JP2009219152A - ノイズフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】ノーマルモードノイズ及びコモンモードノイズの両方を除去でき、かつ、小型化を図ることができるノイズフィルタを提供する。
【解決手段】コモンモードチョークコイルL11は、2つのコイルからなっている。LCフィルタLC1は、コイルL1を含んでいる。LCフィルタLC2は、コイルL2を含んでいる。コモンモードチョークコイルL11の2つのコイルは、コイルL1,L2として兼用されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ノイズフィルタに関し、コモンモードチョークコイルを内蔵したノイズフィルタに関する。
コモンモードノイズを除去するためのノイズフィルタとして、例えば、特許文献1に記載の積層型コモンモードチョークコイルが提案されている。該積層型コモンモードチョークコイルでは、一対のコイルを相互に重なった状態で配設させることにより、該一対のコイルを相互に磁気的に結合させて、コモンモードノイズの除去を可能にしている。
しかしながら、前記積層型コモンモードチョークコイルでは、コモンモードノイズしか除去できず、ノーマルモードノイズを除去できない。故に、ノーマルモードノイズを除去したい場合には、該積層型コモンモードチョークコイルに加えて、ノーマルモードノイズを除去するためのノイズ除去部品を別途設ける必要がある。その結果、該積層型コモンモードチョークコイルが適用された回路では、大型化が問題となる。
特開平08−138938号公報
そこで、本発明の目的は、ノーマルモードノイズ及びコモンモードノイズの両方を除去でき、かつ、小型化を図ることができるノイズフィルタを提供することである。
本発明の一形態であるノイズフィルタは、2つのコイルからなる第1のコモンモードチョークコイルと、第1のコイルを含む第1のLCフィルタと、第2のコイルを含む第2のLCフィルタと、を備え、前記第1のコモンモードチョークコイルの2つのコイルは、前記第1のコイル及び前記第2のコイルとして兼用されていること、を特徴とする。
本発明によれば、コモンモードチョークコイルの2つのコイルが、第1のフィルタのコイルと第2のフィルタのコイルとを兼ねている。そのため、本発明では、従来のように、コモンモードチョークコイルに加えて、ノーマルモードノイズを除去するためのフィルタを別途設ける必要がない。その結果、本発明では、コモンモードノイズ及びノーマルモードノイズを除去することができ、かつ、素子の小型化を図ることが可能となる。
第1の実施形態に係るノイズフィルタの外観斜視図である。 第1の実施形態に係るノイズフィルタの積層体の分解図である。 第1の実施形態に係るノイズフィルタの等価回路図である。 コモンモードノイズの反射特性と周波数との関係を示したグラフである。 ノーマルモードノイズの挿入損失と周波数との関係を示したグラフである。 ノーマルモードノイズ及びコモンモードノイズの挿入損失と周波数との関係を示したグラフである。 結合用電極層の変形例を示した図である。 第2の実施形態に係るノイズフィルタの積層体の分解斜視図である。 第2の実施形態に係るノイズフィルタの等価回路図である。 第3の実施形態に係るノイズフィルタの積層体の分解斜視図である。 第3の実施形態に係るノイズフィルタの等価回路図である。 第4の実施形態に係るノイズフィルタの積層体の分解斜視図である。 第4の実施形態に係るノイズフィルタの等価回路図である。 第5の実施形態に係るノイズフィルタの積層体の分解斜視図である。 第6の実施形態に係るノイズフィルタの積層体の分解斜視図である。 第7の実施形態に係るノイズフィルタの積層体の分解斜視図である。 第8の実施形態に係るノイズフィルタの積層体の分解斜視図である。 第8の実施形態に係るノイズフィルタの等価回路図である。
以下に、本発明の実施形態に係るノイズフィルタについて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るノイズフィルタ10aの外観斜視図である。図2は、ノイズフィルタ10aの積層体12aの分解図である。図3は、ノイズフィルタ10aの等価回路図である。以下では、ノイズフィルタ10aの形成時に、セラミックグリーンシートが積層される方向を積層方向と定義する。そして、この積層方向をz軸方向とし、ノイズフィルタ10aの長手方向をx軸方向とし、x軸とz軸とに直交する方向をy軸方向とする。x軸、y軸及びz軸は、ノイズフィルタ10aを構成する辺に対して平行である。
(ノイズフィルタの構成)
ノイズフィルタ10aは、図1に示すように、内部に複数のLCフィルタ及びコモンモードチョークコイルを含む直方体状の積層体12a、及び、積層体12aの表面に形成された外部電極E1〜E10を備えている。以下、積層体12aのx軸方向の両端に位置する面を端面と定義し、積層体12aのy軸方向の両端に位置する面を側面と定義し、積層体12aのz軸方向の上側の面を上面と定義し、積層体12aのz軸方向の下側の面を下面と定義する。
外部電極E1,E3,E5,E7はそれぞれ、y軸方向の正方向側の側面において、z軸方向に延びるように形成されている。外部電極E1,E3,E5,E7はそれぞれ、入力端子として機能する。外部電極E2,E4,E6,E8はそれぞれ、y軸方向の負方向側の側面において、z軸方向に延びるように形成されている。外部電極E2,E4,E6,E8はそれぞれ、出力端子として機能する。外部電極E9,E10はそれぞれ、両端面において、z軸方向に延びるように形成されている。外部電極E9,E10はそれぞれ、グランド電極として機能する。
積層体12aは、以下に説明するように、複数の内部電極層と複数の誘電体層とが共に積層されて構成され、内部にLCフィルタLC1〜LC4及びコモンモードチョークコイルL11,L12を内蔵している。より詳細には、積層体12aは、図2に示すように、複数の誘電体層14a〜14c,16a,16b,18a〜18f,20,22f〜22a,24b,24a,26c〜26aがこの順に積層されることにより構成される。複数の誘電体層14a〜14c,16a,16b,18a〜18f,20,22a〜22f,24a,24b,26a〜26cは、それぞれ略同じ面積及び形状を有する長方形の絶縁層である。
誘電体層16aの主面上には、y軸方向に長手方向を有する長方形状のコンデンサ電極層50,52,54,56が形成されている。コンデンサ電極層50,52,54,56はそれぞれ、y軸方向の負方向側の端部において、コンデンサ電極層50,52,54,56と外部電極E2,E4,E6,E8とを接続するための引き出し部51,53,55,57を有している。また、誘電体層16bの主面上には、x軸方向に長手方向を有する長方形状のコンデンサ電極層58が形成されている。コンデンサ電極層58は、x軸方向の両端部において、コンデンサ電極層58と外部電極E9,E10とを接続するための引き出し部71,72を有している。
コンデンサ電極層50とコンデンサ電極層58とが誘電体層16aを挟んで対向することにより、コンデンサC1を構成している。コンデンサ電極層52とコンデンサ電極層58とが誘電体層16aを挟んで対向することにより、コンデンサC2を構成している。コンデンサ電極層54とコンデンサ電極層58とが誘電体層16aを挟んで対向することにより、コンデンサC3を構成している。コンデンサ電極層56とコンデンサ電極層58とが誘電体層16aを挟んで対向することにより、コンデンサC4を構成している。
誘電体層18a〜18fの主面上にはそれぞれ、線状電極が折り曲げられた形状を有するコイル電極層30a〜30f,42a〜42fが形成されている。より詳細には、コイル電極層30a,42aはそれぞれ、「L」字形状を有し、その一端はそれぞれ、外部電極E2,E8に接続されている。コイル電極層30b〜30e,42b〜42eは、同じ誘電体層18上に形成されたもの同士で互いに反対方向に旋廻するように渦状に形成された電極層である。また、コイル電極層30f,42fはそれぞれ、「L」字形状を有し、その一端はそれぞれ、外部電極E1,E7に接続されている。更に、誘電体層18a〜18eにはそれぞれ、コイル電極層30a〜30e,42a〜42eの一端に接続されているビア導体32a〜32e,44a〜44eが形成されている。これにより、誘電体層1
8a〜18fが積層された場合には、ビア導体32a〜32e,44a〜44eは、隣接する誘電体層18a〜18fに形成されたコイル電極層30a〜30f,42a〜42f同士を接続する。その結果、コイル電極層30a〜30fは、コイルL1を構成し、コイル電極層42a〜42fは、コイルL4を構成する。
誘電体層24aの主面上には、y軸方向に長手方向を有する長方形状のコンデンサ電極層60,62,64,66が形成されている。コンデンサ電極層60,62,64,66はそれぞれ、y軸方向の負方向側の端部において、コンデンサ電極層60,62,64,66と外部電極E2,E4,E6,E8とを接続するための引き出し部61,63,65,67を有している。また、誘電体層24bの主面上には、x軸方向に長手方向を有する長方形状のコンデンサ電極層68が形成されている。コンデンサ電極層68は、x軸方向の両端部において、コンデンサ電極層68と外部電極E9,E10とを接続するための引き出し部73,74を有している。
コンデンサ電極層60とコンデンサ電極層68とが誘電体層24bを挟んで対向することにより、コンデンサC1を構成している。コンデンサ電極層62とコンデンサ電極層68とが誘電体層24bを挟んで対向することにより、コンデンサC2を構成している。コンデンサ電極層64とコンデンサ電極層68とが誘電体層24bを挟んで対向することにより、コンデンサC3を構成している。コンデンサ電極層66とコンデンサ電極層68とが誘電体層24bを挟んで対向することにより、コンデンサC4を構成している。
誘電体層22a〜22fの主面上にはそれぞれ、線状電極が折り曲げられた形状を有するコイル電極層34a〜34f,38a〜38fが形成されている。より詳細には、コイル電極層34a,38aはそれぞれ、「L」字形状を有し、その一端はそれぞれ、外部電極E4,E6に接続されている。コイル電極層34b〜34e,38b〜38eは、同じ誘電体層22上に形成されたもの同士で互いに反対方向に旋廻するように渦状に形成された電極層である。また、コイル電極層34f,38fはそれぞれ、「L」字形状を有し、その一端はそれぞれ、外部電極E3,E5に接続されている。更に、誘電体層22b〜22fにはそれぞれ、コイル電極層34b〜34f,38b〜38fの一端に接続されているビア導体36b〜36f,40b〜40fが形成されている。これにより、誘電体層22a〜22fが積層された場合には、ビア導体36b〜36f,40b〜40fは、隣接する誘電体層22a〜22fに形成されたコイル電極層34a〜34f,38a〜38f同士を接続する。その結果、コイル電極層34a〜34fは、コイルL2を構成し、コイル電極層38a〜38fは、コイルL3を構成する。
積層体12aが以上のような構成を有することにより、図3に示すように、コイルL1及びコンデンサC1からなるLCフィルタLC1、コイルL2及びコンデンサC2からなるLCフィルタLC2、コイルL3及びコンデンサC3からなるLCフィルタLC3、及び、コイルL4及びコンデンサC4からなるLCフィルタLC4が形成されている。LCフィルタLC2,LC3は、LCフィルタLC1,LC2とは電気的に接続されていない。ここで、LCフィルタLC1を例にとると、コイルL1の一端が外部電極E1に接続されていると共に、コイルL1の他端が外部電極E2に接続されている。更に、コンデンサC1の一端は、コイルL1の他端に接続されていると共に、コンデンサC1の他端は、外部電極E9,E10に接続されている。LCフィルタLC2,LC3,LC4の構成については、LCフィルタLC1の構成と同様であるので説明を省略する。
ところで、外部電極E1,E3が入力端子と機能し、外部電極E2,E4が出力端子と機能するので、図2において、コイルL1には、例えば、z軸方向の下から上へと電流が流れ、コイルL2には、例えば、z軸方向の上から下へと電流が流れる。すなわち、コイルL1とコイルL2とには、z軸方向において逆方向に電流が流れる。更に、コイルL1
を構成するコイル電極層30a〜30fは、z軸方向の下から上へと行くにしたがって時計回りに旋廻し、コイルL2を構成するコイル電極層34a〜34fは、z軸方向の下から上へと行くにしたがって反時計回りに旋廻している。すなわち、コイルL1とコイルL2とは、互いに逆向きに旋廻している。したがって、コイルL1とコイルL2とに電流が流れた場合には、共に同じ方向に電流が旋廻するようになる。更に、コイルL1及びコイルL2は、図2に示すように、コイルL1のコイル軸とコイルL2のコイル軸とが略一致するようにz軸方向に並べて配置されている。その結果、コイルL1とコイルL2とは、同じ方向に磁束を発生して磁気的に結合することで、LCフィルタLC1とLCフィルタLC2を構成するコイルと、コモンモードチョークコイルL11を構成する2つのコイルとを兼用するようになる。特に、コイルL1とコイルL2とは、コンデンサC1,C2が接続された端部に対する他方の端部近傍(図2のz軸方向の中央部分)において、磁気結合している。コイルL3とコイルL4も、磁気結合して、LCフィルタLC1とLCフィルタLC2を構成するコイルと、コモンモードチョークコイルL12を構成する2つのコイルとを兼用しているが、その詳細についてはコイルL1とコイルL2と同じであるので説明を省略する。
更に、誘電体層18fと誘電体層22fとの間に配置された誘電体層20の主面上には、コイルL1とコイルL3,L4とを容量結合させる結合用電極層70が形成されている。該結合用電極層70は、コイルL2とコイルL3,L4とも容量結合させている。結合用電極層70は、コイルL3,L4についても同様にコイルL1,L2と容量結合させている。そのため、該結合用電極層70は、z軸方向から平面視したときに、LCフィルタLC1とLCフィルタLC3,LC4との間に渡って形成されている。同様に、結合用電極層70は、z軸方向から平面視したときに、LCフィルタLC2とLCフィルタLC3,LC4との間に渡って形成されている。
ここで、結合用電極層70は、2つの環状の線状電極が接続された形状を有している。これは、コイルL1〜L4に電流が流れた場合に、コイルL1〜L4において発生する磁束を結合用電極層70が妨げないようにするためである。
(効果)
以上のように、ノイズフィルタ10aによれば、LCフィルタLC1〜LC4が内蔵されていると共に、コイルL1〜L4がコモンモードチョークコイルL11,L12を構成するコイルを兼ねているので、ノーマルモードノイズ及びコモンモードノイズの両方を除去することができる。
また、ノイズフィルタ10aによれば、LCフィルタとコモンモードチョークコイルとが一つのノイズフィルタ10a内に内蔵されているので、LCフィルタとコモンモードチョークコイルとが別々の電子部品により構成されている場合に比べて、回路全体を小型化できる。特に、ノイズフィルタ10aでは、コイルL1,L2は、コモンモードチョークコイルL11を構成しているコイルとして機能すると共に、LCフィルタLC1,LC2の一部としても機能している。同様に、コイルL3,L4は、コモンモードチョークコイルL12を構成しているコイルとして機能すると共に、LCフィルタLC3,LC4の一部としても機能している。このように、ノイズフィルタ10aでは、コイルL1〜L4が、LCフィルタの一部及びコモンモードチョークコイルの一部に兼用されているので、ノイズフィルタ10aがより小型化される。
また、ノイズフィルタ10aでは、以下に説明するように、コモンモードノイズを効率よく除去することが可能となる。xz断面において、コイルL1が発生する磁束とコイルL2が発生する磁束、及び、コイルL1が発生する磁束とコイルL2が発生する磁束が等しくない場合には、ノーマルモードノイズがコモンモードノイズに変換されてしまい、新
たなコモンモードノイズが発生して、コモンモードノイズが効率よく除去されない。そこで、ノイズフィルタ10aでは、xz断面において、コイルL1が発生する磁束の大きさとコイルL2が発生する磁束の大きさとが略等しくなるように、コイルL1,L2の電流経路を構成している。同様に、xz断面において、コイルL3が発生する磁束の大きさとコイルL4が発生する磁束の大きさとが略等しくなるように電流経路を構成している。これにより、コイルL1とコイルL2との間及びコイルL3とコイルL4との間の特性の差を小さくできる。故に、ノーマルモードノイズがコモンモードノイズに変換されて、新たなコモンモードノイズが発生することがない。そのため、ノイズフィルタ10aでは、コモンモードチョークコイルL11及びコモンモードチョークコイルL12にて、より効率よくコモンモードノイズを除去することが可能となる。
また、xz断面においてコンデンサ電極が誘電体層20に対して線対称な構造でない場合には、磁束の大きさが等しくなりにくいため、ノーマルモードノイズがコモンモードノイズに変換されてしまい、新たなコモンモードノイズが発生して、コモンモードノイズが効率よく除去されない。一方、図2に示すように、コンデンサ電極層50,52,58,60,62,68は、xz断面において、LCフィルタLC1とLCフィルタLC2との境界線(図2では、誘電体層20)に対して、略線対称な構造を有している。同様に、図2に示すように、コンデンサ電極層54,56,58,64,66,68は、xz断面において、LCフィルタLC3とLCフィルタLC4の境界線(図2では、誘電体層20)に対して、略線対称な構造を有している。これにより、コンデンサ電極層50,52,58が、コイルL1による磁束に及ぼす影響と、コンデンサ電極層60,62,68が、コイルL2による磁束に及ぼす影響とを等しくできる。同様に、コンデンサ電極層54,56,58が、コイルL4による磁束に及ぼす影響と、コンデンサ電極層64,66,68が、コイルL3による磁束に及ぼす影響とを等しくできる。すなわち、コイルL1とコイルL2との間及びコイルL3とコイルL4との間の特性の差をより小さくできる。故に、ノーマルモードノイズがコモンモードノイズに変換されて、新たなコモンモードノイズが発生することがない。そのため、ノイズフィルタ10aでは、コモンモードチョークコイルL11及びコモンモードチョークコイルL12にて、より効率よくコモンモードノイズを除去することが可能となる。
また、一般的には、ノイズ抑制効果を高めるには挿入損失特性を高めればよいが、更に効果を高める場合には、ノイズの反射を抑制して、ノイズに対して低反射とすることが重要となる。ノイズフィルタ10aでは、コモンモードチョークコイルL11とコモンモードチョークコイルL12とを容量結合させることにより、コモンモードチョークコイルL11,L12間でノイズの循環が発生し、低反射にすることができる。図4は、コモンモードノイズの反射特性と周波数との関係を示したグラフである。縦軸は、反射特性を示し、横軸は、周波数を示す。グラフ中の縦軸において、0dbが全反射を示す。
図2に示すように、ノイズフィルタ10aでは、結合用電極層70が設けられている。該結合用電極層70は、コイルL1,L2からなる組とコイルL3,L4からなる組とを容量結合させている。これにより、図4のグラフに示すように、ノイズフィルタ10aは、結合用電極層70がないノイズフィルタよりも、コモンモードノイズの反射を抑制することが可能となる。因みに、結合用電極層70がない場合には、例えば、コイルL1とコイルL3との結合容量は、0.5pF程度であるが、結合用電極層70がある場合には、コイルL1とコイルL3との結合容量は、5pF程度になる。なお、コイルL1〜L4は、図2に示すように、全てのものが容量結合していてもよいし、コイルL1〜L4の内の3つ又は2つのコイルが容量結合していてもよい。ただし、2つのコイルが容量結合している場合には、コイルL1,L2の内のいずれか一方と、コイルL3,L4の内のいずれか一方とが容量結合している必要がある。
また、ノイズフィルタ10aでは、コイル電極層30a〜30f,34a〜34f、コンデンサ電極層50,52,58,60,62,68、及び、誘電体層16a,16b,18a〜18f,22a〜22f,24a,24bは、図2に示すように、コイルL1,L2が、z軸方向において、コンデンサC1,C2の間に位置するように積層されている。すなわち、コイルL1とコイルL2との間には、コンデンサが設けられていない。そのため、コイルL1及びコイルL2にて発生した磁束は、コンデンサC1,C2により妨げられにくい。これにより、コイルL1,L2内の磁束を強めることができ、LCフィルタLC1,LC2のノーマルモードノイズの除去特性を向上させることができると共に、LCフィルタLC1とLCフィルタLC2との磁気的結合を強めることができ、コモンモードチョークコイルL11のコモンモードノイズの除去特性を向上させることが可能となる。なお、同様のことが、LCフィルタLC3,LC4及びコイルL1,L2についても言える。
ところで、ノイズフィルタ10aでは、図3に示すように、浮遊容量CP1,CP2を発生させている。浮遊容量CP1は、コイル電極層30とコイル電極層34及びコイル電極38とコイル電極42をz軸方向に重ねることにより、コイルL1とコイルL2との間及びコイルL3とコイルL4との間に発生する浮遊容量である。浮遊容量CP1を発生させていることにより、以下に図5を参照しながら説明するように、ノイズフィルタ10aのノーマルモードノイズを効率よく除去できると共に、ノーマルモードノイズの挿入損失の変化を急峻にできる。
また、浮遊容量CP2は、コイル電極層30,34,38,42をz軸方向に重ねることにより、コイルL1〜L4の両端に発生する浮遊容量である。浮遊容量CP2を発生させていることにより、以下に図6を参照しながら説明するように、ノーマルモードノイズ及びコモンモードノイズのカットオフ周波数を低くできると共に、ノーマルモードノイズ及びコモンモードノイズの挿入損失の変化を急峻にできる。図5及び図6は、ノーマルモードノイズ及びコモンモードノイズの挿入損失と周波数との関係を示したグラフである。縦軸は、挿入損失を示し、横軸は、周波数を示す。
まず、浮遊容量CP1が奏する効果について説明する。図5には、浮遊容量CP1があると仮定した場合におけるノーマルモードノイズの挿入損失と、浮遊容量CP1がないと仮定した場合におけるノーマルモードノイズの挿入損失とが示されている。コモンモードノイズが浮遊容量CP1の影響を受けないので、コモンモードの挿入損失については、図5に記載していない。
図3に示すように、浮遊容量CP1を発生させていると、コイルL1,L2と浮遊容量CP1とは、LCフィルタを構成する。そのため、浮遊容量CP1を発生させていると、浮遊容量CP1を発生させていない場合に比べて、図5に示すように、高周波側の共振点におけるノーマルモードノイズを効率よく除去できる。更に、浮遊容量CP1を発生させると、浮遊容量CP1を発生させない場合に比べて、図5に示すように、高周波側の共振点におけるノーマルモードノイズの挿入損失が急峻に変化する。
次に、浮遊容量CP2が奏する効果について説明する。図6には、浮遊容量CP2があると仮定した場合におけるノーマルモードノイズ及びコモンモードノイズの挿入損失と、浮遊容量CP2がないと仮定した場合におけるノーマルモードノイズ及びコモンモードノイズの挿入損失とが示されている。
浮遊容量CP2を発生させていると、浮遊容量CP2を発生させない場合に比べて、図6に示すように、ノーマルモードノイズ及びコモンモードノイズの共振点の周波数が低くなっている。すなわち、浮遊容量CP2を発生させると、浮遊容量CP2を発生させない
場合に比べて、カットオフ周波数が低くなる。更に、浮遊容量CP2を発生させると、浮遊容量CP2を発生させない場合に比べて、図6に示すように、高周波側の共振点におけるノーマルモードノイズ及びコモンモードの挿入損失が急峻に変化する。
(変形例)
図2に示すノイズフィルタ10aでは、結合用電極層70は、2つの環状の線状電極が接続された形状を有しているが、該結合用電極層70の形状はこれに限らない。結合用電極層70は、コイルL1〜L4にて発生した磁束を妨げない形状を有していればよい。すなわち、結合用電極層70は、z軸方向から平面視したときに、コイルL1〜L4と重ならないように形成されていればよい。したがって、結合用電極層70は、図7(a)〜図7(f)に示す結合用電極層70の変形例のような形状であってもよい。
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態に係るノイズフィルタ10bの構成について図面を参照しながら説明する。図8は、第2の実施形態に係るノイズフィルタ10bの積層体12bの分解斜視図である。図9は、ノイズフィルタ10bの等価回路図である。図8及び図9において、図2及び図3と同じ構成については、同じ参照符号が付してある。
積層体12bは、図8に示すように、誘電体層16a,24aのそれぞれにコンデンサ電極層80,82,84,86,90,92,94,96が形成されている点において、積層体12aと相違する。以下、積層体12bと積層体12aとの相違点を中心に説明を行う。
誘電体層16aには、コンデンサ電極層50,52,54,56,80,82,84,86が形成されている。コンデンサ電極層80とコンデンサ電極層58とは、誘電体層16aを挟んで対向することにより、コンデンサC5を構成している。コンデンサ電極層82とコンデンサ電極層58とは、誘電体層16aを挟んで対向することにより、コンデンサC6を構成している。コンデンサ電極層84とコンデンサ電極層58とは、誘電体層16aを挟んで対向することにより、コンデンサC7を構成している。コンデンサ電極層86とコンデンサ電極層58とは、誘電体層16aを挟んで対向することにより、コンデンサC8を構成している。
更に、コンデンサ電極層80のy軸方向の正方向側の端部には、引き出し部81が設けられている。これにより、図9に示すように、コンデンサC5は、外部電極E1と外部電極E9,E10との間に接続されるようになる。また、コンデンサ電極層82のy軸方向の正方向側の端部には、引き出し部83が設けられている。これにより、図9に示すように、コンデンサC6は、外部電極E3と外部電極E9,E10との間に接続されるようになる。また、コンデンサ電極層84のy軸方向の正方向側の端部には、引き出し部85が設けられている。これにより、図9に示すように、コンデンサC7は、外部電極E5と外部電極E9,E10との間に接続されるようになる。また、コンデンサ電極層86のy軸方向の正方向側の端部には、引き出し部87が設けられている。これにより、図9に示すように、コンデンサC8は、外部電極E7と外部電極E9,E10との間に接続されるようになる。
誘電体層24aには、コンデンサ電極層60,62,64,66,90,92,94,96が形成されている。コンデンサ電極層90とコンデンサ電極層68とは、誘電体層24bを挟んで対向することにより、コンデンサC5を構成している。コンデンサ電極層92とコンデンサ電極層68とは、誘電体層24bを挟んで対向することにより、コンデンサC6を構成している。コンデンサ電極層94とコンデンサ電極層68とは、誘電体層24bを挟んで対向することにより、コンデンサC7を構成している。コンデンサ電極層9
6とコンデンサ電極層68とは、誘電体層24bを挟んで対向することにより、コンデンサC8を構成している。
更に、コンデンサ電極層90のy軸方向の正方向側の端部には、引き出し部91が設けられている。これにより、図9に示すように、コンデンサC5は、外部電極E1と外部電極E9,E10との間に接続されるようになる。また、コンデンサ電極層92のy軸方向の正方向側の端部には、引き出し部93が設けられている。これにより、図9に示すように、コンデンサC6は、外部電極E3と外部電極E9,E10との間に接続されるようになる。また、コンデンサ電極層94のy軸方向の正方向側の端部には、引き出し部95が設けられている。これにより、図9に示すように、コンデンサC7は、外部電極E5と外部電極E9,E10との間に接続されるようになる。また、コンデンサ電極層96のy軸方向の正方向側の端部には、引き出し部97が設けられている。これにより、図9に示すように、コンデンサC8は、外部電極E7と外部電極E9,E10との間に接続されるようになる。
ノイズフィルタ10bは、コンデンサC4〜C8が追加されて、Π型構造をとることによって、ノーマルモードノイズ及びコモンモードノイズの挿入損失を急峻かつ大きくすることができる。
(第3の実施形態)
以下に、第3の実施形態に係るノイズフィルタ10cの構成について図面を参照しながら説明する。図10は、第3の実施形態に係るノイズフィルタ10cの積層体12cの分解斜視図である。図11は、ノイズフィルタ10cの等価回路図である。図10及び図11において、図2及び図3と同じ構成については、同じ参照符号が付してある。
積層体12cは、図10に示すように、誘電体層16a,16b,24a,24bの代わりに、誘電体層16c,24cが設けられている点において、図2に示す積層体12aと相違する。以下、積層体12cと積層体12aとの相違点を中心に説明を行う。
ノイズフィルタ10bでは、図10に示すように、コイルL1,L2,L3,L4の途中に、コンデンサ電極層100,103が形成された誘電体層16c,24cが挿入される。より詳細には、誘電体層16cは、誘電体層18cと誘電体層18dとの間に配置される。また、誘電体層24cは、誘電体層22cと誘電体層22dとの間に配置される。コンデンサ電極層100,103(接地用電極)は、z軸方向から平面視した場合に、コイルL1〜L4のコイル軸と重ならないように、電極層が形成されていない空白部を有している。ビア導体32c,36d,40d,44cは、コンデンサ電極層100,103と接触しないように、空白部を貫通している。これにより、コンデンサ電極層100は、誘電体層16c,18を挟んでコイル電極層30,42と対向して、コンデンサC9,C12を形成している。また、コンデンサ電極層103は、誘電体層22,24cを挟んでコイル電極層34,38と対向して、コンデンサC10,C11を形成している。
更に、コンデンサ電極層100は、x軸方向の両端において引き出し部101,102を有している。引き出し部101,102はそれぞれ、外部電極E9,E10に接続されている。その結果、コンデンサC9は、図11に示すように、コイルL1と外部電極E9,E10との間に接続されるようになる。同様に、コンデンサC12は、図11に示すように、コイルL4と外部電極E9,E10との間に接続されるようになる。
また、コンデンサ電極層103は、x軸方向の両端において引き出し部104,105を有している。引き出し部104,105はそれぞれ、外部電極E9,E10に接続されている。その結果、コンデンサC10は、図11に示すように、コイルL2と外部電極E
9,E10との間に接続されるようになる。同様に、コンデンサC11は、図11に示すように、コイルL3と外部電極E9,E10との間に接続されるようになる。
ノイズフィルタ10cによれば、以下に説明するように、コモンモードノイズを効率よく除去することができる。より詳細には、コイルが発生した磁束が電極層を貫通する際には、渦電流損が電極層において発生し、ノイズフィルタのコモンモードノイズの除去特性が低下する。そこで、ノイズフィルタ10cでは、コンデンサ電極層100,103に空白部が設けられている。これにより、コイルL1〜L4にて発生した磁束は、コンデンサ電極層100,103の空白部を貫通するようになり、コンデンサ電極層100,103にて渦電流損が発生せず、コイルL1〜L4にて発生する磁束が強くなる。その結果、コイルL1〜L4の時期的な結合が強くなり、ノイズフィルタ10cにおいて、コモンモードノイズの除去特性が向上する。また、コイルL1〜L4にて発生する磁束が強くなるので、LCフィルタLC1〜LC4によるノーマルモードノイズの除去特性も向上する。
また、ノイズフィルタ10cでは、コイル電極層30,34,38,42が、コイル電極層とコンデンサ電極層の一方とを兼ねている。故に、ノイズフィルタ10cでは、ノイズフィルタ10aに比べて、誘電体層の枚数を減らすことが可能となる。
(第4の実施形態)
以下に、第4の実施形態に係るノイズフィルタ10dの構成について図面を参照しながら説明する。図12は、第4の実施形態に係るノイズフィルタ10dの積層体12dの分解斜視図である。図13は、ノイズフィルタ10dの等価回路図である。図12及び図13において、図2、図3、図10及び図11と同じ構成については、同じ参照符号が付してある。
積層体12dは、図12に示すように、誘電体層16a,16b、24a,24bが更に追加されている点において、図10に示す積層体12cと相違する。誘電体層16a,16b,24a,24bは、図2に示す積層体12aに含まれているものと同じである。
以上のような積層体12dによれば、図13に示すように、外部電極E2と外部電極E9,E10との間にコンデンサC1が設けられ、外部電極E4と外部電極E9,E10との間にコンデンサC2が設けられ、外部電極E6と外部電極E9,E10との間にコンデンサC3が設けられ、外部電極E8と外部電極E9,E10との間にコンデンサC4が設けられるようになる。これにより、ノイズフィルタ10dは、Π型構造をとることによって、ノーマルモードノイズ及びコモンモードノイズの挿入損失を急峻かつ大きくすることができる。
(第5の実施形態)
以下に、第5の実施形態に係るノイズフィルタ10eの構成について図面を参照しながら説明する。図14は、第5の実施形態に係るノイズフィルタ10eの積層体12eの分解斜視図である。図14において、図2と同じ構成については、同じ参照符号が付してある。
積層体12eは、図14に示すように、誘電体層16a,16b、24a,24bの代わりに誘電体層16d,16e,24d,24eが設けられている点において、図2に示す積層体12aと相違する。以下に、積層体12eと積層体12aの相違点について説明する。
誘電体層16dには、コンデンサ電極層150,152,154,156が形成されている。コンデンサ電極層150,152,154,156は、図2に示すコンデンサ電極
層50,52,54,56に比べてx軸方向の幅が狭く形成されている。これにより、コンデンサ電極層150,152,154,156(信号用電極)は、z軸方向から平面視したときに、コイルL1,L4のコイル軸と重ならないようになっている。更に、コンデンサ電極層150,152,154,156のy軸方向の負方向側の端部にはそれぞれ、外部電極E2,E4,E6,E8と接続される引き出し部151,153,155,157が設けられている。
また、誘電体層16eには、コンデンサ電極層158が形成されている。該コンデンサ電極層158は、z軸方向から平面視したときに、コンデンサ電極層150,152,154,156と重なると共に、コイルL1,L4のコイル軸と重ならないように、電極層が形成されていない空白部を有するように形成されている。
また、誘電体層24dには、コンデンサ電極層160,162,164,166が形成されている。コンデンサ電極層160,162,164,166は、図2に示すコンデンサ電極層60,62,64,66に比べてx軸方向の幅が狭く形成されている。これにより、コンデンサ電極層160,162,164,166は、積層方向から平面視したときに、コイルL2,L3のコイル軸と重ならないようになっている。更に、コンデンサ電極層160,162,164,166のy軸方向の負方向側の端部にはそれぞれ、外部電極E2,E4,E6,E8と接続される引き出し部161,163,165,167が設けられている。
また、誘電体層24eには、コンデンサ電極層168が形成されている。該コンデンサ電極層168は、z軸方向から平面視したときに、コンデンサ電極層160,162,164,166と重なると共に、コイルL2,L3のコイル軸と重ならないように、電極層が形成されていない空白部を有するように形成されている。
以上のような構成を有するノイズフィルタ10eは、ノイズフィルタ10aと同じように、図2に示す回路構成を有する。
ノイズフィルタ10eによれば、コンデンサ電極層150,152,154,156,158,160,162,164,166,168が、z軸方向から平面視したときに、コイルL1〜L4と重ならないように形成されている。そのため、ノイズフィルタ10eでは、コンデンサ電極層150,152,154,156,158,160,162,164,166,168における渦電流損の発生が抑制され、コイルL1〜L4にて発生する磁束が強くなる。その結果、コイルL1とコイルL2との磁気的な結合及びコイルL3とコイルL4との磁気的な結合が強くなり、ノイズフィルタ10eのコモンモードノイズ除去特性がノイズフィルタ10aに比べて向上する。
(第6の実施形態)
以下に、第6の実施形態に係るノイズフィルタ10fの構成について図面を参照しながら説明する。図15は、第6の実施形態に係るノイズフィルタ10fの積層体12fの分解斜視図である。図15において、図2及び図14と同じ構成については、同じ参照符号が付してある。
積層体12fは、図15に示すように、誘電体層16a,16b,24a,24bの代わりに、誘電体層16d,16e,16f,24d,24e,24fが設けられている点において、図8に示す積層体12bと相違する。以下に、積層体12fと積層体12bの相違点について説明する。
積層体12fは、図15に示すように、誘電体層14cと誘電体層16dとの間に、誘
電体層16fが設けられている。該誘電体層16fには、コンデンサ電極層250,252,254,256が形成されている。コンデンサ電極層250,252,254,256は、z軸方向から平面視したときに、コンデンサ電極層158と重なるように形成されている。これにより、コンデンサ電極層250とコンデンサ電極層150とは、コンデンサC5を構成する。コンデンサ電極層252とコンデンサ電極層152とは、コンデンサC6を構成する。コンデンサ電極層254とコンデンサ電極層154とは、コンデンサC7を構成する。コンデンサ電極層256とコンデンサ電極層156とは、コンデンサC8を構成する。更に、コンデンサ電極層250,252,254,256のy軸方向の正方向側の端部にはそれぞれ、外部電極E1,E3,E5,E7と接続される引き出し部251,253,255,257が設けられている。
また、誘電体層24fには、コンデンサ電極層260,262,264,266が形成されている。コンデンサ電極層260,262,264,266は、z軸方向から平面視したときに、コンデンサ電極層168と重なるように形成されている。これにより、コンデンサ電極層260とコンデンサ電極層160とは、コンデンサC5を構成する。コンデンサ電極層262とコンデンサ電極層162とは、コンデンサC6を構成する。コンデンサ電極層264とコンデンサ電極層164とは、コンデンサC7を構成する。コンデンサ電極層266とコンデンサ電極層166とは、コンデンサC8を構成する。更に、コンデンサ電極層260,262,264,266のy軸方向の正方向側の端部にはそれぞれ、外部電極E1,E3,E5,E7と接続される引き出し部261,263,265,267が設けられている。
以上のような構成を有するノイズフィルタ10fは、ノイズフィルタ10bと同じように、図9に示す回路構成を有する。
ノイズフィルタ10fによれば、コンデンサ電極層158,168,250,252,254,256,260,262,264,266が、z軸方向から平面視したときに、コイルL1〜L4と重ならないように形成されている。そのため、ノイズフィルタ10fでは、コンデンサ電極層158,168,250,252,254,256,260,262,264,266における渦電流損の発生が抑制され、コイルL1〜L4にて発生する磁束が強くなる。その結果、コイルL1とコイルL2との磁気的な結合及びコイルL3とコイルL4との磁気的な結合が強くなり、ノイズフィルタ10fのコモンモードノイズ除去特性がノイズフィルタ10bに比べて向上する。
(第7の実施形態)
以下に、第7の実施形態に係るノイズフィルタ10gの構成について図面を参照しながら説明する。図16は、第7の実施形態に係るノイズフィルタ10gの積層体12gの分解斜視図である。図16において、図2及び図14と同じ構成については、同じ参照符号が付してある。
積層体12gは、図16に示すように、誘電体層16a,16b,24a,24bの代わりに、誘電体層16d,16e,24d,24eが設けられている点において、図12に示す積層体12dと相違する。誘電体層16d,16e,24d,24eは、図12に示したものと同じであるので詳細な説明を省略する。
以上のような構成を有するノイズフィルタ10gは、ノイズフィルタ10dと同じように、図13に示す回路構成を有する。
ノイズフィルタ10gによれば、コンデンサ電極層150,152,154,156,158,160,162,164,166,168が、z軸方向から平面視したときに、
コイルL1〜L4と重ならないように形成されている。そのため、ノイズフィルタ10gでは、コンデンサ電極層150,152,154,156,158,160,162,164,166,168における渦電流損の発生が抑制され、コイルL1〜L4にて発生する磁束が強くなる。その結果、コイルL1とコイルL2との磁気的な結合及びコイルL3とコイルL4との磁気的な結合が強くなり、ノイズフィルタ10gのコモンモードノイズ除去特性がノイズフィルタ10dに比べて向上する。
(第8の実施形態)
以下に、第8の実施形態に係るノイズフィルタ10hの構成について図面を参照しながら説明する。図17は、第8の実施形態に係るノイズフィルタ10hの積層体12hの分解斜視図である。図18は、ノイズフィルタ10hの等価回路図である。図17及び図18において、図2及び図3と同じ構成については、同じ参照符号が付してある。
積層体12hは、図17に示すように、誘電体層24aと誘電体層26cとの間に、誘電体層24gが設けられている点において、図2に示す積層体12aと相違する。以下に、積層体12hと積層体12aの相違点について説明する。
積層体12hは、図17に示すように、誘電体層24aと誘電体層26cとの間に、誘電体層24gが設けられている。該誘電体層24gには、コンデンサ電極層360,362,364,366が形成されている。コンデンサ電極層360,362,364,366はそれぞれ、z軸方向から平面視したときに、コンデンサ電極層60,62,64,66と重なるように形成されている。これにより、コンデンサ電極層60とコンデンサ電極層360とは、コンデンサC13を構成する。コンデンサ電極層62とコンデンサ電極層362とは、コンデンサC14を構成する。これにより、コンデンサ電極層64とコンデンサ電極層364とは、コンデンサC15を構成する。これにより、コンデンサ電極層66とコンデンサ電極層366とは、コンデンサC16を構成する。更に、コンデンサ電極層360,362,364,366のy軸方向の正方向側の端部にはそれぞれ、外部電極E1,E3,E5,E7と接続される引き出し部361,363,365,367が設けられている。
以上のような構成を有するノイズフィルタ10hは、図18に示す回路構成を有する。より詳細には、コイルL1,L2,L3,L4のそれぞれの両端間に、コンデンサC13,C14,C15,C16が形成される。そして、コンデンサ電極層360,362,364,366の形状や面積等を調整することにより、コンデンサC13,C14,C15,C16の容量を調整でき、ノイズフィルタ10hのコモンモードノイズ及びノーマルモードノイズの除去特性を調整できる。
なお、ノイズフィルタ10b〜10gについても、誘電体層24gが設けられてもよい。
なお、ノイズフィルタ10a〜10hにおいて、コモンモードチョークコイルを1つ又は3つ以上備えていてもよい。
本発明は、ノイズフィルタに有用であり、ノーマルモードノイズ及びコモンモードノイズの両方を除去でき、かつ、小型化を図ることができる点において優れている。
C1〜C16 コンデンサ
CP1,CP2 浮遊容量
E1〜E10 外部電極
L1〜L4 コイル
L11,L12 コモンモードチョークコイル
LC1〜LC4 LCフィルタ
10a〜10h ノイズフィルタ
12a〜12h 積層体
14a〜14c,16a〜16f,18a〜18f,20,22a〜22f,24a〜24g,26a〜26c 誘電体層
30a〜30f,34a〜34f,38a〜38f,42a〜42f コイル電極層
32a〜32e,36b〜36f,40b〜40f,44a〜44e ビア導体
50,52,54,56,58,60,62,64,66,68,80,82,84,86,90,92,94,96,100,103,150,152,154,156,158,160,162,164,166,168,250,252,254,256,258,260,262,264,266,268,360,362,364,366 コンデンサ電極層
51,53,55,57,61,63,65,67,71,72,73,74,81,83,85,87,91,93,95,97,101,102,104,105,151,153,155,157,161,163,165,167,171,172,173,174,251,253,255,257,261,263,265,267,361,363,365,367 引き出し部
70 結合用電極層

Claims (15)

  1. 2つのコイルからなる第1のコモンモードチョークコイルと、
    第1のコイルを含む第1のLCフィルタと、
    第2のコイルを含む第2のLCフィルタと、
    を備え、
    前記第1のコモンモードチョークコイルの2つのコイルは、前記第1のコイル及び前記第2のコイルとして兼用されていること、
    を特徴とするノイズフィルタ。
  2. 前記第1のLCフィルタは、第1のコンデンサを、含み、
    前記第2のLCフィルタは、第2のコンデンサを、含み、
    前記第1のコイル及び前記第2のコイルは、絶縁層とコイル電極層とが積層されることにより構成されており、
    前記第1のコンデンサ及び前記第2のコンデンサは、絶縁層とコンデンサ電極層とが積層されることにより構成されており、
    前記絶縁層、前記コイル電極層及び前記コンデンサ電極層は、前記第1のコイル及び前記第2のコイルが、積層方向において、前記第1のコンデンサと前記第2のコンデンサとの間に位置するように、積層されていること、
    を特徴とする請求項1に記載のノイズフィルタ。
  3. 前記第1のコイル及び前記第2のコイルは、積層方向から平面視したときに、同じ方向に電流が周回する構造を有していること、
    を特徴とする請求項2に記載のノイズフィルタ。
  4. 前記コンデンサ電極層は、積層方向から平面視したときに、前記第1のコイルのコイル軸及び前記第2のコイルのコイル軸と重ならないように形成された信号用電極を含むこと、
    を特徴とする請求項2又は請求項3のいずれかに記載のノイズフィルタ。
  5. 前記第1のコイルと前記第2のコイルにより発生する磁束の大きさは、略等しいこと、
    を特徴とする請求項3に記載のノイズフィルタ。
  6. 前記コンデンサ電極層は、前記第1のLCフィルタと前記第2のLCフィルタとの境界線に対して、略線対称な構造を有していること、
    を特徴とする請求項4に記載のノイズフィルタ。
  7. 前記コンデンサ電極層は、積層方向から平面視したときに、前記第1のコイルのコイル軸及び前記第2のコイルのコイル軸と重ならないように形成された接地用電極を含むこと、
    を特徴とする請求項2ないし請求項6のいずれかに記載のノイズフィルタ。
  8. 第3のコイル及び第3のコンデンサからなる第3のLCフィルタと、
    第4のコイル及び第4のコンデンサからなる第4のLCフィルタと、
    2つのコイルからなる第2のコモンモードチョークコイルと、
    を更に備え、
    前記第3のコイル及び前記第4のコイルは、前記第2のコモンモードチョークコイルの2つのコイルとして兼用されていること、
    を特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のノイズフィルタ。
  9. 前記第3のLCフィルタ及び前記第4のLCフィルタは、前記第1のLCフィルタ及び前記第2のLCフィルタとは電気的に接続されていないこと、
    を特徴とする請求項8に記載のノイズフィルタ。
  10. 前記第1のコイルは、前記第3のコイル及び/又は前記第4のコイルと容量結合していること、
    を特徴とする請求項8又は請求項9のいずれかに記載のノイズフィルタ。
  11. 前記第3のコイル及び前記第4のコイルは、絶縁層とコイル電極層とが積層されることにより構成されており、
    前記第3のコンデンサ及び前記第4のコンデンサは、絶縁層とコンデンサ電極層とが積層されることにより構成されており、
    前記絶縁層、前記コイル電極層及び前記コンデンサ電極層は、前記第3のコイル及び前記第4のコイルが、積層方向において、前記第3のコンデンサと前記第4のコンデンサとの間に位置するように、積層されていること、
    を特徴とする請求項10に記載のノイズフィルタ。
  12. 前記絶縁層と共に積層され、かつ、前記第1のコイルと前記第3のコイルとを容量結合させる結合用電極層を、
    更に備えること、
    を特徴とする請求項11に記載のノイズフィルタ。
  13. 前記結合用電極層は、積層方向から平面視したときに、前記第1のLCフィルタと前記第3のLCフィルタとの間に渡って形成されていること、
    を特徴とする請求項12に記載のノイズフィルタ。
  14. 前記結合用電極層は、積層方向から平面視したときに、前記第1のコイルのコイル軸、前記第2のコイルのコイル軸、前記第3のコイルのコイル軸及び前記第4のコイルのコイル軸と重ならないように形成されていること、
    を特徴とする請求項13に記載のノイズフィルタ。
  15. 前記第1のコイルの両端に第5のコンデンサを形成させるコンデンサ電極を更に備えること、
    を特徴とする請求項1ないし請求項14のいずれかに記載のノイズフィルタ。
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