JP2008298638A - 光式ガス濃度検出方法及び光式ガス濃度検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オフセット成分の変動を抑制する光式ガス濃度検出方法及び光式ガス濃度検出装置を提供する。
【解決手段】波長が変調され変調中心波長が所定の掃引範囲内で掃引されたレーザ光を出射させ、該レーザ光を被測定雰囲気に透過させ、該透過光を受光した受光信号から位相敏感検波により検波信号を検波し、該検波信号からガス濃度を示すガス信号を抽出する光式ガス濃度検出方法において、上記レーザ光の強度が一定になるように強度変調する。
【選択図】図1

Description

本発明は、オフセット成分の変動を抑制する光式ガス濃度検出方法及び光式ガス濃度検出装置に関する。
ガス分子は吸収帯と呼ばれる特定波長帯の光を吸収する性質を持っており、ガス濃度によって吸収量が左右されることから、この性質を利用してガスの濃度を検出することができる。この光式ガス濃度検出方法は、工業計測、公害監視などの分野で用いられる。この光を光ファイバで伝送することにより、ガスの遠隔検出ができる。
特許文献1等の従来技術においては、光源部では、半導体レーザの駆動電流を所定の電流値を中心として高周波数の正弦波で変調することにより、波長及び強度が変調されたレーザ光を発振させる。半導体レーザの駆動電流を三角波状に掃引することにより、発振波長を対象ガスの吸収帯を中心として所定の波長範囲を所定の掃引周期で掃引する。
このレーザ光を光ファイバに入射させて光学系に導き、光学系内の未知濃度の対象ガスを透過させる。透過光を光ファイバで受光検波部に導き、透過光を受光した受光信号から位相敏感検波により1倍検波信号と2倍検波信号を検波する。
1倍検波信号と2倍検波信号の比を変調中心波長の掃引周期分求めてガス信号とし、ガス信号の波形からピーク値(波高値)を求め、波高値から光学系内の対象ガスの濃度を検出する。
ガスにおける光の吸収係数の一般的な波長依存性(吸収特性)を図9に示す。図示のように、吸収帯のほぼ中央に光吸収の中心波長(ガスの吸収ピークの波長という)λがあり、この中心波長λにおいて吸収係数は最大値ΓG0となる。中心波長λの短波長側及び長波長側では吸収係数が小さくなる。
光式ガス濃度検出方法においては、レーザ光の波長を、対象ガスの吸収帯の中心波長λを中心にして、振幅Δλ、周波数ωで振動(変調)させる。このレーザ光が対象ガスを透過すると、図示の吸収特性(逆に見れば透過特性)から、波長振動周波数の倍波成分
(周波数2ω)の強度変調が生じる。この倍波成分を受光し検波することで、ガス濃度が検知できる。
特開平5−256769号公報
従来技術では、前述の受光信号、検波信号、ガス信号などにオフセット成分が存在し、オフセット成分が変動することが問題となっている。これに対し、従来技術では、受光信号、検波信号、ガス信号からオフセット成分を差し引くなどの信号処理を行って対処していた。
本発明者は、対象ガスとして主にメタンガスを考慮していたが、メタンガス以外のガス、例えば、プロパンガスなどを対象ガスとすることも検討している。プロパンガスはメタンガスと比較して吸収特性のピーク波形がなだらかであるため、レーザ光の波長は広い波長幅を掃引する必要がある。
また、複数種類のガス濃度を検出する際などにも、レーザ光の波長は広い波長幅を掃引する必要がある。
このように、レーザ光を広い波長幅にわたり掃引する場合、経時的なオフセット成分の変動がより大きく生じ、問題となっている。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、オフセット成分の変動を抑制する光式ガス濃度検出方法及び光式ガス濃度検出装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の光式ガス濃度検出方法は、波長変調され変調中心波長が所定の掃引範囲内で掃引されたレーザ光を出射させ、該レーザ光を被測定雰囲気に透過させ、該透過光を受光した受光信号から位相敏感検波により検波信号を検波し、該検波信号からガス濃度を示すガス信号を抽出する光式ガス濃度検出方法において、上記レーザ光の強度が一定になるように強度変調するものである。
強度変調したレーザ光の一部を分岐し、その分岐光の強度から強度変調の変調量を求めることにより、上記レーザ光の強度を一定にさせてもよい。
上記分岐光の強度と目標の強度とを比較し、その差から強度変調の変調量を求めてもよい。
制御信号に応じて透過率が変化する特性を有する強度変調器を用いて強度変調し、上記レーザ光の強度を一定にさせてもよい。
また、本発明の光式ガス濃度検出方法は、DBRレーザを用い、その光波長と光強度の制御により、波長が変調され変調中心波長が所定の掃引範囲内で掃引されると共に強度が一定のレーザ光を出射させ、該レーザ光を被測定雰囲気に透過させ、該透過光を受光した受光信号から位相敏感検波により検波信号を検波し、該検波信号からガス濃度を示すガス信号を抽出するものである。
本発明の光式ガス濃度検出装置は、波長変調され変調中心波長が所定の掃引範囲内で掃引されたレーザ光を出射させる光源部と、該レーザ光を被測定雰囲気に透過させる光学系と、該透過光を受光した受光信号から位相敏感検波により検波信号を検波する受光検波部と、該検波信号からガス濃度を示すガス信号を抽出する信号処理部とを備えた光式ガス濃度検出装置において、上記光学系に挿入され上記レーザ光の強度が一定になるように強度変調する強度変調部を備えたものである。
上記強度変調部は、透過する光の強度を変調する強度変調器と、該強度変調器を通ったレーザ光の一部を分岐する光分岐器と、その分岐光の強度から上記強度変調器に与える変調信号を求める制御回路を備えてもよい。
上記強度変調部は、上記レーザ光の強度と目標の強度との差を求める差分器と、その差に定数を乗じる乗算器と、その積を上記強度変調器の制御信号に加算する加算器を備えてもよい。
上記強度変調部は、制御信号に応じて透過率が変化する特性を有する強度変調器と、上記レーザ光の強度に応じて制御信号を制御する制御回路とを備えてもよい。
また、本発明の光式ガス濃度検出装置は、DBRレーザを用い、その光波長と光強度の制御により、波長が変調され変調中心波長が所定の掃引範囲内で掃引されると共に強度が一定のレーザ光を出射させる光源部と、該レーザ光を被測定雰囲気に透過させる光学系と、該透過光を受光した受光信号から位相敏感検波により検波信号を検波する受光検波部と、該検波信号からガス濃度を示すガス信号を抽出する信号処理部とを備えたものである。
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
(1)オフセット成分の変動を抑制することができる。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
従来技術では、光源部の半導体レーザとしてDFB(Distributed Feed Back)レーザを用いており、波長を振動させるためにDFBレーザの駆動電流を振動させている。これによりレーザ光は波長が振動するが、同時に強度も振動する。このことにより、対象ガスが存在しない状態でも、倍波成分を生じてしまう。また、所望する被測定雰囲気以外の光経路における特性の影響を大きく受けてしまう。つまり、検波信号から抽出したガス信号は、ガス濃度を示す真のガス信号に誤差成分が加わったものとなる。
本発明の要点は、強度が一定のレーザ光を被測定雰囲気に入射させることである。強度が一定のレーザ光を被測定雰囲気に入射させることにより、真のガス信号以外の倍波成分が抑制されるので、検出されるガス濃度の誤差を小さくすることができる。
図1に示されるように、本発明に係る光式ガス濃度検出装置1は、波長変調され変調中心波長が所定の掃引範囲内で掃引されたレーザ光を出射させる光源部2と、該レーザ光を被測定雰囲気に透過させる光学系3と、該透過光を受光した受光信号から位相敏感検波により検波信号を検波する受光検波部4と、該検波信号からガス濃度を示すガス信号を抽出する信号処理部5とを備えた光式ガス濃度検出装置において、上記光学系3に挿入され上記レーザ光を強度が一定になるように強度変調する強度変調部6を備えたものである。
光源部2は、三角波を生成する三角波生成回路21、三角波の電圧に比例した直流のバイアス電流を発生するバイアス電流発生回路22、バイアス電流を通過させ変調電流を遮断するインダクタ23、正弦波の変調電流を生成する発振器24、周波数が2倍の正弦波を生成する倍周器25、変調電流を通過させバイアス電流を遮断するコンデンサ26、DFBレーザ27、加熱・冷却用のペルチェ素子28、ペルチェ素子28を駆動する温度制御用電源29を備える。
この実施形態では、光学系3にn分岐する分岐器31を備え、分岐器31に一端を接続したn本の光ファイバ32のうち1本は他端を参照光用に直接、受光検波部4に接続し、他のn−1本は他端をガスセル33に接続し、ガスセル33の反対側からの光ファイバ34を受光検波部4に接続してある。
これに対応して受光検波部4内には、n個の受光素子41と位相検波回路42を備える。この構成は、複数箇所のガスセル33の透過光受光信号から同時に検波信号を検波するためのものである。光合波、時分割などの手段により、個々のガスセル33の透過光受光信号から逐次、検波信号を検波するようにすれば、受光素子41、位相検波回路42の個数は少なくできる。
受光検波部4は、信号記憶部43を備え、検波信号を所定サンプリング周波数でデジタルサンプリングすることにより、光源部2における変調中心波長の掃引と同期した1掃引時間分の検波信号をひとまとまりのデータとして記憶することができる。
信号処理部5は、受光検波部4の検波信号からガス濃度を示すガス信号を抽出するものであり、抽出したガス信号から公知の手順によりガス濃度を演算するようになっている。
なお、ガス信号は、1倍検波信号と2倍検波信号の比をガス信号とする方法、2倍検波信号をそのままガス信号とする方法、透過光受光信号からローパスフィルタ等によりDC
(直流)成分信号を検知し、DC成分信号と2倍検波信号の比をガス信号とする方法などがある。
強度変調部6は、図2に示されるように、透過する光の強度を変調する強度変調器61と、該強度変調器61を通ったレーザ光の一部を分岐する光分岐器(カプラ)62と、その分岐光の強度から上記強度変調器61に与える変調信号を求める制御回路63とを備える。
制御回路63は、図3に示されるように、強度モニタ用の受光素子(例えば、フォトダイオード;PD)64、モニタ信号をデジタル変換するA/D変換器65、モニタ信号のデータ列から変調信号のデータ列を演算するマイコン66、データ列をアナログ変換して変調信号にするD/A変換器67を備える。
強度変調部6は、(1)式の演算を実行するものである。
=yn−1+a(xn−1−x) (1)
;n番目の制御電圧
a;定数
;n番目のモニタ値
;制御目標値
強度変調部6は、(1)式の等価回路として、図4に示されるように、レーザ光の強度(モニタ電圧)と目標の強度(目標電圧)との差を求める差分器601と、その差に定数を乗じる乗算器602と、その積を上記強度変調器61の制御信号に加算する加算器603とを備える。
強度変調部6は、制御信号が大きいと透過率が小さくなる特性を有する強度変調器61と、上記レーザ光の強度が大きいとき制御信号を大きくする制御回路63とを備える。すなわち、強度変調器61は、図5に示されるように、制御信号が大きいと透過率が小さくなる特性を有する。よって、強度変調部6は、レーザ光の強度が大きくなると制御回路63により制御信号を大きくして強度変調器61の透過率を小さくさせることで、レーザ光の強度を一定にさせることができる。
以下、本発明の光式ガス濃度検出装置1におけるガス濃度検出の原理を説明する。
ガス濃度検出の原理を理論的に考察すると、光源(例えば、レーザダイオード;LD)の駆動電流iは角周波数ωで変調されており、(2)式に示す時間変化をしている。
i=i+isin(ωt) (2)
このとき、光源は、図6に示されるように、駆動電流が大きくなると波長が大きくなり、駆動電流が大きいほど波長の増加分が大きいという特性を有する。よって、LDの波長λ(i)は、(3)式に示す時間変化をする。
Figure 2008298638
受光素子41で検出する受光電流Iは、(4)式で表される。
I=E(λ)×P(i)×Γ(λ)×Γ(λ) (4)
E(λ);PDの光波長−受光電流変換係数
P(i);LDの駆動電流−光強度特性
Γ(λ);ガス以外の光透過経路の光波長−透過特性
Γ(λ);ガスの光波長−透過特性
上記(4)式に(2)式、(3)式を代入してテイラー展開し、sin(ωt)の項を倍角の公式でcos(2ωt)に変換してまとめたものが2F成分(2倍検波信号)にあたる。2F成分I(2)を(5)式に示す。
Figure 2008298638
ここで、(5)式右辺の中括弧内第1項は、図7に示した光源のi−p特性(駆動電流−光強度特性)によるものである。このi−p特性は、駆動電流が大きくなると光強度が大きくなり、駆動電流が大きいほど光強度の増加率が低いという特性である。ほとんどのLDでは、図7のi−p特性のグラフは上に凸の形となり、2階微分した成分が存在している。ガス雰囲気透過光の2F成分I(2)である(5)式中、 第1項は、6つの項の中で一番大きい。
第2項は、ガス信号そのものである。
第3項は、ガスの透過特性を波長により1階微分した項と強度変調項との積であり、ガス濃度をあらわしているが、図9のガスの透過特性(吸収特性)のピーク波長λ付近では0になる。
第4項は、ガス以外の透過特性を波長で2階微分した項である。
第5項は、ガス以外の透過特性を波長で1階微分した項と強度変調項を1階微分した項との積であり、ガス以外の信号成分である。
第6項は、ガスの透過特性の波長による微分とガス以外の透過特性の波長による微分を乗算したものである。第6項は、ガス濃度に比例するが、ガス以外の透過特性の波長微分が時間とともに変化する特徴があるため、ガス濃度検出の障害となるノイズ項である。ここで、ガスによる吸収のピーク波長では、∂Γ/∂λが0になるため、この第6項はなくなる。
以上の考察から、ガス以外の信号成分は、第1項、第4項、第5項である。
本発明により光源光の強度変調成分をなくすと、仮に光源光を直接PDで検出すると、その検出信号が常に一定となる。つまり、EP=一定なので、∂EP/∂λ=0及び∂EP/∂λ=0となる。
(5)式の第1項は、∂EP/∂λ=0を因数とするので0となる。第3項と第5項は、それぞれ∂EP/∂λ=0を因数とするので0となる。
第4項は、ガス以外の光伝送路の透過特性の2階微分を含んでいる。ここで、通常の光ファイバや空気の吸収特性には急峻なピークがないので、∂Γ/∂λの大きさは、第2項と比較して小さくなっている。よって、第4項を無視できる。
Figure 2008298638
(6)式から分かるように、光源の強度変調成分をなくすと、ガス信号項のみが残るため、純粋にガス濃度検出が可能となる。光源の強度変調成分をなくす代わりに、光源からガスセルにレーザ光を導く光学系の途中でレーザ光を強度が一定になるように強度変調しても、同様の効果が得られることは明らかである。
以上考察したガス濃度検出の原理によれば、図1の光式ガス濃度検出装置1は、光学系3に強度変調部6が挿入されており、強度が一定になるように強度変調されたレーザ光を被測定雰囲気に透過させるので、純粋にガス濃度検出が可能となる。
すなわち、従来技術では、ガス雰囲気透過光の2F成分I(2)である(5)式の第1項から第6項まですべてを2倍波成分として検波していた。このうち、第1項、第4項、第5項はガスとは無関係のノイズ項であり、これがオフセット成分となった。
純粋なガス信号項(第2項)は、波長掃引範囲中、ガスの光吸収波長から外れた波長では0に近くなり、ガスの光吸収波長では大きい値を示す。これに対し、第1項、第5項はガスの光吸収波長から外れた波長でも値を持ち、波長の変化に対して緩やかな変化を示す。第1項、第5項は、周囲の環境(温度、湿度、圧力、光ファイバ経路の曲げの変化、その他)の影響を受けて時間的に変化する。本発明では、第1項、第5項がなくなるので、周囲環境の影響をなくすることができる。
また、従来技術でメタンガスの濃度検出を行う場合ではあまり問題とならなかったオフセット成分がプロパンガスの濃度検出を行う場合には問題となった。すなわち、メタンガスの吸収ピークはプロパンガスの吸収ピークと比較し、∂Γ/∂λが小さくなるため、ガス信号項(第2項)が小さくなり、感度が減る。そこで、プロパンガスの濃度検出においては、∂Γ/∂λの効果を最大限に発揮するために、変調電流振幅巾iを約3倍大きくした。
これにより、(5)式の第2項は、メタンガスと比較し微分項が1/50に対しi が乗算されていることを考慮して、約1/5倍になる。一方、ノイズ項である第1項、第5項は、微分した部分に変化はなく、i が乗算されているので、約9倍大きくなり、周囲環境の影響も約9倍大きくなる。
従来技術でメタンガスの濃度検出を行う場合、第1項、第5項をオフセット成分として波形から信号処理により取り除く工夫をしており、周囲環境による影響は最低感度以下に抑えることができていた。プロパンガスの濃度検出を行う場合、最低感度はメタンガスと同じであり、信号強度が1/5になり、ノイズ項が約9倍になったため、オフセット成分除去がうまくいかなくなった。
本発明では、第1項、第5項を消し去ることができるので、オフセット成分を除去することができ、精度の高いガス濃度検出をすることが可能となる。
次に、光式ガス濃度検出装置1の動作を図1〜図4により説明する。
光源部2において、温度制御用電源29によりペルチェ素子28を駆動してDFBレーザ27を加熱・冷却して所定温度に保つ。発振器24による正弦波の変調電流をコンデンサ26によってDFBレーザ27に印加すると共に、三角波生成回路21の三角波に基づいてバイアス電流発生回路22により発生させたバイアス電流をインダクタ23によってDFBレーザ27に印加する。これにより光源部2は、波長及び強度が変調され変調中心波長が所定の掃引範囲内で掃引されたレーザ光を出射することになる。なお、変調中心波長の掃引はペルチェ素子28により、DFBレーザ27の温度を変化させることにより行うことも可能である。
光源部2から出射し強度変調部6に入射したレーザ光は、強度変調器61を透過する。
強度変調器61を透過したレーザ光は、カプラ62で分岐され、一方の分岐光は分岐器31を介して各ガスセル33に導かれる。もう一方の分岐光は制御回路63に入射する。制御回路63がこの分岐光を参照して強度変調器61に与える変調信号を制御することで強度変調器61を通過したレーザ光の強度を一定に変調することができる。
これにより、各ガスセル33に導かれるレーザ光は、強度が一定であって、波長が変調されているため、純粋にガス濃度検出が可能となる。
制御回路63の内部では、レーザ光の強度が受光素子64でモニタされ、モニタ信号がA/D変換器65において所定時間刻みΔtでデジタル変換される。マイコン66は、モニタ信号のデータ列から変調信号のデータ列を演算する。D/A変換器67は、変調信号のデータ列をアナログ変換して変調信号とし、強度変調器61に出力する。
マイコン66では、前述の(1)式に基づき、n−1番目のモニタ値xn−1から制御目標値xを減算し、その差に定数aを乗算する。この積をn−1番目の制御電圧yn−1に加算する。この動作は、図4の等価回路の動作に相当する。
ここで、強度変調部6における強度変調の制御が適正であれば、モニタ値xn−1と制御目標値xが等しいため、制御電圧yn−1に加算する値は0であり、制御電圧yは制御電圧yn−1から変化しない。
モニタ値xn−1が制御目標値xより大きい場合、定数aが正とすると、制御電圧yは制御電圧yn−1より大きくなる。強度変調器61は、図5に示されるように、制御信号が大きいと透過率が小さくなる特性を有する。よって、負帰還が行われることになり、レーザ光の強度を目標値に一定に制御(強度変調)することができる。
モニタ値xn−1と制御目標値xとの差だけでなく、微分値及び積分値を補正成分として加えて使用することも可能である。微分項の比例係数をb、積分項の比例係数をcとすると、(1)式は(7)式に書き替えられる。
Figure 2008298638
図3の制御回路63は、主要部がデジタル回路であるが、マイコン66による演算を図4の等価回路に相当するアナログ回路で行うようにすれば、制御回路63全体をアナログ回路で構成することができる。
上記実施形態では、光源にDFBレーザを用いたが、他の実施形態として、光源にDBR(Distributed Bragg Reflector)レーザを用いることにより光強度を一定とすることができる。DBRレーザは波長制御と光強度制御とを同時に行うことが可能であるので、波長については中心波長(ガスの吸収ピーク波長)λを中心にΔλの振幅で振動する制御を行い、光強度についてはオートパワーコントロールをすることで、波長は振動し光強度は一定のレーザ光を出射することができる。
例えば、図8に示されるように、三角波生成回路81、バイアス電流発生回路82、発振器83からの各信号を加算してDBRレーザ84の波長制御端子に入力し、APC回路85からの信号をDBRレーザ84のレーザ駆動端子に入力することにより、光源部86を構成し、図1の光源部2に代える。
本発明の一実施形態を示す光式ガス濃度検出装置の構成図である。 本発明の光式ガス濃度検出装置に用いる強度変調部の詳細構成図である。 本発明の強度変調部に用いる制御回路の詳細構成図である。 本発明の強度変調部の等価回路図である。 本発明の強度変調部に用いる強度変調器の電圧透過率特性図である。 本発明に用いるLDの駆動電流発光波長特性図である。 本発明に用いるLDの駆動電流光強度特性図である。 本発明の他の実施形態を示す光式ガス濃度検出装置の光源部の構成図である。 一般的なガスにおける波長光吸収特性図である。
符号の説明
1 光式ガス濃度検出装置
2 光源部
3 光学系
4 受光検波部
5 信号処理部
6 強度変調部
27 DFBレーザ

Claims (10)

  1. 波長変調され変調中心波長が所定の掃引範囲内で掃引されたレーザ光を出射させ、該レーザ光を被測定雰囲気に透過させ、該透過光を受光した受光信号から位相敏感検波により検波信号を検波し、該検波信号からガス濃度を示すガス信号を抽出する光式ガス濃度検出方法において、上記レーザ光の強度が一定になるように強度変調することを特徴とする光式ガス濃度検出方法。
  2. 強度変調したレーザ光の一部を分岐し、その分岐光の強度から強度変調の変調量を求めることにより、上記レーザ光の強度を一定にさせることを特徴とする請求項1記載の光式ガス濃度検出方法。
  3. 上記分岐光の強度と目標の強度とを比較し、その差から強度変調の変調量を求めることを特徴とする請求項2記載の光式ガス濃度検出方法。
  4. 制御信号に応じて透過率が変化する特性を有する強度変調器を用いて強度変調し、上記レーザ光の強度を一定にさせることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の光式ガス濃度検出方法。
  5. DBRレーザを用い、その光波長と光強度の制御により、波長が変調され変調中心波長が所定の掃引範囲内で掃引されると共に強度が一定のレーザ光を出射させ、該レーザ光を被測定雰囲気に透過させ、該透過光を受光した受光信号から位相敏感検波により検波信号を検波し、該検波信号からガス濃度を示すガス信号を抽出することを特徴とする光式ガス濃度検出方法。
  6. 波長変調され変調中心波長が所定の掃引範囲内で掃引されたレーザ光を出射させる光源部と、該レーザ光を被測定雰囲気に透過させる光学系と、該透過光を受光した受光信号から位相敏感検波により検波信号を検波する受光検波部と、該検波信号からガス濃度を示すガス信号を抽出する信号処理部とを備えた光式ガス濃度検出装置において、上記光学系に挿入され上記レーザ光の強度が一定になるように強度変調する強度変調部を備えたことを特徴とする光式ガス濃度検出装置。
  7. 上記強度変調部は、透過する光の強度を変調する強度変調器と、該強度変調器を通ったレーザ光の一部を分岐する光分岐器と、その分岐光の強度から上記強度変調器に与える変調信号を求める制御回路を備えたことを特徴とする請求項6記載の光式ガス濃度検出装置。
  8. 上記強度変調部は、上記分岐光の強度と目標の強度との差を求める差分器と、その差に定数を乗じる乗算器と、その積を上記強度変調器の制御信号に加算する加算器を備えたことを特徴とする請求項7記載の光式ガス濃度検出装置。
  9. 上記強度変調部は、制御信号に応じて透過率が変化する特性を有する強度変調器と、上記レーザ光の強度に応じて制御信号を制御する制御回路とを備えたことを特徴とする請求項6〜8いずれか記載の光式ガス濃度検出装置。
  10. DBRレーザを用い、その光波長と光強度の制御により、波長が変調され変調中心波長が所定の掃引範囲内で掃引されると共に強度が一定のレーザ光を出射させる光源部と、該レーザ光を被測定雰囲気に透過させる光学系と、該透過光を受光した受光信号から位相敏感検波により検波信号を検波する受光検波部と、該検波信号からガス濃度を示すガス信号を抽出する信号処理部とを備えたことを特徴とする光式ガス濃度検出装置。
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