個ずつ接続して対応するピークC1〜Cnが生じるタイミングを測定しておくことで、受信されるピークC1〜Cnとセンサヘッド130−1〜130−nとの対応を知ることもできる。
(第3の実施形態の第3の変形例)
図14は、第3の実施形態の第3の変形例であるガス検知システム5の構成例を示すブロック図である。ガス検知システム5は、図12と比較して、センサヘッド130及びFBG401に代えて、センサユニット410−1〜410−nを備える。センサユニット410−1〜410−nを以下ではセンサユニット410と総称する。
センサユニット410は、第2の実施形態と同様のセンサヘッド530、FBG401、光サーキュレータ402、アイソレータ403を備える。ここでは、例として光ファイバ720−4に接続されたセンサユニット410−4について記載する。FBG401−4は、入力された光信号の一部の波長を反射し、それ以外の波長の光信号を透過する。図14において、光カプラ721からセンサユニット410−4に入力された光信号は、光サーキュレータ402−4及びアイソレータ403−4を通過し、FBG401−4において光信号の一部の波長が反射される。しかし、FBG401−4において反射された光信号はアイソレータ403−4で阻止される。FBG401−4を透過した光信号は、センサヘッド530−4を透過してガスの濃度に対応した吸収を受ける。センサヘッド530−4を透過した光信号は、光サーキュレータ402−4を経由して制御装置110へ伝送される。
図15は、ガス検知システム5において、制御装置110で受信される光信号のピークの形状を模式的に示す図である。図15では、レイリー後方散乱による影響は除かれている。ガス検知システム5では、FBG401において反射された光信号はアイソレータ403で阻止される。このため、ガス検知システム4とは異なり、FBG401で反射された光によるピークP1は制御装置110では受信されない。センサヘッド530を透過した光信号には、ガス検知システム4と同様に、ガスによる吸収ディップD0に加えて、FBG401より反射された波長のディップD1が見られる。従って、制御装置110は、ディップD1のタイミングを測定して基準値と比較することにより、受信されたパルス光に対応するセンサヘッド530を特定することができる。
図16は、FBG401に設定された反射波長と、制御装置110で受信される光信号のピーク波形との対応の例を説明するための図である。4種類のFBG(FBG−a〜FBG−d)には、それぞれ異なる反射波長が設定される。FBG−aは波長λ1、λ2、λ3の光を反射し、FBG−bは波長λ1、λ2の光を反射し、FBG−cは波長λ1、λ3の光を反射し、FBG−dは波長λ2、λ3の光を反射する。図16の右側には、センサユニット410がFBG−a〜dのいずれかを備える場合の、センサヘッド530を通過して制御装置110で受信される光信号のピーク波形の例が示される。光信号のピーク波形には、FBG401の反射波長に対応するディップが現れるため、これらのディップのタイミングを検出することで、受信されたパルス光に対応するセンサヘッドを識別できる。
(第4の実施形態)
図17は、第4の実施形態のガス検知装置800の構成例を示すブロック図である。図18は、ガス検知装置800の動作手順の例を示すフローチャートである。第2の実施形態の図6で説明した制御装置510は、以下の構成を備えるガス検知装置800と呼ぶこともできる。すなわち、ガス検知装置800は、送信部801と受信部802とを備える。送信部801は、図6の光波長変調器114を含む。送信部801は、さらに、図6のレーザダイオード111、レーザダイオードドライバ112、光強度変調器113及び光波長変調器114を含んでもよい。受信部802は、図6のフォトダイオード116及び信号処理部117を含んでもよい。
送信部801は、光波長変調器によって生成された、波長が時間的に変化するパルス光を生成して(図18のステップS01)、第1の光信号として、センサヘッドと接続された伝送路に出力する(ステップS02)。ここで、センサヘッドは、大気中を伝搬させた第1の光信号を第2の光信号として出力する。受信部802は、センサヘッドから出力された第2の光信号を受光して(ステップS03)、電気信号に変換する(ステップS04)。さらに、受信部802は、電気信号の振幅の時間的変化に基づいて、空間に含まれる所定の種類のガスをセンサヘッド毎に検知し(ステップS05)、ガスの検知の結果を出力する(ステップS06)。
第4の実施形態のガス検知装置800は、簡単な構成で多地点のガス検知を行うことができる。その第1の理由は、光波長変調器を用いて光源の波長を変化させて第1の光信号を生成しているため、高出力かつスペクトルの広いパルス光を発生させる光源を必要としないからである。第2の理由は、第2の光信号の受信のために複雑な光回路を必要としないからである。
さらに、第4の実施形態のガス検知装置800は、距離分解能が高いガス検知システムを実現できる。その理由は、単一波長の光源から出力された短いパルスの波長を光波長変調器を用いて変化させているためである。このような構成により、スペクトルの広いパルス光を用いた場合と比較して光信号のパルス幅の広がりを小さくできるとともに、レーザの駆動電流や温度により波長変調を行った場合と比較して短いパルスで所望の波長変化が得られる。その結果、センサヘッド間の距離が小さい場合でも、複数の測定点からの戻り光パルスがガス検知装置において時間的に重なることを回避でき、高い距離分解能が得られる。そして、第4の実施形態のガス検知装置800は、上記の効果を得るために伝送路上に伝送媒体のスプールを配置する必要がない。
以上の各実施形態に記載された機能及び手順は、制御装置110又は510、あるいはガス検知装置800が備える中央処理装置(central processing unit、CPU)がプログラムを実行することにより実現されてもよい。プログラムは、固定された、一時的でない記録媒体に記録される。記録媒体としては半導体メモリ又は固定磁気ディスク装置が用いられるが、これらには限定されない。CPUは例えば信号処理部117、517又は送信部801に備えられるコンピュータであるが、制御部205又は受信部802に備えられてもよい。
なお、本発明の実施形態は以下の付記のようにも記載されうるが、これらには限定されない。
(付記1)
光波長変調器によって波長が時間的に変調されたパルス光を第1の光信号として伝送路に出力する送信手段と、
前記第1の光信号を大気中を伝搬させ、大気中を伝搬した前記第1の光信号を第2の光信号として出力する複数のセンサヘッドと、
前記第2の光信号を受光して電気信号に変換し、前記電気信号の振幅の時間的変化に基づいて、前記大気中に含まれる所定の種類のガスを前記センサヘッド毎に検知し、前記ガスの検知の結果を出力する受信手段と、
前記伝送路を分岐するとともに、分岐された前記伝送路を介して前記送信手段と前記センサヘッドとを接続し、さらに、分岐された前記伝送路を介して前記センサヘッドと前記受信手段とを接続する分岐手段と、
を備えるガス検知システム。
(付記2)
前記伝送路は光ファイバ伝送路であり、前記第1の光信号と前記第2の光信号とは異なる光ファイバ伝送路で伝送される、付記1に記載されたガス検知システム。
(付記3)
前記送信手段と前記受信手段とを前記伝送路に接続する光サーキュレータをさらに備え、
前記伝送路は光ファイバ伝送路であり、前記受信手段は、前記センサヘッドが前記第1の光信号と同一の前記光ファイバ伝送路へ出力した前記第2の光信号を受信する、付記1に記載されたガス検知システム。
(付記4)
前記分岐手段は1×N(Nは2以上の整数)光カプラである、付記3に記載されたガス検知システム。
(付記5)
各々の前記センサヘッドには透過波長が相異なるFBG(Fiber Bragg Grating)が接続され、前記第2の光信号は前記FBGを透過して前記分岐手段に出力され、前記受信手段は前記第2の光信号に含まれる前記パルス光の振幅変化のタイミングに基づいて前記センサヘッドを識別する、付記3又は4に記載されたガス検知システム。
(付記6)
前記光波長変調器は光SSB(Single Side Band)変調器を含み、前記光SSB変調器は前記パルス光の波長をパルス毎に時間方向に変化させる、付記1乃至5のいずれかに記載されたガス検知システム。
(付記7)
前記光波長変調器は光位相変調器を含み、前記光位相変調器は前記パルス光の波長をパルス毎に時間方向に変化させる、付記1乃至5のいずれかに記載されたガス検知システム。
(付記8)
前記送信手段及び前記受信手段は、波長変調分光法により第1の光信号の生成及び第2の光信号の処理を行う、付記1乃至7のいずれかに記載されたガス検知システム。
(付記9)
前記送信手段と前記伝送路との間に、前記第1の光信号に含まれる高次の波長の光を低減させる光フィルタを備える、付記1乃至8のいずれかに記載されたガス検知システム。
(付記10)
前記送信手段は、連続光を生成するレーザダイオード、前記レーザダイオードを制御するレーザダイオードドライバ、前記連続光をパルス変調する光強度変調器、及び前記パルス変調された光を波長変調して前記パルス光を生成する前記光波長変調器、を備える付記1乃至9のいずれかに記載されたガス検知システム。
(付記11)
前記受信手段は、受信された前記第2の光信号を前記電気信号に変換するフォトダイオードと、前記電気信号を処理する信号処理部と、を備える付記1乃至10のいずれかに記載されたガス検知システム。
(付記12)
前記受信手段は、前記電気信号の振幅の時間的変化に基づいて、前記ガスの濃度を前記センサヘッド毎に検知する、付記1乃至11のいずれかに記載されたガス検知システム。
(付記13)
光波長変調器によってパルス光が変調されて生成された、波長が時間的に変化するパルス光を第1の光信号として伝送路に出力する送信手段と、
大気中を伝搬させた前記第1の光信号を第2の光信号として出力するセンサヘッドから出力された前記第2の光信号を受光して電気信号に変換し、前記電気信号の振幅の時間的変化に基づいて、前記大気中に含まれる所定の種類のガスを前記センサヘッド毎に検知し、前記ガスの検知の結果を出力する受信手段と、
を備えるガス検知装置。
(付記14)
光波長変調器によってパルス光が変調されて生成された、波長が時間的に変化するパルス光を第1の光信号として伝送路に出力し、
大気中を伝搬させた前記第1の光信号を第2の光信号として出力するセンサヘッドから出力された前記第2の光信号を受光して電気信号に変換し、
前記電気信号の振幅の時間的変化に基づいて、前記大気中に含まれる所定の種類のガスを前記センサヘッド毎に検知し、
前記ガスの検知の結果を出力する、
ガス検知装置の制御方法。
(付記15)
ガス検知装置のコンピュータに、
光波長変調器によってパルス光が変調されて生成された、波長が時間的に変化するパルス光を第1の光信号として伝送路に出力する手順、
大気中を伝搬させた前記第1の光信号を第2の光信号として出力するセンサヘッドから出力された前記第2の光信号を受光して電気信号に変換する手順、
前記電気信号の振幅の時間的変化に基づいて、前記大気中に含まれる所定の種類のガスを前記センサヘッド毎に検知する手順、
前記ガスの検知の結果を出力する手順、
を実行させるためのガス検知装置の制御プログラム。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得るさまざまな変更をすることができる。また、各実施形態の構成要素は、矛盾がない限り組み合わせることができる。
この出願は、2015年11月24日に出願された日本出願特願2015−228374を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
本願発明は、ガス濃度の測定システムに適用できる。特に、広いエリアの多地点のガス濃度情報を遠隔から測定するようなシステムに適用できる。
1〜5 ガス検知システム
110、510 制御装置
111 レーザダイオード
112 レーザダイオードドライバ
113 光強度変調器
114 光波長変調器
115 光サーキュレータ
116 フォトダイオード
117、517 信号処理部
120、520、521、720 光ファイバ
121、522、523、721 光カプラ
130、430、530、730 センサヘッド
131、531、532 レンズ
132 ミラー
201 可変オシレータ
203 位相シフタ
204 変調器
205 制御部
402 光サーキュレータ
403 アイソレータ
410 センサユニット
800 ガス検知装置
801 送信部
802 受信部

Claims (10)

  1. 光波長変調器によってパルス光が変調されて生成された、波長が時間的に変調されたパルス光を第1の光信号として伝送路に出力する送信手段と、
    前記第1の光信号を大気中を伝搬させ、前記大気中を伝搬した前記第1の光信号を第2の光信号として出力する複数のセンサヘッドと、
    前記第2の光信号を受光して電気信号に変換し、前記電気信号の振幅の時間的変化に基づいて、前記大気中に含まれる所定の種類のガスを前記センサヘッド毎に検知し、前記ガスの検知の結果を出力する受信手段と、
    前記伝送路を分岐するとともに、分岐された前記伝送路を介して前記送信手段と前記センサヘッドとを接続し、さらに、分岐された前記伝送路を介して前記センサヘッドと前記受信手段とを接続する分岐手段と、
    を備えるガス検知システム。
  2. 前記伝送路は光ファイバ伝送路であり、前記第1の光信号と前記第2の光信号とは異なる光ファイバ伝送路で伝送される、請求項1に記載されたガス検知システム。
  3. 前記送信手段と前記受信手段とを前記伝送路に接続する光サーキュレータをさらに備え、
    前記伝送路は光ファイバ伝送路であり、前記受信手段は、前記センサヘッドが前記第1の光信号と同一の前記光ファイバ伝送路へ出力した前記第2の光信号を受信する、請求項1に記載されたガス検知システム。
  4. 前記分岐手段は1×N(Nは2以上の整数)光カプラである、請求項3に記載されたガス検知システム。
  5. 各々の前記センサヘッドには透過波長が相異なるFBG(Fiber Bragg Grating)が接続され、前記第2の光信号は前記FBGを透過して前記分岐手段に出力され、前記受信手段は前記第2の光信号に含まれる前記パルス光の振幅変化のタイミングに基づいて前記センサヘッドを識別する、請求項3又は4に記載されたガス検知システム。
  6. 前記光波長変調器は光SSB(Single Side Band)変調器を含み、前記光SSB変調器は前記パルス光の波長をパルス毎に時間方向に変化させる、請求項1乃至5のいずれかに記載されたガス検知システム。
  7. 前記光波長変調器は光位相変調器を含み、前記光位相変調器は前記パルス光の波長をパルス毎に時間方向に変化させる、請求項1乃至5のいずれかに記載されたガス検知システム。
  8. 前記送信手段及び前記受信手段は、波長変調分光法により第1の光信号の生成及び第2の光信号の処理を行う、請求項1乃至7のいずれかに記載されたガス検知システム。
  9. 波長が時間的に変化するパルス光を第1の光信号として伝送路に出力する送信手段と、
    大気中を伝搬させた前記第1の光信号を第2の光信号として出力する複数のセンサヘッドから出力された前記第2の光信号を受光して電気信号に変換し、前記電気信号の振幅の時間的変化に基づいて、前記大気中に含まれる所定の種類のガスを前記複数のセンサヘッド毎に検知し、前記ガスの検知の結果を出力する受信手段と、
    を備えるガス検知装置。
  10. 波長が時間的に変化するパルス光を第1の光信号として伝送路に出力し、
    大気中を伝搬させた前記第1の光信号を第2の光信号として出力する複数のセンサヘッドから出力された前記第2の光信号を受光して電気信号に変換し、
    前記電気信号の振幅の時間的変化に基づいて、前記大気中に含まれる所定の種類のガスを前記複数のセンサヘッド毎に検知し、
    前記ガスの検知の結果を出力する、
    ガス検知装置の制御方法。
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