JP2003197426A - インダクタンス素子を含む複合電子部品 - Google Patents

インダクタンス素子を含む複合電子部品

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JP2003197426A
JP2003197426A JP2001392938A JP2001392938A JP2003197426A JP 2003197426 A JP2003197426 A JP 2003197426A JP 2001392938 A JP2001392938 A JP 2001392938A JP 2001392938 A JP2001392938 A JP 2001392938A JP 2003197426 A JP2003197426 A JP 2003197426A
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inductance element
resin
conductor
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JP2001392938A
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Minoru Takatani
稔 高谷
Toshiichi Endo
敏一 遠藤
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TDK Corp
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  • Filters And Equalizers (AREA)
  • Inductance-Capacitance Distribution Constants And Capacitance-Resistance Oscillators (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電気的特性の狭公差化、高Q値化が得られるイ
ンダクタンス素子を内蔵した複合電子部品を提供するこ
とを目的とする。 【解決手段】機能材料粉末と樹脂とを混合した複合材料
または樹脂でなる第1の層1に2列にスルーホール8を
形成する。第1の層1の上下面において異なる列のスル
ーホール8、8間を連絡するように導体パターン2、3
を形成する。スルーホール8内導体と導体パターン2、
3と共に第1の層1の面方向にヘリカル状のコイルを構
成する。上下の導体パターン2、3をそれぞれ覆うよう
に前記複合材料または前記樹脂により第2の層4、5を
形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機能材料粉末と樹
脂とを混合した複合材料または樹脂を用いて構成される
インダクタンス素子を含む複合電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】インダクタンス素子を含む複合電子部品
における内蔵インダクタンス素子の一例として、機能材
料粉末と樹脂とを混合した複合材料または樹脂からなる
コア基板の表裏面にフォトリソ工法を用いてスパイラル
状にコイルを形成したものがある。また、他の従来例と
して、フェライト等の磁性体セラミックスや誘電体セラ
ミックスからなる積層インダクタを内蔵する複合電子部
品に代表されるように、1/2〜3/4ターン巻きの導
体パターンを多層積層することにより、積層方向にヘリ
カル状のコイルを巻上げたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のインダクタ
ンス素子のうち、スパイラル状にコイルを形成したもの
は、フォトリソ工法を用いているので、パターン精度が
高くとれ、インダクタンス値の狭公差化は図れるもの
の、コイル形状がスパイラル状をなすことから、自己共
振周波数とQ値が低いという問題点がある。
【0004】一方、前記のように導体パターンを積層方
向に多層積層してヘリカル状のコイルを形成したもの
は、Q値は高くとれるが、多層構造であるため、各層間
の導体パターンの位置合わせを高精度に行うことが困難
であるため、狭公差化が図れないという問題点がある。
【0005】本発明の目的は、上記の実情に鑑み、電気
的特性の狭公差化、高Q値化が得られるインダクタンス
素子を含む複合電子部品を提供することを目的とする。
また本発明は、自己共振周波数の高周波化が図れるイン
ダクタンス素子を含む複合電子部品を提供することを他
の目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1のインダクタン
ス素子を含む複合電子部品は、機能材料粉末と樹脂とを
混合した複合材料または樹脂でなる第1の層に2列に形
成されたスルーホールと、前記第1の層の上下面におい
て異なる列のスルーホール間を連絡するように形成され
て前記スルーホール内導体と共に第1の層の面方向にヘ
リカル状のコイルを構成する導体パターンと、該上下の
導体パターンをそれぞれ覆うように前記複合材料または
前記樹脂により形成された第2の層とにより構成された
インダクタンス素子を内蔵していることを特徴とする。
【0007】このような構成とすれば、導体パターンは
フォトリソ工法等のようにパターン精度の高い形成工程
によって実現できる上、第1の層(コア基板)の平坦部
に導体パターンが形成されるので、導体パターンの位置
精度が高められ、多層積層による場合のパターンのずれ
による特性のばらつきが少ないため、電気的特性の狭公
差化が達成できる。また、積層工程でヘリカル状コイル
を構成するのではなく、平面的導体パターンの形成によ
ってコイルを構成するので、コイルを短時間で構成でき
る上、電気的特性の狭公差化により、特性調整のための
トリミングが不要となるので、コストダウンが図れる。
また、前記のように導体パターンの位置精度を高めるこ
とができるので、Q値の小さい樹脂または複合材料を用
いることが可能であることともあいまって、Q値の向上
とこれに伴う損失の低減が可能となる。
【0008】請求項2のインダクタンス素子を含む複合
電子部品は、機能材料粉末と樹脂とを混合した複合材料
または樹脂でなる第1の層の互いに対向する2つの側面
に、導体内蔵のスルーホールの切断により形成された導
体と、前記第1の層の上下面において前記対向する側面
の導体間を連絡するように形成されて前記側面の導体と
共に第1の層の面方向にヘリカル状のコイルを構成する
導体パターンと、該上下の導体パターンをそれぞれ覆う
ように前記複合材料または前記樹脂により形成された第
2の層とにより構成されたインダクタンス素子を内蔵し
ていることを特徴とする。
【0009】このように、コイル形成用の導体パターン
を対向する側面間に形成することにより、コイル導体を
長く形成することが可能となり、さらなるQ値の向上と
これに伴う損失の低減、およびインダクタンス値の向上
が図れる。
【0010】請求項3のインダクタンス素子を含む複合
電子部品は、請求項1または2において、前記第1の層
と第2の層との間に、前記第1の層および第2の層より
低誘電率の第3の層を設け、該第3の層により前記導体
パターンを覆ってなるインダクタンス素子を内蔵してい
ることを特徴とする。
【0011】このように、低誘電率の第3の層を設ける
ことにより、隣接するコイル導体間の容量結合を防止す
ることができ、自己共振周波数が高くなり、電気的特性
の高周波化が図れる。
【0012】請求項4のインダクタンス素子を含む複合
電子部品は、請求項1から3までのいずれかにおいて、
前記導体パターンは、シート状に設けられた導体にレー
ザ加工によってスリットを設けることにより形成されて
いることを特徴とする。
【0013】このように、コイルの導体パターンをレー
ザ加工によって形成することにより、狭いコイル導体間
隔も形成可能となり、小型化が図れる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1(A)は本発明によるインダ
クタンス素子を含む複合電子部品の一実施の形態を積層
フィルタ(バンドパスフィルタ)を示す層構造図、図1
(B)はその回路図である。図1(B)に示すように、
該複合電子部品は、コンデンサC1〜C3とインダクタ
ンス素子L1、L2とからなる。
【0015】図1(A)において、1は機能材料粉末と
樹脂とを混合してなる複合材料または樹脂でなる第1の
層であり、本例では該第1の層1を2つの層1a、1b
の積層したもので構成している。2、3はその表裏面に
設けられた導体パターンであり、これらの導体パターン
2、3はそれぞれ両端が対応する導体パターンの端部に
不図示のスルーホール内導体を介して接続されることに
より、第1の層1の面方向(紙面における左右方向)に
巻上げられたコイル(インダクタンス素子)を構成す
る。4、5はこれらの導体パターン2、3を覆うように
第1の層1の表裏面に重ねて形成された第2の層であ
り、該第2の層4、5も複合材料または樹脂を用いて形
成される。この例では、紙面に垂直方向に2つのインダ
クタンス素子L1、L2が構成される。
【0016】9、10はコンデンサ電極、11は両電極
間に介在させる誘電体層でありこれらによりコンデンサ
が構成される。12、13はこのコンデンサの上下に設
けられた誘電体層である。誘電体層11〜13は機能材
料粉末と樹脂とを混合してなる複合材料または樹脂でな
る。本例ではこれらのコンデンサは紙面に垂直方向に複
数個構成される。6、7はこの素子の両端に設けられた
端子電極である。なお、インダクタ素子L1、L2やコ
ンデンサC1〜C3は、スルーホールまたは外部電極
(いずれも図示せず)により接続される。コンデンサ電
極9、10および誘電体層11は複数層設けてもよい。
【0017】図2は図1(A)の内蔵インダクタンス素
子の製造工程図であり、多数個取りされる素材の各工程
において、それぞれ内蔵インダクタンス素子の1個分に
ついて示している。図2において、(a1)〜(a4)
は素材の表面を示し、(b1)〜(b4)は素材の裏面
を示し、(c1)〜(c4)は断面を示す。これらの図
は左右に並べた図がそれぞれ対応している。(c2)、
(c3)はそれぞれ(a2)、(a3)のE−E、F−
F断面図である。
【0018】(a1)〜(c1)に示す第1の層1に
は、磁性粉末としてのフェライト粉末とエポキシ樹脂と
を混合した複合材料を用い、その硬化後のコア基板の厚
みを0.4mmとした。このコア基板に、(a2)〜
(c2)に示すように、レーザ加工により0.07mm
の直径のスルーホール8を片側に7個、他側に6個、2
列に並ぶように設けた。
【0019】次に(a3)〜(c3)に示すように、フ
ォトリソ工法を用いて、銅により導体幅0.04mm、
厚み0.04mmの導体パターン2、3を形成する。ま
た、スルーホール8内にも銅をめっきにより形成し、こ
れにより第1の層1の面方向に巻上げられたヘリカル状
のコイルを構成した。
【0020】次に(a4)〜(c4)に示すように、磁
性粉末としてのフェライト粉末とエポキシ樹脂とを混合
した複合材料をコア基板(第1の層)1の表裏面に印刷
して覆い、硬化させた。その後、前記誘電体層12、コ
ンデンサ電極9をプリプレグの熱圧着およびフォトリソ
工法またはエッチングにより積層し、同様に誘電体層1
1、コンデンサ電極10、誘電体層13の積層を行っ
た。これらの作業を複数回繰り返して多層化してもよ
い。
【0021】このように内部インダクタンス素子を構成
すれば、従来例より大きなインピーダンス値(インダク
タンス値)が得られる。また、導体パターン2、3をフ
ォトリソ工法等により構成できる上、平面上に導体パタ
ーン2、3を高精度に形成できるので、インピーダンス
値のばらつきが大幅に小さくなり、電気的特性の狭公差
化が達成できた。特に1GHz以上のものにおいて、従
来より高いインダクタンス値が得られる。
【0022】また、積層工程でヘリカル状コイルを順次
巻上げて構成するのではなく、平面的導体パターンの形
成と、スルーホールとによってコイルを構成するので、
コイルを短時間で構成できる上、電気的特性の狭公差化
により、特性調整のためのトリミングが不要となるの
で、コストダウンが図れる。
【0023】また、コイルに流れる電流による磁束が第
1の層1の面方向に通る構成であり、隣接するコイル用
導体間の間隔を一定にすることができる上、前記のよう
に導体パターン2、3の位置精度を高めることができる
ので、樹脂または複合材料と用いることでQ値を向上さ
せることができ、損失を低減できる。
【0024】なお、図1(A)、図2に示した構造、製
造工程を同一とし、第1の層1と第2の層4、5の材料
を、誘電体粉末としてのシリカ粉末とビニルベンジル樹
脂とを混合したもののような低誘電率複合材料に変えた
インダクタンス素子を作製することもできる。
【0025】このようなインダクタンス素子は、前記例
と同様にインダクタンス特性が狭公差化される。また、
低誘電率の複合材料により素子を構成したので、自己共
振周波数がより高くなる。また、ビニルベンジル樹脂が
エポキシ樹脂より誘電損失が小さいため、高Q特性のイ
ンダクタンス素子を得ることができる。
【0026】図1(C)は本発明によるインダクタンス
素子を含む複合電子部品の他の実施の形態を示す断面
図、図3はその製造工程を示す図である。本実施の形態
においては、図1(C)に示すように、前記第1の層1
と第2の層4、5との間に、前記第1の層1および第2
の層4、5より低誘電率の第3の層14、15を設け、
該第3の層14、15により前記導体パターン2、3を
覆ったものである。
【0027】図3の工程図において、(a1)〜(a
5)は素材の表面を示し、(b1)〜(b5)は素材の
裏面を示し、(c1)〜(c5)は断面を示す。図3の
実施の形態においては、第1の層1に磁性粉末としての
フェライト粉末とエポキシ樹脂とを混合した複合材料を
用いた。このコア基板に、(a2)〜(c2)に示すよ
うに、レーザ加工により0.07mmの直径のスルーホ
ール8を前述の場合と同様に片側に7個、他側に6個、
2列に並ぶように設けた。
【0028】次に(a3)〜(c3)に示すように、フ
ォトリソ工法を用いて、銅により導体幅0.04mm、
厚み0.04mmの導体パターン2、3を形成する。ま
た、スルーホール8内にも銅をめっきにより形成し、こ
れにより第1の層1の面方向に巻上げられたヘリカル状
のコイルを構成した。
【0029】次に(a4)〜(c4)に示すように、低
誘電率複合材料としてのシリカ粉末とビニルベンジル樹
脂との混合材料を前記導体パターン2、3を覆うように
印刷し、乾燥することにより、第3の層14、15を形
成した。
【0030】次に(a5)〜(c5)に示すように、磁
性粉末としてのフェライト粉末とエポキシ樹脂とを混合
した複合材料をコア基板(第1の層)1およびの表裏面
に印刷して覆った。
【0031】このような構造とすれば、第3の層14、
15が低誘電率であることから、導体パターン2、3の
隣接する導体間の容量結合が低減されるため、自己共振
周波数が高くなり、かつより高い周波数帯域まで高いイ
ンピーダンス値を得ることが可能となった。
【0032】図1(A)、(C)に示すようなインダク
タンス素子とコンデンサとの組み合わせ構造の複合電子
部品あるいは複数のインダクタンス素子を含む構造は、
バンドパスフィルタ以外に、バルン、カプラ、分配器、
アンテナ、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、LC
トラップ、トランス等に用いることができる。
【0033】図4は本発明による内蔵インダクタンス素
子の他の実施の形態を示す製造工程図である。図4にお
いても、(a1)〜(a4)は素材の表面を示し、(b
1)〜(b4)は素材の裏面を示し、(c1)〜(c
4)は断面を示す。本実施の形態が図3のものと異なる
点は、スルーホール8Aを楕円形状(長孔でもよい)に
して対向する両側面となる箇所に複数個ずつ形成し、そ
のスルーホール8Aの内部に銅をメッキにより形成する
と共に、スルーホール8A、8A間を接続するように導
体パターン2A、3Aを設けてコイルを構成したもので
ある。素材の切断により、スルーホール8Aはそのほぼ
中央部で切断されるため、チップ状態では側面電極16
として残る。この場合も、層1、4、5の材料として
は、前記磁性粉末または誘電体粉末と樹脂との混合材料
を用いることができる。
【0034】このようにスルーホール8A、8Aを設け
る構成とすれば、特性の狭公差化は勿論のこと、導体パ
ターン2A、3Aを長くすることができるので、高いイ
ンダクタンス値が得られ、高いQ値のインダクタンス素
子が得られる。また、シリカ粉末とビニルベンジル樹脂
との混合材料を層1、4、5に用いることにより、高い
共振周波数のものが得られる。図3に示したような第3
の層14、15を有する構造を図4のインダクタンス素
子にも適用することができる。
【0035】図5は本発明による内蔵インダクタンス素
子の他の実施の形態を示す製造工程図である。図5にお
いて、(a1)〜(a5)は素材の表面を示し、(b
1)〜(b5)は素材の裏面を示し、(c1)〜(c
5)は断面を示す。図5の実施の形態が図2のものと異
なる点は、(a3)〜(c3)に示すように、コア基板
1の表裏面にフォトリソ工法またはエッチングにより平
板状の導体パターン17、18を形成した後、(a4)
〜(c4)に示すように、レーザ加工により切り込み1
9、20を入れて導体パターン2、3を形成したことに
ある。
【0036】このようにレーザ加工によって導体パター
ン2、3を形成すれば、導体パターンの間隔を狭くでき
るため、インダクタンス値、Q値ともに高くすることが
できる。なお、図3、図4の構造を図5のインダクタン
ス素子にも適用することができる。
【0037】図6(A)は本発明の他の実施の形態を示
す層構造図、図6(B)はその回路図であり、携帯電話
等の移動体通信機器用の電圧制御発振器(VCO)を構
成するものである。図6(B)に示すように、この電圧
制御発振器は、制御端子24に加える電圧(25は電源
端子)により、出力端子26から出力される信号の周波
数が変化するもので、C1〜C9はコンデンサ、L1〜
L3はインダクタンス素子、R1〜R4は抵抗、VDは
バリキャップダイオード、Laは共振器、Q1、Q2は
トランジスタである。
【0038】図6(A)に示すように、前記した第1の
層1の上下面に形成する導体パターン2、3およびスル
ーホール内導体(図示せず)により、前記インダクタン
ス素子L1〜L3等のインダクタンス素子を構成する。
また、コンデンサ電極9、10および誘電体層11、さ
らにはその上下の層12、13により、コンデンサC1
〜C9の一部または全部を構成する。ストリップライン
22とグランド電極23は共振器Laを構成する。ま
た、搭載部品21は前記トランジスタQ1、Q2や抵抗
R1〜R4あるいはコンデンサの一部等でなる。
【0039】図6(A)において、インダクタンス素子
の第1の層1、第2の層4、5を、シリカ粉末等のよう
に誘電率が低く、Q値が高い機能材料粉末とビニルベン
ジル樹脂等のように誘電率が低い有機材料を混合した複
合材料を用い、かつ第1の層1の面方向にコイルを構成
することにより、自己共振周波数が高く、Q値が高く、
電気的特性の狭公差化されたVCOを構成することが可
能となる。
【0040】図6(A)のような複合電子部品は、携帯
電話等の移動体通信機器におけるPA(パワーアンプ)
モジュール、フロントエンドモジュール、高周波重畳モ
ジュール、PLL(位相ロックドループ)モジュール、
TCXO(温度補償水晶発振器)モジュール、RF(高
周波)ユニット、アンテナ−フロントエンドモジュー
ル、PA−アイソレータモジュール、チューナーユニッ
ト、DC−DCコンバータ等にも適用可能である。
【0041】図6(A)において、第1の層1や第2の
層4、5として、フェライトのように透磁率が高く、損
失の大きな機能材料粉末と、エポキシ樹脂等の樹脂との
複合材料を用いることにより、小型で、前記低誘電率の
複合材料または樹脂を用いた場合よりも比較的低周波領
域でL、Q値の優れたインダクタンス素子を含む複合電
子部品を構成することができる。
【0042】図6(C)は複合電子部品の他の実施の形
態を示す層構造図である。本実施の形態は、図3に示し
たように、スルーホール内導体とでコイルを構成する導
体パターン2、3を覆うように第3の層14、15を設
けたものである。これにより、自己共振周波数が高いイ
ンダクタンス素子を複合電子部品に内蔵させることがで
きる。
【0043】本発明を実施する場合、樹脂としては、前
記のもの以外に、BTレジン、ポリイミド樹脂、フェノ
ール樹脂、フッ素樹脂あるいはその他の樹脂を用いるこ
とができる。また、樹脂または複合材料中には、必要に
応じて補強のためのガラス繊維を設けてもよい。また、
導体パターン2、3の形成は、フォトリソ工法やエッチ
ング以外にスパッタリングやCVD等によっても形成す
ることができる。また、複合材料に混合する機能材料粉
末としては、フェライトやシリカ以外のガラス系セラミ
ック、フォルステライト系セラミック、チタン酸系セラ
ミック等の粉末を使用することができる。
【0044】
【発明の効果】請求項1によれば、インダクタンス素子
を内蔵する複合電子部品において、インダクタンス素子
を構成する第1の層(コア基板)の平坦部にフォトリソ
法等により導体パターンが形成されるので、電気的特性
の狭公差化が達成できる。また、コイルを構成する導体
パターンが平面部において形成され、コイル形成が短時
間に行える上、特性調整のためのトリミングが不要とな
り、大幅なコストダウンが可能となる。
【0045】また、前記のように導体パターンの位置精
度を高めることができる上、複合材料や樹脂を用いてい
るので、Q値を向上させることができる。
【0046】請求項2によれば、コイル形成用の導体パ
ターンを対向する側面間に形成することにより、コイル
導体を長く形成することが可能となり、さらなるQ値の
向上およびインダクタンス値の向上が図れる。
【0047】請求項3によれば、低誘電率の第3の層を
設けたので、隣接するコイル導体間の容量結合を防止す
ることができ、自己共振周波数が高くなり、電気的特性
の高周波化が図れる。
【0048】請求項4によれば、コイルの導体パターン
をレーザ加工によって形成することにより、狭いコイル
導体間隔も形成可能となり、小型化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)はそれぞれ本発明によるインダ
クタンス素子を含む複合電子部品の一実施の形態を示す
層構造図および回路図、(C)は本発明の複合電子部品
の他の実施の形態を示す層構造図である。
【図2】図1(A)の内蔵インダクタンス素子部の製造
工程図である。
【図3】図1(C)の内蔵インダクタンス素子部の製造
工程図である。
【図4】本発明による他の実施の形態を示すインダクタ
ンス素子部の製造工程図である。
【図5】本発明による他の実施の形態を示すインダクタ
ンス素子部の製造工程図である。
【図6】(A)、(B)はそれぞれ本発明によるインダ
クタンス素子を含む複合電子部品の一実施の形態を示す
層構造図および回路図、(C)は本発明の複合電子部品
の他の実施の形態を示す層構造図である。
【符号の説明】
1:第1の層、2、2A、3、3A:導体パターン、
4、5:第2の層、6、7:端子電極、8、8A:スル
ーホール、9、10:コンデンサ電極、11〜13:誘
電体層、14、15:第3の層、16:側面導体、1
7、18:導体パターン、19、20:スリット、2
1:搭載部品、22:ストリップライン、23:グラン
ド電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E070 AA01 AA05 AB01 AB06 BA12 BB03 CB13 CB16 5E082 AA01 AB01 AB03 BB01 BB07 DD07 EE04 FF05 FG26 MM05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機能材料粉末と樹脂とを混合した複合材料
    または樹脂でなる第1の層に2列に形成されたスルーホ
    ールと、 前記第1の層の上下面において異なる列のスルーホール
    間を連絡するように形成されて前記スルーホール内導体
    と共に第1の層の面方向にヘリカル状のコイルを構成す
    る導体パターンと、 該上下の導体パターンをそれぞれ覆うように前記複合材
    料または前記樹脂により形成された第2の層とにより構
    成されたインダクタンス素子を内蔵していることを特徴
    とするインダクタンス素子を含む複合電子部品。
  2. 【請求項2】機能材料粉末と樹脂とを混合した複合材料
    または樹脂でなる第1の層の互いに対向する2つの側面
    に、導体内蔵のスルーホールの切断により形成された導
    体と、 前記第1の層の上下面において前記対向する側面の導体
    間を連絡するように形成されて前記側面の導体と共に第
    1の層の面方向にヘリカル状のコイルを構成する導体パ
    ターンと、 該上下の導体パターンをそれぞれ覆うように前記複合材
    料または前記樹脂により形成された第2の層とにより構
    成されたインダクタンス素子を内蔵していることを特徴
    とするインダクタンス素子を含む複合電子部品。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のインダクタンス
    素子を含む複合電子部品において、 前記第1の層と第2の層との間に、前記第1の層および
    第2の層より低誘電率の第3の層を設け、該第3の層に
    より前記導体パターンを覆ってなるインダクタンス素子
    を内蔵していることを特徴とするインダクタンス素子を
    含む複合電子部品。
  4. 【請求項4】請求項1から3までのいずれかに記載のイ
    ンダクタンス素子を含む複合電子部品において、 前記導体パターンは、シート状に設けられた導体にレー
    ザ加工によってスリットを設けることにより形成されて
    いることを特徴とするインダクタンス素子を含む複合電
    子部品。
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