JP4343882B2 - ガス検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば都市ガスや化学プラント等における配管設備、高圧送電線の劣化に伴うガス漏洩や炭坑内の漏洩ガス、埋立地からの発生ガスや燃焼炉、輸送機器の排ガス成分などを検出する際に用いられ、ガスによるレーザ光の吸収を利用して光学的にガスを検出する半導体レーザ吸収分光方式のガス検出装置に関するものである。
例えばメタン、二酸化炭素、アセチレン、アンモニア等の気体には、分子の回転や構成原子間の振動等に応じて特定波長の光を吸収する吸収帯があることが既に知られている。この吸収帯を利用したガス濃度測定装置では、所定距離(この距離によって測定光路長が確定される)隔てて光源部と受光部とを配置し、光源部の半導体レーザにより周波数変調されたレーザ光を測定対象ガスを含む雰囲気中に通し、その透過光を受光部の光検出器で受けたときの出力信号から測定対象ガスのガス濃度を測定している。なお、光源部と受光部は同じ位置に配置されていても測定光を反射光として受光できれば測定光路長は確保される。
ここで、受光部の出力信号から検出される変調周波数の基本波敏感検波信号(以下、1f信号と略称する)には、強度変調に起因する大きなオフセットが生じる。このため、特に微小なガス濃度を高感度で測定するには、1f信号に比べてオフセットのかなり小さい2倍波位相敏感検波信号(以下、2f信号と略称する)が用いられる。
実際にガス濃度を測定するにあたっては、測定ガス吸収線に合わせた波長の測定光が測定ガス雰囲気中を通ると、測定ガスにより測定光が吸収され、濃度に応じた強度で変調周波数の2倍の周波数の強度変化(2f信号成分I2f)による2f信号が生成される。そして、この2f信号の強度変化と元の変調周波数である1f信号の強度変化(1f信号成分I1f)の比率I2f/I1fの値は、ガス濃度に比例するので、この値に係数をかければガス濃度になる。
特開2001−235420号
しかしながら、従来のガス濃度測定装置において、光源部の半導体レーザから出射されて測定ガス雰囲気を通過した測定光をレンズで集光し、このレンズで集光した測定光を光検出器で検出する場合、測定環境の違いによっては測定光のみならず背景光も一緒に受光してしまうことがある。具体的に、測定環境が屋外の場合には、測定光だけでなく太陽光が背景光として測定光と一緒に光検出器に受光されることになる。そして、背景光である太陽光を測定光と一緒に受光すると、太陽光に含まれる測定光と異なる波長の光がノイズの原因となり、このノイズの影響によって測定精度が低下するという課題があった。また、特に、太陽光のようにパワーの強い可視光を含む光が背景光として測定光と一緒に光検出器に受光された場合には、光検出器の受光信号が飽和してしまい、測定そのものが行えないこともあった。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、背景光の影響を極力低減して安定したガス検出が行えるガス検出装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載されたガス検出装置は、測定ガス雰囲気中を通過してきた測定光を受光する受光部5を有し、該受光部が受光した測定光に基づいてガスの有無を検出する半導体レーザ吸収分光方式のガス検出装置1において、
前記測定光を前記受光部の受光面上に集光させるとともに前記測定光の中心波長を含む測定波長範囲以下の波長の光だけを通過させ、前記測定波長範囲以上の波長の光を減衰させるハイパスフィルタとして機能する集光レンズ3と、該集光レンズと前記受光部との間の光路上に配置され、前記測定波長範囲以上の波長の光だけを通過させ、前記測定波長範囲以下の波長の光を減衰させるローパスフィルタとして機能する半導体基板7との組み合わせからなる帯域制限フィルタ4を前記受光部の前段の光路上に備えたことを特徴とする。
請求項2に記載されたガス検出装置は、測定ガス雰囲気中を通過してきた測定光を受光する受光部5を有し、該受光部が受光した測定光に基づいてガスの有無を検出する半導体レーザ吸収分光方式のガス検出装置1において、
前記測定光を前記受光部の受光面上に集光させる集光レンズ3と、
前記集光レンズと前記受光部との間の光路上に配置され、前記測定光の中心波長を含む測定波長範囲以下の波長の光だけを通過させ、前記測定波長範囲以上の波長の光を減衰させるハイパスフィルタとして機能するガラス部材8と、該ガラス部材と並んで配置され、前記測定波長範囲以上の波長の光だけを通過させ、前記測定波長範囲以下の波長の光を減衰させるローパスフィルタとして機能する半導体基板7との組み合わせからなる帯域制限フィルタ4を前記受光部の前段の光路上に備えたことを特徴とする。
請求項に記載されたガス検出装置は、請求項1又は2記載のガス検出装置において、
前記受光部5は、前記測定波長範囲の長波長側の透過率を制限するべく、前記測定波長範囲内の波長の光を所定の透過率で受光し、その他の波長の光を減衰して受光することを特徴とする。
本発明によれば、測定光の測定中心波長を含む測定波長範囲の光を少なくとも透過し、それ以外の波長の光を減衰する帯域制限フィルタを受光部の前段の光路上に備えたので、測定波長範囲の波長と異なる波長の光を含む太陽光の下でガス検出を行う場合でも、特に測定ノイズの原因となる太陽光に含まれたパワーの強い可視光を完全に除去でき、背景光による測定光への影響を低減して安定したガス検出を行うことができる。
また、フレネルレンズやガラスレンズからなる集光レンズと、シリコン、インジウムリン、ガリウムヒソ等の材料からなる半導体基板とを組み合わせて帯域制限フィルタを構成すれば、レンズ機能を有する既存の集光レンズをそのまま兼用できるので、装置自体を安価に構成しつつ背景光による影響を低減してガス検出を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら具体的に説明する。図1乃至図4は本発明に係るガス検出装置の各種構成例を示す概略図、図5は本発明に係るガス検出装置に使用されるフレネルレンズの波長−透過率特性の一例を示す図、図6は本発明に係るガス検出装置に使用される半導体基板の波長−透過率特性の一例を示す図、図7は図5の特性を有するフレネルレンズと図6の特性を有する半導体基板との組み合わせからなる帯域制限フィルタを用いたときの受光部の波長−透過率特性を示す図、図8は本発明に係るガス検出装置に使用されるガラスレンズの波長−透過率特性の一例を示す図、図9は図6の特性を有する半導体基板と図8の特性を有するガラスレンズとの組み合わせからなる帯域制限フィルタを用いたときの受光部の波長−透過率特性を示す図、図10は受光部を構成する光検出器の受光感度特性の一例を示す図、図11は多層膜コーティングを施した半導体基板の波長−透過率特性の一例を示す図、図12は図5及び図11の特性のフレネルレンズと半導体基板とを組み合わせて帯域制限フィルタを構成し、受光部として図10に示す受光感度特性を有するものを用いたときの受光部の波長−受光感度特性を示す図である。
図1に示すように、本例のガス検出装置1は、一端に開口部2aを有する装置本体をなす筒状のケース2に対し、集光レンズ3、帯域制限フィルタ4、受光部5、信号変換部6を備えて概略構成される。
集光レンズ3は、外周部分がケース2の開口部2aに固定して設けられ、レンズ機能を有している。この集光レンズ3では、レンズ機能として、不図示の半導体レーザ(光源)からの周波数変調されたレーザ光が測定ガス雰囲気中を通過して入射されたときに、この入射されたレーザ光を測定光として後段の受光部5の受光面上に集光している。
帯域制限フィルタ4は、集光レンズ3と受光部5との間の光路上に設けられ、集光レンズ3を通過して受光部5に集光される測定光のうち、測定中心波長を含む測定波長範囲の光を少なくとも通過させ、それ以外の波長の光を減衰させるフィルタ効果を有している。帯域制限フィルタ4は、上記フィルタ効果が得られるように、例えばガラス板の表面に金属膜を蒸着させたり、ガラスに色素を混入したバンドパスフィルタで構成される。
受光部5は、例えばフォトダイオード等の光検出器で構成される。この受光部5は、測定ガス雰囲気から集光レンズ3を介して取り込まれた測定光のうち、帯域制限フィルタ4で帯域制限されて通過してきた測定光を受光検出している。
信号変換部6は、電流電圧変換回路で構成され、測定光を受光検出したときに受光部5である光検出器に流れる受光電流を電圧に変換し、この変換された電圧をガス検出信号として不図示の演算回路に出力している。不図示の演算回路は、信号変換部6からのガス検出信号から半導体レーザ(光源)の変調周波数の基本波位相敏感検波信号(1f信号)と2倍波位相敏感検波信号(2f信号)とを検出し、これら1f信号の強度変化(1f信号成分)と2f信号の強度変化(2f信号成分I2f)の比率I2f/I1fに基づいてガス濃度を演算する(例えば特開2001−235420号公報参照)。なお、上記I2f/I1fの値は、ガス濃度に比例するので、この値に係数をかければガス濃度になる。
ところで、図1の例では、一つの部材からなる帯域制限フィルタ(バンドパスフィルタ)4を集光レンズ3と受光部5との間に配置する構成としたが、ローパスフィルタとハイパスフィルタの2つの部材の組み合わせによって帯域制限フィルタ4を構成することもできる。尚、本例では、波長の短い方、すなわち周波数の高い方を通過させるフィルタをハイパスフィルタと称し、波長の長い方、すなわち周波数の低い方を通過させるフィルタをローパスフィルタと称している。
図2や図3は集光レンズ3と半導体基板7との組み合わせによって帯域制限フィルタ4を構成した場合のガス検出装置1の概略構成を示している。また、図4はガラス部材8と半導体基板7との組み合わせによって帯域制限フィルタ4を構成した場合のガス検出装置1の概略構成を示している。なお、図2乃至図4において、図1と同一の構成要素については同一番号を付し、その説明を省略している。
まず、図2に示すガス検出装置1では、測定光の波長(測定中心波長)より長い波長を通しにくい例えばアクリル樹脂からなるフレネルレンズによって集光レンズ3が構成される。このフレネルレンズからなる集光レンズ3は、測定光を受光部5に集光させるレンズ機能を有するとともに、少なくとも測定中心波長を含む測定波長範囲以下(上限値以下)の光だけを通過させ、測定波長範囲以上の光を減衰させるハイパスフィルタとしても機能する。
図5は厚さ3.2mmのアクリル樹脂からなるフレネルレンズで集光レンズ3を構成したときの波長−透過率特性の一例を示している。この図5の特性を有する集光レンズ3では、波長0.35μm以下の光を透過させず、波長0.35〜1.7μmの光を透過率70%以上で透過させ、それ以外の光を減衰させている。
半導体基板7は、測定光の波長(測定中心波長)より短い波長を通しにくい例えばシリコン、インジウムリン、ガリウムヒソ等の材料の基板で構成される。この半導体基板7は、集光レンズ3を通過した測定光のうち、少なくとも測定中心波長を含む測定波長範囲以上の光だけを通過させ、測定波長範囲以下(下限値以下)の光を減衰させて受光部5に導くローパスフィルタとして機能する。
図6は厚さ0.5mmのシリコンで半導体基板7を構成したときの波長−透過率特性の一例を示している。この図6の特性を有する半導体基板7では、波長1.1μm以上の光を透過率80%以上で透過させ、波長1.1μm以下の光を減衰させている。
なお、半導体基板7の波長−透過率特性は、不純物濃度が大きいと、高濃度のキャリアが引き起こすプラズマ効果等によって所望の透過させたい波長の光が減衰してしまい、必要な光のみを透過させるフィルタとしての良好な特性が得ることができない。このため、半導体基板7の不純物濃度は、例えば1×1017個/cm3 (単位体積中に含まれる不純物の原子の個数)以下に設定するのが好ましい。
そして、本例のガス検出装置1において、図5の波長−透過率特性を示すフレネルレンズ(集光レンズ3)と、図6の波長−透過率特性を示す半導体基板7とを組み合わせて帯域制限フィルタ4を構成すると、受光部5は図5及び図6の両者の合成特性として図7のような波長−透過率特性を示す。
図7に示す特性において、受光部5は、測定光として測定波長範囲内の波長1.3〜2.2μmの光(但し、2.0μmの光を除く)を透過率40%以上で受光し、その他の波長の光(測定波長範囲以外の波長の光)を減衰して受光する。
従って、屋外でガス検出を行う場合、上述した測定波長範囲以外の波長の光が減衰されるように各々の波長−透過率特性が選択された集光レンズ3と半導体基板7とを組み合わせて帯域制限フィルタ4を構成し、測定光の測定中心波長を1.3〜2.2μmの範囲内に設定すれば、背景光の影響を十分に低減してガス検出を行うことができる。特に、測定光に対する影響度の強い光、背景光として太陽光に含まれる0.4〜0.6μmのパワーの強い可視光をほぼ完全に除去してガス検出を行うことができる。
次に、図3に示すガス検出装置1では、測定光の波長(測定中心波長)より長い波長を通しにくいガラスレンズによって集光レンズ3が構成される。このガラスレンズからなる集光レンズ3は、測定光を受光部5に集光させるレンズ機能を有するとともに、少なくとも測定中心波長を含む測定波長範囲以下(少なくとも上限値以下)の光だけを通過させ、測定波長範囲以上の光を減衰させるハイパスフィルタとしても機能する。
図8は厚さ10mmのガラスレンズ(光学クラウンガラス)で集光レンズ3を構成したときの波長−透過率特性の一例を示している。この図8の特性を有する集光レンズ3では、波長0.35μm以下の光を透過させず、波長0.35〜2.5μmの光を透過率60%以上(波長0.35〜1.7μmの光については透過率90%以上)で透過させ、それ以外の光を減衰させている。
また、上記ガラスレンズからなる集光レンズ3との組み合わせにより帯域制限フィルタ4を構成する半導体基板7は、前述したように、測定光の波長(測定中心波長)より短い波長を通しにくい例えばシリコン、インジウムリン、ガリウムヒソ等の材料の基板で構成され、集光レンズ3を通過した測定光のうち、少なくとも測定中心波長を含む測定波長範囲以上の光だけを通過させ、測定波長範囲以下(下限値以下)の光を減衰させて受光部5に導いている。
そして、本例のガス検出装置1において、図6の波長−透過率特性を示す半導体基板7と、図8の波長−透過率特性を示す集光レンズ3(ガラスレンズ)とを組み合わせて帯域制限フィルタ4を構成すると、受光部5は図6及び図8の両者の合成特性として図9のような波長−透過率特性を示す。
図7に示す特性において、受光部5は、測定光として測定波長範囲内の波長1.3〜2.2μmの光(但し、2.0μm付近の光を除く)を透過率70%以上で受光し、その他の波長の光(測定波長範囲以外の波長の光)を減衰して受光する。そして、図6及び図8の波長−透過率特性を示す半導体基板7と集光レンズ3とを組み合わせて帯域制限フィルタ4を構成した場合には、図5及び図6の波長−透過率特性を示す集光レンズ3と半導体基板7とを組み合わせて帯域制限フィルタ4を構成した場合と比較して、測定波長範囲の光の透過率を更に向上させて受光部5により受光することができる。
このように、本例のガス検出装置1において、集光レンズ3と半導体基板7とを組み合わせて帯域制限フィルタ4を構成する場合には、測定波長範囲以外の波長の光が減衰されるように両者の波長−透過率特性を選択し、測定光の測定中心波長を1.3〜2.2μmの範囲内に設定すれば、背景光の影響を十分に低減してガス検出を行うことができる。
ところで、図2及び図3に示すガス検出装置1では、既存の集光レンズ3を用い、この集光レンズ3と半導体基板7との組み合わせにより帯域制限フィルタ4を構成しているが、図4に示す構成とすることもできる。図4の例では、ハイパスフィルタとして機能するガラス部材8と、ローパスフィルタとして機能する半導体基板7とを組み合わせて帯域制限フィルタ4を構成している。この帯域制限フィルタ4は、受光部5の前段の光路上に配置され、ガラス部材8と半導体基板7とが不図示の固定手段によりケース2に対して位置決め固定される。そして、測定波長範囲以外の波長の光が減衰されるようにガラス部材8の波長−透過率特性と半導体基板7の波長−透過率特性とを選択し、この選択された両者の合成特性によって受光部5が測定光を受光する。
また、図4の構成において、ガラス部材8と半導体基板7とを重ね合わせて配置すれば、設置スペースを必要最小限に小さくできる。さらに、図4の構成において、ガラス部材8と半導体基板7とを逆転して配置しても良く、これら帯域制限フィルタ4を構成する部品は受光部5の前段の光路上に配置される構成であれば良い。
ところで、例えばメタンを測定光として検出する場合、図10に示す受光感度特性を有する光検出器を本例の受光部5として用いることができる。この図10に示す光検出器の受光感度特性は、測定波長範囲を含む1.1〜1.7μmの波長に対して受光感度90%以上を示し、0.7μm以下及び1.7μm以上の波長に対して受光感度10%以下を示している。なお、光検出器の受光感度特性は、検出対象となる測定光の吸収線波長によって異なり、長波長側の波長感度が測定光の測定波長範囲の長波長側の波長より100nm長い所で急低下(受光感度10%以下に低下)する特性を有するのが好ましい。
そして、図10に示す受光感度特性を有する光検出器(受光部5)は、基板表面に金属多層膜をコーティングして透過率を調整した半導体基板7と組み合わせて用いることにより、さらに測定光に対する背景光の影響を低減して安定したガス検出を行うことが可能となる。図11はメタンを測定光として検出する場合に有効な多層膜コーティング半導体基板7の波長−透過率特性の一例を示している。この多層膜コーティング半導体基板7としては、測定光の吸収線波長の±10nmで透過率90%以上を示し、吸収線波長の±100nm以上で透過率10%以下を示す波長−透過率特性を有するものを用いるのが好ましい。
そして、本例のガス検出装置1において、図5の波長−透過率特性を示すフレネルレンズ(集光レンズ3)と、図11の波長−透過率特性を示す半導体基板7とを組み合わせて帯域制限フィルタ4を構成し、受光部5として図10に示す受光感度特性を有する光検出器を用いると、最終的に受光部5は図12のような波長−受光感度特性を示す。
図12に示す特性において、受光部5は、測定光として測定波長範囲内の波長1.5〜2.2μmの光(但し、2.0μm付近の光を除く)を透過率40%以上で受光し、その他の波長の光(測定波長範囲以外の波長の光)を減衰して受光する。この構成では、測定光を受光するにあたって、測定光の測定波長範囲の短波長側の透過率を半導体基板7上にコーティングされた多層膜で制限し、測定波長範囲の長波長側の透過率を光検出器(受光部5)の受光感度で制限している。これにより、図5の波長−透過率特性を示すフレネルレンズと図6の波長−透過率特性を示す半導体基板7とを組み合わせて帯域制限フィルタ4を構成したものと比較して、さらに太陽光による影響を低減することができる。
なお、上述した形態では、吸収線波長が1.65μmのメタン(CH4 )を測定光として検出するときに有効な構成を例にとって説明したが、集光レンズ3の波長−透過率特性、半導体基板7の波長−透過率特性、受光部5の受光感度特性は各々測定光の吸収線波長に応じて適宜最適な値に選択設定されるものである。メタン以外の吸収線波長の一例を示すと、二酸化炭素(CO2 ):2.00μm、一酸化炭素(CO):1.57μm、アセチレン(C2 2 ):1.52μm、アンモニア(NH3 ):1.50μm、フッ化水素(HF):1.31μm、酸素(O2 ):0.76μmなどが挙げられる。
このように、本例のガス検出装置1では、測定光の測定中心波長を含む測定波長範囲の光を少なくとも透過し、それ以外の測定の妨げになる背景光を減衰させる帯域制限フィルタ4を受光部5の前段の光路上に備えている。これにより、特に、測定波長範囲内の波長と異なる波長の光を含む太陽光の下(屋外)でガス検出を行う場合、測定の妨げになる背景光として太陽光に含まれるパワーの強い可視光や近赤外光を完全に除去でき、背景光による測定光へのノイズの影響を低減することができる。その結果、測定場所や測定時間によらず、背景光に起因する測定ノイズを低減し、背景光による受光部(フォトダイオード)の飽和を防いで常に安定した正確なガス検出を行うことができる。
また、フレネルレンズやガラスレンズからなる集光レンズ3と、シリコン、インジウムリン、ガリウムヒソ等の材料からなる半導体基板7とを組み合わせて帯域制限フィルタ4を構成すれば、レンズ機能を有する既存の集光レンズ3をそのまま兼用できるので、装置自体を安価に構成しつつ背景光による影響を低減してガス検出を行うことができる。
さらに、図5の波長−透過率特性を示すフレネルレンズ(集光レンズ3)と、図11の波長−透過率特性を示す半導体基板7とを組み合わせて帯域制限フィルタ4を構成し、受光部5として図10に示す受光感度特性を有する光検出器を組み合わせて構成すれば、さらに太陽光による影響を低減でき、高精度なガス検出が可能となる。
本発明に係るガス検出装置の一構成例を示す概略図である。 本発明に係るガス検出装置の他の構成例を示す概略図である。 本発明に係るガス検出装置の他の構成例を示す概略図である。 本発明に係るガス検出装置の他の構成例を示す概略図である。 本発明に係るガス検出装置に使用されるフレネルレンズの波長−透過率特性の一例を示す図である。 本発明に係るガス検出装置に使用される半導体基板の波長−透過率特性の一例を示す図である。 図5及び図6の特性のフレネルレンズと半導体基板との組み合わせからなる帯域制限フィルタを用いたときの受光部の波長−透過率特性を示す図である。 本発明に係るガス検出装置に使用されるガラスレンズの波長−透過率特性の一例を示す図である。 図6及び図8の特性の半導体基板とガラスレンズとの組み合わせからなる帯域制限フィルタを用いたときの受光部の波長−透過率特性を示す図である。 受光部を構成する光検出器の受光感度特性の一例を示す図である。 多層膜コーティングを施した半導体基板の波長−透過率特性の一例を示す図である。 図5及び図11の特性のフレネルレンズと半導体基板とを組み合わせて帯域制限フィルタを構成し、受光部として図10に示す受光感度特性を有するものを用いたときの受光部の波長−受光感度特性を示す図である。
符号の説明
1 ガス検出装置
2 ケース(装置本体)
2a 開口部
3 集光レンズ
4 帯域制限フィルタ
5 受光部
6 信号変換部
7 半導体基板
8 ガラス部材

Claims (3)

  1. 測定ガス雰囲気中を通過してきた測定光を受光する受光部(5)を有し、該受光部が受光した測定光に基づいてガスの有無を検出する半導体レーザ吸収分光方式のガス検出装置(1)において、
    前記測定光を前記受光部の受光面上に集光させるとともに前記測定光の中心波長を含む測定波長範囲以下の波長の光だけを通過させ、前記測定波長範囲以上の波長の光を減衰させるハイパスフィルタとして機能する集光レンズ(3)と、該集光レンズと前記受光部との間の光路上に配置され、前記測定波長範囲以上の波長の光だけを通過させ、前記測定波長範囲以下の波長の光を減衰させるローパスフィルタとして機能する半導体基板(7)との組み合わせからなる帯域制限フィルタ(4)を前記受光部の前段の光路上に備えたことを特徴とするガス検出装置。
  2. 測定ガス雰囲気中を通過してきた測定光を受光する受光部(5)を有し、該受光部が受光した測定光に基づいてガスの有無を検出する半導体レーザ吸収分光方式のガス検出装置(1)において、
    前記測定光を前記受光部の受光面上に集光させる集光レンズ(3)と、
    前記集光レンズと前記受光部との間の光路上に配置され、前記測定光の中心波長を含む測定波長範囲以下の波長の光だけを通過させ、前記測定波長範囲以上の波長の光を減衰させるハイパスフィルタとして機能するガラス部材(8)と、該ガラス部材と並んで配置され、前記測定波長範囲以上の波長の光だけを通過させ、前記測定波長範囲以下の波長の光を減衰させるローパスフィルタとして機能する半導体基板(7)との組み合わせからなる帯域制限フィルタ(4)を前記受光部の前段の光路上に備えたことを特徴とするガス検出装置。
  3. 前記受光部(5)は、前記測定波長範囲の長波長側の透過率を制限するべく、前記測定波長範囲内の波長の光を所定の透過率で受光し、その他の波長の光を減衰して受光することを特徴とする請求項1又は2記載のガス検出装置。
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