JP2009219861A - ミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】より効率的にボタンを供給可能なミシンのボタン供給装置を提供する。
【解決手段】送出口13eからボタンBを受け渡す回転板13と、ボタン縫い付け作業時の向きに対応するようにボタンBを位置決めするボタン穴位置調節部20と、ボタン掴み足41へボタンBを運ぶボタン搬送部30と、を備え、ボタン搬送部30はボタンBを上下から把持してボタンBを運ぶ。
【選択図】図7

Description

本発明は、ミシン、特にボタン付けミシンであってボタン供給装置を備えるミシンに関する。
被縫製物にボタンを縫い付けるボタン付けミシンにおいては、被縫製物の上方に位置してボタンをほぼ水平に保持するボタン掴み足に保持されたボタンのボタン穴に縫い針を保持した針棒が上下動することでボタンの縫い付けが行われる。このとき、ボタン縫い付けごとにボタン掴み足にボタンを供給するキャリア機構を備えたボタンの供給装置が知られている(例えば特許文献1)。
図10は従来技術によるキャリア機構の構成を示す説明図である。図11は従来技術によるキャリア機構を図10とは別角度から見た説明図である。図11(a)はボタンキャリア部102のピン102aがボタンB1のボタン穴を挿通している状態を示し、図11(b)はボタンキャリア部102に対してボタン掴み足101が上方へと移動した状態を示す。
図10に示すように、従来技術によるキャリア機構では、ボタンの脱落を防ぐためにボタン掴み足101の先端部に設けられてボタンが嵌合されるよう保持される爪部101aに対して、キャリア機構のボタンキャリア部102が先端部においてボタンB1を支持し、軸部102bを回転軸として当該先端部を回動させるよう移動させてボタンB1を爪部101a、101aの間に嵌合させる。このとき、図11(a)に示すように、ボタンキャリア部102はボタンB1のボタン穴の位置及び当該ボタン穴の間隔に対応した複数のピン102aを備えている。ボタンキャリア部102はボタンB1の下面部に当接すると共に、ボタンB1のボタン穴の下方から上方に向けて複数のピン102aを挿通させることでボタンB1を支持する。このとき、ピン102aの長さは、ボタンB1の厚みよりも大きい。これによって、ボタン穴の先端からピン102aの先端部が突出するので、ボタンB1はボタンキャリア部102から抜け落ちにくくなり、より確実にボタンB1が支持される。
また、ボタン掴み足101の爪部101a,101aにボタンB1が嵌合されると、ボタン掴み足は図11(b)に示すように、ボタン掴み足101はボタンキャリア部102に対して上方へと移動する。これによって、ボタンB1のボタン穴がボタンキャリア部102のピン102aから抜ける。その後、ボタンキャリア部102はその先端部がボタン掴み足101の爪部101aから遠のくように回動する。その後、ボタン掴み足101は下方へと移動し、ボタンB1を被縫製物に近接させる。その後、ボタンB1のボタン穴に縫い針が落ち、縫目が形成されることで被縫製物に対するボタンB1の縫い付けが行われる。
特開平5−84367号公報
しかしながら、従来技術によるキャリア機構を備えたボタンの供給装置では、ボタンB1のボタン穴に対するボタンキャリア部102のピン102aの挿通を解消するために、ボタン掴み足101が上方へと移動し、ボタンキャリア102が移動した後に改めてボタン掴み足が下降するといった動作が必要であった。このため、ボタン掴み足101の上下動の動作時間分、ボタンの縫い付けにおけるサイクルタイムが余計にかかるといった問題点があった。
また、ボタンB1のボタン穴の位置、間隔及びボタン穴の大きさに対応したピン102aを備えたボタンキャリア部102をボタンの種類ごとに用意する必要があり、ボタン供給装置のコストが上がるといった問題点があった。加えて、ボタンの種類が変わるごとにボタンキャリア部102を交換する必要があるため、当該交換作業が非常に煩雑である上、当該交換作業に費やされる時間がボタン付けの全体作業効率を著しく低下させるといった問題点があった。
さらに、厚いボタンを縫い付ける場合、ボタンの厚みに対応してボタンキャリア部102のピン102aの長さが長くなるので、ボタン掴み足101はボタンB1のボタン穴に対するボタンキャリア部102のピン102aの挿通を解消するためにより大きく上方へと移動する必要がある。このとき、ボタン掴み足101の上方への移動が大きすぎると、ボタン掴み足101の上方に位置する縫い針とボタンとが接触、あるいは衝突する可能性が生ずる。このため、ボタン掴み足101による上方への移動範囲には制限が設けられている。つまり、ボタンの厚みが一定以上になるとボタン掴み足101がボタンキャリア部102のピン102aからボタンを外すことができないため、一定以上の厚みのボタンは従来技術によるボタン供給装置では供給できないといった問題点があった。
なお、ボタンキャリア部102を下方に移動させることでボタンB1のボタン穴に対するボタンキャリア部102のピン102aの挿通を解消する方法も考えられうる。しかしながら、ボタンキャリア部102が下方に移動する場合、ボタンキャリア部102と被縫製物とがぶつかるので、ボタンキャリア部102の下方への移動範囲は制限されている。よって、ボタンキャリア部102が下方へと移動するようにしても厚いボタンを供給することは困難であるといった問題があった。
本発明は、上述の問題点に鑑み、より効率的にボタンを供給可能なミシンのボタン供給装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、ボタン縫いつけ作業を行う縫製動作部と、当該縫製動作部がボタン縫いつけ作業を行う際にボタンの保持を行うボタン掴み足にボタン供給部からボタンの受け渡しを行うボタン供給装置とを備え、前記ボタン供給装置が、ボタンを収納する穴部を有し、軸部を中心に回転すると共に、受け渡し位置で該ボタンを受け渡す回転板と、前記回転板から受け渡されたボタンを、縫製物の上方に位置するボタン掴み足に供給するボタン供給手段と、を備えるミシンにおいて、ボタンを、ボタン縫い付け作業時の向きに対応するように位置決めするボタン穴位置調節手段と、を有し、前記ボタン供給手段は、前記回転板から供給されたボタンを上下方向から把持した後、前記ボタン掴み足に運ぶことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のミシンにおいて、前記ボタン供給手段は、前記回転板から供給されたボタンを下側で支持するボタンキャリア部と、一端側が前記ボタンキャリア部を支持する固定アーム部と、前記ボタンに上側から当接して、前記ボタンキャリア部と協働してボタンを挟持するクランプ部と、一端側が前記クランプ部を支持して上下動する上下動アーム部と、前記固定アーム部と前記上下動アーム部を水平方向に沿って回動させる駆動部と、を有することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2に記載のミシンにおいて、前記ボタン供給手段が前記ボタン掴み足に当接しないよう、前記固定アーム部と前記上下動アーム部の先端部が前記ボタンを前記ボタン掴み足に運ぶ際の移動方向に向くように前記固定アーム部と前記上下動アーム部の一部又は全部が屈曲又は湾曲していることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2又は3に記載のミシンにおいて、前記ボタンキャリア部は、空気を吸引する吸引部を備え、前記吸引部の吸引力によって前記ボタンを保持することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4に記載のミシンにおいて、前記ボタンキャリア部と前記ボタンとの間に生じる隙間を塞ぐ第1のシールと、前記クランプ部と前記ボタンとの間に生じる隙間を塞ぐ第2のシールと、を備えることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載のミシンにおいて、前記ボタン穴位置調節手段は、前記ボタンの中心を通過する軸線回りの向きを検出する向き検出手段と、前記ボタンに回転を付与する角度調節機構と、前記向き検出手段により検出されたボタンの向きに応じて、ボタン縫い付け作業時に予定された向きに対応するように前記角度調節機構の駆動源を駆動させる角度制御手段とを備えることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載のミシンにおいて、前記ボタン穴位置調節手段は、前記ボタンのボタン縫い付け作業時に予定された位置からの位置ズレを検出する位置検出手段と、前記ボタンの位置調節を行う位置調節機構と、前記位置検出手段により検出されたボタンの位置ズレに応じて、前記位置調節機構の駆動源を駆動させる位置制御手段とを備えることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、ボタン供給手段は、ボタンを上下方向から把持した後、ボタン掴み足に運ぶ。また、ボタンは、ボタン穴位置調節手段によりボタン縫い付け作業時の向きに対応するように位置決めが行われる。これによって、ボタンのボタン穴に挿通するピンをボタン供給手段に設ける必要はなく、ボタン供給手段はボタン掴み足にボタンを運んだ後、ボタンの把持を解除することでボタンはボタン掴み足に渡される。よって、ボタン掴み足が上下動する必要がなくなり、ボタン掴み足の上下動の動作時間分、ボタンの縫い付けにおけるサイクルタイムが余計にかかるといった問題点を解消でき、ミシンの生産性が大幅に向上する。
また、上述のように、ボタン供給手段はボタンを把持して運ぶので、ボタンのボタン穴の位置や間隔、あるいはボタン穴の大きさに左右されずボタンを支持することができる。よって、従来技術においてボタン穴の位置、間隔及びボタン穴の大きさに対応したピンを備えたボタンキャリア部をボタンの種類ごとに用意する必要があり、ボタン供給装置のコストが上がるといった問題点を解消でき、ミシンのボタン供給装置のコストが大幅に下がる。加えて、従来技術においてボタンの種類が変わるごとにボタンキャリア部を交換する必要があるため、当該交換作業が非常に煩雑である上、当該交換作業に費やされる時間がボタン付けの全体作業効率を著しく低下させるといった問題点を解消でき、ミシンの生産性がより一層向上する。
さらに、上述のように、ボタン掴み足は上下動する必要がない。よって、従来技術のように厚いボタンをボタンキャリア部から外すためにボタン掴み足が大きく上方へと移動した際にボタンが縫い針と接触、あるいは衝突する可能性があるために一定以上の厚みのボタンは従来技術によるボタン供給装置では供給できないといった問題点を解消できる。よって、ボタンの厚さに左右されずボタンをボタン掴み足に供給可能なミシンのボタン供給装置を提供でき、ミシンの可用性及び信頼性が大幅に向上する。
さらに、ボタン穴位置調節手段がボタン縫い付け作業時の向きに対応するようにボタンを位置決めする。つまり、ボタン穴位置調整手段によって、ボタンの縫い付けにおける縫い針の針落ちに対応するようボタンのボタン穴の向きが調整される。これによって、ボタン掴み足に保持されたボタンの縫い付けがよりスムースに行える。よって、ミシンの生産性がより一層向上する。加えて、ボタンの縫い付けにおいて針落ちの際の縫い針とボタンとが衝突することがなくなり、ミシンの信頼性がより一層向上する。
なお、ボタン穴位置調節手段によるボタンの位置決めは、ボタン供給手段によるボタン掴み足へのボタンの供給の前後いずれに行っても良いが、供給前に行う場合には、ボタン供給手段によるボタン供給によりボタンの向きが変わる場合にはこれを考慮して位置決めを行う。
請求項2記載の発明によれば、上下動アーム部が上下動することでクランプ部を上下動させるので、ボタンキャリア部に下側から支持されたボタンの上側からクランプ部を下降させることによりボタンを把持する。つまり、ボタンキャリア部及び固定アーム部は上下動する必要がない。よって、ボタン把持のための駆動部分を簡略化することができる。加えて、ボタンキャリア部が上下動しないのでボタンキャリア部に支持されたボタンは上下動に伴う振動や傾きを受けることなく確実に支持される。
請求項3記載の発明によれば、固定アーム部と上下動アーム部の先端部が前記ボタンを前記ボタン掴み足に運ぶ際の移動方向に向くように固定アーム部と上下動アーム部の一部又は全部が屈曲又は湾曲しているので、ボタン供給手段とボタン掴み足とが当接しない。従って、駆動部による固定アーム部及び上下動アーム部の水平方向の回動によってボタン供給手段がボタン掴み足と当接してしまいボタンの供給が阻害されるといったことがなくなる。
請求項4記載の発明によれば、ボタンキャリア部は空気を吸引する吸引部を備え、前記吸引部の吸引力によって前記ボタンを保持する。これによって、ボタンはより確実にボタン供給手段に保持される。
また、上述のように、ボタンは吸引部の吸引力によって保持されるので、ボタンのボタン穴の位置や間隔、あるいはボタン穴の大きさに左右されずボタンを保持することができる。よって、従来技術においてボタン穴の位置、間隔及びボタン穴の大きさに対応したピンを備えたボタンキャリア部をボタンの種類ごとに用意する必要があり、ボタン供給装置のコストが上がるといった問題点を解消でき、ミシンのボタン供給装置のコストが大幅に下がる。加えて、従来技術においてボタンの種類が変わるごとにボタンキャリア部を交換する必要があるため、当該交換作業が非常に煩雑である上、当該交換作業に費やされる時間がボタン付けの全体作業効率を著しく低下させるといった問題点を解消でき、ミシンの生産性がより一層向上する。
請求項5記載の発明によれば、第1のシールがボタンキャリア部とボタンとの間に生じる隙間を塞ぎ、第2のシールがクランプ部とボタンとの間に生じる隙間を塞ぐ。これによって、ボタンを挟んでボタンキャリア部とクランプ部との間が密閉され、吸引部の吸引力によるボタンの保持力が大幅に強まり、ボタンはより確実にボタンキャリア部及びクランプ部によって保持される。
請求項6記載の発明によれば、ボタンに対して向き検出手段により中心線回りの向きが検出され、ボタン縫い付け作業時の予定された向きに対応する向きと検出された向きとが異なる場合には、角度調節機構の駆動源を駆動してボタンを動かして向きの調節を行うことができる。従って、縫製時にボタンの向きのさらなる適正化を図ることができ、良好なボタン縫着を可能とし、縫製における信頼性、確実性を向上すると共に向き確認や向き調節作業の所要時間を短縮化して作業効率の向上を図ることが可能となる。
請求項7記載の発明によれば、ボタンに対して位置検出手段によりボタン縫い付け作業時の予定された位置に対する位置ズレが検出されると、位置調節機構の駆動源を駆動してボタンを動かして位置の調節を行うことができる。従って、縫製時にボタンの位置のさらなる適正化を図ることができ、良好なボタン縫着を可能とし、縫製における信頼性、確実性を向上すると共に位置確認や位置調節作業の所要時間を短縮化して作業効率の向上を図ることが可能となる。
本発明によるミシンのボタン供給装置を備えたミシンの構成を示す斜視図である。 ボタンフィーダの各部と、ボタン穴位置調節部のボタン掴み腕と、ボタン搬送部と、ボタン掴み足との位置関係を示す説明図である。 ボタン穴位置調節部の斜視図である。 ボタン穴位置調節部の平面図である。 ボタン穴位置調節部の位置調節機構の分解斜視図である。 ボタン搬送部の構成を示す分解斜視図である。 ボタン掴み足の構成を示す説明図である。図7(a)はボタン掴み足の上面図、図7(b)は、ボタン搬送部が設けられた側からボタン掴み足を見た場合の側面図である。 第2の実施の形態によるボタン搬送部の構成の一部を示す分解斜視図である。 第2の実施の形態によるボタン搬送部の構成の一部を示す断面図である。 従来技術によるキャリア機構の構成を示す説明図である。 従来技術によるキャリア機構を図10とは別角度から見た説明図である。図11(a)はボタンキャリア部のピンがボタンのボタン穴を挿通している状態を示し、図11(b)はボタンキャリア部に対してボタン掴み足が上方へと移動した状態を示す。
(発明の全体構成)
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の実施形態であるミシン1は、被縫製物に対してボタンの縫いつけ作業を行う縫製動作部40を備える、ボタンBが縫いつけられる被縫製物の上方に位置して縫いつけられるボタンBを保持する縫製動作部40のボタン掴み足41にボタンBを運ぶボタン供給装置2とを備えている。
図1は、本発明によるミシンのボタン供給装置2を備えたミシン1の構成を示す斜視図である。図2はボタンフィーダ10の各部と、ボタン穴位置調節手段としてのボタン穴位置調節部20のボタン掴み腕21,22と、ボタン搬送部30と、ボタン掴み足41との位置関係を示す説明図である。図1,2に示すように、ミシン1は、縫製動作部40のボタン掴み足41に一つずつボタンを供給するボタン供給装置2と、ボタン掴み足41に保持されたボタンBを被縫製物へと縫い付ける縫製動作部40と、ミシン1の各部を制御する制御装置(図示略)と、オペレータによってミシン1の動作指示が入力されるペダル(図示略)と、ミシン1の各種設定を行う操作パネル(図示略)と、を備えている。
ボタン供給装置2は、ボタン補給皿11にあらかじめ用意されたボタンBを一つずつボタン穴位置調節部20に送り出すボタンフィーダ10と、ボタン供給部10から一つずつ送り出されたボタンBのボタン穴の位置及び向きを調節する「ボタン穴位置調節手段」としてのボタン穴位置調節部20と、ボタン穴位置調節部20によってボタン穴の位置及び向きが調節された後のボタンBを縫製動作部40のボタン掴み足41に運ぶ「ボタン供給手段」としてのボタン搬送部30と、を備えている。
ボタンフィーダ10は、ボタン補給皿11にあらかじめ用意されたボタンBを一つずつボタン穴位置調節部20に送り出す。
ボタンフィーダ10は、オペレータによってボタンBが補給される際の受け皿となると共に、送出部12に一つずつボタンを送り出すボタン補給皿11と、ボタン補給皿11から送り出されたボタンBを回転板13に一つずつ送り出す送出部12と、送出部12から送り出されたボタンBをボタン供給における下流側に排出する、例えば、ボタン穴位置調節部20に一つずつ受け渡す回転板13と、を備えている。
図2に示すように、ボタン補給皿11はその内周部が渦巻き状のボタン経路が形成され、外側に向かうにつれて上り勾配のスロープとなるよう形成されており、ボタンフィーダ10が動作すると、ボタン補給皿11は振動し、ボタン補給皿11に補給されたボタンBは当該螺旋状の底部によって外周部へと誘導される。また、送出部12が設けられた側のボタン補給皿の外周部には送出口11aが設けられており、外周部へと誘導されたボタンBは送出口11aから送出部12の穴部12bへと送り出される。
送出部12は、軸部12aを中心に回転して穴部12b内のボタンBを移動させる回転部12cと、ミシン1のフレームに固定されて設けられて穴部12bの底部となる固定部12dと、を備えている。ボタン補給皿11の送出口11aから送り出されたボタンは送出部12の穴部12bに入る。このとき、回転部12cの穴部12bは回転部12cを貫通する穴部として設けられている。また、回転部12cの下面部と固定部12dの上面部とは摺動するように設けられている。つまり、固定部12dの上面部が回転部12cの穴部12bの底面として機能し、ボタンBを支持する。また、回転部12cは回転するので、穴部12bの側部とボタンBとが係合し、回転部12cの回転に伴う穴部12bの位置変更と共にボタンBは移動する。
また、軸部12aに対してボタン補給皿11の送出口11aの反対側であって、回転部12cの回転に伴う穴部12bの移動系路と重なる位置には送出口12eが設けられている。回転部12cの回転によって送出口12eの上方まで移動されたボタンBは送出口12eから下方へと下落し、回転板13へと送り出される。
回転板13は、軸部13aを中心に回転して穴部13b内のボタンBを移動させる回転部13cと、ミシン1のフレームに固定されて設けられて穴部13bの底部となる固定部13dと、を備えている。回転部13cの穴部13bは回転部13cを貫通する穴部として設けられている。また、回転部13cの下面部と固定部13dの上面部とは摺動するように設けられている。つまり、固定部13dの上面部が回転部13cの穴部13bの底面として機能する。また、回転板13はその一部が送出部12に対して下方から重なるように設けられている。さらに、回転部13cの回転に伴って移動する穴部13bの移動経路において送出部12の送出口12eの下方を通るように設けられている。これによって、送出部12の送出口12eから下落したボタンBは回転板13の穴部13bへと下落し、回転部13cの回転に伴う穴部13cの位置変更に伴ってボタンBは移動する。
また、軸部13aに対して送出部12の送出口12eの反対側であって、穴部13bの移動系路と重なる位置には送出口13eが設けられている。回転部13cの回転によって送出口13eの上方まで移動されたボタンBは送出口13eから下方へと下落し、ボタン穴位置調節部20へと受け渡される。つまり、「受け渡し位置」は送出口13eが設けられた位置となる。
なお、ボタンフィーダ10の動作は、ミシン1の制御装置によって制御される。
(ボタン穴位置調節部)
次に、ボタン穴位置調節部20によってボタンBのボタン穴の位置及び向きが調節される仕組みについて詳細に説明する。図3はボタン穴位置調節部20の斜視図、図4はボタン穴位置調節部20の平面図、図5は後述するボタン穴位置調節部20の位置調節機構120の分解斜視図である。なお、ボタン穴位置調節部20の説明においては、水平に配置されると共に後述するボタン掴み腕21,22に直進移動を付与する直動軸136の長手方向をY軸方向、水平方向であってY軸方向に直交する方向をX軸方向、鉛直上下方向をZ軸方向として説明を行うこととする。
縫製動作部40は針振りを行ってボタンBの縫い付けを行うので、ボタンBがボタン掴み足41に搬送された時点でボタン穴の並び方向と針振り方向とが一致するようにボタン穴位置調節部20は予めボタンBの向きの調節を行う。なお、ボタン搬送部30は、ボタン穴位置調節部20からボタン掴み足41へボタンBを搬送する際にボタンBの向きを90度変更させるので、ボタン穴位置調節部20は当該変更を考慮した向きにボタンBの向きを調節する。
ボタン穴位置調節部20は、一対のボタン掴み腕21,22と、ボタンBのボタン穴の位置及び向きを確認するカメラ23と、ボタンBを回転中心として回転移動又はボタン掴み腕21,22を互い違いに前後移動させる位置調節機構130と、ボタンの向きである回転角度を調節する角度調節機構110とを備えている。
ボタン掴み腕21,22は、互いに対称形に形成されており、各々の基端部は位置調節機構130の腕取付台131に垂直方向に向けられた段ネジ28,29(図5参照)を軸として回動可能に軸支されており、回動端部側にはボタンBの下面部の外周部付近を受け止める載置部21a,22aが形成されている。
また、図4に示すように、ボタン掴み腕21,22はそれぞれが下面側にボス状の突起部21b,22bを備えており、こられの突起部21b,22bには、ボタン掴み腕21,22の相互の回動端部が接近する方向に押圧する挟持バネ25が掛け渡されている。これにより、各ボタン掴み腕21,22は、ボタン保持を行う回動端部側で互いに近接移動するように付勢され、後述するボタン保持部材111,112を介してボタン保持を可能としている。
さらに、一方のボタン掴み腕22の上面にはボタン保持の解除を行うための駆動源であるソレノイド26が設けられ、当該ソレノイド26は他方のボタン掴み腕21に向かって突出と後退を行うプランジャを具備している。一方、ボタン掴み腕21の上面には、ソレノイド26のプランジャが突出時に当接する受け部材27が設けられている。これらにより、ソレノイド26を作動させることによりプランジャが受け部材27を押圧し、前述の挟持バネ25に抗して各ボタン掴み腕21,22の回動端部側を押し開き、ボタンの保持状態を解除することを可能としている。
角度調節機構110は、図3に示すように、各ボタン掴み腕21,22の回動端部上面に設けられた保持部材111,112と、保持部材111,112をボタンBが回転を行うように移動させるための駆動源である回転角度調節モータ113,114と、各回転角度調節モータ113,114の出力軸に取り付けられた主動プーリ115と、ボタン掴み腕21,22の下面側において各保持部材111,112と連動するラック部材116と、ラック部材116と噛合するピニオン部117aを備える従動プーリ117と、主動プーリ115と従動プーリ117とを連動回転させるタイミングベルト118とを備えている。
なお、保持部材111側に設けられた主動プーリ、ラック部材、従動プーリ、タイミングベルトは、いずれも図示を省略しているが、保持部材112側の主動プーリ115、ラック部材116、従動プーリ117、タイミングベルト118と同一構造である。
各保持部材111,112は、いずれも平面視で円弧状に形成されており、互いの湾曲の内側のとなる面を対向させて配置されると共に、当該各面でボタンBの外周に当接し挟持を行う。
ラック部材116は、ボタン掴み腕22の下面側に配置されると共に、平面視において保持部材112とほぼ同一形状の円弧状に形成されている。また、ラック部材116は、その上面には平面視で円弧状をなすレール状の凸条部116aが形成されている。一方、ボタン掴み腕22は、その回動端部に、載置部22aに隣接してボタン掴み腕22の上下面を貫通形成された円弧状のガイド穴22cを有しており、下方からラック部材116の凸条部116aが挿入される構造となっている。そして、挿入された凸条部116aの上端面が保持部材112の下面と密接した状態でラック部材116と保持部材112とが向きを揃えて止めネジにより連結される。凸条部116aは、ラック部材116の本体部(凸条部116a以外の部分)及び保持部材112よりも幅が狭く形成されており、ガイド穴22cは凸条部116aと同じ円弧状であって凸条部116aよりも長く形成されている。このため、凸条部116aはラック部材116の本体部及び保持部材112により上下に逸脱を生じないようにガイド穴22cの内部に保持され、且つ、ガイド穴22cに沿って円弧の軌跡に沿って移動を行うことが可能となっている。かかる構造により、保持部材22は、その内側面が円弧に沿って移動するようになっている。
さらに、ラック部材116の円弧の外側となる面にはラック歯116bが形成されており、かかるラック歯116bは、前述した従動プーリ117のピニオン部117aと噛合するようになっている。
従動プーリ117は、上下方向に向けられた支軸117bによりボタン掴み腕22の下面に軸支されており、その上半分は前述したピニオン部117aとなっており、下半分はタイミングベルト118が掛け渡されるプーリ部となっている。そして、ピニオン部117aとプーリ部とは同心であり、その中心を支軸117bが軸支を行っている。
主動プーリ115の従動プーリ117のプーリ部の外周面はいずれもギア状の歯が形成されており、主動プーリ115の従動プーリ117のプーリ部の双方に内側に歯が形成されたタイミングベルト118が掛け渡されている。
角度調節機構110によるボタンBの角度調節について説明する。ボタン掴み腕21,22の各保持部材111,112は、それぞれの円弧の内側となる面でボタンBの外周における半径両端位置に当接した状態でボタンBを挟持する。そして、各回転角度調節モータ113,114が駆動することにより各保持部材111,112はその内側面が円弧に沿って移動を行う。このとき、各回転角度調節モータ113,114が互いに同じ動作量で且つ互いに同じ方向に回転駆動を行う。これにより、一方の保持部材111が円弧に沿って前方(又は後方)に移動を行い、他方の保持部材112が円弧に沿って後方(又は前方)に移動を行うと、ボタンBはその中心部を上下に通過する中心線を軸として反時計方向(又は時計方向)に回転を行い、これにより、ボタンBの角度調節(向き調節)が行われる。なお、各保持部材111,112はいずれのその内側面の円弧が同一の半径に設定されており、なお且つ、各内側面の円弧の中心位置が、各ボタン掴み腕21,22の回動端部における接離移動方向にほぼ並行となる直線上に位置設定されることにより、保持部材111,112の円弧方向に沿う移動によりボタンBの中心位置を維持したまま回転調節を行うことが可能である。
位置調節機構130は、前述した各ボタン掴み腕21,22の基端部を回動可能に支持する腕取付台131と、腕取付台131を保持する上下保持フレーム132,133と、上下保持フレーム132,133を搭載してボタン掴み腕21,22をX−Y平面の任意の位置に移動可能に支持された送り台134と、送り台134を載置してY軸方向に移動可能に支持する固定設置された台座135と、ボタン掴み腕21,22のY軸方向への移動駆動源となるY軸モータ136と、Y軸モータ136の出力軸に設けられたピニオン137と、Y軸方向に沿って配設されると共にその長手方向に沿ってピニオン137に噛合するラック歯が形成された直動軸138と、直動軸138をY軸方向に沿って移動可能に支持するスライドガイド139,139と、直動軸138の一端部に固定される軸抱き140と、軸抱き140に対してZ軸回りに回動可能に送り台134を連結する段ネジ141と、軸抱き140に固定装備された検出片142の通過線上に設けられると共に検出片142の有無によりY軸モータ136の原点位置を検出する原点センサ143と、軸抱き140に対する送り台134のZ軸回りの回動動作の駆動源となるX軸モータ144と、X軸モータ144の出力軸に設けられたピニオン145と、支軸146によりZ軸回りに回動可能に軸支されると共に支軸位置から二方向に延出された二つの腕部の一方にピニオン145と噛合する歯が形成された送り腕147と、送り腕147の他方の腕部に支軸148により軸支されると共に送り台134に形成された長穴134aに嵌合する角駒149と、送り腕147の一方の腕部に固定装備された検出片150の通過線上に設けられると共に検出片150の有無によりX軸モータ144の原点位置を検出する原点センサ151とを備えている。
位置調節機構130は、Y軸モータ136の駆動によりボタン掴み腕21,22をY軸方向に移動させ、X軸モータ144の駆動により送り台134を軸支する段ネジ141を中心にボタン掴み腕21,22をZ軸回りに回動させる。つまり、これらの協働により、X−Y平面の任意の位置にボタン掴み腕21,22の回動端部側を移動位置決めさせることを可能としている。
カメラ23は、位置が変わらないように支持フレームにより固定的に設置されており、その光軸はZ軸方向に平行となるように支持されている。
ボタン穴位置調節部20は、ボタン供給時において、ミシン1の制御装置により制御が行われる。即ち、ボタン供給時において、ソレノイド26がプランジャ突出状態に制御され、各ボタン掴み腕21,22が離間した状態(ボタン解放状態)で載置部21a,22aがボタンフィーダ10の回転板13の送出口13eの下方となる位置に待機するよう制御される。そして、送出口13eから下落したボタンBを載置部21a,22aで受け止めると、ソレノイド26がプランジャ後退状態に制御されて、各保持部材111,112によりボタンBの挟持が行われる。
そして、カメラ23により上方からボタンBの撮像が行われ、二値化等周知の画像処理により各ボタン穴の位置或いはボタン外縁の位置からボタンBの中心位置が求められる。そして、検出中心位置とボタン搬送部30への受け渡しに適した位置との比較を行い、位置ズレの算出が行われる。ここで「ボタン搬送部30への受け渡しに適した位置」とは、ボタン搬送部30はボタンBを渡された位置を維持して回動搬送動作により向きのみを変えつつボタン掴み足41にボタンBを渡す動作を行うので、ボタン掴み足41に到達した状態でボタン縫い付け作業時に予定された位置となるような位置のことを示す。つまり、カメラ23と上記位置ズレを算出するミシンの制御装置とが「位置検出手段」として機能することとなる。
同様に、各ボタン掴み腕21,22に保持されたボタンBの撮像画像から各ボタン穴の位置を検出し、ボタンBの中心に対する向き(角度)が求められる。そして、検出角度とボタン搬送部30への受け渡しに適した向き(角度)との比較を行い、角度ズレの算出が行われる。ここで「ボタン搬送部30への受け渡しに適した向き」とは、ボタン搬送部30による搬送後のボタンBの向きがボタン掴み足41において縫い付け作業時に予定された向きとなるような向きのことを示す。つまり、カメラ23と上記角度ズレを算出するミシンの制御装置とが「向き検出手段」として機能することとなる。
そして、ミシンの制御装置は、算出された位置ズレに応じて、X軸モータ144及びY軸モータ136を位置ズレが解消されるように駆動を行い、位置補正制御を実行する。つまり、ミシンの制御装置は「位置制御手段」として機能することとなる。
また、ミシンの制御装置は、算出された角度ズレに応じて、各回転角度調節モータ113,114を同方向回転で等しい動作量で駆動し、角度ズレが解消されるように向き補正制御を実行する。つまり、ミシンの制御装置は「向き制御手段」として機能することとなる。
これらの補正制御の後に、ミシンの制御装置は、ボタン搬送部30へボタンBを渡すと共にソレノイド26をプランジャ突出状態に制御してボタンBの解放を行い、ボタン穴位置調節部20への動作制御を終了する。
なお、図3に示すように、保持部材111,112によってボタンBが保持されている際のボタンBの下面部は、載置部21a,22aによってボタンBの外周部付近の一部が支持されている状態であり、ボタン中心付近の下面部は露になっている。よって、ボタン穴位置調節部20によってボタン穴の位置及び向きが調節された後のボタンBの下面部に対して、ボタンキャリア31が下方から当接することが可能となっている。
(ボタン搬送部)
次に、ボタン搬送部30によってボタンBがボタン掴み足41に運ばれる仕組みについて詳細に説明する。図6は、ボタン搬送部30の構成を示す分解斜視図である。
ボタン搬送部30は、ボタンBの下面部に当接してボタンBを載置支持する受け皿状のボタンキャリア部31と、ボタンBに対してボタンキャリア部31の逆側すなわちボタンBの上面部に当接してボタンキャリア部31とによりボタンBを挟み込むよう動作する皿状のクランプ部32と、一端がボタンキャリア部31を支持し、他端がフレーム部36に固定された固定アーム部33と、一端がクランプ部32を支持し、他端がフレーム部36によって回動可能に軸支されることでクランプ部32を上下動可能に支持する上下動アーム部34と、固定アーム部33と上下動アーム部34とを連結するように設けられて、上下動アーム部34の他端部を上下方向に回動させるよう駆動するアクチュエータ35(例えばソレノイド等)と、固定アーム部33と上下動アーム部34とを支持するフレーム部36と、ほぼ鉛直に延設されてフレーム部36に固定された回転軸37と、回転軸37を回転駆動する駆動部38と、を備えている。なお、図6に示すように、固定アーム部33及び上下動アーム部34の一端側は湾曲しており、固定アーム部33及び上下動アーム部34の先端部は、後述する駆動部38による固定アーム部33及び上下動アーム部34の位置Pから位置Qへの回動動作方向即ちボタンを運ぶ際の移動方向を向いている。
アクチュエータ35は上下方向に動作可能に設けられた可動子35aと、可動子35aを上下動させるよう駆動する固定子35bと、を有する。アクチュエータ35は、固定子35bの下端部が固定アーム部33と連結され、可動子35aの上端部が上下動アーム部34と連結されている。また、アクチュエータ35の固定子35bによる可動子35aの動作は、ミシン1の制御装置によって制御される。
アクチュエータ35の可動子35aが下方に収縮するよう動作した場合、上下動アーム部34の他端部が下方へ回動する。つまり、クランプ部32が下方へと移動する。このとき、ボタンキャリア部31の上にボタンBがあった場合、クランプ部32はボタンBの上面部に当接し、ボタンキャリア部31の方向へボタンBを押圧する。つまり、クランプ部32とボタンキャリア部31とによってボタンBが挟み込まれて保持される。
一方、アクチュエータ35の可動子35aが上方に伸張するよう動作した場合、上下動アーム部34の他端部が上方へ回動する。つまり、クランプ部32が上方へと移動する。つまり、上述のようにクランプ部32とボタンキャリア部31とによってボタンBが挟み込まれて保持された状態からクランプ部32が上方へと移動することによってボタンBに対する保持が解消される。
なお、上述のように、クランプ部32はボタンBの保持と解除とが可能であればよいので、アクチュエータ35の動作量及び上下動アーム部34の回動動作角度はボタンBの保持と解除とに要する最小限の範囲に設定することが望ましい。
また、駆動部38は回転軸37を回転駆動することで固定アーム部33及び上下動アーム部34を回動させるモータ等のアクチュエータである。即ち、ボタンキャリア部31及びクランプ部32を当該回動に伴って移動させることで、ボタンBを移動させる。このとき、駆動部38による固定アーム部33及び上下動アーム部34の回動範囲は、図2の上下動アーム部34の位置Pと位置Qとによって形成される内角のうち小さい側(θ側)の角度範囲(例えば90度)である。なお、駆動部38の駆動制御は、ミシン1の制御装置によって行われる。
つまり、位置Pにおいて、ボタン穴位置調節部20に保持されたボタンBの下方にボタンキャリア部31が位置した状態で、アクチュエータ35の可動子35aが下方へと収縮するよう動作し、クランプ部32が下方へ移動してボタンBはクランプ部32とボタンキャリア部31とによって挟み込まれて保持される。その後、駆動部38が駆動し、固定アーム部33及び上下動アーム部34を位置Qへと回動させる。これによってボタンBはボタン挟み足41の爪41a,41bの先端部に設けられた凹部41c,41dの間へと運ばれる。
(縫製動作部)
次に、縫製動作部40について詳細に説明する。
縫製動作部40は、縫製時において被縫製物の上方でボタンBを保持するボタン掴み足41と、縫い針を支持して上下動すると共に、揺動可能に設けられた針棒42と、ボタンBの縫い付け終了後に糸切りを行う糸切り機構(図示略)と、縫製動作部40の各部を支持すると共に、縫製動作部40を動作させる各種の機構(主軸、ミシンモータ及び針棒42の揺動機構等)をその内部に有しているミシンフレーム43と、を備えている。
なお、針棒42がミシンモータの駆動によって上下動及び揺動することで被縫製物に縫目が形成される仕組み並びに糸切り機構による糸切りの仕組みについては周知のミシンと同様なのでその詳細は省略する。また、縫製動作部40の各種動作制御は、ミシン1の制御装置によって行われる。
なお、縫製動作部40にあっては、針棒を揺動させずにボタン掴み足41側を移動させて各ボタン穴を針落ち位置に位置決めさせるボタン移動機構を設けても良いし、針振りを行いつつボタン掴み足側も移動を行い相互に位置決めを行っても良い。
図7は、ボタン掴み足41の構成を示す説明図である。図7(a)はボタン掴み足41の上面図、図6(b)は、ボタン搬送部30が設けられた側からボタン掴み足41を見た場合の側面図である。
ボタン縫製動作部40のボタン掴み足41は、図7(a),(b)に示すように、ボタンBを被縫製物の上方で保持する爪41a,41bを備えている。また、爪41aの先端部の爪41b側(爪41aの内側)の側面部には凹部41cが、爪41bの先端部の爪41a側(爪41bの内側)の側面部には凹部41dが設けられている。また、ボタン掴み足41は爪41a,41bを内側へと移動させるよう付勢するバネ等の弾性機構(図示略)を備えている。これによって、凹部41cと凹部41dとの間に位置するもの(ボタンB)は爪41aと爪41bに挟み込まれて保持される。さらに、ボタン掴み足41は爪41a,41bの先端部を回動させるよう駆動する駆動部(図示略)を備えており、爪41aと爪41bとを互いに遠ざける方向に回動させることにより、ボタンBに対する挟み込みを解消するよう動作させることが可能となっている。
上述のボタン搬送部30によって凹部41c,41dの間へとボタンBが移動してきた場合、爪41aの内側の側面部及び爪41bの内側の側面部はボタンBとの摺動によってそれぞれ外側に押し広げられる。その後、凹部41c,41dの間へとボタンBが収まった時点で爪41a,41bは弾性機構によって内側へ付勢され、ボタンBを挟みこむ。かようにしてボタンBは爪41a,41bの凹部41c,41dに嵌合されて保持される。このとき、図7(a)に示すように、固定アーム部33及び上下動アーム部34の歪曲により、ボタン搬送部30とボタン掴み足41とは当接しない。
その後、アクチュエータ35の可動子35aが上方へと伸張するよう動作することでクランプ部32が上方へと移動し、クランプ32とボタンキャリア部31とによるボタンBの挟み込みが解消される。その後、駆動部38は位置Pまで固定アーム部33及び上下動アーム部34を回動させる。
なお、図7(b)に示すように、爪41a,41bは先端部に向けて斜めに傾斜した形状となっている。一方、固定アーム部33、上下動アーム部34は、爪41a,41bを回避するようにその先端部側が湾曲形成されている。これによって、固定アーム部33、上下動アーム部34が後方から前方に向かって回動する場合でも、爪41a,41bとボタン搬送部30の固定アーム部33、上下動アーム部34とが衝突することなくボタン搬送部30によるボタン掴み足41へのボタンBの供給が可能となっている。
(ミシンの動作)
次に、ミシン1の動作について詳細に説明する。
まず、オペレータによって操作パネルが操作され、ボタンBのボタン穴の数及び間隔に応じた縫目の設定がなされる。その後、オペレータによってボタンBがボタンフィーダ10のボタン補給皿11に供給される。その後、被縫製物が縫製動作部40にセットされ、オペレータによってペダルが一度踏み込まれると、上述のようにボタンフィーダ10からボタン穴位置調節部20へとボタンBが一つずつ送り出され、ボタン穴位置調節部20によってボタンBのボタン穴の位置及び向きが調節され、ボタン搬送部30によって縫製動作部40のボタン掴み足41にボタンBが供給される。その後、オペレータによって再度ペダルが踏み込まれると、縫製動作部40の針棒42が上下動及び揺動することでボタンBが被縫製物に縫い付けられ、当該縫い付けが終了すると縫製動作部40の糸切り機構が動作して糸切りを行う。さらに、糸切り終了後にボタン掴み足41の爪41a,41bが外側へと開くよう動作し、縫い付けが終了したボタンBへの挟み込みを解消する。その後、オペレータによってボタンBの縫い付けが終了した被縫製物が取り外される。
その後、引き続きボタンの縫い付けを行う場合は、オペレータによって次の被縫製物がセットされ、上述と同様の操作が行われる。
(本発明によるミシンのボタン供給装置の作用効果)
上述の実施の形態によれば、ボタンキャリア部31はボタン掴み足41にボタンBを運んだ後、クランプ部32とボタンキャリア部31とによるボタンの挟み込みを解除することで、ボタン掴み足41が上下動せずともボタンはボタン掴み足41に渡される。よって、ボタン掴み足41が上下動する必要がなくなり、ボタン掴み足41の上下動の動作時間分、ボタンBの縫い付けにおけるサイクルタイムが余計にかかるといった問題点を解消でき、ミシンの生産性が大幅に向上する。
また、上述のように、ボタンBはクランプ部32とボタンキャリア部31とによって挟み込まれて支持されるので、ボタンBのボタン穴の位置や間隔、あるいはボタン穴の大きさに左右されずボタンBを支持することができる。よって、従来技術においてボタン穴の位置、間隔及びボタン穴の大きさに対応したピンを備えたボタンキャリア部をボタンの種類ごとに用意する必要があり、ボタン供給装置のコストが上がるといった問題点を解消でき、ミシンのボタン供給装置のコストが大幅に下がる。加えて、従来技術においてボタンの種類が変わるごとにボタンキャリア部を交換する必要があるため、当該交換作業が非常に煩雑である上、当該交換作業に費やされる時間がボタン付けの全体作業効率を著しく低下させるといった問題点を解消でき、ミシンの生産性がより一層向上する。
さらに、上述のように、ボタン掴み足41は上下動しない。また、ボタンキャリア部31は上下動せず、クランプ部32もボタンBの保持と解除とが可能な最小限の範囲で上下動させれば足りる。よって、従来技術のように厚いボタンをボタンキャリア部から外すためにボタン掴み足が大きく上方へと移動した際にボタンが縫い針と接触、あるいは衝突する可能性があるために一定以上の厚みのボタンは従来技術によるボタン供給装置では供給できないといった問題点を解消できる。よって、ボタンの厚さに左右されずボタンをボタン掴み足に供給可能なミシンのボタン供給装置を提供でき、ミシンの可用性及び信頼性が大幅に向上する。
さらに、上下動アーム部34が上下動することでクランプ部を上下動させるので、ボタンBの把持においてボタンキャリア部31及び固定アーム部33は上下動する必要がない。よって、ボタンB把持のための駆動部分を簡略化することができる。加えて、ボタンキャリア部31が上下動しないのでボタンキャリア部31に支持されたボタンBは上下動に伴う振動や傾きを受けることなく確実に支持される。
さらに、固定アーム部33と上下動アーム部34の先端部がボタンをボタン掴み足40に運ぶ際の移動方向に向くように固定アーム部33と上下動アーム部34の一端側が湾曲しているので、ボタン供給手段30とボタン掴み足41とが当接しない。従って、駆動部38による固定アーム部33及び上下動アーム部34の水平方向の回動によってボタン供給手段30がボタン掴み足41と当接してしまいボタンBの供給が阻害されるといったことがなくなる。
また、ボタン供給装置2では、ボタンの中心線回りの向きがカメラ23により検出され、ボタン縫い付け作業時の予定された向きに対応する向きと検出された向きとが異なる場合には、角度調節機構110の各回転角度調節モータ113,114が駆動されてボタンBを回して向きの調節を行うことができる。従って、縫製時にボタンBの向きのさらなる適正化を図ることができ、良好なボタン縫着を可能とし、縫製における信頼性、確実性を向上すると共に向き確認や向き調節作業の所要時間を短縮化して作業効率の向上を図ることが可能となる。
同様に、ボタンBに対してカメラ23によりボタン縫い付け作業時の予定された位置に対する位置ズレが検出され、位置調節機構130のX軸及びY軸モータ144,136が駆動されてボタンBを動かして位置の調節を行うことができる。従って、縫製時にボタンBの位置のさらなる適正化を図ることができ、良好なボタン縫着を可能とし、縫製における信頼性、確実性を向上すると共に位置確認や位置調節作業の所要時間を短縮化して作業効率の向上を図ることが可能となる。
(第2の実施の形態)
次に、上述の実施の形態とは異なる第2の実施の形態について詳細に説明する。上述の実施の形態と同様の構成については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。なお、ボタンフィーダ10、ボタン穴位置調節部20及び縫製動作部40は上述の実施の形態と同様である。
図8は第2の実施の形態によるボタン搬送部30Aの構成の一部を示す分解斜視図である。図9は第2の実施の形態によるボタン搬送部30Aの構成の一部を示す断面図である。
図8,9に示すように、第2の実施の形態のボタン搬送部30Aは、上面部のほぼ中央に吸気口51が設けられて、上面部において吸気口51を取り巻く円状の第1のシール52が設けられた受け皿状のボタンキャリア部31Aと、下面部に第2のシール53が設けられた皿状のクランプ部32Aと、内側に吸気口51に通じた通気道33Aaが設けられた固定アーム部33Aと、クランプ部32Aを支持して上下方向に揺動可能な上下動アーム部34Aと、固定アーム部33Aと上下動アーム部34Aとを連結して上下動アーム部34を上下動させるアクチュエータ35と、固定アーム部33Aを固定支持すると共に上下動アーム部34Aを上下動可能に支持するフレーム部36と、回転軸37と、駆動部38と、を備えている。アクチュエータ35、フレーム部36、回転軸37及び駆動部38は上述の実施の形態と同様である。
ボタンキャリア部31Aには吸気口51が設けられており、固定アーム部33Aに設けられた通気道33Aa、吸気パイプ54を介してポンプ等の吸引力発生部(図示略)に接続されている。つまり、吸引力発生部が動作することで空気を吸い込むと、吸気口51から空気が吸い込まれ、吸引力が生じ、ボタンBが吸い付けられて保持される。また、ボタンキャリア部31Aの上面部には吸気口51を取り巻くように第1のシール52が設けられている。第1のシール52はゴム等の弾性部材からなり、図8に示すようにボタンBの下面部と当接した際、第1のシール52とボタンBとの間から空気が漏れないよう密着させる。また、第1のシール52とボタンキャリア部31Aとの間から空気が漏れないよう、第1のシール52とボタンキャリア部31Aとは密着している。
また、クランプ部32Aの下面部には第1のシール52とほぼ同じ径の円状の第2のシール53が設けられている。第2のシール53は第1のシール52と同様にゴム等の弾性部材からなり、図9に示すようにボタンBの上面部と当接した際、第2のシール53とボタンBとの間から空気が漏れないよう密着させる。また、第2のシール53とクランプ部32Aとの間から空気が漏れないよう、第2のシール53とクランプ部32Aとは密着している。なお、アクチュエータ35の可動子35aの下方への伸縮によって固定アーム部33Aが上下方向へと回動してクランプ部32Aが上下動する仕組みについては、上述の実施の形態におけるボタン搬送部30と同様の仕組みであるので詳細は省略する。つまり、アクチュエータ35の動作によってクランプ部32AはボタンBに対してボタンキャリア部31Aの逆側からボタンBをボタンキャリア部31Aの吸気口51に押し付けるよう動作する。なお、アクチュエータ35の駆動によってクランプ部32Aが行うボタンBに対するボタンキャリア部31Aへの押し付けは、当該押し付けの力によってボタンBをクランプ部32Aとボタンキャリア部31Aとで把持するほど強い必要はなく、第2のシール53がボタンBの上面部に密着し、かつ、第1のシール部52がボタンBの下面部に密着する程度であればよい。また、アクチュエータ35の駆動によるクランプ部32Aの上昇についても、第2のシール部53がボタンBの上面部に対する密着を解消する程度であればよい。つまり、アクチュエータ35の駆動も上述のクランプ部32AによるボタンBへの押し付け力に対応して駆動制御される。
このとき、図9に示すように、ボタンキャリア部31Aとクランプ部32AとによってボタンBが挟み込まれた位置関係となった場合、ボタンキャリア部31A、第1のシール52、クランプ部32A及び第2のシール53によって、ボタンBのボタン穴を挟んだ密閉空間が生ずる。このとき当該密閉空間において空気が出入りできるのは吸引口51のみとなる。つまり、当該密閉空間が生じた状態で吸引力発生部が動作すると、吸引口51から空気が吸い込まれることで吸引力が生じるが、このとき第1のシール52及び第2のシール53によって空気漏れが防止されるので、ボタンBの上面側からボタン穴を通じて空気が流入することによる吸引力の低下を効果的に防止し、ボタンB及びクランプ部32Aに対して極めて強い吸引力が働く。これによって、ボタン搬送部30Aはより強い保持力でボタンBを保持することが可能となる。なお、ボタン穴の間隔が既知の場合には、第1のシール52及び第2のシール53は、全ボタン穴を囲むことが可能な内径に設定されることが望ましい。かようにしてボタン搬送部30AはボタンBを保持して、ボタン掴み足41にボタンBを運ぶ。よって、吸引口51は「吸引部」として機能する。なお、駆動部38が回転軸37を介して固定アーム部33A、上下動アーム部34Aを回動させてボタンBをボタン掴み足41に運ぶ仕組みについては上述の実施の形態におけるボタン搬送部30と同様の仕組みであるので詳細は省略する。
なお、吸引口51からの吸引力が十分発生する場合には、クランプ部32Aと第2のシールを設けず、第1のシール52が設けられたボタンキャリア部31Aの吸気口51が吸引力を生じさせることでボタンBを吸い付けて保持するようにしてもよい。このとき、ボタンキャリア部31AがボタンBに対する保持力を解除する際は、吸引力発生部が動作を停止することで吸気口51からの吸引力の発生を停止させることで行われる。この場合、クランプ部32Aが上下動する動作が不要となるので、クランプ部32Aの上下動に要する時間の分だけさらにボタン供給のサイクルタイムが短縮可能となる。
(第2の実施の形態によるミシンのボタン供給装置の作用効果)
第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加えて、ボタンキャリア部31Aは吸引部51の吸引力によってボタンBを保持する。これによって、ボタンBはより確実にボタン供給手段30Aに保持される。
また、上述のように、ボタンBは吸引部51の吸引力によって保持されるので、ボタンBのボタン穴の位置や間隔、あるいはボタン穴の大きさに左右されずボタンBを保持することができる。よって、従来技術においてボタン穴の位置、間隔及びボタン穴の大きさに対応したピンを備えたボタンキャリア部をボタンの種類ごとに用意する必要があり、ボタン供給装置のコストが上がるといった問題点を解消でき、ミシンのボタン供給装置のコストが大幅に下がる。加えて、従来技術においてボタンの種類が変わるごとにボタンキャリア部を交換する必要があるため、当該交換作業が非常に煩雑である上、当該交換作業に費やされる時間がボタン付けの全体作業効率を著しく低下させるといった問題点を解消でき、ミシンの生産性がより一層向上する。
さらに、第1のシール52がボタンキャリア部31AとボタンBとの間に生じる隙間を塞ぎ、第2のシール53がクランプ部32AとボタンBとの間に生じる隙間を塞ぐ。これによって、ボタンBを挟んでボタンキャリア部31Aとクランプ部32Aとの間が密閉され、吸引部51の吸引力によるボタンBの保持力が大幅に強まり、ボタンBはより確実にボタンキャリア部及びクランプ部によって保持される。
(その他)
なお、上述の実施の形態及び第2の実施の形態においては、ボタンキャリア部31、31Aは固定アーム部33,33Aに固定保持されているが、ボタンBに対して上下動可能に設けてもよい。
また、ボタンフィーダ10によるボタン穴位置調節部20へのボタンBの供給については、他の方法によってもよい。例えば、手動でボタン穴位置調節部20のボタン掴み腕21,22にボタンを供給してもよい。
また、固定アーム部及び上下動アーム部の湾曲は上述の実施の形態のような一端側の湾曲に限らず、ボタン供給手段がボタン掴み足に当接しないよう、固定アーム部と上下動アーム部の先端部が前記ボタンをボタン掴み足に運ぶ際の移動方向に向くように固定アーム部と上下動アーム部の一部又は全部が屈曲又は湾曲していればよい。
また、駆動部38による固定アーム部33(33A)、上下動アーム部34(34A)の回動範囲は、角度θの範囲に限られない。例えば角度θの対角となる、位置Pと位置Qとの間に形成される大きい側の角度範囲としてもよい。このとき、固定アーム部33(33A)、上下動アーム部34(34A)は、ボタン掴み足41の爪41a,41bを回避する必要がないので、その形状について必ずしも屈曲あるいは湾曲形成する必要はない。
また、上述の実施形態では、ボタンの角度調節機構110と位置調節機構130とを、ボタン搬送部30の手前に配置しており、角度調節に関しては最終的にボタン縫いつけ作業時のボタンの向きの適正化にも十分貢献するが、位置調節については、調節後にボタン掴み足41に保持される際に位置調節されたボタンBに対して新たに位置変動が生じる場合があり、位置調節の実行が減殺される可能性がある。
従って、角度調節機構110と位置調節機構130を、ボタン搬送部30の受け渡しの後の工程で実行される位置、例えば、ボタン掴み足41に搭載しても良い。
具体的には、ボタン掴み足41の先端部の二叉延出部のそれぞれに角度調節機構の保持部材、回転角度調節モータ、各回転角度調節モータ、主動プーリ、ラック部材、従動プーリ、タイミングベルトを設け、ボタン掴み足41の各保持部材に保持されたボタンBを回転可能としても良い。
また、ボタン掴み腕41を、位置調節機構の送り台に取り付け、送り台に直動動作を付与するY軸モータ、ピニオン、直動軸、軸抱き等の構成と、Z軸回りの回動動作を付与するX軸モータ、ピニオン、送り腕、角駒等の構成によりボタン掴み足41のボタン保持位置を水平面上の任意に位置に位置決め可能としても良い。
さらに、これらの角度調節機構及び位置調節機構に対しては、前述したカメラ23の配置で撮像した画像に基づいて補正制御を行っても良いが、ボタン掴み足41のボタン保持位置にカメラを配置し、そこでの撮像データに基づいて補正制御を行うことがより望ましい。その場合、針棒と同一軸上から撮像を行うことが望ましいが、針棒との干渉を生じるので、これを回避しつつ針棒の同一軸上になるべく近接し、光軸がなるべく鉛直上下方向となる位置にカメラを配置することがより望ましい。
これにより、縫製時のボタンBの向きのさらなる適正化及びボタンBの位置のさらなる適正化を図り、より良好なボタン縫着を可能とし、縫製におけるさらなる信頼性、確実性を向上し、位置又は角度の確認や調節作業の所要時間を短縮化して作業効率のさらなる向上を図ることが可能となる。
2 ボタン供給装置
10 ボタンフィーダ
13 回転板
20 ボタン穴位置調節部
21,22 ボタン掴み腕
23 カメラ(位置検出手段、向き検出手段)
30 ボタン搬送部
31 ボタンキャリア部
32 クランプ部
33 固定アーム部
34 上下動アーム部
35 アクチュエータ
37 回転軸
38 駆動部
41 ボタン掴み足
110 角度調節機構
113,114 回転角度調節モータ(駆動源)
130 位置調節機構
136 Y軸モータ(駆動源)
144 X軸モータ(駆動源)

Claims (7)

  1. ボタン縫いつけ作業を行う縫製動作部と、当該縫製動作部がボタン縫いつけ作業を行う際にボタンの保持を行うボタン掴み足にボタン供給部からボタンの受け渡しを行うボタン供給装置とを備え、
    前記ボタン供給装置が、
    ボタンを収納する穴部を有し、軸部を中心に回転すると共に、受け渡し位置で該ボタンを受け渡す回転板と、
    前記回転板から受け渡されたボタンを、縫製物の上方に位置する前記ボタン掴み足に供給するボタン供給手段と、を備えるミシンにおいて、
    前記ボタンを、ボタン縫い付け作業時の向きに対応するように位置決めするボタン穴位置調節手段と、を有し、
    前記ボタン供給手段は、前記回転板から供給されたボタンを上下方向から把持した後、前記ボタン掴み足に運ぶことを特徴とするミシン。
  2. 前記ボタン供給手段は、
    前記回転板から供給されたボタンを下側で支持するボタンキャリア部と、
    一端側が前記ボタンキャリア部を支持する固定アーム部と、
    前記ボタンに上側から当接して、前記ボタンキャリア部と協働してボタンを挟持するクランプ部と、
    一端側が前記クランプ部を支持して上下動する上下動アーム部と、
    前記固定アーム部と前記上下動アーム部を水平方向に沿って回動させる駆動部と、を有することを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  3. 前記ボタン供給手段が前記ボタン掴み足に当接しないよう、前記固定アーム部と前記上下動アーム部の先端部が前記ボタンを前記ボタン掴み足に運ぶ際の移動方向に向くように前記固定アーム部と前記上下動アーム部の一部又は全部が屈曲又は湾曲していることを特徴とする請求項2に記載のミシン。
  4. 前記ボタンキャリア部は、空気を吸引する吸引部を備え、前記吸引部の吸引力によって前記ボタンを保持することを特徴とする請求項2又は3に記載のミシン。
  5. 前記ボタンキャリア部と前記ボタンとの間に生じる隙間を塞ぐ第1のシールと、
    前記クランプ部と前記ボタンとの間に生じる隙間を塞ぐ第2のシールと、を備えることを特徴とする請求項4に記載のミシン。
  6. 前記ボタン穴位置調節手段は、
    前記ボタンの中心を通過する軸線回りの向きを検出する向き検出手段と、
    前記ボタンに回転を付与する角度調節機構と、
    前記向き検出手段により検出されたボタンの向きに応じて、ボタン縫い付け作業時に予定された向きに対応するように前記角度調節機構の駆動源を駆動させる角度制御手段とを備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のミシン。
  7. 前記ボタン穴位置調節手段は、
    前記ボタンのボタン縫い付け作業時に予定された位置からの位置ズレを検出する位置検出手段と、
    前記ボタンの位置調節を行う位置調節機構と、
    前記位置検出手段により検出されたボタンの位置ズレに応じて、前記位置調節機構の駆動源を駆動させる位置制御手段とを備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のミシン。
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