JP6673774B2 - 中赤外レーザ光源およびレーザ分光装置 - Google Patents

中赤外レーザ光源およびレーザ分光装置 Download PDF

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Description

本発明は、波長変換素子を用いた中赤外レーザ光源に係り、特にレーザ光出力の揺らぎが少なく吸収分光に適した中赤外レーザ光源、および中赤外レーザ光源を用いたレーザ分光装置に関するものである。
環境保護や安全衛生上の観点からCH4、CO2、CO、N2Oなどの温室効果ガス、NOx、SOx、アンモニア類等の環境ガス、多くの有機系ガスまたは残留農薬等の極微量ガス分析技術の確立が強く望まれている。ガス濃度を検出する一手法として、被測定ガスにレーザ光を当て、その吸収特性を観測する手法が知られている。
ガスは、それぞれ特有の吸収線を有しているので、吸収線付近の波長を有するレーザ光を波長掃引し、吸収スペクトルを観測することによりガス濃度を計測することができる。これらの被測定物質の吸収線の多くは波長2μm以上の中赤外領域に、原子間結合の振動モードに起因する基本振動またはその低次の倍音として存在している。したがって、特に波長2μm以上の中赤外領域において、高感度でガスの吸収線を測定できる光吸収測定への期待が高まっている。
2μm帯〜5μm帯の波長領域において室温で安定にCW(Continuous Wave)光を出力できる光源として、非線形光学定数を周期的に変調する擬似位相整合型波長変換素子による差周波発生を利用した光源が多数発表されている(例えば、非特許文献1参照)。この光源は、波長変換素子に入力する励起光、および信号光として、技術的に安定した波長2μm以下の半導体レーザを用いることができるので、実用化が容易である。
非線形定数の周期変調構造を形成するためには、非線形定数の符号を交互に反転するか、あるいは非線形定数が大きい部分と小さい部分をほぼ交互に配置する方法が考えられる。LiNbO3のような強誘電体結晶においては、非線形定数の正負は自発分極の極性に対応するため、自発分極を反転することにより非線形定数の符号を反転することができる。
図12に、差周波発生を基にした波長変換素子の構成を示す。図12に示される波長変換素子10は、光導波路12が形成されたLiNbO3基板11と、光合波器15と、信号光13及び励起光14をそれぞれ出力する2個の半導体レーザ(図示せず)とから構成される。信号光13と励起光14は光合波器15で合波され、周期的に分極反転されたLiNbO3基板11に形成された光導波路12に入射される。光導波路12では、信号光13と励起光14との差周波光である変換光(idler光)16が発生する。励起光の波長をλa、信号光の波長をλb、変換光の波長をλcとすると、これら3つの波長は以下の式(1)を満たす。
1/λc=1/λa−1/λb ・・・(1)
例えば、励起光波長λaを1.06μm、信号光波長λbを1.56μmとすれば、変換光波長λc=3.31μmの中赤外光を発生させることができる。
図13に波長変換素子を用いた従来の差周波発生(波長変換)光源を示す。この光源は、図12で説明した波長変換素子10と、光合波器15と、励起光光源17と、信号光光源18とから構成されている。励起光波長λaを固定し、信号光波長λbを変化させると、式(1)に従い変換光波長λcが変化する。もしくは信号光波長λbを固定し、励起光波長λaを変化させると、同様に変換光波長λcが変化する。この事を利用して、変換光波長λcを変化させ、中赤外域における測定対象の吸収線形状を観測する。
微小濃度のガスを観測する場合、その吸収強度が1%以下という事もある。吸収強度が1%を切ると、ノイズやベースラインの揺らぎによって吸収線強度を正確に把握することは困難になってくる。そこで、非特許文献2や非特許文献3に記載の吸収線の2次微分成分を観測する波長変調分光法(WMS:wavelength modulation spectroscopy)等が用いられる。この方法は、観測のために用いるレーザ光の波長に周波数fの微小な正弦波変調を施し、ロックイン増幅器で変調周波数の2倍の周波数2fで変調に対して応答する成分を観測する方法である。
多くの場合、レーザ光の変調は、分布帰還型レーザダイオード(DFB−LD:Distributed FeedBack Laser Diode)の注入電流を変化させることにより実行される。吸収線形状を観測するためには、吸収線の波長依存性を観測する必要があるので、周波数fの微小な正弦波に加えて、変化量の大きい鋸歯状波もしくは三角波を重畳してDFB−LDの電流注入量を変調させる。
図14、図15に差周波光源において波長変調分光法を行う場合の一般的な光源構成を示す。この光源は、波長変換素子10と、光合波器15と、励起光光源17と、信号光光源18と、ファイバアンプ19と、信号発生器21と、光検出器22と、ロックイン増幅器23と、濃度演算・表示器24とから構成されている。励起光光源17には、光出力の増強のため、ファイバアンプ19が設けられている。
図14の構成では、信号発生器21は、励起光光源17への注入電流を周波数fの正弦波信号で変調することにより、励起光光源17から出力される励起光に周波数fの微小な正弦波変調を施す。光合波器15は、ファイバアンプ19によって増幅された励起光と信号光光源18からの信号光とを合波する。励起光と信号光の合波光が波長変換素子10に入射すると、上記のとおり励起光と信号光との差周波光である変換光が発生し、この変換光が測定対象20(ガス)に照射される。
光検出器22は、測定対象20を透過した光を検出して電気信号に変換する。ロックイン増幅器23は、光検出器22から出力される検出信号のうち、信号発生器21から出力される周波数2fの参照信号に応じて周波数2fの成分を取り出す。濃度演算・表示器24は、ロックイン増幅器23が取り出した成分を基に測定対象20の濃度を演算して、演算結果を表示する。
一方、図15の例では、信号発生器21は、信号光光源18への注入電流を周波数fの正弦波信号で変調することにより、信号光光源18から出力される信号光に周波数fの微小な正弦波変調を施す。このように、変調可能な光源が2つある場合はどちらか一方に変調を施せばよい。
また、上記のとおり、測定対象20の吸収線の波長依存性を測定する必要があるので、励起光光源17への注入電流または信号光光源18への注入電流のいずれかを変化量の大きい鋸歯状波もしくは三角波で変調することにより、励起光または信号光のいずれかを波長掃引する。このように、測定対象20の吸収線の波長依存性を測定するための鋸歯状波もしくは三角波に関しても2つの光源のどちらかの注入電流に重畳させるようにすればよく、正弦波変調と同じ光源であってもよいし、異なる光源であってもよい。
前述したように光源の波長を掃引して対象の吸収スペクトルを取得し、吸収線のピーク値を検出する方法とは別の濃度測定の例として、光源の波長をロックする方法がある。図14、図15で説明したスペクトル方式が、吸収線形状の変化を捉えて吸収線のピーク位置を特定するのに対し、波長ロック方式は、吸収線のピーク位置をあらかじめ調べておき、レーザ波長をピークの位置にロック(固定)してピークの値をモニタし続ける方式である。
この波長ロック方式は、スペクトル方式と比較して、吸収線のピーク値のみをモニタするためデータの積算に有利であり、統計処理によりランダムノイズを低減しやすいというメリットを有する。この場合、レーザ波長がピーク位置からずれない事が重要となるが、この波長ずれに対する対策の例としては、特許文献1に開示されているように各々の構成LDの波長を、エタロンを用いてロックするエタロンロック方法がある。エタロンを透過した光は、エタロン媒質の屈折率と共振器長で決定される周波数(波長)周期で強度変化するため、特定の強度を維持するようにフィードバック制御を行うことで波長を固定する方法である。エタロンロック方法を採用した光源構成を図16に示す。
図16の構成では、励起光光源17から出力される励起光の一部を光分波器25で取り出し、この光をエタロン26に入射させる。PID/制御ドライバ27は、エタロン26を透過した光の強度を基に励起光の波長が安定するように、励起光光源17への注入電流を制御する。同様に、信号光光源18から出力される信号光の一部を光分波器28で取り出し、この光をエタロン29に入射させる。PID/制御ドライバ30は、エタロン29を透過した光の強度を基に信号光の波長が安定するように、信号光光源18への注入電流を制御する。また、図16の構成では、位相変調器31が、信号発生器21からの周波数fの正弦波信号に応じて、信号光に周波数fの正弦波変調を施す。
しかしながら、図16に示した構成では、測定対象のガスの吸収線の波長に合うように励起光光源17と信号光光源18の波長ロック点を調整するために手間がかかる。また、波長のロック点はエタロン26,29により決められるため、万一エタロン26,29の特性が変化し、波長ロック点が対象とするガスの吸収線から外れてしまっても、波長ロック点のずれを検知して修正することが不可能となる。
このような問題を回避するために、ガスの吸収線に合わせて光源の波長をロックする事が望ましい。そのための方法としては、非特許文献4に記載のように光路を2分岐し、一方を測定対象のガスを透過する光路とし、もう一方を既知の参照ガスを透過する光路とした上で参照ガスの吸収線を利用してフィードバック制御を行い、光源の波長をロックする方法が知られている。
特開2015−76467号公報
D.G.Lancaster et al.,"High-power continuous-wave mid-infrared radiation generated by difference frequency mixing of diode-laser-seeded fiber amplifiers and its application to dual-beam spectroscopy",Optics Letters,Vol.24,No.23,p.1744-1746,1999 O.Tadanaga,M.Asobe,Y.Nishida,H.Miyazawa,K.Yoshino,H.Suzuki,"763-nm Laser Light Source for Oxygen Monitoring Using Second Harmonic Generation in Direct-Bonded Quasi-Phase-Matched LiNbO3 Ridge Waveguide",IEICE Trans.Electron,Vol.E89-C,No.7,p.1115-1117,2006 I.Linnerud et al.,"Gas monitoring in the process industry using diode laser spectroscopy",Applied Physics B,Vol.67,p.297-305,1998 "生体・環境計測へ向けた近赤外光センシング技術",株式会社サイエンスフォーラム発行,ISBN4−916164−24−5,pp.269−276,1999年
近赤外領域で広く用いられている光源では、光源を構成しているDFB−LDが1つであり、光源の構成の仕方は分かりやすく容易である。しかしながら、差周波発生を利用した波長変換光源では、光源を構成しているDFB−LDが複数であるため、非特許文献4のように簡単な波長ロック方法を採用することはできない。複数のLDをどのように用いてレーザ光波長を吸収線のピークの位置に固定すると吸収分光にとって望ましいかについての知見は従来明らかになっていなかった。
本発明の目的は、上記のような従来技術の問題を鑑みて、データの積算に有利な、測定対象吸収線の波長に出力波長をロックする方式を採用した光源であって、波長ロック時のレーザ光出力の揺らぎが少なく吸収分光に適した中赤外レーザ光源を提供することである。
また、本発明の目的は、従来に比してより高感度な濃度計測が可能なレーザ分光装置を提供することである。
また、本発明の中赤外レーザ光源は、周期的に分極反転された2次非線形光学材料からなる光導波路を備え、中赤外レーザ光源の出力光を得るための第1の波長変換素子と、この第1の波長変換素子と同一構造の第2の波長変換素子と、出力波長が異なる第1、第2の半導体レーザと、前記第1の半導体レーザの波長を変調する波長変調手段と、前記第1、第2の半導体レーザの光出力をそれぞれ分岐させる第1、第2の光分波器と、前記第1の光分波器によって分岐された前記第1の半導体レーザの一方の光出力と前記第2の光分波器によって分岐された前記第2の半導体レーザの一方の光出力とを合波した光を、前記第1の波長変換素子に入射させる第1の光合波器と、前記第2の波長変換素子から出力されたレーザ光の波長をロックするための参照物質が封入された参照セルと、前記第2の光分波器によって分岐された前記第2の半導体レーザの他方の光出力の波長を所定の量変化させる波長シフト手段と、前記第1の光分波器によって分岐された前記第1の半導体レーザの他方の光出力と前記波長シフト手段の光出力とを合波した光を、前記第2の波長変換素子に入射させる第2の光合波器と、前記第2の波長変換素子から出力され前記参照セルを透過した光信号を基に、前記第2の波長変換素子から出力されたレーザ光の波長が所望の波長になるように前記第1の半導体レーザの波長を制御する第1の帰還制御手段とを備え、波長を変調する半導体レーザと参照セルを透過した光信号出力を基に波長を制御する半導体レーザを、前記第2の波長変換素子の端面反射率が低い方の波長を出力する前記第1の半導体レーザに統一することを特徴とするものである。
また、本発明の中赤外レーザ光源の1構成例において、前記波長シフト手段による波長の変化量は、前記第1の波長変換素子から出力されるレーザ光の波長と前記参照物質の吸収線の波長との差が所望の値になるように設定される。
また、本発明の中赤外レーザ光源の1構成例は、さらに、前記第2の半導体レーザから出力されたレーザ光の一部を分岐させる第3の光分波器と、この第3の光分波器によって分岐された光を入力とするエタロンと、このエタロンを透過した光信号を基に、前記第2の半導体レーザから出力されたレーザ光の波長が所望の波長になるように制御する第2の帰還制御手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の中赤外レーザ光源の1構成例において、前記第1の帰還制御手段は、前記参照セルを透過した光信号を検出する光検出器と、この光検出器から出力される検出信号のうち、前記第1の半導体レーザの変調周波数と同一または3倍の周波数の信号を取り出すロックイン増幅器と、このロックイン増幅器が取り出した信号を基に前記第1の半導体レーザの注入電流を制御する制御回路とから構成されることを特徴とするものである。
また、本発明の中赤外レーザ光源の1構成例において、前記光導波路は、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、ZnもしくはMgが添加されたニオブ酸リチウム、ZnもしくはMgが添加されたタンタル酸リチウム、またはこれらの材料の混晶のいずれかから構成されていることを特徴とするものである。
また、本発明のレーザ分光装置は、中赤外レーザ光源と、前記中赤外レーザ光源から出力され測定対象を透過した光信号を基に、前記測定対象の濃度を演算する濃度演算手段とを備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、波長変換素子と第1、第2の半導体レーザと波長変調手段と光合波器と参照セルと光分岐手段と第1の帰還制御手段とを設け、波長を変調する半導体レーザと参照セルを透過した光信号出力を基に波長を制御する半導体レーザを、波長変換素子の端面反射率が低い方の波長を出力する第1の半導体レーザに統一することにより、測定データの積算に有利な、測定対象吸収線の波長にレーザ波長をロックする方式を採用した中赤外レーザ光源において、波長ロック時のレーザ光出力の揺らぎが少なく吸収分光に適した構成を実現することができる。その結果、本発明の中赤外レーザ光源を用いることで、従来に比してより高感度な濃度計測が可能なレーザ分光装置を実現することができ、従来測定できなかった微量な物質の検出やより狭い空間における測定が可能となる。
また、本発明では、光分波器とエタロンと第2の帰還制御手段とを設けることにより、より高精度の濃度計測が可能なレーザ分光装置を実現することができる。
また、本発明では、第1、第2の波長変換素子と第1、第2の半導体レーザと波長変調手段と第1、第2の光分波器と第1、第2の光合波器と参照セルと波長シフト手段と第1の帰還制御手段とを設け、波長を変調する半導体レーザと参照セルを透過した光信号出力を基に波長を制御する半導体レーザを、第2の波長変換素子の端面反射率が低い方の波長を出力する第1の半導体レーザに統一することにより、参照セル内の参照物質が測定対象と異なる場合でも、中赤外レーザ光源の波長を測定対象の吸収線の波長にロックすることが可能となり、波長ロック時のレーザ光出力の揺らぎが少なく吸収分光に適した中赤外レーザ光源を実現することができる。その結果、本発明の中赤外レーザ光源を用いることで、従来に比してより高感度な濃度計測が可能なレーザ分光装置を実現することができ、従来測定できなかった微量な物質の検出やより狭い空間における測定が可能となる。
本発明の第1の実施の形態に係るレーザ分光装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態におけるレーザ光源の波長ロックのための信号のスペクトルを示す図である。 本発明の第1の実施の形態においてフィードバック制御が行われない側の励起光の波長がずれた場合の2f信号のスペクトルを示す図である。 本発明の第1の実施の形態において波長ロックを行った場合の2f信号の時間変化を示す図である。 波長変調を施す光源とフィードバック制御を施す光源を分離した場合においてフィードバック制御が行われない側の励起光の波長がずれた場合の2f信号のスペクトルを示す図である。 波長変調を施す光源とフィードバック制御を施す光源を分離した場合において波長ロックを行った場合の2f信号の時間変化を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係るレーザ分光装置を用いて様々な濃度のガスを測定して作成した検量線を示す図である。 波長変調を施す光源とフィードバック制御を施す光源を分離したレーザ分光装置を用いて様々な濃度のガスを測定して作成した検量線を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係るレーザ分光装置の構成を示すブロック図である。 エタロンに入射する光の波長とエタロン透過後の光を検出する光検出器の出力との関係の1例を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係るレーザ分光装置の構成を示すブロック図である。 差周波発生を基にした波長変換素子の構成を示す図である。 波長変換素子を用いた従来の差周波発生光源の構成を示すブロック図である。 差周波光源において波長変調分光法を行う場合の一般的な光源構成を示すブロック図である。 差周波光源において波長変調分光法を行う場合の一般的な光源の他の構成を示すブロック図である。 エタロンを使った波長ロック方法を採用した従来の光源の構成を示すブロック図である。
[第1の実施の形態]
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1に本発明の第1の実施の形態に係るレーザ分光装置の構成を示す。
レーザ分光装置は、中赤外レーザ光源と、測定対象のガスが封入された測定対象セル109を透過した光を集光する集光レンズ112と、集光レンズ112によって集光された光を検出する光検出器114と、光検出器114から出力される検出信号のうち、後述する信号発生器から出力される周波数2fの参照信号に応じて周波数2fの成分を取り出すロックイン増幅器118と、ロックイン増幅器118が取り出した成分を基に測定対象のガスの濃度を演算して、演算結果を表示する濃度演算・表示器119(濃度演算手段)とを備えている。
本実施の形態の中赤外レーザ光源は、DFB型半導体レーザからなる励起光光源100と、同じくDFB型半導体レーザからなる信号光光源101と、周波数fの正弦波信号を信号光光源101への注入電流に重畳させる信号発生器102(波長変調手段)と、励起光光源100からの励起光を増幅するファイバアンプ103と、光カプラ等からなる光合波器104と、周期的に分極反転された2次非線形光学材料からなる光導波路を備えた波長変換素子105と、波長変換素子105から出力された光を平行光化するコリメータ106と、不要な光を除去するための光学フィルタ107と、波長変換素子105から出力された光を分岐させる分岐ミラー108と、分岐ミラー108によって分岐された一方の光を反射するミラー111と、参照物質が封入された参照セル110を透過した光を集光する集光レンズ113と、集光レンズ113によって集光された光を検出する光検出器115と、光検出器115から出力される検出信号のうち、信号発生器102から出力される周波数3fの参照信号に応じて周波数3fの成分を取り出すロックイン増幅器116と、ロックイン増幅器116が取り出した成分を基に信号光光源101へフィードバック(帰還)制御を行うPID制御回路117とから構成される。
分岐ミラー108は、光分岐手段を構成している。光検出器115とロックイン増幅器116とPID制御回路117とは、第1の帰還制御手段を構成している。
励起光光源100から出力される励起光は、ファイバアンプ103によって増幅される。信号発生器102は、信号光用のレーザドライバ(不図示)を介して、信号光光源101の注入電流を周波数fの正弦波信号で変調することにより、信号光光源101から出力される信号光に周波数fの微小な正弦波変調を施す。光合波器104は、ファイバアンプ103によって増幅された励起光と信号光光源101からの信号光とを合波する。励起光と信号光の合波光が波長変換素子105に入射すると、非線形光学効果により励起光と信号光との差周波光である変換光が発生する。波長変換素子105の構造は図12と同様である。
コリメータ106は、波長変換素子105の出力光を絞って平行光化する。光学フィルタ107は、波長変換素子105の出力光から、不要となる信号光および励起光を除去する。分岐ミラー108は、光学フィルタ107を通過した変換光を分岐させ、一方の光を測定対象セル109に入射させる。ミラー111は、分岐ミラー108によって分岐された他方の光を反射させ、参照セル110に入射させる。
参照セル110は、波長ロックを行う吸収線を測定するためのセルであり、通常、参照物質として、測定対象と同じガスが充填されているが、参照物質は、測定対象と等しい波長位置に吸収線をもつガスであればよく、測定対象と異なるガスであってもよい。
集光レンズ112は、測定対象セル109を透過した光を集光して光検出器114に入射させる。集光レンズ113は、参照セル110を透過した光を集光して光検出器115に入射させる。光検出器114,115は、それぞれ入射光を電気信号に変換する。
なお、図1の例では、光増幅器として、励起光を増幅するためのファイバアンプ103を設けているが、信号光を増幅するための光増幅器を設けてもよい。また、図1の例では、波長変換素子105の後にコリメータ106と光学フィルタ107を設け、光検出器114,115の前に集光レンズ112,113を設けているが、これらは必須の構成ではなく、これらの構成を設けなくてもよい。
図1の構成では、中赤外レーザ光源の波長をロックするために信号光光源101の波長を制御し、この制御のために参照セル光路の信号を利用する。参照セル光路の信号は光検出器115によって検出される。ロックイン増幅器116は、光検出器115から出力される検出信号のうち、信号発生器102から出力される参照信号に応じた周波数の成分を取り出す。PID制御回路117は、ロックイン増幅器116が取り出した成分を基に信号光光源101の注入電流を制御することによって、信号光光源101の波長をロックするためのフィードバック制御を行う。
通常良く用いられるフィードバック制御の方法を説明する。微小な吸収の測定では、変調周波数fの2倍波である2fの周波数応答成分をロックイン増幅器で検出する2f検波が広く用いられる。2f信号はガスの吸収線の波長位置で上に凸のピーク構造を持つ。一方、中赤外レーザ光源の波長ロックのためのフィードバック制御には、変調周波数fで検波する1f検波、あるいはその3倍波である3fの周波数応答成分を検出する3f検波が用いられる。1f検波は信号が大きいため検出しやすいが、オフセットの調整が必須であり、そのための工夫を別途必要とするため、3f検波も広く用いられる。
以下、測定対象の吸収測定では2f検波を、フィードバック制御では3f検波を行うものとして波長ロックの仕組みを説明する。すなわち、信号発生器102からロックイン増幅器118に周波数2fの参照信号が供給されることにより、ロックイン増幅器118は、光検出器114から出力される検出信号のうち周波数2fの成分を取り出す。また、信号発生器102からロックイン増幅器116に周波数3fの参照信号が供給されることにより、ロックイン増幅器116は、光検出器115から出力される検出信号のうち周波数3fの成分を取り出す。なお、1fの成分を取り出す場合には、信号発生器102からロックイン増幅器116に周波数1fの参照信号を供給して、ロックイン増幅器116が、光検出器115から出力される検出信号のうち周波数1fの成分を取り出すようにすればよい。
本実施の形態では、装置構成を簡単にするために参照セル110には測定対象と同じガス種が封入されているとする。図2にロックイン増幅器118によって取り出される2f信号、およびロックイン増幅器116によって取り出される3f信号のスペクトルを示す。図2の200が2f信号のスペクトル、201が3f信号のスペクトルである。図2の縦軸は信号強度、横軸は波長である。
202は測定対象の吸収線の波長を表している。この吸収線の波長において、2f信号は上記のとおりピークを生じ、3f信号の強度は零となる。すなわち、中赤外レーザ光源の波長が測定対象の吸収線の波長と等しいならば、3f信号は零となり、中赤外レーザ光源の波長が測定対象の吸収線の波長に対して長波側あるいは短波側にずれると、このずれた量に比例して3f信号は正あるいは負の値をとる。したがって、3f信号の値を基にしてフィードバック制御を行うようにすれば、中赤外レーザ光源の波長のずれに比例した制御を実現できるため、測定対象の吸収線の波長位置に中赤外レーザ光源の波長をロックすることができる。
上述したように、差周波発生を利用する場合は励起光用と信号光用の2種類の半導体レーザが存在するため、どちらの半導体レーザに変調を施し、どちらの半導体レーザにフィードバック制御を施すかの任意性が生じるため、中赤外レーザ光源の構成方法は一意には定まらない。
本実施の形態においては、中赤外レーザ光源の構成の仕方として、周波数fの波長変調を施す半導体レーザとフィードバック制御を施す半導体レーザを、波長変換素子105の端面反射率が低い側の半導体レーザに統一するという特徴を有する。すなわち、励起光光源側、信号光光源側のどちらでも構わないが、波長変換素子105の端面反射率が低い方の半導体レーザに周波数fの波長変調を施し、同時に波長をロックするためのフィードバック制御を施す。
本実施の形態が優れた特徴をもつ仕組みを以下に説明する。以下、図1に示すように変調とフィードバック制御とを信号光光源101に対して行うものとして説明するが、励起光光源100の場合であっても同じ説明が当てはまる。
中赤外レーザ光源の波長が測定対象の吸収線の波長に対してずれた影響を考慮すると、2f信号に及ぼされる影響は以下のとおりとなる。非線形光学結晶を使った波長変換素子105を用いる場合、この素子の両端面の間で反射が発生し、これによってフリンジ(干渉縞)と呼ばれる波長依存性を持つ光信号の変動が生じる。フリンジは、励起光、信号光、変換光である差周波(idler)光すべての波長帯において、波長が変化すると生じるものである。このフリンジの影響は、光信号そのものの変動としては小さくても、波長変調を施して微分信号として検出されると大きな影響となる。信号光に変調を加えている場合、微分信号(2f信号あるいは3f信号)が大きな影響をうけるフリンジは、差周波光由来のフリンジと、信号光由来のフリンジが差周波光に変換されて生じるフリンジ成分である。
まず、波長をロックするためのフィードバック制御が行われる側の信号光の波長が所望の波長からずれてしまった場合、そのずれを補正するように信号光光源101へのフィードバック制御が行われるため特徴的な現象は生じない。しかしながら、フィードバック制御が行われる半導体レーザとは異なる半導体レーザの波長がずれた場合に、微分信号に特徴が生じる。
図3(A)は本実施の形態においてフィードバック制御が行われない側の励起光の波長が適正である場合の2f信号のスペクトルを示す図、図3(B)は励起光の波長が所望の波長に対して長波側にずれた場合の2f信号のスペクトルを示す図、図3(C)は励起光の波長が所望の波長に対して短波側にずれた場合の2f信号のスペクトルを示す図である。横軸に平行な直線300はピーク位置を示すガイド線である。
測定対象の吸収線の波長は温度・圧力が一定であれば不変である。励起光光源100の波長がずれた場合、式(1)の関係に基づいて、フィードバック制御が行われる側の信号光光源101の波長を変化させて元と同じ差周波光(idler光)を発生させることになるため、差周波光を基準に考えると波長は同一であるが、信号光を基準に考えると2f信号のピークの位置は元々の信号光の波長とは異なっている。したがって、信号光波長で2f信号のスペクトルを表した場合、2f信号にピークが生じる信号光波長は、励起光波長にずれが生じたときに図3(A)の状態から図3(B)の状態または図3(C)の状態のようにずれることとなる。
ここで、波長ずれによる影響を考察する。励起光の波長がずれたことによる影響は光信号がフリンジにより揺らぐことであるが、励起光には波長変調が施されていないため、2f信号あるいは3f信号への影響は少ない。また、信号光光源101へのフィードバック制御により、差周波光の波長はずれていないため、差周波光由来のフリンジによる影響は受けない。
信号光波長は、フィードバック制御により、図3(B)または図3(C)のようにずれるが、このとき、波長変調が施されているために信号光由来のフリンジ(信号光由来のフリンジが差周波光に変換されて生じるフリンジ)により2f信号および3f信号出力に影響を受ける。すなわち、信号のピーク位置とフリンジによる出力揺らぎの重なり方によって、2f信号または3f信号出力が揺らぐことになる。3f信号の揺らぎはロック波長のずれ、すなわち吸収線ピーク波長に対する中赤外レーザ光源の波長のずれにつながり、検出信号である2f信号の揺れは計測濃度の揺れに繋がる。したがって、それぞれのずれが計測誤差の原因となる。
しかしながら、本実施の形態では、波長変換素子105での端面反射率が低い側の半導体レーザ(本実施の形態の例では信号光光源101)に変調およびフィードバック制御を施しているため、差周波光に変換されるフリンジによる影響は最小限度に抑えられている。図4は波長ロックを行った場合の測定対象光路の入射光パワーで規格化した2f信号出力の時間変化を示す図である。図4によれば、励起光の波長の揺れによる若干の出力変動がみられるものの、2f信号の強度はほぼ一定に保たれており、信号光光源101へのフィードバック制御により中赤外レーザ光源の波長をロックした効果が表れている。
次に、本実施の形態とは異なり、周波数fの波長変調を施す半導体レーザと波長ロックのフィードバック制御を施す半導体レーザを分離した場合について説明する。ここでは波長変調を励起光光源に施し、フィードバック制御を信号光光源に施すこととするが、逆に波長変調を信号光光源に施し、フィードバック制御を励起光光源に施す場合であっても同様の説明が当てはまる。
波長変調を施す半導体レーザと波長ロックのフィードバック制御を施す半導体レーザを分離した場合、フィードバック制御が行われる光源ではない励起光光源の波長がずれた場合に本実施の形態との差異が生じる。図5(A)は波長変調を施す半導体レーザとフィードバック制御を施す半導体レーザを分離した場合においてフィードバック制御が行われない側の励起光の波長が適正である場合の2f信号のスペクトルを示す図、図5(B)は励起光の波長が所望の波長に対して長波側にずれた場合の2f信号のスペクトルを示す図、図5(C)は励起光の波長が所望の波長に対して短波側にずれた場合の2f信号のスペクトルを示す図である。図3(A)〜図3(C)の場合と同様に、横軸に平行な直線300はピーク位置を示すガイド線である。
測定対象の吸収線の波長は温度・圧力が一定であれば不変である。本実施の形態と同様に、励起光光源の波長がずれた場合、式(1)の関係に基づいて、フィードバック制御が行われる側の信号光光源の波長を変化させて元と同じ差周波光(idler光)を発生させることになるため、差周波光を基準に考えると波長は同一であるが、信号光を基準に考えると2f信号のピークの位置は元々の信号光の波長とは異なっている。したがって、信号光波長で2f信号のスペクトルを表した場合、2f信号にピークが生じる信号光波長は、励起光波長にずれが生じたときに図5(A)の状態から図5(B)の状態または図5(C)の状態のようにずれることとなる。
ここで、波長変調を施す半導体レーザと波長ロックのフィードバック制御を施す半導体レーザを分離した場合の波長ずれによる影響を考察する。励起光の波長がずれたことによる影響は、励起光光源に波長変調を施しているために本実施の形態とは状況が異なる。すなわち、この場合は励起光光源に波長変調が施されているため、差周波光に変換されるフリンジ成分により2f信号あるいは3f信号への影響が生じるようになる。波長変調は、励起光光源への注入電流の固定点を中心として行うことになるため、信号光波長とは無相関であり、2f信号あるいは3f信号への影響は信号光波長に依存しない。
また、励起光の波長のずれによる影響は、変調によって変動している波長間に存在する、差周波光に変換される励起光由来のフリンジの影響を平均した形で2f信号あるいは3f信号へ重畳されるため、信号光波長でみたスペクトル上への影響はスペクトルの強度のオフセットに現れる。励起光の波長がずれると、フリンジの平均のされ方が変化するために、この波長のずれはオフセットの上下変動(スペクトルの強度の平行移動)という形で現れることになる。図5(A)〜図5(C)のスペクトルに、励起光の波長のずれによる影響が表れている。
したがって、2f信号あるいは3f信号のオフセットが変動する、すなわち一定値、上下変動することになるが、3f信号の変動はロック波長のずれにつながり、検出信号である2f信号の変動は計測濃度の揺れに繋がるため、計測誤差が大きな値になってしまう。一方で、信号光光源へのフィードバック制御により、差周波光の波長は、ずれていないため差周波光由来のフリンジによる影響は受けない。また、信号光には波長変調が施されていないため、2f信号にピークが生じる信号光波長のずれの影響は僅かである。
図6は、波長変調を施す半導体レーザと波長ロックのフィードバック制御を施す半導体レーザを分離した場合において波長ロックを行った場合の測定対象光路の入射光パワーで規格化した2f信号出力の時間変化を示した図である。励起光の波長の揺れにより、2f信号および3f信号が変動するために、ロック波長のずれと2f信号変動の影響が重なり、2f信号に大きな強度変動が見られる。つまり、信号光光源へのフィードバック制御により中赤外レーザ光源の波長をロックした効果があまり大きくないことが分かる。
波長ずれが信号の出力値に及ぼす影響であるが、通常、波長変調とフィードバック制御を別の半導体レーザに施した方が大きな出力変動となる。これは、以下の理由による。波長変調を施す半導体レーザとフィードバック制御を施す半導体レーザを分離した場合、波長変調の変調振幅は中赤外光(差周波光)由来のフリンジの出力変動が小さくなる値に調整するが、その変調振幅では近赤外光である励起光あるいは信号光の波長帯におけるフリンジの出力変動を小さくできない。また、この調整では近赤外光由来のフリンジの影響を知る方法が無く、近赤外光由来と中赤外光由来両方のフリンジの出力変動を同時に小さく調整するのは困難である。そのため、波長がすれた際にフリンジの影響を大きく検出してしまうことになり、信号の出力変動が大きくなってしまう。一方、波長変調とフィードバック制御を同じ半導体レーザに施す場合は、波長変調の変調振幅を、中赤外光由来のフリンジと近赤外光由来のフリンジ両方の出力変動を小さくする値に調整することが比較的容易である。
次に、本実施の形態の具体例について説明する。本実施の形態では、レーザ光源は、例えば2μmから20μm帯の波長のレーザ光を出力することを想定しているが、ここでは測定対象としてN2O(亜酸化窒素)の濃度を測定するための4.6μm帯の中赤外光を出力する構成とした。
励起光光源100としては、1.06μm付近の波長のレーザ光を出力するDFB型半導体レーザを使用し、信号光光源101としては、1.39μm付近の波長のレーザ光を出力するDFB型半導体レーザを使用した。今回、波長変換素子105の信号光波長帯における端面反射率が励起光波長帯における端面反射率よりも低かったため、波長変調と波長ロックのためのフィードバック制御は信号光光源101に対して行うこととした。
1.06μmの励起光を増幅するためのファイバアンプ103として、YbドープのファイバアンプであるYDFA(Ytterbium Doped Fiber Amplifier)を用いた。励起光と信号光は、例えばファイバ融着タイプの光カプラ等からなる光合波器104で合波され、波長変換素子105に導入される。合波された光は波長変換素子105内でレンズにより光導波路に結合され、差周波発生により4.6μm帯の変換光に変換される。
波長変換素子105は、Znをドープしたニオブ酸リチウム(LiNbO3)からなる、幅20μm、高さ15μm、長さ50mm、分極反転周期26μmの光導波路を備えている。この光導波路は、ベース基板となるタンタル酸リチウムと熱拡散を用いた直接接合により接合されており、ダイシングソーにより導波路構造を作製した。素子の材料、サイズ、作製方法は一例であり、この例に限定されるものではない。
光導波路は、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、ZnもしくはMgが添加されたニオブ酸リチウム、ZnもしくはMgが添加されたタンタル酸リチウム、またはこれらの材料の混晶のいずれかから構成すればよい。
分岐ミラー108は、ペリクルビームスプリッター等のハーフミラーからなる。例えば石英からなる参照セル110には、圧力100Torr、濃度5%のN2Oが封入されている。同様に、測定対象セル109内にもN2Oが封入されている。
波長変換素子105から出力された変換光は、光学フィルタ107(本実施の形態の例ではGeフィルタ)によって不要な近赤外光が除去され、分岐ミラー108により分岐され、分岐した一方の光は測定対象セル109を透過し、他方の光は参照セル110を透過する。
本実施の形態では、光検出器114,115として、電子冷却型のInSb検出器を用いた。コリメータ106および集光レンズ112,113としては、中赤外用のフッ化カルシウム(CaF2)製レンズを用いた。
波長変調のための正弦波信号を信号発生器102(ファンクションジェネレータ)によって発生させ、信号光用のレーザドライバ(不図示)を介して信号光の波長変調を行った。変調周波数は15kHzであった。
上記のとおり、ロックイン増幅器118は、光検出器114から出力される検出信号のうち周波数2fの成分を取り出す。濃度演算・表示器119は、ロックイン増幅器118が取り出した成分を基に測定対象のガスの濃度を演算する。濃度演算・表示器119は、例えばマイクロコンピュータからなり、メモリに予め格納されたプログラムに従って濃度の演算処理を実施する。なお、濃度の演算処理は周知の技術であるので、詳細な説明は省略する。
ロックイン増幅器116は、光検出器115から出力される検出信号のうち周波数3fの成分を取り出す。PID制御回路117は、ロックイン増幅器116が取り出した成分を基に信号光光源101の注入電流を制御する。具体的には、PID制御回路117は、3f信号の強度が零になるようにフィードバック制御を行う。
励起光光源100の出力にアンプを用いることにより、励起光として500mWの光を波長変換素子に入力し、信号光光源101から信号光として50mWの光を波長変換素子に入力したところ、波長変換素子105からの出力として1mWの変換光を得た。今回、波数2205.69cm-1(波長4533.7nm)の吸収線を測定するため、信号光および励起光の波長を調整した。対象とする吸収線に波長を合わせ込んだ後、波長ロックを行い、中赤外レーザ光源の波長を吸収線の波長に固定した。
測定対象セル109に測定対象として、様々な濃度のN2Oガスを封入して測定を行い、検量線を作成した。封入したガスの濃度は十分に校正されたガスクロマトグラフィーで確認した。結果を図7に示す。横軸はガスクロマトグラフィーで確認した封入ガス濃度、縦軸は本実施の形態のレーザ分光装置で測定したN2Oガスの濃度である。本実施の形態では、波長ロックの効果が大きいため、データを平均している間の測定値の揺れが少なく、精度の高い濃度測定が可能であり、その結果としてばらつきの少ない検量線を得ることができた。
比較例として、励起光光源に波長変調を施し、信号光光源にフィードバック制御を施した場合のレーザ分光装置の構成で同様の検量線測定を行った結果を図8に示す。この構成では、データを平均している間の測定値の揺れが大きいため、精度の高いデータを得ることができず、その結果としてばらつきの大きい検量線となった。ばらつきは本実施の形態のレーザ分光装置の場合よりも25%程度大きかった。
以上のように本実施の形態によれば、測定データの積算に有利な、測定対象吸収線の波長にレーザ波長をロックする方式を採用した中赤外レーザ光源において、波長ロック時のレーザ光出力の揺らぎが少なく吸収分光に適した構成を実現することができる。その結果、本実施の形態の中赤外レーザ光源を用いることで、従来に比してより高感度な濃度計測が可能なレーザ分光装置を実現することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図9は本発明の第2の実施の形態に係るレーザ分光装置の構成を示す図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態においても、N2O(亜酸化窒素)の濃度を測定するための4.6μm帯の中赤外光を出力する構成とし、第1の実施の形態と同様に、波長変換素子105の信号光波長帯における端面反射率が励起光波長帯における端面反射率よりも低かったため、波長変調と波長ロックのためのフィードバック制御は信号光光源101に対して行うこととした。
レーザ分光装置としての基本構成は第1の実施の形態と同じであるが、第1の実施の形態で説明したように、フィードバック制御が行われない励起光光源100の波長が揺らぐと信号光光源101の波長もそれに合わせて変化してしまうため、信号光のフリンジの影響によりレーザ光出力に揺らぎが出易くなってしまう。
そこで、本実施の形態では、第1の実施の形態の中赤外レーザ光源に、光分波器120と、光検出器付のエタロン121と、PID/制御ドライバ122とを追加し、励起光光源100の波長をロックする構成とした。エタロン121に設けられた光検出器とPID/制御ドライバ122とは、第2の帰還制御手段を構成している。
例えば分岐比が1:10の光分波器120は、励起光光源100からの励起光を僅かな量だけ分岐させて、エタロン121に導入する。エタロン121は、共振器構造を有している。エタロン121を透過した光は、干渉効果により、エタロン121の長さ、共振器内屈折率、およびエタロン121の温度により決まる周波数(波長)周期の出力変動を示す。このエタロン121を透過した光をエタロン121に固定された光検出器(不図示)で検出する。図10にエタロン121に入射する光の波長とエタロン透過後の光を検出する光検出器の出力との関係の1例を示す。
図10に示したような波長透過特性において光検出器の出力変動の一部分(例えば図10の400の部分)の傾きを利用してPID制御を行うようにすれば、励起光の波長を所望の波長にロックすることができる。具体的には、PID/制御ドライバ122は、光検出器の出力が所望の値になるように、励起光光源100の注入電流を制御すればよい。
その他の構成は第1の実施の形態で説明したとおりである。
第1の実施の形態と同様の方法でN2Oガスの濃度を測定して検量線を作成したところ、第1の実施の形態よりも高精度の測定が可能であり、検量線のばらつきは第1の実施の形態のレーザ分光装置よりもさらに5%程度小さかった。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図11は本発明の第3の実施の形態に係るレーザ分光装置の構成を示す図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態においても、N2O(亜酸化窒素)の濃度を測定するための4.6μm帯の中赤外光を出力する構成とし、波長変換素子128の信号光波長帯における端面反射率が励起光波長帯における端面反射率よりも低かったため、波長変調と波長ロックのためのフィードバック制御は信号光光源101に対して行うこととした。
レーザ分光装置としての基本構成は第1の実施の形態と同じであるが、本実施の形態においては参照セル110内のガス種が測定対象と異なる。ここでは、参照セル110に、圧力100Torr、濃度50%のCO2を封入した。
今回、測定対象の波数2187.096cm-1(波長4572.27nm)の吸収線を測定するものとし、信号光および励起光の波長を調整した。ところが、CO2の吸収線の内、波数2187.096cm-1の吸収線に最も近いものは波数2187.156cm-1(波長4572.15nm)の吸収線である。CO2の吸収線の波長で中赤外レーザ光源の波長をロックしてしまうと、測定したいN2Oの吸収線の波長とずれた場所にロックしてしまうことになる。
そこで、本実施の形態の中赤外レーザ光源では、波長変換素子105から出力された光を、測定対象セル109を透過する光と参照セル110を透過する光とに分岐させる代わりに、レーザの波長を変化させる波長シフタ125と、参照光路用の新たな波長変換素子128とを設け、測定対象のガスと参照ガスの吸収線の波長が異なっている場合でも計測可能な構成とした。波長変換素子128の構造は、波長変換素子105と同じである。
例えば分岐比1:1の光分波器124は、信号光光源101からの信号光を2つに分岐させる。例えば分岐比10:1の光分波器123は、励起光光源100からの励起光を2つに分岐させる。分岐比が小さい方の励起光は、ファイバアンプ103により増幅される。光合波器104は、ファイバアンプ103によって増幅された励起光と光分波器124によって分岐された一方の信号光とを合波して、合波光を波長変換素子105に導入する。
一方、分岐比が大きい方の励起光は、N2Oの吸収線とCO2の吸収線の波長差分だけ波長を変化させる波長シフタ125に導入される。これにより、波長シフタ125から出射された励起光を用いて波長変換された変換光(idler光)の波長は、CO2の吸収線の波長と同一になる。波長シフタ125から出射された励起光は、ファイバアンプ126により増幅される。光合波器127は、ファイバアンプ126によって増幅された励起光と光分波器124によって分岐された他方の信号光とを合波して、合波光を波長変換素子128に導入する。分岐比が大きい方の励起光を波長シフタ125に導入する理由は、励起光を波長シフタ125に導入すると光出力に損失が生じるためである。
本実施の形態の場合、N2Oの吸収線とCO2の吸収線の波長差は0.12nmである。信号光として1.3866935μmの波長の光を用いるとすると、波長変換素子128に導入する励起光を0.0065nmだけ短波長側へシフトさせればよいことになる。したがって、本実施の形態では、波長シフタ125による波長変化量を、−0.0065nmとした。
このような構成をとることで、波長変換素子105から出力される差周波光と波長変換素子128から出力される差周波光との間で0.12nmの波長差が常に生じる事となるため、波長変換素子128から出力される差周波光の波長をCO2の吸収線の波長でロックすれば、波長変換素子105から出力される差周波光の波長はN2Oの所望の吸収線の波長にロックされることになる。
本実施の形態のフィードバック制御を具体的に説明すると、コリメータ129は、波長変換素子128の出力光を絞って平行光化する。光学フィルタ130は、波長変換素子128の出力光から、不要となる信号光および励起光を除去する。集光レンズ113は、参照セル110を透過した光を集光して光検出器115に入射させる。ロックイン増幅器116は、光検出器115から出力される検出信号のうち周波数3fの成分を取り出す。PID制御回路117は、3f信号の強度が零になるように、信号光用のレーザドライバ(不図示)を介して信号光光源101の注入電流を制御する。
その他の構成は第1の実施の形態で説明したとおりである。
第1の実施の形態と同様の方法でN2Oガスの濃度を測定して検量線を作成したところ、第1の実施の形態と同様に波長ロックの効果が大きいため、データを平均している間の測定値の揺れが少なく、精度の高い測定が可能であり、その結果としてばらつきの少ない検量線を得ることができた。
なお、本実施の形態に、図9に示した光分波器120と光検出器付のエタロン121とPID/制御ドライバ122とを追加し、第2の実施の形態を適用してもよい。
本発明は、吸収分光の技術に適用することができる。
100…励起光光源、101…信号光光源、102…信号発生器、103,126…ファイバアンプ、104,127…光合波器、105,128…波長変換素子、106,129…コリメータ、107,130…光学フィルタ、108…分岐ミラー、109…測定対象セル、110…参照セル、111…ミラー、112,113…集光レンズ、114,115…光検出器、116,118…ロックイン増幅器、117…PID制御回路、119…濃度演算・表示器、120,123,124…光分波器、121…エタロン、122…PID/制御ドライバ、125…波長シフタ。

Claims (6)

  1. 周期的に分極反転された2次非線形光学材料からなる光導波路を備え、中赤外レーザ光源の出力光を得るための第1の波長変換素子と、
    この第1の波長変換素子と同一構造の第2の波長変換素子と、
    出力波長が異なる第1、第2の半導体レーザと、
    前記第1の半導体レーザの波長を変調する波長変調手段と、
    前記第1、第2の半導体レーザの光出力をそれぞれ分岐させる第1、第2の光分波器と、
    前記第1の光分波器によって分岐された前記第1の半導体レーザの一方の光出力と前記第2の光分波器によって分岐された前記第2の半導体レーザの一方の光出力とを合波した光を、前記第1の波長変換素子に入射させる第1の光合波器と、
    前記第2の波長変換素子から出力されたレーザ光の波長をロックするための参照物質が封入された参照セルと、
    前記第2の光分波器によって分岐された前記第2の半導体レーザの他方の光出力の波長を所定の量変化させる波長シフト手段と、
    前記第1の光分波器によって分岐された前記第1の半導体レーザの他方の光出力と前記波長シフト手段の光出力とを合波した光を、前記第2の波長変換素子に入射させる第2の光合波器と、
    前記第2の波長変換素子から出力され前記参照セルを透過した光信号を基に、前記第2の波長変換素子から出力されたレーザ光の波長が所望の波長になるように前記第1の半導体レーザの波長を制御する第1の帰還制御手段とを備え、
    波長を変調する半導体レーザと参照セルを透過した光信号出力を基に波長を制御する半導体レーザを、前記第2の波長変換素子の端面反射率が低い方の波長を出力する前記第1の半導体レーザに統一することを特徴とする中赤外レーザ光源。
  2. 請求項記載の中赤外レーザ光源において、
    前記波長シフト手段による波長の変化量は、前記第1の波長変換素子から出力されるレーザ光の波長と前記参照物質の吸収線の波長との差が所望の値になるように設定されることを特徴とする中赤外レーザ光源。
  3. 請求項または記載の中赤外レーザ光源において、
    さらに、前記第2の半導体レーザから出力されたレーザ光の一部を分岐させる第3の光分波器と、
    この第3の光分波器によって分岐された光を入力とするエタロンと、
    このエタロンを透過した光信号を基に、前記第2の半導体レーザから出力されたレーザ光の波長が所望の波長になるように制御する第2の帰還制御手段とを備えることを特徴とする中赤外レーザ光源。
  4. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の中赤外レーザ光源において、
    前記第1の帰還制御手段は、
    前記参照セルを透過した光信号を検出する光検出器と、
    この光検出器から出力される検出信号のうち、前記第1の半導体レーザの変調周波数と同一または3倍の周波数の信号を取り出すロックイン増幅器と、
    このロックイン増幅器が取り出した信号を基に前記第1の半導体レーザの注入電流を制御する制御回路とから構成されることを特徴とする中赤外レーザ光源。
  5. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の中赤外レーザ光源において、
    前記光導波路は、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、ZnもしくはMgが添加されたニオブ酸リチウム、ZnもしくはMgが添加されたタンタル酸リチウム、またはこれらの材料の混晶のいずれかから構成されていることを特徴とする中赤外レーザ光源。
  6. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の中赤外レーザ光源と、
    前記中赤外レーザ光源から出力され測定対象を透過した光信号を基に、前記測定対象の濃度を演算する濃度演算手段とを備えることを特徴とするレーザ分光装置。
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