JPH0618411A - 炭素同位体分析装置 - Google Patents

炭素同位体分析装置

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JPH0618411A
JPH0618411A JP17305292A JP17305292A JPH0618411A JP H0618411 A JPH0618411 A JP H0618411A JP 17305292 A JP17305292 A JP 17305292A JP 17305292 A JP17305292 A JP 17305292A JP H0618411 A JPH0618411 A JP H0618411A
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JP
Japan
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detecting
semiconductor laser
wave number
lock
gas
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JP17305292A
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English (en)
Inventor
Yoji Azuma
陽二 東
Toshimasa Mori
敏正 森
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Japan Radio Co Ltd
Original Assignee
Japan Radio Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭素安定同位体の変化を高精度・高感度にト
レースするようにした炭素同位体分析装置を提供する。 【構成】 12CO2 検出用の近赤外域のレーザを出力す
る第1の半導体レーザ10aと、13CO2 検出用の近赤
外域のレーザを出力する第2の半導体レーザ10bと、
両半導体レーザの発振波長を掃引する制御部11a,1
1bと、両半導体レーザに周波数変調をかける発振器1
4と、両半導体レーザから出力された光を交互に試料セ
ル2に入射する光シャッタ16a,16bと、試料セル
内の光吸収特性を検出するロックイン増幅器13とを有
し、12CO2 検出に波数6514.25±0.2cm-1
のときのスペクトルと、13CO2 の検出に波数678
9.78±0.2cm-1のときのスペクトルとを求め、
両スペクトルの強度比より同位体比を検出する炭素同位
体分析装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料に光を照射し、そ
の光吸収スペクトルより炭素同位体を分析する炭素同位
体分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、同位体の変化をトレースするこ
とにより、医学分野では病気の診断を行い、農業分野で
は光合成の研究・植物の代謝作用の研究に用い、地球科
学分野では生態系のトレースに利用している。
【0003】この様な用途に使われる同位体として、窒
素、炭素がある。特に炭素には、質量数が12(以下単
12Cと略記する)と、質量数が13(以下に単に13
と略記する)の安定同位体とがある。この安定同位体
は、放射性同位体のように放射線被爆がなく、取扱が容
易であり、医療分野で利用が積極的に研究されている。
【0004】従来、このような用途の炭素同位体を分析
する炭素同位体分析装置として、赤外域の光吸収スペク
トルを利用したものがあった。この従来の炭素同位体分
析装置を図4に示す。図4において、1は赤外域の発光
波長範囲の広いランプ、2は試料セル、3は試料ガス導
入口、4は試料ガス排出口、5は分散型分光器、6はミ
ラー、7は回析格子7、8はスリット、9は光検出器で
ある。
【0005】次に、この従来の炭素同位体分析装置装置
の動作を説明する。ランプ1より出力された光は、試料
セル2内に導入され、試料セル2内の試料ガスと相互作
用し共鳴吸収される。試料セル2内の試料ガスは、試料
ガス導入口3より入力され、試料ガス排出口4より出力
される。
【0006】試料セル2を出た光は、分散型分光器5に
導入され、導入された光は、分散型分光器5内におい
て、ミラー6で光ビームの方向が変えられ、回析格子7
に照射される。回析格子7では波長分散され、スリット
8で波長選択される。波長選択された光の強度が光検出
器9により検出される。ここで、回析格子7の角度をθ
方向に連続的に回転することで、選択波長が変えられ、
試料の光吸収スペクトルが測定できる。
【0007】一般に、炭素は赤外域の光と直接共鳴吸収
しないので、試料セル2に試料ガスを導入する前に二酸
化炭素(CO2 )化され、そのスペクトルが測定され
る。
【0008】二酸化炭素12CO2 13CO2 とは、質量
差より、僅かに両者の光吸収周波数は異なる。従って、
回析格子7の角度θを掃引し、12CO2 13CO2 (炭
素化合物の同位体、以下単に炭素同位体と略記する)の
光吸収スペクトルをほぼ同時に測定し、両者の吸収強度
の比を求めることにより、同位体比の変化がトレースで
きる。
【0009】炭素同位体の光吸収スペクトルの微細構造
(振動・回転スペクトル)は僅かにずれている。また、
この微細構造の各スペクトル幅は、試料ガス圧力760
Torrでは0.1cm-1程度、数Torrでは0.0
1cm-1と非常に狭い。更に13CO2 12CO2 の天然
存在比は、約1%であるので、天然存在比の炭素同位体
の吸収強度の測定において、12CO2 の光吸収強度は、
13CO2 より100倍程度強くなる。
【0010】このようなスペクトルを正確に測定するに
は、0.001cm-1程度のスペクトル分解能が必要で
あるが、しかるに、従来の分析装置のスペクトル分解能
は1cm-1程度であり、CO2 ガスの光吸収スペクトル
幅より広いので、正確なスペクトルを測定でぎず、図5
に示したような、炭素同位体の両スペクトルが重なった
スペクトルを測定している。このような相互の影響を受
けるスペクトルでは、例えば、12CO2 の濃度が極僅か
変化しても、13CO2 のスペクトルが影響を受け変化
し、測定誤差となるので、従来の分析装置では測定スペ
クトルより、相互の重なり量を計算で求め、補正してい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の補正では、充分に相互の重なり量を取り除けな
いので精度良く同位体比の変化をトレースできない。
【0012】また、試料ガス中には、CO2 ガス以外に
も多くの不純物を含んでおり、その不純物も光を吸収す
るので、不純物の光吸収スペクトルがCO2 スペクトル
の近辺に存在すると影響を受け測定誤差となる。この不
純物の影響を極力除去するためには、スペクトル分解能
を高くする必要があるが、前記のようにスペクトル分解
能は低いので不純物の影響を受け測定誤差を生じる。
【0013】また、炭素同位体の天然存在比より、12
2 の吸収強度は、13CO2 より100倍程度吸収強度
が強くなるので、CO2 濃度の変化及び試料ガスの圧力
変化に対して、13CO2 の吸収強度は、直線的に変化す
る。しかし、12CO2 の吸収強度は、対数的に変化する
ので、試料のガス圧力、濃度が変化すると測定誤差を生
じる。
【0014】更に極微量の同位体の変化を検出するため
には、光吸収スペクトルを高感度で検出する必要がある
が、従来の分析装置では、感度を高くするためには、ス
リット8の幅を広くする必要がある。ところが、スリッ
ト8の幅を広くすると、スペクトル分解能が低くくなる
という相反する関係があり、感度を高くできない等の種
々の問題がある。
【0015】そこで、本発明の技術的課題は、上記欠点
に鑑み、発光スペクトル幅の非常に狭い近赤外域の半導
体レーザを用い、試料に照射し、炭素同位体相互の影響
を受けない、天然存在比の炭素同位体の吸収強度がほぼ
同程度、且つ水分の影響を受けない光吸収スペクトルを
測定し、炭素安定同位体の変化を高精度・高感度にトレ
ースするようにした炭素同位体分析装置を提供すること
である。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、光吸収
スペクトルより炭素同位体を分析する装置において、12
CO2 検出用の近赤外域のレーザを出力する第1の半導
体レーザと、13CO2検出用の近赤外域のレーザを出力
する第2の半導体レーザと、前記第1および第2の半導
体レーザの発振波長を掃引する掃引手段と、前記第1お
よび第2の半導体レーザに周波数変調させる変調手段
と、分析する炭素同位体を有する試料セルと、前記第1
および第2の半導体レーザから出力された光を交互に前
記試料セルに入射するスプリッタ手段と、前記試料セル
内の光吸収特性を検出するロックイン増幅手段とを有
し、12CO2 検出に波数6514.25±0.2cm-1
のときのスペクトルと、13CO2 の検出に波数678
9.78±0.2cm-1のときのスペクトルとを求め、
両スペクトルの強度比より同位体比を検出することを特
徴とする炭素同位体分析装置が得られる。
【0017】また、本発明によれば、光吸収スペクトル
より炭素同位体を分析する装置において、12CO2 検出
用の近赤外域のレーザを出力する第1の半導体レーザ
と、13CO2 検出用の近赤外域のレーザを出力する第2
の半導体レーザと、前記第1および第2の半導体レーザ
に周波数変調させる変調手段と、分析する炭素同位体を
有する試料セルと、12CO2 ガスと13CO2 ガスとを混
合した参照セルと、前記試料セル内の12CO2 の光吸収
特性の2次微分曲線を検出する第1のロックイン増幅手
段と、前記試料セル内の13CO2 の光吸収特性の2次微
分曲線を検出する第2のロックイン増幅手段と、前記参
照セル内の12CO2 ガスの光吸収特性の1次微分曲線を
検出する第3のロックイン増幅手段と、前記参照セル内
13CO2ガスの光吸収特性の1次微分曲線を検出する
第4のロックイン増幅手段とを有し、12CO2 検出に波
数6514.25±0.2cm-1を用い、前記参照セル
内の12CO2 ガスの光吸収の1次微分曲線の変曲点に、
前記12CO2 検出用の第1の半導体レーザの発振係数を
前記波数にロックし、13CO2 の検出に波数6789.
78±0.2cm-1を用い、前記参照セル内の13CO2
ガスの光吸収の1次微分曲線の変曲点に、前記13CO2
検出用の第2の半導体レーザの発振波数を前記波数にロ
ックし、前記12CO2 ガスの2次微分曲線を検出する第
1のロックイン増幅手段の出力と前記13CO2 ガスの2
次微分曲線を検出する第2のロックイン増幅手段との出
力とより、同位体比を検出することを特徴とした炭素同
位体分析装置が得られる。
【0018】すなわち、AlGaAs系又はInGaA
sP系材料を用いた近赤外域の半導体レーザは、光通
信、光情報処理用として精力的に研究・開発され、小
型、高効率、高信頼性と成った。鉛塩系材料を用いた赤
外域の半導体レーザは、常温で発振しないので、液体ヘ
リウムで冷却するが、その為の大型冷却機が必要であ
り、またマルチモード発振なので、分光器で縦モードを
選択する必要があるが、近赤外域の半導体レーザは、常
温で発振し、ペルチェ素子を用いて半導体レーザの温度
を制御するだけで、容易に波数可変光源となり、またシ
ングルモードで発振するので、分光器が不要である。こ
のような実用上優れた特徴を持つ近赤外域の半導体レー
ザを用いれば、装置全体が非常に小型化でき、取扱いが
容易、信頼性の高い装置が実現できる。
【0019】このような近赤外域の半導体レーザの発振
スペクトル幅は、0.0001〜0.02cm-1と非常
に狭いので、この半導体レーザの発振波数を掃引するこ
とでCO2 の振動・回転の各スペクトルは容易に測定可
能となる。
【0020】しかし、測定可能となった振動・回転の各
スペクトルには、同位体比測定に適・不適なスペクトル
があるので、これらの各スペクトルより、同位体比測定
に最適なスペクトルを選択する事は非常に重大である。
両スペクトルの選択条件として以下〜がある。
【0021】13CO2 の吸収強度が強くて、天然存在
比における炭素同位体の吸収強度が同程度となり、CO
2 濃度及び圧力変化に対して両吸収強度が直線的に変化
する。
【0022】炭素同位体のスペクトルが相互に影響を
受けない。
【0023】近赤外域で測定されるCO2 の光吸収ス
ペクトルはCO2 分子の振動・回転スペクトルを測定す
るが目的としている振動・回転スペクトル以外にも微弱
な他の振動・回転スペクトルが多く存在している。この
ような他の振動・回転スペクトルの影響を受けない。
【0024】試料ガス中には炭素同位体以外に多くの
不純物、特に水分が含まれておりこの水分の光吸収スペ
クトルの影響を受けない。
【0025】光吸収強度は試料ガスの温度変化により
吸収強度が僅かに変化する。炭素同位体の両吸収強度の
温度依存性が異なると、温度変化によって、両スペクト
ルの吸収強度が異なって変化し、同位体比測定誤差を生
じる。従って、両スペクトルの吸収強度の温度依存性の
等しい。
【0026】このような同位体比測定に最適なスペクト
ルを近赤外域で探した結果、非常にわずかであり、下記
の表2の組み合わせが最適であることが分かった。
【0027】
【表2】
【0028】選択したスペクトルの12CO2 の振動バン
ド(Infrared energy levles
and intensities of carbon
dioxide. Part 3,Applied
Optics,Vol.25,NO.11,p.179
5〜1816、(1986))は、下準位00001か
ら上準位30011への遷移、13CO2 は下準位000
01から上準位00031への遷移と異なっているが、
回転バンドはほぼ等しい(回転量子数が等しい)。振動
バンドの違いにより、炭素同位体の天然存在比における
吸収強度比が3倍程度、回転バンドが等しい事により吸
収強度の温度依存性が等しく成る。
【0029】このような両スペクトルを測定し、両スペ
クトルの強度比より同位体比を求めれば、同位体相互の
スペクトルの影響を受ける事なく、水のスペクトルの影
響を受ける事なく、温度の影響を受ける事なく、試料ガ
スの温度変化・圧力変化を受ける事なく、両吸収強度を
測定できるので、高精度に同位体比の測定ができる。
【0030】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0031】図1は、本発明の第1の実施例による炭素
同位体分析装置を示すものである。10a,10bは第
1および第2の近赤外域の半導体レーザ、2は試料セ
ル、3は試料ガス導入口、4は試料ガス排出口、9は光
検出器、13はロックイン増幅器、11a,11bは半
導体レーザの第1および第2の温度制御部、12a,1
2bは半導体レーザの第1および第2の電流制御部、1
4は半導体レーザに電流変調を掛けるための発振器、1
6a,16bは第1および第2の光シャッター、17は
ビームスプリッターである。
【0032】第1および第2の近赤外域の半導体レーザ
10a,10bは、常温で連続発振し、半導体レーザ1
0a,10bの温度または駆動電流を掃引することによ
り、容易に波数可変光源となる。
【0033】第1の半導体レーザ10aは、第1の温度
制御部11aにより波数6514.25cm-1近辺を掃
引するように温度掃引される。又、第1の電流制御部1
2aにより、適当な光出力となるように、第1の半導体
レーザ10aの駆動電流は制御されている。この際、第
1の半導体レーザ10aの駆動電流は、発振器14の信
号により電流変調され、僅かに周波数変調がかけられて
いる。
【0034】第2の半導体レーザ10bは、第2の温度
制御部11bにより、6789.78cm-1近辺を掃引
するように温度掃引きされる。又、第2の電流制御部1
2bにより、適当な光出力となるように、第2の半導体
レーザ10bの駆動電流は制御されている。この際、第
2の半導体レーザ10bの駆動電流は、発振器14の信
号により電流変調され、僅かに周波数変調がかけられて
いる。
【0035】このように、波数掃引・周波数変調された
第1および第2の半導体レーザ10a,10bからのレ
ーザ光は、第1および第2の光シャッター16a,16
bにより交互に選択され、ビームスプリッター17で透
過又は反射され、試料セル2に入射される。
【0036】試料セル2に入射されたレーザ光は、試料
セル2内のガスと相互作用し吸収される。試料セル2か
らの出射光は、光検出器9で検出される。
【0037】光検出器9で検出された信号は、ロックイ
ン増幅器13で、発振器14と同期の取れた信号のみが
検出され、その結果、第1および第2の半導体レーザ1
0a,10bの光強度のドリフトが除去され、S/N比
の良い信号が検出できる。
【0038】又、このようにして検出された信号は、光
吸収強度の1次微分となっている。従って、前記両ペア
の波数近辺での両検出信号のピーク値、又は吸収の面積
を求めて両吸収の比を求めれば、同位体比が求まる。
【0039】更にロックイン増幅器13で発振器14で
発振した信号の2倍の周波数成分のみを検出すれば、光
吸収強度の2次微分形状が測定できる。前記同様両ペア
の波数近辺で両検出信号のピーク値の比を求めれば同位
体比が求まる。
【0040】この方式では光吸収強度の2次微分形状を
測定しているので、第1および第2の半導体レーザ10
a,10bから出力されたレーザ光の光強度変化の1次
的変化、2次的変化がキャンセルされより高精度で同位
体比が測定できる。
【0041】このように炭素同位体の光吸収強度が同程
度となる、炭素同位体相互の吸収の影響を受けない、他
の振動・回転バンドのスペクトルの影響を受けない、水
の影響を受けない、吸収強度の温度依存性の等しい両ス
ペクトルを、ロックイン増幅器で測定しており、又、発
振スペクトル幅が非常に狭いレーザ光を波数可変光源と
しており、更に、小型・信頼性の高い近赤外域の半導体
レーザを用いているので、同位体比を高精度且つ高感度
で測定でき、信頼性の高い炭素同位体分析装置となる。
【0042】図2に図1の炭素同位体分析装置による炭
素同位体のスペクトル測定例(2次微分形状)を示す。
このように同位体相互のスペクトルが影響を受けること
なく、また吸収強度もほぼ等しいスペクトルが得られる
ことが分かる。
【0043】なお、上述した第1の実施例では、第1お
よび第2の半導体レーザ10a,10bの温度を掃引
し、両ペアの波数近辺を掃引するようにしたが、第1お
よび第2の半導体レーザ10a,10bの駆動電流を掃
引してもよい。
【0044】更に周波数変調は電流変調で行ったが、外
部にEO変調器(Electro−Optic Mod
ulator)をおいて変調してもよい。
【0045】更に、第1および第2の半導体レーザ10
a,10bのレーザ光の強度が時間的に変動する場合
は、光検出器9にて両吸収スペクトルの近辺で吸収スペ
クトルのない箇所の信号レベルを用いて、両吸収強度を
補正しても良い。
【0046】図3は、本発明の第2の実施例による炭素
同位体分析装置を示すものである。10a,10bは近
赤外域の第1および第2の半導体レーザ、2は試料セ
ル、3は試料ガス導入口、4は試料ガス排出口、17
a,17bは第1および第2のビームスプリッタ、9
a,9bは第1および第2の光検出器、13a,13
b,13c,13dは第1〜第4のロックイン増幅器、
11a,11bは半導体レーザの第1および第2の温度
制御部、12a,12bは半導体レーザの第1および第
2の電流制御部、14a,14bは半導体レーザ10
a,10bに電流変調を掛けるための第1および第2の
発振器、15は参照セルである。参照セル15内には、
炭素同位体が適当な圧力で混合されている。
【0047】第1の半導体レーザ10aは、温度制御部
11aにより、波数6514.25cm-1近辺となるよ
う温度制御されている。又、第1の電流制御部12aに
より、適当な光出力となるように、第1の半導体レーザ
10aの駆動電流は制御されている。この際、第1の半
導体レーザ10aの駆動電流は、発振器14aの信号に
より電流変調され、僅かに周波数変調がかけられてい
る。
【0048】第2の半導体レーザ10bは、第2の温度
制御部11bにより波数6789.78cm-1近辺とな
るよう温度制御されている。又、第2の電流制御部12
bにより適当な光出力となるように、第2の半導体レー
ザ10bの駆動電流は制御されている。この際、第2の
半導体レーザ10bの駆動電流は、発振器14bの信号
により電流変調され、僅かに周波数変調がかけられてい
る。発振器14aと発振器14bとの発振周波数は互に
異なる。
【0049】いま、第1の半導体レーザ10aからのレ
ーザ光は、第1のビームスプリッタ17aを通過し、第
2のビームスプリッタ17bで第1および第2の分岐レ
ーザ光に分けられ、第1の分岐レーザ光は試料セル2へ
入射され、第2の分岐レーザ光はミラー6で反射されて
参照セル15に入射される。参照セル15に入射された
レーザ光は、セル内の12CO2 と相互作用し吸収され、
第2の光検出器9bで検出される。第2の光検出器9b
で検出された信号は、第2のロックイン増幅器13cで
第1の発振器14aと同期の取れた信号のみが検出され
る。
【0050】このようにして検出された信号は、光吸収
強度の1次微分となっている。この吸収の1次微分曲線
の変曲点にロックするように、第1の電流制御部12a
の電流は制御される。このようにして半導体レーザ10
aの発振波数を12CO2 の吸収線にロックすることで、
波数6514.25cm-1を安定に発振する。
【0051】第2の半導体レーザ10bからのレーザ光
は、第1のビームスプリッタ17aで、第1の半導体レ
ーザ10aからのレーザ光と同一光路となり、第1の半
導体レーザ10aからのレーザ光と同様に、第2のビー
ムスプリッタ17bで二つのレーザ光に分けられ、試料
セル2および参照セル15に入射される。参照セル15
に入射されたレーザ光は、参照セル15内の13CO2
相互作用し吸収され、第2の光検出器9bで検出され
る。第2の光検出器9bで検出された信号は、第4のロ
ックイン増幅器13dで第2の発振器14bと同期の取
れた信号のみが検出される。
【0052】このようにして検出された信号の変曲点に
ロックするように第2の電流制御部12bの電流は制御
される。よって、半導体レーザ10bの発振波数を13
2の吸収線にロックすることで、波数6789.78
cm-1を安定に発振する(半導体レーザの周波数可変・
安定化、日本無線技報、No.29、p.63〜66、
(1991))。
【0053】次に、このようにして、波数6514.2
5cm-1にロックされた第1の半導体レーザ10aから
のレーザ光は、試料セル2内の12CO2 と相互作用し吸
収され、第1の光検出器9aで検出される。第1の光検
出器9aで検出された信号は、第1のロックイン増幅器
13aで、第1の発振器14aの発振周波数の2倍の周
波数と同期の取れた信号のみが検出される。
【0054】また、波数6789.78cm-1にロック
された第2の半導体レーザ10bからのレーザ光は、試
料セル2内の13CO2 に吸収された後に第1の検出器9
aで検出され、第2のロックイン増幅器13bで第2の
発振器14bの周波数と2倍の周波数と同期の取れた信
号のみが検出される。
【0055】このようにして、第1および第2のロック
イン増幅器13a,13bで検出された信号は、光吸収
強度の2次微分形状(2f検出)となっており、図2の
両スペクトルのピークの位置の吸収強度を検出してい
る。
【0056】第1および第2のロックイン増幅器13
a,13bの出力電圧を計算機に取り込み同位体比を求
める。このようにすることにより、同位体比の連続測定
が可能となる。
【0057】なお、第2の実施例では波数6253.9
0cm-1近辺と6253.73cm-1近辺の吸収強度を
求めたが、表2の組み合わせの波数近辺の吸収強度を求
めてもよい。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
スペクトル幅の非常に狭い半導体レーザを波数可変光源
とし、炭素同位体相互の影響を受けない、水のスペクト
ルの影響を受けない、天然存在比での炭素同位体の吸収
強度がほぼ等しい、回転バンドのほぼ等しい両スペクト
ルをロックイン増幅器を用いて測定しているので、同位
体、水の影響を受ける事なく、試料ガスの濃度変化、圧
力変化の影響を受ける事なく高精度、高感度に炭素同位
体比が測定できる炭素同位体分析装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による炭素同位体分析装
置を示すブロック図。
【図2】本発明の炭素同位体分析装置による炭素同位体
のスペクトル測定例(2次微分形状)を示す図。
【図3】本発明の第2の実施例による炭素同位体分析装
置を示すブロック図。
【図4】従来の炭素同位体分析装置を示すブロック図。
【図5】従来の炭素同位体分析装置による炭素同位体の
スペクトル測定例を示す図。
【符号の説明】
2 試料セル 3 試料ガス導入口 4 試料ガス排出口 9 光検出器 10a,10b 半導体レーザ 13 ロックイン増幅器 11a,11b 温度制御部 12a,12b 電流制御部 14 発振器 16a,16b 光シャッター 17 ビームスプリッタ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光吸収スペクトルより炭素同位体を分析
    する装置において、12 CO2 検出用の近赤外域のレーザを出力する第1の半
    導体レーザと、13 CO2 検出用の近赤外域のレーザを出力する第2の半
    導体レーザと、 前記第1および前記第2の半導体レーザの発振波長を掃
    引する掃引手段と、 前記第1および前記第2の半導体レーザに周波数変調を
    かける変調手段と、 内部に分析すべき炭素同位体が混在する試料セルと、 前記第1および前記第2の半導体レーザから出力された
    光を交互に前記試料セル内に入射する手段と、 前記試料セル内の光吸収特性を検出するロックイン増幅
    手段とを有し、12 CO2 検出に波数6514.25±0.2cm-1のと
    きのスペクトルと、13CO2 の検出に波数6789.7
    8±0.2cm-1のときのスペクトルとを求め、両スペ
    クトルの強度比より同位体比を検出することを特徴とす
    る炭素同位体分析装置。
  2. 【請求項2】 光吸収スペクトルより炭素同位体を分析
    する装置において、12 CO2 検出用の近赤外域のレーザを出力する第1の半
    導体レーザと、13 CO2 検出用の近赤外域のレーザを出力する第2の半
    導体レーザと、 前記第1および前記第2の半導体レーザに互に異なる周
    波数変調をかける変調手段と、 内部に分析すべき炭素同位体が混在する試料セルと、 内部に12CO2 ガスと13CO2 ガスとが混在する参照セ
    ルと、 前記第1および前記第2の半導体レーザから出力された
    光を前記試料セル内に入射すると共に、前記参照セルに
    も入射する手段と、 前記試料セル内の12CO2 の光吸収特性の2次微分曲線
    を検出する第1のロックイン増幅手段と、 前記試料セル内の13CO2 の光吸収特性の2次微分曲線
    を検出する第2のロックイン増幅手段と、 前記参照セル内の12CO2 ガスの光吸収特性の1次微分
    曲線を検出する第3のロックイン増幅手段と、 前記参照セル内の13CO2 ガスの光吸収特性の1次微分
    曲線を検出する第4のロックイン増幅手段とを有し、12 CO2 検出に波数6514.25±0.2cm-1を用
    い、前記参照セル内の12CO2 ガスの光吸収の1次微分
    曲線の変曲点に、前記12CO2 検出用の第1の半導体レ
    ーザの発振波数を前記波数にロックし、13 CO2 の検出に波数6789.78±0.2cm-1
    用い、前記参照セル内の13CO2 ガスの光吸収の1次微
    分曲線の変曲点に、前記13CO2 検出用の第2の半導体
    レーザの発振波数を前記波数にロックし、 前記12CO2 ガスの2次微分曲線を検出する第1のロッ
    クイン増幅手段の出力と前記13CO2 ガスの2次微分曲
    線を検出する第2のロックイン増幅手段との出力とよ
    り、同位体比を検出することを特徴とする炭素同位体分
    析装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の炭素同位体分析装
    置において、12 CO2 13CO2 検出に、下記の表1のスペクトルを
    用いることを特徴とする炭素同位体分析装置。 【表1】
JP17305292A 1992-06-30 1992-06-30 炭素同位体分析装置 Withdrawn JPH0618411A (ja)

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