JP5169586B2 - レーザ式ガス分析計、酸素ガス濃度測定方法 - Google Patents

レーザ式ガス分析計、酸素ガス濃度測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、煙道等の測定空間内に存在する測定対象の酸素ガスの濃度を、レーザ光により測定するレーザ式ガス分析計及び酸素ガス濃度測定方法に関する。
気体状のガス分子にはそれぞれ固有の光吸収スペクトラムがあることが知られている。例えば、図11は、NH3(アンモニア)ガスの吸収スペクトルの一例であって、横軸は波長〔μm〕、縦軸は吸収強度である。
レーザ式ガス分析計は、レーザ光の特定波長の吸収量が測定対象ガスの濃度に比例することを利用した分析計であり、ガス濃度の測定方法としては、2波長差分方式及び周波数変調方式とに大別される。2波長差分方式では、半導体レーザの発振周波数はTHzオーダの信号であることから、複雑な信号処理を行うことができないのに対し、周波数変調方式では、数kHzのベースバンド領域で信号処理を行うことができるという利点がある。
本発明は、周波数変調方式を用いたレーザ式ガス分析計に関するものである。
まず、周波数変調方式を用いた従来のレーザ式ガス分析計の測定原理を説明する。
図12は、周波数変調方式の原理図を示したものであって、例えば特許文献1に記載されているものである。周波数変調方式のレーザ式ガス分析計では、中心周波数fc、変調周波数fmで半導体レーザの出射光を周波数変調し、測定対象のガスに照射する。ここで、周波数変調とは、半導体レーザに供給するドライブ電流の波形を正弦波状にすることである。
半導体レーザは、図13(a)、(b)に示すように、ドライブ電流や温度によって発光波長が変化するので、周波数変調を行うことにより、ドライブ電流の変調に伴って発光波長が変調されることになる。
図12に示したように、ガスの吸収線は変調周波数に対してほぼ2次関数となっているので、この吸収線が弁別器の役割を果たし、受光部では、変調周波数fmの2倍の周波数の信号(2倍周波数信号)を得ることができる。ここで変調周波数fmは任意の周波数でよいため、例えば、変調周波数fmを数kHz程度に選ぶと、デジタル信号処理装置または汎用のプロセッサを用いて、2倍周波数信号の抽出などの高度な信号処理を行うことが可能となる。
この周波数変調方式では、半導体レーザの種類の中でも、分布帰還型半導体レーザを用いて単一波長のレーザ光のみを出射し、ガス濃度を測定する場合が多い。この場合、半導体レーザが発光するスペクトル線幅の方が、測定対象ガスの吸収線幅よりも小さいため、半導体レーザの発光素子を測定対象ガスの吸収波長に合わせる必要性が生じる。
その方法として、測定対象ガスと同じガス成分を予め封入した参照ガスセルを用いて、半導体レーザの発光波長を温度によって制御する方法なども提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平7−151681号公報 特開2001−235418号公報
しかしながら、周波数変調方式のレーザ式ガス分析計では、前述のように、レーザの発光波長を測定対象ガスの吸収波長に合わせる必要がある。
そのためには、測定対象ガスと同じガスを封入した参照ガスセルが必要であるが、参照ガスセルへの封入が不可能または困難なガスについては、その濃度の検出が困難であるという問題がある。
特に、測定対象ガスの成分が環境によって変動したり、測定対象ガスと参照ガスセルに封入されたガスとで温度が異なったりした場合には、測定対象ガスと参照ガスセルに封入されたガスの成分や吸収波長を完全に一致させることが困難となり、十分な計測精度を確保することが困難となる可能性がある。
そこで、この発明は、上記従来の未解決の問題点に着目してなされたものであり、温度環境の変化の影響を受けることなく、酸素ガス濃度を的確に検出することの可能なレーザ式ガス分析計及び酸素ガス濃度測定方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るレーザ式ガス分析計は、レーザ素子を有し変調信号で周波数変調されたレーザ光を出射する光源部と、前記光源部からの出射光をコリメートする第1の光学系と、前記第1の光学系からの出射光が、測定対象の酸素ガスが存在する測定空間を介して伝播された透過光を集光する第2の光学系と、前記第2の光学系により集光された光を受光する受光素子と、前記受光素子の出力信号に基づき酸素ガス濃度を演算する信号処理手段と、を有し、前記レーザ素子と前記第1の光学系との間及び前記第2の光学系と前記受光素子との間に、一定濃度に維持される調整用酸素ガスが介在するレーザ式ガス分析計であって、前記光源部は、酸素ガスの吸収波長を走査するように前記レーザ素子の発光波長を可変とする波長走査駆動信号と前記発光波長を変調するための高周波変調信号とを合成してレーザ駆動信号として出力するレーザ駆動信号生成部と、前記レーザ駆動信号生成部から出力された前記レーザ駆動信号を電流に変換し前記レーザ素子に供給する電流制御部と、前記レーザ素子の温度を安定化させる温度安定化手段と、を備え、前記信号処理手段は、前記受光素子の出力信号から、前記光源部における前記変調信号の2倍周波数成分の振幅からなる2倍周波数成分信号を検出する2倍周波数成分信号検出手段と、前記2倍周波数成分信号において高側及び低側のピーク値を検索するピーク値検索手段と、前記ピーク値検索手段で検索した高側及び低側のピーク値に基づき酸素ガス濃度を演算する濃度演算手段と、前記濃度演算手段で演算された濃度演算値から前記調整用酸素ガスの濃度を差し引いて前記測定対象の酸素ガスの濃度を演算する酸素ガス濃度演算手段と、を備えることを特徴としている。
また、請求項2に係るレーザ式ガス分析計は、前記レーザ駆動信号に同期したトリガ信号の発生タイミングを基準とした、前記ピーク値検索手段で検索した高側及び低側のピーク値の何れか一方のピーク値の発生タイミングを検出し、前記ピーク値の発生タイミングが予め設定したタイミングと一致するように前記温度安定化手段の温度目標値を補正する補正手段を備えることを特徴としている。
また、請求項3に係るレーザ式ガス分析計は、前記第1の光学系は前記レーザ素子の出射光を透光する透光性部材を少なくとも有し、前記レーザ素子及び第1の光学系は、一端が開口された中空の柱状筐体に収納され且つ前記透光性部材は、前記透光性部材により前記柱状筐体内に密封空間を形成するように固定され、前記密封空間内には大気が封入されることを特徴としている。
また、請求項4に係るレーザ式ガス分析計は、前記第2の光学系は前記透過光を前記光検出部に透光する透光性部材を少なくとも有し、前記第2の光学系及び前記光検出部は、一端が開口された中空の柱状筐体に収納され且つ前記透光性部材は、前記透光性部材により前記柱状筐体内に密封空間を形成するように固定され、前記密封空間内には大気が封入されることを特徴としている。
さらに、本発明の請求項5に係る酸素ガス濃度測定方法は、レーザ素子と前記レーザ素子の出射光をコリメートする第1の光学系との間及び、第1の光学系からの出射光が、測定対象の酸素ガスが存在する測定空間を介して伝播された透過光を集光する第2の光学系と前記第2の光学系により集光された光を受光する受光素子との間に、一定濃度に維持される調整用酸素ガスを介在させて、前記受光素子の出力信号に基づき前記測定対象の酸素ガスの濃度を測定する酸素ガス濃度測定方法であって、変調信号で周波数変調され且つ酸素ガスの吸収波長を走査するように発光波長が変化するレーザ光を前記レーザ素子から出射させるステップと、前記レーザ素子の温度を安定化させるステップと、前記受光素子の出力信号から前記変調信号の2倍周波数成分の振幅からなる2倍周波数成分信号を検出するステップと、前記2倍周波数成分信号において高側及び低側のピーク値を検索するステップと、前記高側及び低側のピーク値に基づき酸素ガス濃度を演算するステップと、前記酸素ガス濃度から前記調整用酸素ガスの濃度を差し引いて前記測定対象の酸素ガスの濃度を演算するステップと、を備えることを特徴としている。
本発明によれば、測定空間内に測定対象の酸素ガスが存在しない場合であっても、レーザ素子と第1の光学系との間及び第2の光学系と光検出部との間に介在する調整用酸素ガスにより、レーザ光が吸収されるため、2倍周波数成分信号において調整用酸素ガスの濃度に応じたピークが現れる。ここで、温度環境の変化に伴って、2倍周波数成分信号においてピークの現れるタイミングはずれるが、測定空間内に測定対象の酸素ガスが存在するか否かに関わらず2倍周波数成分信号においてピークが現れ、このピーク値は、レーザ素子と光検出部との間の光路に介在する酸素ガスの濃度に応じた値を示す。このため、このピーク値をもとに濃度演算を行い、そこから、調整用酸素ガスの濃度を差し引くことによって、測定対象の酸素ガスの濃度を的確に検出することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるレーザ式ガス分析計の概略構成を示す断面図である。このレーザ式ガス分析計は、酸素ガスを測定対象とするものであって、図1に示すように、発光部1と受光部2とを備える。
発光部1は、レーザ素子が搭載された光源部11と、この光源部11から出射されたレーザ光を平行ビームに変換するコリメートレンズ12とを備える。なお、レーザ素子としては、半導体レーザを用いることができる。
受光部2は、測定対象ガスを透過したレーザ光を集光する集光レンズ21、集光レンズ21で集光されたレーザ光を検出する光検出部22、及び光検出部22で検出されたレーザ光から基本波成分の2倍周波数成分を抽出しこれに基づき測定対象ガスの濃度を演算する信号処理部23が設けられている。光検出部22としては例えばフォドタイオードを用いることができ、後述のレーザ素子41の発光波長に感度をもつ受光素子が用いられる。
ここで、発光部1の光源部11及びコリメートレンズ12は、一端が開口された略円筒状の発光部筐体17に収納され、集光レンズ21、光検出部22及び信号処理部23は、一端が開口された略円筒状の受光部筐体27に収納される。
そして、煙道等の測定対象ガスが流れる配管の隔壁31a、31bには、フランジ32a、32bが溶接等の方法により対向して固定され、発光部筐体17の開口部側が一方のフランジ31aに取り付けられ、受光部筐体27の開口部側が他方のフランジ32bに取り付けられている。
このとき、光源部11、コリメートレンズ12、集光レンズ21及び光検出部22は、これらの光軸が一致するように配置され、光源部11から出射されたレーザ光が、コリメートレンズ12により平行光に変換された後、隔壁31a、31b間の測定対象ガスを透過して、集光レンズ21に入射され、集光レンズ21により光検出部22上に集光されるようになっている。
また、コリメートレンズ12は、発光部筐体17の開口端近傍に接着剤等のシーリング材により固定され、煙道側から煙やガス等が流入しないように発光部筐体17の内周に密着固定されている。このコリメートレンズ12の固定は大気環境中で行われ、コリメートレンズ2により、発光部筐体17内に大気濃度レベルの酸素が気密保持される。
同様に、集光レンズ21は、受光部筐体27の開口端近傍に接着剤等のシーリング材により固定され、煙道側から煙やガス等が流入しないように受光部筐体27の内周に密着固定されている。この集光レンズ21の固定は大気環境中で行われ、集光レンズ21により、受光部筐体27内に大気濃度レベルの酸素が気密保持される。以後、発光部筐体17及び受光部筐体27に封入された大気濃度レベルの酸素を調整用酸素ガスともいう。
なお、コリメートレンズ12及び集光レンズ21は接着剤により気密に固定する場合に限るものではなく、例えば、ゴム部材等のシーリング材を用いてもよく、要は、コリメートレンズ12及び集光レンズ21によって、発光部筐体17及び受光部筐体27内に調整用酸素ガスを気密に保持することができれば、どのような固定方法を用いてもよい。
次に、光源部11について説明する。
図2は、光源部11の構成を示すブロック図である。
図2において、光源部11は、レーザ素子41と、レーザ素子41を駆動するためのレーザ駆動信号を生成するレーザ駆動信号生成部42と、レーザ駆動信号生成部42で生成したレーザ駆動信号を電流に変換し、これをレーザ素子41に供給する電流制御部43と、を備える。
レーザ駆動信号生成部42は、測定対象ガスの吸収波長を走査するようにレーザ素子41の発光波長を可変とする波長走査駆動信号発生部42aと、測定対象ガスの吸収波長を検出するために、例えば10kHz程度の正弦波で波長を周波数変調するための高調波変調信号発生部42bと、合成部42cとを備え、これら波長走査駆動信号発生部42a及び高調波変調信号発生部42bで発生された信号が合成部42cで合成されてレーザ駆動信号が生成される。
波長走査駆動信号発生部42aから出力される波長走査駆動信号I1は図2中に示すように、一定周期で繰り返されるほぼ台形波状の信号であって、波長走査駆動信号I1の信号値が零よりも大きな一定値に保たれた部分i1と、波長走査駆動信号I1の信号値がi1部分よりも高い状態から直線的に増加する部分i2と、波長走査駆動信号I1の信号値が零となる部分i3とから構成される。波長走査駆動信号I1の部分i1は、吸収波長は走査しないがレーザ素子41は発光させておくオフセット部分であって、レーザ素子41の発光を安定化させるためにレーザ素子41のスレッショルドカレント以上となる値に設定される。波長走査駆動信号I1の部分i2は、レーザ素子41に供給される電流の大きさを直線的にえることにより、レーザ素子41の発光波長を徐々にずらすための部分である。
ここで、測定対象ガスである酸素ガスの吸収スペクトルは、図3に示す特性を有する。なお、図3において横軸は波長〔μm〕、縦軸は吸収強度である。
したがって、波長走査駆動信号I1の部分i2は、光吸収強度が比較的高い波長を中心として、例えば、0.2〔nm〕程度の線幅を走査可能な値に設定される。波長走査駆動信号I1の部分i3は、駆動電流をほぼ零とする部分である。なお、波長走査駆動信号発生部42aは、波長走査駆動信号I1を発生すると共に、波長走査駆動信号I1の1周期の開始時点に同期したパルス状のトリガ信号I3を発生し、これを後述の演算処理部55に出力する。
そして、波長走査駆動信号発生部42aからの波長走査駆動信号I1と、高調波変調信号発生部42bからの高周波変調信号I2とが合成されてなるレーザ駆動信号に応じてレーザ素子41が駆動されることにより、レーザ素子41からは、図4に示すように、酸素ガスの吸収波長帯を含むように周波数変調されたレーザ光が出射されることになる。また、周期信号である波長走査駆動信号I1の1周期の開始時点に同期したタイミングでトリガ信号I3が出力されることになる。
さらに、光源部11は、レーザ素子41に近接して配置される、温度検出素子としてのサーミスタ44と、このサーミスタ44に近接して配置されたペルチェ素子45と、ペルチェ素子45を制御する温度制御部46とを備え、レーザ素子41とペルチェ素子45との間で温度が同等となるように配置されている。温度制御部46は、サーミスタ44の抵抗値が一定値となるようにペルチェ素子45を制御し、これにより結果的に、レーザ素子41の温度を安定化するようになっている。
次に、信号処理部23について説明する。
図5は、信号処理部23の構成を示すブロック図である。
図5に示すように信号処理部23は、フォトダイオード等からなる光検出部22からの受光光量に応じた出力電流を電圧に変換するIV変換器51と、前述の高周波変調信号I2の2倍の周波数の信号である2倍周波数信号を発生する発振器52と、発振器52からの2倍周波数信号とIV変換器51からの電圧信号とを入力し、電圧信号から高周波変調信号I2の2倍の周波数成分の振幅のみを抽出しこれを2倍周波数成分信号として出力する同期検波回路53と、同期検波回路53の出力からノイズを除去するためのフィルタ54と、このフィルタ54でのフィルタ処理後の2倍周波数成分信号に基づき濃度演算を行う演算処理部55と、を備える。
演算処理部55は、マイクロコンピュータ等の演算処理装置で構成され、発光部1からのトリガ信号I3と、フィルタ54からの2倍周波数成分信号とを入力し、これらに基づき測定対象ガスの濃度を演算する。
次に、測定対象ガスの濃度測定方法を説明する。
まず、レーザ素子41の温度をサーミスタ44により検出し、図2に示した波長走査駆動信号I1の直線的に増加する部分i2の中心部分で、測定対象ガスである酸素ガス濃度を測定できるように、すなわち所定の吸収特性が得られるように、温度制御部46により、ペルチェ素子45への通電を制御してレーザ素子41の温度を調整する。
その後に、レーザ素子41を駆動し、図4に示すレーザ駆動信号に応じたレーザ光を出射させ、隔壁31a、31b間を透過したレーザ光を集光し、これを光検出部22に入射させる。
そして、この光検出部22に入射された光量に応じた電圧信号から、2倍周波数成分信号を抽出する。この2倍周波数成分信号の出力波形において、ピーク値は酸素ガスの濃度に応じた値を表すことから、このピーク値から酸素濃度を演算する。
ここで、前述のように、発光部筐体17内及び受光部筐体27内には、大気濃度レベルの酸素ガスからなる調整用酸素ガスが封入されている。また、レーザ素子41から出射されたレーザ光は、コリメートレンズ12を介して隔壁31a、31b間に出射され、集光レンズ21から光検出部22に入射されるため、レーザ光は、隔壁31a、31b間に存在する測定対象ガスだけでなく、発光部筐体17内の調整用酸素ガスによって吸収されると共に、受光部筐体27内の調整用酸素ガスによっても吸収されることになる。
したがって、隔壁31a、31b間に測定対象の酸素ガスが存在しない状態で、濃度測定を行った場合であっても、同期検波回路53によって抽出された2倍周波数成分信号の出力波形は、図6に破線L1で示すようにピークを有する波形となり、この波形のピーク値は発光部筐体17及び受光部筐体27内に封入された調整用酸素ガスの酸素濃度に応じた値を示すことになる。
逆に、隔壁31a、31b間に測定対象の酸素ガスが存在する状態で、濃度測定を行った場合には、同期検波回路53によって抽出された2倍周波数成分信号の出力波形は、図6に実線L2で示すようにピークを有する波形となり、この波形のピーク値は発光部筐体17及び受光部筐体27内に封入された調整用酸素ガスの酸素濃度と、隔壁31a、31b間の測定対象の酸素ガスの濃度との和に応じた値を示すことになる。
したがって、発光部筐体17及び受光部筐体27内に封入された調整用酸素ガスの酸素濃度と、隔壁31a、31b間の測定対象の酸素ガスの濃度との和から、発光部筐体17及び受光部筐体27内に封入された調整用酸素ガスの酸素濃度を差し引いた値が、隔壁31a、31b間の測定対象の酸素ガスの濃度を表すことになる。
次に、上記第1の実施の形態の動作を説明する。
まず、予め発光部筐体17及び受光部筐体27内に封入された調整用酸素ガスの酸素濃度を測定する。この濃度測定は、例えば、レーザ式ガス分析計の出荷時、或いは、レーザ式ガス分析計を測定対象ガスが流れる煙管等に取り付けたとき、或いは、測定対象ガスが流れていないとき等に測定する。そして、これを調整用酸素ガス濃度として、演算処理部55の図示しない記憶領域に記憶しておく。
このようにして、発光部筐体17及び受光部筐体27の調整用酸素ガス濃度を検出した状態で、測定対象ガスが流れる煙管等に対する、測定対象の酸素ガスの濃度計測を開始する。
発光部1では、図4に示すレーザ駆動信号に応じたレーザ光を発光させる。受光部2ではこのレーザ光を受光し、同期検波回路53によって2倍周波数成分信号を抽出し、その出力波形をフィルタ処理して演算処理部55に出力する。
演算処理部55では、図7のフローチャートに示すように、波長走査駆動信号発生部42aからトリガ信号I3を入力したかどうかを判断し(ステップS1)、トリガ信号I3を入力したときステップS2に移行し、このトリガ信号I3を受信した時点からの経過時間を計測する。
そして、トリガ信号I3を受信した時点からの経過時間が、予め設定した待機時間に達したとき、この待機時間が経過した時点から予め設定した計測時間が経過するまでの間を計測期間とし、この計測期間における、フィルタ54の出力信号、すなわち2倍周波数成分信号の信号値を順次比較する等により、2倍周波数成分信号の信号値が最大となるときの信号値である高側ピーク値と2倍周波数成分信号の信号値が最小となるときの信号値である低側ピーク値とを検索する。
前記待機時間は、例えば、トリガ信号が入力された時点から、レーザ駆動信号の波長走査駆動信号I1の成分が一定値から直線的に増加し始める時点までの所要時間、つまり、図2において波長走査駆動信号I1の部分i1の継続期間に設定される。
また、前記計測時間はレーザ駆動信号の波長走査駆動信号I1の成分が直線的に増加し始めた時点からゼロとなる時点までの所要時間、すなわち、図2において波長走査駆動信号I1の部分i2の継続期間に設定され、つまり、レーザ駆動信号の波長走査駆動信号I1の成分が、光吸収強度が比較的高い波長を中心として、0.2〔nm〕程度の線幅を走査する期間に設定される。
続いて、これら高側ピーク値及び低側ピーク値から濃度を計測する。例えば、高側ピーク値と低側ピーク値の差分値を、酸素ガスの濃度相当値として測定しこれを計測濃度とする(ステップS3)。
そして、ステップS3で算出される計測濃度は、前述のように、発光部筐体17及び受光部筐体27に封入された調整用酸素ガス濃度と、煙管内の測定対象ガスの濃度との和であることから、ステップS3で計測した計測濃度から、予め所定の記憶領域に記憶している調整用酸素ガス濃度を減算し、これを、煙管内を流れる測定対象ガスの濃度とする(ステップS4)。
以上の処理を、トリガ信号I3が入力される毎に行うことによって、レーザ駆動信号の1周期毎に煙管内を流れる測定対象ガスの濃度が測定されることになる。
このように、上記第1の実施の形態においては、煙管内における測定対象ガスの存在の有無に関わらず、2倍周波数成分信号においてピークを得ることができる。このため、計測期間の2倍周波数成分信号においてピーク値を検出して濃度を演算し、ここから調整用酸素ガス濃度を差し引くことにより、測定対象ガスの濃度を検出することができる。
また、測定対象ガスの存在の有無に関わらず、2倍周波数成分信号においてピーク値を得ることができる。
ここで、発光部筐体17及び受光部筐体27に調整用酸素ガスを封入しない構成の場合、煙管内に測定対象ガスが存在しないときには、2倍周波数成分信号は理想的には直線となる。しかしながら、レンズ等の光学部品で生じるフレネル反射が多重反射し発生する光学干渉ノイズ等によって測定対象ガスが存在しない場合であっても2倍周波数成分信号は凹凸のある波形となってしまう。
このため、測定対象ガスが存在しない場合であっても濃度の低い測定対象ガスが存在すると判断する可能性があり、また、測定対象ガスの濃度が極低濃度である場合には、どのピーク値が測定対象ガスの濃度に応じた信号値であるのかを的確に判断することができない可能性があり、結果的に的確に濃度検出を行うことができない可能性がある。
しかしながら、発光部筐体17及び受光部筐体27に調整用酸素ガスを封入し、測定対象ガスが存在しない場合であっても2倍周波数成分信号の信号波形にピークが現れる構成としたため、2倍周波数成分信号において、ノイズ成分と濃度相当値とを識別しやすくすることができ、ノイズ成分を濃度相当値として誤検出することを回避し、調整用酸素ガス及び測定対象ガスの濃度に相当するピーク値を的確に検出することができる。
このため、このピーク値から濃度を演算し、ここから既知の調整用酸素ガスの濃度を差し引くことにより、測定対象ガスの濃度を高精度に検出することができる。
また、レーザ素子41の温度をペルチェ素子45によって安定化しているため、ガス吸収ピークの位置を、トリガ信号を受信した時点から、一定の待機時間が経過した位置に安定化することができる。
しかしながら、例えば周囲温度環境が室温から例えば摂氏100度まで変化した場合などには、レーザ素子41の温度の変化に伴い、温度検出素子としてのサーミスタ44の温度が同一に変化すれば問題ないが、レーザ素子41の温度の温度変化とサーミスタ44の温度変化とが異なり、レーザ素子41の温度とサーミスタ44の温度との間に温度差が生じた場合には、レーザ素子41の安定化が追いつかないため、2倍周波数成分信号の信号波形において、レーザ駆動信号の1周期内においてピークの現れるタイミングがずれることになる。
例えば、図6の場合、ピーク値が現れるタイミングが左右にずれ、すなわちトリガ信号を入力した時点を基準としたときの、ピーク値の現れるタイミングが、早まったり遅くなったりすることになる。このため、予めトリガ信号から一定時間経過した信号をピーク値として検出する構成とした場合には、誤った値をピーク値として検出してしまうことになる。
しかしながら、上述のように、2倍周波数成分信号において、所定の計測期間の信号値についてその信号値を順次比較すること等によりピーク値を検出している。このため、レーザ素子41を安定化することができないことに起因してピーク値が現れるタイミングがずれた場合であっても、ピーク値は必ず存在するため、このピーク値を検索することにより、周囲温度環境の変化による影響を抑制し、的確にピーク値を検出することができる。
また、このように、周囲温度環境の変化による影響を抑制することができ、また、ピーク値検出にあたりノイズ分の影響を低減することができるため、ゼロ点、スパン点の設定誤差を低減することができ、結果的に、濃度検出における検出誤差を低減することができる。
また、特に、酸素ガスを測定対象ガスとしているため、発光部筐体17及び受光部筐体27に封入する調整用酸素ガスとして大気中の酸素ガスを用いることができる。したがって、発光部筐体17及び受光部筐体27に封入する調整用酸素ガスとして別途酸素ガスを用意する必要はない。
また、測定対象ガスがHCL等の腐食性ガスの場合には、これと同じガスを発光部筐体17及び受光部筐体27に封入する必要があるため、腐食により周囲に与える影響を考慮し何らかの対策を施す必要があるが、酸素ガスの場合には、周囲に何ら影響を及ぼすことがないため、単に、大気環境中でコリメートレンズ12や集光レンズ21を固定することで、調整用酸素ガスを発光部筐体17受光部筐体27内に容易に封入することができる。その際、コリメートレンズ12や集光レンズ21を、発光部筐体17や受光部筐体27に大気を気密保持するための封入部材として用いることができるため、別途封入部材を設ける必要はなく、簡易な構成で実現することができる。
なお、上記第1の実施の形態においては、コリメートレンズ12及び集光レンズ21を、発光部筐体17及び受光部筐体27に大気環境中で取り付けることにより、発光部筐体17及び受光部筐体27内に大気濃度レベルの調整用酸素ガスを封入する場合について説明したが、これに限るものではない。
例えば、発光部筐体17及び受光部筐体27に、調整用酸素ガスとしての空気や酸素ガスを導入するためのガス導入口及びガス排出口を別途設け、コリメートレンズ12や集光レンズ21を取り付けた後、ガス導入口及びガス排出口を利用して大気や酸素ガスを発光部筐体17及び受光部筐体27内に封入するように構成してもよい。
また、上記第1の実施の形態においては、発光部筐体17及び受光部筐体27の両方に、調整用酸素ガスを封入する場合について説明したが、これに限るものではない。
発光部筐体17及び受光部筐体27の何れか一方のみに調整用酸素ガスを封入することも可能であり、この場合には、煙管内に測定対象ガスが存在しない場合であっても、2倍周波数成分信号においてノイズ等をピーク値と誤検知することのない程度のピーク値を得ることのできる濃度レベルの調整用酸素ガスを封入すればよい。
また、上記第1の実施の形態においては、コリメートレンズ12により発光部筐体17内に調整用酸素ガスを気密保持する構成としたが、これに限るものではない。例えば、発光部筐体17の開口端近傍に、透光性部材からなる密封部材を設け、この密封部材により発光部筐体17内に、光源部11及びコリメートレンズ12を気密保持する構成とすることも可能であり、また光源部11とコリメートレンズ12との間に密封部材を設けることも可能である。
同様に、集光レンズ21により受光部筐体27内に調整用酸素ガスを気密保持する構成としたが、これに限るものではなく、例えば、受光部筐体27の開口端近傍に、透光性部材からなる密封部材を設け、この密封部材により受光部筐体27内に、集光レンズ21及び光検出部22を気密保持する構成とすることも可能であり、また集光レンズ21と光検出部22との間に密封部材を設けることも可能である。
また、上記実施の形態においては、高側ピーク値及び低側ピーク値の差分値に基づき濃度演算を行う場合について説明したがこれに限るものではない。例えば、高側ピーク値及び低側ピーク値の検出時点を含む予め設定した期間の2倍周波数成分信号を積分することで濃度演算を行うようにしてもよい。
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
この第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態において、演算処理部55及び温度制御部46の処理手順が異なること以外は、上記第1の実施の形態と同様であるので、同一部には同一符号を付与し、その詳細な説明は省略する。
図8は、第2の実施の形態における演算処理部55の処理手順の一例を示すフローチャートである。
なお、図8において、図7に示す第1の実施の形態における演算処理部55の処理と同一処理部分には同一符号を付与し、その詳細な説明は省略する。
まず、ステップS1で、波長走査駆動信号発生部42aからトリガ信号が入力されたか否かを判断し、トリガ信号が入力されたとき、ステップS1aに移行し、フラグFが“1”であるか否かを判定する。F=1でなければステップS2に移行し、F=1であるならば、ステップS2aに移行する。なお、このフラグFは起動時には“0”に設定されている。
ステップS2では、2倍周波数成分信号において予め設定した計測期間における高側ピーク値及び低側ピーク値を検出する。例えば、信号値を順次比較すること等によりピーク値を検索する。
一方、ステップS2aでは、2倍周波数成分信号において、後述の基準時点の近傍期間における高側ピーク値及び低側ピーク値を検出する。例えば信号値を順次比較することなどによりピーク値を検索する。なお、基準時点の近傍期間は、前記計測期間内の期間であって計測期間よりも範囲の狭い期間である。
このようにして、ステップS2又はステップS2aで、高側ピーク値及び低側ピーク値を検出したならば、ステップS3に移行し、これら高側及び低側のピーク値の差分をとることにより計測濃度を演算し、この計測濃度から既知の調整用酸素ガス濃度を減算して、測定対象の酸素ガスの濃度を演算する(ステップS4)。
次いで、ステップS11に移行し、フラグFが“1”であるか否かを判定し、F=1でなればステップS12に移行する。
ステップS12では、ステップS2で検出した低側ピーク値について、トリガ信号が入力された時点を基準とする低側ピーク値が検出された時点を基準時点として記憶する。そして、フラグFをF=1に設定し、ステップS1に戻る。
一方、ステップS11で、フラグFがF=1であるときにはステップS13に移行し、ステップS2で検出した低側ピーク値の、トリガ信号が入力された時点を基準とする検出時点と、ステップS12の処理で記憶した基準時点とのずれを算出する。
次いでステップS14に移行し、低側ピーク値の検出時点が基準時点と一致するようにレーザ素子41の温度を調整するための温度補正値を、ステップS13で算出したずれ分に基づき演算する。そして、演算した温度補正値を温度制御部46に出力し、ステップS1に戻る。
一方、温度制御部46では、図9に示すように、まずステップS21で、レーザ素子41の温度を予め設定した基準温度にし得る温度基準値を、ペルチェ素子44の制御目標値として設定する。
次いで、ステップS22に移行し、演算処理部55から温度補正値を入力する。そして、制御目標値に温度補正値を加算し、これを新たな制御目標値とする。そして、ステップS24に移行し、制御目標値に応じた駆動電流をペルチェ素子44に供給する。そして、ステップS22に戻る。
以上の処理を行うことにより、起動後最初に検出された低側ピーク値の検出時点が基準時点として設定され、以後、低側ピーク値の検出時点と、基準時点とのずれ分が温度補正値として設定され、この温度補正値により制御目標値を更新されて、更新した制御目標値に応じて、レーザ素子41の温度制御が行われることになる。したがって、結果的に、低側ピーク値の検出時点が、基準時点と一致するようにレーザ素子41の温度調整が行われることになる。
つまり、図10に示すように、基準時点をtxとしたとき、ある時点の2倍周波数成分信号の波形L2′において低側ピーク値が生じたタイミングがt1であって、基準時点txとずれている場合には、低側ピーク値が生じるタイミングt1が基準時点txと一致するように、タイミングt1と基準時点txとの差分に応じた温度補正値が算出され、これが温度制御部46に出力される。
このため、温度制御部46では、温度目標値に温度補正値を加算して温度目標値を更新し、更新した温度目標値となるようにペルチェ素子44を制御する。これにより、レーザ素子41の温度が変化し、これに伴いレーザ素子41が出射するレーザ光の波長が変化する。このため、図10において、低側ピーク値が生じるタイミングがtxに近づくように制御され、すなわち、低側ピーク値が基準時点txのタイミングが生じるように制御されることになる。
そして、低側ピーク値が基準時点txのタイミングで生じるように制御されることに伴い、高側ピーク値も一定の時点で生じることになる。したがって、低側ピーク値及び高側ピーク値共に、温度環境の変化に関わらず、一定の時点で生じるように制御されることになって、温度環境の変化に関わらず、トリガ信号を入力した時点から、一定時間経過した時点で、高側ピーク値及び低側ピーク値が現れることになる。
このように、周囲温度環境の変化に関わらず、低側ピーク値の検出時点を、基準時点に安定化させることができる。このため、図8のステップS2又はステップS2aの処理で低側ピーク値を検出する際には、基準時点が決定されるまでは2倍周波数成分信号において計測期間内の信号値についてピーク値を検出するが、基準時点が決定された後は、この基準時点と低側ピーク値とが一致するように制御が行われるため、温度環境の変化が生じたとしても、低側ピーク値は基準時点近傍に現れることになる。
このため、低側ピーク値の検出の際には、計測期間内の信号値全てについてピーク値の検索を行う必要はなく、計測期間よりも期間の短い基準時点の近傍期間において、信号値を検索すればよいため、その分ピーク値検索に要する処理負荷を削減することができる。
なお、上記第2の実施の形態においては、低側ピーク値に基づき基準時点を設定した場合について説明したが、これに限らず、高側ピーク値に基づき基準時点を設定することも可能である。
また、基準時点として、起動時の低側ピーク値の検出時点を設定する場合について説明したが、予め設定した、時点を基準時点として設定し、低側ピーク値が常に一定の基準時点に一致するように構成することも可能である。
また、上記第2の実施の形態においては、トリガ信号を入力する毎に、低側ピークの検出時点と基準時点との差分を検出し、低側ピークの検出時点と基準時点とが一致するように温度調整部46の制御目標値を更新する場合について説明したが、これに限るものではない。
例えば、低側ピークの検出時点と基準時点との差分が予め設定したしきい値よりも大きくなり、低側ピーク値が基準時点の近傍期間内に現れなくなると予測される時点で、温度調整部46の制御目標値を更新するようにしてもよく、また、予め設定した所定周期で温制御目標値の更新を行うようにしてもよい。
ここで、上記実施の形態において、コリメートレンズ12が第1の光学系及び透光性部材に対応し、集光レンズ21が第2の光学系及び透光部材に対応し、光検出部22が受光素子に対応し、信号処理部23が信号処理手段に対応し、サーミスタ44、ペルチェ素子45及び温度制御部46が温度安定化手段に対応し、同期検波回路53が2倍周波数成分信号検出手段に対応している。
また、図7のステップS2の処理、また、図8のステップS2及びステップS2の処理がピーク値検索手段に対応し、図7及び図8のステップS3の処理が濃度演算手段に対応し、図7及び図8のステップS4の処理が酸素ガス濃度演算手段に対応している。
本発明の一実施形態に係るレーザ式ガス分析計の概略構成を示す図である。 発光部の構成を示すブロック図である。 酸素ガスの吸収スペクトル例である。 レーザ素子の走査波形、トリガ信号と、酸素ガスの吸光特性との対応を表す図である。 受光部の構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態の動作説明に供する2倍周波数成分信号の波形図である。 第1の実施の形態における、演算処理部の濃度演算に伴う演算処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第2の実施の形態における、演算処理部の濃度演算に伴う演算処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第2の実施の形態における、温度調整部の制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第2の実施の形態の動作説明に供する2倍周波数成分信号の波形図である。 NH3ガスの吸収スペクトルの一例である。 周波数変調方式の原理図である。 (a)は半導体レーザの発光波長とドライブ電流との関係を示す図、(b)は半導体レーザの発光波長と温度との関係を示す図である。
符号の説明
1 発光部
2 受光部
11 光源部
12 コリメートレンズ
17 発光部筐体
21 集光レンズ
22 光検出部
23 信号処理部
27 受光部筐体
41 レーザ素子
42a 波長走査駆動信号発生部
42b 高調波変調信号発生部
42c 合成部
44 サーミスタ
45 ペルチェ素子
46 温度制御部
53 同期検波回路
55 演算処理部

Claims (5)

  1. レーザ素子を有し変調信号で周波数変調されたレーザ光を出射する光源部と、
    前記光源部からの出射光をコリメートする第1の光学系と、
    前記第1の光学系からの出射光が、測定対象の酸素ガスが存在する測定空間を介して伝播された透過光を集光する第2の光学系と、
    前記第2の光学系により集光された光を受光する受光素子と、
    前記受光素子の出力信号に基づき酸素ガス濃度を演算する信号処理手段と、を有し、
    前記レーザ素子と前記第1の光学系との間及び前記第2の光学系と前記受光素子との間に、一定濃度に維持される調整用酸素ガスが介在するレーザ式ガス分析計であって、
    前記光源部は、
    酸素ガスの吸収波長を走査するように前記レーザ素子の発光波長を可変とする波長走査駆動信号と前記発光波長を変調するための高周波変調信号とを合成してレーザ駆動信号として出力するレーザ駆動信号生成部と、
    前記レーザ駆動信号生成部から出力された前記レーザ駆動信号を電流に変換し前記レーザ素子に供給する電流制御部と、
    前記レーザ素子の温度を安定化させる温度安定化手段と、を備え、
    前記信号処理手段は、
    前記受光素子の出力信号から、前記光源部における前記変調信号の2倍周波数成分の振幅からなる2倍周波数成分信号を検出する2倍周波数成分信号検出手段と、
    前記2倍周波数成分信号において高側及び低側のピーク値を検索するピーク値検索手段と、
    前記ピーク値検索手段で検索した高側及び低側のピーク値に基づき酸素ガス濃度を演算する濃度演算手段と、
    前記濃度演算手段で演算された濃度演算値から前記調整用酸素ガスの濃度を差し引いて前記測定対象の酸素ガスの濃度を演算する酸素ガス濃度演算手段と、を備えることを特徴とするレーザ式ガス分析計。
  2. 前記レーザ駆動信号に同期したトリガ信号の発生タイミングを基準とした、前記ピーク値検索手段で検索した高側及び低側のピーク値の何れか一方のピーク値の発生タイミングを検出し、前記ピーク値の発生タイミングが予め設定したタイミングと一致するように前記温度安定化手段の温度目標値を補正する補正手段を備えることを特徴とする請求項1記載のレーザ式ガス分析計。
  3. 前記第1の光学系は前記レーザ素子の出射光を透光する透光性部材を少なくとも有し、
    前記レーザ素子及び第1の光学系は、一端が開口された中空の柱状筐体に収納され且つ前記透光性部材は、前記透光性部材により前記柱状筐体内に密封空間を形成するように固定され、
    前記密封空間内には大気が封入されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のレーザ式ガス分析計。
  4. 前記第2の光学系は前記透過光を前記光検出部に透光する透光性部材を少なくとも有し、
    前記第2の光学系及び前記光検出部は、一端が開口された中空の柱状筐体に収納され且つ前記透光性部材は、前記透光性部材により前記柱状筐体内に密封空間を形成するように固定され、
    前記密封空間内には大気が封入されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載のレーザ式ガス分析計。
  5. レーザ素子と前記レーザ素子の出射光をコリメートする第1の光学系との間及び、第1の光学系からの出射光が、測定対象の酸素ガスが存在する測定空間を介して伝播された透過光を集光する第2の光学系と前記第2の光学系により集光された光を受光する受光素子との間に、一定濃度に維持される調整用酸素ガスを介在させて、前記受光素子の出力信号に基づき前記測定対象の酸素ガスの濃度を測定する酸素ガス濃度測定方法であって、
    変調信号で周波数変調され且つ酸素ガスの吸収波長を走査するように発光波長が変化するレーザ光を前記レーザ素子から出射させるステップと、
    前記レーザ素子の温度を安定化させるステップと、
    前記受光素子の出力信号から前記変調信号の2倍周波数成分の振幅からなる2倍周波数成分信号を検出するステップと、
    前記2倍周波数成分信号において高側及び低側のピーク値を検索するステップと、
    前記高側及び低側のピーク値に基づき酸素ガス濃度を演算するステップと、
    前記酸素ガス濃度から前記調整用酸素ガスの濃度を差し引いて前記測定対象の酸素ガスの濃度を演算するステップと、を備えることを特徴とする酸素ガス濃度測定方法。
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