JP2015176072A - 中赤外レーザ光発生装置及びガス検出装置並びに中赤外レーザ光発生方法及びガス検出方法 - Google Patents

中赤外レーザ光発生装置及びガス検出装置並びに中赤外レーザ光発生方法及びガス検出方法 Download PDF

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弘 宮澤
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Abstract

【課題】本発明は、1台の中赤外レーザ光発生装置で、波長間隔が広く離れ、出力強度差が小さい2つの中赤外変換光を同時に得ることを目的とする。
【解決手段】本発明は、2つの励起光と信号光を周期分極反転ニオブ酸リチウム導波路を有する波長変換モジュール404に入力して2つの中赤外変換光を生成し、同一光軸上に2つの中赤外変換光を出力するように中赤外レーザ光発生装置を構成し、2つの励起光と中赤外変換光の群屈折率が同一の条件となるように2つの励起光及び信号光の波長を設定した。
【選択図】図4

Description

本発明は、差周波発生を利用した中赤外レーザ光発生装置及びガス検出装置並びに中赤外レーザ光発生方法及びガス検出方法に関する。
中赤外光(波長がおよそ2.5〜4μmの光源)を発生する光源として、二次非線形現象の一種である差周波発生を利用する波長変換光源が知られている。差周波発生を使った中赤外光源については、周期分極反転ニオブ酸リチウム導波路(PPLN(Periodically Poled LiNbO)導波路)を用いた高効率波長変換技術が進展し、小型、低出力の励起レーザ、たとえば半導体レーザ(光出力100mW程度)を励起光源とする小型の中赤外光源を作製することが可能となった(特許文献1)。これは、非線形結晶に周期分極反転構造を人工的に作製し、疑似位相整合条件を満足させる技術、ならびに、導波路構造を用いてパワー密度を高め、かつ、三つの光の相互作用長を長くすることが可能となったことによる。
図1は、差周波発生を利用する従来の波長変換光源100の構成を示す図である。図1において、励起光源101から出力される波長λの光と、信号光源102から出力される波長λの光とが、合波器103において同一光軸光線に合波される。合波された光は、非線形結晶104に入力される。非線形結晶104内部では二次非線形効果である差周波発生によって、波長λの中赤外光が発生する。
このとき、励起光波長λと、信号光波長λと、差周波光波長λとは、以下の関係式1を満足することが知られている。
1/λ=1/λ−1/λ (式1)
仮に励起光波長λを1.064μm、信号光波長λを1.56μmとした場合には、λ=3.3μmの中赤外光を発生させることが可能である(例えば、非特許文献1参照。)。
図2は、励起光源と信号光源に半導体レーザを用い、導波路型波長変換素子を用いた中赤外光源の構成を示す図である。実線矢印は光信号、破線矢印は電気信号を示す。さらに、中赤外光源の出力側に任意ガスが充填されているガスセル208を配置し、ガスセルを透過した光を光検出器209によって検波して任意ガスの中赤外領域における吸収スペクトルを計測するシステムを図示している。
励起光コントローラ205からの電気信号により励起光を発生する半導体レーザ(以下、励起光LDとする)201から出力される励起光と、信号光コントローラ206からの電気信号により信号光を発生する半導体レーザ(以下、信号光LDとする)202から出力される信号光は、励起光LDおよび信号光LDに光学的に接続されている光ファイバを導波して、合波器203に導かれる。合波器203の内部で合波された励起光と信号光は、合波器203に光学的に接続されている光ファイバ207を導波して波長変換モジュール(DFG(Differece Frequency Generation)モジュール)204に導かれる。合波された光は、波長変換モジュール204の内部において、2枚のレンズを介してPPLN光導波路に入射し、中赤外光に波長変換される。波長変換モジュール204から出力される中赤外光は、任意ガスが充填されているガスセル208を透過する。その後、ガスセル208を透過した中赤外光は、光検出器209によって、透過光強度が計測される。
このとき、信号光LDとしてDFB−LD(分布帰還型レーザダイオード)を用いると、その発振周波数(発振波長)が駆動電流によって変化するので、図3に示すように鋸歯状波的に駆動電流を掃引し、ガスセル208を透過した光強度を光検出器209で測定すると、オシロスコープ210の画面上にガスの吸収スペクトルを表示させることが可能となる。
ガスセル208を透過した光が固定波長のまま変化しない場合は、光検出器209によって受光される受光量の電圧値は、一定の値を示したままである。しかし、中赤外光の波長が変化して吸収線の波長に一致すると、ガスの光吸収を受けるために透過光量が減少するので表示電圧値が減少する。したがって、DFB−LDに周期的な変調信号を印加して発振波長を周期的に掃引すると、オシロスコープ画面上には、吸収を伴うディップをもった電圧波形、すなわち、ガス吸収スペクトルを表示させることが可能となる。この方法は、近赤外波長域(波長1μmから2μm)においては、TDLS(Tunable Diode Laser Spectroscopy)法として知られている方法である。
中赤外光源を利用して、ガスを検知する例として、中赤外光領域(3μm帯)での13CH12CHの光吸収スペクトルを測定し、メタンガスの同位体13CH12CHの組成比を分析する方法が提案されている(非特許文献2参照)。13CH12CHの光吸収スペクトルは、波数2900cm−1〜3100cm−1に相当する波長3.223μm〜3.448μmの中赤外光領域に複数存在する。この中赤外光領域に含まれる13CHの光吸収スペクトル及び12CHの光吸収スペクトルをそれぞれ観測することで、13CH12CHの組成比を分析することができる。
天然ガス中の炭素同位体組成の情報には、ガスの成因、熟成度、移動・微生物分解・混合などの起源に関する情報が含まれており、メタンガスの同位体の組成を分析することは石油の探鉱・開発作業において有用である。また、天然ガス中の炭素同位体組成の情報は、ガス田の寿命推定、あるいは、ガスの産地特定などの根拠データとして利用されており、産業上の利用価値が高い。たとえば、ガスパイプラインの事業者は、地表漏洩ガスの炭素同位体組成を分析することによって、天然由来のガスであるか、あるいはパイプラインからのガス漏洩であるかの推定が可能となる。
特許第4463842号公報
O. Tadanaga, T. Yanagawa, Y. Nishida, H. Miyazawa, K. Magari,M.Asobe and H. Suzuki: "Efficient 3−μm difference frequency generation using a direct−bonded quasi−phase−matched LiNbO3 ridge waveguides", Appl. Phys. Lett., 88, P. 061101(2006) P. Bergamaschi, et. al., High−precision direct measurements of 13CH4/12CH4 and 12CH3D/12CH4 ratios in atomospheric methane sources by means of a long−path tunable diode laser absorption spectrometer, Applied Optics, 1994年11月20日, Vol.33, No.33, p.7704−7716 T.Yanagawaら,Applied Physics Letters,Vol.86,p.161106(2005)
上記した半導体レーザLDを用いた中赤外レーザ光発生装置1台では広い波長域で一定の光強度を得ることが難しいため、波長間隔が広く離れたメタンガスの同位体である13CH12CHの光吸収スペクトルの測定によりメタンガスの同位体の組成分析をするためには2台の中赤外レーザ光発生装置を用いる必要があった。しかし、2台の中赤外レーザ光発生装置を用いる場合、装置が大型化する上に、同一光軸上に2つの中赤外レーザ光を導波する際の光軸調整が困難であるという問題があった。
本発明は、1台の中赤外レーザ光発生装置で、波長間隔が広く離れ、出力強度差が小さい2つの中赤外変換光を同時に得ることを目的とする。
上記課題を解決するため、2つの励起光と信号光を周期分極反転ニオブ酸リチウム導波路を有する差周波発生部に入力して2つの中赤外変換光を生成し、同一光軸上に2つの中赤外変換光を出力するように中赤外レーザ光発生装置を構成し、2つの励起光と中赤外変換光の群屈折率が同一の条件となるように2つの励起光及び信号光の波長を設定した。
具体的には、本発明に係る中赤外レーザ光発生装置は、
第1の励起光を発生する第1の半導体レーザダイオードと、
前記第1の半導体レーザダイオードの電流値を駆動して、前記第1の励起光の波長を制御する第1のレーザ制御部と、
第2の励起光を発生する第2の半導体レーザダイオードと、
前記第2の半導体レーザダイオードの電流値を駆動して、前記第2の励起光の波長を制御する第2のレーザ制御部と、
前記第1の励起光と前記第2の励起光を合波して合波励起光を生成する第1の合波器と、
信号光を発生する第3の半導体レーザダイオードと、
前記第3の半導体レーザダイオードの電流値を駆動して、前記信号光の波長を制御する第3のレーザ制御部と、
前記合波励起光と前記信号光を合波する第2の合波器と、
前記第2の合波器の出力光を周期分極反転ニオブ酸リチウム導波路に通過させ、前記第1の励起光及び前記信号光を中赤外光に変換した第1の中赤外変換光を発生しかつ前記第2の励起光及び前記信号光を中赤外光に変換した第2の中赤外変換光を発生する差周波発生部と、
を備え、
前記差周波発生部は、前記第1の中赤外変換光及び前記第2の中赤外変換光を同一光軸上に出力する。
本発明に係る中赤外レーザ光発生装置では、前記差周波発生部は、前記第1の励起光の群屈折率と前記第1の中赤外変換光の群屈折率とが略等しく、前記第2の励起光の群屈折率と前記第2の中赤外変換光の群屈折率とが略等しいことが好ましい。
本発明に係る中赤外レーザ光発生装置では、前記第1の励起光及び前記第2の励起光の波長が1.02μm以上1.08μm以下であり、前記第1の中赤外変換光及び前記第2の中赤外変換光の波長が3.23μm以上3.44μm以下であることが好ましい。
本発明に係る中赤外レーザ光発生装置では、前記第1のレーザ制御部、前記第2のレーザ制御部及び前記第3のレーザ制御部は、前記第1の中赤外変換光及び第2の中赤外変換光が時間的に交互に発生するようにそれぞれ前記第1の半導体レーザダイオードの電流値、前記第2の半導体レーザダイオードの電流値及び前記第3の半導体レーザダイオードの電流値を駆動する形態を採用しうる。
本発明に係る中赤外レーザ光発生装置では、前記第1のレーザ制御部、前記第2のレーザ制御部及び前記第3のレーザ制御部は、前記第1の中赤外変換光及び第2の中赤外変換光が同時に発生するようにそれぞれ前記第1の半導体レーザダイオードの電流値、前記第2の半導体レーザダイオードの電流値及び前記第3の半導体レーザダイオードの電流値を駆動する形態を採用しうる。
具体的には、本発明に係るガス検出装置は、
本発明に係る中赤外レーザ光発生装置と、
前記差周波発生部の出力光から前記第1の中赤外変換光及び前記第2の中赤外変換光を透過し、前記第1の励起光、前記第2の励起光及び前記信号光を遮断するフィルタと、
任意のガスが充填され、前記フィルタの透過光を前記ガスに通過させるガスセルと、
前記ガスセルを通過した出力光の光強度を検出する光検出器と、
を備える。
具体的には、本発明に係るガス検出装置は、
本発明に係る中赤外レーザ光発生装置と、
前記差周波発生部の出力光から前記第1の中赤外変換光及び前記第2の中赤外変換光を透過し、前記第1の励起光、前記第2の励起光及び前記信号光を遮断するフィルタと、
任意のガスが充填され、前記フィルタの透過光を前記ガスに通過させるガスセルと、
前記ガスセルを通過した出力光から前記第1の中赤外変換光及び第2の中赤外変換光を分離する分散素子と、
前記分散素子の分離した前記第1の中赤外変換光及び第2の中赤外変換光の光強度をそれぞれ検出する2つの光検出器と、
を備える。
具体的には、本発明に係る中赤外レーザ光発生方法は、
第1のレーザ制御部が第1の半導体レーザダイオードを駆動して第1の励起光を発生するとともに第2のレーザ制御部が第2の半導体レーザダイオードを駆動して第2の励起光を発生して前記第1の励起光及び前記第2の励起光を合波して合波励起光を生成し、第3のレーザ制御部が第3の半導体レーザダイオードを駆動して信号光を発生して前記合波励起光及び前記信号光を合波する光合波手順と、
前記合波励起光及び前記信号光の合波光を周期分極反転ニオブ酸リチウム導波路に通過させ、前記第1の励起光及び前記信号光を中赤外光に変換した第1の中赤外変換光を発生しかつ前記第2の励起光及び前記信号光を中赤外光に変換した第2の中赤外変換光を発生する差周波光発生手順と、
前記第1の中赤外変換光及び前記第2の中赤外変換光を同一光軸上に出力する光出力手順と、
を順に有する。
具体的には、本発明に係るガス検出方法は、
本発明に係る中赤外レーザ光発生方法における光合波手順、差周波光発生手順及び光出力手順と、
前記周期分極反転ニオブ酸リチウム導波路の通過光から前記第1の中赤外変換光及び前記第2の中赤外変換光を透過し、前記第1の励起光、前記第2の励起光及び前記信号光を遮断する光フィルタリング手順と、
前記第1の中赤外変換光及び前記第2の中赤外変換光を、任意のガスが充填されたガスセル内に通過させるガスセル内通過手順と、
前記ガスセルを通過後の前記第1の中赤外変換光及び前記第2の中赤外変換光の光強度を検出する光強度検出手順と、
を順に有する。
なお、上記各発明は、可能な限り組み合わせることができる。
本発明によれば、1台の中赤外レーザ光発生装置で、波長間隔が広く離れ、出力強度差が小さい2つの中赤外変換光を同時に得ることができる。
差周波発生を利用する波長変換光源の構成の一例を示す。 関連する中赤外レーザ光発生装置の一例を示す。 鋸歯状波の外部変調信号の一例を示す。 本発明の実施形態1の中赤外レーザ光発生装置の一例を示す。 位相不整合量に対する変換効率の変化の一例を示す。 ニオブ酸リチウム結晶の群屈折率の波長依存性の一例を示す。 本発明の実施形態2のガス検出装置の一例を示す。 本発明の実施形態2のLD駆動電流の変調信号パターンの一例であり、(a)は信号光を示し、(b)は第1の励起光を示し、(c)は第2の励起光を示す。 本発明の実施形態3のガス検出装置の一例を示す。 本発明の実施形態3のLD駆動電流の変調信号パターンの一例であり、(b)は第1の励起光を示し、(c)は第2の励起光を示す。 本発明の実施形態4のガス検出装置の一例を示す。 本発明の実施形態5のガス検出装置の一例を示す。 本発明の実施形態5のLD駆動電流の変調信号パターンの一例を示す。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。これらの実施の例は例示に過ぎず、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
(実施形態1)
図4に、本実施形態に係る中赤外レーザ光発生装置400の構成の一例を示す。中赤外レーザ光発生装置400は、励起光LD401A,401B、信号光LD402、ドライバ411,412,413、合波器410,403、波長変換モジュール404、温度コントローラ414を備える。
励起光LD401A,401B及び信号光LD402は、それぞれ、第1の半導体レーザダイオード、第2の半導体レーザダイオード及び第3の半導体レーザダイオードとして機能する。ドライバ411,412及び413は、それぞれ、励起光LD401A,401B及び信号光LD402の駆動電流(ACC)を制御するLDドライバであり、第1のレーザ制御部、第2のレーザ制御部及び第3のレーザ制御部として機能する。合波器410,403は、それぞれ、第1の合波器及び第2の合波器として機能する。波長変換モジュール404は、差周波発生部として機能する。
本実施形態に係る中赤外レーザ光発生方法は、光合波手順と、差周波光発生手順と、光出力手順と、を順に有する。
光合波手順では、励起光LD401A及び励起光LD401Bからの励起光と、信号光LD402からの信号光を合波して波長変換モジュール(DFG(Differece Frequency Generation)モジュール)404に入力する。このとき、ドライバ411,412及び413が励起光LD401A,401B及び信号光LD402の駆動電流を制御することで、励起光LD401A,401B及び信号光LD402の出力波長を変化させる。励起光LD401A及び励起光LD401Bは異なる波長の励起光を出力する。これにより、中赤外レーザ光発生装置400は、中赤外光領域における広い波長域の2つの変換光を得ることができる。
具体的には、ドライバ411が励起光LD401Aを駆動して波長λ1Aの第1の励起光を発生するとともにドライバ412が励起光LD401Bを駆動して波長λ1Bの第2の励起光を発生する。励起光LD401A及び401Bから出力される励起光は、励起光LD401A及び401Bに光学的に接続されている光ファイバを導波して、合波器410に入力される。そして、合波器410は、第1の励起光及び第2の励起光を合波して合波励起光を生成する。ここで、合波器410としては、たとえば、3dB光ファイバカプラを用いることができる。
ドライバ413が信号光LD402を駆動して波長λの信号光を発生する。合波器410で合波された2波長の合波励起光と、信号光LD402から出力される信号光は、接続される光ファイバ中を導波して合波器403に導かれる。合波器403は、合波励起光及び信号光を合波する。ここで、合波器403としては、WDM光ファイバカプラを用いることもできるし、誘電体多層膜フィルタを実装したWDMフィルタを用いることもできる。
合波器403の内部で合波された励起光と信号光は、光ファイバを導波して波長変換モジュール404に入力される。差周波光発生手順では、合波励起光及び信号光の合波光を波長変換モジュール404に通過させ、第1の変換光及び第2の変換光を発生させる。第1の変換光は、第1の励起光及び信号光の差周波発生によって中赤外光に変換した波長λ3Aの光である。第2の変換光は、第2の励起光及び信号光の差周波発生によって中赤外光に変換した波長λ3Bの光である。
ここで、波長変換モジュール404の構造を簡単に説明する。波長変換モジュール404の内部では、PPLN導波路とサーミスタが金属キャリアの上面に固定されおり、さらに、金属キャリアは温度コントロールのためのペルチェデバイスに保持されている。ペルチェデバイスとサーミスタの電極リードはパッケージに埋め込まれている絶縁電極端子に接続されて、外部温度コントローラ414に接続される。サーミスタの抵抗値をモニタしてペルチェ電流制御を行うことによって、PPLN導波路の温度一定制御がおこなわれる。波長変換モジュールに入力された励起光と信号光は、図示していないレンズによって、PPLN導波路に入力される。
光出力手順では、波長変換モジュール404に入力された励起光及び信号光はPPLN導波路内部で、差周波発生によって2つの中赤外光に変換されて導波路出射端の同一光軸上に出力され、モジュール外部に入力される。
次に図4の構成において、同一光軸上に2つの変換光を発生する中赤外レーザ光発生装置の構成条件について述べる。
励起光波長λにおける屈折率をn、信号光波長λにおける屈折率をn、変換光波長λにおける屈折率をn、周期分極反転の周期をΛとすると、式1より、次式で与えられる位相不整合量Δβに対して変換効率ηは式3で表される。
Figure 2015176072
Figure 2015176072
但しLは非線形材料の長さ、ηmaxは定数を表す。
式3から変換効率は、位相不整合量Δβが2π/Λに等しい時に最大となる。これを、疑似位相整合条件という。励起光波長λを固定して考えると、位相不整合量Δβ=2π/Λとなる擬似位相整合条件を満たす信号光波長、励起波長は、非線形材料の屈折率の波長分散に依存し、分極反転周期Λを決定すると、式2より使用する変換光波長λを決めれば信号光波長λが実質的に一意に決定されることになる。励起光波長、あるいは信号光波長を擬似位相整合波長から変化させると式2および式3に従って変換効率が減少する。このことを図示したものが図5である。図5は、位相不整合量に対する変換効率の変化を規格化して示している。横軸は位相不整合量Δβと擬似位相整合量2π/Λの差を非線形媒質の長さLで規格化した値である。例えば励起光波長を固定して、信号光波長を変化させた場合、変換効率が最大値の半分となる位相不整合量に相当する波長帯域は、長さ50mmのPPLN導波路を用いた場合、3.35μm帯の変換波長に換算すると約9.3nm程度と狭い。
一方、広い波長範囲においても位相整合がとれる特殊な例として、1.55μmと0.94μmを入射して2.39μmを発生する場合がある(非特許文献3参照。)。この場合は、1.55μm帯の信号光と2.39μmの変換光の間で群速度が一致するため広い信号光範囲で信号光波長を掃引して広い波長範囲で変換光を発生することができる。
次に、3μm帯において広帯域の疑似位相整合を実現するための信号光λを固定した場合の励起光λと変換光λの群屈折率の条件について、以下詳細に説明する。
ここで、前記した疑似位相整合条件を式4に示す。
(数4)
Δβ=2π/Λ (式4)
信号光波長λを固定し、励起光波長λを変化させて変換光波長λを変化させる場合、式1においてλが一定という条件から励起光と変換光の変化分は次式を満たす必要がある。
(数5)
Δ(1/λ)=Δ(1/λ) (式5)
式2及び式4からそれぞれの波長における位相速度の変化分は次式を満たす必要がある。
(数6)
Δ(n/λ)=Δ(n/λ) (式6)
式5及び式6から次式を満たす必要があることが分かる。
(数7)
(λ)=n(λ) (式7)
ここでnは次式で与えられる群屈折率である。
Figure 2015176072
なお、群屈折率nは群速度vと以下の関係がある。
(数9)
ng=c/v (式9)
ここで、cは真空中の光速である。
従って、式4の疑似位相整合条件の場合、式7、式8から励起光と変換光波長における群屈折率または群速度が同じであり、波長の変化に伴う伝播定数の変化が相殺され、式2の位相不整合量の変化が緩やかになるため、広い波長域に渡って位相整合がとれる。
次に、非線形光学媒質として用いるニオブ酸リチウム(LiNbO:以下LNと省略する)の励起光波長と変換光波長における群屈折率について述べる。図6はLNの群屈折率の波長依存性を示す図である。横軸は波長を、縦軸は群屈折率を表す。図中の実線はバルクのLNを用いた場合、点線は導波路構造を持つLNを用いた場合の結果である。励起光源の波長として、1.02μm〜1.08μm程度(中心波長は1.05μm)に注目すると、バルクのLNを用いた場合には3.39μm〜3.6μm(中心波長は3.5μm程度)の範囲で励起光と変換光の群屈折率が一致する。従って励起波長を1.05μm程度にすることで、群速度整合を利用して3.5μmを中心とする広帯域な位相整合を実現することができる。
一方、PPLN導波路を用いて1.05μm帯及び1.55μm帯の差周波発生により3μmの変換光を得る場合は、相互作用する3つの波長帯のうち最も長波長の3μmにおいてほぼシングルモード条件を満たすように導波路のコアの大きさ等を設定する。すると1.05μm帯及び1.55μm帯では導波路がマルチモードとなるが、波長変換に利用する基底モードは光導波路内に強く閉じ込められて、導波路の形状によって生じる構造分散の影響をほとんど受けない。従ってLN導波路の群屈折率は1.05μm帯及び1.55μm帯ではバルクの場合に比較してほとんど変化しない。一方、3μm帯では導波モードの等価屈折率が構造分散の影響を受けて群屈折率が大きくなる。このため図6の点線に見られるように、3μm帯では、群速度の一致が得られる変換光の波長帯が短波長側へシフトすることになる。図6の例では、1.02μm〜1.08μmの励起光波長に対して3.23μm〜3.44μm(中心波長は3.34μm程度)の範囲で励起光と変換光の群屈折率が一致する。このため、波長3.23μm〜3.44μmの中赤外光を生成する際に波長1.02μm〜1.08μmの励起光を用いることで、中赤外光の光強度を略一定にすることができる。
このように、3.34μm帯の中赤外光を1台のLNモジュールで中赤外光の変換効率を劣化させずに出力するためには1.0μ帯の励起光と、1.5μ帯の信号光と、差周波発生部であるPPLN導波路を用いることが必須の条件となる。図6の例では、3.23μm以上3.44μm以下の波長を有する変換光を出力するに際し、励起光LD401A及び励起光LD401Bの波長を1.02μm以上1.08μm以下に含まれる任意の波長に設定し、信号光LD402の波長を1.55μm帯に設定することで、中赤外光のうち波長間隔が広く離れた2つの波長の中赤外光を同時に発生することができる。
以上述べたように、上記群速度整合の条件のより、図4に示した構成から、中赤外光のうち波長間隔が広く離れた2つの波長の中赤外光を同時に発生することができる。このため、中赤外光の広い波長帯域の中からメタンガスの同位体13CH12CHの光吸収スペクトルに相当する波長の中赤外光を発生することができる。なお、図6の例では励起光1.02μm〜1.08μmに限定して説明したが、図6の特性を利用すれば、励起光1.02μm〜1.08μmよりもより広い範囲で波長を選択することが可能である。
(実施形態2)
図7に、中赤外レーザ光発生装置700を用いてガスの吸収スペクトルを測定するガス検出装置の実施形態を示す。本実施形態に係るガス検出装置は、中赤外レーザ光発生装置700と、波長フィルタ721と、マルチパスセル724と、光検出器730と、を備える。マルチパスセル724はガスセルとして機能する。中赤外レーザ光発生装置700は、実施形態1の中赤外レーザ光発生装置400に加え、さらに、信号光を掃引するための外部変調信号発振器715(a)と、第1の励起光及び第2の励起光を交互に出力するための外部変調信号発振器715(b)及び715(c)を備える。
本実施形態に係るガス検出方法は、実施形態1で説明した光合波手順、差周波光発生手順及び光出力手順と、光フィルタリング手順と、ガスセル内通過手順と、光強度検出手順と、を順に有する。
光合波手順では、以下の動作を実行する。励起光LD701A及び701Bから出力される励起光は、波長掃引信号発振器715(b)、715(c)からの信号により掃引され、励起光LD701A及び701Bに光学的に接続されている光ファイバを導波して、合波器710に入力される。ここで、合波器710としては、たとえば、3dB光ファイバカプラを用いることができる。
合波器710で合波された2波長の励起光と、信号光LD702から出力される信号光は、接続される光ファイバ中を導波して合波器703に導かれる。ここで、合波器703としては、WDM光ファイバカプラを用いることもできるし、誘電体多層膜フィルタを実装したWDMフィルタを用いることもできる。
合波器703の内部で合波された励起光と信号光は、光ファイバを導波して波長変換モジュール(DFG(Differece Frequency Generation)モジュール)704に入力される。そして差周波光発生手順を実行する。ここで、DFGモジュールの構造を簡単に説明する。DFGモジュール704の内部では、PPLN導波路とサーミスタが金属キャリアの上面に固定されおり、さらに、金属キャリアは温度コントロールのためのペルチェデバイスに保持されている。ペルチェデバイスとサーミスタの電極リードはパッケージに埋め込まれている絶縁電極端子に接続されて、外部温度コントローラ714に接続される。サーミスタの抵抗値をモニタしてペルチェ電流制御をおこなうことによって、PPLN導波路の温度一定制御が行われる。
DFGモジュールに入力された励起光と信号光は、図示していないレンズによって、PPLN導波路に入力される。光出力手順では、波長変換モジュール704に入力された励起光及び信号光はPPLN導波路内部で差周波発生によって2つの中赤外光に変換され、導波路出射端の同一光軸上に出力される。
光フィルタリング手順では、波長変換モジュール704の通過光から第1の変換光及び第2の変換光を透過し、第1の励起光、第2の励起光及び信号光を遮断する。具体的には、導波路出射端には、中赤外光を平行光線にするコリメータレンズ720を配置する。つづいて、波長フィルタ721を通過させて中赤外光と同時に出力される、励起光と信号光をカットする。波長フィルタ721は、例えば、ゲルマニウムフィルタ又は3μm帯透過フィルタを用いる。その後、金ミラー722、723によって光軸を調整して、マルチパスセル724に2波の中赤外光を入力する。
ガスセル内通過手順では、第1の変換光及び第2の変換光を、任意のガスが充填されたマルチパスセル724に通過させる。マルチパスセル724には、ガス吸気口725と排気口726が用意されており、試料ガスの注入、排気が可能な構造となっている。排気口726は、図示していない真空ゲージと真空ポンプに接続されて、セル内部の圧力を調整しながら真空排気を行う。また、吸気口725には図示されていないマスフローコントローラあるいはニードルバルブが接続されており、ガス流量を調整しながら、測定ガスを注入する。これにより、測定気体圧力を10Torrにした。
光強度検出手順では、光検出器730が、マルチパスセル724を通過後の第1の変換光及び第2の変換光の光強度を検出する。具体的には、マルチパスセル724に入力された中赤外光は、セル両端に配置された凹面鏡727、728によって、光路が複数回折り返されてセル内部を通過したのち、集光レンズ729を介して光検出器730に入力される。
本実施形態のマルチパスセル724においてはステンレス製のパイプの両端に凹面鏡と光学窓を配置した、長さ15cmのマルチパスセルを用意した。光路の折り返しは3回とし光路長は60cmである。これは、従来の、波長1.65μmを使ったCRDS(Cavity Ring−Down Spectroscopy)の光路長がkmオーダであるのに比べ1/1000に短縮されていることになる。このため光軸合わせが容易である利点と、振動などの外部擾乱に対しても光軸がずれない安定性を有する。
また、図7の実施態様においては、半導体レーザを駆動するLDドライバ711,712,713は外部変調信号発振器715(b)、715(c)、715(a)が接続されている。ここで、図2、図3で説明したように、ガスの吸収スペクトルを観察するTDLSの方法においては、DFB−LDに鋸歯状波の電流を印加し、DFB−LDの発振波長を掃引することが必要である。
本実施形態の外部変調信号発振器715(a)、715(b)、715(c)の信号パターンを図8に示す。図8の縦軸はLD駆動電流(ACC電流)を示し、横軸は時間を示している。また、図8(a)は信号光LD702を駆動する外部変調信号の信号パターンを示し、図8(b)は励起光LD701Aを駆動する外部変調信号の信号パターン、図8(c)は励起光LD701Bを駆動する外部変調信号の信号パターンを示している。
外部変調信号発振器715(a)の信号パターンは図8(a)のように鋸歯状波の信号である。このことによって、信号光波長は波長掃引されている。一方、外部変調信号発振器715(b)及び715(c)の信号パターンは図8(b)及び図8(c)のように矩形波の信号であり、それぞれ固定周期で交互に発振している。このように、ドライバ711及び712が励起光LD701A及び701Bを時間的に交互に駆動することによって、第1の励起光波長と第2の励起光波長はそれぞれ固定波長で交互に出力される。
本実施形態においては、周波数100Hzの鋸歯状波を有する外部変調信号発振器715(a)の信号パターンに同期して、50Hzの矩形波を有する外部変調信号発振器715(b)及び715(c)の信号パターンの位相を180°ずらして与えている。このような、パルスパターンを励起光LD701A及び701Bに印加することによって、中赤外レーザ光発生装置700から2つの中赤外光を時間的に交互に発生することができる。この中赤外レーザ光発生装置700を用いて、2つの中赤外光での光吸収スペクトルを時間的に交互に測定することができ、メタンガス等の同位体13CH12CHの分析が可能となる。
(実施形態3)
図9に中赤外レーザ光発生装置900を用いてガスの吸収スペクトルを測定するガス検出装置の実施形態を示す。本実施形態に係るガス検出装置は、中赤外レーザ光発生装置900と、波長フィルタ921と、マルチパスセル924と、光検出器930と、を備える。マルチパスセル924はガスセルとして機能する。中赤外レーザ光発生装置900は、実施形態1の中赤外レーザ光発生装置400に加え、さらに、波長掃引した第1の励起光及び第2の励起光を交互に出力するための外部変調信号発振器915(b)及び915(c)を備える。図7の実施形態とは、鋸歯状波の外部変調信号を励起光911,912にのみ印加している点が異なり、他は同じである。
信号光LD902のドライバ913は一定電流(ACC)駆動とし、915(b)と915(c)の鋸歯状波の外部変調信号は図10に示すように時間的に交互に与えている。外部変調信号の周波数を10Hzとして外部変調信号発振器915(b)及び915(c)の鋸歯状波の信号パターンを50ミリ秒ずらして変調を行うことにより、実施形態2と同様に、中赤外レーザ光発生装置900から2つの中赤外光を時間的に交互に発生することができる。この中赤外レーザ光発生装置900を用いて、2つの中赤外光での光吸収スペクトルを時間的に交互に測定することができ、メタンガス等の同位体13CH12CHの分析が可能となる。
(実施形態4)
図11に中赤外レーザ光発生装置1100を用いてガスの吸収スペクトルを測定するガス検出装置の実施形態を示す。本実施形態においては、実施形態3で用いた信号光の波長を安定化する機能を付加した。中赤外レーザ光発生装置1100は、中赤外レーザ光発生装置900に、さらに、信号光波長を一定にするための分波器1131、アセチレンガスセル1132及びPD1133を備える。
信号光LD1102のドライバ1113に、図示していない変調信号fを印加し、PD1133で検出される透過信号を微分検波して信号光LD1102のLD駆動電流にフィードバックすることによって信号光の波長安定化を実行している。励起光LD1101A,1101Bに対しては実施形態3と同様な鋸歯状波信号を与えることにより、実施形態2と同様に、中赤外レーザ光発生装置1100から2つの中赤外光を時間的に交互に発生することができる。この中赤外レーザ光発生装置1100を用いて、2つの中赤外光での光吸収スペクトルを時間的に交互に測定することができ、メタンガス等の同位体13CH12CHの分析が可能となる。
実施形態2から実施形態4では、第1の半導体レーザダイオード及び第2の半導体レーザダイオードを時間的に交互に駆動することで第1の変換光及び第2の変換光を時間的に交互に発生させているが、本発明はこれに限定されない。本発明は、第1の変換光及び第2の変換光を時間的に交互に発生させることの可能な、第1の半導体レーザダイオード、第2の半導体レーザダイオード及び第3の半導体レーザダイオードの任意の信号パターンを採用しうる。
(実施形態5)
図12に、本実施形態に係るガス検出装置の一例を示す。本実施形態に係るガス検出装置は、中赤外レーザ光発生装置1200を用いてガスの吸収スペクトルを測定する。本実施形態に係るガス検出装置は、中赤外レーザ光発生装置1200と、波長フィルタ1221と、マルチパスセル1224と、光検出器1244及び1245と、を備える。マルチパスセル1224はガスセルとして機能する。中赤外レーザ光発生装置1200は、実施形態1の中赤外レーザ光発生装置400に加え、さらに、波長掃引した信号光を出力するための外部変調信号発振器1215(a)を備える。本実施形態に係るガス検出装置は、図7の実施形態と、鋸歯状波の外部変調信号を信号光1202にのみ印加している点と、マルチパスセル1224の出力光検出する測定系と、が異なり、他は同じである。
励起光LD1201A及び1201Bは一定電流(ACC)駆動とし、ドライバ1213の鋸歯状波信号は図13に示すように連続して与えている。したがって、中赤外レーザ光発生装置1200から2つの中赤外光を同一光軸上に同時に発生することができる。本実施形態の場合、マルチパスセル1224を透過した2波長の変換光は分散素子1241を透過し、分離される。この分離された光を2つのレンズ1242及び1243を介して2つの光検出器1244及び1245で受光することにより、2つの吸収スペクトルを同時に測定することができる。
変換光を分離する分散素子は回折格子、プリズムなどがある。また、図12では透過型の分散素子を使っているが、反射型回折格子を使って変換光を分離し、2つの検出器で検出してもよい。
このように本実施形態の中赤外レーザ光発生装置1200を用いれば、2つの中赤外光での光吸収スペクトルを同時に測定することができ、メタンガス等の同位体13CH12CHの分析が可能となる。
実施形態5では、第1の半導体レーザダイオード及び第2の半導体レーザダイオードを一定電流で駆動し、第3の半導体レーザダイオードを鋸歯状波の電流で駆動することで第1の変換光及び第2の変換光を時間的に同時に発生させているが、本発明はこれに限定されない。本発明は、第1の変換光及び第2の変換光を時間的に同時に発生させることの可能な、第1の半導体レーザダイオード、第2の半導体レーザダイオード及び第3の半導体レーザダイオードの任意の信号パターンを採用しうる。
以上説明したように、本発明によれば、1つの中赤外レーザ光発生装置から広い波長範囲の2つの中赤外レーザ光を同一光軸上に略同一光強度レベルで発生することができるので、従来に比べてより小型の中赤外レーザ光発生装置及びガス検出装置が得られる。また、本発明は同一光軸上に2つの中赤外レーザ光を発生することができるので、光軸調整が不要となる利点を有する。更に、本発明の中赤外レーザ光発生装置を用いることにより広い波長範囲でのガスの光吸収スペクトルを測定できるので、メタンガス等の同位体の組成分析に有効である。
本発明は環境ガスを精度よく検出する装置に適用することができる。また、天然ガスの同位体の組成分析が可能となり、石油、天然ガス等のエネルギー産業に適用することができる。
100:波長変換光源
101:励起光減
102:信号光源
103、203、403、410、703、710、903、910、1103、1110、1203、1210:合波器
104:非線形結晶
201、401A、401B、701A、701B、901A、901B、1101A、1101B、1201A、1201B:励起光LD
202、402、702、902、1102、1202:信号光LD
205、206:コントローラ
204:DFGモジュール
207:光ファイバ
208:ガスセル
209、730、930、1130、1244、1245:光検出器
210:オシロスコープ
400、700、900、1100、1200:中赤外レーザ光発生装置
411、412、413、711、712、713、911、912、913、1111、1112、1113、1211、1212、1213:ドライバ
404、704、904、1104、1204:波長変換モジュール
414、714、914、1114、1214:温度コントローラ
715(a)、715(b)、715(c)、915(b)、915(c)、1115(b)、1115(c)、1215(a):外部変調信号発振器
720、920、1120、1220:コリメータレンズ
721、921、1121、1221:波長フィルタ
722、723、922、923、1122、1123、1222、1223:金ミラー
724、924、1124、1224:マルチパスセル
725、925、1125、1225:ガス吸気口
726、926、1126、1226:排気口
727、728、927、928、1127、1128、1227、1228:凹面鏡
729、929、1129、1242、1243:集光レンズ
1241:分散素子

Claims (9)

  1. 第1の励起光を発生する第1の半導体レーザダイオードと、
    前記第1の半導体レーザダイオードの電流値を駆動して、前記第1の励起光の波長を制御する第1のレーザ制御部と、
    第2の励起光を発生する第2の半導体レーザダイオードと、
    前記第2の半導体レーザダイオードの電流値を駆動して、前記第2の励起光の波長を制御する第2のレーザ制御部と、
    前記第1の励起光と前記第2の励起光を合波して合波励起光を生成する第1の合波器と、
    信号光を発生する第3の半導体レーザダイオードと、
    前記第3の半導体レーザダイオードの電流値を駆動して、前記信号光の波長を制御する第3のレーザ制御部と、
    前記合波励起光と前記信号光を合波する第2の合波器と、
    前記第2の合波器の出力光を周期分極反転ニオブ酸リチウム導波路に通過させ、前記第1の励起光及び前記信号光を中赤外光に変換した第1の中赤外変換光を発生しかつ前記第2の励起光及び前記信号光を中赤外光に変換した第2の中赤外変換光を発生する差周波発生部と、
    を備え、
    前記差周波発生部は、前記第1の中赤外変換光及び前記第2の中赤外変換光を同一光軸上に出力することを特徴とする中赤外レーザ光発生装置。
  2. 前記差周波発生部は、
    前記第1の励起光の群屈折率と前記第1の中赤外変換光の群屈折率とが略等しく、
    前記第2の励起光の群屈折率と前記第2の中赤外変換光の群屈折率とが略等しいことを特徴とする請求項1に記載の中赤外レーザ光発生装置。
  3. 前記第1の励起光及び前記第2の励起光の波長が1.02μm以上1.08μm以下であり、
    前記第1の中赤外変換光及び前記第2の中赤外変換光の波長が3.23μm以上3.44μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の中赤外レーザ光発生装置。
  4. 前記第1のレーザ制御部、前記第2のレーザ制御部及び前記第3のレーザ制御部は、前記第1の中赤外変換光及び第2の中赤外変換光が時間的に交互に発生するようにそれぞれ前記第1の半導体レーザダイオードの電流値、前記第2の半導体レーザダイオードの電流値及び前記第3の半導体レーザダイオードの電流値を駆動することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の中赤外レーザ光発生装置。
  5. 前記第1のレーザ制御部、前記第2のレーザ制御部及び前記第3のレーザ制御部は、前記第1の中赤外変換光及び第2の中赤外変換光が同時に発生するようにそれぞれ前記第1の半導体レーザダイオードの電流値、前記第2の半導体レーザダイオードの電流値及び前記第3の半導体レーザダイオードの電流値を駆動することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の中赤外レーザ光発生装置。
  6. 請求項1から4のいずれかに記載の中赤外レーザ光発生装置と、
    前記差周波発生部の出力光から前記第1の中赤外変換光及び前記第2の中赤外変換光を透過し、前記第1の励起光、前記第2の励起光及び前記信号光を遮断するフィルタと、
    任意のガスが充填され、前記フィルタの透過光を前記ガスに通過させるガスセルと、
    前記ガスセルを通過した出力光の光強度を検出する光検出器と、
    を備えるガス検出装置。
  7. 請求項1、2、3又は5に記載の中赤外レーザ光発生装置と、
    前記差周波発生部の出力光から前記第1の中赤外変換光及び前記第2の中赤外変換光を透過し、前記第1の励起光、前記第2の励起光及び前記信号光を遮断するフィルタと、
    任意のガスが充填され、前記フィルタの透過光を前記ガスに通過させるガスセルと、
    前記ガスセルを通過した出力光から前記第1の中赤外変換光及び第2の中赤外変換光を分離する分散素子と、
    前記分散素子の分離した前記第1の中赤外変換光及び第2の中赤外変換光の光強度をそれぞれ検出する2つの光検出器と、
    を備えるガス検出装置。
  8. 第1のレーザ制御部が第1の半導体レーザダイオードを駆動して第1の励起光を発生するとともに第2のレーザ制御部が第2の半導体レーザダイオードを駆動して第2の励起光を発生して前記第1の励起光及び前記第2の励起光を合波して合波励起光を生成し、第3のレーザ制御部が第3の半導体レーザダイオードを駆動して信号光を発生して前記合波励起光及び前記信号光を合波する光合波手順と、
    前記合波励起光及び前記信号光の合波光を周期分極反転ニオブ酸リチウム導波路に通過させ、前記第1の励起光及び前記信号光を中赤外光に変換した第1の中赤外変換光を発生しかつ前記第2の励起光及び前記信号光を中赤外光に変換した第2の中赤外変換光を発生する差周波光発生手順と、
    前記第1の中赤外変換光及び前記第2の中赤外変換光を同一光軸上に出力する光出力手順と、
    を順に有する中赤外レーザ光発生方法。
  9. 請求項8に記載の光合波手順、差周波光発生手順及び光出力手順と、
    前記周期分極反転ニオブ酸リチウム導波路の通過光から前記第1の中赤外変換光及び前記第2の中赤外変換光を透過し、前記第1の励起光、前記第2の励起光及び前記信号光を遮断する光フィルタリング手順と、
    前記第1の中赤外変換光及び前記第2の中赤外変換光を、任意のガスが充填されたガスセル内に通過させるガスセル内通過手順と、
    前記ガスセルを通過後の前記第1の中赤外変換光及び前記第2の中赤外変換光の光強度を検出する光強度検出手順と、
    を順に有するガス検出方法。
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