JP4109366B2 - ボタン穴かがりの縫い目、およびボタン穴かがりミシン - Google Patents

ボタン穴かがりの縫い目、およびボタン穴かがりミシン Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボタン穴かがりの縫い目と、ボタン穴かがりミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
衣類等のボタン穴の部分はボタンの出し入れの際に裂ける方向に力が加えられることから、縫い目に強度を持たせるために従来より様々な工夫がなされている。
たとえば、特開平9−276573号公報には、二重環縫いミシンにより鳩目穴形状のボタン穴の周りを縫製する際、縫い目に芯糸を入れることにより強度を持たせることが開示されている。
また、特開昭60−45380号公報の縫い目では、本縫いミシンにより鳩目穴形状のボタン穴の周りを縫製する場合、前の縫い目に次の縫い目を重ねて縫製することにより強度を持たせていた。
【0003】
ところで、図9に示すように、眠り穴形状のボタン穴の一端部の周りを鳩目穴かがりミシンなどで放射状に縫製する場合にも、何らかの方法で縫い目に強度を持たせる必要があり、たとえば、上記公報で示したような方法が考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報の二重環縫いミシンによる縫製のように縫い目の中に芯糸を入れる場合には、ミシンの構造が複雑になってコストがかかる上に、縫製する糸以外にも芯糸を用意しなければならないので手間がかかる。
また、図9において上記公報の本縫いミシンによる縫製のように縫い目同士を重ねる場合、鳩目穴において重ねて縫うことに比べて、図10に示すように、一カ所に縫い目が集中し、局部的に厚くなってしまい、肌触りも見栄えも悪くなる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、複雑な構造のミシンや手間のかかる作業を要さずとも、見た目が美しく肌触りも良い、強度のあるボタン穴かがりの縫い目と、このような縫い目のボタン穴の縫製ができる、ボタン穴かがりミシンを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決すべく、請求項1に記載の発明は、
左側縫い部、眠り穴部、右側縫い部から構成され、細長いボタン穴の周りをかがるボタン穴かがりの縫い目において、
前記眠り穴部は、
前記ボタン穴の延長線上の点を中心とする大小の円弧上に交互に針落ち点が形成される放射状の縫い目と、
前記小さい円弧の内側空間である中央部を横断すると共に、前記ボタン穴の延長線をまたぎ、かつ前記左側縫い部と右側縫い部との幅を超えない長さを有する横断縫い目と、からなることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、細長いボタン穴の端部の周りに形成されている放射状の縫い目の中央部を横断し、かつ、ボタン穴の延長線上をまたぐ、横断縫い目が形成されていることから、この横断縫い目が補強となり、ボタン穴が裂けてしまうことを抑えることができる。
しかも、従来のように、ボタン穴かがりの縫い目の中に芯糸を入れる必要はないので、複雑な構造のミシンや、芯糸を用意する余計な手間が不要となる。
さらに、放射状の縫い目の中央部を横断することから、ボタン穴に対しては全く重ならないし、放射状の縫い目にもあまり重ならないので、見た目も美しく、また、布が厚くならないので肌触りも良い縫い目となる。
【0008】
ここで、ボタン穴の端部は、両端部であってもよいし、一方の端部のみ放射状の縫い目が形成されていて、他方の端部は閂止め縫いなどであってもよい。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のボタン穴かがりの縫い目において、前記横断縫い目は、前記延長線にほぼ直交すると共に、前記横断縫い目に連続して前記放射状縫い目が形成されることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、横断縫い目はボタン穴の延長線にほぼ直交することから、ボタン穴が裂ける方向の力に対してより強固に対抗することができ、強度の高いボタン穴となる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のボタン穴かがりの縫い目において、
前記横断縫い目は、前記ボタン穴の両側部に形成される縫い目の幅を超えない長さであることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、横断縫い目は、前記ボタン穴の両側部に形成される縫い目の幅を超えない長さであることから、より一層、見た目が良い縫い目となる。
ここで、横断縫い目はボタン穴の左右の側部に形成される縫い目の幅を超えない長さでありさえすればよいが、実際に好ましい長さは、横断縫い目の角度や、具体的な位置にも寄る。たとえば、ボタン穴の端部の直近で、ボタン穴の延長線にほとんど直交する場合には、放射状の縫い目に重ならないので、ボタン穴の両側部に形成される縫い目の幅とほぼ同じ長さを有していてもよい。また、延長線に対して斜めに交わるような場合は、放射状の縫い目にあまり重ならないように、ある程度短いほうが好ましい。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のボタン穴かがりの縫い目を形成するように、ミシン針の動作を制御する制御手段を有することを特徴とするボタン穴かがりミシンである。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれかに記載のボタン穴かがりの縫い目を形成するように、ミシン針の動作を制御する制御手段を有することから、請求項1〜4に記載のボタン穴かがりの縫い目を確実に形成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を適用したボタン穴の縫い目およびボタン穴かがりミシンの実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は本発明を適用した一例としてのボタン穴かがりミシン100の外観を示す斜視図である。また、図2は第1の実施の形態例を示すもので、内部機構の概略斜視図、図3は図2の反対側から見た状態の内部機構の斜視図である。
これらの図1から図3において、1はミシンフレーム、5はミシンモータ、6は上軸、7はクランク機構、8は針棒、9は針、10は立軸、11は下軸、12は釜、13はボビンケース、14は布保持板、15は布押え、16は布切りメス、17は天秤、18は針棒揺動台、19は糸調子、20は送りモータ、21は送り機構、30は布切りメス用エアーシリンダユニット、31はメス取付板、40は基線モータ、41は振り幅モータ、42は針振り機構、60はボイスコイルモータである。
【0017】
図1のように、ミシンフレーム1は、上面に平坦なベッド面を有するベッド2と、このベッド2上の一端部側に起立する縦胴部3と、この縦胴部3上からベッド2とほぼ平行に沿って伸びるアーム4とから構成されて、側面視でほぼコ字状を成している。
【0018】
以上のミシンフレーム1において、図2に示すように、その縦胴部3側の端部にミシンモータ5が備えられ、このミシンモータ5の駆動により回転する上軸6がアーム4内に配設され、この上軸6の先端部にはクランク機構7を介して針棒8が連結されており、この針棒8の下部に針9が取り付けられている。
また、縦胴部3内に立軸10が配設されて、ベッド2内に下軸11が配設されており、この下軸11の先端部の釜12にボビンケース13が装着されている。なお、立軸10は、その上端部が上軸6とベベルギヤ6a,10aを介して連結されて、下端部が下軸11とベベルギヤ10b,11aを介して連結されている。
【0019】
そして、縦胴部3内には、布を送るための送り機構21が構成されている。
具体的には、縦胴部3内において、送りモータ20上の出力軸に設けたピニオン20aに噛み合うラック22aを有する送り軸22を組み込んで、縦胴部3から突出してアーム4の下方に位置する送り軸22中間部分に、布保持板14を下端部に連結支持するブラケット23を上端部で固定している。このブラケット23の下部側面に、先端部に布押え15を連結支持する取付片25を備えた布保持腕24の基端部を、ピン24aを支点として上下揺動自在に結合している。
また、送り軸22の位置に基づいてメス先端位置に対応した原点位置を検出する近接式の送り原点検出センサ26が設けられている。
以上の構成の送り機構21によって、布保持板14及び布押え15は、軸線を垂直方向とした送りモータ20の駆動でピニオン20a及びラック22aの噛み合いにより前進後退動作する送り軸22からブラケット23、布保持腕24を各々介して、一体的に、ベッド2上を移動するようになっている。
【0020】
前記針棒9は、図3に示すように、針棒揺動台18に上下摺動自在に組み込まれている。この針棒揺動台18は、上端部において上軸6に平行な揺動支点軸18aを支点として揺動自在となっていて、針振り機構42によって駆動されて、その結果、布に対しての針落ちの位置が決まるようになっている。
すなわち、針振り機構42は、基線用アーム43、基線用レバー44、連結リンク45、針振りカムレバー46、針振りレバー47、連結軸48、針振り腕49、針振りカム54、振り幅用アーム55、振り幅用レバー56等から構成されている。
さらに、縦胴部3内には、軸線を上軸6と平行で水平方向としたパルスモータである基線モータ40及び振り幅モータ41が設けられ、その各々の出力軸から針棒揺動台18にかけて、前記各部材等が構成されている。
【0021】
すなわち、縦胴部3内において、水平に機枠に支持された支軸43aを中間部の支点とした基線用アーム43の下端部に設けたセクタギヤ43bを、基線モータ40の出力軸に設けたピニオン40aに噛み合わせ、基線用アーム43上部の二股部内に、同じく二股状の基線用レバー44の端部を水平ピン44aで揺動自在に連結している。この基線用レバー44の二股部内において、連結リンク45の一端部を水平ピン44bで揺動自在に連結し、この連結リンク45の他端部に水平ピン45aで針振りカムレバー46を揺動自在に連結している。
さらに、この針振りカムレバー46の下端部に水平ピン46aで針振りレバー47の先端部を揺動自在に連結している。この針振りレバー47の基端部は、アーム4内に上軸6に平行に配設した連結軸48の基端部に固定されている。この連結軸48の先端部には、針振り腕49の基端部が固定されており、この針振り腕49の先端部に針棒揺動台18が図示しない角ゴマ等を介して揺動自在に連結されている。
【0022】
ここで、針振りカムレバー46は、上部がコ字状に開放されたカム係合凹部46bとなっていて、このカム係合凹部46bに偏心カムである針振りカム54が係合している。
この針振りカム54は、主軸6の2回転に対して1回転、即ち針9が2回上下動するのに対して、1回転するようになっている。
さらに、縦胴部3内において、水平に機枠に支持された支軸55aを中間部の支点とした振り幅用アーム55の下端部に設けたセクタギヤ55bを、振り幅モータ41上の出力軸に設けたピニオン41aに噛み合わせ、振り幅用アーム55の上端部に、振り幅用レバー56の一端部を水平ピン56aで揺動自在に連結している。この振り幅用レバー56の他端部は、前記水平ピン44bを介して前記連結リンク45に揺動自在に連結されている。
【0023】
なお、基線用アーム43のセクタギヤ43bの側方に、基線原点検出センサ57が配設され、セクタギヤ43bの一端部側に基線検出用の磁石43cが設けらている。
同様に、振り幅用アーム55のセクタギヤ55bの近傍に、磁気センサによる振り幅原点検出センサ58が配設され、セクタギヤ55bの一端部側に磁石55cが設けられている。
さらに、減速ギヤ52の一側面に、磁気センサによる針振り左右位置検出センサ59が配設されており、減速ギヤ52に左右位置検出用の磁石52aが設けられている。
これら各センサ57、58、59からの情報は、後述するCPUに出力されるようになっている。
【0024】
以上の針振り機構42によって、針棒揺動台18は、パルスモータである基線モータ40及び振り幅モータ41の各々の駆動で、基線用アーム43から基線用レバー44を経て、または、振り幅用アーム55から振り幅用レバー56を経て、以降は連結リンク45、針振りカムレバー46、針振りレバー47、連結軸48、針振り腕49及び針振りカム54を介して揺動がそれぞれ伝達されることにより、上端部の揺動支点軸18aを支点として基線の変更と振り幅の変更が行われる。
【0025】
即ち、基線については、基線モータ40の駆動で基線用アーム43、基線用レバー44、連結リンク45、針振りカムレバー46、針振りレバー47、連結軸48、針振り腕49及び針振りカム54を介して揺動が伝達されて、上端部の揺動支点軸18aを支点として針棒揺動台18が揺動することによって、基線が変更される。これが基線変更機構である。
また、振り幅については、振り幅モータ41の駆動で振り幅用アーム55、振り幅用レバー56、連結リンク45、針振りカムレバー46、針振りレバー47、連結軸48、針振り腕49及び針振りカム54を介して揺動が伝達されて、上端部の揺動支点軸18aを支点として針棒揺動台18が揺動することによって、振り幅が変更される。これが針振り幅変更機構である。
【0026】
ここで、針振り機構42は、基線位置を基準として振り幅を左側へ振る(増大する)もので、図4(a)に示すように、針振りカム54のカム頂部が基線側(図示右側)にある時、基線用アーム43の位置により針落ちが決まるものとなっている。
また、図4(b)に示すように、針振りカム54のカム頂部がカム振り幅側(図示左側)にある時、基線位置に対して振り幅量により針落ちが決まるものとなっている。
そして、基線位置の移動は、基線用アーム43の回動により行われる。
また、振り幅の変更は、振り幅用アーム55の回動により基線用レバー44を介して行われる。
【0027】
そして、縫製の際は、ミシンモータ5の駆動により回転する上軸6から減速ギヤ51,52を介して針振りカム54が減速比1/2で回転し、この針振りカム54がカム係合凹部46bに係合した針振りカムレバー46が往復揺動を行い、その針振りカムレバー46の往復運動が、針振りレバー47、連結軸48、針振り腕49を介して針棒揺動台18に伝達される。
このミシンモータ5を駆動源とする針振りカム54を介しての針振りカムレバー46の往復運動に、前述した基線変更機構及び針振り幅変更機構の所定の運動が加わり、揺動支点軸18aを支点として針棒揺動台18が往復揺動して、針9の針落ちの位置が決まるものとなる。
【0028】
また、ボタン穴かがりミシン100では、アーム4の先端部上に、布切りメス用エアーシリンダユニット30が設置されて、このユニット30の駆動により昇降動作するメス取付板31が、アーム4内に垂直に配設されている。このアーム4から下方に突出するメス取付板31の下端部に、布切りメス16が止めねじ32によって取り付けられている。そして、布切りメス用エアーシリンダユニット30の駆動により、布切りメス16を、ボタン穴かがり縫製中に複数回上下させることによって布を切って、ボタン穴を形成するようになっている。
【0029】
ボタン穴かがりミシン100は、図5に示す制御システム200に従って制御される。
すなわち、制御システム200では、CPU201に、バスを介してROM101、RAM102、I/Oインターフェース109等が接続されている。
CPU201は、各種制御手段や演算手段、即ち、ミシン制御手段、ミシン駆動速度決定手段、基線及び針振り幅の変更量補正手段、縫い目形成順序指定手段、縫いデータ読み出し手段部、縫い開始指定手段、メス制御手段、メス下降時期決定手段を含むメス上下動時期決定手段、その上下動時期間隔判断手段、側縫い長さ変更手段、針落ち制御手段、パターン拡大・縮小基準点決定手段、各種駆動制御手段等が含まれ、これら制御手段や演算手段を有し、ROM101内のプログラム等や、RAM102内のデータ等を用いて、ミシン100に必要な制御を行うもので、本発明の制御手段となっている。たとえば、CPU201は、操作パネル110より入力された情報を基に、基線や針振りの幅を演算し、その演算結果に従って針落ちするよう、基線モータ40や振り幅モータ41を駆動し、前述の針振り機構42の動作、すなわち縫製の際の針9の動作を制御する。
【0030】
ROM101には、制御のためのプログラム及びデフォルトが格納されており、例えば、後述する、放射状の縫い目とともに横断縫い目を形成する、ボタン穴かがりを行うためのプログラムが格納されている。
RAM102には、制御のための各種変数等が格納されており、例えば、縫いデータ、基線・針振りデータ等が格納されている。
割込みコントローラ108は、各割込み信号入力により各割込み信号に対応した割込み処理を自動的にCPU201が実行するためのものである。
【0031】
図5において、操作パネル110は、表示部と各種キーにより構成され、オペレータが、縫製に必要な各種設定/操作を行うためのものである。
Y送りパルスモータドライバ111は、Y送りカウンタ103からのカウンタ信号とI/Oインターフェイス109からの出力信号に従い、Y送りパルスモータ(前記送りモータ)20を回転させる。
基線送りパルスモータドライバ112は、基線送りカウンタ104からのカウンタ信号とI/Oインターフェイス109からの出力信号とに従い、基線送りパルスモータ(前記基線モータ)40を回転させる。
針振り送りパルスモータドライバ113は、針振り送りカウンタ105からのカウンタ信号とI/Oインターフェイス109からの出力信号とに従い、針振り送りパルスモータ(前記振り幅モータ)41を回転させる。
【0032】
ミシンモータドライバ115は、I/Oインターフェイス109からのミシン起動/停止信号とミシンスピード信号とに基づいて、ミシンモータ5を回転させ、あるいは停止させる。
さらに、ミシンモータドライバ115は、送り基準位置センサ117、TG(タコ・ジェネレータ)発生器118からの信号を、割込みコントローラ108に出力する。送り基準位置センサ117は、Y送りモータ/基線送りモータ/針振り送りモータ等の送り制御に使用されるものである。TG発生器118は、ミシンモータ1回転中に24分割の方形波を発生させるものである。
【0033】
アクティブテンションドライバ120は、上糸に所定の張力を付与するように上糸張力VCM(ボイスコイルモータ)60を制御する。
押え上昇ソレノイド駆動回路121は、I/Oインターフェイス109からの押え下降/上昇信号により、押え上昇ソレノイド122を駆動するものである。
布切りメス下降シリンダ駆動回路123は、I/Oインターフェイス109からの布切り上昇/下降信号により、布切りメス下降シリンダ(前記布切りメス用エアーシリンダユニット)30を駆動するものである。
Y送り原点センサは、Y送りパルスモータ20の原点位置を検出するためのもので、前記送り原点検出センサ26である。
基線送り原点センサは、基線送りパルスモータ40の原点位置を検出するためのもので、前記基線原点検出センサ57である。
針振り送り原点センサは、針振り送りパルスモータ41の原点位置を検出するためのもので、前記振り幅原点検出センサ58である。
押えスイッチ124は、オペレータが、ワークをセット時、前記布押え15を上昇/下降させるための操作スイッチである。
スタートスイッチ125は、オペレータが、ワークをセット時、縫製を開始させるための操作スイッチである。
また、針振り左右検知スイッチは、前記針振り左右位置検出センサ59である。
【0034】
次に、図5のブロック図に基づいて行う制御のゼネラルフローを、図6に従って説明する。
図6のゼネラルフローに示すように、電源オンにより最初は、ステップS1で、操作パネル設定処理を呼び出し、操作パネル110による各種の設定処理が行われる。この操作パネル110による各種の設定操作は、次のステップS2での操作パネル110に設けられている縫製キー(図示せず)のオンまで行われ、縫製キーのオン後は、次のステップS3で、縫製データ作成処理を呼び出し、縫製データが作成される。
すなわち、ボタン穴かがりにおいて、左右側縫い部、眠り穴部(ボタン穴の両端部)とに分けて、それぞれ操作パネル110の設定操作により入力された左右側縫い部の長さ、幅、送りピッチ、あるいは眠り穴部の高さ(ボタン穴長手方向)に応じて、各針落ち位置が設定される。この実施例における眠り穴部の縫い目は、特に第2針目から第5針目に後述するボタン穴Hの延長線とほぼ直交する縫い目を形成するような針落ち位置が予め設定されている。
縫製データ作成後は、次のステップS4で、布押え15の下降出力を行い、続いて、次のステップS5で、機械原点検索処理を呼び出し、Y送りパルスモータ20/基線送りパルスモータ40/針振り送りパルスモータ41の機械原点検索を行う。続いて、次のステップS6で、縫い始め移動を呼び出し、Y送りパルスモータ20/基線送りパルスモータ40/針振り送りパルスモータ41を縫い始め位置まで駆動した後、次のステップS7で、布押え15の上昇出力を行って、次のステップS8に進む。
【0035】
ステップS8では、前記縫製キーのチェックを行い、縫製キーのオン時は、前記ステップS1へ戻り、また、縫製キーがオンでなければ、次のステップS9に進む。ステップS9では、押えスイッチ124のチェックを行い、押えスイッチ124のオン時は、次のステップS10に進み、オンでなければ、前記ステップS8へ戻る。
ステップS10では、布押え15が上昇中であるか否かが判断され、上昇中であれば、次のステップS11で、布押え15の下降出力を行い、また、上昇中でなければ、ステップS12で、布押え15の上昇出力を行って、前記ステップS8へ戻る。
布押え下降出力後は、次のステップS13で、押えスイッチ124のチェックを行い、押えスイッチ124のオン時は、前記ステップS12で、布押え15の上昇出力を行って、前記ステップS8へ戻り、また、押えスイッチ124がオンでなければ、次のステップS14に進む。ステップS14では、スタートスイッチ125のチェックを行い、スタートスイッチ125のオン時は、次のステップS15に進み、また、スタートスイッチ125がオンでなければ、前記ステップS13へ戻る。
そして、ステップS15では、縫製処理を呼び出し、縫製が開始される。縫製終了後は、次のステップS16で、布押え15の上昇出力が行われ、前記ステップS8へ戻る。
【0036】
上記構成を有するボタン穴かがりミシン1によってボタン穴かがりを行う場合、たとえば、図7に示したように縫製することができる。
図7は、布切りメス16によって眠り穴のボタン穴Hを形成しながら、ボタン穴Hの周りを縫製した状態の一部を示したもので、ボタン穴Hの左側から縫って、右側に向かって縫ったものである。図7中の番号は針落ちの順番を示すもので、黒丸が基線側針落ちで、白丸が針振り側針落ちである。
左側縫い部の縫い目が完了すると縫いデータは眠り穴部に移行し、眠り穴部の第1針目からの縫いデータ(基線送りデータ、Y送りデータ、針振りデータ)が読み出され、針上位置センサ116からのミシン一回転中の針上位置信号発生毎にデータが更新され、次の針落ち位置となるように、Y送りパルスモータ20、基線送りパルスモータ40、針振りパルスモータ41が制御される。
図7の縫い方は、ボタン穴Hの端部を放射状に縫っていくのものであるが、その前に、ボタン穴の左側を一定の振り幅で縫った後(針落ちの番号1の後)、2、3、4、5の順番で針を落としていき、2−3針、3−4針、4−5針との間で、ボタン穴Hの延長線とほぼ直交する縫い目を形成する。その後(6以降)、ボタン穴Hの延長線を含むC部分を中心に放射状の縫い目を形成していき(6〜11)、その後、ボタン穴の右側を一定の振り幅で縫っていく。結果的に、針落ち2、3、4、5の順番で縫った縫い目は、放射状の縫い目の中央部を横断する、横断縫い目となる。この横断縫い目は、ボタン穴Hが裂けないよう、補強する縫い目となる。
【0037】
本発明のボタン穴かがりミシン100による横断縫い目は、図7の状態に限らず、放射状の縫い目に大部分重なって見栄えが悪くなるといったことや、ボタン穴から離れて実質的にボタン穴の補強にならない、といったものでなければよく、要は、見た目をあまり損なわずに効果的にボタン穴を補強できるものであればよい。
図8には、横断縫い目のバリエーションの例を示した。図8においても、図7同様に眠り穴形状のボタン穴の周りを縫製する場合についてであるが、便宜的に放射状の縫い目と、横断縫い目のみを模式的に示している。
【0038】
たとえば、図8(a)は、横断縫い目を、かがり縫いの左右の幅全体に亘るように形成したものである。横断縫い目が、ボタン穴Hに近く、しかも、ボタン穴Hの延長線にほぼ直行する場合は、放射状の縫い目に重ならないので、このようにかがり縫いの幅全体に亘るように縫ってもよい。
ただし、左右の縫い目の振り幅を超えるような長さは、見た目が悪くなるので好ましくない。
【0039】
図8(b)は、横断縫い目の角度のバリエーションについて示したものである。横断縫い目はボタン穴が裂けてしまわないよう補強するものであるから、ボタン穴Hに直行する状態に近いことが好ましい。たとえば、ボタン穴Hに直行する直線に対する角度をθとして、このθが±10度程度以内であれば最も好ましいが、ある程度斜めであってもよく、±30度程度であってもよい場合もある。
ただし、前記θがある程度角度があるような場合は、前述の図8(a)のようにかがり縫いの幅全体に亘るような長さであると放射状の縫い目や側部の縫い目に重なってしまうことがあるので、比較的短いほうがよい。
【0040】
図8(c)は、横断縫い目の位置のバリエーションについて示したものである。本発明の横断縫い目は、ボタン穴Hの延長線をまたいで放射状の縫い目の中央部を通るものであれば、図8(c)に示すように、ボタン穴Hの直近位置A付近から、放射状の縫い目に近いB位置付近までの範囲で、任意に形成される。
ただし、ボタン穴Hにかかってしまう位置であると見栄えが悪いので好ましくなく、また、放射状の縫い目に完全に重なる位置であると見栄えが悪く補強効果も弱くなるので好ましくない。ボタン穴Hにかからない位置で、ボタン穴Hに近い位置であるほど、より好ましい。
【0041】
なお、図7で示した横断縫い目は、針落ち2〜5にかけて1往復分であるが、見栄えが悪くなったり布が厚くなったりしない程度に数往復してもよい。
【0042】
以上のボタン穴かがりミシン100によるボタン穴かがりの縫い目によれば、ボタン穴Hの延長線にほぼ直行する横断縫い目が補強となり、ボタン穴Hが裂けてしまうことを抑えることができる。
しかも、従来のように、ボタン穴かがりの縫い目の中に芯糸を入れる必要がないので、複雑な構造のミシンや、芯糸を用意する余計な手間が不要となる。
さらに、放射状の縫い目の中央部を横断することから、ボタン穴Hに対しては全く重ならないし、放射状の縫い目にもあまり重ならないので、見た目も美しく、また、布が厚くならないので肌触りも良い縫い目となる。
また、横断縫い目は、ボタン穴Hの左右の側部に形成される縫い目の幅を超えない長さであることから、その点においても見た目に良い。
【0043】
なお、上記実施の形態における針落ちの順番は、図7に示す順番に限らず、適宜変更可能である。
また、横断縫い目は、上記実施の形態のように、ボタン穴かがり縫いに連続していなくてもよく、ボタン穴のかがり縫いを行う前後に、別に縫ってもよい。
さらに、本発明における放射状の縫い目の中央部とは、放射状の縫い目の内側の針落ち点とボタン穴の端部との距離を直径とする円の範囲内であればよい。
【0044】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、横断縫い目が補強となり、ボタン穴が裂けてしまうことを抑えることができる。
しかも、従来のように、ボタン穴かがりの縫い目の中に芯糸を入れる必要がないので、複雑な構造のミシンや、芯糸を用意する余計な手間が不要となる。
さらに、放射状の縫い目の中央部を横断することから、ボタン穴に対しては全く重ならないし、放射状の縫い目にもあまり重ならないので、見た目も美しく、また、布が厚くならないので肌触りも良い縫い目となる。
【0045】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、横断縫い目はボタン穴の延長線にほぼ直行することから、ボタン穴が裂ける方向の力に対してより強固に対抗することができ、強度の高いボタン穴となる。
【0046】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加えて、横断縫い目は、ボタン穴の両側部に形成される縫い目の幅を超えない長さであることから、より一層、見た目が良い縫い目となる。
【0047】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれかに記載のボタン穴かがりの縫い目を好適に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一例としてのボタン穴かがりミシンの外観を示す斜視図である。
【図2】図1のボタン穴かがりミシンの内部機構の概略斜視図である。
【図3】図2の反対側から見た状態を示すもので内部機構の概略斜視図である。
【図4】針振り機構の動作例を示すもので、(a)は針振りカムのカム頂部が基線側にある状態を示した図、(b)は針振りカムのカム頂部が針振り幅側にある状態を示した図である。
【図5】図1のボタン穴かがりミシンの制御システムの構成図である。
【図6】図5の制御システムに基づいて行われる制御のゼネラルフローチャートである。
【図7】本発明のボタン穴かがりの縫い目の一例を示す拡大図である。
【図8】本発明のボタン穴かがりの縫い目に形成される横断縫い目のバリエーションを説明するための模式図であり、(a)は長さについて説明するための図であり、(b)は角度について説明するための図であり、(b)は位置について説明するための図である。
【図9】放射状の縫い目を有するボタン穴かがりを示す図である。
【図10】図9の縫い目のボタン穴端部の拡大図である。
【符号の説明】
1 ミシンフレーム
5 ミシンモータ
18 針棒揺動台
20 パルスモータ
21 送り機構
40 基線モータ
41 振り幅モータ
42 針振り機構
43 基線用アーム
44 基線用レバー
45 連結リンク
46 針振りカムレバー
47 針振りレバー
48 連結軸
49 針振り腕
54 針振りカム
55 振り幅用アーム
56 振り幅用レバー
100 ボタン穴かがりミシン
200 制御システム
201 CPU(制御手段)
H ボタン穴

Claims (4)

  1. 左側縫い部、眠り穴部、右側縫い部から構成され、細長いボタン穴の周りをかがるボタン穴かがりの縫い目において、
    前記眠り穴部は、
    前記ボタン穴の延長線上の点を中心とする大小の円弧上に交互に針落ち点が形成される放射状の縫い目と、
    前記小さい円弧の内側空間である中央部を横断すると共に、前記ボタン穴の延長線をまたぎ、かつ前記左側縫い部と右側縫い部との幅を超えない長さを有する横断縫い目と、
    からなることを特徴とするボタン穴かがりの縫い目。
  2. 前記横断縫い目は、前記延長線にほぼ直交すると共に、前記横断縫い目に連続して前記放射状縫い目が形成されることを特徴とする請求項1に記載のボタン穴かがりの縫い目。
  3. 前記横断縫い目は、前記ボタン穴の両側部に形成される縫い目の幅を超えない長さであることを特徴とする請求項1または2に記載のボタン穴かがりの縫い目。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のボタン穴かがりの縫い目を形成するように、ミシン針の動作を制御する制御手段を有することを特徴とするボタン穴かがりミシン。
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