JP4213510B2 - 根巻きボタン付けミシン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、根巻きボタン付けミシンに係り、特に見栄えのよい根巻きを形成する根巻きボタン付けミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
ボタンを布地に縫い付けるミシンとして、布地上にボタンを縫い付けた(すくい縫い)後、さらにボタンと布地との間にある縫い糸の周りに糸を巻くこと(根巻き)により、ボタンを布地上から浮かせて見栄えのよいボタン付けを行うことのできる根巻きボタン付けミシンが知られている(例えば、特許文献1参照)。この根巻きボタン付けミシン100には、図10に示すように、布地cを保持するタング101と、ボタンbを保持するボタン保持ユニット102とが設けられている。タング101は、縫い針103の昇降経路に対して、布地cのボタン取付箇所を折り曲げた状態で保持するようになっている。一方、ボタン保持ユニット102には、布地cを保持したタング101を支持する支持板104と、支持板104によって支持されたタング101に対して、ボタンbを水平又は垂直に切り換え自在に把持するボタンチャック105とが設けられている。ボタンチャック105は、ボタンbを把持する一対の把持部106を有しており、この把持部106が回転軸107の駆動に伴って回動することにより、ボタンbを水平又は垂直に切り換えることができるようになっている。
【0003】
次に上記した根巻きボタン付けミシン1によって行われるボタン付け動作について、図11及び図12を参照にして説明する。
【0004】
まず、図11(a)、(b)に示すように、タング101が布地cを保持した状態で、支持板104により支持されると、ボタンチャック105にボタンbを水平状態で把持させる。これにより布地cのボタン取付箇所とボタンbとが対峙することになるので、縫い針103を1つのボタン孔hに下降させて糸tを通す。その後、縫い針103は上昇するが、ボタン孔hよりも上方に位置すると、他のボタン孔hと縫い針103とを対峙させるように、タング101及びボタン保持ユニット102が所定距離移動する。縫い針103は再度下降するが、このときは他のボタン孔hを貫通して糸tを通すことになる。これを繰り返すことで、図12(a)に示すように、布地cとボタンbとの間に隙間を空けてボタン付けを行う、いわゆるすくい縫いが施される。
【0005】
すくい縫いが完了すると、図11(c)に示すように、ボタンチャック105はボタンbを把持したまま垂直状態に切り換える。その後、縫い針103の上下位置に基づいてタング101及びボタン保持ユニット102を一体に所定のタイミングで水平方向へ移動させつつ、図12(b)に示すように、縫い針103をボタンbと布地cとの間に張られた糸tの両側に交互に下降させて、糸tに根巻き縫いを施す。以上の動作によってボタン付けが完了する。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−177679号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、すくい縫いから根巻き縫いに切り換わる際には一旦糸tを切らなければならないが、その切られた糸tは、図12(a)に示すように、先端部が固定されていないので、根巻き縫いを行う際に確実に巻き込むことができず、結果として根巻きの外見を損なうことになっていた。
一方、根巻き縫いの完了後においても、糸tの切断は必要であるが、図12(b)に示すように、糸tの先端部が根巻き部分から露出しないように自動的に切断することは困難であるため、根巻きの外見を損なうことになっていた。
また、ボタンbを布地cから安定して浮かすために、1つのボタンbに対して複数回根巻き縫いを行う場合もあるが、全ての根巻き縫いを同ピッチで行ってしまうと、根巻き全体が太くなってしまい、結局根巻きの見栄えが悪くなっていた。
【0008】
本発明の課題は、見栄えのよい根巻きを形成する根巻きボタン付けミシンを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、
ボタンを水平状態にして、前記ボタンのボタン孔と布地との間に根糸を施すことによって、前記ボタンを前記布地に縫い付け、その後前記ボタンを垂直状態にして、前記根糸に対してジグザグ縫いで根巻き縫いを施す根巻きボタン付けミシンにおいて、
針棒を上下動させる針棒上下機構と、
前記布地を保持する布地保持部と、
前記布地に対して、前記ボタンを水平状態及び垂直状態に切り換え自在に保持するボタン保持機構と、
前記針棒、前記布地及び前記ボタンの相対位置を変化させる相対位置変化機構と、
前記針棒上下機構、前記ボタン保持機構及び前記相対位置変化機構を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記根巻き縫いを施す以前に、前記布地近傍で前記根糸を少なくとも1回巻いた後に、前記ボタン近傍で前記根糸を少なくとも1回巻く巻き込み縫いを施すように、前記針棒上下機構及び前記相対位置変化機構を制御することを特徴としている。
【0010】
請求項1記載の発明によれば、根巻き縫いを施す以前に巻き込み縫いが施されるので、すくい縫い後に糸を切断することで生じる布地から伸び出た糸を、予め根糸に固定することができる。これにより、根巻き縫い時においては確実に糸を巻き込むことができ、見栄えのよい根巻きを形成することができる。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の根巻きボタン付けミシンにおいて、
前記ボタン付け時における各種条件が入力される入力装置を備え、
前記制御装置は、前記入力装置の入力結果に基づいて、前記針棒上下機構及び前記相対位置変化機構を制御し、
前記各種条件には、前記巻き込み縫いの回数が含まれることを特徴としている。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、ボタン付け時における各種条件に、巻き込み縫いの回数が含まれているので、作業者が意図する回数で巻き込み縫いを行うことができる。巻き込み縫いの回数が多いほど、布地から伸び出た糸をより確実に根糸に固定することができ、少ないほど巻き込み縫いにかかる時間を短縮することができる。つまり、確実性を重視するかスピードを重視するかで、その都度作業者が最適な回数を入力すれば、その意図した回数で巻き込み縫いを行うことができる。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の根巻きボタン付けミシンにおいて、
前記制御装置は、前記根糸に対する前記針棒の振り幅が、前記根巻き縫い時よりも前記巻き込み縫い時の方が大きくなるように、前記針棒上下機構及び前記相対位置変化機構を制御することを特徴としている。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、根糸に対する針棒の振り幅は、根巻き縫い時よりも巻き込み縫い時の方が大きくなっているので、根巻き縫いだけでは巻き込むことのできない範囲に、布地から伸び出た糸が位置していたとしても、巻き込み縫いによって前記糸を確実に捕捉でき、根糸に巻き付けることができる。
【0023】
請求項記載の発明は、請求項1〜のいずれか一項に記載の根巻きボタン付けミシンにおいて、
前記布地から前記ボタンに向かう気流を、前記根糸に対して与えるエアブローを備えることを特徴としている。
【0024】
請求項記載の発明によれば、エアブローが布地からボタンに向かう気流を根糸に対して与えるので、すくい縫い後に糸を切断することで生じる布地から伸び出た糸は、その気流によって根糸になびくことになり、前記伸び出た糸を巻き込みやすくすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図1〜図9の図面を参照しながら説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。
【0026】
根巻きボタン付けミシン1は、上下動する縫い針とルーパの協働により自動的に布地にボタンを縫い付けるものである。ルーパ及び縫い針の動作などによる縫い目の形成については周知の技術であるので、詳細な技術は省略する。
【0027】
根巻きボタン付けミシン1には、図1に示すように、ルーパ(図示省略)を先端部に内蔵するベッド部2と、ベッド部2の後端部から立設する縦胴部3と、縦胴部3の上部からベッド部2と平行になるように延出するアーム部4と、根巻きボタン付けミシン1全体を制御する制御装置9とが備えられている。
【0028】
アーム部4の先端部には、縫い針5を有する針棒6が、下方に向けて延出するように設けられている。アーム部4の内部には、図2に示すように、針棒6を上下動自在に支持して、支点ピン7を中心に揺動する針棒支持材8が設けられている。また、アーム部4の内部には、針棒6を上下動させることで縫い針5を上下動させる針棒上下機構12と、針棒支持材8を揺動させることで、針棒6を左右に揺動させて縫い針5を左右に振る針棒揺動機構15とが設けられている。
【0029】
針棒上下機構12は、図1に示すように、針棒6を上下動させるための針棒上下モータ13を有しており、この針棒上下モータ13が図示しないクランク機構を介して針棒6に連結されている。針棒上下モータ13には、回転角度や駆動速度等の駆動状態を検出するエンコーダ14が設けられており、これら針棒上下モータ13及びエンコーダ14は制御装置9に電気的に接続されている。つまり、制御装置9は、エンコーダ14から入力された駆動状態を基に針棒上下モータ13を制御するようになっている。
【0030】
針棒揺動機構15は、針棒支持材8を回転させるための針棒揺動モータ16を有しており、この針棒揺動モータ16は、図2に示す回転軸17を回転させるように、図示しない複数のリンク部材を介して回転軸17に連結されている。回転軸17の先端部には、回転軸17の回転駆動を針棒支持材8に伝達するための揺動アーム18が固定されていて、この揺動アーム18の先端部には針棒支持材8が取り付けられている。つまり、針棒揺動モータ16が駆動することによって、回転軸17及び揺動アーム18が回転し、この回転に伴って針棒支持材8が左右に揺動するようになっている。針棒揺動モータ16は、図1に示すように制御装置9に電気的に接続されており、制御装置9の制御に基づいて、針棒上下モータ13に連動して駆動するようになっている。
【0031】
また、根巻きボタン付けミシン1には、図2に示すように、縫い針5の移動経路上で所定の状態となるようにボタンBを調整するボタン調整機構10が設けられている。ボタン調整機構10には、針棒6の後方においてアーム部4の下部に固定されたプレート11が備わっており、このプレート11には、ボタンBをベッド部2に対して前後方向に移動させる前後移動機構20が設けられている。
【0032】
前後移動機構20には、アーム部4とベッド部2との間の空間で前後に移動自在となるようにプレート11に取り付けられるベース21が備えられている。ベース21の上方には、アーム部4に固定されて前後移動機構20の駆動源となる前後移動用モータ22が配置されており、この前後移動用モータ22の回転軸にはピニオン23が固定されている。ベース21の上面には、前後方向に延在するラック24が、前後移動用モータ22のピニオン23と噛合するように配置されている。つまり、この前後移動機構20では、前後移動用モータ22が駆動することで、ベース21がプレート11に対して前後に移動するようになっている。
【0033】
また、ボタン調整機構10には、ボタンBをベッド部2に対して上下に移動させて高さを調整する上下移動機構30が設けられている。上下移動機構30には、ベース21の内部に固定されて上下移動機構30の駆動源となる上下移動用モータ31が設けられており、この上下移動用モータ31の回転軸にはピニオン32が固定されている。ピニオン32はベース21の一側面から外部に突出している。このベース21の一側面には、ピニオン32に噛合するラック33が、上下方向に移動自在に設置されている。ラック33には、ラック33から前方に向けて延出するチャック支持アーム34が固定されている。つまり、この上下移動機構30では、上下移動用モータ31が駆動すると、ラック33とともにチャック支持アーム34が上下に移動するようになっている。
【0034】
また、ボタン調整機構10には、ボタンBをベッド部2に対して左右方向に移動させる左右移動機構40が設けられている。左右移動機構40には、左右方向の軸心周りに回転自在となるように、チャック支持アーム34の先端部に取り付けられたユニット支持部41が設けられている。このユニット支持部41の上部には、左右移動機構40の駆動源となる左右移動用リニアモータ42が設置されている。また、ユニット支持部41には、左右方向に移動自在な基台43が設けられている。基台43及びユニット支持部41の間には、バネ44が取り付けられており、このバネ44の付勢力によって基台43が常に左右移動用リニアモータ42の駆動軸45に接するようになっている。つまり、左右移動機構40では、左右移動用リニアモータ42が駆動すると、駆動軸45とともに基台43がユニット支持部41に対して左右に移動するようになっている。
【0035】
また、ボタン調整機構10には、ボタンBを水平状態及び垂直状態に切り換え自在に保持するボタン保持機構50が設けられている。ボタン保持機構50には、基台43に支持されるとともに、基台43に対して左右に移動自在な一対のチャック部材51が設けられている。このチャック部材51は、基台43に回転自在に取り付けられたレバー52と連動しており、レバー52が一方向に回転した場合、一対のチャック部材51が移動して間隔が狭まり、ボタンBが把持されるようになっている。一方、レバー52が他方向に回転した場合には、一対のチャック部材51が前記場合と逆方向に移動して間隔を開き、ボタンBの把持を解除するようになっている。チャック部材51には、チャック部材51自体を回転させることで、チャック部材51に把持されたボタンBを水平状態及び垂直状態に切り換えるボタン回転機構60が設けられている。
【0036】
ボタン回転機構60には、チャック支持アーム34の基端部に取り付けられて、ボタン回転機構60の駆動源となるボタン回転シリンダ61が設けられている。ボタン回転シリンダ61は、複動型のエアシリンダであり、ロッド62を前後に進退させるものである。ロッド62の先端部には、三角リンク63の第一の頂点部分が回転自在に取り付けられている。三角リンク63の第二の頂点部分は、チャック支持アーム34の側部に回転自在に取り付けられている。そして、三角リンク63の第三の頂点部分には、棒状の主リンク64の一端部が取り付けられている。主リンク64の他端部には、ユニット支持部41に固定されて、左右方向の軸心周りに回転自在となるようにチャック支持アーム34の先端部に設置された回転体65が、回転自在に取り付けられている。つまり、このボタン回転機構60では、ボタン回転シリンダ61の駆動によって、ロッド62が前進すると、三角リンク63、主リンク64及び回転体65を介してユニット支持部41が回転して、チャック部材51及びボタンBを起立(垂直状態)させるようになっている。一方、ボタン回転シリンダ61の駆動によって、ロッド62が後退すると、三角リンク63、主リンク64及び回転体65を介してユニット支持部41が逆に回転して、チャック部材51及びボタンBを倒伏(水平状態)させるようになっている。
【0037】
なお、ボタン調整機構10に備わる各駆動源(前後移動用モータ22、上下移動用モータ31、左右移動用リニアモータ42、ボタン回転シリンダ61)は、図1に示すように制御装置9に電気的に接続されており、この制御装置9によって制御されるようになっている。
【0038】
また、図3に示すように、根巻きボタン付けミシン1には、ベッド部2の先端部で布地C(図4参照)を保持するとともに、布地Cを前後に送る布地保持機構70が設けられている。
【0039】
布地保持機構70には、ベッド部2に固定されて布地保持機構70の駆動源となる送りモータ71が設けられている。送りモータ71の前方には、図示しないプーリが配置されており、このプーリと、送りモータ71の回転軸72とにタイミングベルト73が取り付けられている。タイミングベルト73には、前後方向に延在するシャフト74に摺動自在に支持された布送りベース75が固定されており、タイミングベルト73が動作すると、シャフト74に案内されて布送りベース75が前後動するようになっている。布送りベース75の上端部には、略水平面を有する下板76が固定されている。下板76の前部には開口761が形成されており、開口761の後方には針板77が取り付けられている。針板77の中央部には針孔771が形成されており、針板77の前縁部には凹部772が形成されている。下板76において、凹部772及び針孔771に対応する箇所には、針孔となる長孔762が形成されている。
【0040】
一方、布送りベース75の下端部には、前後に延在するシリンダベース78の後端部が固定されている。シリンダベース78の前端部には、円弧状に形成されたタング支持部79が、左右方向の軸回りに回転自在に取り付けられている。タング支持部79の先端部には、布地Cを保持するためのタング80が固定されている。タング80の先端部には、針孔801が設けられている。
【0041】
また、シリンダベース78の中央部には、タング80を駆動するためのタングシリンダ81が、左右方向の軸回りに回転自在に設置されている。タングシリンダ81は、出力ロッド811を進退させるものである。出力ロッド811は、タングリンク82の一端部に左右方向の軸回りに回転自在に取り付けられている。タングリンク82の他端部は、タング支持部79の基端部に固定されている。
【0042】
そして、下板76の先端部には、タング80ごと布地Cを挟持して保持する布地保持部83が設けられている。布地保持部83は2つのバネ挟持部831を有している。各バネ挟持部831は、上下に対向する2つの板ばねから構成されている。布地保持部83の後縁部には開口761に臨むように針孔832が設けられている。
【0043】
上記した布地保持機構70では、タングシリンダ81の動力によって、タング支持部79とともにタング80が起伏するようになっている。更に、送りモータ71の動力で、下板76とともにタング80が一体となって前後方向(つまり、布送り方向)に移動するようになっている。なお、送りモータ71、タングシリンダ81は、図1に示すように、制御装置9に電気的に接続されており、この制御装置9によって制御されるようになっている。
【0044】
以上のように、本実施形態では、針棒6、布地C及びボタンBの相対位置を変化させる相対位置変化機構は、針棒揺動機構15、ボタン調整機構10及び布地保持機構70によって構成されている。
【0045】
次に、制御装置9について説明する。図1に示すように、制御装置9は、CPU91と、RAM92と、ROM93と、これらを接続するシステムバスとを有する演算処理装置を基本構成としている。制御装置9には、上記したように針棒上下モータ13、エンコーダ14、針棒揺動モータ16、前後移動用モータ22、上下移動用モータ31、左右移動用リニアモータ42、ボタン回転シリンダ61、送りモータ71、タングシリンダ81が電気的に接続されるとともに、さらに、例えば液晶ディスプレイ等の画像を表示する表示装置94、縫製における各種指示が入力される入力装置95、縫製開始を指示するために用いられる操作ペダル96が電気的に接続されている。なお、制御装置9には、これら以外にも根巻きボタン付けミシン1の各駆動部などが接続されている。
【0046】
制御装置9は、入力装置95及び操作ペダル96からの各種指示に基づいて、ROM93中に書き込まれている制御プログラムや制御データに従い各種駆動部を制御するようになっている。
【0047】
入力装置95は、例えば、表示装置94の表示面に設けられたタッチパネルであり、表示装置94の表示面がタッチされたことを検知して、その旨をCPU91に出力するものである。
【0048】
次に、根巻きボタン付けミシン1によるすくい縫い及び根巻き縫いについて図4〜図6を参照して詳細に説明する。なお、以下では、ボタンBは4つのボタン孔H1〜H4が形成されているボタンであるとして、すくい縫いは、ボタン孔H1及びボタン孔H2への針落ちが順次繰り返された後に、ボタン孔H3及びボタン孔H4への針落ちが順次繰り返されるように行われる平行縫いであるとして説明する。また、図4において、ボタン孔H1及びボタン孔H2は前後に並んでおり、ボタン孔H3及びボタン孔H4も前後に並んでおり、ボタン孔H1及びボタン孔H3は対角に並んでいる。
【0049】
まず、作業者がタング80の先端部をくるむように布地Cをタング80にセットすると、タングシリンダ81によって出力ロッド811は引き込まれ、タング支持部79が起立するように回転する。これにより、タング80の先端部がバネ挟持部831に向かって移動し、タング80とともに布地Cがバネ挟持部831に挟持される。この際、タング80の針孔801は、上下方向から見ると、布地保持部83の針孔832に対してほぼ一致するようになっている。このようにセットされた布地Cに対して、チャック部材51に把持されたボタンBは、タング80の先端部の近傍(つまり、布地保持部83の近傍)に配置される。
【0050】
布地Cが布地保持部83にセットされたら、チャック部材51に把持されたボタンBは、図4に示すような位置へボタン調整機構10によって移動されるとともに、布地Cは図4に示すような位置へと布地保持機構70によって移動される。つまり、布地保持機構70は、針孔832及び針孔801を縫い針5の直下に位置するように布地Cを移動させるとともに、ボタン調整機構10は縫い針5の直下に位置するようにボタンBを移動させる。ボタン調整機構10の動作について詳細に説明すると、ボタン回転機構60がボタンBを倒伏状態にして、上下移動機構30が布地Cから所与間隔Iを空けるようにしてボタンBを布地Cの上方へ移動させ、更に、ボタンBの中心部(つまり、ボタン孔H1とボタン孔H4の対角線と、ボタン孔H3とボタン孔H4の対角線との交差部)が縫い針5の直下に位置するように左右移動機構40及び前後移動機構20がボタンBを移動させる。これにより、すくい縫いの準備が完了する。
【0051】
次いで、針棒揺動機構15が縫い針5をボタン孔H1の直上に位置させる。そして、針棒上下機構12が針棒6とともに縫い針5を上下に往復移動させつつ、ボタンBと布地Cの相対的な位置関係を保つようにして布地保持機構70が布地Cを前後に往復移動させるとともに、前後移動機構20がボタンBを前後に往復移動させる。これにより、縫い針5がボタン孔H1及びボタン孔H2に交互に針落ちして、上糸がボタンBと布地Cとの間に架け渡される(以下、ボタン孔H1及びボタン孔H2と布地Cに架け渡された糸を左根糸T1と述べる。)。なお、ボタンB及び布地Cの前後移動は、縫い針5がボタン孔H1及びボタン孔H2から上方に抜けている際に行われる。
【0052】
ボタン孔H1及びボタン孔H2への縫いが終了したら、針棒揺動機構15が縫い針5をボタン孔H4の直上に位置させる。そして、針棒上下機構12が針棒6とともに縫い針5を上下に往復移動させつつ、ボタンBと布地Cの相対的な位置関係を保つようにして布地保持機構70が布地Cを前後に往復移動させるとともに、前後移動機構20がボタンBを前後に往復移動させる。これにより、縫い針5がボタン孔H3及びボタン孔H4に交互に針落ちして、ボタン孔H3及びボタン孔H4と布地Cに右根糸T2が施される。
【0053】
ボタン孔H3及びボタン孔H4への縫いが終了したら、糸切断機構が上糸を一度切断して、ボタン回転機構60がボタンBを布地C(言い換えれば、タング80の先端)の後方で(つまり、下板76の開口761で)ボタンBを起立させる。これにより、ボタンBと布地Cの位置関係は図5(a)に示すようになる。
【0054】
この際、左根糸T1及び右根糸T2の根元からは、上糸の切断によって余った余分糸T3が伸び出ている。この余分糸T3を左根糸T1及び右根糸T2に巻き込むために、本実施形態の根巻きボタン付けミシン1では、根巻き縫いを施す前に根巻き込み縫いを施す。なお、以下の説明において巻き込み縫いに用いられる糸は巻込糸T4と記載する。
【0055】
まず、針棒揺動機構15が縫い針5を移動させるとともに布地保持機構70が布を移動させることで、左根糸T1の根元の直上(図5(a)における×印地点)に縫い針5が位置する。この際、ボタンBと布地Cの相対的な位置を保つようにして、前後移動機構20がボタンBも移動する。
【0056】
そして、針棒上下機構12が針棒6とともに縫い針5を上下に往復移動させて、布地Cの×印地点に止め縫いを施す。その後、ボタンBと布地Cの相対的な位置関係を保つようにして布地保持機構70が布地Cを前方へ移動させるとともに、前後移動機構20がボタンBを前方に移動させて、縫い針5を布地Cに対して後方へ離間させる。縫い針5が布地Cから離間し、布地Cの近傍に配置されると、針棒上下機構12が針棒6とともに縫い針5を上下に往復移動させつつ、針棒上下機構12に連動して針棒揺動機構15が針棒6とともに縫い針5を左根糸T1及び右根糸T2上で左右に振る。これにより、縫い針5が布地Cの近傍における右根糸T2の右脇及び左根糸T1の左脇に交互に下降し、巻込糸T4が左根糸T1、右根糸T2及び余分糸T3の根元を巻く。このように、先に根元側を巻き込むので余分糸T3の先端部を右根糸T2に寄せることができ、その後の巻き込みにおいても確実に余分糸T3を巻き込むことができる。
【0057】
その後、ボタンBと布地Cの相対的な位置関係を保つようにして、布地保持機構70が布地Cを前方へ移動させるとともに、前後移動機構20がボタンBを前方に移動させて、縫い針5をボタンBに近づける。縫い針5がボタンBの近傍に配置されると、針棒上下機構12が針棒6とともに縫い針5を上下に往復移動させつつ、針棒上下機構12に連動して針棒揺動機構15が針棒6とともに縫い針5を左根糸T1及び右根糸T2上で左右に振る。これにより、縫い針5がボタンBの近傍における右根糸T2の右脇及び左根糸T1の左脇に交互に下降し、巻込糸T4が左根糸T1、右根糸T2及び余分糸T3を巻く。
【0058】
その後、ボタンBと布地Cの相対的な位置関係を保つようにして、布地保持機構70が布地Cを後方へ移動させるとともに、前後移動機構20がボタンBを後方に移動させて、縫い針5を布地C近傍に配置させてから、針棒上下機構12が針棒6とともに縫い針5を上下に往復移動させて、巻き込み縫いを完了する。
つまり、巻き込み縫いにおいては、図5(b)に示すように▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼、▲5▼の順に縫い針5を下降させて、左根糸T1、右根糸T2及び余分糸T3を巻込糸T4で巻き込む。
【0059】
ここで、ボタンBの近傍とは、左根糸T1、右根糸T2及び余分糸T3の根元を巻き込む際の位置よりもボタンB側であればよいが、好ましくは、余分糸T3の先端部の巻き込みを可能とする位置である。
また、確実に余分糸T3を巻き込むためには、巻き込み縫い時における針棒6の左右の振り幅を、根巻き縫い時における振り幅よりも大きく設定することが好ましい。
なお、上記した巻き込み縫いでは、布地C近傍とボタンB近傍の2箇所で左根糸T1、右根糸T2及び余分糸T3を巻き込む場合を例示したが、3箇所以上で左根糸T1、右根糸T2及び余分糸T3を巻き込んでもよい。
【0060】
巻き込み縫いが完了すると根巻き縫いを行う。以下、根巻き縫いが布地C側からボタンB側に向けて進行する正根巻き縫いの場合と、根巻き縫いがボタンB側から布地C側に向けて進行する逆根巻き縫いの場合について説明する。
【0061】
正根巻き縫いの場合には、図5(c)における▲5▼地点から、針棒上下機構12が針棒6とともに縫い針5を上下に往復移動させつつ、針棒上下機構12に連動して針棒揺動機構15が針棒6とともに縫い針5を左根糸T1及び右根糸T2上で左右に振る。これにより、縫い針5は左根糸T1の左脇及び右根糸T2の右脇に交互に繰り返されるように下降する。この際、ボタンBと布地Cの相対的な位置関係を保つようにして布地保持機構70が布地Cを前へ移動させるとともに、前後移動機構20がボタンBを前方に移動させる。これにより、図5(c)における▲5▼地点からボタンB側の▲6▼地点に向けてジグザグに根巻き糸T5が左根糸T1及び右根糸T2を巻くようにして施され、このジグザグ縫いが根巻き縫いとなる。
【0062】
逆根巻き縫いの場合には、図5(c)及び図6(a)における▲6▼地点から、縫い針5を上下動及び左右振れ運動させつつ、ボタンBと布地Cの相対的な位置関係を保つようにして、布地保持機構70が布地Cを後方に移動させるとともに、前後移動機構20がボタンBを後ろに移動させる。これにより、図6(a)におけるボタンB側の▲6▼地点から布地C側▲7▼に向けて根巻き縫いが施される。
【0063】
この上記した進行方向の異なる根巻き縫いを交互に繰り返すことで複数層の根巻きを形成することを可能としている。例えば、4層の根巻きを形成する場合においては、図5(c)に示すように、先に布地C側の▲5▼地点からボタンB側の▲6▼地点に向けて根巻き縫いを施して第1層を形成してから、図6(a)に示すように、ボタンB側の▲6▼地点から布地C側の▲7▼地点に向けて根巻き縫いを施し、第2層を形成する。その後、図6(b)に示すように、布地C側の▲7▼地点からボタンB側の▲8▼地点に向けて、再度根巻き縫いを施して第3層を形成してから、図6(c)に示すように、ボタンB側の▲8▼地点から布地C側の▲9▼地点に向けて根巻き縫いを施し、第4層を形成する。
【0064】
つまり、布地C側から開始される根巻き縫いにおいては、層数が奇数に設定されていればボタンB側で完了することになり、根巻き縫いの完了後に根巻き糸T5を切断したとしても、ボタンBが根巻き部分から露出した糸を目立たなく隠すことになり、結果として根巻きの外見を向上させることができる。一方、層数が偶数に設定されていれば布地C側で完了することになって、根巻き縫いの完了後に糸を切断すると、根巻き部分から露出した糸は、ボタンB側で完了した場合よりも目立ってしまうものの、手作業で前記露出した糸を切断するには作業しやすく、確実に根巻きの見栄えを向上させることができる。
なお、ボタンB側から根巻き縫いが開始される場合には、層数が偶数であればボタンB側で完了し、奇数であれば布地C側で完了する。したがって、いずれの場合においても、層数を設定すれば、根巻き縫いの完了箇所を布地C側及びボタンB側から選択することができる。
【0065】
なお、根巻き縫い時においては、各層毎にピッチが異なる場合や、各層を複数段階に分割した際に、その各段階毎にピッチが異なる場合があるので、布地保持機構70及び前後移動機構20は、各層或いは各段階毎に設定されたピッチに応じて布地C及びボタンBを移動させるようになっている。
【0066】
ここで上記したピッチや、根巻き縫いの層数、各層の分割数等の根巻き条件や、すくい縫い条件、巻き込み条件等のボタン付け時における各種条件は、入力装置95から入力されるようになっている。各種条件を入力する際においては、その条件毎に異なる設定画面が表示されるが、ここでは、図7に示されるような根巻き条件が入力される根巻き条件設定画面200を例示して、条件入力手順について説明する。
【0067】
まず、根巻き条件設定画面200及び根巻き条件設定画面200に関連する画面について説明する。
【0068】
根巻き条件設定画面200は、各種条件の設定画面が一覧となった基準画面から選択されることで、タッチパネル上に拡大表示される。この根巻き条件設定画面200には、図7に示すように、根巻き縫いの各層毎のピッチを設定するためのピッチ設定部210が設けられている。
【0069】
ピッチ設定部210には、ボタンBを模したボタンアイコン211と、布地Cを模した布地アイコン212が表示されており、ボタンアイコン211と布地アイコン212との間隔は、エリア表示枠213、214、215によって予め3段階に分割されている。各エリア表示枠213、214、215には、ピッチを表示するピッチ表示キー216、217、218が設けられており、各ピッチ表示キー216、217、218をタッチすれば、数値入力画面240に切り換わるようになっている。また、上段を表すエリア表示枠213と下段を表すエリア表示枠215には、それぞれの高さを表示する高さ表示キー219、220が設けられており、各高さ表示キー219、220にタッチすれば数値入力画面240に切り換わるようになっている。
なお、本実施形態では、ボタンアイコン211と布地アイコン212との間隔が予め3段階に分割されているが、作業者の指示に応じて分割数を可変させてもよい。
【0070】
また、ピッチ設定部210の左上部には、複数の矢印により根巻き縫いの層数を表す層数表示部221が配置されており、右上部には、設定される層を切り換える切換キー222が配置されている。切換キー222をタッチすれば、設定される層が切り換わって、その切り換わった層に応じて、ピッチ表示キー216、217、218、高さ表示キー219、220の値が変更されるようになっている。また、現在ピッチ設定部210に表示されている層がどれであるかは、層数表示部221で、他の矢印よりも濃い矢印によって認識できるようになっている。
【0071】
ピッチ設定部210の上方には、他の設定画面に切り換えるための画面切換部223が配置されている。画面切換部223の右側には、根巻き条件設定画面200を基準画面に切り換える基準画面切換キー224が配置されており、左側には根巻き縫いの層数を設定するための層数設定画面250に切り換える層数画面切換キー225が配置されている。
【0072】
数値入力画面240について説明すると、数値入力画面240の中央には、図8に示すように、設定するピッチや高さなどを表示する数値表示部241が配置されている。この数値表示部241の下方には、数値表示部241に表示された数値を増加させるプラスキー242と、数値表示部241に表示された数値を減少させるマイナスキー243とが配置されている。
また、数値表示部241の右下方には、数値表示部241に表示されている数値を、根巻き条件設定画面200に反映させて切り換えるリターンキー244が配置されている。リターンキー244の上方には、数値入力画面240に切り換わる以前の状態に戻すキャンセルキー245が配置されている。
【0073】
層数設定画面250について説明すると、層数設定画面250には、図9に示すように、根巻き縫いを施さない指示を与える無層キー251と、根巻き縫いを1層施す指示を与える1層キー252と、根巻き縫いを2層施す指示を与える2層キー253と、根巻き縫いを3層施す指示を与える3層キー254と、根巻き縫いを4層施す指示を与える4層キー255とが配置されている。
また、層数設定画面250の右下方には、各層キー(無層キー251、1層キー252、2層キー253、3層キー254、4層キー255)によって選択された層数を、根巻き条件設定画面200に反映させて切り換えるリターンキー256が配置されている。リターンキー256の上方には、層数設定画面250に切り換わる以前の状態に戻すキャンセルキー257が配置されている。
【0074】
次に、根巻き条件入力手順について説明する。
作業者は、根巻き条件設定画面200の層数画面切換キー225をタッチして層数設定画面250に切り換える。層数設定画面250が表示されると、作業者は、意図する層数に対応する層キーをタッチしてから、リターンキー256をタッチする。これにより、層数設定画面250から根巻き条件設定画面200に切り換わって各層のピッチ設定が可能な状態となる。
【0075】
切り換わった根巻き条件設定画面200には、先ほど選択された層数分だけ矢印が層数表示部221に表示されている。例えば、作業者が層数を4層と意図している場合、切り換わった根巻き条件設定画面200の層数表示部221には矢印が4つ表示されることになる。
作業者は、ピッチ表示キー216、217、218、高さ表示キー219、220をタッチして、数値入力画面240に切り換え、意図するピッチ及び高さを入力し、第1層の設定が完了すると、切換キー222をタッチして次層の根巻き条件設定画面200に切り換える。これを全ての層に対して行い、根巻き条件の設定を完了する。
【0076】
このように、入力装置95から各層毎のピッチが設定できるので、各層毎に異なるピッチで根巻き縫いが施すことができる。通常、根巻きの見栄えは最終層のピッチに依存されているので、それよりも下層にあたる部分のピッチは最終層のピッチよりも大きくても最終的な見栄えに反映されない。このように、各層のピッチを入力していれば、根巻き全体が太くなることなく、見栄えのよい根巻きを形成することができる。
【0077】
以上のように、本実施形態の根巻きボタン付けミシン1によれば、根巻き縫いを施す以前に巻き込み縫いが施されるので、すくい縫い後に糸を切断することで生じる余分糸T3を、予め右根糸T2に固定することができる。これにより、根巻き縫い時においては確実に余分糸T3を巻き込むことができ、見栄えのよい根巻きを形成することができる。
【0078】
なお、本発明は上記実施形態に限らず適宜変更可能であるのは勿論である。
例えば、本実施形態では、巻き込み縫いのみによって余分糸T3を巻き込むようになっているが、左根糸T1及び右根糸T2に対して布地CからボタンBに向かう気流を与えるエアブローを、根巻きボタン付けミシン1に設置すれば、エアブローからの気流によって余分糸T3は、左根糸T1及び右根糸T2になびくことになり、余分糸T3の巻き込みを容易に行うことができる。
また、本実施形態では、根巻き縫いがボタンB側で完了するか布地C側で完了するかを、層数を入力することで決定しているが、常に根巻き縫いがボタンB側で完了するようにしてもよい。
また、本実施形態では、巻き込み縫いの回数は変更できない構成を例示したが、入力装置95から巻き込み縫いの回数を入力することで、その回数に対応して巻き込み縫いが施される構成であってもよい。巻き込み縫いの回数が多いほど、布地から伸び出た糸をより確実に根糸に固定することができ、少ないほど巻き込み縫いにかかる時間を短縮することができる。つまり、確実性を重視するかスピードを重視するかで、その都度作業者が最適な回数を入力すれば、その意図した回数で巻き込み縫いを行うことができる。
【0079】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、すくい縫い後に糸を切断することで生じる布地から伸び出た糸を、予め根糸に固定することができる。これにより、根巻き縫い時においては確実に糸を巻き込むことができ、見栄えのよい根巻きを形成することができる。
【0080】
請求項2記載の発明によれば、作業者が意図する回数で巻き込み縫いを行うことができる。巻き込み縫いの回数が多いほど、布地から伸び出た糸をより確実に根糸に固定することができ、少ないほど巻き込み縫いにかかる時間を短縮することができる。つまり、確実性を重視するかスピードを重視するかで、その都度作業者が最適な回数を入力すれば、その意図した回数で巻き込み縫いを行うことができる。
【0081】
請求項3記載の発明によれば、根巻き縫いだけでは巻き込むことのできない範囲に、布地から伸び出た糸が位置していたとしても、巻き込み縫いによって前記糸を確実に捕捉でき、根糸に巻き付けることができる
【0083】
請求項記載の発明によれば、すくい縫い後に糸を切断することで生じる布地から伸び出た糸は、その気流によって根糸になびくことになり、前記伸び出た糸を巻き込みやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る根巻きボタン付けミシンの概略構成を表す説明図である。
【図2】図1の根巻きボタン付けミシンに備わるボタン調整機構を表す斜視図である。
【図3】図1の根巻きボタン付けミシンに備わる布地保持機構を表す斜視図である。
【図4】すくい縫い時におけるボタン及び布地の位置関係を示す説明図である。
【図5】巻き込み縫い時及び根巻き縫い時における縫い手順を表す説明図である。
【図6】根巻き縫い時における縫い手順を表す説明図である。
【図7】図1の根巻きボタン付けミシンに備わる入力装置に表示される根巻き条件設定画面を表す説明図である。
【図8】図7の入力装置に表示される数値入力画面を表す説明図である。
【図9】図7の入力装置に表示される層数設定画面を表す説明図である。
【図10】従来の根巻きボタン付けミシンの要部斜視図である。
【図11】図10の根巻きボタン付けミシンによるボタン縫いの手順を示す説明図であり、(a)はすくい縫い時の状態を表す平面図、(b)はすくい縫い時の状態を表す側面図、(c)は根巻き縫い時の状態を表す平面図である。
【図12】図10の根巻きボタン付けミシンによる根巻き縫い時の状態を表す説明図であり、(a)は根巻き縫い以前の状態を表す側面図であり、(b)は根巻き縫い後の状態を表す側面図である。
【符号の説明】
1 根巻きボタン付けミシン
6 針棒
9 制御装置
10 ボタン調整機構(相対位置変化機構)
12 針棒上下機構
15 針棒揺動機構(相対位置変化機構)
50 ボタン保持機構
70 布地保持機構(相対位置変化機構)
83 布地保持部
95 入力装置
B ボタン
C 布地
T1 左根糸(根糸)
T2 右根糸(根糸)

Claims (4)

  1. ボタンを水平状態にして、前記ボタンのボタン孔と布地との間に根糸を施すことによって、前記ボタンを前記布地に縫い付け、その後前記ボタンを垂直状態にして、前記根糸に対してジグザグ縫いで根巻き縫いを施す根巻きボタン付けミシンにおいて、
    針棒を上下動させる針棒上下機構と、
    前記布地を保持する布地保持部と、
    前記布地に対して、前記ボタンを水平状態及び垂直状態に切り換え自在に保持するボタン保持機構と、
    前記針棒、前記布地及び前記ボタンの相対位置を変化させる相対位置変化機構と、
    前記針棒上下機構、前記ボタン保持機構及び前記相対位置変化機構を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、前記根巻き縫いを施す以前に、前記布地近傍で前記根糸を少なくとも1回巻いた後に、前記ボタン近傍で前記根糸を少なくとも1回巻く巻き込み縫いを施すように、前記針棒上下機構及び前記相対位置変化機構を制御することを特徴とする根巻きボタン付けミシン。
  2. 請求項1記載の根巻きボタン付けミシンにおいて、
    前記ボタン付け時における各種条件が入力される入力装置を備え、
    前記制御装置は、前記入力装置の入力結果に基づいて、前記針棒上下機構及び前記相対位置変化機構を制御し、
    前記各種条件には、前記巻き込み縫いの回数が含まれることを特徴とする根巻きボタン付けミシン。
  3. 請求項1又は2記載の根巻きボタン付けミシンにおいて、
    前記制御装置は、前記根糸に対する前記針棒の振り幅が、前記根巻き縫い時よりも前記巻き込み縫い時の方が大きくなるように、前記針棒上下機構及び前記相対位置変化機構を制御することを特徴とする根巻きボタン付けミシン。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の根巻きボタン付けミシンにおいて、
    前記布地から前記ボタンに向かう気流を、前記根糸に対して与えるエアブローを備えることを特徴とする根巻きボタン付けミシン。
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