JP3274605B2 - 炭素同位体分析装置 - Google Patents

炭素同位体分析装置

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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/25Colour; Spectral properties, i.e. comparison of effect of material on the light at two or more different wavelengths or wavelength bands
    • G01N21/31Investigating relative effect of material at wavelengths characteristic of specific elements or molecules, e.g. atomic absorption spectrometry
    • G01N21/39Investigating relative effect of material at wavelengths characteristic of specific elements or molecules, e.g. atomic absorption spectrometry using tunable lasers

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、CO2 試料に光
を照射しその光吸収スペクトルより炭素の同位体比を分
析する炭素同位体分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素原子には質量数が11(11C)、1
2(12C)、13(13C)、14(14C)の同位体が存
在する。これらの中で、12Cと13Cは安定同位体であ
り、放射性同位体である11Cと14Cとは異なり、放射線
被爆がなく安全である。そのため、医療分野において、
その利用が積極的に研究されている。特に最近はヘリコ
バクターピロリ(HP)の胃内感染と胃潰瘍との関連が
内科領域で大きな話題となっており、HPの感染の診断
13C−尿素呼気検査が採用されるようになってきてい
る。 この13C−尿素呼気検査には、炭素の安定同位体
分析装置が必須である。また、13C−尿素呼気検査は臨
床で施行されるので、小型であって、簡便かつ迅速に分
析でき、しかも信頼性が高く、そして廉価な装置が望ま
しい。
【0003】従来、このような用途の炭素同位体分析装
置として、質量分析法を用いた質量分析計と赤外分光分
析法を用いた分光分析計が知られている。質量分析計は
高精度であるが操作が難しく、高価である等の問題があ
り、一方、分光分析計は簡便で廉価であるが低精度であ
る等の問題がある。
【0004】これらの問題を解決する新しい炭素同位体
分析装置としてレーザ分光法を用いた分析装置がある。
レーザ分光法を用いた分析装置として1.6μm帯の半
導体レーザ(LD)を用いた装置が提案されている{レ
ーザ分光法を用いた同位体分析計と13C呼気検査への応
用(II)、13C医学、VOL.4、PP8−9、19
94}。この分析装置は、III−V族のInGaAs
P系材料を用いた1.6μ帯のDFB(分布帰還)型の
LDを採用しており、このLDは常温でシングルモード
発振することができ、また、小型で信頼性が高い。そし
て、LDの温度と駆動電流を制御することにより簡単に
波長掃引できる等、実用上多くの特徴があり、このLD
を用いることにより簡便で迅速な分析が行える。
【0005】しかし、1.6μm帯のCO2 光吸収スペ
クトルの吸収強度が小さいので、吸収量を増加させるた
めには、呼気中のCO2 (人の呼気中のCO2 濃度は2
〜5%程度)を前処理装置で濃縮した後に分析する必要
がある。CO2 の濃縮法は呼気に含まれるCO2 を液体
窒素を用いて固体化(ドライアイス状)した後に、他の
2 、O2 等の不要ガスを真空ポンプで排出して行うの
で、濃縮のための前処理装置が必要となり、装置が大型
で高価となる。また、液体窒素が必要なので、運用コス
トも高くなる。さらには、液体窒素は任意の適当な場所
で入手できないので使用場所が限られる等の問題もあ
る。
【0006】この対策として、波長2.0μm、4.3
μm近辺に13CO2 の吸収強度が大きいスペクトル(同
位体分析においてはCの天然存在比は13C/121/
99なので13CO2 の吸収強度大のスペクトル選定が必
要)が存在することが分かっているので、このスペクト
ルを使用することが考えられるが、III−V族のIn
GaAsP系のLDは前記波長範囲では室温で連続発振
しないので使用することができなかった(表1.2ダブ
ル・ヘテロ接合結晶とレーザ発振波長、半導体レーザと
応用技術、工学社、P48)。
【0007】また、IV−IV族の鉛塩系材料を用いた
LDは波長4〜30μm間で発振はするが常温で連続発
振しないので液体ヘリウム、液体窒素等を用いた大型の
冷凍機が必要である。さらに、このLDを超低温(4
K、または77K)に冷却するために真空断熱構造とし
た高価なクライオスタットが必要である。これらにより
装置が大型化し、したがって扱い難く、高価となるので
臨床の場での使用には適さない。
【0008】これらの問題を解決するために2μm帯で
常温でシングルモード発振をするLD励起固体レーザを
レーザ分光光源に用いた炭素同位体分析装置がある。図
6にその装置を示す。図6において、1はLD励起T
m:YAG固体レーザ、2は試料セル、3は光検出器、
4はロックイン増幅器(ロックインアンプともいう。)
である。5は図7に示す圧電素子12を制御する圧電素
子制御部、6は固体レーザ1の発振光に周波数変調をか
ける発振器である。
【0009】図7に、前記固体レーザ1の概略構成を示
す。図7において、7は高出力LD、8はLDの発振光
をレーザ共振器に結合させる光学系である。9はTm:
YAGロッドであり、LD側の端面aは励起波長に対し
透過率が高く、発振波長に対してはHR(High−R
eflection)のコーティングがなされている。
また、レーザ共振器側の端面bは発振波長に対してAR
(Anti−Reflection)コーティングがな
されている。10は波長選択素子であり、複屈折フィル
タの組み合わせやエタロン等である。11はレーザ共振
器の出力ミラー、12は出力ミラーに取り付けられた圧
電素子を、それぞれ示している。
【0010】図7において、Tm:YAGロッド9の端
面aと出力ミラー11により、レーザ共振器が形成され
る。高出力LD7を出た励起光は、光学系8により、こ
のレーザ共振器の発振のモードに合うようにTm:YA
Gロッド9に結合される。その結果、高効率でTm:Y
AGロッド9は励起され、前記共振器によりレーザ発振
し、その発振光は、出力ミラー11より取り出される。
レーザ共振器中に挿入された波長選択素子10により、
その発振波長を2μm近辺で任意の波長に選択し、かつ
掃引を行うことができる。
【0011】また、出力ミラー11に付けられている圧
電素子12に適当なバイアス電圧と変調電圧を加えるこ
とにより、レーザ共振器長を微少変化させ、発振周波数
に変調をかけることができる。
【0012】固体レーザ1は、その発振波長が13CO2
12CO2 の両スペクトルをカバーする範囲を掃引する
ように制御される。これは、波長選択素子10によって
行われる。発振器6からの変調信号は、圧電素子制御部
5により増幅され、バイアス電圧と共に、固体レーザ1
の圧電素子12に印加される。このようにして、固体レ
ーザ1の発振スペクトルに変調が加えられる。
【0013】上述のように、周波数変調され波長掃引さ
れた固体レーザ1からの出力光は、試料セル2に導入さ
れる。試料セル2には、CO2 の光吸収スペクトルの微
細構造が分離できる程度の圧力で、試料ガスの導入口2
aより試料が入れられている。その試料セル2内に導入
されたレーザ光は内部の試料、即ち、CO2 と相互作用
し、共鳴吸収が起きる。試料セル2を出た光は、光検出
器3により検出され、ロックインアンプ4により、発振
器6の周波数と同期のとれた信号のみが検出される。こ
のように同期検波を行う結果、波長掃引時の光出力の変
動や、固体レーザ特有のノイズ等が除去でき、S/N比
のよい信号を検出することができる。
【0014】検出器3からの信号はロックイン増幅器4
により、光吸収スペクトルの形状の2次微分(2fスペ
クトル)の形として求められる(図8参照)。得られた
12CO2 13CO2 のそれぞれの光吸収スペクトル信号
のピークの値を求め、その比より12CO2 13CO2
吸収強度の比を得ることにより、同位体比が得られる。
【0015】このように、図6例の装置によれば、CO
2 の光吸収強度が強い2μm近辺のスペクトルをロック
イン増幅器4を介して測定しており、又、レーザ光をほ
ぼ100%利用しているので、同位体比を高感度で測定
できる。結果として、上述の前処理装置等が不要とな
る。
【0016】しかしながら、図6例の装置では波長選択
素子10を制御して波長掃引を行い、図8のようなスペ
クトル(波長掃引方向のサンプル数は約2000点)を
得ており、この波長掃引は波長選択素子10を機械的に
超精密に変化させる必要があることから、掃引に時間が
かかり分析時間が大幅に長くなるという問題がある。こ
の場合、12CO2 13CO2 のスペクトルを測定する時
間間隔が長いと、その間にガスの吸着・温度変化等によ
り試料ガスの圧力が変動してしまい、結果として異なっ
た圧力のスペクトルを測定することになり測定精度が低
下するという問題もある。さらに、超精密に波長選択素
子10を制御しているので、振動、熱等の外乱に弱くな
り装置の信頼性が低い等の問題もある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、このよう
な課題を考慮してなされたものであって、12CO2 13
CO2 の光吸収スペクトルを高精度かつ短時間に測定す
ることを可能とし、しかも炭素の安定同位体の精度信頼
性の高い存在比を求めることを可能とする炭素同位体分
析装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明は、例えば、図
1に示すように、呼気中のCO2から光吸収スペクトル
より炭素の同位体比を分析する装置において、半導体レ
ーザ13と、半導体レーザの発振波長を掃引する手段2
1、18と、半導体レーザに周波数fの変調をかける発
振器20と、前記呼気が導入されているCO2 の試料セ
ル2を通過したレーザ光から光吸収スペクトルを検出す
る光検出器14と、光吸収スペクトルの2f成分を検出
するロックイン増幅器15と、光吸収スペクトルの3f
成分を検出するロックイン増幅器16と、ロックイン増
幅器で検出した3f成分の3点のゼロクロス点に半導体
レーザの発振波長をロックする手段19、22、23、
24とを有し、前記半導体レーザが、波長2.0〜2.
1μmでシングルモードかつ常温で連続発振するレーザ
ダイオードであり、前記ロックする手段でロックした発
振波長で 12 CO 2 13 CO 2 各々の上下3点の2fスペ
クトルのピーク値を得、前記ピーク値をそれぞれ低波長
側からIa,Ib,Ic,Id,Ie,Igとすると
き、前記 12 CO 2 13 CO 2 各々の周波数スペクトル強
度X,Yを、X=Ib−{(Ia+Ic)/2}、Y=
Ie−{(Id+Ig)/2}で求め、求めた両スペク
トルの強度比より炭素の同位体比を検出することを特徴
とする。
【0019】また、この発明は、例えば、図4に示すよ
うに、呼気中のCO2から光吸収スペクトルより炭素の
同位体比を分析する装置において、半導体レーザ13
と、半導体レーザの発振波長を掃引する手段21、18
と、半導体レーザに周波数fの変調をかける発振器20
と、前記呼気が導入されているCO2 の試料セル2を通
過したレーザ光から光吸収スペクトルを検出する光検出
器14と、光吸収スペクトルの2f成分を検出するロッ
クイン増幅器15と、CO2 の参照セル27と、参照セ
ルを通過したレーザ光から光吸収スペクトルを検出する
光検出器14aと、前記参照セルに係る光吸収スペクト
ルの3f成分を検出するロックイン増幅器16と、ロッ
クイン増幅器で検出した3f成分の3点のゼロクロス点
に半導体レーザの発振波長をロックする手段19、2
2、23、24とを有し、前記半導体レーザが、波長
2.0〜2.1μmでシングルモードかつ常温で連続発
振するレーザダイオードであり、前記ロックする手段で
ロックした発振波長で 12 CO 2 13 CO 2 各々の上下3
点の2fスペクトルのピーク値を得、前記ピーク値をそ
れぞれ低波長側からIa,Ib,Ic,Id,Ie,I
gとするとき、前記 12 CO 2 13 CO 2 各々の周波数ス
ペクトル強度X,Yを、X=Ib−{(Ia+Ic)/
2}、Y=Ie−{(Id+Ig)/2}で求め、求め
た両スペクトルの強度比より炭素の同位体比を検出する
ことを特徴とする。
【0020】さらに、この発明は、例えば、図5に示す
ように、呼気中のCO2から光吸収スペクトルより炭素
同位体比を分析する装置において、半導体レーザ13
と、半導体レーザの発振波長を電流制御で掃引する手段
21、18と、半導体レーザに周波数fの変調をかける
発振器20と、前記呼気が導入されているCO2 の試料
セル2を通過したレーザ光から光吸収スペクトルを検出
する光検出器と、光吸収スペクトルの2f成分を検出す
るロックイン増幅器15と、前記検出した2f成分の信
号の3点のピーク値を検出する手段33とを有し、前記
半導体レーザが、波長2.0〜2.1μmでシングルモ
ードかつ常温で連続発振するレーザダイオードであり、
前記ピーク値を検出する手段により求めた、12CO2
13CO2各々の上下3点の2fスペクトルの前記ピー
ク値をそれぞれ低波長側からIa,Ib,Ic,Id,
Ie,Igとするとき、前記 12 CO 2 13 CO 2 各々の
周波数スペクトル強度X,Yを、X=Ib−{(Ia+
Ic)/2}、Y=Ie−{(Id+Ig)/2}で
め、求めた両スペクトルの強度比より炭素の同位体比を
検出することを特徴とする。
【0021】さらにまた、この発明は、例えば、図5に
示すように、呼気中のCO2から光吸収スペクトルより
炭素同位体比を分析する装置において、半導体レーザ1
3と、半導体レーザの発振波長を掃引する手段21、1
8と、半導体レーザに周波数fの変調をかける発振器2
0と、前記呼気が導入されているCO2 の試料セル2を
通過したレーザ光から光吸収スペクトルを検出する光検
出器14と、光吸収スペクトルの2f成分を検出するロ
ックイン増幅器15と、検出した2f成分の信号のピー
ク値を検出する手段33と、検出した2f成分を微分し
て3f成分の信号を生成する手段34とを有し、前記半
導体レーザが、波長2.0〜2.1μmでシングルモー
ドかつ常温で連続発振するレーザダイオードであり、前
記3f成分の3点のゼロクロス点において、12CO2
13CO2 各々の上下3点の2fスペクトルのピーク値を
求め、求めた前記ピーク値をそれぞれ低波長側からI
a,Ib,Ic,Id,Ie,Igとするとき、前記 12
CO 2 13 CO 2 各々の周波数スペクトル強度X,Y
を、X=Ib−{(Ia+Ic)/2}、Y=Ie−
{(Id+Ig)/2}で求め、求めた両スペクトルの
強度比より炭素の同位体比を検出することを特徴とす
る。
【0022】
【発明の実施の形態】まず、この発明を概括的に説明す
る。
【0023】III−V族のA1GaAsP系材料また
はInGaAsP系材料を用いた近赤外域の半導体レー
ザ(LD)は光通信、光情報処理用として精力的に研究
・開発され小型、高効率、高信頼性のものが得られるよ
うになってきている。
【0024】このLDは常温で連続発振し、LDの温度
または駆動電流を制御することにより容易に波長可変光
源として使用することができる。特に駆動電流の制御に
よりダイナミックに波長の可変制御、すなわち掃引が可
能になっている。
【0025】このように実用上優れた特徴を持つLDを
用いれば炭素同位体分析装置全体を非常に小型化でき、
したがって取り扱いが容易になる。さらに、LDの発振
が安定であり、信頼性の高い装置が実現できるという利
点も得られる。
【0026】ところで、従来のInGaAsP系材料の
発振波長範囲は〜1.65μm程度までが限度であり、
高精度にCO2 スペクトルを検出するには前に述べたよ
うに採取した呼気のCO2 を濃縮する必要があった。し
かし、ごく最近のLDの製作技術の進歩により、InG
aAsP系材料を用いてLDの構造を歪超格子量子井戸
型にすることにより、従来困難であった2μm帯でも常
温での連続発振が可能となった(“1.95−μm S
trained InGaAsP−InP Distr
ibuted−Feedback Quantum−W
ell Laser”,IEEE PHOTONICS
TECHNOLOGY LETTERS,VOL.
6,NO.12,DECEMBER PP.1415−
14171994)。
【0027】そこで、この発明では、常温連続発振が可
能となった2μm帯のLDを用いて 12CO2 13CO2
の光吸収スペクトルのそれぞれの3次微分波形(3fス
ペクトル)を求め、その3fスペクトルを波長弁別曲線
として、その弁別曲線の零クロス点にレーザの発振波長
をロックさせて、それぞれの2fスペクトルの3点のピ
ーク値を求め、光吸収強度を得るようにして、短時間
(高速)でかつ高精度に同位体比の測定を行うことを可
能としたものである。図6例で示した従来技術に係る固
体レーザ1では発振波長のダイナミックの制御が難しく
実現が困難であったが、2μm帯のLDの使用によりこ
の発明が可能となった。
【0028】以上がこの発明の概括的な説明である。
【0029】次に、この発明の一実施の形態について図
面を参照して説明する。なお、理解の容易のために、前
記図6〜図8に示したものと対応するものには同一の符
号を付け、また、図面を再度掲載する繁雑さを回避する
ために、必要に応じてそれらの図面をも参照して説明す
る。
【0030】図1はこの発明の一実施の形態の構成を示
すブロック図である。図1において、13は上述の2μ
m帯でシングルモード発振する半導体レーザ(LD)、
2は試料セル、2aは試料ガスの導入口、2bは試料ガ
スの排出口、14は光検出器、15、16はロックイン
増幅器、17はLDの温度制御部、18はLDの電流制
御部、20はLDに電流変調を掛けるための発振器で基
本周波数fと基本周波数fの2倍、3倍の周波数2f、
3fの信号が出力される。19は加算器、21はマイク
ロコンピュータ等を有する制御部、22は信号経路を切
断または接続するスイッチ、23は2信号より1信号を
選択するスイッチ(マルチプレクサ)、24は信号の極
性を反転する反転アンプである。
【0031】なお、マイクロコンピュータは、駆動・制
御・処理・判断手段等として機能し、周知のように、中
央処理装置(CPU)に対応するマイクロプロセッサ
(MPU)と、このマイクロプロセッサに接続される入
出力装置としてのAD変換回路やDA変換回路、I/O
ポート、制御プログラム・システムプログラム・ルック
アップテーブル等が予め書き込まれる読み出し専用メモ
リ(ROM)、処理データを一時的に保存等するランダ
ムアクセスメモリ(RAM:書き込み・読み出しメモ
リ)、タイマ回路および割り込み処理回路等を1チップ
に集積したLSIデバイスとして提供されている。
【0032】試料セル2内には試料ガスの導入口2aよ
り予め呼気が導入され、内部は圧力によるスペクトルの
広がりがなくなるように低圧にされている。
【0033】LD13の温度は制御部21の制御信号に
従って温度制御部17により掃引開始の波長(周波数)
となるように制御されている。LD13の駆動電流は制
御部21の信号に従って電流制御部18により図2に示
すようにI1、I2、…I6とステップ状(階段状)に
制御される。このステップ状の電流の制御に対応して、
LD13の波長(周波数)は図8のa、b、c、d、
e、近辺の波長(周波数)となる。
【0034】また、発振器20によりLD13に周波数
fの電流変調が掛けられている。LD13から出力され
たレーザ光は試料セル2で12CO213CO2 と共鳴し
吸収され光検出器14で検出される。光検出器14で検
出された光は、図3aに波形を示す電気信号(受光信号
ともいう。)S1に変換された後に、ロックイン増幅器
15で発振器20の基本周波数fの2倍の周波数2fと
同期検波されロックイン増幅器15の出力端子で吸収ス
ペクトルの2fスペクトルの信号強度が測定される。
【0035】この場合、受光信号S1の1次微分信号、
すなわち、吸収スペクトルの1f成分(1fスペクトル
ともいう。)の波形を図3bに示し、ロックイン増幅器
15の出力端子に現れる吸収スペクトルの2f成分(2
fスペクトル、2次微分信号ともいう。)の波形を図3
cに示す。また、ロックイン増幅器16で発振器20の
3倍の周波数3fと同期検波され、吸収スペクトルの3
f成分(3fスペクトル、3次微分信号ともいう。)が
検出される(図3dの波形参照)。
【0036】この図3dに示す3fスペクトルを波長弁
別曲線として用い、この弁別曲線の各ゼロクロス点z
1、z2、z3にLD13の発振波長をロックするよう
にロックイン増幅器16の出力信号がスイッチ23、2
2、加算器19、電流制御部18を経てLD13の電流
にフィードバック制御される。ロックイン増幅器16の
信号は反転アンプ24で極性が反転される。スイッチ2
2の開閉制御によりフィードバック制御のタイミングを
制御している。スイッチ23の切換制御によりフィード
バック制御信号の極性を制御している。
【0037】ここで、例えば、制御部21の制御信号に
よりスイッチ22を開状態(図示の状態)、スイッチ2
3で非反転信号S1を選択し、制御部21により電流値
をI1にした後に、スイッチ22を閉状態にすると、図
3cのz1点に対応する図8に示すa点にLD13の発
振波長がロックされる。安定にロックされた後にロック
イン増幅器15の出力信号を制御部21により数回サン
プリングし、平均値を求めa点の信号値(信号強度)を
測定する。
【0038】次に、スイッチ22を開状態、スイッチ2
3で反転信号S2を選択し、制御部21により電流値を
I2にした後にスイッチ22を閉状態にすると図3dの
z2点に対応する図8のb点にLD13の発振波長がロ
ックされる。ここで、このb点において、a点の測定と
同様にしてロックイン増幅器15の出力信号を測定し、
b点の信号強度を得る。
【0039】次に、c点(z3点に対応する。)、d点
(z1点に対応する。)、g点(z3点に対応する。)
の測定には、LD13の電流値をそれぞれI3、I4、
I6にして、a点の測定と同様の手順でc、d、g点の
信号強度を求め、e点(z2点に対応する。)の測定に
は、電流値をI5にしてb点の測定と同様の手順でe点
の信号強度を求めることができる。
【0040】このようにしてa、b、c、d、e、g点
の順に信号強度値を求め、a、b、c点の値より12CO
2 の吸収強度を、d、e、g点の値より13CO2 の吸収
強度を求め、両吸収強度比より同位体比を求める。具体
的には、a、b、c、d、e、g各点の信号強度値をそ
れぞれla、lb、lc、ld、le、lgとし、12
2 の吸収強度をXとしたとき、XをX=lb−{(l
a+lc)/2}で求め、13CO2 の吸収強度をYとし
たとき、YをY=le−{(ld+lg)/2}で求め
る。そして、同位体比をRとしたとき、RをR=Y/X
で求める。
【0041】吸収強度を求める方法として、図8のb、
e点の2点のみの信号値を両吸収強度とする方法もある
が、この2点のみを使用する方法であるとロックイン増
幅器15の出力信号にDCオフセットが発生した場合、
吸収強度に測定誤差が含まれ、結果として同位体比の測
定誤差が増加するという問題があるが、この発明では
a、b、c点とd、e、f点の各3点のピーク値より吸
収強度を求めているので、DCオフセットが発生して
も、計算によりそれがキャンセルされ、このような問題
が生じない。
【0042】なお、図1例において、2μm帯のLDと
は波長範囲が略1.9〜2.1μmで、常温連続発振す
るLDのことを意味する。
【0043】このように2μm帯のLDを用いてCO2
の光吸収強度が大きい、特に13CO 2 の吸収強度が大き
いスペクトルを測定しているのでスペクトルを高感度で
測定できることから、呼気中のCO2 を濃縮するための
前処理が不要となる。
【0044】また、その12CO2 13CO2 の両吸収強
度を6点の測定のみで求めているので高速に、言い換え
れば、短時間で同位体比の測定が行える。この実施の形
態では30秒程度で測定することができる。その上、小
型で信頼性の高いLDをレーザ光源として用いているの
で、信頼性が高くて小型の炭素同位体分析装置を構築す
ることができる。
【0045】2μm帯のLDの使用により炭素同位体分
析装置として特に優れた性能が得られる理由について
「A.LD光源の選定」、「B.2μmLDの選定」の
順で説明する。
【0046】なお、この特許出願の目的は、上述したよ
うに、臨床の場で高速かつ高精度に同位体の分析がで
き、しかも小型で廉価な炭素同位体分析装置を提供する
ことにある。測定原理はレーザ分光法を用いており、実
現のためのレーザ光源の選定はこの同位体分析装置の性
能及び価格を決める最大のキーポイントになっている。
【0047】A.LD光源の選定 波長可変なレーザ光源として色素レーザ、固体レーザ、
LD等がある。色素レーザと固体レーザはアルゴンガス
レーザ、高出力なLD等の励起用のレーザ光源が必要な
ので非常に高価である。また、波長選択素子を制御して
波長掃引を行うので高速での波長掃引が難しく測定に時
間がかかる等の問題がある。一方、LDは励起レーザ光
源が不要であって、小型かつ廉価であり、さらに、LD
の駆動電流を制御することで簡単に高速で(短時間に)
波長を可変することができるので、この目的のレーザ光
源として適している。
【0048】B.2μmLDの選定 CO2 の吸収スペクトルは可視光〜赤外光域で多く存在
し、同位体分析に使える13CO2 のスペクトルは1.
4、1.6、2.0、4.3μm帯等にある。これらの
スペクトルの中、4.3μm帯の吸収強度が最大である
ので分析に最適であるが先に述べたように、そのための
LDは鉛塩系材料の材料を用いた赤外光域のLDであ
り、常温では発振しない。そのため、液体ヘリウムや液
体窒素でLDを冷却する必要があり、高価で大型の冷凍
機が冷却のために必要となる。また、鉛塩系のLDは縦
マルチモードで発振するので、回折格子等を用いて縦マ
ルチモードから1個のモードを選択する必要があり、選
択ための光学系が必要となるという煩雑さもある。さら
に、波長2μm以上ではレンズ等の光学材料として、廉
価なガラス(BK7)が使用できず、高価なジンクセレ
ンが必要である。さらにまた、光検出器も液体窒素で冷
却する必要がある。その結果、装置が大型、高価になる
問題があり、上記目的には適当でない。
【0049】一方、1.4、1.6μm帯のLDはIn
GaAsP系材料で実現でき、常温で連続発振するので
前記のような冷凍機は不要となり、また、レンズ等の光
学材料も廉価なBK7を使用することができるという利
点がある。さらに、小型で廉価な光検出器(InGaA
sまたはGeのホトダイオード)が使用でき、冷却の必
要がない等のために上述の鉛塩系のLDのような問題は
起きないが、吸収強度が小さいので、CO2 の濃縮が必
要となる。
【0050】これらに対して2μm帯のLDは常温で連
続発振するので冷凍機が不要であり、また、13CO2
吸収強度は2μm帯で大きいので、CO2 の濃縮が不要
となる。更に光検出器も小型で冷却が不要のInGaA
sホトダイオードが使用できる。このように2μm帯L
Dの使用により他のレーザ光源、他のLDでは得られな
い優れた炭素同位体分析装置が構築できる。
【0051】以上が2μm帯LDの選定理由の説明であ
る。
【0052】次に、図4はこの発明の他の実施の形態の
構成を示すものである。この図4例では、図1例の構成
に参照セル27を追加し、参照セル27内のガスの吸収
スペクトルにLDの波長をロックするようにしたもので
ある。
【0053】図4において、25はビームスプリッタ、
26は反射ミラー、27は参照ガスが内封された参照セ
ル、14aは光検出器、他の要素は図1例に示した要素
と同様である。参照セル27内には濃度が100%で12
CO2 13CO2 の存在比が天然存在比であるCO2
は呼気と同一成分比のガスが封入されている。
【0054】図4中のLD13のレーザ光はビームスプ
リッタ25で2方向に分けられ、一方向のビームは図1
例と同様に試料セル2を通過した後に光検出器14で検
出される。他方向のビームは、ミラー26で反射され、
参照セル27を通過した後に光検出器14aで検出され
る。光検出器14aで検出された光は電気信号に変換さ
れた後に、ロックイン増幅器16で発振器20の3倍の
周波数と同期検波され吸収スペクトルの3fスペクトル
が測定される。この3fスペクトルのゼロクロス点にL
D13の発振波長がロックされる。他については上記図
1例と同様であり、両スペクトルの吸収強度は6点の測
定だけで求まる。
【0055】図4例のような構成とすることで、試料セ
ル2内のガスの成分変動の影響を受けることなく、LD
13の発振波長を制御することができる。
【0056】図5はこの発明のさらに他の実施の形態の
構成を示している。この図5例では、図1例、図4例と
同様に、2μm帯のLD13の電流を高速で制御して波
長掃引を高速で行い、同位体比を高速かつ前処理装置な
しで測定することができる。図5において、13は2μ
m帯のLD、2は試料セル、2aは試料ガスの導入口、
2bは試料ガスの排出口、14は光検出器、15はロッ
クイン増幅器、17はLDの温度制御部、18はLDの
電流制御部、20はLDに電流変調を掛けるための発振
器、21はマイクロコンピュータ等を有する制御部、
はピーク値検出器である。
【0057】図5中のLD13の温度が制御部21の信
号により温度制御部17で制御され、掃引開始の波長と
なるように制御されている。また、LD13の電流は制
御部21の信号により電流制御部18で適当な光出力と
なるように制御されている。さらに、発振器20から出
力される周波数fの信号により電流変調されて僅かに周
波数変調がかけられている。さらにまた、制御部21に
より電流制御部18を介して12CO2 13CO2 のスペ
クトルの近辺を掃引するように制御されている。このよ
うに波長掃引と周波数変調されたLD13からのレーザ
光は試料セル2に入射される。試料セル2に入射された
レーザ光はセル内のガスと相互作用し吸収される。試料
セル2からの出射光は光検出器14で検出される。光検
出器14で検出された信号S1はロックイン増幅器15
で発振器20の2倍の周波数2fと同期の取れた信号の
みが検出される。
【0058】このようにして検出された信号は光吸収ス
ペクトルの2fスペクトルとなっている。ロックイン増
幅器15の出力信号よりピーク値検出器33で2fスペ
クトルの3点のピーク値を求める。このピーク値に基づ
いて制御部21により12CO2 13CO2 の吸収強度を
求め、両吸収強度比より同位体比が求まる。その結果、
図1例、図4例と同様にLD13の光強度のドリフトが
除去できS/N比のよい信号を検出することができる。
【0059】なお、ピーク値検出器33で波長掃引で測
定した2fのスペクトルを微分器34により微分して3
fスペクトルを求め、このゼロクロス点における2fス
ペクトルの信号強度を制御部21により求めるようにし
てもよい。
【0060】この図5例においても、図1例、図4例と
同様に、13CO2 の吸収強度が大きいスペクトルを測定
しているので呼気中のCO2 を濃縮する前処理装置が不
要となる。また、LDの電流掃引により12CO2 13
2 の両吸収強度を求めているので高速で同位体比の測
定ができる。さらに、LDは信頼性が高く、長寿命かつ
小型であるので、信頼性が高くて小型の炭素同位体分析
装置を構築することができる。
【0061】なお、この発明は上述の実施の形態に限ら
ず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を
採りうることはもちろんである。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、2μm帯のLDを用いて13CO2 の光吸収強度が大
きいスペクトルを測定しているので、CO2 の濃縮化に
伴う前処理装置が不要となるという効果が達成される。
【0063】また、吸収強度を高速で(短時間に)測定
しているので迅速な分析が可能である。
【0064】さらに、小型で信頼性の高いLDを用いて
いるので、臨床で使用可能な小型で信頼性の高い炭素同
位体分析装置を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態の構成を示すブロック
図である。
【図2】図1例中、制御部の電流制御信号の波形を示す
線図である。
【図3】2f信号のピーク値検出の動作説明に供される
波形図である。
【図4】この発明の他の実施の形態の構成を示す線図で
ある。
【図5】この発明のさらに他の実施の形態の構成を示す
線図である。
【図6】従来のCO2 同位体分析装置の構成を示すブロ
ック図である。
【図7】図6中、LD励起固体レーザの概略構成を示す
線図である。
【図8】同位体分析装置の動作説明に供され、波長掃引
により得られる12CO2 13CO2 の2fスペクトルを
示す波形図である。
【符号の説明】
1…LD励起Tm:YAG固体レーザ 2…試料セル 3…光検出器 4…ロックイ
ン増幅器 5…圧電素子制御部 6…発振器 7…高出力LD 8…光学系 9…Tm:YAGロッド 10…波長選
択素子 13…半導体レーザ(LD) 14…光検出
器 15、16…ロックイン増幅器 17…温度制
御部 18…電流制御部 19…加算器 20…発振器 21…制御部 22…スイッチ 23…スイッ
チ(マルチプレクサ) 24…反転アンプ 25…ビーム
スプリッタ 26…反射ミラー 27…参照セ
ル 33…ピーク値検出器 34…微分器
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/00 - 21/61 EPAT(QUESTEL) JICSTファイル(JOIS) WPI/L(QUESTEL) 実用ファイル(PATOLIS) 特許ファイル(PATOLIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】呼気中のCO2から光吸収スペクトルより
    炭素の同位体比を分析する装置において、 半導体レーザと、 前記半導体レーザの発振波長を掃引する手段と、 前記半導体レーザに周波数fの変調をかける発振器と、 前記呼気が導入されているCO2 の試料セルを通過した
    レーザ光から光吸収スペクトルを検出する光検出器と、 前記光吸収スペクトルの2f成分を検出するロックイン
    増幅器と、 前記光吸収スペクトルの3f成分を検出するロックイン
    増幅器と、 前記ロックイン増幅器で検出した3f成分の3点のゼロ
    クロス点に前記半導体レーザの発振波長をロックする手
    段とを有し、 前記半導体レーザが、波長2.0〜2.1μmでシング
    ルモードかつ常温で連続発振するレーザダイオードであ
    り、前記ロックする手段でロックした発振波長で 12 CO 2
    13 CO 2 各々の上下3点の2fスペクトルのピーク値を
    得、前記ピーク値をそれぞれ低波長側からIa,Ib,
    Ic,Id,Ie,Igとするとき、前記 12 CO 2 13
    CO 2 各々の周波数スペクトル強度X,Yを、X=Ib
    −{(Ia+Ic)/2}、Y=Ie−{(Id+I
    g)/2}で 求め、求めた両スペクトルの強度比より炭
    素の同位体比を検出することを特徴とする炭素同位体分
    析装置。
  2. 【請求項2】呼気中のCO2から光吸収スペクトルより
    炭素の同位体比を分析する装置において、 半導体レーザと、 前記半導体レーザの発振波長を掃引する手段と、 前記半導体レーザに周波数fの変調をかける発振器と、 前記呼気が導入されているCO2 の試料セルを通過した
    レーザ光から光吸収スペクトルを検出する光検出器と、 前記光吸収スペクトルの2f成分を検出するロックイン
    増幅器と、 CO2 の参照セルと、 前記参照セルを通過したレーザ光から光吸収スペクトル
    を検出する光検出器と、 前記参照セルに係る光吸収スペクトルの3f成分を検出
    するロックイン増幅器と、 前記ロックイン増幅器で検出した3f成分の3点のゼロ
    クロス点に前記半導体レーザの発振波長をロックする手
    段とを有し、 前記半導体レーザが、波長2.0〜2.1μmでシング
    ルモードかつ常温で連続発振するレーザダイオードであ
    り、前記ロックする手段でロックした発振波長で 12 CO 2
    13 CO 2 各々の上下3点の2fスペクトルのピーク値を
    得、前記ピーク値をそれぞれ低波長側からIa,Ib,
    Ic,Id,Ie,Igとするとき、前記 12 CO 2 13
    CO 2 各々の周波数スペクトル強度X,Yを、X=Ib
    −{(Ia+Ic)/2}、Y=Ie−{(Id+I
    g)/2}で 求め、求めた両スペクトルの強度比より炭
    素の同位体比を検出することを特徴とする炭素同位体分
    析装置。
  3. 【請求項3】呼気中のCO2から光吸収スペクトルより
    炭素同位体比を分析する装置において、 半導体レーザと、 前記半導体レーザの発振波長を掃引する手段と、 前記半導体レーザに周波数fの変調をかける発振器と、 前記呼気が導入されているCO2 の試料セルを通過した
    レーザ光から光吸収スペクトルを検出する光検出器と、 前記光吸収スペクトルの2f成分を検出するロックイン
    増幅器と、 前記検出した2f成分の信号の3点のピーク値を検出す
    る手段とを有し、 前記半導体レーザが、波長2.0〜2.1μmでシング
    ルモードかつ常温で連続発振するレーザダイオードであ
    り、 前記ピーク値を検出する手段により求めた、12CO2
    13CO2各々の上下 3点の2fスペクトルの前記ピー
    ク値をそれぞれ低波長側からIa,Ib,Ic,Id,
    Ie,Igとするとき、前記 12 CO 2 13 CO 2 各々の
    周波数スペクトル強度X,Yを、X=Ib−{(Ia+
    Ic)/2}、Y=Ie−{(Id+Ig)/2}で
    め、求めた両スペクトルの強度比より炭素の同位体比を
    検出することを特徴とする炭素同位体分析装置。
  4. 【請求項4】呼気中のCO2から光吸収スペクトルより
    炭素同位体比を分析する装置において、 半導体レーザと、 前記半導体レーザの発振波長を掃引する手段と、 前記半導体レーザに周波数fの変調をかける発振器と、 前記呼気が導入されているCO2 の試料セルを通過した
    レーザ光から光吸収スペクトルを検出する光検出器と、 前記光吸収スペクトルの2f成分を検出するロックイン
    増幅器と、 前記検出した2f成分の信号のピーク値を検出する手段
    と、 前記検出した2f成分を微分して3f成分の信号を生成
    する手段とを有し、 前記半導体レーザが、波長2.0〜2.1μmでシング
    ルモードかつ常温で連続発振するレーザダイオードであ
    り、 前記3f成分の3点のゼロクロス点において、12CO2
    13CO2 各々の上下3点の2fスペクトルのピーク値
    を求め、求めた前記ピーク値をそれぞれ低波長側からI
    a,Ib,Ic,Id,Ie,Igとするとき、前記 12
    CO 2 13 CO 2 各々の周波数スペクトル強度X,Y
    を、X=Ib−{(Ia+Ic)/2}、Y=Ie−
    {(Id+Ig)/2}で求め、求めた両スペクトルの
    強度比より炭素の同位体比を検出することを特徴とする
    炭素同位体分析装置。
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