JP2009215537A - 放射線硬化型コーティング組成物 - Google Patents
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Abstract
指紋の拭き取り性及びリコート性に優れた硬化塗膜を得ることができる放射線硬化型コーティング組成物を提供すること。
【解決手段】
放射線硬化型樹脂(A)と、
一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物(B1)及び/又はポリオキシアルキレン化合物(B1)とジイソシアネートとの反応物(B2)と
を含むことを特徴とする放射線硬化型コーティング組成物。
{R-(OX)ni-}mQ (1)
Qは非還元性の二又は三糖類のm個の1級水酸基から水素原子を除いた反応残基、OXはオキシアルキレン基、Rはアルキル基、共重合性二重結合含有基基及び/又は水素原子、niは0〜100の整数、mは2〜4の整数、iは1〜mの整数を表し、m個のniは同じでも異なってもよいが少なくとも1個は1以上であり、OXの総数(Σni×m)は20〜100の整数である。
【選択図】 なし
Description
一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物(B1)及び/又はポリオキシアルキレン化合物(B1)とジイソシアネートとの反応物(B2)と
を含む点を要旨とする。
{R-(OX)ni-}mQ (1)
放射線硬化型樹脂(A)としては、放射線{電子線、紫外線、可視光線及び赤外線等}の照射を受けた際に、硬化反応を開始する樹脂であれば制限がなく、公知の樹脂{たとえば、特開2005−154609号公報に記載された(メタ)アクリレートや(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー、及び特開2004−149758号公報に記載のエポキシ樹脂等}等が使用できる。
非還元性の二又は三糖類のm個の1級水酸基から水素原子を除いた反応残基(Q)を構成することができる二又は三糖類としては、蔗糖(サッカロース)、トレハロース、イソトレハロース、イソサッカロース、ゲンチアノース、ラフィノース、メレチトース及びプランテオース等が含まれる。これらのうち、指紋拭き取り性の観点から、蔗糖、トレハロース、ゲンチアノース、ラフィノース及びプランテオースが好ましく、さらに好ましくはトレハロース及び蔗糖であり、供給性及びコスト等の観点から特に好ましくは蔗糖である。これらは単独で、または混合して用いてもよい。
これらのRのうち、アルキル基及びアルケニルが好ましく、さらに好ましくはメチル、エチル、iso−プロペニル及び2−プロペニル、特に好ましくはメチル、エチル及び2−プロペニル、最も好ましくはメチル及びエチルである。m個のRは同じでも異なっていてもよい。
芳香族ジイソシアネートとしては、炭素数8〜15のアリレンジイソシアネート等が用いられ、パラフェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート及び1,5−ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環式ジイソシアネートとしては、炭素数12〜15のシクロアルキレンジイソシアネート等が用いられ、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水素添加MDI、トランス1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、水素添加TDI及び水素添加1,5−ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
なお、体積平均粒子径は、JIS Z8825−1−2001「粒子径解析−レーザー回折法」に準拠した測定原理を有するレーザー回折式粒度分布測定装置(たとえば、(株)島津製作所製SALD−1100、堀場製作所(株)製LA−920等)で測定される。
光増感剤(F)としては、公知の光増感剤等が使用でき、アルキルアミノ光増感剤(F1)及びジアルキルアミノフェニル光増感剤(F2)等が含まれる。
紫外線吸収剤(G)としては、ベンゾトリアゾール紫外線吸収剤(G1)、ヒンダードアミン紫外線吸収剤(G2)、ベンゾフェノン紫外線吸収剤(G3)、サリチル酸紫外線吸収剤(G4)及びトリアジン紫外線吸収剤(G5)等が含まれる。
<製造例1>
加熱、攪拌、冷却、滴下、加圧及び減圧の可能な反応容器に、蔗糖{商品名;スクロース、和光純薬工業(株)製、1級}342部(1モル部)及びジメチルホルムアミド(DMF){三菱ガス化学(株)製}1000部を均一混合した後、窒素ガスを用いて、ゲージ圧で0.4MPaになるまで加圧し0.02MPaになるまで排出する操作(加圧窒素置換)を3回繰り返した。その後、攪拌しつつ100℃まで昇温し、同温度にてプロピレンオキシド(PO)4350部(75モル部)を4時間かけて滴下した後、同温度にて30分間攪拌を続けて残存するEOを反応させた。次いで120℃まで加熱し、同温度に保持しながら0.01〜0.1MPaの減圧下にてDMFを留去し、次いで90℃に冷却し、イオン交換水20部を加えた後、キョーワード700{協和化学工業(株)製合成無機吸着剤、「キョワード」は同社の登録商標である。}100部を加え、同温度にて1時間攪拌した。次いで同温度にてNo.2濾紙{東洋濾紙(株)製}を用いて濾過してキョーワード700を取り除き、さらに0.01〜0.02MPaの減圧下120℃にて1時間脱水して、ポリオキシアルキレン化合物(b11)(蔗糖/PO75モル)を得た。
「プロピレンオキシド(PO)4350部(75モル部)」を「エチレンオキシド(EO)2640部(60モル部)」に変更したこと以外、製造例1と同様にして、ポリオキシアルキレン化合物(b12)(蔗糖/EO60モル)を得た。
加熱、冷却、及び攪拌可能な還流管付き反応容器に、ポリオキシアルキレン化合物(b2)298部(0.1モル部)、アクリル酸{試薬特級、和光純薬工業(株)製}8.6部(0.12モル部)、ハイドロキノン{試薬特級、和光純薬工業(株)製}0.1部及びナフテン酸コバルト{試薬特級、和光純薬工業(株)製}0.05部を仕込み、反応液中に窒素を流しながら80℃にて1時間、次いで100℃にて2時間さらに120℃にて3時間攪拌したところ還流管に水の留出が見られなくなった。還流管、窒素導入管を取り外し、減圧下、80℃にて1時間脱水して、ポリオキシアルキレン化合物(b13)(蔗糖/EO60モル/アクリル酸1モル)を得た。
加熱、冷却、攪拌及び密閉が可能な耐圧反応容器に、製造例1で得たポリオキシアルキレン化合物(b11)469部(0.1モル)を仕込み、1.3〜2.7Paの減圧下100℃にて1時間脱水した。ついで50℃まで冷却後HDI{三井武田ケミカル(株)製、商品名:タケネート700}12部(0.07モル)を加え、製造例1と同様の方法で窒素置換を3回繰り返した。その後、攪拌しつつ1時間で120℃まで昇温し、同温度にて12時間攪拌を続けた後にイソシアナト基の消失を確認して、反応物(b21)を得た。
加熱、冷却、攪拌及び密閉が可能な耐圧反応容器に、製造例2で得たポリオキシアルキレン化合物(b12)298部(0.1モル)を仕込み、1.3〜2.7Paの減圧下100℃にて1時間脱水した。ついで50℃まで冷却後IPDI{住友バイエルウレタン(株)製、商品名:デスモジュールI}11部(0.05モル)を加え、製造例1と同様の方法で窒素置換を3回繰り返した。その後、攪拌しつつ1時間で120℃まで昇温し、同温度にて13時間攪拌を続けた後にイソシアナト基の消失を確認し、反応物(b22)を得た。
加熱、冷却、攪拌及び密閉が可能な耐圧反応容器に、テトラエチレングリコール0.1モル(19部)、HDI 0.2モル(34部)を仕込み、製造例1と同様の方法で窒素置換を3回繰り返した。その後、攪拌しつつ1時間で110℃まで昇温し、同温度で5時間攪拌を続けた後、製造例1で得たポリオキシアルキレン化合物(b11)563部(0.12モル)を仕込み、同温度でさらに5時間攪拌を続けた後、イソシアナト基の消失を確認し、反応物(b23)を得た。
攪拌羽及びモーター付ステンレス製配合槽に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート{共栄社化学(株)製、ライトアクリレートDPE−6A}20部、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(a2){共栄社化学(株)製、ライトアクリレートDCP−A}5部及びウレタンアクリレートオリゴマー(a3){根上工業(株)製、UN−3320HA}13部を仕込み、40℃で1時間攪拌混合して、放射線硬化型樹脂(aa1)を得た。
「ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(a1)20部」、「トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(a2)5部」及び「ウレタンアクリレートオリゴマー(a3)13部」を、表1又は2に示した放射線硬化型樹脂の組成及び配合量に変更したこと以外、実施例1と同様にして、放射線硬化型樹脂(aa2)〜(aa22)を得た。
a2:共栄社化学(株)製ライトアクリレートDCP−A(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)
a3:根上工業(株)製UN−3320HA(ウレタンアクリレートオリゴマー)
a4:ダイセル化学工業(株)製セロキサイドEHPEL3150CE(脂環式エポキシ樹脂)、「セロキサイド」は同社の登録商標である。
b12:製造例2で調製したポリオキシアルキレン化合物(b2)
b13:製造例3で調製したポリオキシアルキレン化合物(b3)
b21:製造例4で調製した反応物(b21)
b22:製造例5で調製した反応物(b22)
b23:製造例6で調製した反応物(b22)
c2:綜研化学(株)製MR−10HG(体積平均粒子径10μmのアクリルフィラー)
d2:東レダウコーニングシリコーン(株)製L−720(末端変性型ポリエーテル変性シリコーン[HLB=7])
e2:チバスペシャルティケミカルズ(株)製イルガキュア184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)
e3:サンアプロ(株)製CPI−200K(トリアリールスルフォニウム塩)
h2:メチルエチルケトン
ポリオキシアルキレン化合物(B)を用いないこと以外、実施例1〜16と同様にして、比較用の放射線硬化型コーティング組成物(H1)〜(H16)を得た。
攪拌羽及びモーター付ステンレス製配合槽に、ペンタエリスリトールトリアクリレート{共栄社化学(株)製、ライトアクリレートPE−3A}40部、シリカ{日産化学(株)オルガノシリカゾルMEK−ST−L、体積平均粒子径50nm、30重量%のメチルエチルケトン分散液}88.7部、光重合開始剤(e2){チバスペシャルティケミカルズ(株)製イルガキュア184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)}3.3部、フッ素系界面活性剤{パーフルオロオクチルエチルアクリレートとヘキサプロピレングリコールモノメタクリレートの共重合ポリマー(ポリスチレン換算重量平均分子量40000)}0.33部を仕込み、40℃で1時間攪拌混合して、比較用の放射線硬化型コーティング組成物(H17)を得た。
<評価用試料の調整>
易接着処理ポリエステルフィルム{東洋紡(株)製、品番A4100、厚み188μm}を30cm(縦)×15cm(横)角に切り出し、表面の保護フィルムを剥がし、塗工面をイソプロピルアルコールで拭き取り乾燥して被塗工フィルムを用意した。次いで、JIS K5101−4(2004)「顔料試験方法−第4部:隠蔽力−隠蔽率試験紙法−4(d)バーコーター」と同等のバーコーター(No.6:ステンレス綱径0.15mm)を用いて、放射線硬化型コーティング組成物を被塗工フィルムに、縦方向にバーコーターを移動させて塗工して塗装フィルムを得た。引き続き、塗工面が縦方向に垂直になるようにして塗工フィルムを吊るして、22℃で1分間で放置し、さらに80℃の乾燥機内で3分間放置した後、塗工面に紫外線(高圧水銀灯,500mJ/cm2)を、塗工面に対して垂直に照射することによって放射線硬化型コーティング組成物を硬化して、評価用試料を調製した。
各評価用試料(各5枚)の塗工面に、無作為に5人の試験者の親指を押しつけて塗工面に指紋を付着させた後(1人/1枚)、付着した指紋を日本薬局タイプIの脱脂綿を用い、(株)井元製作所製ラビングテスターで500g/cm2の荷重をかけて拭き取り、指紋の跡が見えなくなるまでの拭き取り、その回数を測定し、合計値を表3に示した(拭き取り回数の合計値が150以上の場合は×を表示した。)。
ゼブラ(株)製ハイマッキー(油性マーカー、6mm巾、4色;黒、赤、青及び黄色)を用いて、評価用試料の塗工面に直線を5cmの長さ、約1.5cm間隔で各色4本づつ引き、各4色の直線それぞれについて、次の基準に従い評価し、これらの合計点数をリコート性とした。リコート性の最大値は16点であり、合計点数が少ないほどリコート性に優れる。リコート性が2点以下であると実用性において問題のないが、3点以上であると、実用性に乏しいと判断できる。
1〜2ヶ所にはじきを確認できた場合、1点
3ヶ所以上にはじき又は線の端の一部欠けていた場合、2点
線の端が全て欠けていた場合、3点
線として残っていない場合、4点
Claims (8)
- 放射線硬化型樹脂(A)と、
一般式(1)で表されるポリオキシアルキレン化合物(B1)及び/又はポリオキシアルキレン化合物(B1)とジイソシアネートとの反応物(B2)と
を含むことを特徴とする放射線硬化型コーティング組成物。
{R-(OX)ni-}mQ (1)
Qは非還元性の二又は三糖類のm個の1級水酸基から水素原子を除いた反応残基、OXは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、Rは炭素数1〜4のアルキル基、共重合性二重結合含有基及び/又は水素原子を表し、m個のR及びm個の(OX)niは同じでも異なっていてもよく、niは0〜100の整数、mは2〜4の整数、iは1〜mの整数を表し、m個のniは同じでも異なってもよいが少なくとも1個は1以上であり、OXの総数(Σni×m)は20〜100の整数である。 - ポリオキシアルキレン化合物(B1)及び/又は反応物(B2)の含有量が、放射線硬化型樹脂(A)の重量に基づいて0.01〜10重量%である請求項1に記載の放射線硬化型コーティング組成物。
- 放射線硬化型樹脂(A)として(メタ)アクリレート(A1)及び/又は(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(A2)を含む請求項1又は2に記載の放射線硬化型コーティング組成物。
- さらにフィラー(C)を含み、フィラー(C)の含有量が放射線硬化型樹脂(A)の重量に基づいて1〜100重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の放射線硬化型コーティング組成物。
- さらにポリオキシアルキレン変性シリコーン(D)を含み、ポリオキシアルキレン変性シリコーン(D)の含有量が放射線硬化型樹脂(A)の重量に基づいて0.01〜2重量%である請求項1〜4のいずれかに記載の放射線硬化型コーティング組成物。
- さらに光重合開始剤(E)を含み、光重合開始剤(E)の含有量が放射線硬化型樹脂(A)の重量に基づいて1〜15重量%である請求項1〜5のいずれかに記載の放射線硬化型コーティング組成物。
- 指紋付着防汚性コーティング層を形成するための請求項1〜6のいずれかに記載の放射線硬化型コーティング組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の放射線硬化型コーティング組成物をコーティングしてなるプラスチック成型体。
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