JP5423496B2 - レーザ式ガス分析計 - Google Patents

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本発明は、煙道内の各種の測定対象ガスの有無や濃度を分析するレーザ式ガス分析計に関する。
従来技術のレーザ式ガス分析計について説明する。まずレーザ式ガス分析計のガス濃度測定原理について説明する。図12はNHガスの吸収スペクトラム例を示す特性図である。気体状のガス分子には、それぞれ固有の光吸収スペクトルがあることが知られており、例えば、この図12のNH(アンモニア)ガスの吸収スペクトラムの特性図に示すように、縦軸が吸収量であり、波長別に吸収量が相違する。
レーザ式ガス分析計は、レーザ光をガスに照射し、特定波長のレーザ光をガスの濃度に比例して吸収させ、この吸収量に基づいてガス濃度を測定する。このようなレーザ式ガス分析計の測定方式は、さらに、2波長差分方式と周波数変調方式とに大別される。
このうち周波数変調方式に関するレーザ式ガス分析計の従来技術として、例えば、特許文献1(国際公開第WO2008/096524号公報、発明の名称「レーザ式ガス分析計」)に記載の発明が知られている。
国際公開第WO2008/096524号公報(段落番号0082〜0087、図15A,図15B)
近年、半導体レーザの一種である、室温で連続発振可能な量子カスケードレーザ(以下、Quantum cascade laserの略称であるQCLと称する)が実用化された。QCLは従来の半導体レーザでは実現不可能であった中赤外領域(4〜10μm)という広範囲な領域の波長を発光することができる。このQCLを用いることにより、NH(アンモニア)ガス以外でも、SO,NO,NO等のように中赤外領域レーザ光に吸収波長が含まれるガス成分を測定するというような、従来技術では不可能であったレーザ式ガス分析計を実現することができる。
また、受光素子として、同じく中赤外領域に感度を有する赤外線検出素子、例えばMCT(Mercury_Cadmium_Tellurium)光導電素子(以下、MCTと表記する)を用いることが好ましい。
しかしながら、QCLやMCTを搭載したレーザ式ガス分析計を完成させるためには各種問題があり、その一つとして、QCLやMCTを単に搭載したレーザ式ガス分析計では、以下の(1)〜(4)の理由により受光部での受光光量が変動するため、発光部や受光部の故障等による異常が発生したか否かの判定が容易ではないという問題があった。この点について説明する。
(1)オフセット吸収による光量変化
図13に、SOガスの吸収スペクトラム例を示す。前記の周波数変調方式と同様の装置構成によって、SO濃度測定を行う場合、QCLの波長は7.2〜7.4μmとすることが好ましい。しかしながら、SOガスは濃度測定に適した波長範囲において、所定の波長で観察される吸収ピーク以外に、波長に明確に依存しないオフセット的な吸収(以下、オフセット吸収と表記)を有することが特徴である。このように、測定ガスによっては受光部における受光光量がオフセット吸収により変動し、発光部や受光部の故障等による異常が発生したと誤って判断されるおそれがあるという問題があった。レーザ素子異常と誤認されないようにするには、オフセット吸収による影響を受けない判断ロジックが必要であった。
(2)QCLやMCTの不安定性
QCLは従来のレーザ式ガス分析計で使用している半導体レーザと比較して、大きな駆動電流を必要とするため、QCLの放熱量が大きくなり、発光が安定しなくなるという特性がある。
また、MCTは300Kの背景放射によるノイズを受けることや周囲温度の変化により感度が変動するといった特性がある。
このようなQCLやMCTを単に搭載したレーザ式ガス分析計では測定が安定しないという問題があった。図14にノイズや温度を考慮しないレーザ式ガス分析計によるSO濃度測定例を示す。このように、測定安定性が得られない場合があるが、これはQCLやMCTの前記特性が一因であると考えられる。このような測定結果がでると、レーザ異常、あるいは受光素子異常と誤認されるおそれがあった。このような異常と誤認されないようにするには、QCLやMCTを安定的に動作させる必要があった。
(3)ダスト付着による影響
煙道内のガスにはダストが多く含まれているが、このダストが発光部や受光部に付着したり、また、レーザ光がガス内のダストにより乱反射されたり、吸収されたりして、レーザ光の受光部への透過率が低下、すなわち受光光量が減少し、レーザ異常、あるいは受光素子異常と誤認されるおそれがあった。このダストによる影響は回避できないため、上記のような異常と誤認されないようにするには、ダストの影響を予め考慮して異常判定を可能にする必要があった。
(4)QCLやMCTの経年変化
QCLやMCTが経年変化等により駆動電流に対して発光量が減少したり、また、受光量に対して出力が減少したりするという問題があった。このような異常を確実に検出したいという要請があった。
このように受光光量信号の変動には、(4)MCTの故障による感度変動分のみならず、他に(1)オフセット吸収による到達光減少分、(2)MCTの不安定性による感度変動分、(3)煙道内のダストによる到達光減少分、とを考慮する必要があり、異常か否かの判定が容易ではない、という問題があった。上記(1)〜(3)のような要因による誤検出を排除し、確実な異常判定を実現したいという要請があった。
なお、特許文献1に記載の従来技術のレーザ式ガス分析計は、受光光量の異常判定方法として、波長走査駆動信号成分の任意の1点を受光光量として常時モニタリングし、演算部において前記受光光量の閾値を設け、前記受光光量が閾値を下回った場合に光量異常と判定する、というものであるが、上記のような問題について考慮したものではなかった。
そこで、本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な構造であり、発光部および受光部の異常・正常を確実に判定できるようにしたレーザ式ガス分析計を提供することにある。
本発明の請求項1に係るレーザ式ガス分析計は、
周波数変調された中赤外領域レーザ光を出射する光源部と、この光源部からの出射光をコリメートする光源側光学系と、この光源側光学系から測定対象ガスが存在する空間を介して伝播された透過光を集光する受光側光学系と、この受光側光学系により集光された光を受光する受光部と、この受光部の出力信号を処理する信号処理回路と、処理された信号に基づいて測定対象ガスの濃度を測定する中央処理部と、を有するレーザ式ガス分析計において、
前記光源部は、
中赤外領域レーザ光を発光するレーザ素子と、
前記レーザ素子の温度を安定化させる発光側温度安定化手段と、
測定対象ガスの吸収波長を走査するように前記レーザ素子の発光波長を可変とする可変駆動信号と、前記レーザ素子の発熱量を減少させるように前記レーザ素子の発光を停止するオフセット信号と、を含む波長走査駆動信号に対し、前記発光波長を変調するための高周波変調信号を合成してレーザ駆動信号として出力するレーザ駆動信号発生部と、
このレーザ駆動信号発生部から出力された前記レーザ駆動信号を電流に変換して前記レーザ素子へこの電流を供給する電流制御部と、
を備え、
前記受光部は、
中赤外領域に感度を有する受光素子と、
この受光素子の温度を安定化させる受光側温度安定化手段と、
を備え、
前記信号処理回路は、
前記受光部の出力信号から光源部における変調信号の2倍周波数成分の信号の振幅を検出して検出信号を出力する同期検波回路と、
前記受光部の出力信号から波長走査駆動信号部分を抽出する抽出手段と、
を備え、
前記中央処理部は、
最大の発光光量設定条件における受光光量の閾値を予め測定対象ガス別に登録しており、
通常時では、
前記同期検波回路からの信号に基づいてガス吸収波形信号を生成し、このガス吸収波形信号から測定対象ガスの濃度を検出するガス濃度検出手段として機能し、
前記光源部および前記受光部の異常検査時では、
発光部側の前記電流制御部および前記発光側温度安定化手段に対し、同一波長であって複数の異なる光量のレーザ光を発光するようなレーザ駆動電流およびレーザ動作温度とする制御を行い、受光部側の抽出手段からの波長走査駆動信号成分を用いて発光光量に対する受光光量の傾向を示す検量線についての測定を行う測定手段と、
検量線の測定値の最大値が所定の閾値を上回る場合に前記光源部および前記受光部が正常であると判断し、他の場合を異常と判定する異常有無判定手段として機能することを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係るレーザ式ガス分析計は、
請求項1に記載のレーザ式ガス分析計において、
前記中央処理部は、前記波長走査駆動信号成分のうち、オフセット信号成分のレーザ未発光時の受光信号と、可変駆動信号成分のレーザ最大発光時の受光信号と、を抽出して、その差分を受光光量とする受光光量生成手段として機能することを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係るレーザ式ガス分析計は、
請求項1または請求項2に記載のレーザ式ガス分析計において、
前記中央処理部は、
前記検量線の測定値の最大値が閾値未満である場合にレーザ素子若しくは受光素子の異常、または、ダストの多く付着する異常であると判定することを特徴とする。
また、本発明の請求項4に係るレーザ式ガス分析計は、
請求項3に記載のレーザ式ガス分析計において、
前記中央処理部は、
受光光量の測定値からガス濃度を測定する測定手段と、
ガス濃度から検量線の傾きの理論値を導出する導出手段と、
受光光量の測定値から検量線の傾きの実測値を生成する実測値生成手段と、
検量線の傾きの理論値からの実測値の変化率が所定範囲内である場合にダストの付着が多いと判定し、検量線の傾きの理論値からの実測値の変化率が所定範囲を超える場合にレーザ素子や受光素子の異常とする異常内容判定手段として機能することを特徴とする。
本発明によれば、安価かつ簡易な構造であり、発光部および受光部の異常・正常を確実に判定できるようにしたレーザ式ガス分析計を提供することができる。
本発明の実施の形態のレーザ式ガス分析計を示す全体構成図である。 本発明の実施の形態のレーザ式ガス分析計の光源部の構成図である。 波長走査駆動信号発生部からの出力信号図である。 本発明の実施の形態のレーザ式ガス分析計のレーザ素子の波長走査駆動信号波形、SOガスの吸収波形、同期検波回路のガス吸収波形を示す図である。 本発明の実施の形態のレーザ式ガス分析計の受光部、信号処理回路および中央処理部の構成図である。 周波数変調方式の原理図である。 SO濃度測定時のガス吸収波形信号を示す図である。 本発明の実施の形態のレーザ異常判定方法を説明するための、QCL発光量と受光光量との関係を示す図である。 QCL発光量の調整方法を説明するための、QCL駆動条件と発光量との関係を示す図である。 本発明の実施の形態のレーザ異常判定方法を説明するための、SO濃度と検量線の傾きとの特性を示す図である。 レーザ異常判定方法を説明するフローチャートである。 NHガスの吸収スペクトラム例を示す特性図である。 SOガスの吸収スペクトラム例を示す特性図である。 ノイズや温度を考慮していないレーザ式ガス分析計によるSO濃度測定例を示す図である。
続いて、本発明を実施するための形態について図を参照しつつ以下に説明する。図1は、本形態のレーザ式ガス分析計を示す構造図であって、全体的な構成を示している。このレーザ式ガス分析計は、周波数変調方式のレーザ式ガス分析計である。レーザ式ガス分析計は、図1に示すように、フランジ101a,101bにより、例えば、煙道のように測定対象ガスが内部を通流する配管などの壁201,202に溶接等によって固定されている。一方のフランジ101aには、透明な出射窓101cが設けられている。また、フランジ101aには、取付座102aを介して有底円筒状のカバー103aが取り付けられている。
カバー103aの内部には光源部104が配置されており、この光源部104から出射したレーザ光はコリメートレンズ105を含む光源側光学系によって平行光にコリメートされ、フランジ101aの中心を通り、出射窓101cを介して壁201,202の内部(煙道内部)へ入射される。前記平行光は、壁201,202の内部にある測定対象ガスを透過する際に吸収を受ける。
他方のフランジ101bには、取付座102bを介して有底円筒状のカバー103bが取り付けられている。また、フランジ101bには透明な入射窓101dが設けられている。煙道内部を通過した平行光は、入射窓101dを経て、カバー103b内部の受光側光学系である集光レンズ106により集光されて受光部107により受光され、電気信号に変換されて後段の信号処理回路108に入力される。また、光源部104および信号処理回路108は、中央処理部109に接続されている。
次に、光源部について説明する。図2は光源部104の構成を示している。この光源部104は、測定対象ガスの吸収波長を走査するようにレーザ素子の発光波長を可変とする波長走査駆動信号発生部104aと、測定対象ガスの吸収波長を検出するために、例えば6.5kHz程度の正弦波で波長を周波数変調するための高調波変調信号発生部104bと、からなるレーザ駆動信号発生部104sを備えており、これらの信号発生部104a,104bの出力信号が合成されてレーザ駆動信号が生成されるようになっている。上記レーザ駆動信号は電流制御部104cにより電流に変換され、QCLからなるレーザ素子104eに供給される。このQCLによるレーザ素子104eは中赤外領域レーザ光を発光する。なお、波長走査駆動信号発生部104aは中央処理部109と接続されており、振幅や出射タイミングが入力されてレーザ駆動電流が制御される。
また、レーザ素子104eには発光側温度安定化手段が設けられている。この発光側温度安定化手段は、温度制御部104d、サーミスタ104f、ペルチェ素子104gを備える。レーザ素子104eに近接して温度検出素子としてのサーミスタ104fが配置され、このサーミスタ104fにはペルチェ素子104gが近接して配置されている。このペルチェ素子104gは、サーミスタ104fの抵抗値が一定値になるようにするため、温度制御部104dによって制御が行われ、結果としてレーザ素子104eの温度を安定化するように動作するものである。なお、温度制御部104dは中央処理部109と接続されており、レーザ動作温度が制御される。
ここで、波長走査駆動信号発生部104aから出力される波長走査駆動信号は、図3に示すように、可変駆動信号S1およびオフセット信号S2により一の単位波形となり、このような単位波形が一定周期で繰り返されるほぼ台形波状の信号である。
波長走査駆動信号の可変駆動信号S1は、吸収波長を走査する信号であり、電流制御部104cを介してレーザ素子104eに供給される電流の大きさを直線的に変えることにより、レーザ素子104eの発光波長を徐々にずらしていき、吸収波長を走査する信号である。信号S1の傾き、すなわち、供給電流の変化量によって、発光波長をサブnm〜数nmの範囲で走査可能である。例えばSOガスであれば、0.2nm程度の線幅を走査可能とする部分である。
また、波長走査駆動信号のオフセット信号S2は、レーザ素子104eが発光するスレッショルド電流値未満の電流を前記レーザ素子に供給するような値とした信号であり、レーザ素子104eを発光させないオフセット部分である。波長走査駆動信号発生部104aがこのオフセット信号S2を出力しているタイミングではQCLは未発光である。信号S1と信号S2とは交互に切り替わるように挿入されている。
このようにオフセット信号S2がレーザ素子104eの発光が安定するスレッショルド電流値未満であり、さらに可変駆動信号S1の時間に対してオフセット信号S2の時間が大幅に長い。
このような間欠発光条件、すなわち、信号S1と信号S2の時間の比は、QCLであるレーザ素子104eの発熱量とペルチェ素子等の温度安定化手段の性能とを勘案して決定すれば良く、例えばS1:S2=1:4とすることにより、連続発光する場合と比較して、発熱量を1/5にまで低減することができる。
従来技術では光源部を連続発光させたり、または、少し停止するが殆ど連続して発光させたりするというものであったため、仮にQCLを用いると光源部の発熱が過大となり、ペルチェ素子による温度制御が困難になることが予想されたが、本発明では上記のようにQCLを発光時間よりも消光時間が長いように間欠発光させることにより、QCLの発熱量を低減し、従来のレーザ式ガス分析計と同等の構成およびコストでQCLの使用が可能となる。発光時間と消光時間との割合は、発光側温度安定化手段(図2の温度制御部104d、サーミスタ104f、ペルチェ素子104g)により温度安定化が可能な限界温度を想定したとき、この限界温度よりも低い温度となるように発光時間と消光時間との割合が決定される。この場合、少なくとも発光時間よりも消光時間を長くして、温度を低下させる。このような駆動方式は、上記した(2)のQCLの不安定性の解消に寄与するものである。
さて、このような波長走査駆動信号発生部104aから出力される波長走査駆動信号に対し、高周波変調信号発生部104bからの高周波変調信号を合成して周波数変調を行い、図4で示すようなレーザ駆動信号を生成する。このレーザ駆動信号は、SOガスの場合では、高周波変調信号の周波数を6.5kHz、波長走査駆動信号の周波数を20Hzとなり、λ、λはSOガスの吸収波長に相当する走査範囲の上下限値を示している。
なお、波長走査駆動信号のλ、λはSOガスの吸収波長に相当する走査範囲として説明しているが、SO以外にも、NOのガス成分を測定したり、または、NOのガス成分を測定することができる。しかしながら、QCLの特性(電流や温度による波長走査可能範囲)とSO,NO,NOの吸収スペクトルを勘案すると、SO,NO,NOの何れか一つについての単成分計として個別に測定するレーザ式ガス分析計となる。この場合レーザ式ガス分析計では、SO,NO,NO等の中から一つ選定された測定対象の吸収波長に対応した発光波長を持つQCLが選定され、この測定対象のガス成分に応じて中赤外領域のλ、λが設定される。このようなレーザ駆動信号が出力される。
次に、図5は、受光部107および信号処理回路108の構成を示している。中赤外領域に感度を有するMCT光導電素子は低温でないと十分な感度が得られないため、MCT光導電素子である受光素子107aに対して、受光側温度安定化手段を受光部107に設けている。
受光側温度安定化手段は、さらにサーミスタ107b、ペルチェ素子107c、温度制御部107dを備え、受光素子107aを冷却する。具体的には、MCT光導電素子内にサーミスタ107bやペルチェ素子107cが内蔵される。このように受光素子107aに近接して温度検出素子としてのサーミスタ107bが配置され、このサーミスタ107bにはペルチェ素子107cが近接して配置されている。
このペルチェ素子107cは、サーミスタ107bの抵抗値が一定値になるように温度制御部107dによって制御され、結果として受光素子107aの温度を安定化するように動作するものである。このような受光側温度安定化手段により、例えばMCT光導電素子の動作温度を−3℃で一定にする。
MCT光導電素子である受光素子107aは、QCLであるレーザ素子104eの中赤外領域レーザ光の発光波長に感度を持つ受光素子が使用される。この受光部107の出力電流はI/V変換器108aへ入力される。I/V変換器108aは、発振器108cから2f信号(2倍波信号)が入力されており、出力電流に対して2f信号(2倍波信号)により変調してから電圧に変換して電圧信号を出力する。この電圧信号が同期検波回路108bに入力される。同期検波回路108bはこの電圧信号に対して検波を行う。
ここで周波数変調方式のレーザ式ガス分析計の計測原理について説明する。図6は、周波数変調方式の原理図を示している。この周波数変調方式のレーザ式ガス分析計では、中心周波数f、変調周波数fで半導体レーザの出射光を周波数変調し、測定対象ガスに照射する。ここで、周波数変調とは、レーザ素子104eに供給するドライブ電流の波形を正弦波状にすることである。
周波数変調方式で距離の影響をキャンセルするためには、半導体レーザ素子の出力を周波数変調すると同時に周波数fで振幅変調を行えばよいのであるが、半導体レーザ素子の出力に周波数変調を掛けると振幅変調も掛かるので、これが利用できる。
図6に示したように、ガスの吸収線は変調周波数に対してほぼ2次関数となっているので、この吸収線が弁別器の役割を果たし、受光部では変調周波数fの2倍の周波数の信号(2倍周波数信号)が得られる。ここで、変調周波数fは任意の周波数で良いため、例えば、変調周波数fを数kHz程度に選ぶと、ディジタル信号処理装置(DSP)または汎用のプロセッサを用いて、2倍周波数信号の抽出等の高度な信号処理を行うことが可能になる。
また、受光部によりエンベロープ検波を行えば振幅変調による基本波を推定でき、この基本波の振幅と前記2倍周波数信号の振幅との比を位相同期させて検出することで、距離に関係なく測定対象ガス濃度に比例した信号を得ることができる。
このような原理のもと、同期検波回路108bにおいて、測定対象ガスによるレーザ光の吸収が無い場合は、同期検波回路108bによって2倍波信号が検出されないので、同期検波回路108bの出力はほぼ直線となる。
一方、測定対象ガスによるレーザ光の吸収がある場合は、同期検波回路108bによって出射光の変調信号の2倍周波数成分の振幅のみが抽出された信号である2倍波信号が検出される。その出力波形は図4の長方形の枠内に図示された同期検波回路108bの出力波形に示すようになる。この波形はフィルタ108dによりノイズが除去され、適宜増幅して後段のCPUやDSP等である中央処理部109へ出力される。
なお、I/V変換器108aからの出力信号は抽出手段(フィルタ)108eにも入力され、抽出された波長走査駆動信号成分が中央処理部109に送られるが、この波長走査駆動信号成分は異常判定で用いられることとなる。この点については後述する。
この同期検波回路108bの出力波形のピーク値が測定対象ガスの濃度に相当するため、ピーク値を測定するか、あるいは波形の一部または全部を積分してその積分値から測定対象ガスの濃度を検出すればよい。
次いで、測定対象ガスの濃度測定方法について述べる。
まず、事前に、図2のレーザ素子104eの温度をサーミスタ104fにより検出し、図3に示した波長走査駆動信号のS1の中心部分で測定対象ガス(例えばSOガス)が測定できる(所定の吸収特性が得られる)ように、図2の温度制御部104dによりペルチェ素子104gの通電を制御してレーザ素子104eの温度を調整する。ペルチェ素子104gはサーミスタ104fの抵抗値が一定値になるようにPID制御等で制御される。そのような設定条件で、レーザ素子104eを駆動し、壁201,202の内部の測定対象ガスが存在する空間にレーザ光を出射し、集光した光を受光部107へ入射させ、上記のような信号処理を行ってガス分析を行う。以上のように本実施形態によれば、光源部104によりレーザ素子104eの発光波長を所定範囲にわたって走査して測定対象ガスによりガス濃度を測定することが可能となる。
図7にSO濃度測定時の同期検波回路108bの出力を示す。測定ガスの吸収がある場合は、同期検波回路108bの出力は図7に示すようにガスの吸収波形が検出される。
ガス濃度は、このピーク値がガス濃度となるため、この出力のピーク振幅を計測することにより、SO濃度測定が可能となる。また、信号変化を積分してもよい。以上のように波長走査して、ガス濃度を測定することが可能となる。
続いて、このようなレーザ式ガス分析計における発光部および受光部の異常・正常判定方法について説明する。
まず、判定原理について説明する。異常判定では検量線を用いる。検量線は、図8で示すように、発光部での発光光量に対する受光部での受光光量を示す特性である。ある波長で一の発光光量に対する一の受光光量を得る。そして、同一波長で異なる複数の発光光量に対する複数の受光光量を得る。これら複数点から検量線を得る。
検量線は、測定対象であるSOガスの濃度や測定環境の異常により変動する。窒素ガスを流通した場合の検量線と比較して、100ppm・mのSOガスを流通した時は、図8および図10で示すように、検量線の傾きはSOガスの濃度に依存して変動し、検量線がグラフ内の下方にシフトする。
一方、測定環境異常の場合、すなわち、レーザ異常や受光素子異常により、発光量や受光光量が低下する場合、あるいは発光部や受光部へのダスト付着により受光光量が低下する場合は、図8でも明らかなように、検量線の傾きはほぼ変動せずに、検量線がグラフ内の左側へシフトする。
通常は、上記の2つの現象が混在するため、検量線のシフトは一義的には決定されない。
図8の事例の場合、測定環境異常時の検量線における最大の発光光量(QCL光量)が出力されたときの受光光量(MCT電圧)が約1.75V程度であり、また、通常の検量線における最大の発光光量(QCL光量)が得られたときの受光光量(MCT電圧)が2.5Vであることを考慮すると、最大の受光光量(MCT電圧)が2.0V以下のときを測定環境異常と判定するものである。この場合、通常の検量線における最大の発光光量(QCL光量)が得られたときの最大の受光光量(MCT電圧)2.5Vに対して約70%となっており、測定環境異常と判定することができる。このような判定により、上記した(2)〜(4)の測定環境異常の確実な検出に寄与するものである。
このような検量線を得るにはQCLで波長を統一して複数の異なる発光光量を得る必要がある。この点について説明する。図9にQCLの電流−発光量特性の温度依存性を示す。QCLは閾値電流以上の電流を印加することで発光する。そして、図9でも明らかなように、駆動電流が大きくなるにつれて光量が大きくなる、また、レーザ動作温度が低くなるにつれて光量が大きくなる。換言すれば、この特性を利用して、レーザ動作温度と駆動電流とを制御すれば、同一波長の光を複数の光量で発光することができる。つまり、レーザ動作温度および駆動電流を予め実験により求めておき、検査時に予め設定されていたレーザ動作温度および駆動電流とすることで必要な波長による発光光量を得ることができる。
続いて検量線の傾きについて説明する。図10に検量線の傾きのSO濃度依存性を示す。検量線の傾きは通常はある濃度に対してある傾きが決定されるというものである。そこで、この濃度依存性の関係式を用いて、測定濃度により求められる検量線の傾きの理論値と実際の検量線の傾きとの差分が、上記の理論値と比較して所定範囲の割合を超える場合は、上記の(2),(4)のQCLやMCTの異常と判定することが可能となる。
なお、前記の検量線の傾きの閾値はノイズによる受光光量の変動を考慮して、例えば±5%と設定すればよい。
すなわち、受光光量が閾値の2.0V未満の場合であって、検量線の傾きの変化率が±5%以上となったときに、光学系異常(レーザ異常、あるいは受光素子異常)と判定し、保守アラーム(測定中止/部品交換)を出力する。
また、受光光量が閾値の2.0V未満の場合であって、検量線の傾きの変化率が±5%未満となったときに、ダスト付着による受光光量低下と判定し、保守ガイダンス(測定中断/窓部清掃推奨)を出力する。
続いて実際の異常判定について説明する。
中央処理部109は、図示しない内部メモリまたは外部メモリに、(a)検査時の駆動電流およびレーザ動作温度、(b)発光光量に対する受光光量の傾向を示す検量線について予め設定された傾きの理論値、(c)最大の発光光量における受光光量の閾値、および、(d)SO濃度に対する検量線の傾き、がそれぞれ登録されているものとする。
まず、(b)の検量線作成方法について説明する。中央処理部109は、発光部側の電流制御部104aおよび発光側の温度制御部104dに対し、同一波長であって複数の異なる光量のレーザ光を発光するようなレーザ駆動電流およびレーザ動作温度とする制御を行う手段(制御手段)として機能する。この駆動電流は、可変駆動信号に係数を乗じて特に最大駆動電流を所定値とするような駆動電流である。係数が大きくなれば発光光量が大きくなる。このような制御は中央処理部109が電流制御部104aを制御して行う。また、レーザ動作温度は、この所望の最大駆動電流が流れるようなレーザ動作温度である。レーザ温度制御により低温になされて発光光量を大きくしている。中央処理部109が温度制御部104dを制御して行い、所望の波長における所望の光量となるようにして、レーザ素子104eはレーザ光を発光出力する。この光を受光部107aが検出する。
ある発光光量のレーザ光が受光されると、中央処理部109は、受光素子107aで受光され検出信号がI/V変換器108aへ出力される。I/V変換器108aからの出力信号は抽出手段(フィルタ)108eに入力され、抽出された波長走査駆動信号成分が中央処理部109に送られる。中央処理部109は、抽出手段108eから波長走査駆動信号成分を入力し、この波長走査駆動信号成分のうち、オフセット信号成分のレーザ未発光時の受光光量と、可変駆動信号成分のレーザ最大発光時の受光光量と、を抽出して、その差分を受光光量とする手段(受光光量生成手段)として機能する。これはレーザ発光素子104eの光量変動分や受光素子107aの感度変動分を除去するものであり、正確な受光光量をモニタリングすることが可能となる。このような処理も上記した(2)QCLやMCTの不安定性を解消する利点を有するものである。
中央処理部109は、内蔵するA/D変換器によりA/D変換し、図3で示す波長走査駆動信号成分のうち、信号S2が出力されているタイミングと、信号S1の出力終了時のタイミングと、でMCT電圧を得て、それぞれデジタルデータである第1,第2受光光量を検出する。そして、両者の差分を受光光量とする。これで、ある発光光量(QCL光量)のときの受光光量(MCT電圧)が得られる。
この処理は例えば1分毎に行う。図8の事例であれば、測定中の発光光量(QCL光量)は、所定の検出波長において最大光量である50mWとなるように駆動条件を設定する。任意の時間にQCL駆動条件を調整し、発光量40mWの駆動条件で例えば1分間、続いて発光量25mWの駆動条件で同様に1分間動作させる。
以下、同様に操作を行い、発光光量(QCL光量)が異なるように波形信号を代えて異なる受光光量(MCT電圧)を得る。
このようにして複数の発光光量(QCL光量)にそれぞれ対応する複数の受光光量(MCT電圧)を得て、中央処理部109の図示しない内部メモリ(または外部メモリ)が保存する。このようにして、複数の発光光量に対する受光光量を得る。これらは発光光量に受光光量を関連させた状態で記憶される。図8では、3点のQCL光量による受光光量の検量線を示す。この検量線は発光光量に対する受光光量の傾向を示すものである。
続いて、実際の異常・正常判定について図11のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、判定時における煙道には所定の濃度のSOガスが流れているものとする。また、予めSOガスによるSO濃度に対する検量線の傾きの理論式が登録されているものとする。
まず、中央処理部109は、通常測定を行って受光光量を得る(ステップS1)測定手段として機能する。そして、上記のような測定手法にて受光光量を得て、演算処理により濃度測定値(x)を登録する(ステップS9)手段として機能する。
続いて中央処理部109は、検量線の最大値が閾値未満である場合に測定環境異常であると判定する手段として機能するものであり、具体的には受光光量(Y)が所定の閾値(Y)未満(本形態では2.0V未満)となるか否かについて判定する(ステップS2)。受光光量が所定の閾値よりも上であるときは、レーザ式ガス分析計の光源部および受光部は正常であると判断し、通常測定へ戻り、一方、受光光量が所定の閾値未満のときは測定環境の異常であると判定する。中央処理部109は、さらにこの異常内容を詳しく調べるための異常判定モードへ移行する(ステップS3)。
中央処理部109は、検量線を作成し(ステップS4)、算出した検量線の傾き(b)の実測値を生成する(ステップS10)実測値生成手段として機能する。傾きは、例えば次式のように求める。
[数1]
傾き=(受光光量(1)−受光光量(2))/(発光光量(1)−発光光量(2))
続いて中央処理部109は、ガス濃度(SO濃度)から検量線の傾きの理論値を求める(ステップS5)導出手段として機能する。傾きの理論値は、例えば、先に取得した濃度測定値(X)を用いて次式のように算出するものであり(ステップS11)、中央処理部109は、算出した検量線の傾きの理論値(a)を登録する(ステップS12)手段として機能する。
[数2]
傾きの理論値a = αX+a
=(SO濃度依存係数)×ある測定濃度+各分析計固有の定数(SO濃度ゼロ時の傾き)
続いて中央処理部109は、検量線の傾きの理論値(a)からの実測値の変化率を求める。左記の変化率は、例えば次式のように求める。
[数2]
傾きの変化率(%)
=(傾きの理論値(a)−傾きの実測値(b))×100/傾きの理論値(a)
続いて中央処理部109は、検量線の傾きの理論値からの実測値の変化率が所定範囲内に収まる場合は出射窓101cや入射窓101dにダストの付着が多いと判断し、また、検量線の傾きの理論値からの実測値の変化率が所定範囲を超えて変化する場合に光学系異常(レーザ異常、あるいは受光素子異常)と判定する手段として機能する。
具体的には、中央処理部109は、検量線の傾きの変化率が±5%未満に収まるか否かを判定する(ステップS6)異常内容判定手段として機能する。変化率が±5%を超えるときは光学系異常(レーザ異常、あるいは受光素子異常)が生じたものであるとして判定を終了し、保守アラーム(測定中止/部品交換)を出力する(ステップS8)手段として機能する。変化率が±5%未満のときはダスト付着による受光光量低下として判定を終了し、保守ガイダンス(測定中断/窓部清掃推奨)を出力する(ステップS7)手段として機能する。
この異常判定は、測定環境にレーザ式ガス分析計を設置したまま可能であり、任意の時間に行うことができる。このようにして得られた受光信号から、上記のように検量線を作成し、閾値判定および傾きの変化率判定を行う。都合、2分程度という短時間で測定環境異常判定を行うことが可能となる。
以上本発明について説明した。本発明のレーザ光分析装置では以下(ア)〜(ウ)により異常判定を可能としている。
(ア)QCLおよびMCTの不安定による変動成分の除去
仮にQCLを連続発光する場合は、光源部の発熱が過大となり、従来の構成では放熱不足となることからペルチェ素子による温度制御が困難であったが、このようにオフセット部分S1という発光しない冷却期間が存在するため、光源部の過大な発熱を防ぎ、ペルチェ素子でも温度制御可能としている。加えて、そして信号処理回路や冷却性能に関する発光部および受光部の装置構成を簡素化し、低コスト化している。そして、冷却化によりQCLやMCTが安定動作するため、異常・正常の判定が確実になる。
(イ)測定環境異常の検知
煙道内の測定ガスに含まれるダストにより、光源部104から発せられる光が散乱ないし吸収され、受光部107の受光光量が低下したり、QCLやMCTの異常により受光部107の受光光量が低下したりするが、本発明では、測定対象ガスの濃度が測定可能範囲上限時のオフセット吸収の影響を考慮しても十分に低い受光光量の閾値を設け、受光光量が閾値を下回った場合に測定環境異常と判定する、というものである。これにより、測定対象ガスのオフセット吸収の影響を排除し、異常・正常の判定が確実になる。
(ウ)検量線の採用
QCLの駆動電流及び動作温度を操作することにより、同一波長複数の光量で発光させるようにしたため、前記複数のQCL光量から得られる受光光量の検量線を取得できるようにした。この検量線の傾きを指標とし、検量線の傾きの測定対象ガス濃度による変動を考慮することにより、測定対象ガスのオフセット吸収の影響を排除し、レーザ異常や受光素子異常による受光光量低下と、ダストのような外乱による光量低下とを区別可能であることを見出した。具体的には、任意のレーザ駆動条件における受光光量が閾値未満、かつ前記検量線の傾きの変化率が閾値以上である場合には、光学系異常(レーザ異常や受光素子異常)による光量低下と判定する。なお、レーザ駆動条件は、所定の検出波長において最大光量となる条件が好ましい。
以上、本発明のレーザ式ガス分析計について説明した。
本発明によれば、上記(ア)〜(ウ)の効果が相乗的に相俟って異常判定を確実に行うことができるようになる。
本発明のレーザ式ガス分析計は、中赤外領域の固有の光吸収スペクトルがあるSO,NO,NO等のガス成分の測定に適用することができる。
201,202:壁
101a,101b:フランジ
101c:出射窓
101d:入射窓
102a,102b:取付座
103a,103b:カバー
104:光源部
104a:波長走査駆動信号発生部
104b:高周波変調信号発生部
104c:電流制御部
104d:温度制御部
104e:レーザ素子
104f:サーミスタ
104g:ペルチェ素子
104s:レーザ駆動信号発生部
105:コリメートレンズ
106:集光レンズ
107:受光部
107a:受光素子
107b:サーミスタ
107c:ペルチェ素子
107d:温度制御部
108:信号処理回路
108a:I/V変換回路
108b:同期検波回路
108c:発振器
108d:フィルタ
108e:抽出手段(フィルタ)
109:中央処理部

Claims (4)

  1. 周波数変調された中赤外領域レーザ光を出射する光源部と、この光源部からの出射光をコリメートする光源側光学系と、この光源側光学系から測定対象ガスが存在する空間を介して伝播された透過光を集光する受光側光学系と、この受光側光学系により集光された光を受光する受光部と、この受光部の出力信号を処理する信号処理回路と、処理された信号に基づいて測定対象ガスの濃度を測定する中央処理部と、を有するレーザ式ガス分析計において、
    前記光源部は、
    中赤外領域レーザ光を発光するレーザ素子と、
    前記レーザ素子の温度を安定化させる発光側温度安定化手段と、
    測定対象ガスの吸収波長を走査するように前記レーザ素子の発光波長を可変とする可変駆動信号と、前記レーザ素子の発熱量を減少させるように前記レーザ素子の発光を停止するオフセット信号と、を含む波長走査駆動信号に対し、前記発光波長を変調するための高周波変調信号を合成してレーザ駆動信号として出力するレーザ駆動信号発生部と、
    このレーザ駆動信号発生部から出力された前記レーザ駆動信号を電流に変換して前記レーザ素子へこの電流を供給する電流制御部と、
    を備え、
    前記受光部は、
    中赤外領域に感度を有する受光素子と、
    この受光素子の温度を安定化させる受光側温度安定化手段と、
    を備え、
    前記信号処理回路は、
    前記受光部の出力信号から光源部における変調信号の2倍周波数成分の信号の振幅を検出して検出信号を出力する同期検波回路と、
    前記受光部の出力信号から波長走査駆動信号部分を抽出する抽出手段と、
    を備え、
    前記中央処理部は、
    最大の発光光量設定条件における受光光量の閾値を予め測定対象ガス別に登録しており、
    通常時では、
    前記同期検波回路からの信号に基づいてガス吸収波形信号を生成し、このガス吸収波形信号から測定対象ガスの濃度を検出するガス濃度検出手段として機能し、
    前記光源部および前記受光部の異常検査時では、
    発光部側の前記電流制御部および前記発光側温度安定化手段に対し、同一波長であって複数の異なる光量のレーザ光を発光するようなレーザ駆動電流およびレーザ動作温度とする制御を行い、受光部側の抽出手段からの波長走査駆動信号成分を用いて発光光量に対する受光光量の傾向を示す検量線についての測定を行う測定手段と、
    検量線の測定値の最大値が所定の閾値を上回る場合に前記光源部および前記受光部が正常であると判断し、他の場合を異常と判定する異常有無判定手段として機能することを特徴とするレーザ式ガス分析計。
  2. 請求項1に記載のレーザ式ガス分析計において、
    前記中央処理部は、前記波長走査駆動信号成分のうち、オフセット信号成分のレーザ未発光時の受光信号と、可変駆動信号成分のレーザ最大発光時の受光信号と、を抽出して、その差分を受光光量とする受光光量生成手段として機能することを特徴とするレーザ式ガス分析計。
  3. 請求項1または請求項2に記載のレーザ式ガス分析計において、
    前記中央処理部は、
    前記検量線の測定値の最大値が閾値未満である場合にレーザ素子若しくは受光素子の異常、または、ダストの多く付着する異常であると判定することを特徴とするレーザ式ガス分析計。
  4. 請求項3に記載のレーザ式ガス分析計において、
    前記中央処理部は、
    受光光量の測定値からガス濃度を測定する測定手段と、
    ガス濃度から検量線の傾きの理論値を導出する導出手段と、
    受光光量の測定値から検量線の傾きの実測値を生成する実測値生成手段と、
    検量線の傾きの理論値からの実測値の変化率が所定範囲内である場合にダストの付着が多いと判定し、検量線の傾きの理論値からの実測値の変化率が所定範囲を超える場合にレーザ素子や受光素子の異常とする異常内容判定手段として機能することを特徴とするレーザ式ガス分析計。
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