JP4530867B2 - ボタン付けミシン - Google Patents

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Description

本発明は、縫い針に対してボタンと被縫製物とを個別に位置決めするボタン付けミシンに関する。
従来のボタン付けミシン200は、図16に示すように、 左右方向の針振り量を調節可能としながら縫い針201を上下方向に駆動する上下動機構(図示略)と、縫い針201の下方でボタンBの保持を行うボタン保持機構(図示略)と、保持されたボタンBの下方で、後方に向かって縫い針201の上下動経路近傍まで延出された先端部により被縫製物である布地Cを折り返した状態で保持する布保持部材(図示略)と、この布保持部材を介して前後方向に沿って布地Cを移動位置決めする布移動機構(図示略)と、ボタン保持機構を介して、針振り方向と布移動機構による布地Cの移動方向とに沿ってボタンBを移動させるボタン移動機構(図示略)と、下降した縫い針201から縫い糸Tを捕捉してループを形成するルーパ202と、布移動機構に保持された布地Cとルーパ202との間でループを形成する縫い糸Tを払い寄せることで下降する縫い針201を回避させる糸寄せ部材203(図18参照)とを備えている(例えば、特許文献1参照)。
図17は、上記ミシン200により、四つ穴ボタンBに対して対角にすくい縫いをして縫着を行う場合であって、一方の対角線に沿って並んだ二つの糸通し穴に運針を行う場合のボタンB及び布地Cの位置変化を示す説明図である。図17(A)は図における右前側の糸通し穴に運針を行う際の位置を示し、図17(B)は図における左後側の糸通し穴に運針を行う際の位置を示す。
図17のように、ボタン縫着の際には、ボタンBは水平に保持され、縫い針201を左右方向に針振りさせながら、縫い針201の上下動に合わせて布地CとボタンBとを布移動機構とボタン移動機構とにより前後方向に繰り返し移動させ、一方の対角線に沿って並んだ二つの糸通し穴に対して運針を行う。
一方、ルーパ202は縫い針201に同期して回転駆動されており、ボタン下方まで下降した縫い針201に対して、ルーパ202の剣先が左右方向に沿って(例えば、左方向に)移動する際に縫い糸Tを捕捉してループを形成する。そして、次の縫い針201の下降の際に新たに縫い糸Tを捕捉してから先に捕捉した縫い糸Tのループを解放することで順次環縫いを行うようになっている。
また、糸寄せ部材203は、ルーパ202が縫い糸Tを捕捉してから次の針落ちまでの間に縫い針201及びルーパ202に対し、待機位置から前進し、さらに左右方向に沿って(例えば、左方向に)移動することで布地Cからルーパ202の間でループを形成中の縫い糸Tを先端部で引っ掛けて、その移動方向の縫い糸Tを寄せる。これにより、ループを形成中の縫い糸Tは縫い針201の上下動経路上から移動され、次の針落ちを行う縫い針201との干渉が回避される。そして、後退しながら右後方に移動して、糸寄せ部材203は退避位置に戻るようになっている。図17に示す二点鎖線の三角形Rは糸寄せ部材203の糸かけ部vの移動軌跡を示している。つまり、糸寄せ部材203は図17に示す略直角三角形状の軌跡Rを描くようになっている。
そして、一方の対角線上に並んだ二つの糸通し穴に対して設定回数の運針が繰り返し行われると、もう一方の対角線上に並んだ二つの糸通し穴に対しても設定回数の運針が繰り返し行われ縫着が終了する。
特開2004−329389号公報
ところで、上記従来のミシン200にあっては、左右方向に沿って針振りが行われると、ルーパ202と糸寄せ部材203は縫い針201に追従して針振り方向に移動し、縫い針201とルーパ202と糸寄せ部材203の相対的な位置関係が維持されるようになっている。
つまり、糸寄せ部材203は、縫い針201及びルーパ202に追従して針振り方向に移動すると共に、縫い針201及びルーパ202に対しては上述した三角形の移動軌跡Rを描くように移動する。
このため、糸通し穴の左右間隔が広いボタンについて、右前側の糸通し穴から左後側への糸通し穴への運針(図17(A)から(B)に示す方向への運針)が行われると、縫い針201は左方向へ大きく針振りが行われることとなり、これに伴い、ルーパ202と糸寄せ部材203も左方へ大きく移動することとなる。
そのような場合、上記ルーパ202の移動により、縫い糸Tは、右前側の糸通し穴を通じて布地Cに針落ちが行われたときの針落ち位置から左後方に向かって大きく引き出されたループを形成する(図17(B)の状態)。
このようなループ形成が行われると、糸寄せ部材203に対する縫い糸Tの経路がより右側に寄ってしまうため、糸寄せ部材203の移動平面を横切る縫い糸Tの位置が退避位置にある糸寄せ部材203の爪の先端部P’よりも右側に位置してしまうという現象が発生する。そのため、図17(B)及び図18に示すように、糸寄せ部材203が縫い糸を寄せるための左方への移動を行う前の前進移動時において、糸寄せ部材203と縫い糸Tとが干渉を生じ得るという問題があった。
その場合、図17(B)及び図18に示すように、糸寄せ部材203の爪の先端部P’がループの内側に進入してしまい、糸寄せ部材203が左方に移動する際には、縫い糸Tにおけるルーパ202を挟んで後方部分T2しか寄せられず、前側の部分T1は置いていかれてしまうという自体が生じることとなる。
従って、糸寄せが有効に行われず、縫い糸Tと縫い針201とが干渉して、縫い糸の絡みや切断を生じてしまうという不都合があった。
本発明は、上記不都合を解消し、糸寄せを良好に行うことをその目的とする。
請求項1記載の発明は、針振り量を調節可能としながら左右方向に針振りを行いつつ、縫い針を上下方向に駆動する上下動機構と、縫い針の下方でボタンの保持を行うボタン保持機構と、保持されたボタンの下方で、後方に向かって縫い針の上下動経路近傍まで延出された先端部により被縫製物を折り返した状態で保持する布保持部材と、この布保持部材を介して前後方向に沿って被縫製物を移動位置決めする布移動機構と、ボタン保持機構を介して、針振り方向と布移動機構による被縫製物の移動方向とに沿ってボタンを移動位置決めするボタン移動機構と、下降した縫針から縫い糸を捕捉してループを形成するルーパと、縫い針及びルーパに対し、待機位置から前進してから左右いずれかの方向に移動することで、前記布移動機構に保持された被縫製物と前記ルーパとの間でループを形成する縫い糸を払い寄せて、下降する縫い針を回避させる糸寄せ部材と、ルーパ及び糸寄せ部材を縫い針の針振りと共に当該針振り方向に移動させる連動手段と、を備え、ボタンの前側の糸通し穴から後側の糸通し穴へのすくい縫いによる運針が、後方であって糸寄せ部材の払い寄せる方向となる斜め方向に向かって行われると共に、当該運針における糸寄せ部材の払い寄せ方向に沿った距離変化が予め設定された限界針振り量を越える場合に、少なくとも、当該距離変化が限界針振り量を越える距離分について、ボタン移動機構による当該針振りと逆方向へのボタンの移動制御を行う針振り制限手段を備える、という構成を採っている。
上記構成において、「上下方向」とは針振り量を0とした場合の運針時における縫い針の往復移動方向を示し、「左右方向」とは上下方向に垂直であって針振りが行われる方向に沿った方向を示し、「前後方向」とは上下方向と左右方向の双方に垂直となる方向を示すものとする。
また、上記構成において、運針における糸寄せ部材の払い寄せ方向に沿った距離変化が越えるか否かの判定の対象となる「限界針振り量」とは、その値を超えて針振りが行われると、糸寄せの不良が発生すると予想される値であり、例えば、ルーパ、糸寄せ部材の配置やボタンの保持された向きや各糸通し穴の配置等から算出しても良いし、実際の試験から、糸寄せ不良の発生確率が許容範囲内となる針振り量の限界値を求めて、これを限界針振り量としても良い。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明と同様の構成を備えると共に、後方且つ糸寄せ部材の払い寄せる方向への斜め方向に向かう運針が複数回行われる場合に、針振り制限手段は、距離変化が限界針振り量を越える場合に、針振りと逆方向にボタンを移動させる制御を、初回の運針時のみ実行する、という構成を採っている。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明と同様の構成を備えると共に、後方であって糸寄せ部材の払い寄せる方向となる斜め方向に向かう運針が複数回行われる場合に、針振り制限手段は、初回の運針において距離変化が第一の限界針振り量を越える場合に、針振りと逆方向にボタンを移動させる制御を行うと共に、二回目以降の運針において距離変化が第一の限界針振り量よりも大きな第二の限界針振り量を越える場合に、針振りと逆方向にボタンを移動させる制御を行う、という構成を採っている。
ある糸通し穴から他の糸通し穴に対して斜め後方に運針が行われる場合、その左右方向の移動は針振りを行うかボタンの左右移動により行う必要がある。そして、仮にボタンの左右方向の移動が行われない場合には、二つの糸通し穴の左右方向の間隔と同じ距離だけ針振りを行う必要があり、針振りの距離に応じてルーパと糸寄せ部材とが同じ方向に移動することとなる。また、その際には、被縫製物は前方に移動し、ボタンも二つの糸通し穴の前後方向の間隔と同じ距離だけ移動する。
なお、通常このようにボタンの左右移動を行わず、針の針振りにより二つのボタンの糸通し穴に針落ちさせるのは、ボタンを移動させる場合は重量の大きいボタン移動機構を含めて移動させる必要があるため慣性力が大きく、高速で移動することができないが、針の左右移動は、ボタンを移動させる場合と比較して高速で移動することができ、縫い速度を高速にすることができるためである。
そして、ルーパの移動により、被縫製物の直前の針落ち位置からルーパに向かって斜め方向に縫い糸のループが形成される。
かかる被縫製物からルーパに向かってループの延びる方向が、糸寄せ部材の払い寄せる方向と一致し、左右方向について限界針振り量を越える長さとなる場合、その左右方向の長さが長くなればなるほど糸寄せ部材が縫い糸を捕捉し損じる可能性が高くなる。
そこで、請求項1記載の発明は、少なくとも、二つの糸通し穴の左右方向の間隔が限界針振り量を越える場合には、少なくとも限界針振り量を越える距離分については、左右方向における逆方向へのボタン移動を行うことで、針振り量を限界針振り量よりも少なくしても縫い針が他方の糸通し穴に位置決め可能とする。これにより、ループの左右方向の延び幅が低減され、縫い糸を糸寄せ部材に有効に捕捉させることができ、糸通し穴の間隔が広いボタンに対しても、有効に安定してすくい縫いを行うことが可能となる。
なお、「少なくとも」とあるように、ボタンの移動量は、「限界針振り量を越える距離分」よりも大きく移動しても良い。その分だけ針振り量は低減される。
また、ボタン付けミシンにあっては、縫製を開始して同じ針落ち位置に繰り返し運針を行う場合にあっては、縫い糸Tが布に確実に絡んでいないことにより縫い糸Tに撓みが発生しやすく、ルーパーに渡る縫い糸T(図17参照)の経路が安定しないため、初回の運針時に最も縫い目が安定せず、これに伴い、後方且つ糸寄せ部材の払い寄せる方向への斜め方向に向かう初回の運針時にも、不安定な縫い目による糸寄せ不良が最も発生しやすい。
従って、請求項2記載の発明にあっては、最も糸寄せ不良が発生しやすい初回の運針時のみに針振りと逆方向にボタンを移動させる制御を実行することとしている。これにより、例えば、針振りの動作時間よりもボタン移動動作の方が動作速度が遅いような場合であっても、ボタンの移動動作回数の低減により縫製時間の短縮を図ることが可能となる。
なお、上述のように、初回の運針時に糸寄せ不良が最も発生しやすい場合には、糸寄せ不良を生じる針振りの限界値が初回の運針時のみ広範囲であることが一般的である。従って、針振り量の限界針振り量を、初回の運針時のみ糸寄せ不良が生じる範囲とし、二回目以降の運針時には糸寄せ不良が生じない範囲に設定することが好ましい。
さらに、請求項3記載の発明も、初回の運針時に糸寄せ不良が最も発生しやすいという前提に基づくものである。かかる発明の場合には、ボタンを移動させる制御を実行するか否かの判断の基準となる限界針振り量を初回の運針と二回目以降の運針とについて別の数値を設定すると共に、より糸寄せ不良が生じやすい初回の運針については、その適用幅が広くなるように限界針振り量をより小さく設定している。
つまり、初回の運針時には、ボタン移動が行われる左右の針振り量の値をより小さくしてボタン移動の実行可能性を高めて、有効に糸寄せ不良の抑制を図ることが可能となる。その一方で、二回目以降の運針ではボタン移動が行われる限界針振り量を大きくしてその適用頻度を低減する。これにより、例えば、針振りよりもボタン移動の方が速度が遅い場合になどに、ボタン移動の頻度を低減して縫製作業の遅延を抑制することが可能となる。
(実施形態の全体構成)
以下、本発明の実施形態たるボタン付けミシン100について、図1から図13に基づいて説明する。
図1はボタン付けミシン100の主要な構成を示す斜視図、図2はボタン付けミシン100の主要な構成を示すブロック図である。
ボタン付けミシン100は、上下動する縫い針11とルーパ41と糸寄せ部材42の協働により、縫い糸Tによって布地CにボタンBを縫い付けるものである。
ボタン付けミシン100は、その全体が、その下部に位置するミシンベッド103と、ミシンベッド103の後方の一端部から上方に立設されたミシン立胴部101と、ミシン立胴部101の上方からミシンベッド103に沿うように延設されたミシンアーム102とから構成され、これらからなるその概略的な外形が略コ字状に形成されている。
なお、以下の説明において、後述する針板12の上面に平行であってミシンアーム102が延設された方向をY軸方向とし、Y軸方向に沿って図1における紙面手前側となる方向を前側、紙面奥側となる方向を後側とする。さらに、針板12の上面に平行であってY軸方向に直交する方向をX軸方向とし、X軸方向に沿って図1における左側となる方向を左側、図1における右側となる方向を右側とする。さらに、針板12の上面に垂直な方向をZ軸方向とし、Z軸方向に沿って図1における上側となる方向を上側、図1における下側となる方向を下側とする。
ボタン付けミシン100は、図1に示すように、針振り量を調節可能としながら左右方向(X軸方向)に針振りを行いつつ、縫い針11を上下方向に駆動する上下動機構(図示省略)と、縫い針11の下方でボタンの保持を行うボタン保持機構13と、ベタ縫いに際して針板12の上面に載置された布地Cを保持する布保持手段22と、すくい縫いに際して、保持されたボタンBの下方で、後方に向かって縫い針11の上下動経路近傍まで接近させることができる先端部により布地Cを折り返した状態で保持する布保持部材としてのタング15と、布保持手段22又はタング15を介して前後方向(Y軸方向)に沿って布地Cを移動位置決めする布移動機構と、ボタン保持機構13を介して、左右方向と前後方向とに沿ってボタンBを移動位置決めするボタン移動機構と、下降した縫針11から縫い糸Tを捕捉してループを形成するルーパ41と、待機位置から前進してから図1における左方に移動することで、保持された布地とルーパ41との間でループを形成する縫い糸Tを払い寄せて、既にループを形成している縫い糸Tと下降する縫い針11との干渉を回避する糸寄せ部材42と、ルーパ41及び糸寄せ部材42を針振りによる縫い針11の移動方向に追従させる連動手段と、上記各構成の動作制御を行う動作制御手段80とを備えている。
なお、ボタン付けミシン100におけるこれら各部の構成について、従来周知な構成についてはここでは詳述せず、その概要について説明する。
(上下動機構)
上下動機構は、縫い針11を保持する針棒と、ミシンアーム102の内側に配設されると共に針棒をその長手方向に沿って往復可能に支持する針棒支持枠体と、ミシンモータ21の回転駆動力を直進方向の往復駆動力に変換して伝達する伝達機構とを備えている。
そして、針棒支持枠体は、後述する針振りを行わないときには針棒をZ軸方向(上下方向)に沿わせた状態で支持することができる。従って、縫製時にあっては、上下動機構は、ミシンモータ21の駆動により、縫い針11を上下方向に駆動する。
そして、針棒支持枠体はミシンアーム102内においてY軸方向を向いた支軸により揺動可能に支持されており、かかる支軸を中心とする自らの揺動により、針棒の下端部をX軸方向(左右方向)に沿わせて揺動させることを可能としている。
さらに、上下動機構は、Y軸方向に沿った回動軸と、この回動軸を回動角度調節可能として回動させる針振りモータ35と、回動軸に固定連結されて回動軸と共に揺動を行う揺動アームとを有している。揺動アームはその揺動端部がX軸方向に沿って揺動すると共に当該揺動端部が針棒支持枠体に連結され、針振りモータ35の回転駆動量に応じて針棒支持枠体を任意の角度に揺動させることを可能としている。
これにより、縫い針11が布地よりも上位置にあるときに針振りモータ35を駆動させることで、布地Cに対してX軸方向における任意の位置に針落ちを行うことを可能としている。
(針板及び布保持手段)
上下動機構に保持された縫い針11の下方には針板12が設けられ、当該針板12には縫い針11を挿通させる針穴が形成されている。針板12は、その上面がX−Y平面に平行となるようにミシンベッド103の上部に設けられている。
布保持手段22はミシンベッド103の先端部上面に位置する針板12に対して昇降可能に設けられており、その昇降動作を付与する布押さえシリンダ23が併設されている。そして、布押さえシリンダ23の駆動により布保持手段22に下降動作が付与されることにより、針板12上の布地が当該針板12と布保持手段22とにより挟持され、布保持が行われるようになっている。
(タング)
タング15は、その先端部が後方に向かって延設されると共に、当該先端部の形状がへら状に形成され、その先端部で布地を折り返した状態で保持するとともに、当該先端部を縫い針11の上下動経路の近傍となる位置で固定してすくい縫いが行われる。
このタング15はその基端部が本体フレーム104に回動自在に保持されており、すくい縫い及び根巻き縫い以外の縫いを行う場合には、縫い針11の下方から離間した位置に退避させることができる。
即ち、タング15はその基端部がミシンベッド103の先端下部においてX軸方向を中心として回動可能に支持されており、ベタ縫い(針板12上に布地をセットしてボタン縫着を行う縫製)の際には、その先端部が縫い針11の上下動経路から離間する方向に退避され、すくい縫い又は根巻き縫いを行う際には、先端部が縫い針11の上下動経路に接近するように手動により回動させられる。この際、タング15にはその先端部が縫い針11の上下動経路に接近する回動を検知するタングセンサ27が併設されており、検知されると、タング15に併設されたタングシリンダ28が駆動されて、タング15の先端部が縫い針11の上下動経路に近接した位置となるまで回動力が付与されるようになっている。
(布移動機構)
ミシンベッド103の先端部側の上部と下部を覆う外壁フレームは、当該ミシンベッド103に対して前後方向(Y軸方向)に沿って滑動可能に支持されており、前述した針板12,布保持手段22及びタング15は、かかる外壁フレームに取り付けられている。そして、この外壁フレームは、布Y軸モータ34により前後方向に移動位置決め可能となっている。つまり、布移動機構は、外壁フレームと布Y軸モータ34と有する構成からなり、これらにより、布保持手段22又はタング15に保持された布地Cを前後方向に沿って移動位置決めすることを可能としている。
(ボタン保持機構)
ボタン保持機構13は、縫い針11と針板12との間においてボタンの保持を行う。かかるボタン保持機構13は、二本のアームによりボタンBの外周を挟持する構造となっており、各アームを介してボタンBをX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に沿って任意に移動可能となっている。
また、各アームの先端部は、根巻き縫製を行うために、保持されたボタンBをX軸方向を軸として90°回転させることが可能となっており、当該回転の駆動源となる回転シリンダ25が併設されている。そして、ボタンBを立ち上げた状態で保持することも可能となっている。
(ボタン移動機構)
ボタン移動機構は、縫い針11とボタン保持機構13に保持されたボタンBとを相対的に位置決めすることができる。即ち、ボタン移動機構は、ボタン保持機構13を介してX軸方向に沿って移動位置決めするボタンX軸モータ31と、ボタン保持機構13を介してY軸方向に沿って移動位置決めするボタンY軸モータ32と、ボタン保持機構13を介してZ軸方向に沿って移動位置決めするボタンZ軸モータ33とを備え、ボタン保持機構13を介してボタンをX−Y平面の任意の位置に位置決めすることができる。つまり、縫い針11に対してボタンBを任意に位置決めすることができる。また、ボタン保持機構13を介してボタンの昇降を行うことができる。
(ルーパ及び連動手段)
針板12の下側であってミシンベッド103内にはルーパ41が配置されている。このルーパ41は、ミシンベッド103内においてほぼY軸方向に沿って配設された図示しないルーパ軸により縫い針11の上下動と同じ周波数で回転駆動されると共に、後方に向かう方向から見て反時計回りに回転駆動されるようになっている。
かかるルーパ41には、その回転半径の外側となる位置に縫い針11から縫い糸Tを捕捉するための爪が設けられている。そして、縫い針11がその下死点位置の近くにあるときに、ルーパ41の爪はその回転における上死点を通過するように位相が調整されており、針板12の下方まで突入してきた縫い針11から縫い糸Tの捕捉を行うようになっている。なお、ルーパ41はその爪が左方に向かって移動する際に縫い糸Tの捕捉を行うようになっている。
さらに、上述したルーパ軸は、その前端部にルーパ41を備え、後端部には、ミシン主軸により搬送されるタイミングベルトがかけられるプーリを備えている。かかるプーリとタイミングベルトとにより、ルーパ及びルーパ軸は縫い針の上下動周波数と同じ回転数で回転駆動されるようになっている。
そして、プーリの近傍において、ルーパ軸は、いわゆる球面軸受けに類似する構造により、回転可能に支持されつつもZ軸方向に沿った支軸により揺動可能に支持されている。これにより、ルーパ軸は、ルーパ41をX軸方向(左右方向)に沿って揺動可能としている。なお、ルーパ41の揺動幅は針振り幅と同程度であって、プーリは揺動の支点近くに位置するため、当該プーリとタイミングベルトとのトルク伝達には影響が及ばないようになっている。
そして、ルーパ軸には、その一端部で保持するルーパ41を、縫い針11の針振りと同じ方向に同じ距離だけ移動させる連動機構が併設されている。
かかる連結機構は、ミシンベッド103内においてルーパ軸の下方でY軸方向に沿って配設されたルーパ揺動軸と、前述した針振りを行うための揺動軸の揺動駆動力をルーパ揺動軸に伝達する四節リンク機構と、ルーパ揺動軸の前端部において、ルーパ揺動軸を中心とする円の半径方向に延設された二又状のガイド部材と、ガイド部材の二又部分の間を半径方向に沿って滑動可能な角駒部材とを備えている。
上記四節リンク機構は、揺動軸中心に回動する回動アームと、ルーパ揺動軸中心に回動する回動アームと、各回動アームの回動端部を連結するリンク体とを備え、揺動軸と同じ揺動角度でルーパ揺動軸に揺動駆動力を伝達する。
角駒は、ルーパ揺動軸を回転可能に挿通すると共に、ルーパ揺動軸の揺動に応じてガイド部材を介してルーパ軸を揺動させる。
上記構成により、連動機構は、針振りの際には、針振り幅と同じ幅でルーパを揺動させることが可能となっている。
(糸寄せ部材)
糸寄せ部材42は、その後端部において図示しない移動機構に支持されており、前端部には左前方に突出した糸寄せ突起が形成されている。そして、糸寄せ部材42は、針板12とルーパ41の間において、縫い針11の上下動の一周期の間に、縫い針11とルーパ41に対しY軸方向に沿った前方への移動とX軸方向に沿った左方への移動と右後方への斜め方向への移動とからなる三角形に沿った移動を行うように、移動機構に駆動されるようになっている。
つまり、糸寄せ部材42は、縫い針11とルーパ41に対し、その待機位置を始点として前進移動を行い、その後、左方へ移動することで布地からルーパ41に渡る縫い糸Tのループを糸寄せ突起により引っ掛けて左方に移動させる。そして、右後方に移動することで待機位置に戻るようになっている。そして、この直角三角形の軌跡に沿った移動を縫い針11の上下動と同じ周波数で行うことにより、運針の度に糸寄せを行うことを可能としている。
上記糸寄せ部材42の移動機構は、糸寄せ部材42を前後方向に移動可能に支持する支持台と、前述したルーパ軸に設けられて糸寄せ部材42に前後方向の移動力を付与する前後カムと、前述したルーパ軸に設けられて支持台を介して糸寄せ部材42に左右方向の移動力を付与する左右カムとを有する構成となっている。
つまり、ルーパ軸が一回転行う間に、前後カムが所定のタイミングで糸寄せ部材42を前後に往復移動させると共に、左右カムが次のタイミングで支持台を介して糸寄せ部材42を左右に往復移動させることにより、前述した糸寄せ部材42の直角三角形に沿った軌跡の移動を実現している。
また、糸寄せ部材42は、ルーパ軸に係合する移動機構に支持されているため、ルーパ軸が縫い針11の針振りと同じ方向に同じ距離だけ移動されることにより、糸寄せ部材42も縫い針11の針振りに追従させることが可能となっている。つまり、移動機構は、連動機構の一部としても機能している。
上記構成により、糸寄せ部材42は、縫い針11及びルーパ41に追従して針振り方向に移動すると共に、縫い針11及びルーパ41に対しては上述した三角形の移動軌跡Rを描くように移動する。
また、糸寄せ部材42と針板12との間には縫い糸Tを切断する図示しない糸切りメスが設けられており、かかる糸切りメスは糸切りシリンダ26により切断動作を行うようになっている。
(ボタン付けミシンの制御系)
次に、ボタン付けミシン100の制御系について説明する。ボタン付けミシン100は、制御手段であるCPU81を備える動作制御手段80が設けられ、この動作制御手段80に各部が接続されている。
即ち、動作制御手段80には、操作パネル83、電源スイッチ84、一時停止スイッチ86、スタートペダル89が接続されている。また、動作制御手段80には操作パネル83を介して携帯型の不揮発性フラッシュメモリである外部メモリ87が接続されている。
さらに、動作制御手段80には、制御対象として、ミシンモータ21,ボタンX軸モータ31,ボタンY軸モータ32,ボタンZ軸モータ33,布Y軸モータ34,針振りモータ35がそれぞれ図示しないインターフェイス及びドライバ回路を介して接続され、回転の開始、停止、回転速度,回転角度量等について制御可能となっている。
さらに、動作制御手段80には、各種のエアシリンダである布押さえシリンダ23,回転シリンダ25,糸切りシリンダ26,タングシリンダ28をそれぞれ個別に駆動する電磁弁88が図示しないインターフェイス及びドライバ回路を介して接続され、各シリンダ23,25,26,28の駆動制御が可能となっている。
操作パネル83には、ミシンのオペレータが、根巻き縫いなしのすくい縫い、すくい根巻き縫い、下ボタン付け縫い、べた付け縫いなどからボタン付け縫製方法の種類の選択、ボタンの糸通し穴の数やボタンの種類、選択したボタン付け縫製に応じた各種のパラメータ、縫製の針数、縫製の形状(例えば、四つの糸通し穴を有するボタンに対して対角線ごとに交差する二本の縫い目を形成するか平行に並んだ二本の縫い目を形成するか等)等の入力を行うための入力ボタンと、設定されている縫製条件や縫製状況などを表示する表示パネルとを備えている。
そして、操作パネル83の入力ボタンから入力された各種の設定情報は縫製データとして、外部メモリ87に記録される。
外部メモリ87には、ボタン付け縫製を行うために必要となる複数の縫製データが記憶されている。かかる外部メモリ87への縫製データの入力は、前述した操作パネル83の他に、他のボタン付けミシンや外部のデータ入力装置から行うことも可能である。
ここで、操作パネル83から入力されるボタン付け縫製に応じた各種のパラメータについて説明する。ここでは一例として、四つ穴ボタンを対象とし、対角線ごとに交差する二本の縫い目を形成する形状ですくい縫いの縫製を行う場合を例として、図3及び図4に基づいて説明する。
図3はボタンBの針落ち位置の位置座標系を示す説明図、図4は布地Cの針落ち位置の位置座標系を示す説明図であり、いずれも、針振りを行わない状態での縫い針11の位置(0)を原点としている。また、すくい縫いであるため、図4のX軸の位置が布地Cの前端部となる。
操作パネル83から入力されるボタン付け縫製に応じた各種のパラメータとしては、ボタンBの中心位置から第一針目となる糸通し穴の中心位置のY軸方向の距離aとX軸方向の距離b、Y軸方向における各糸通し穴の中心位置の間隔cとX軸方向における各糸通し穴の中心位置の間隔d、すくい量e(後方を向いた布地Cの先端部から前側の糸通し穴に対して行われる運針時の布地Cに対する針落ち位置までの距離)、すくい幅f(前側の二つの糸通し穴に対してそれぞれ行われる運針時の布地Cに対する各針落ち位置の間隔)、後送り位置(後方を向いた布地Cの先端部から後側の糸通し穴に対して行われる運針時の布地Cに対する針落ち位置)までの距離g、規定限界針振り量Mなどが挙げられる。
操作パネル83から、縫製方法の種類、縫製の針数、縫製の形状が選択入力され、上記各パラメータa〜g、Mなどが数値入力されると、これらからCPU81は演算を行い、設定された針数に応じた各運針ごとのX軸、Y軸の双方におけるボタンの位置座標BXn,BYn、縫い針のX軸方向の位置座標CXn、布地CのY軸方向の位置座標CYnを求め、一連の縫製を行うための縫製データを生成してメモリ82又は外部メモリ87に記憶する。
なお、かかる縫製データは、操作パネル83により必要な各種のパラメータを入力することで生成することもできるし、ミシン以外の入力手段から縫製データが入力された外部メモリ87を動作制御手段80に接続し使用することもできる。
CPU81には、メモリ(記憶手段)82が設けられ、該メモリ82に各種プログラムが記憶されている。特に、メモリ82には、後述する各種の縫製制御を実行するためのプログラムが格納されている。
電源スイッチ84は、ボタン付けミシン100を通電状態にするためのON/OFFスイッチである。一時停止スイッチ86は、縫製開始後に、一時的に停止するためのスイッチである。また、スタートペダル89は本発明の縫製開始の指示を行う縫製指示入力手段であり、主電源ON状態においてミシン起動信号を出力しミシンモータ21の駆動を開始させる足踏みペダルである。
そして、CPU81は、所定の処理プログラムを実行することにより、ボタンBの右前糸通し穴から左後の糸通し穴へのすくい縫いによる運針が行われる場合に、左方向への針振りが規定限界針振り量Mを越えて行われないように、ボタン移動機構のボタンX軸モータ31により当該針振りと逆方向にボタンBを移動させる制御を行う針振り制限手段として機能する。
つまり、CPU81は、各種の設定や設定パラメータから各針数ごとのボタンBの位置座標BXn,BYn、縫い針のX軸方向の位置座標CXn及び布地CのY軸方向の位置座標CYnを算出する場合において、左後方に向かって運針が行われる場合の左方向への移動量を規定限界針振り量Mと比較して、これを越える場合に、規定限界針振り量Mを超える距離分だけボタンBの右方への移動を行うようにボタンBの位置座標BXnを調整する処理を実行し、針振りが規定限界針振り量Mを超えない範囲となるように調整している。
なお、規定限界針振り量Mは、オペレータが決定し設定する数値であるが、その設定方法としては、縫い針11とルーパ41と糸寄せ部材42とタング15の各構成の配置や寸法、及び動作範囲や動作の軌跡等の相対関係から糸寄せ不良が発生しうる規定限界針振り量Mを算出しても良いし、繰り返し試験を行い、その結果、目標とする信頼性を維持することができる範囲の規定限界針振り量Mを特定しても良い。
(ボタン付けミシンの縫製動作)
図3〜図11に基づいてボタン付けミシン100の設定並びに縫製動作について説明する。図5は左後側の糸通し穴への運針がX軸方向について規定限界針振り量Mを越える場合の布地Cの針落ち位置の位置座標系を示す説明図である。なお、前述した図3、図4は規定限界針振り量Mを越えない場合の各位置座標形を示している。
また、図6は右前側の糸通し穴に対する針落ちの各位置座標を説明するための説明図、図7は規定限界針振り量Mを超えない場合の左後側の糸通し穴に対する針落ちの各位置座標を説明するための説明図、図8は規定限界針振り量Mを超える場合の左後側の糸通し穴に対する針落ちの各位置座標を説明するための説明図である。
また、図9は各設定値入力から縫製実行までを示すフローチャート、図10は図9中の縫製データ演算処理を示すフローチャートである。
まず、図9に示すように、操作パネル83から、縫製方法の種類、縫製の針数、縫製の形状が選択入力され、上記各パラメータa〜g、Mなどが数値入力されると、CPU81はメモリ82にこれらを記憶する(ステップS1)。
次いで、CPU81は、図示しない縫製状態への移行スイッチの入力の有無を検知し(ステップS2)、入力がなければステップS1の処理に戻り、入力があれば縫製データ演算処理に移行する。
かかる縫製データ演算処理では、入力された縫製条件やパラメータに従って運針に要するボタンB、縫い針11、布地Cの位置座標等が算出される(ステップS3)。
次いで、ミシンのオペレータによりボタン保持機構13へのボタンBのセットとタング15への布地Cのセットが行われると(ステップS4)、スタートペダル89の入力の有無が検知される(ステップS5)。入力がなければ、まだボタンBと布地Cのセットが完了していないもの判断されてステップS4の処理に戻り、入力があった場合には、縫製動作が開始される。
縫製動作では、縫製データ演算処理で演算により生成されて外部メモリ87に格納された縫製データが読み出され、一針目から順番に各針ごとボタンB、縫い針11、布地Cの位置座標が読み出される。そして、各位置座標から各モータ31,32,33,34,35の回転角度量を算出し、ボタンB、縫い針11、布地Cを運針ごとに所定位置に位置決めし、ミシンモータ21の駆動により所定の針落ちを行いつつ縫製が行われる(ステップS6)。
そして、縫製データに設定された一連の運針が実行されると、ボタンB、布地C、縫い針11は所定の退避位置に移動して、ミシンからの取り外しが可能となり、ステップS4の処理に戻って、新たなボタンB及び布地Cのセットが可能な状態となる。つまり、これまでの布地C及びボタンBについては縫製が完了した状態となる。
次いで、縫製データ演算処理について詳細に説明する。かかる縫製データ演算処理では、ステップS2により操作パネル83から入力された、縫製方法の種類、縫製の針数H、縫製の形状の選択と上記各パラメータa〜g、Mの数値入力により、Y軸の双方におけるボタンBの中心位置の位置座標BXn,BYn、縫い針のX軸方向の位置座標CXn、布地CのY軸方向の位置座標CYnの算出が主として行われる。
ここでは、ボタン種を四つ穴のボタン、縫製方法は根巻き無しのすくい縫い、縫製の形状は対角線形状、縫製の針数H=10とした場合を例に説明する。
なお、ボタンBの位置座標とは、円形であるボタンBの中心位置の位置座標を示し、図3ではボタンBの中心を座標系の原点位置に合わせた状態を図示している。
また、布地Cの位置座標とは、タング15の先端であってX軸方向中間位置の位置座標を示し、図4ではタング15の先端中間位置を座標系の原点位置に合わせた状態を図示している。
四つ穴のボタンに対して対角線に沿って運針が行われる場合、特に指定がなければ、第一針目は図3に示す右前の糸通し穴に対して針落ちが行われる。その場合、針数H=10であるため、1,3,5,7,9,11針目が右前の糸通し穴に対する針落ちとなり、2,4,6,8,10針目が左後の糸通し穴に対する針落ちとなる。なお、針数H=10に設定されているが、布側の針落ち位置である第一針目の針落ち位置に戻してから糸切りが行われるため、設定針数が偶数の場合には針数が1加算される。
そして、糸切りコマンドが挿入された後に次の対角線の運針について演算が行われる。この場合、次の対角線の最初の運針(第12針目)は、特に指定がなければ、図3に示す左前の糸通し穴に対して針落ちが行われる。その場合、針数H=10であるため、12,14,16,18,20,22針目が右前の糸通し穴に対する針落ちとなり、13,15,17,19,21針目が右後の糸通し穴に対する針落ちとなる。なお、この場合も、最初の針落ち位置に戻してから糸切りが行われるため、針数が1加算される。
かかる前提に基づいてCPU81は、所定の処理プログラムに従って以下の処理を実行する。
まず、図10に示すように、CPU81は、これから位置座標BXn、BYn、CXn、CYnを求めようとする針数nを最初は1(n=1)に設定する(ステップS11)。
次いで、CPU81は、設定針数H(=10)から左後の糸通し穴に運針を行う針数を算出し、現在針数nが左後の糸通し穴に運針を行う針数であるかを判定する。つまり、この場合、n=2,4,6,8,10のいずれかであるかが判定される(ステップS12)。
なお、以下の記載において、縫い針11,ボタンB及び布地Cのそれぞれの位置座標は縫い針11の針振りを行わない位置(0)を原点位置として、いずれもそれぞれの部材の原点位置(中心位置)に対する右側及び後側を正方向として記載する。
また、各パラメータa〜g、Mの各数値はいずれも正の数で設定入力されるものとする。
n=2,4,6,8,10のいずれでもない場合には、右前の糸通し穴に対する運針針数であるものとして、現在の針数nについて、縫い針のX軸方向の位置座標CXn=f/2、布地CのY軸方向の位置座標CYn=e、ボタンBの糸通し穴の中心位置のX軸方向の位置座標BXn=f/2−b,Y軸方向の位置座標BYn=aと算出する(ステップS13)。
つまり、右前の糸通し穴(図6において塗りつぶしの黒丸で図示した糸通し穴)に対する運針を行う場合、図4及び図6に示すように、布地Cに対する針落ちはすくい幅fを二等分した値が縫い針11のX軸方向の位置座標CXnとなる。なお、図6中の符号nは12,14,16,18,20,22針目の布地Cに対する針落ち位置を示す(図7も同様)。Y軸方向については、すくい量eだけ布地Cの先端位置から前方に針落ちが行われるため、その分、布地Cは後方に送る必要があり、布地CのY軸方向の位置座標CYnはeとなる。
また、図3及び図6に示すように、ボタンBは、縫い針11の位置に対して右前の糸通し穴を位置決めする必要があるので、ボタンBのX軸方向の位置座標BXnはf/2(縫い針のX座標)から右前の糸通し穴の位置座標bを減じた値となる。ボタンBのY軸方向の位置座標BYnは、右前の糸通し穴をX=0の位置に合わせれば良いのだからaとなる。
そして、演算後はステップS17に移行する。
針数がn=2,4,6,8,10のいずれかである場合には、X軸方向における各糸通し穴の中心位置の間隔dが規定限界針振り量Mを越えるか否かが判定される(針振り量判別手段、ステップS14)。
各糸通し穴の中心位置の間隔dが規定限界針振り量M以下の時には、右前の糸通し穴から左後の糸通し穴への運針に際してX軸方向についてはボタンBの左右移動を伴わずに針振りのみにより針落ち位置の位置決めを実行する。
従って、現在の針数nについて、縫い針のX軸方向の位置座標CXn=f/2−d、布地CのY軸方向の位置座標CYn=−g、ボタンBの中心位置の位置座標BXn=f/2−b,BYn=a−cと算出する(ステップS15)。
つまり、図4及び図7に示すように、左後の糸通し穴(図7において塗りつぶしの黒丸で図示した糸通し穴)に対する運針を行う場合、布地Cに対する針落ちは右前の糸通し穴の針落ち位置から距離dだけ左方の位置、即ちf/2−dが縫い針のX軸方向の位置座標CXnとなる。Y軸方向については、設定下送り量gだけ布地Cの先端位置から後方に針落ちが行われるため、その分、布地Cを前方に送る必要があり、布地CのY軸方向の位置座標CYnは−gとなる。
また、図7に示すように、ボタンBは、X軸方向について移動が行われないのでボタンBのX軸方向の位置座標BXnはf/2−bのままとなり、ボタンBのY軸方向の位置座標BYnは、右前の糸通し穴よりも左後の糸通し穴の方が間隔cだけ後方に位置するので、a−cとなる。
そして、演算後はステップS17に移行する。
また、各糸通し穴の中心位置の間隔dが規定限界針振り量Mを越える時には、右前の糸通し穴から左後ろの糸通し穴への運針に際して、針振り量がMに固定され、X軸方向について縫い針11と逆方向にボタンBを移動させることで針落ち位置の位置決めを実行する。
従って、現在の針数nについて、縫い針のX軸方向の位置座標CXn=f/2−M、布地CのY軸方向の位置座標CYn=−g、ボタンBの中心位置の位置座標BXn=f/2−M+d−b,BYn=a−cと算出する(ステップS16)。
つまり、図5及び図8に示すように、左後の糸通し穴(図8において塗りつぶしの黒丸で図示した糸通し穴)に対する運針を行う場合、布地Cに対する針落ちは右前の糸通し穴の針落ち位置から距離Mだけ左方の位置、即ちf/2−Mが縫い針のX軸方向の位置座標CXnとなる。Y軸方向については、設定下送り量gだけ布地Cの先端位置から後方に針落ちが行われるため、その分、布地Cは前方に送る必要があり、布地CのY軸方向の位置座標CYnは−gとなる。
また、図8に示すように、ボタンBは、X軸方向について、縫い針11の位置座標f/2−Mに対して位置座標がb−dである左後の糸通し穴を位置決めするのでボタンBのX軸方向の位置座標BXnはf/2−M+d−bとなり、ボタンBのY軸方向の位置座標BYnは、右前の糸通し穴よりも左後の糸通し穴の方が間隔cだけ後方に位置するので、a−cとなる。
そして、演算後はステップS17に移行する。
ステップS17では、現在の針数nに1を加算する。そして、現在の針数nが12に達したか否かを判定し(ステップS18)、達していない場合にはステップS12に戻って位置座標BXn,BYn、CXn、CYnの算出が続けられる。
つまり、針数nが12となるまでは、ステップS13,S15又はS16により、各針数ごとに位置座標BXn,BYn、CXn、CYnが算出され、針数nと対応付けてメモリ82に記憶される。
そして、n=12となるまで処理が繰り返されることにより、一方の対角線に沿った運針の全ての針数について演算が完了するので、現在の針数nが12に達した場合には、針数11の各位置座標データの後に糸切りコマンドを挿入する(ステップS19)。
次いで、CPU81は、設定針数H(=10)から右後の糸通し穴に運針を行う針数を算出し、現在針数nが右後の糸通し穴に運針を行う針数であるかを判定する。つまり、この場合、n=13,15,17,19,21のいずれかであるかが判定される(ステップS20)。
n=13,15,17,19,21のいずれでもない場合には、左前の糸通し穴に対する運針針数であるものとして、現在の針数nについて、縫い針のX軸方向の位置座標CXn=−f/2、布地CのY軸方向の位置座標CYn=e、ボタンBの中心位置の位置座標BXn=−f/2+d−b,BYn=aと算出する(ステップS21)。
つまり、左前の糸通し穴に対する運針を行う場合、図4に示すように、布地Cに対する針落ちはすくい幅fを二等分した値だけ左方に針落ちが行われるため、縫い針のX軸方向の位置座標CXnは−f/2となる(図6に示す状態に対して左右が鏡面対称となる状態)。Y軸方向については、すくい量eだけ布地Cの先端位置から前方に針落ちが行われるため、その分、布地Cは後方に送る必要があり、布地CのY軸方向の位置座標CYnはeとなる。
また、図3に示すように、ボタンBは、縫い針11の位置に対して左前の糸通し穴を位置決めする必要があるので、ボタンBのX軸方向の位置座標BXnは−f/2(縫い針のX座標)から左前の糸通し穴の位置座標b−dを減じた値となる。ボタンBのY軸方向の位置座標BYnは、右前の糸通し穴をX=0の位置に合わせれば良いのだからaとなる。
そして、演算後はステップS23に移行する。
針数がn=13,15,17,19,21のいずれかである場合には、右後の糸通し穴に対する運針針数であるものとして、現在の針数nについて、縫い針のX軸方向の位置座標CXn=−f/2+d、布地CのY軸方向の位置座標CYn=−g、ボタンBの中心位置の位置座標BXn=−f/2+2d−b,BYn=a−cと算出する(ステップS22)。
つまり、図4に示すように、右後の糸通し穴に対する運針を行う場合、布地Cに対する針落ちは左前の糸通し穴の針落ち位置から距離dだけ右方の位置、即ち−f/2+dが縫い針のX軸方向の位置座標CXnとなる(図7に示す状態に対して左右が鏡面対称となる状態)。Y軸方向については、設定下送り量gだけ布地Cの先端位置から後方に針落ちが行われるため、その分、布地Cを前進させる必要があり、布地CのY軸方向の位置座標CYnは−gとなる。
また、図3に示すように、ボタンBは、X軸方向について移動が行われないのでボタンBのX軸方向の位置座標BXnはf/2+d−bのままとなり、ボタンBのY軸方向の位置座標BYnは、左前の糸通し穴よりも右後の糸通し穴の方が間隔cだけ後方に位置するので、a−cとなる。
そして、演算後はステップS23に移行する。
ステップS23では、現在の針数nに1を加算する。そして、現在の針数nが22に達したか否かを判定し(ステップS24)、達していない場合にはステップS20に戻って位置座標BXn,BYn、CXn、CYnの算出が続けられる。
つまり、針数nが22となるまでは、ステップS21又はS22により、各針数ごとに位置座標BXn,BYn、CXn、CYnが算出され、針数nと対応付けてメモリ82に記憶される。
そして、n=23となるまで処理が繰り返されることにより、他方の対角線に沿った運針の全ての針数について演算が完了するので、針数n=23達した場合には、針数22の各位置座標データの後に糸切りコマンドを挿入する(ステップS25)。
そして、縫製データ演算処理は終了する。
(実施形態の効果)
上記ボタン付けミシン100の効果について図11乃至図13を参照して説明する。また、比較のために従来例を示す図16乃至図18を参照することとする。
ボタン付けミシン100では、ボタンBの右前の糸通し穴から左後の糸通し穴へのすくい縫いによる運針を行う場合に、左方への距離変化が規定限界針振り量Mを越える場合には、少なくともその越える距離分についてはボタンX軸モータ31により右方向にボタンBを移動させる制御が行われるように縫製データの生成が行われる。つまり、これにより、左後方向へ運針については、針振り量が規定限界針振り量Mを越えて行われないようになっている。
即ち、規定限界針振り量Mを越える場合において、図16及び図17に示すように、針振りのみを実行すると、ルーパ201に引き出された縫い糸Tのループが糸寄せ部材203の前進時の軌跡Rと干渉し、その結果、図18に示すように、糸寄せ部材203は縫い糸Tにおけるルーパ202よりも前側部分T1と後側部分T2の間に進入してしまい、糸寄せ不良を発生してしまう。
一方、規定限界針振り量Mを越える場合において、ボタンBを右方に移動して針振り量を規定限界針振り量M以下の範囲に抑えると、図11に示すように、ルーパ41から布地Cに到る縫い糸Tの左右方向における傾きθが小さくなる。つまり、針振り量が低減されることでルーパ41の左方への移動量も低減される。その一方でボタンBは右方へ移動してしまうが、布地Cは移動しないので針落ち位置は左右方向についてはボタンBと共に右方に移動することはなく定位置に維持される。従って、布地Cによって縫い糸Tが屈曲され、縫い糸Tの傾きθが低減される。
従って、図13に示すように、ルーパ41に引き出された縫い糸Tのループは糸寄せ部材42の前進時の軌跡Rと干渉せず、その結果、図12に示すように、前進後の糸寄せ部材42の先端の爪の部分(先端部P)は、前進時に縫い糸T1,T2の間に進入しない。これにより、縫い糸Tを糸寄せ部材42に有効に捕捉させることができ、糸通し穴の間隔が広いボタンBに対しても、有効に安定してすくい縫いを行うことが可能となる。
(縫製データ演算処理の他の例)
上述した縫製データ演算処理では、左後方への全ての運針に対して規定限界針振り量Mを越えないように縫製データの生成を行う処理を行っていたが、左後方への初回の運針のみについて規定限界針振り量Mを越えないように縫製データの生成を行っても良い。
つまり、ボタン付けミシン100が縫製を開始して同じ針落ち位置に繰り返し運針を行う場合にあっては、初回の運針時に最も縫い目が安定せず、これに伴い、左後方に向かう初回の運針時にも、不安定な縫い目による糸寄せ不良が最も発生しやすい。そして、かかる初回にあっては、二回目以降の運針時の場合と比較して、規定限界針振り量が小さくなる傾向にある。従って、規定限界針振り量Mを二回目以降の運針時には糸寄せ不良が生じないで初回の運針時にのみ糸寄せ不良が発生する値に設定することを前提とする。
図14は左後側の糸通し穴への初回の運針がX軸方向について規定限界針振り量Mを越える場合の布地Cの針落ち位置の位置座標系を示す説明図であり、図15は左後方への初回の運針のみについて規定限界針振り量Mを越えないように縫製データの生成する縫製データ演算処理のフローチャートである。
図15に示すように、図10に示すフローチャートと比してステップS12の判定のみが異なるので、同一となる処理についてはその説明を省略する。
即ち、右前の糸通し穴と左後の糸通し穴とを結ぶ対角線に沿った運針において、左後の糸通し穴に運針が行われるのは第二針目である。従って、図15の縫製データ演算処理では、ステップS12の判定に替えてステップS12’の処理において、針数n=2であるか否かを判定し、n=2の場合にのみ、X軸方向における各糸通し穴の中心位置の間隔dが規定限界針振り量Mを越えるか否かを判定する(ステップS14)
そして、間隔dが規定限界針振り量Mを越える場合には、縫い針のX軸方向の位置座標CXn=f/2−Mに制限し、ボタンBの中心位置の位置座標BXn=f/2−M+d−bに設定する処理を行う(ステップS16)。
これにより、図14に示すように、左後の糸通し穴の初回の運針(第二針)のみ針振り量が制限されることとなり、糸寄せ不良が抑制されると共に、例えば、針振りの動作時間よりもボタン移動動作の方が動作速度が遅いような場合であっても、ボタンの移動動作回数の低減により縫製時間の短縮を図ることが可能となる。
特に、縫製開示から一定期間の間、ミシンモータ21の回転速度規制を行う制御を実行する場合にあっては、左後の糸通し穴の初回の運針のみボタン移動を行ってとしても、縫製速度自体が低速なので、その影響は全く生じない。
なお、上述の例では、左後の糸通し穴の初回の運針のみについて規定限界針振り量M(これを第一の限界針振り量とする)を越えるか否かの判定を行うが、左後の糸通し穴の二回目以降の運針についても、規定限界針振り量Mよりも大きな規定限界針振り量M’(これを第二の限界針振り量とする)を越える場合において糸寄せ不良を生じる可能性がある場合には、左後の糸通し穴の二回目以降の運針において規定限界針振り量M’を越えるか否かの判定を行うと共に、越える場合には、f/2−M’を縫い針のX軸方向の位置座標CXnとすると共に、f/2−M+d−bをボタンBのX軸方向の位置座標BXnとする処理を行っても良い。
(その他)
なお、上記実施形態では、四つの糸通し穴に対して対角線に沿って縫い目を形成する場合に、ボタンBの移動により縫い針11の針振り量を低減する処理を行っているが、縫い形状について上記縫い目に限定されるものではない。つまり、縫い針11に対する糸寄せ部材42の配置された方向(本実施形態では後方)と糸寄せ部材42が縫い糸Tを寄せる方向(本実施形態では左方)との合成方向(本実施形態では左後方)への運針を行う場合であれば、いかなる縫い形状についても、ボタンBの移動により縫い針11の針振り量を低減する処理を適用しても良い。
また、動作制御手段80では、設定パラメータから四つの糸通し穴の対角線に沿って縫い目を形成する縫製の縫製データを生成する段階で、ボタンBの移動により縫い針11の針振り量が規定限界針振り量Mを越えないように低減させる動作制御が行われるように、縫製データ中の位置座標を調整する処理を行っている。
しかしながら、縫製の実行中に随時読み取られる位置座標から縫い針11の針振り量が規定限界針振り量Mを越えるか否かをリアルタイムで判定して、越えると判定された場合に、ボタンBを移動させる動作制御を行っても良い。
さらに、上記実施形態では、針振り量が規定限界針振り量Mを越える場合に限り、ボタンBを逆方向に移動させる処理を行っているが、針振り量が規定限界針振り量Mを越えない場合にも、ボタンを移動させる処理を行っても良いことは言うまでもない。
但し、ボタンBのX軸方向への移動が針振りの速度に比して低速である場合には、縫製速度が低減しない範囲でボタンBを逆方向に移動させる処理を行うことが望ましい。
発明の実施形態たるボタン付けミシンの主要な構成を示す斜視図である。 ボタン付けミシンの主要な構成を示すブロック図である。 ボタンの針落ち位置の位置座標系を示す説明図である。 布地の針落ち位置の位置座標系を示す説明図である。 左後側の糸通し穴への運針がX軸方向について規定限界針振り量を越える場合の布地の針落ち位置の位置座標系を示す説明図である。 右前側の糸通し穴に対する針落ちの各位置座標を説明するための説明図である。 規定限界針振り量を超えない場合の左後側の糸通し穴に対する針落ちの各位置座標を説明するための説明図である。 規定限界針振り量を超える場合の左後側の糸通し穴に対する針落ちの各位置座標を説明するための説明図である。 各設定値入力から縫製実行までを示すフローチャートである。 図6中の縫製データ演算処理を示すフローチャートである。 針振り量を制限する制御を実行した場合におけるボタン周囲の構成を示す斜視図である。 針振り量を制限する制御を実行した場合におけるボタン周囲の構成を示す図8と異なる方向から見た斜視図である。 縫い糸と糸寄せ部材の糸寄せ突起の移動軌跡とボタン配置との相対関係を示す簡略図であり、図10(A)は右前の糸通し穴の運針直後の糸寄せ状態を示し、図10(B)は左後の糸通し穴の運針直後の糸寄せ状態を示す。 左後側の糸通し穴への初回の運針がX軸方向について規定限界針振り量Mを越える場合の布地Cの針落ち位置の位置座標系を示す説明図である。 左後方への初回の運針のみについて規定限界針振り量Mを越えないように縫製データの生成する縫製データ演算処理のフローチャートである。 従来例におけるボタン周囲の構成を示す斜視図である。 従来例における縫い糸と糸寄せ部材の糸寄せ突起の移動軌跡とボタン配置との相対関係を示す簡略図であり、図17(A)は右前の糸通し穴の運針直後の糸寄せ状態を示し、図17(B)は左後の糸通し穴の運針直後の糸寄せ状態を示す。 従来例におけるボタン周囲の構成を示す図16と異なる方向から見た斜視図である。
符号の説明
11 縫い針
13 ボタン保持機構
15 タング(布保持部材)
21 ミシンモータ
22 布保持手段
31 ボタンX軸モータ(ボタン移動機構)
32 ボタンY軸モータ(ボタン移動機構)
33 ボタンZ軸モータ(ボタン移動機構)
34 布Y軸モータ(布移動機構)
35 針振りモータ
41 ルーパ
42 糸寄せ部材
80 動作制御手段
81 CPU
82 メモリ
87 外部メモリ
100 ボタン付けミシン
B ボタン
T 縫い糸
M 規定限界針振り量(第一の限界針振り量)
M’第二の限界針振り量

Claims (3)

  1. 針振り量を調節可能としながら左右方向に針振りを行いつつ、縫い針を上下方向に駆動する上下動機構と、
    前記縫い針の下方でボタンの保持を行うボタン保持機構と、
    保持された前記ボタンの下方で、後方に向かって前記縫い針の上下動経路近傍まで延出された先端部により被縫製物を折り返した状態で保持する布保持部材と、
    この布保持部材を介して前後方向に沿って前記被縫製物を移動位置決めする布移動機構と、
    前記ボタン保持機構を介して、前記針振り方向と前記布移動機構による被縫製物の移動方向とに沿って前記ボタンを移動位置決めするボタン移動機構と、
    下降した縫針から縫い糸を捕捉してループを形成するルーパと、
    前記縫い針及びルーパに対し、待機位置から前進してから左右いずれかの方向に移動することで、前記布移動機構に保持された被縫製物と前記ルーパとの間でループを形成する縫い糸を払い寄せて、下降する縫い針を回避させる糸寄せ部材と、
    前記ルーパ及び糸寄せ部材を前記縫い針の針振りと共に当該針振り方向に移動させる連動手段と、を備え、
    前記ボタンの前側の糸通し穴から後側の糸通し穴へのすくい縫いによる運針が、後方であって前記糸寄せ部材の払い寄せる方向となる斜め方向に向かって行われると共に、当該運針における前記糸寄せ部材の払い寄せ方向に沿った距離変化が予め設定された限界針振り量を越える場合に、
    少なくとも、当該距離変化が前記限界針振り量を越える距離分について、前記ボタン移動機構による当該針振りと逆方向へのボタンの移動制御を行う針振り制限手段を備えることを特徴とするボタン付けミシン。
  2. 前記後方であって前記糸寄せ部材の払い寄せる方向となる斜め方向に向かう運針が複数回行われる場合に、前記針振り制限手段は、前記距離変化が前記限界針振り量を越える場合に、前記針振りと逆方向に前記ボタンを移動させる制御を、初回の運針時のみ実行することを特徴とする請求項1記載のボタン付けミシン。
  3. 前記後方であって前記糸寄せ部材の払い寄せる方向となる斜め方向に向かう運針が複数回行われる場合に、前記針振り制限手段は、初回の運針において前記距離変化が第一の限界針振り量を越える場合に、前記針振りと逆方向に前記ボタンを移動させる制御を行うと共に、二回目以降の運針において前記距離変化が前記第一の限界針振り量よりも大きな第二の限界針振り量を越える場合に、前記針振りと逆方向に前記ボタンを移動させる制御を行うことを特徴とする請求項1記載のボタン付けミシン。
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