JP5874718B2 - 周波数可変共振回路および周波数可変フィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、インダクタと可変キャパシタを用いた周波数可変共振回路および周波数可変フィルタに関する。
従来、インダクタとキャパシタの共振周波数を利用して通過帯域や減衰域を設定する共振回路、および当該共振回路を複数段備えた高周波フィルタが各種考案されている。このような共振回路や高周波フィルタとして、特性を調整可能な周波数可変共振回路や周波数可変フィルタが各種考案されている。なお、共振回路やフィルタの特性とは、例えば通過特性や減衰特性、挿入損失等である。
周波数可変共振回路や周波数可変フィルタは、可変キャパシタを備えており、可変キャパシタのキャパシタンスを変化させることで、特性を調整している。
例えば、特許文献1には、図12に示すような周波数可変フィルタが記載されている。図12は、従来技術である特許文献1に示す周波数可変フィルタの回路図である。従来の周波数可変フィルタ10Pは、それぞれにインダクタ20Pと可変キャパシタ31Pとキャパシタ32Pとからなる第1、第2LC並列共振回路を備えている。これらのLC並列共振回路は、第1入出力端子P1と第2入出力端子P2とを接続する伝送ラインとグランドとの間に接続されている。第1入出力端子P1と第1LC並列共振回路の伝送ラインへの接続点と間には、キャパシタ401が接続されている。第2入出力端子P2と第2LC並列共振回路の伝送ラインへの接続点との間には、キャパシタ402が接続されている。第1LC並列共振回路の伝送ラインへの接続点と第2LC並列共振回路の伝送ラインへの接続点と間には、結合用のキャパシタ410が接続されている。
特許文献1に記載の周波数可変フィルタは、第1、第2LC並列共振回路の可変キャパシタのキャパシタンスを変化させることで、通過帯域の周波数や減衰極の周波数を調整している。
特開平9−181538号公報
しかしながら、特許文献1に記載の周波数可変フィルタは、次の問題を有する。図13は、従来技術である特許文献1に示す周波数可変フィルタの通過特性図である。図13において、実線は400MHz帯を通過帯域に設定した場合を示し、破線は520MHz帯を通過帯域に設定した場合を示す。また、図13において、BWf1pは、400MHz帯を通過帯域に設定した場合の通過帯域幅を示す。BWf2pは、520MHz帯を通過帯域に設定した場合の通過帯域幅を示す。そして、BWf1p’は、400MHz帯で設定した通過帯域幅を520MHz帯に重ね合わせた状態を示す。
図13に示すように、通過帯域幅BWf1p,BWf1p’は、通過帯域幅BWf2pよりも広い。
このように、特許文献1に記載の回路構成からなる周波数可変フィルタでは、設定する周波数帯域によって、通過帯域幅が変化してしまう。
したがって、本発明の目的は、設定する複数の通過帯域において、通過帯域幅が殆ど変化しない周波数可変共振回路および周波数可変フィルタを提供することにある。
この発明の周波数可変共振回路は、一方端が伝送ラインに接続された第1インダクタと、第1インダクタの他方端に接続され、第2インダクタと可変キャパシタとを備える第1LC直列回路と、第1インダクタの他方端に接続され、第3インダクタと固定キャパシタとを備える第2LC直列回路と、を備える。第1LC直列回路と第2LC直列回路とは、第1インダクタとグランドとの間に並列接続されている。第2インダクタと第1インダクタとは、正結合の相互誘導をしている。
このような回路構成とすることで、可変キャパシタのキャパシタンスを変化させて通過帯域の周波数を変化させた場合に、帯域の周波数幅が殆ど変化しない。
また、この発明の周波数可変共振回路では、第2LC直列回路は、第3インダクタと固定キャパシタに直列接続する第4インダクタを備えることが好ましい。
この構成では、通過帯域の高周波数側に減衰極を設けることができる。これにより、通過帯域の高周波数側の減衰特性を急峻にすることができる。
また、この発明の周波数可変フィルタは、次の構成であることが好ましい。上述の周波数可変共振回路を複数備え、複数の周波数可変共振回路を接続する伝送ラインには、共振器間結合用素子が接続されている。
この構成では、所望の周波数領域の通過特性の可変範囲を、より容易に実現することができる。
また、この発明の周波数可変フィルタでは、次の構成であってもよい。上述の第4インダクタを有する周波数可変共振回路を複数備える。複数の周波数可変共振回路を接続する伝送ラインには、共振器間結合用素子が接続されている。複数の周波数可変共振回路の第4インダクタは少なくとも一部が1つのインダクタによって構成されている。
この構成では、複数の共振回路部を構成する構成要素を、部分的に共通化することで、所望の特性を実現しながら、小型化が可能である。
また、この発明の周波数可変フィルタでは、共振器間結合用素子はキャパシタである。
また、この発明の周波数可変共振回路では、次の構成であってもよい。周波数可変共振回路は、複数の誘電体層を積層してなる積層体からなる。積層体に導体パターンを形成することで、第1LC直列回路および第2LC直列回路における可変キャパシタ以外の部分が形成される。第1インダクタと第2インダクタは、積層体の積層方向に平行な中心軸を有する螺旋状の導体パターンによって形成され、第1インダクタの螺旋形状の中央開口と、第2インダクタの螺旋形状の中央開口とは、少なくとも一部が重なっている。固定キャパシタを構成する導体パターンと、共振器間結合用素子を構成する導体パターンとは、第1インダクタおよび第2インダクタを構成する層を挟んで配置されている。
この構成では、固定型キャパシタと共振器間結合用素子との不要な結合を抑制できる。
また、この発明の周波数可変共振回路では、次の構成であることが好ましい。周波数可変共振回路は、固定キャパシタを構成する導体パターンと、共振器間結合用素子を構成する導体パターンにおける第1インダクタおよび第2インダクタを構成する層に最も近い層では、固定キャパシタを構成する導体パターンと、共振器間結合用素子を構成する導体パターンと、第1インダクタおよび第2インダクタの螺旋形状の中央開口とが重ならない位置に配置されている。
この構成では、第1インダクタおよび第2インダクタの中央開口の両端が導体パターンによって塞がれないので、第1インダクタおよび第2インダクタの特性を向上させることができる。
また、この発明の周波数可変フィルタでは、次の構成であることが好ましい。周波数可変フィルタは、複数の誘電体層を積層してなる積層体からなる。積層体に導体パターンを形成することで、第1LC直列回路および前記第2LC直列回路における可変キャパシタ以外の部分が構成されている。記第1インダクタと第2インダクタは、積層体の積層方向に平行な中心軸を有する螺旋状の導体パターンによって形成され、第1インダクタの螺旋形状の中央開口と、第2インダクタの螺旋形状の中央開口とは、少なくとも一部が重なっている。
この構成では、上述の回路構成および特性を有する周波数可変フィルタの一部を積層体で小型に形成することができる。
また、この発明の周波数可変フィルタでは、第3インダクタは、積層方向に平行に伸長するビア導体によって形成されていることが好ましい。
この構成では、第3インダクタが第1インダクタおよび第2インダクタと不要に結合することを抑制できる。
また、この発明の周波数可変フィルタでは、次の構成であってもよい。周波数可変フィルタは、複数の誘電体層を積層してなる積層体からなる。積層体に導体パターンを形成することで、第1LC直列回路および第2LC直列回路の可変キャパシタ以外の部分が形成される。第1インダクタと第2インダクタは、積層体の積層方向に平行な中心軸を有する螺旋状の導体パターンによって形成され、第1インダクタの螺旋形状の中央開口と、第2インダクタの螺旋形状の中央開口とは、少なくとも一部が重なっている。第4インダクタの複数の共振回路部で個別の部分と共通の部分とは、伸長方向が略直交する導体パターンによって形成されている。
この構成では、第4インダクタの個別部と共通部との間の不要な結合を抑制できる。
また、この発明の周波数可変共振回路および周波数可変フィルタでは、第3インダクタを形成する導体パターンの伸長方向は、第4インダクタを形成する導体パターンの伸長方向と略直交していることが好ましい。
この構成では、第3インダクタと第4インダクタとの不要な結合を抑制できる。
また、この発明の周波数可変共振回路および周波数可変フィルタでは、第1インダクタの巻回方向と第2インダクタの巻回方向は、同じである。
この構成では、正結合の相互誘導を実現する導体パターンを容易に形成することができる。
この発明によれば、周波数可変共振回路および周波数可変フィルタにおいて、設定する複数の通過帯域における通過帯域幅を殆ど変化させない。
本発明の第1の実施形態に係る周波数可変共振回路の回路図である。 本発明の第1の実施形態に係る周波数可変共振回路の通過特性図である。 本発明の第1の実施形態に係る周波数可変フィルタの回路図である。 本発明の第1の実施形態に係る周波数可変フィルタの通過特性図である。 本発明の第1の実施形態に係る周波数可変フィルタの外観斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る周波数可変フィルタを実現するための積層体の各層の構造を示す分解斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る周波数可変共振回路および周波数可変フィルタの素子値設定方法の一例を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態に係る周波数可変共振回路の回路図である。 本発明の第2の実施形態に係る周波数可変フィルタの回路図である。 本発明の第2の実施形態に係る周波数可変フィルタの通過特性図である。 本発明の第2の実施形態に係る周波数可変フィルタを実現するための積層体の各層の構造を示す分解斜視図である。 従来技術である特許文献1に示す周波数可変フィルタの回路図である。 従来技術である特許文献1に示す周波数可変フィルタの通過特性図である。
本発明の第1の実施形態に係る周波数可変共振回路および周波数可変フィルタについて、図を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る周波数可変共振回路の回路図である。
図1に示すように、周波数可変共振回路10は、第1入出力端子P1、および、第2入出力端子P2を備える。第1入出力端子P1と第2入出力端子P2は、高周波信号の伝送ラインによって接続されている。伝送ラインとグランドとの間には、インダクタ21(第1インダクタに相当する。)と第1、第2LC直列回路からなる共振回路部rcが接続されている。
より具体的には、インダクタ21の一方端は、伝送ラインに接続されている。インダクタ21の他方端は、第1LC直列回路と第2LC直列回路との並列回路を介してグランドに接続されている。
第1LC直列回路は、インダクタ22(第2インダクタに相当する。)と可変キャパシタ31とが直列接続された回路からなる。インダクタ22の一方端は、インダクタ21の他方端に接続されている。インダクタ22の他方端は、可変キャパシタ31の一方端に接続されている。可変キャパシタ31の他方端は、グランドに接続されている。
第2LC直列回路は、インダクタ23(第3インダクタに相当する。)と固定キャパシタ32とが直列接続された回路からなる。インダクタ23の一方端は、インダクタ21の他方端に接続されている。インダクタ23の他方端は、固定キャパシタ32の一方端に接続されている。固定キャパシタ32の他方端は、グランドに接続されている。
インダクタ21とインダクタ22は、正結合の相互誘導が発生するように配置されている。
このような回路構成を用いることで、或程度の帯域幅からなる通過帯域を有する共振回路を形成することができる。さらに、可変キャパシタ31のキャパシタンスを変化させることで、周波数可変共振回路10における通過帯域の周波数をシフトさせることができる。
具体的な回路構成としては、インダクタ21に対して2つのLC直列回路を並列に接続して、これらの回路を伝送線路とグランドとの間に接続し、且つ、一方のLC直列回路に可変キャパシタ31を備え、当該可変キャパシタ31に直列接続するインダクタ22とインダクタ21とによって正結合の相互誘導を発生させる。これにより、通過帯域の周波数が変化しても、帯域幅が殆ど変化しないようにできる。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る周波数可変共振回路の通過特性図である。
図2において、実線は400MHz帯を通過帯域に設定した場合を示し、破線は520MHz帯を通過帯域に設定した場合を示す。また、図2において、BWrf1は、400MHz帯を通過帯域に設定した場合の通過帯域幅を示す。BWrf2は、520MHz帯を通過帯域に設定した場合の通過帯域幅を示す。そして、BWrf1’は、400MHz帯で設定した通過帯域幅を520MHz帯に重ね合わせた状態を示す。
図2に示すように、400MHz帯で設定した通過帯域BWrf1(BWf1’)の周波数幅も520MHz帯で設定した通過帯域BWrf2の周波数幅も略同じである。このように、本実施形態の周波数可変共振回路10の構成を用いれば、通過帯域の周波数を変化させた時に、帯域幅が殆ど変化しないようにできる。
図1では、共振回路部rcを1つだけ用いた周波数可変共振回路10の例を示したが、図3に示すように、共振回路部を2段備えた周波数可変フィルタにしてもよく、さらに3段以上の複数段の共振回路部を備えた周波数可変フィルタにしてもよい。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る周波数可変フィルタの回路図である。
図3に示すように、周波数可変フィルタ10Aは、第1入出力端子P1、および、第2入出力端子P2を備える。第1入出力端子P1と第2入出力端子P2は、高周波信号の伝送ラインによって接続されている。伝送ラインとグランドとの間には、第1、第2共振回路部rc1,rc2が接続されている。第1入出力端子P1と、第1共振回路部rc1が伝送ラインに接続する点との間には、入出力結合用キャパシタ401が接続されている。第2入出力端子P2と、第2共振回路rc2が伝送ラインに接続する点との間には、入出力結合用キャパシタ402が接続されている。第1共振回路部rc1が伝送ラインに接続する点と、第2共振回路部rc2が伝送ラインに接続する点との間には、共振器間結合用キャパシタ410が接続されている。
第1共振回路部rc1は、インダクタ211,221,231、可変キャパシタ311、および固定キャパシタ321を備える。
インダクタ211の一方端は、伝送ラインに接続されている。インダクタ211の他方端は、第1LC直列回路と第2LC直列回路との並列回路を介してグランドに接続されている。
第1LC直列回路は、インダクタ221(第2インダクタに相当する。)と可変キャパシタ311とが直列接続された回路からなる。インダクタ221の一方端は、インダクタ211の他方端に接続されている。インダクタ221の他方端は、可変キャパシタ311の一方端に接続されている。可変キャパシタ311の他方端は、グランドに接続されている。
第2LC直列回路は、インダクタ231(第3インダクタに相当する。)と固定キャパシタ321とが直列接続された回路からなる。インダクタ231の一方端は、インダクタ211の他方端に接続されている。インダクタ231の他方端は、固定キャパシタ321の一方端に接続されている。固定キャパシタ321の他方端は、グランドに接続されている。
インダクタ211とインダクタ221は、正結合の相互誘導が発生するように配置されている。
第2共振回路部rc2は、インダクタ212,222,232、可変キャパシタ312、および固定キャパシタ322を備える。
インダクタ212の一方端は、伝送ラインに接続されている。インダクタ212の他方端は、第1LC直列回路と第2LC直列回路との並列回路を介してグランドに接続されている。
第1LC直列回路は、インダクタ222(第2インダクタに相当する。)と可変キャパシタ312とが直列接続された回路からなる。インダクタ222の一方端は、インダクタ212の他方端に接続されている。インダクタ222の他方端は、可変キャパシタ312の一方端に接続されている。可変キャパシタ312の他方端は、グランドに接続されている。
第2LC直列回路は、インダクタ232(第3インダクタに相当する。)と固定キャパシタ322とが直列接続された回路からなる。インダクタ232の一方端は、インダクタ212の他方端に接続されている。インダクタ232の他方端は、固定キャパシタ321の一方端に接続されている。固定キャパシタ322の他方端は、グランドに接続されている。
インダクタ212とインダクタ222は、正結合の相互誘導が発生するように配置されている。
このような複数段型の周波数可変フィルタ10Aであっても、周波数可変共振回路10と同様に、通過帯域の周波数が変化しても、帯域幅が殆ど変化しないようにできる。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る周波数可変フィルタの通過特性図である。図4(A)は広い周波数範囲を示し、図4(B)は、通過帯域が含まれる周波数範囲を拡大した図である。
図4において、実線は400MHz帯を通過帯域に設定した場合を示し、破線は520MHz帯を通過帯域に設定した場合を示す。また、図4において、BWf1は、400MHz帯を通過帯域に設定した場合の通過帯域幅を示す。BWf2は、520MHz帯を通過帯域に設定した場合の通過帯域幅を示す。そして、BWf1’は、400MHz帯で設定した通過帯域幅を520MHz帯に重ね合わせた状態を示す。
図4に示すように、400MHz帯で設定した通過帯域BWf1(BWf1’)の周波数幅も520MHz帯で設定した通過帯域BWf2の周波数幅も略同じである。このように、複数段の構成であっても、通過帯域の周波数を変化させた時に、帯域幅が殆ど変化しないようにできる。
さらに、周波数可変共振回路を複数段備える構成とすることで、より精確且つ容易に所望の通過特性および減衰特性を実現することができる。
このような回路構成からなる周波数可変フィルタ10Aは、次に示す構造によって実現される。図5は、本発明の第1の実施形態に係る周波数可変フィルタの外観斜視図である。図5(A)は、本発明の第1の実施形態に係る周波数可変フィルタの可変キャパシタを除く部分を形成する積層体の外観斜視図である。図5(B)は周波数可変フィルタ10Aの外観斜視図である。図6は、本発明の第1の実施形態に係る周波数可変フィルタを実現するための積層体の各層の構造を示す分解斜視図である。
周波数可変フィルタ10Aは、図5に示すように、積層体91、ベース基板93、実装型可変キャパシタ931,932を備える。積層体91は、導体パターンが形成された複数の誘電体層を積層して焼結してなる。積層体91は、直方体形状からなる。
積層体91の長手方向の一方の端面である第1端面には、外部接続端子911が形成されている。外部接続端子911は第1入出力端子P1に対応する。
積層体91の長手方向の他方端の端面である第2端面には、外部接続端子912が形成されている。外部接続端子912は第1入出力端子P2に対応する。
積層体91の短手方向の一方端の端面である第1側面には、外部接続端子913,914,915が形成されている。この際、外部接続端子913,914,915は、第1端面側から第2端面側に向かって、この順で配置されている。外部接続端子913は、第1可変キャパシタ接続用端子であり、外部接続端子915は、第2可変キャパシタ接続用端子である。外部接続端子914は、グランド接続用端子である。
積層体91の短手方向の他方端の端面である第2側面には、外部接続端子916,917,918が形成されている。この際、外部接続端子916,917,918は、第1端面側から第2端面側に向かって、この順で配置されている。外部接続端子916,918は、所謂NC(No Contact)端子である。外部接続端子917は、グランド接続用端子である。
積層体91と実装型可変キャパシタ931,932は、ベース基板93に実装されている。積層体91の外部接続端子913は、ベース基板93の導体パターン941によって、実装型可変キャパシタ931に接続されている。積層体911の外部接続端子915は、ベース基板93の導体パターン942によって、実装型可変キャパシタ932に接続されている。
より具体的に、積層体91は、次の構造からなる。なお、以下では、積層方向に見た状態を、平面視した状態と称する。
図6に示すように、積層体91は、13層の誘電体層LY1〜LY13からなる。なお、誘電体層LY1の上層に、導体パターンが形成されない誘電体層を設けてもよい。
誘電体層LY1の表面には、導体パターンPt11,Pt12が形成されている。導体パターンPt11,Pt12は、矩形状である。導体パターンPt11は、誘電体層LY1の第1端面側に配置されており、その一部が第1端面まで達している。この部分が外部接続端子911に接続されている。導体パターンPt12は、誘電体層LY1の第2端面側に配置されており、その一部が第2端面まで達している。この部分が外部接続端子912に接続されている。
誘電体層LY2の表面には、導体パターンPt21,Pt22が形成されている。導体パターンPt21,Pt22は、矩形状である。導体パターンPt21は、誘電体層LY2の第1端面側に配置されており、導体パターンPt11と対向し、導体パターンPt12と対向しないように配置されている。導体パターンPt22は、誘電体層LY2の第2端面側に配置されており、導体パターンPt12と対向し、導体パターンPt11と対向しないように配置されている。
導体パターンPt11,Pt21と誘電体層LY2によって、入出力結合用キャパシタ401が形成される。また、導体パターンPt12,Pt22と誘電体層LY2によって、入出力結合用キャパシタ402が形成される。
誘電体層LY3の表面には、導体パターンPt30が形成されている。導体パターンPt30は、矩形状である。導体パターンPt30は、導体パターンPt21,Pt22のそれぞれに対向している。導体パターンPt30は、誘電体層LY3の第2側面側の領域に形成されており、第1側面側には形成されていない領域が存在する。
導体パターンPt21,Pt22と導体パターンPt30と誘電体層LY3によって、共振器間結合用キャパシタ410が形成される。
誘電体層LY4の表面には、導体パターンPt41,Pt42が形成されている。導体パターンPt41,Pt42は、平面視してC環状の線状導体である。導体パターンPt41は、誘電体層LY4の第1端面側に配置されている。導体パターンPt42の一方端は幅広に形成されており、第1側面に達している。この部分が外部接続端子913に接続されている。導体パターンPt42は、誘電体層LY4の第2端面側に配置されている。導体パターンPt42の一方端は幅広に形成されており、第1側面に達している。この部分が外部接続端子915に接続されている。
誘電体層LY5の表面には、導体パターンPt51,Pt52が形成されている。導体パターンPt51,Pt52は、誘電体層LY4の導体パターンPt41,Pt42と同一形状である。導体パターンPt51,Pt52は、誘電体層LY4の導体パターンPt41,Pt42と平面視して重なっている。
誘電体層LY6の表面には、導体パターンPt61,Pt62が形成されている。導体パターンPt61,Pt62は、平面視してC環状の線状導体である。導体パターンPt61は、誘電体層LY6の第1端面側に配置されている。導体パターンPt62は、誘電体層LY6の第2端面側に配置されている。
誘電体層LY7の表面には、導体パターンPt71,Pt72が形成されている。導体パターンPt71,Pt72は、誘電体層LY6の導体パターンPt61,Pt62と同一形状である。導体パターンPt71,Pt72は、誘電体層LY6の導体パターンPt61,Pt62と平面視して重なっている。
導体パターンPt61,Pt71の一方端は、積層方向に伸長するビア導体VH21を介して、導体パターンPt41,Pt51の他方端に接続されている。
導体パターンPt62,Pt72の一方端は、積層方向に伸長するビア導体VH22を介して、導体パターンPt42,Pt52の他方端に接続されている。
誘電体層LY8の表面には、導体パターンPt81,Pt82が形成されている。導体パターンPt81,Pt82は、平面視してC環状の線状導体である。導体パターンPt81は、誘電体層LY8の第1端面側に配置されている。導体パターンPt82は、誘電体層LY8の第2端面側に配置されている。
誘電体層LY9の表面には、導体パターンPt91,Pt92が形成されている。導体パターンPt91,Pt92は、誘電体層LY8の導体パターンPt81,Pt82と同一形状である。導体パターンPt91,Pt92は、誘電体層LY8の導体パターンPt81,Pt82と平面視して重なっている。
導体パターンPt81,Pt91の一方端は、積層方向に伸長するビア導体VH31を介して、導体パターンPt61,Pt71の他方端に接続されている。
導体パターンPt82,Pt92の一方端は、積層方向に伸長するビア導体VH32を介して、導体パターンPt62,Pt72の他方端に接続されている。
誘電体層LY10の表面には、導体パターンPt101,Pt102が形成されている。導体パターンPt101,Pt102は、平面視してC環状の線状導体である。導体パターンPt101は、誘電体層LY10の第1端面側に配置されている。導体パターンPt102は、誘電体層LY10の第2端面側に配置されている。
誘電体層LY11の表面には、導体パターンPt111,Pt112が形成されている。導体パターンPt111,Pt112は、誘電体層LY10の導体パターンPt101,Pt102と同一形状である。導体パターンPt111,Pt112は、誘電体層LY10の導体パターンPt101,Pt102と平面視して重なっている。
導体パターンPt101,Pt111の一方端は、積層方向に伸長するビア導体VH41を介して、導体パターンPt81,Pt91の他方端に接続されている。なお、このビア導体VH41は、誘電体層LY12の導体パターンPt121にも接続している。
また、導体パターンPt101,Pt111の他方端は、積層方向に伸長するビア導体VH11を介して、誘電体層LY2の導体パターンPt21に接続されている。
導体パターンPt102,Pt112の一方端は、積層方向に伸長するビア導体VH42を介して、導体パターンPt82,Pt92の他方端に接続されている。なお、このビア導体VH42は、誘電体層LY12の導体パターンPt122にも接続している。
また、導体パターンPt102,Pt112の他方端は、積層方向に伸長するビア導体VH12を介して、誘電体層LY2の導体パターンPt22に接続されている。
上述の構成により、インダクタ211は導体パターンPt101、Pt111で構成され、積層方向に平行な中心軸を有する螺旋状のインダクタとなる。よって、ビア導体VH11、VH41により導体パターンPt101、Pt111と接続する。また、インダクタ221は、導体パターンPt41,Pt51,Pt61,Pt71,Pt81,Pt91で構成され、積層方向に平行な中心軸を有する螺旋状のインダクタとなる。よって、ビア導体VH21,VH31によりそれぞれの導体パターンを接続する。
また、ビア導体VH41における導体パターンPt111と導体パターンPt121を接続する部分VH410により、積層方向に伸長する線状のインダクタ231が形成される。この構造より、インダクタ231は、インダクタ211,221よりもインダクタンスは小さい。
導体パターンPt41,Pt51,Pt61,Pt71,Pt81,Pt91と導体パターンPt101,Pt111は中央開口が略重なるように配置されている。これにより、インダクタ211とインダクタ221が相互誘導結合する。さらに、図5に示すように、導体パターンPt21から始まり導体パターンPt41,Pt51に達する導体経路において、導体パターンPt41,Pt51,Pt61,Pt71,Pt81,Pt91と導体パターンPt101,Pt111の巻回方向が一致するように、ビア導体VH11,VH21,VH31,VH41で接続されているので、インダクタ211とインダクタ221は正結合する。すなわち、インダクタ211,221間での正の相互誘導結合を容易且つ小型で効果的に実現することができる。
一方、ビア導体VH41の一部分VH410は積層方向に伸長する線状であるので、当該部分VH410からなるインダクタ231は、インダクタ211,221と殆ど結合しない。言い換えれば、インダクタ211,221とインダクタ231との間の不要な結合を抑制することができる。
同様に、導体パターンPt102,Pt112およびビア導体VH12,VH42により、積層方向に平行な中心軸を有する螺旋状のインダクタ212が形成される。また、導体パターンPt42,Pt52,Pt62,Pt72,Pt82,Pt92およびビア導体VH22,VH32により、積層方向に平行な中心軸を有する螺旋状のインダクタ222が形成される。また、ビア導体VH42における導体パターンPt112と導体パターンPt122を接続する部分VH420により、積層方向に伸長する線状のインダクタ232が形成される。この構造より、インダクタ232は、インダクタ212,222よりもインダクタンスは小さい。
導体パターンPt42,Pt52,Pt62,Pt72,Pt82,Pt92と導体パターンPt102,Pt112は中央開口が略重なるように配置されている。これにより、インダクタ212とインダクタ222が相互誘導結合する。さらに、図6に示すように、導体パターンPt22から始まり導体パターンPt42,Pt52に達する導体経路において、導体パターンPt42,Pt52,Pt62,Pt72,Pt82,Pt92と導体パターンPt102,Pt112の巻回方向が一致するように、ビア導体VH12,VH22,VH32,VH42で接続されているので、インダクタ212とインダクタ222は正結合する。すなわち、インダクタ212,222間での正の相互誘導結合を容易且つ小型で効果的に実現することができる。
一方、ビア導体VH42の一部分VH420は積層方向に伸長する線状であるので、当該部分VH420からなるインダクタ232は、インダクタ212,222と殆ど結合しない。言い換えれば、インダクタ212,222とインダクタ232との間の不要な結合を抑制することができる。
誘電体層LY12の表面には、導体パターンPt121,Pt122が形成されている。導体パターンPt121,Pt122は、矩形状である。導体パターンPt121は、誘電体層LY12の第1端面側に配置されている。導体パターンPt122は、誘電体層LY12の第2端面側に配置されている。導体パターンPt121,Pt122は、誘電体層LY12の第2側面側の領域に形成されており、第1側面側には形成されていない領域が存在する。
導体パターンPt121は、上述のビア導体VH41(VH410)によって、導体パターンPt81,Pt91,Pt101,Pt111に接続されている。導体パターンPt122は、上述のビア導体VH42(VH420)によって、導体パターンPt82,Pt92,Pt102,Pt112に接続されている。
誘電体層LY13の表面には、導体パターンPt130が形成されている。導体パターンPt130は、矩形状であり、誘電体層LY13の略全面に形成されている。導体パターンPt130は、第1側面の略中央および第2側面の略中央において、第1側面および第2側面まで達している。この第1端面まで達する部分が外部接続端子914に接続されている。この第2端面まで達する部分が外部接続端子917に接続されている。
導体パターンPt121と導体パターンPt130と誘電体層Ly12によって、固定キャパシタ321が形成される。導体パターンPt122と導体パターンPt130と誘電体層Ly12によって、固定キャパシタ322が形成される。
このような構造により、周波数可変フィルタ10Aの可変キャパシタ311,312以外の部分が積層体91によって実現される。
上述の構成では、固定キャパシタ321,322を構成する導体パターンを備える誘電体層と、入出力結合用キャパシタ401,402および共振器間結合用キャパシタ410を構成する導体パターンを備える誘電体層との間に、各インダクタ211,221,231,212,222,232を構成する誘電体層が配置されている。これにより、固定キャパシタ321,322と、入出力結合用キャパシタ401,402および共振器間結合用キャパシタ410との間の不要な結合を抑制することができる。
また、誘電体層Ly3の導体パターンPt30、誘電体層Ly12の導体パターンPt121,Pt122は、各インダクタ211,221,231,212,222,232を構成する導体パターンPt41,Pt51,Pt61,Pt71,Pt81,Pt91,Pt101,Pt111および導体パターンPt42,Pt52,Pt62,Pt72,Pt82,Pt92,Pt102,Pt112の中央開口と、平面視して重ならない。したがって、インダクタ211,221,231,212,222,232の磁束が遮られることが抑制されるので、特性に優れるインダクタを構成することができる。同様に各導体パターンを形成する誘電体層を厚くすることにより、インダクタ211,221,231,212,222,232の磁束が他の導体パターンにより遮られることを抑制することができるため、特性に優れるインダクタを構成することができる。
また、インダクタ211,221とインダクタ212,222は、巻回方向が逆であるので、これらが近接していても不要な結合を抑制することができる。
なお、上述の実施形態に示した周波数可変共振回路10および周波数可変フィルタ10Aを構成するインダクタおよびキャパシタの素子値は、次に示すように決定するとよい。図7は、本発明の第1の実施形態に係る周波数可変共振回路および周波数可変フィルタの素子値設定方法の一例を説明するための図である。図7は、可変キャパシタのキャパシタンスを変化させた時の18pFを基準とした帯域幅の変化率の変化を示した図である。図7(A)は、共振周波数を500MHz付近に設定した場合を示し、図7(B)は、共振周波数を1000MHz付近に設定した場合を示す。図7(A),(B)は、所望とする共振周波数を設定するために、インダクタ22,23のインダクタンス、および固定キャパシタ32のキャパシタンスを、適宜、固定して設定している。具体的には、図7(A)の場合、インダクタ22のインダクタンスは21nHであり、インダクタ23のインダクタンスは0.5nHであり、固定キャパシタ32のキャパシタンスは10pFである。図7(B)の場合、インダクタ22のインダクタンスは4nHであり、インダクタ23のインダクタンスは0.5nHであり、固定キャパシタ32のキャパシタンスは8pFである。そして、図7における各特性曲線は、インダクタ21のインダクタンスを異ならせて設定している。
図7(A)に示すように、共振周波数を500MHz付近として、インダクタ22,23のインダクタンス、および固定キャパシタ32のキャパシタンスを上述のように設定した場合、インダクタ21のインダクタンスが8nH〜12nH程度であると、周波数帯域を変化させても、帯域幅は殆ど変化しない。すなわち、インダクタ21,22のインダクタンス比(インダクタ22を基準とする)が、略0.5であれば、帯域幅が殆ど変化しないように設定できる。
図7(B)に示すように、共振周波数を1000MHz付近として、インダクタ22,23のインダクタンス、および固定キャパシタ32のキャパシタンスを上述のように設定した場合、インダクタ21のインダクタンスが4nH〜5nH程度であると、周波数帯域を変化させても、帯域幅は殆ど変化しない。すなわち、インダクタ21,22のインダクタンス比(インダクタ22を基準とする)が、略1.0であれば、帯域幅が殆ど変化しないように設定できる。
なお、図示しないが、共振周波数が500MHz付近、1000MHz付近でない場合であっても、同様に、インダクタ21,22のインダクタンス比が略特定値になると、帯域幅が殆ど変化しないことが、発明者らによって実証されている。
このように、本実施形態の周波数可変共振回路および周波数可変フィルタでは、共振周波数に応じてインダクタ21,22のインダクタンス比が略特定値にすることで、帯域幅の変動をさらに確実に抑制することができる。
また、インダクタ22,23のインダクタンス、および固定キャパシタ32のキャパシタンスは、上述の例に限るものでなく、周波数可変共振回路および周波数可変フィルタに対する所望の特性に応じて変更することができる。この場合にも同様に、共振周波数に応じてインダクタ21,22のインダクタンス比が略特定値にすることで、帯域幅の変動をさらに確実に抑制することができる。
例えば、通過帯域の低域側の減衰特性に応じて、インダクタ22のインダクタンス、および固定キャパシタ32のキャパシタンスを設定しておく、その上で、上述の共振周波数とインダクタンス比との関係を用いて、帯域幅の変動が少なくなるインダクタ21のインダクタンスを設定すればよい。
次に、第2の実施形態に係る周波数可変共振回路および周波数可変フィルタについて、図を参照して説明する。図8は、本発明の第2の実施形態に係る周波数可変共振回路の回路図である。本実施形態の周波数可変共振回路10Bは、第1の実施形態に係る周波数可変共振回路10に対して、インダクタ24を追加したものであり、他の構成は、第1の実施形態に係る周波数可変共振回路10と同じである。したがって、異なる箇所のみを説明する。
周波数可変共振回路10Bの共振回路部rc’は、周波数可変共振回路10の共振回路部rcに対してインダクタ24を追加した構成からなる。インダクタ24は、固定キャパシタ32とグランドとの間に接続されている。
このような回路構成を用いることで、通過帯域の高周波数側にさらに減衰極を有する周波数可変共振回路を形成することができる。さらに、可変キャパシタ31のキャパシタンスを変化させることで、周波数可変共振回路10Bにおける通過帯域の周波数および減衰極の周波数をシフトさせることができる。
この際、上述のように、インダクタ21に対して2つのLC直列回路を並列に接続して、これらの回路を伝送線路とグランドとの間に接続し、且つ、一方のLC直列回路に可変キャパシタ31を備え、当該可変キャパシタ31に直列接続するインダクタ22をインダクタ21と正結合の相互誘導させることで、通過帯域の周波数が変化しても、帯域幅が殆ど変化しないようにできる。
図8では、共振回路部rcを1つだけ用いた周波数可変共振回路10Bの例を示したが、図9に示すように、共振回路部を2段備えた周波数可変フィルタにしてもよく、さらに3段以上の複数段の共振回路部を備えた周波数可変フィルタにしてもよい。
図9は、本発明の第2の実施形態に係る周波数可変フィルタの回路図である。図9に示すように、周波数可変フィルタ10Cの共振回路部rc1’は、周波数可変フィルタ10Aの共振回路部rc1に対して、インダクタ241,243を追加した構成からなる。インダクタ241,243は、固定キャパシタ321とグランドとの間に接続されている。周波数可変フィルタ10Cの共振回路部rc2’は、周波数可変フィルタ10Aの共振回路部rc2に対して、インダクタ242,243を追加した構成からなる。インダクタ242,243は、固定キャパシタ322とグランドとの間に接続されている。インダクタ243は、共振回路部rc1’,rc2’で共通のインダクタである。
このような周波数可変フィルタ10Cであっても、周波数可変共振回路10Bと同様に、通過帯域の周波数が変化しても、帯域幅が殆ど変化しないようにできる。
図10は、本発明の第2の実施形態に係る周波数可変フィルタの通過特性図である。
図10において、実線は400MHz帯を通過帯域に設定した場合を示し、破線は520MHz帯を通過帯域に設定した場合を示す。
図10に示すように、第1の実施形態と同様に、400MHz帯で設定した通過帯域の周波数幅も520MHz帯で設定した通過帯域の周波数幅も略同じである。このように、複数段の構成であっても、通過帯域の周波数を変化させた時に、帯域幅が殆ど変化しないようにできる。
さらに、複数段を備える構成とすることで、より精確且つ容易に所望の通過特性および減衰特性を実現することができる。さらに、本実施形態の構成では、通過帯域の高周波数側の減衰極を形成できるので、通過帯域の高周波数側の減衰特性を急峻にすることができる。また、通過帯域の高周波数側の減衰特性を、より多様に設定することができる。
このような回路構成からなる周波数可変フィルタ10Cは、次に示す構造によって実現される。図11は、本発明の第2の実施形態に係る周波数可変フィルタを実現するための積層体の各層の構造を示す分解斜視図である。
図11に示すように、積層体91Cは、17層の誘電体層LY1〜LY17からなる。なお、誘電体層LY1の上層に、導体パターンが形成されない誘電体層を設けてもよい。
誘電体層LY1の表面には、導体パターンPtc10が形成されている。導体パターンPtc10は矩形状である。導体パターンPtc10は、誘電体層LY1の略中央に配置されている。
誘電体層LY2の表面には、導体パターンPtc21,Ptc22が形成されている。導体パターンPtc21,Ptc22は、矩形状である。導体パターンPtc21は、誘電体層LY2の第1端面側に配置されている。導体パターンPtc22は、誘電体層LY2の第2端面側に配置されている。導体パターンPtc21,Ptc22は、導体パターンPtc10と部分的に対向している。
導体パターンPtc21,Ptc22と導体パターンPt10と誘電体層LY1によって、共振器間結合用キャパシタ410が形成される。
誘電体層LY3の表面には、導体パターンPtc31,Ptc32が形成されている。導体パターンPtc31,Ptc32は、矩形状である。導体パターンPtc31は、誘電体層LY3の第1端面側に配置されており、その一部が第1端面まで達している。この部分が外部接続端子911に接続されている。導体パターンPtc32は、誘電体層LY3の第2端面側に配置されており、その一部が第2端面まで達している。この部分が外部接続端子912に接続されている。
導体パターンPtc31は、導体パターンPtc21と対向しており、導体パターンPtc32は、導体パターンPtc22と対向している。
導体パターンPtc31と導体パターンPtc21と誘電体層LY2とによって、入出力結合用キャパシタ401が形成される。導体パターンPtc32と導体パターンPtc22と誘電体層LY2とによって、入出力結合用キャパシタ402が形成される。
誘電体層LY4の表面には、導体パターンPtc41,Ptc42が形成されている。導体パターンPtc41,Ptc42は、平面視してC環状の線状導体である。導体パターンPtc41は、誘電体層LY4の第1端面側に配置されている。導体パターンPtc41の一方端は幅広に形成されており、第1側面に達している。この部分が外部接続端子913に接続されている。導体パターンPtc42は、誘電体層LY4の第2端面側に配置されている。導体パターンPtc42の一方端は幅広に形成されており、第1側面に達している。この部分が外部接続端子915に接続されている。
誘電体層LY5の表面には、導体パターンPtc51,Ptc52が形成されている。導体パターンPtc51,Ptc52は、誘電体層LY4の導体パターンPtc41,Ptc42と同一形状である。導体パターンPtc51,Ptc52は、誘電体層LY4の導体パターンPtc41,Ptc42と平面視して重なっている。
誘電体層LY6の表面には、導体パターンPtc61,Ptc62が形成されている。導体パターンPtc61,Ptc62は、平面視してC環状の線状導体である。導体パターンPtc61は、誘電体層LY6の第1端面側に配置されている。導体パターンPtc62は、誘電体層LY6の第2端面側に配置されている。
誘電体層LY7の表面には、導体パターンPtc71,Ptc72が形成されている。導体パターンPtc71,Ptc72は、誘電体層LY6の導体パターンPtc61,Ptc62と同一形状である。導体パターンPtc71,Ptc72は、誘電体層LY6の導体パターンPtc61,Ptc62と平面視して重なっている。
導体パターンPtc61,Ptc71の一方端は、積層方向に伸長するビア導体VHc21を介して、導体パターンPtc41,Ptc51の他方端に接続されている。
導体パターンPtc62,Ptc72の一方端は、積層方向に伸長するビア導体VHc22を介して、導体パターンPtc42,Ptc52の他方端に接続されている。
誘電体層LY8の表面には、導体パターンPtc81,Ptc82が形成されている。導体パターンPtc81,Ptc82は、平面視してC環状の線状導体である。導体パターンPtc81は、誘電体層LY8の第1端面側に配置されている。導体パターンPtc82は、誘電体層LY8の第2端面側に配置されている。
誘電体層LY9の表面には、導体パターンPtc91,Ptc92が形成されている。導体パターンPtc91,Ptc92は、誘電体層LY8の導体パターンPtc81,Ptc82と同一形状である。導体パターンPtc91,Ptc92は、誘電体層LY8の導体パターンPtc81,Ptc82と平面視して重なっている。
導体パターンPtc81,Ptc91の一方端は、積層方向に伸長するビア導体VH31を介して、導体パターンPtc61,Ptc71の他方端に接続されている。
導体パターンPtc82,Ptc92の一方端は、積層方向に伸長するビア導体VH32を介して、導体パターンPtc62,Ptc72の他方端に接続されている。
誘電体層LY10の表面には、導体パターンPtc101,Ptc102が形成されている。導体パターンPtc101,Ptc102は、平面視してC環状の線状導体である。導体パターンPtc101は、誘電体層LY10の第1端面側に配置されている。導体パターンPtc102は、誘電体層LY10の第2端面側に配置されている。
誘電体層LY11の表面には、導体パターンPtc111,Ptc112が形成されている。導体パターンPtc111,Ptc112は、誘電体層LY10の導体パターンPtc101,Ptc102と同一形状である。導体パターンPtc111,Ptc112は、誘電体層LY10の導体パターンPtc101,Ptc102と平面視して重なっている。
導体パターンPtc101,Ptc111の一方端は、積層方向に伸長するビア導体VHc41を介して、導体パターンPtc81,Ptc91の他方端に接続されている。
また、導体パターンPtc101,Ptc111の他方端は、積層方向に伸長するビア導体VHc11を介して、誘電体層LY2の導体パターンPtc21に接続されている。
また、導体パターンPtc101,Ptc111の伸長方向の途中位置には、積層方向に伸長するビア導体VHc51の一方端が接続されている。ビア導体VHc51の他方端は、後述する誘電体層LY16の導体パターンPtc161に接続されている。
導体パターンPtc102,Ptc112の一方端は、積層方向に伸長するビア導体VHc42を介して、導体パターンPtc82,Ptc92の他方端に接続されている。
また、導体パターンPtc102,Ptc112の他方端は、積層方向に伸長するビア導体VHc12を介して、誘電体層LY2の導体パターンPtc22に接続されている。
また、導体パターンPtc102,Ptc112の伸長方向の途中位置には、積層方向に伸長するビア導体VHc52の一方端が接続されている。ビア導体VHc52の他方端は、後述する誘電体層LY16の導体パターンPtc162に接続されている。
上述の構成により、導体パターンPtc101,Ptc111におけるビア導体VHc11,VHc51間の部分、および、ビア導体VHc11により、積層方向に平行な中心軸を有する螺旋状のインダクタ211が形成される。また、導体パターンPtc41,Ptc51,Ptc61,Ptc71,Ptc81,Ptc91、導体パターンPtc101,Ptc111におけるビア導体VHc41,VHc51間の部分、およびビア導体VHc21,VHc31により、積層方向に平行な中心軸を有する螺旋状のインダクタ221が形成される。また、ビア導体VHc51によって、積層方向に伸長する線状のインダクタ231が形成される。
導体パターンPtc41,Ptc51,Ptc61,Ptc71,Ptc81,Ptc91,Ptc101,Ptc111は中央開口が略重なるように配置されている。これにより、インダクタ211とインダクタ221が相互誘導結合する。さらに、図9に示すように、導体パターンPtc21から始まり導体パターンPtc41,Ptc51に達する導体経路において、導体パターンPtc41,Ptc51,Ptc61,Ptc71,Ptc81,Ptc91,Ptc101,Ptc111の巻回方向が一致するように、ビア導体VHc11,VHc21,VHc31,VHc41で接続されているので、インダクタ211とインダクタ221は正結合する。すなわち、インダクタ211,221間での正の相互誘導結合を容易且つ小型で効果的に実現することができる。
一方、ビア導体VHc51は積層方向に伸長する線状であるので、当該ビア導体VHc51からなるインダクタ231は、インダクタ211,221と殆ど結合しない。言い換えれば、インダクタ211,221とインダクタ231との間の不要な結合を抑制することができる。
同様に、導体パターンPtc102,Ptc112におけるビア導体VHc12,VHc52間の部分、および、ビア導体VHc12により、積層方向に平行な中心軸を有する螺旋状のインダクタ212が形成される。また、導体パターンPtc42,Ptc52,Ptc62,Ptc72,Ptc82,Ptc92、導体パターンPtc102,Ptc112におけるビア導体VHc42,VHc52間の部分、およびビア導体VHc22,VHc32により、積層方向に平行な中心軸を有する螺旋状のインダクタ222が形成される。また、ビア導体VHc52によって、積層方向に伸長する線状のインダクタ232が形成される。
導体パターンPtc42,Ptc52,Ptc62,Ptc72,Ptc82,Ptc92,Ptc102,Ptc112は中央開口が略重なるように配置されている。これにより、インダクタ212とインダクタ222が相互誘導結合する。さらに、図9に示すように、導体パターンPtc22から始まり導体パターンPtc42,Ptc52に達する導体経路において、導体パターンPtc42,Ptc52,Ptc62,Ptc72,Ptc82,Ptc92,Ptc102,Ptc112の巻回方向が一致するように、ビア導体VHc12,VHc22,VHc32,VHc42で接続されているので、インダクタ212とインダクタ222は正結合する。すなわち、インダクタ212,222間での正の相互誘導結合を容易且つ小型で効果的に実現することができる。
一方、ビア導体VHc52は積層方向に伸長する線状であるので、当該ビア導体VHc52からなるインダクタ232は、インダクタ212,222と殆ど結合しない。言い換えれば、インダクタ212,222とインダクタ232との間の不要な結合を抑制することができる。
誘電体層LY12の表面には、導体パターンPtc120が形成されている。導体パターンPtc120は、幅広の線状からなる。言い換えれば、導体パターンPtc120は、インダクタを構成する線状の導体パターンよりも幅広に形成されている。導体パターンPtc120は、長手方向の略中央に、短手方向沿って伸長する形状で形成されている。導体パターンPtc120の一方端は第1側面に達している。この第1端面まで達する部分が外部接続端子914に接続されている。導体パターンPtc120の他方端は第2側面に達している。この第2端面まで達する部分が外部接続端子917に接続されている。
誘電体層LY13の表面には、導体パターンPtc130が形成されている。導体パターンPtc130は、誘電体層LY12の導体パターンPtc120と同一形状である。導体パターンPtc130は、誘電体層LY12の導体パターンPtc120と平面視して重なっている。なお、誘電体層LY12、LY13の表面に導体パターンを複数形成することで、インダクタが複数となり、減衰極の数や減衰極の周波数を調整することができる。
誘電体層LY14の表面には、導体パターンPtc140が形成されている。導体パターンPtc140は、平面視してC環状の線状導体である。導体パターンPtc140は、誘電体層LY14の第2側面側に配置されている。導体パターンPtc140の両端は幅広に形成されており、第2側面に達している。この一方端が外部接続端子916に接続されており、他方端が外部接続端子918に接続されている。
誘電体層LY15の表面には、導体パターンPtc150が形成されている。導体パターンPtc150は、誘電体層LY14の導体パターンPtc140と同一形状である。導体パターンPtc150は、誘電体層LY14の導体パターンPtc140と平面視して重なっている。
導体パターンPtc140,Ptc150の伸長方向の略中央位置は、導体パターンPtc120,Ptc130の伸長方向の略中央と、積層方向に伸長するビア導体VHc60によって接続されている。
この導体パターンPtc120,Ptc130およびビア導体VHc60によって、インダクタ243が形成される。導体パターンPtc140,Ptc150における一方端とビア導体VHc60に接続する位置との間によって、インダクタ241が形成される。導体パターンPtc140,Ptc150における他方端とビア導体VHc60に接続する位置との間によって、インダクタ242が形成される。
ここで、図11に示すように、導体パターンPtc140,Ptc150の主要部が伸長する方向と、導体パターンPtc120,Ptc130の伸長方向は、直交している。これにより、インダクタ243と、インダクタ241,242との間の不要な結合を抑制することができる。
誘電体層LY16の表面には、導体パターンPtc161,Ptc162が形成されている。導体パターンPtc161,Ptc162は、矩形状である。導体パターンPtc161は、誘電体層LY16の第1端面側に配置されている。導体パターンPt162は、誘電体層LY16の第2端面側に配置されている。導体パターンPtc161,Ptc162は、誘電体層LY16の第2側面側の領域に形成されており、第1側面側には形成されていない領域が存在する。
導体パターンPtc161は、ビア導体VHc51によって、導体パターンPtc101,Ptc111に接続されている。このビア導体VHc51における導体パターンPtc161と導体パターンPtc111との間の部分VHc510によって、インダクタ231が形成される。
導体パターンPtc162は、ビア導体VHc52によって、導体パターンPtc102,Ptc112に接続されている。このビア導体VHc52における導体パターンPtc162と導体パターンPtc112との間の部分VHc520によって、インダクタ232が形成される。
このように、インダクタ231,232を構成するビア導体VHc51,VHc52の伸長方向は、インダクタ241,242を構成する導体パターンPtc140,Ptc150の主要部が伸長する方向およびインダクタ243を構成する導体パターンPtc120,Ptc130の伸長方向と直交する。これにより、インダクタ231,232と、インダクタ241,242,243との間の不要な結合を抑制することができる。
誘電体層LY17の表面には、導体パターンPtc171,Ptc172が形成されている。導体パターンPtc171,Ptc172は、矩形状である。導体パターンPtc171は、誘電体層LY17の第1端面側に配置されている。導体パターンPtc171の一部は、第2側面に達している。この第2端面まで達する部分が外部接続端子916に接続されている。導体パターンPt172は、誘電体層LY17の第2端面側に配置されている。導体パターンPtc172の一部は、第2側面に達している。この第2端面まで達する部分が外部接続端子918に接続されている。
導体パターンPtc171は、誘電体層LY16の導体パターンPtc161と対向している。導体パターンPtc171と導体パターンPtc161と誘電体層LY16によって、固定キャパシタ321が形成される。導体パターンPtc172は、誘電体層LY16の導体パターンPtc162と対向している。導体パターンPtc172と導体パターンPtc162と誘電体層LY16によって、固定キャパシタ322が形成される。
このような構造により、周波数可変フィルタ10Cの可変キャパシタ311,312以外の部分が積層体91Cによって実現される。
上述の構成では、固定キャパシタ321,322を構成する導体パターンを備える誘電体層と、入出力結合用キャパシタ401,402および共振器間結合用キャパシタ410を構成する導体パターンを備える誘電体層との間に、各インダクタ211,221,231,212,222,232,241,242,243を構成する誘電体層が配置されている。これにより、固定キャパシタ321,322と、入出力結合用キャパシタ401,402および共振器間結合用キャパシタ410との間の不要な結合を抑制することができる。
また、誘電体層Ly3の導体パターンPtc31,Ptc32、誘電体層Ly16の導体パターンPtc161,Ptc162は、各インダクタ211,221,231,212,222,232を構成する導体パターンPtc41,Ptc51,Ptc61,Ptc71,Ptc81,Ptc91,Ptc101,Ptc111および導体パターンPtc42,Ptc52,Ptc62,Ptc72,Ptc82,Ptc92,Ptc102,Ptc112の中央開口と、平面視して重ならない。したがって、インダクタ211,221,231,212,222,232の磁束が遮られることが抑制されるので、特性に優れるインダクタを構成することができる。
また、インダクタ211,221とインダクタ212,222は、巻回方向が逆であるので、これらが近接していても不要な結合を抑制することができる。
また、各インダクタ211,221,231,212,222,232を構成する導体パターンPtc41,Ptc51,Ptc61,Ptc71,Ptc81,Ptc91,Ptc101,Ptc111および導体パターンPtc42,Ptc52,Ptc62,Ptc72,Ptc82,Ptc92,Ptc102,Ptc112の中央開口と、インダクタ241,242を構成する導体パターンPtc140,Ptc150の中央開口とは、平面視して重ならない。したがって、インダクタ211,221,231,212,222,232とインダクタ241,242の不要な結合を抑制することができる。
なお、上述の各実施形態では、インダクタを構成する線状の導体パターンが隣り合う2層に形成される態様を示したが、1層であってもよい。ただし、2層で形成する態様を用いることで、インダクタの抵抗を低下させ、インダクタのQを向上させることができる。
10,10B:周波数可変共振回路
10A,10C:周波数可変フィルタ
21,22,23,24,211,212,221,222,231,232,241,242,243:インダクタ
31,311,312:可変キャパシタ
32,321,322:固定キャパシタ
401,402:入出力結合用キャパシタ
410:共振器間結合用キャパシタ
91,91C:積層体
93:ベース基板
931,932:実装型可変キャパシタ
941,942:導体パターン
rc、rc1,rc2,rc’rc1’rc2’:共振回路部

Claims (14)

  1. 一方端が伝送ラインに接続された第1インダクタと、
    前記第1インダクタの他方端に接続され、第2インダクタと可変キャパシタとを備える第1LC直列回路と、
    前記第1インダクタの他方端に接続され、第3インダクタと固定キャパシタとを備える第2LC直列回路と、を備え、
    前記第1LC直列回路と前記第2LC直列回路とは、前記第1インダクタとグランドとの間に並列接続されており、
    前記第2インダクタと前記第1インダクタとは、正結合の相互誘導をしている、
    周波数可変共振回路。
  2. 前記第2LC直列回路は、前記第3インダクタと前記固定キャパシタに直列接続する第4インダクタを備える、
    請求項1に記載の周波数可変共振回路。
  3. 請求項1または請求項2に記載の周波数可変共振回路を複数備え、
    複数の周波数可変共振回路を接続する伝送ラインには、共振器間結合用素子が接続されている、
    周波数可変フィルタ。
  4. 請求項2に記載の周波数可変共振回路を複数備え、
    複数の周波数可変共振回路を接続する伝送ラインには、共振器間結合用素子が接続されており、
    複数の周波数可変共振回路の第4インダクタは少なくとも一部が1つのインダクタによって構成されている、
    周波数可変フィルタ。
  5. 前記共振器間結合用素子はキャパシタである、
    請求項3または請求項4に記載の周波数可変フィルタ。
  6. 複数の誘電体層を積層してなる積層体からなり、
    該積層体に導体パターンを形成することで、前記第1LC直列回路、および前記第2LC直列回路における前記可変キャパシタ以外の部分が構成され、
    前記第1インダクタと前記第2インダクタは、前記積層体の積層方向に平行な中心軸を有する螺旋状の導体パターンによって形成され、前記第1インダクタの螺旋形状の中央開口と、前記第2インダクタの螺旋形状の中央開口とは、少なくとも一部が重なっている、
    請求項1または請求項2に記載の周波数可変共振回路。
  7. 前記第3インダクタは、前記積層方向に平行に伸長するビア導体によって形成されている、
    請求項6に記載の周波数可変共振回路。
  8. 数の誘電体層を積層してなる積層体からなり、
    該積層体に導体パターンを形成することで、前記第1LC直列回路、および前記第2LC直列回路における前記可変キャパシタ以外の部分が構成され、
    前記第1インダクタと前記第2インダクタは、前記積層体の積層方向に平行な中心軸を有する螺旋状の導体パターンによって形成され、前記第1インダクタの螺旋形状の中央開口と、前記第2インダクタの螺旋形状の中央開口とは、少なくとも一部が重なっており、
    前記第4インダクタの複数の共振回路部で個別の部分と共通の部分とは、伸長方向が略直交する導体パターンによって形成されている、
    請求項4に記載の周波数可変フィルタ
  9. 記第3インダクタを形成する導体パターンの伸長方向は、前記第4インダクタを形成する導体パターンの伸長方向と略直交している、
    請求項8に記載の周波数可変フィルタ
  10. 数の誘電体層を積層してなる積層体からなり、
    該積層体に導体パターンを形成することで、前記第1LC直列回路、および前記第2LC直列回路における前記可変キャパシタ以外の部分が構成され、
    前記第1インダクタと前記第2インダクタは、前記積層体の積層方向に平行な中心軸を有する螺旋状の導体パターンによって形成され、前記第1インダクタの螺旋形状の中央開口と、前記第2インダクタの螺旋形状の中央開口とは、少なくとも一部が重なっており、
    前記固定キャパシタを構成する導体パターンと、前記共振器間結合用素子を構成する導体パターンとは、前記第1インダクタおよび前記第2インダクタを構成する層を挟んで配置されている、
    請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の周波数可変フィルタ。
  11. 記固定キャパシタを構成する導体パターンと、前記共振器間結合用素子を構成する導体パターンにおける前記第1インダクタおよび前記第2インダクタを構成する層に最も近い層では、前記固定キャパシタを構成する導体パターンと、前記共振器間結合用素子を構成する導体パターンと、前記第1インダクタおよび前記第2インダクタの螺旋形状の中央開口とが重ならない位置に配置されている、
    請求項10に記載の周波数可変フィルタ。
  12. 前記固定キャパシタを構成する導体パターンと、前記共振器間結合用素子を構成する導体パターンとは、前記第1インダクタ、前記第2インダクタを構成する層を挟んで配置されている、
    請求項11に記載の周波数可変フィルタ。
  13. 前記第1インダクタの巻回方向と前記第2インダクタの巻回方向は、同じである、
    請求項6または請求項7に記載の周波数可変共振回路
  14. 前記第1インダクタの巻回方向と前記第2インダクタの巻回方向は、同じである、
    請求項8乃至請求項12のいずれかに記載の周波数可変フィルタ。
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